JP4895677B2 - 3軸工具ユニットおよび加工装置 - Google Patents

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Description

本発明は、工具を独立に3軸方向に微小動作させることのできる3軸工具ユニット、および3軸工具ユニットを搭載した加工装置に関する。
従来の工具の高速位置決め機構としては、圧電素子、ボイスコイルモータ、電磁力により1軸方向にダイレクトに工具台を移動させるものがあった(例えば、非特許文献1参照。)。図16に、その従来の高速位置決め機構の内部構造図を示す。
この従来の高速位置決め機構は、図16に示すように、ケーシング100に円筒形圧電素子101が装着され、可動部である工具ホルダ102がダイヤフラム103により支持され、工具ホルダ102の変位を容量型変位センサ104により直接測定する構造となっている。また、工具ホルダ102、容量型変位センサ104、ダイヤモンド工具105は中心線が一致するように配置されている。
図17に、上記従来の高速位置決め機構において工具の位置制御を行う位置制御ループ回路のブロック図を示す。この従来の高速位置決め機構は、容量型変位センサ104により工具ホルダ102の変位をフィードバックし、指令値との偏差を積分器110とノッチフィルタ111で構成する補償回路により位相補償し、アンプ(ブロック112に含まれる)により電力増幅して、円筒形圧電素子101を位置制御している。
しかし、位置制御ループ回路を用いて円筒形圧電素子101を位置制御すると、円筒形電圧素子101を制御する信号の位相が指令値に対して遅れるため、指令値に対して工具の動きが十分追従できず、加工誤差を生じる。そこで、この加工誤差を補正する方法として、目標位置や検出位置を波形として捉え、波形の振幅、位相、オフセット、歪に分けて誤差を補正することにより、工具の検出位置を目標位置に一致させるものが従来より提案されている(例えば、特許文献1参照。)。図18に、その従来の加工誤差補正方法を実現する制御装置を示す。
この制御装置の概略を説明すると、目標位置データ記憶部147に記憶された工具の目標位置に従って工具を移動させたときの位置をX軸位置検出器128により検出し、検出位置データ書込部143により検出位置データ記憶部146に記憶させる。前記目標位置と前記検出位置との振幅比、位相差及びオフセット差を第1振幅比検出部152、第1位相差検出部153、オフセット差検出部151により検出し、そのうち少なくとも振幅比及び位相差を求め、指令位置データ振幅/位相/オフセット補正部148によって指令位置を前記振幅比に基づいて拡大/縮小する処理、前記位相差に基づいて位相シフトする処理及び指令位置のオフセットを前記オフセット差に基づいて変更する処理のうち少なくとも拡大/縮小処理及び位相シフト処理をして第1の補正指令位置を求めることにより、加工誤差を補正している。
以上のような従来の高速位置決め機構は、比較的単純な軸対称形状を対象としており、1軸動作であっても、加工形状が軸対称形状であれば小さな計算量で済み大きな支障は無かった。
しかしながら、近年、光学設計技術、加工技術の進展に伴い、非軸対称非球面形状が実用化できるようになった。非軸対称非球面形状の加工においても前記の1軸構成の高速位置決め機構を使用可能であるが、工具刃先が有限の大きさを有するので、刃先のどの位置で加工されるのかを事前に算出した上で制御する必要があった。非軸対称非球面形状加工時の刃先の干渉位置(接触位置)を計算するのは、収束計算を要し、算出時間、データ量も膨大となる。
そこで、非軸対称非球面形状の光学部品等の精密部品等を、旋盤加工に代表される軸対称加工法で高精度にかつ高速に加工するために、工具を独立に3軸方向に微小動作させることのできる3軸工具ユニット、および3軸工具ユニットを搭載した加工装置が提案されている。
従来の3軸工具ユニットは、3つのアクチュエータにより工具ホルダを直交する3軸方向へ変位させるとともに、各アクチュエータの変位量を3つのセンサにより測定する構造となっている。また、3軸工具ユニットを搭載した加工装置は、例えば直交する3軸方向に動作するリニアステージに3軸工具ユニットを載置し、回転ステージに被加工物を載置して、回転する被加工物の外周側から中心へ3軸工具ユニットを走査して、被加工物の被加工面を旋盤加工する構成となっている。
しかし、従来の3軸工具ユニットおよび加工装置では、3つのアクチュエータの動作により3軸に弾性ひずみが生じて工具ホルダが3軸まわりに回転運動するため、工具ホルダの動きが複雑になり、工具の刃先の位置決め誤差を補正するための演算にかかる時間が長くなるという問題があった。
また、実際にワーク(被加工物)を加工すると前述したように、指令値に対して工具の動きが十分追従できず加工誤差を生じるが、従来の加工誤差補正方法は、アクチュエータの動作波形を1度測定して、その後補正演算を行い、補正した目標値をメモリにストアした後、実際に加工を行うとき補正された指令値データをメモリから読み出してアクチュエータを動作させるため、加工と同じタイミングで指令値の補正を行うようなリアルタイム補正処理をできず、加工に時間がかかっていた。
「光学ガラスの微細切削における加工モードのインプロセス認識に関する研究」、精密工学会誌、67巻、5号、2001年、P844〜849 特開平5−173619号公報
本発明は、上記問題点に鑑み、3軸工具ユニットにおいて、各アクチュエータの変位量を測定する3つのセンサを、それぞれのセンシング方向の延長線が一点に交わるように配置することにより、工具の刃先の位置決め誤差を補正するための演算にかかる時間を短縮でき、工具を3次元的に高精度に動作させて高速に超精密加工を行うことのできる3軸工具ユニットおよび加工装置を提供することを目的とする。
また、本発明は、上記問題点に鑑み、3軸工具ユニットを搭載した加工装置において、リニアステージの現在の3軸座標に対応する加工範囲におけるアクチュエータの動作周波数を演算し、その動作周波数を基に位置制御ループ回路での位相遅れを演算し、その位相遅れ分の回転ステージの回転角度を演算して、その回転角度分だけ前に目標値の演算を開始することにより、指令値(目標値)をリアルタイムで補正でき、工具を3次元的に高精度に動作させて高速に超精密加工を行うことのできる加工装置を提供することを目的とする。
本発明の3軸工具ユニットは、工具と、前記工具が固定される工具ホルダと、直交する3軸方向に動作して前記工具ホルダの位置を変位させる3つのアクチュエータと、前記各アクチュエータの動作方向への変位量を示す信号を生成する3つのセンサと、を備え、前記工具ホルダ、前記各アクチュエータの動作方向の軸線上の交点に設けられており、前記3つのセンサ、それぞれのセンシング方向の延長線が一点に交わるように配置されている構成において、前記工具の刃先が、前記3つのセンサのうちの少なくとも1つのセンサのセンシング方向の延長線上に位置するか、あるいは前記3つのセンサのセンシング方向の延長線上の交点に位置することを特徴とする。
発明の3軸工具ユニットは、前記各センサが、前記各アクチュエータの動作方向の軸線上とは異なる位置に配置されていてもよい
また、本発明の3軸工具ユニットは、前記3つのアクチュエータのうちの少なくとも1つ圧電素子で構成されていてもよい
また、本発明の加工装置は、工具と、前記工具が固定される工具ホルダと、直交する3軸方向に動作して前記工具ホルダの位置を変位させる3つのアクチュエータと、前記各アクチュエータの動作方向への変位量を示す信号を生成する3つのセンサと、を備え、前記工具ホルダが、前記各アクチュエータの動作方向の軸線上の交点に設けられており、前記3つのセンサが、それぞれのセンシング方向の延長線が一点に交わるように配置されている3軸工具ユニットを具備するとともに、被加工物に対して前記3軸工具ユニットを直交する3軸方向に相対移動させるリニアステージと、前記被加工物に対して前記3軸工具ユニットを相対的に円運動させる回転ステージと、前記リニアステージの3軸座標と前記回転ステージの角度座標に応じた前記3軸工具ユニットの前記3つのアクチュエータそれぞれの変位量の目標値を求めて、前記各アクチュエータへの指令信号を生成する目標値演算処理部と、前記3軸工具ユニットの前記3つのセンサからの信号と前記各指令信号との偏差を基に前記各アクチュエータの動作を制御する信号を生成する3つの位置制御ループ回路と、を具備し、前記リニアステージにより前記3軸工具ユニットの前記被加工物に対する相対位置を調整しながら、前記回転ステージにより前記3軸工具ユニットを前記被加工物に対して相対的に円運動させるとともに、前記各位置制御ループ回路により前記各アクチュエータを駆動して、前記3軸工具ユニットが備える前記工具の刃先を前記被加工物に接触させて加工するものである
そして本発明の加工装置は、上記構成において、前記目標値演算処理部、現在の前記リニアステージの3軸座標に対応する加工範囲における前記各アクチュエータの動作周波数を演算する加工周波数演算部と、前記加工周波数演算部により演算された動作周波数と前記各位置制御ループ回路の周波数特性とを基に、前記各アクチュエータの動作を制御する信号の前記各指令信号に対する位相遅れを演算する位相遅れ演算部と、前記各位相遅れと前記回転ステージの回転速度を基に、前記各アクチュエータの前記各指令信号に対する動作遅れ分の前記回転ステージの回転角度である回転遅れ角度を演算する回転遅れ角度演算部と、前記加工範囲の前記回転ステージの角度座標よりも前記各回転遅れ角度分だけ前に前記各目標値の演算を開始する目標値演算部と、を有することを特徴とする。
あるいは本発明の加工装置は、上記構成において前記目標値演算処理部が求めた前記各目標値を基に、前記3軸工具ユニットの3軸の弾性ひずみによる力を求め、その求めた弾性ひずみによる力を基に、前記3軸工具ユニットが備える前記工具ホルダの3軸まわりの回転角度を演算する回転角度演算部と、前記3つのセンサのセンシング方向の延長線上の交点と前記工具の刃先との間の距離と前記3軸まわりの回転角度とを基に、前記工具の刃先の位置決め誤差を演算する位置決め誤差演算部と、をさらに具備し、前記目標値演算処理部、前記位置決め誤差を基に前記各目標値を補正する機能をさらに有する、ことを特徴とする。
本発明によれば、工具の刃先の位置決め誤差を補正するための演算にかかる時間を短縮できる。また、目標値に対して工具の動きが十分追従できないことから生じる加工誤差や3軸工具ユニットの構成および動作に起因する工具の位置決め誤差に対して、目標値の補正をリアルタイムで行うことができる。よって、工具を3次元的に高精度に動作させて、高速超精密加工を行うことができ、従来、非常に加工時間を要していた非軸対称な部品等を、旋盤加工に代表される軸対称加工法で高精度にかつ高速に加工することができる。
したがって、本発明は、非軸対称非球面形状の光学部品や精密機構部品等の微細な形状を有する精密部品を、旋盤加工に代表される軸対称加工法で高精度にかつ高速に加工するのに有用である。
(実施の形態1)
以下、本発明の実施の形態1における3軸工具ユニットおよびその3軸工具ユニットを搭載した加工装置について、図面を参照しながら説明する。図1は本発明の実施の形態1における3軸工具ユニットの構成図である。
図1に示す3軸工具ユニット1において、支持体2には、3つのアクチュエータ3、4、5の一端が取り付け部材を介して固定されている。3軸工具ユニット1の直交する3軸(X、Y、Z軸)を構成するアクチュエータ3、4、5は、X、Y、Z軸方向にそれぞれ動作して工具ホルダ7の位置を変位させる。
本実施の形態1では、アクチュエータを圧電素子で構成している。圧電素子としては、例えば、PZT(PbZrO−PbTiO)を主成分とする積層型のものなどを用いることができる。なお、精密加工を行う場合、環境温度の変化による3軸工具ユニットの構成部材の伸縮が加工精度に影響するので、支持体2は低熱膨張材料で構成することが望ましい。
工具6が固定される工具ホルダ7は、アクチュエータ3、4、5の支持体2に固定された端とは異なる他端に取り付けられ、アクチュエータ3、4、5の動作方向の軸線上の交点に設けられる。この工具ホルダ7も加工精度を向上させるために低熱膨張材料で構成することが望ましい。
また、支持体2には、センサ8、9、10が、図示しないセンサホルダを介して取り付けられている。センサホルダも、熱変形による誤動作を避けるために低熱膨張材料で構成することが望ましい。
また、本実施の形態1では、センサ8、9、10の測定対象であるセンサターゲット11、12、13が工具ホルダ7と一体となって設けられている。なお、センサターゲットは、工具ホルダの変位に従って変位するのであれば、工具ホルダと別異に設けてもよい。
支持体2にセンサホルダを介して固定されているセンサ8、9、10は、工具ホルダ7の変位に従って変位するセンサターゲット11、12、13までの距離をセンシングすることにより、アクチュエータ3、4、5のX、Y、Z軸方向(動作方向)への実際の変位量(アクチュエータの位置情報)を示す変位信号を生成する。
センサ8、9、10としては、よく知られた静電容量形センサ、渦電流形センサ、光センサなどを用いることができる。より高精度にアクチュエータを動作させるためには静電容量形センサで構成することが望ましい。
図2にセンサ8、9、10の配置を示す。図2に示すように、センサ8、9、10は、支持体2にセンサホルダ14、15、16を介して取り付けられており、それぞれのセンシング方向の延長線が一点に交わるように配置される。センサホルダ14、15、16は、センサ取り付け時の調整のしやすさを考慮して、弾性変形を利用した微動機構となっている。
アクチュエータ3、4、5に圧電素子を用いた場合には、圧電素子に電圧を印加して圧電素子を伸縮させることで、アクチュエータ3、4、5をX、Y、Z軸方向へ動作させるが、圧電素子はヒステリシスをもった素子であるため、アクチュエータ3、4、5のX、Y、Z軸方向への変位量の目標値に即した電圧を圧電素子に印加するだけではその目標値に対して精度良くアクチュエータ3、4、5を駆動することはできない。そこで、一般的に、センサ8、9、10が生成する変位信号を基に、センサ8、9、10のセンサターゲット11、12、13までの距離を一定に保つフィードバック制御を行うことで、ヒステリシスの無い特性を実現している。
また、3軸のアクチュエータ3、4、5を動作させると、工具ホルダ7が各軸から押し引きされ、3軸に弾性ひずみ(弾性変形)が生じ、その3軸の弾性ひずみによる力に起因して工具ホルダ7(工具6)が3軸まわりに回転運動する。この回転運動について、図3を用いて説明する。図3は、工具ホルダの回転運動を説明するための模式図である。例えば、図3に示すように、X軸から工具ホルダを押すことによってY軸がZ軸まわりにたわみ、そのY軸のたわみ(弾性ひずみ)により、工具ホルダがZ軸まわりに回転角度γで回転運動する。
このようにアクチュエータ3、4、5のX、Y、Z軸方向への動作により工具ホルダ7がX、Y、Z軸まわり(3軸まわり)に回転運動するため、工具6の刃先に位置決め誤差が生ずる。センサ8、9、10を、各センシング方向の延長線が一点に交わらないように配置した場合、工具ホルダ7の3軸まわりの回転運動がそれぞれ別異の回転中心を中心に行われる。そのため、この場合、工具ホルダ7の動きが複雑になり、工具6の刃先の位置決め誤差を補正するための演算にかかる時間が長くなる。
そこで、本実施の形態1における3軸工具ユニットでは、センサ8、9、10を各センシング方向の延長線が一点に交わるように配置している。この配置により3軸まわりの工具ホルダ7の回転運動は、その一点(交点)を中心に行われるので、工具ホルダ7の動きが複雑になるのを回避でき、工具6の刃先の位置決め誤差を補正するための演算にかかる時間を短縮することができる。
また、従来の1軸工具ユニットでは、工具ホルダと変位センサと工具刃先の中心線が一致するように配置してある。この配置は、abbeの誤差が最小となる最も理想的な配置であり、かつ、アクチュエータによる駆動軸と加工点が一致して不要なモーメントの発生を回避できる点からも、望ましい配置である。
しかしながら、この1軸の構成を3軸工具ユニットに展開しようとすると、3軸工具ユニットが不必要に大きくなる。そのことから、実際の加工時においては、3軸工具ユニットと被加工物が干渉するなどの問題が生じ、実用上の制約が大きくなる。また、3つの変位センサの延長線にある交点と工具刃先との距離(オフセット量:図2中のlz)が長くなるので、高精度な刃先の位置制御が困難になるという問題も生じる。
そこで、本実施の形態1における3軸工具ユニットでは、図1、2に示すように、センサ8、9、10を、アクチュエータ3、4、5の動作方向の軸線上とは異なる位置に配置している。しかしながら、この様な場合にも、3つのセンサのうちの少なくとも1つのセンサのセンシング方向の一直線上に工具刃先が位置するようにすることが良い。望ましくは、前述の3つのセンサのセンシング方向の延長線上の交点に工具刃先が位置することが最も良い。
また、図2に示すように、本実施の形態1では、Z軸のアクチュエータ5に対するセンサ10のセンシング方向の延長線上に工具6の刃先が位置するように構成している。この構成により、Z軸まわりの回転運動の影響を小さくすることができる。同様に、センサ8、9のセンシング方向の延長線上に工具6の刃先が位置するように構成すれば、X、Y軸まわりの回転運動の影響を小さくすることができる。
また、アクチュエータとして圧電素子を使用する場合、圧電素子は引張り力に弱く、引張り力が加わると破損するおそれがあるため、一般的に圧電素子にはプリロードを付与する。
図4は本実施の形態1におけるプリロードの構造を示す断面図である。図4に示すように、本実施の形態1における3軸工具ユニットは、3つのアクチュエータ3、4、5に対して1本のプリロードロッド17によりX、Y、Z軸のいずれの軸とも平行でない方向からプリロードを付与する構造としている。具体的には、3軸工具ユニット1は3軸(X、Y、Z軸)の対象構造であるので、X、Y、Z軸の各々と45度をなす方向(工具ホルダ7の対角の方向)からプリロードを付与することで、アクチュエータ3、4、5に対して均等にプリロードを付与することができ、アクチュエータ3、4、5の特性を同等にすることができる。
続いて、3軸のアクチュエータ3、4、5の位置制御方法について、図5を用いて説明する。図5は、上記の3軸工具ユニット1を搭載した加工装置の構成図である。図5には、Z軸のアクチュエータ5を位置制御するための位置制御ループ回路を例示している。
図5に示すように、この位置制御ループ回路は、センサ10からの変位信号を入力し目標値(指令信号)との偏差を演算する加算器18と、加算器18からの信号に対して、例えば積分処理(I制御)や、比例積分処理(PI制御)、比例積分微分処理(PID制御)などを行うことで位相補償を施す位相補償部19と、位相補償部19からの信号を電力増幅してアクチュエータ5の動作を制御する信号を生成するアンプ20と、からなる。
この位置制御ループ回路により、上述したセンサターゲットの距離を一定に保つフィードバック制御をかけることができる。なお、X、Y軸に関しても、同様の位置制御ループ回路を構成して、同様の位置制御を行えばよい。
続いて、3軸工具ユニット1を搭載した加工装置による被加工物の旋盤加工方法について、被加工物の被加工面を非円弧シリンドリカル形状に旋盤加工する場合を例に説明する。当該加工装置の加工機は、図5に示すように、被加工物(ワーク)に対して3軸工具ユニットを直交する3軸(X、Y、Z軸)方向に相対移動させるリニアステージとして、3軸工具ユニット1をX軸方向およびZ軸方向へ移動させるX・Z軸テーブル21と、3軸工具ユニット1をY軸方向へ移動させるY軸テーブル22とを具備する。また、被加工物に対して3軸工具ユニットを相対的に円運動させる回転ステージとして、被加工物24を回転させる回転テーブル23を具備する。このリニアステージ(X・Z軸テーブル21とY軸テーブル22)と回転ステージ(回転テーブル23)は、その3軸(3軸座標)と中心軸(角度座標)が数値制御されるNCテーブルである。
なお、本実施の形態1では、3軸工具ユニットをリニアステージに搭載してX、Y、Z軸方向へ移動させることで、被加工物に対して3軸工具ユニットを相対移動させる場合について説明するが、被加工物を移動させてもよい。また、被加工物を回転ステージに搭載して回転させることで、被加工物に対して3軸工具ユニットを相対的に円運動させる場合について説明するが、3軸工具ユニットを円運動させてもよい。また、本実施の形態1では、回転テーブルが1軸を有する場合について説明するが、2軸以上を有してもよい。
当該加工装置は、加工プログラムを基にX・Z軸テーブル21とY軸テーブル22の3軸座標と回転テーブル23の角度座標を数値制御して、3軸工具ユニット1(工具6の刃先)の被加工物24に対する相対位置を調整しながら、3軸工具ユニット1を被加工物24に対して相対的に円運動させることで、被加工物24の旋盤加工を行う。具体的には、回転している被加工物24に対して、3軸工具ユニット1(工具6)を被加工物24の外周側から中心へ走査する。
しかし、一般的にX・Z軸テーブル21とY軸テーブル22をナノメートルオーダーで高速高精度に動作させることは困難である。そこで、当該加工装置では、リニアステージの3軸座標ごとに、その3軸座標に対応する加工範囲を3軸工具ユニット1の工具6を3次元方向に微小動作させることで旋盤加工する。加工範囲は回転ステージの角度座標で表すことができる。1つの3軸座標に対応する加工範囲は1つに限るものではなく、加工形状によっては1つの3軸座標に対応する加工範囲が複数存在する場合もある。本実施の形態1では、3軸工具ユニット1(工具6)を被加工物24の外周側から中心へX軸方向に沿って走査するので、3軸座標のうちのX軸座標ごとに工具6を微小動作させて旋盤加工を行う。
工具6の微小な3次元動作は、リアルタイム目標値演算処理部25がアクチュエータ3、4、5の指令信号(目標値)をリアルタイムに演算して、アクチュエータ3、4、5の位置制御ループ回路へ出力し、アクチュエータ3、4、5を駆動することで行う。
以下、リアルタイム目標値演算処理部25について説明する。リアルタイム目標値演算処理部25は、X・Z軸テーブル21とY軸テーブル22の3軸座標と回転テーブル23の角度座標に応じたアクチュエータ3、4、5の変位量の目標値をリアルタイムに求めて、アクチュエータ3、4、5の指令信号を生成する。
図5に示すように、リアルタイム目標値演算処理部25は、現在位置演算部26、加工周波数演算部27、アクチュエータ位相遅れ演算部28、スピンドル回転遅れ角度演算部29、目標値演算部30を具備する。
現在位置演算部26は、加工機からのX・Z軸テーブル21とY軸テーブル22の現在の3軸座標と回転テーブル23の現在の角度座標を示す情報を入力して、リアルタイム目標値演算処理部25で演算できるように、現在の3軸座標(x、y、z)と角度座標(θ)を演算する。ここで、3軸座標(x、y、z)は、被加工物24の回転中心をプログラム原点とした場合の座標である。
例えば加工機から3軸座標と角度座標を示す情報がパルス列で入力される場合、現在位置演算部26は、パルス列をカウンタでカウントし、加工機の機械仕様で定義される感度(1パルスあたりの距離)から、現在の3軸座標(x、y、z)と角度座標(θ)を求める。
加工周波数演算部27は、現在位置演算部26により演算された現在の3軸座標(x、y、z)に対応する加工範囲におけるアクチュエータ3、4、5の動作周波数をリアルタイムに演算する。以下、加工範囲における動作周波数を加工周波数と呼ぶことにする。
図6は、指令信号と実際のアクチュエータの動作を示す図である。図6において、実線は、工具6と被加工物24が接触するある加工範囲におけるZ軸のアクチュエータ5に対する指令信号を示し、破線はその指令信号に対する実際のアクチュエータ5の動作を示している。図6に示す波形が変位している区間が加工範囲であり、その加工範囲におけるアクチュエータの動作周波数が加工周波数である。図6に示すように、指令信号に対してアクチュエータ5の動作は遅れ、その遅れは加工周波数が高いほど大きくなる。
本実施の形態1では、工具6を被加工物24の外周側から中心へ走査するので、X・Y軸テーブル21のX軸座標xごとにアクチュエータ3、4、5の加工周波数をリアルタイムに演算する。例えば、回転テーブル23がS[min−1]で回転し、X軸座標(被加工物24の回転中心から3軸工具ユニット1までのX軸方向の距離)がx1[m]の位置において、被加工物を加工する距離がW[m]であるとすると、アクチュエータ3、4、5の加工周波数f1は(数1)の式により求められる。
Figure 0004895677
回転テーブルの回転数Sと被加工物を加工する距離Wは、加工プログラムより求めて、図示しない記憶部に記憶させておくなどすればよい。本実施の形態1では、図5に示すように、1つのX軸座標に対応する加工範囲が2つ存在するが、被加工物を加工する距離Wは同じ長さであるものとして説明する。無論、1つのX軸座標に対応する複数の加工範囲ごとに被加工物を加工する距離Wが大きく異なるような場合には、加工範囲ごとに加工周波数を求める。
アクチュエータ位相遅れ演算部28は、加工周波数におけるアクチュエータ制御の位相遅れ(位置制御ループ回路が生成するアクチュエータの動作を制御する信号の指令信号に対する位相遅れ)を演算する。アクチュエータ制御の位相遅れは、事前に3軸工具ユニット1の各位置制御ループ回路の閉ループ周波数応答を測定することにより、あるいは演算することにより求めておく。演算により求める方法はモデル誤差を含むので実測した方が精度が良い場合が多い。以下、X、Y、Z軸のアクチュエータ3、4、5の位置制御ループ回路が同一構成である場合を例に説明する。
図7にアクチュエータ制御の位相遅れを示す。この周波数特性を周波数における多項式として、図示しない記憶部に予め記憶しておく。アクチュエータ位相遅れ演算部28は、加工周波数演算部27により演算された加工周波数f1を前記多項式に代入して、加工周波数における位相遅れφをリアルタイムに演算する。
または、アクチュエータ制御の位相遅れのルックアップテーブルを事前に作成して図示しない記憶部に予め記憶してもよい。この場合、アクチュエータ位相遅れ演算部28は、加工周波数演算部27により演算された加工周波数f1に対応した位相遅れφをルックアップテーブルを参照することで求める。なお、アクチュエータ3、4、5の位置制御ループ回路が同一の周波数特性を持たない場合には、各位置制御ループ回路ごとに位相遅れを求める。
このようにアクチュエータ位相遅れ演算部28は、アクチュエータ3、4、5の加工周波数f1と位置制御ループ回路の周波数特性とを基に、アクチュエータ3、4、5の動作を制御する信号の各指令信号に対する位相遅れφを演算する。
スピンドル回転遅れ角度演算部29は、アクチュエータ位相遅れ演算部28により演算された位相遅れφと回転テーブル23の回転速度を基に、アクチュエータ3、4、5の各指令信号に対する動作遅れ分の回転テーブル23の回転角度(回転遅れ角度)θ1を演算する。
つまり、スピンドル回転遅れ角度演算部29は、位相遅れを考慮して、アクチュエータ3、4、5が指令信号通りに動作するためには、加工範囲に入るときの回転テーブル23の角度座標より何度前に目標値を求める演算を開始する必要があるかを求める。
例えば、回転テーブル23がS[min−1]で回転し、X軸座標がx1[m]の位置において、加工周波数がf1、アクチュエータ制御の位相遅れがφの場合、スピンドルの回転遅れ角度θ1は(数2)の式により求められる。
Figure 0004895677
回転遅れ角度θ1は(数2)に示されるように位相遅れφと加工周波数f1の比率によって決まる。なお、アクチュエータ3、4、5の位置制御ループ回路が同一の周波数特性を持たない場合には、各軸ごとに回転遅れ角度を求める。
図8に回転テーブル23の回転数が一定の場合のX軸座標に対するスピンドルの回転遅れ角度の特性を示す。図8に示すように、被加工物の回転中心に近づくほどスピンドルの回転遅れ角度θ1が大きくなる。
なお、回転テーブルを線速度一定で回転させてもよい。ただし、この場合、外周の回転速度に内周の回転速度を合わせるためには、工具6が内周に近づくほど回転テーブル23の回転速度を上げる必要があり、ある地点で回転テーブル23が回転可能な限界の回転数になることが考えられる。そこで、そのような場合には、線速度一定の範囲を何段階かに分けて、各段階ごとに加工周波数、スピンドルの回転遅れ角度を演算するようにすればよい。
このスピンドルの回転遅れ角度θ1を目標値演算部30に入力する。目標値演算部30は実際に加工範囲に入るときの回転テーブル23の角度座標(加工範囲における角度座標)よりも回転遅れ角度θ1前に各目標値の演算を開始する。
実際に加工範囲に入るときの回転テーブル23の角度座標は加工プログラムにより求める。また、目標値の演算は、加工プログラムと現在位置演算部26により演算された座標(x、y、z、θ)を基に行う。
目標値演算部30は、アクチュエータ3、4、5の目標値をリアルタイム演算して、各位置制御ループ回路へ出力する。その結果、加工範囲に入ったと同時に指令信号通りにアクチュエータを動作させることができ、高精度に旋盤加工を行うことができる。
以上のように、本実施の形態1における加工装置によれば、X・Y軸テーブル21のX軸座標ごとに加工周波数、アクチュエータ制御の位相遅れをリアルタイムに求めて、そのX軸座標に対応する加工範囲に工具6が入る前に、あるいはその加工範囲の旋盤加工期間のできるだけ早い段階で、その加工範囲に入るときの回転テーブル23の角度座標より何度前に目標値の演算を開始する必要があるかを求め、加工範囲に入る前に目標値の演算を開始することで、加工範囲に入ったと同時に指令信号通りにアクチュエータを動作させることができる。
続いて、図9、10を用いて、本実施の形態1における3軸工具ユニットを搭載した加工装置の加工精度について説明する。図9は、本実施の形態1における3軸工具ユニットを搭載した加工装置により、回転している被加工物の外周側から中心に工具を移動させつつ各アクチュエータを駆動して、被加工面を被円弧シリンドリカル形状に旋盤加工した被加工物の例を示す。この例では、被加工面の大きさは、図9に示すX方向に4mm、Y方向に60mmである。
なお、このような精密部品を旋盤加工する場合には、上記(数1)の式のパラメータである被加工物を加工する距離Wとして、図9に示すW(被加工物の厚み)を代入して、X軸座標ごとの加工周波数の近似値を求めるようにしてもよい。但し、図9に示す例では、被加工物を加工する距離Wとして被加工物の厚みを用いるが、実際に加工する距離が厚みより短い場合は、その実際の距離を用いる。
図10(a)は、図9に示す加工後の被加工物の断面形状を、図9に示すX=0mm、X=1.5mm、X=−1.5mmの位置でY方向に走査して測定した結果を示す。また、比較のために、本実施の形態1におけるリアルタイム目標値演算処理部を用いずに旋盤加工を行った場合の測定結果の例を図10(b)に示す。
図10に示すグラフにおいて、縦軸は設計値と加工結果の差を表す形状精度を示している。また、図10に示すグラフは、前述したX=0mm、X=1.5mm、X=−1.5mmの位置での3つの断面形状の形状精度を重ね書きしている。
図10(b)に示すように、本実施の形態1におけるリアルタイム目標値演算処理部を用いずに旋盤加工した場合、被加工物の中央付近において3つの断面形状が同じ形状誤差とならないことが見て取れる。これは、加工周波数の特性が外周と中心付近で異なるためであると考えられる。
一方、本実施の形態1における加工装置により旋盤加工を行った場合、図10(a)に示すように、図10(b)において見て取れたデータの中央付近の形状精度の差異を解消することができる。
(実施の形態2)
図11は本発明の実施の形態2における3軸工具ユニットを搭載した加工装置の構成図である。但し、前述の実施の形態1で説明した部材と同一の部材には同一符号を付して、説明を省略する。
本実施の形態2における加工装置は、図11に示す回転角度演算部31と工具刃先の位置決め誤差演算部32により、各アクチュエータ3、4、5の動作に起因して工具6の刃先に発生する位置決め誤差を求め、その求めた誤差量を用いてリアルタイム目標値演算処理部25が各アクチュエータ3、4、5に対する目標値を補正する構成にした点が前述の実施の形態1と異なるが、それ以外の構成、例えば3軸工具ユニット1や、加工機、3軸工具ユニット1を制御するための基本的な位置制御ループ回路などは前述の実施の形態1と同様である。
前述の実施の形態1で説明したように、センサ8、9、10を各センシング方向の延長線が一点に交わるように配置することによって、工具ホルダ6がその一点(交点)を中心に回転運動するようにしている。この交点を回転運動の中心と呼ぶことにする。
回転運動の中心と工具の刃先を一致させると、X、Y、Z軸まわりの回転運動の影響が少なく、高精度な刃先の位置制御が可能となるが、回転運動の中心と刃先を一致させる構成が困難な場合がある。例えば回転運動の中心と刃先を一致させる構成にすると、旋盤加工時に、センサと被加工物が接触する可能性がある。その場合には、図2に示すように、刃先の位置を回転運動の中心からオフセットする必要がある。
本実施の形態2における3軸工具ユニット1は、図2に示すように、刃先をZ軸方向にlzだけオフセットした構成とする。このように刃先の位置を回転運動の中心からオフセットする場合でも、形状精度への影響が最も大きいZ軸まわりの回転運動を小さくするために、Z軸のアクチュエータ5に対するセンサ10のセンシング方向の延長線上に刃先を配置することが望ましい。
図2に示す構成において刃先に生じる位置決め誤差をシミュレーションした結果を図12に示す。このシミュレーションでは、Z軸方向へのオフセット量lzを6.5mmとし、各アクチュエータ(圧電素子)3、4、5が同量変位した場合に刃先に生じる位置決め誤差を解析した。
図12に示すように、例えば、X、Y、Z軸方向に各アクチュエータ3、4、5が+0.04mm変位した場合、X軸方向に約−0.38μm、Y軸方向に約−0.28μm、Z軸方向に0.12μmの位置決め誤差が生じた。本シミュレーション結果から理解できるように、回転運動の中心と刃先がオフセットすると、3軸まわりの回転運動の影響で、刃先に生じる位置決め誤差が無視できなくなる。特に、本実施の形態2では、Z軸方向にオフセットしたため、刃先に生じる位置決め誤差としてX軸まわり、Y軸まわりの回転運動の影響が大きく、X軸、Y軸の位置決め精度がZ軸の位置決め精度より悪くなる。特に光学部品のようにサブミクロンオーダの形状精度を要求される場合、この誤差は無視できない。この位置決め誤差は、前述の実施の形態1で述べたように3軸工具ユニットの3軸の弾性ひずみによる力に起因する。そこで、本実施の形態2では、以下の手段でこの誤差の補償を行う。
すなわち、当該加工装置は、リアルタイム目標値演算処理部25で演算した各軸(アクチュエータ3、4、5)の目標値(指令信号)を入力し、各目標値を基に前記回転運動の中心における工具ホルダ7のX軸まわりの回転角度α、Y軸まわりの回転角度β、Z軸まわりの回転角度γを演算する回転角度演算部31と、回転角度演算部31により演算された3軸まわりの回転角度α、γ、βと前記回転運動の中心から工具6の刃先までの間の距離とを基に工具6の刃先に生じる位置決め誤差を演算する工具刃先の位置決め誤差演算部32をさらに具備しており、リアルタイム目標値演算部25が、工具刃先の位置決め誤差演算部32により演算された誤差量をリアルタイムに入力して、各目標値を補正する。
図13は回転角度演算部31および工具刃先の位置決め誤差演算部32の処理内容の一例を示すブロック図である。例えばX軸に着目して説明すると、X軸の目標値に従いアクチュエータ3が工具ホルダ7をX軸方向へ押し引きすることによって、Y、Z軸が力を受け、Y、Z軸に弾性ひずみが発生し、X軸には、Y、Z軸からその弾性ひずみを戻す力が発生する。一例として、図14に示す梁のたわみのモデルを使用した場合、X軸がδ変位することにより、Y軸からX軸にかかる弾性ひずみによる力Fxyは(数3)の式により求めることができる。
Figure 0004895677
ここで、Eはアクチュエータのヤング率、Iはアクチュエータの断面2次モーメント、λyはY軸のアクチュエータ4の支持体2側の端部から各アクチュエータ3、4、5の動作方向の軸線上の交点までの距離である。
よって、各アクチュエータ3、4、5の支持体2側の端部から各アクチュエータ3、4、5の動作方向の軸線上の交点までの距離が全て同じλである場合、X軸の目標値(変位量)に対してY軸からX軸にかかる弾性ひずみによる力Fxyは「(3EI/λ)×X軸の目標値」となる。同様に、X軸の目標値(変位量)に対してZ軸からX軸にかかる弾性ひずみによる力Fxzは「(3EI/λ)×X軸の目標値」となる。他のY軸、Z軸についても同様である。
そこで、本実施の形態2では、回転角度演算部31が、図13に示すように、X軸の目標値に対してY軸からX軸にかかる弾性ひずみによる力Fxy「(3EI/λ)×X軸の目標値」をブロック33により、X軸の目標値に対してZ軸からX軸にかかる弾性ひずみによる力Fxz「(3EI/λ)×X軸の目標値」をブロック34により演算する。同様に、Y軸の目標値に対してX軸からY軸にかかる弾性ひずみによる力Fyx「(3EI/λ)×Y軸の目標値」をブロック35により、Z軸からY軸にかかる弾性ひずみによる力Fyz「(3EI/λ)×Y軸の目標値」をブロック36により演算する。また、Z軸の目標値に対してX軸からZ軸にかかる弾性ひずみによる力Fzx「(3EI/λ)×Z軸の目標値」をブロック37により、Y軸からZ軸にかかる弾性ひずみによる力Fzy「(3EI/λ)×Z軸の目標値」をブロック38により演算する。
また、X軸の目標値に従いアクチュエータ3が工具ホルダ7をX軸方向へ押し引きすることによって、Y、Z軸はそれぞれZ軸まわり、Y軸まわりにたわみ、工具ホルダ7がZ軸まわり、Y軸まわりに回転運動する。そのときの、Z軸まわりの回転角度γ1は、Y軸からX軸にかかる弾性ひずみによる力Fxyにより、(数4)の式により求めることができる。
Figure 0004895677
ここで、λyはY軸のアクチュエータ4の支持体2側の端部から各アクチュエータ3、4、5の動作方向の軸線上の交点までの距離である。
同様にY軸まわりの回転角度β1は、各アクチュエータ3、4、5の支持体2側の端部から各アクチュエータ3、4、5の動作方向の軸線上の交点までの距離が全て同じλである場合、Z軸からX軸にかかる弾性ひずみによる力Fxzにより、「(λ/EI)×Fxz」となる。
そこで、本実施の形態2では、回転角度演算部31が、図13に示すように、X軸のアクチュエータ3の動作に起因するY軸のたわみによるZ軸まわりの回転角度γ1「(λ/EI)×Fxy」をブロック39により、Z軸のたわみによるY軸まわりの回転角度β1「(λ/EI)×Fxz」をブロック40により演算する。また、Y軸のアクチュエータ4の動作に起因するX軸のたわみによるZ軸まわりの回転角度γ2「(λ/EI)×Fyx」をブロック41により、Z軸のたわみによるX軸まわりの回転角度α1「(λ/EI)×Fyz」をブロック42により演算する。また、Z軸のアクチュエータ5の動作に起因するX軸のたわみによるY軸まわりの回転角度β2「(λ/EI)×Fzx」をブロック43により、Y軸のたわみによるX軸まわりの回転角度α2「(λ/EI)×Fzy」をブロック44により演算する。
3軸工具ユニット1の直交する3軸(X、Y、Z軸)の座標を右手系にとった場合、例えば、Z軸のアクチュエータ5の動作に起因するY軸のたわみによるX軸まわりの回転角度α2からY軸のアクチュエータ4の動作に起因するZ軸のたわみによるX軸まわりの回転角度α1を引いた差(α2−α1)を求めることにより、X軸まわりの回転角度αを求めることができる。同様に、X軸のアクチュエータ3の動作に起因するZ軸のたわみによるY軸まわりの回転角度β1からZ軸のアクチュエータ5の動作に起因するX軸のたわみによるY軸まわりの回転角度β2を引いた差(β1−β2)を求めることにより、Y軸まわりの回転角度βを求めることができる。また、Y軸のアクチュエータ4の動作に起因するX軸のたわみによるZ軸まわりの回転角度γ2からX軸のアクチュエータ3の動作に起因するY軸のたわみによるZ軸まわりの回転角度γ1を引いた差(γ2−γ1)を求めることにより、Z軸まわりの回転角度γを求めることができる。
そこで、本実施の形態2では、回転角度演算部31が、図13に示すように、加算器45で(α2−α1)の演算を行うことによりX軸まわりの回転角度αを求める。また、加算器46で(β1−β2)の演算を行うことによりY軸まわりの回転角度βを求める。また、加算器47で(γ2−γ1)の演算を行うことによりZ軸まわりの回転角度γを求める。
工具刃先の位置決め誤差演算部32は、図13に示すように、回転角度演算部31により演算された3軸まわりの回転角度α、β、γを入力し、ブロック48により、Y軸まわりの回転角度βに前記回転運動の中心から工具6の刃先までのZ軸方向の距離lzを乗算してex1を求める。また、ブロック49により、Z軸まわりの回転角度γと前記回転運動の中心から工具6の刃先までのY軸方向の距離lyを乗算してex2を求める。また、ブロック50により、X軸まわりの回転角度αに前記回転運動の中心から工具6の刃先までのZ軸方向の距離lzを乗算してey1を求める。また、ブロック51により、Z軸まわりの回転角度γに前記回転運動の中心から工具6の刃先までのX軸方向の距離lxを乗算してey2を求める。また、ブロック52により、X軸まわりの回転角度αに前記回転運動の中心から工具6の刃先までのY軸方向の距離lyを乗算してez1を求める。また、ブロック53により、Y軸まわりの回転角度βに前記回転運動の中心から工具6の刃先までのX軸方向の距離lxを乗算してez2を求める。
そして、工具刃先の位置決め誤差演算部32は、図13に示すように、加算器54で(ex1−ex2)を演算することにより、工具6の刃先に生じるX軸方向の位置決め誤差exを演算する。また、加算器55で(−ey1−ey2)を演算することにより、工具6の刃先に生じるY軸方向の位置決め誤差eyを演算する。また、加算器56で(−ez1−ez2)を演算することにより、工具6の刃先に生じるZ軸方向の位置決め誤差ezを演算する。
リアルタイム目標値演算処理部25は、工具刃先の位置決め誤差演算部32により演算された各軸方向の位置決め誤差ex、ey、ezを基に、その誤差を無くす方向に当初演算した各軸の目標値をそれぞれ補正して、各軸の位置制御ループ回路へ補正後の目標値を出力する。この補正により、工具の刃先を目標値通りに動作させることができるので、高精度に加工を行うことができる。なお、本実施の形態2ではX、Y、Z軸の目標値を補正したが、加工形状によっては少なくともいずれか一つの軸の目標値を補正するのみでもよい。
上記実施の形態1、2を組合せることにより高精度な加工が可能となる。上記実施の形態1、2を組合せた加工装置により前述の図9に示すように被加工物を正面旋削して、その被加工物の断面形状を、図9に示すX=0mm、X=1.5mm、X=−1.5mmの位置でY方向に走査して測定した結果を図15に示す。
図15に示すように、被加工物の外周側から中心に向けて正面旋削した結果、各アクチュエータの制御の位相遅れ等に起因する形状誤差、および各アクチュエータの駆動によって生じる刃先の回転運動に起因する位置決め誤差が良好に補償され、高精度な形状精度を得ることができた。
また、上記実施の形態1、2における加工装置を用いて図9に示すように被加工物を正面旋削した場合、従来のラスター方式での切削加工(ラスターフライカット)によって加工した場合に比べて1/8の短時間(加工時間1時間)で加工を終了した。
以上のように、実施の形態1、2によれば、目標値に対して工具の動きが十分追従できないことから生じる加工誤差や3軸工具ユニットの構成および動作に起因する工具の位置決め誤差に対する目標値の補正および目標値の演算をリアルタイムで行うことができ、従来に比べて圧倒的に短時間で加工を行うことができる。よって、工具を3次元的に高精度に動作させて、高速超精密加工を行うことができ、微細な形状を有する光学部品や精密機構部品等の精密部品を、旋盤加工に代表される軸対称加工法で高精度にかつ高速に加工することができる。
なお、上記実施の形態1、2では3軸とも圧電素子を用いた場合について説明したが、例えば3軸のうちの1つが圧電素子で、他の2軸に圧電素子以外の素子を用いる構成でもよい。圧電素子以外の素子として、例えば磁歪素子やボイスコイルモータなどを用いることができる。
本発明にかかる3軸工具ユニットおよび加工装置は、工具を3次元的に高精度に動作させて、高速超精密加工を行うことができ、微細な形状を有する光学部品や精密機構部品等の精密部品加工用の加工装置に適用できる。
本発明の実施の形態1、2における3軸工具ユニットの構成図 本発明の実施の形態1、2における3軸工具ユニットのセンサ配置を示す構成図 本発明の実施の形態1、2における3軸工具ユニットが備える工具の3軸まわりの回転運動を説明するための模式図 本発明の実施の形態1、2における3軸工具ユニットのプリロードの構造を示す断面図 本発明の実施の形態1における3軸工具ユニットを搭載した加工装置の構成図 本発明の実施の形態1における指令信号と実際のアクチュエータの動きを示す波形図 本発明の実施の形態1におけるアクチュエータ制御の位相遅れを示す周波数特性図 本発明の実施の形態1におけるスピンドルの回転遅れ角度を示す特性図 本発明の実施の形態1、2における被加工物を説明するための模式図 本発明の実施の形態1における加工結果を表すグラフを示す図 本発明の実施の形態2における3軸工具ユニットを搭載した加工装置の構成図 本発明の実施の形態2における刃先の位置決め誤差のシミュレーション結果の一例を示す図 本発明の実施の形態2における回転角度演算部および工具刃先の位置決め誤差演算部のブロック図 本発明の実施の形態2におけるたわみのモデルの説明図 本発明の実施の形態1および2を組み合せた加工装置による加工結果を表すグラフを示す図 従来の高速位置決め機構の内部構造を示す内部構造図 従来の高速位置決め機構の制御ブロック図 従来の非真円形状加工装置における加工誤差補正方法を実現する制御装置の一例を示すブロック図
符号の説明
1 3軸工具ユニット
2 支持体
3〜5 アクチュエータ
6 工具
7 工具ホルダ
8〜10 センサ
11〜13 センサターゲット
14〜16 センサホルダ
17 プリロードロッド
18 加算器
19 位相補償部
20 アンプ
21 X・Z軸テーブル
22 Y軸テーブル
23 回転テーブル
24 被加工物
25 リアルタイム目標値演算処理部
26 現在位置演算部
27 加工周波数演算部
28 アクチュエータ位相遅れ演算部
29 スピンドル回転遅れ角度演算部
30 目標値演算部
31 回転角度演算部
32 工具刃先の位置決め誤差演算部
100 ケーシング
101 円筒形圧電素子
102 工具ホルダ
103 ダイヤフラム
104 容量型変位センサ
105 ダイヤモンド工具
110 積分器
111 ノッチフィルタ
112 アンプおよびPZTの伝達関数
122 X軸サーボ装置
125 主軸モータ
126 パルスジェネレータ
127 X軸駆動モータ
128 X軸位置検出器
141 カウンタ
142 指令位置データ読出部
143 検出位置データ書込部
144 指令位置データ歪補正部
145 指令位置データ記憶部
146 検出位置データ記憶部
147 目標位置データ記憶部
148 指令位置データ振幅/位相/オフセット補正部
149 第2位相差検出部
150 弟2振幅比検出部
151 オフセット差検出部
152 第1振幅比検出部
153 第1位相差検出部
154 予測検出位置データ算出部
155 予測誤差位置データ算出部

Claims (6)

  1. 工具と、
    前記工具が固定される工具ホルダと、
    直交する3軸方向に動作して前記工具ホルダの位置を変位させる3つのアクチュエータと、
    前記各アクチュエータの動作方向への変位量を示す信号を生成する3つのセンサと、
    を備え、前記工具ホルダは、前記各アクチュエータの動作方向の軸線上の交点に設けられ、前記3つのセンサは、それぞれのセンシング方向の延長線が一点に交わるように配置され、前記3つのセンサのうちの少なくとも1つのセンサのセンシング方向の延長線上に前記工具の刃先が位置する
    ことを特徴とする3軸工具ユニット。
  2. 工具と、
    前記工具が固定される工具ホルダと、
    直交する3軸方向に動作して前記工具ホルダの位置を変位させる3つのアクチュエータと、
    前記各アクチュエータの動作方向への変位量を示す信号を生成する3つのセンサと、
    を備え、前記工具ホルダは、前記各アクチュエータの動作方向の軸線上の交点に設けられ、前記3つのセンサは、それぞれのセンシング方向の延長線が一点に交わるように配置され、前記3つのセンサのセンシング方向の延長線上の交点に前記工具の刃先が位置する
    ことを特徴とする3軸工具ユニット。
  3. 前記各センサは、前記各アクチュエータの動作方向の軸線上とは異なる位置に配置されていることを特徴とする請求項1もしくは2に記載の3軸工具ユニット。
  4. 前記3つのアクチュエータのうちの少なくとも1つは圧電素子で構成されることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の3軸工具ユニット。
  5. 工具と、前記工具が固定される工具ホルダと、直交する3軸方向に動作して前記工具ホルダの位置を変位させる3つのアクチュエータと、前記各アクチュエータの動作方向への変位量を示す信号を生成する3つのセンサと、を備え、前記工具ホルダが、前記各アクチュエータの動作方向の軸線上の交点に設けられており、前記3つのセンサが、それぞれのセンシング方向の延長線が一点に交わるように配置されている3軸工具ユニットと、
    被加工物に対して前記3軸工具ユニットを直交する3軸方向に相対移動させるリニアステージと、
    前記被加工物に対して前記3軸工具ユニットを相対的に円運動させる回転ステージと、
    前記リニアステージの3軸座標と前記回転ステージの角度座標に応じた前記3軸工具ユニットの前記3つのアクチュエータそれぞれの変位量の目標値を求めて、前記各アクチュエータへの指令信号を生成する目標値演算処理部と、
    前記3軸工具ユニットの前記3つのセンサからの信号と前記各指令信号との偏差を基に前記各アクチュエータの動作を制御する信号を生成する3つの位置制御ループ回路と、
    を具備し、前記リニアステージにより前記3軸工具ユニットの前記被加工物に対する相対位置を調整しながら、前記回転ステージにより前記3軸工具ユニットを前記被加工物に対して相対的に円運動させるとともに、前記各位置制御ループ回路により前記各アクチュエータを駆動して、前記3軸工具ユニットが備える前記工具の刃先を前記被加工物に接触させて加工する加工装置であって、
    前記目標値演算処理部が、
    現在の前記リニアステージの3軸座標に対応する加工範囲における前記各アクチュエータの動作周波数を演算する加工周波数演算部と、
    前記加工周波数演算部により演算された動作周波数と前記各位置制御ループ回路の周波数特性とを基に、前記各アクチュエータの動作を制御する信号の前記各指令信号に対する位相遅れを演算する位相遅れ演算部と、
    前記各位相遅れと前記回転ステージの回転速度を基に、前記各アクチュエータの前記各指令信号に対する動作遅れ分の前記回転ステージの回転角度である回転遅れ角度を演算する回転遅れ角度演算部と、
    前記加工範囲の前記回転ステージの角度座標よりも前記各回転遅れ角度分だけ前に前記各目標値の演算を開始する目標値演算部と、
    を有することを特徴とする加工装置
  6. 工具と、前記工具が固定される工具ホルダと、直交する3軸方向に動作して前記工具ホルダの位置を変位させる3つのアクチュエータと、前記各アクチュエータの動作方向への変位量を示す信号を生成する3つのセンサと、を備え、前記工具ホルダが、前記各アクチュエータの動作方向の軸線上の交点に設けられており、前記3つのセンサが、それぞれのセンシング方向の延長線が一点に交わるように配置されている3軸工具ユニットと、
    被加工物に対して前記3軸工具ユニットを直交する3軸方向に相対移動させるリニアステージと、
    前記被加工物に対して前記3軸工具ユニットを相対的に円運動させる回転ステージと、
    前記リニアステージの3軸座標と前記回転ステージの角度座標に応じた前記3軸工具ユニットの前記3つのアクチュエータそれぞれの変位量の目標値を求めて、前記各アクチュエータへの指令信号を生成する目標値演算処理部と、
    前記3軸工具ユニットの前記3つのセンサからの信号と前記各指令信号との偏差を基に前記各アクチュエータの動作を制御する信号を生成する3つの位置制御ループ回路と、
    具備し、前記リニアステージにより前記3軸工具ユニットの前記被加工物に対する相対位置を調整しながら、前記回転ステージにより前記3軸工具ユニットを前記被加工物に対して相対的に円運動させるとともに、前記各位置制御ループ回路により前記各アクチュエータを駆動して、前記3軸工具ユニットが備える前記工具の刃先を前記被加工物に接触させて加工する加工装置であって、
    前記目標値演算処理部が求めた前記各目標値を基に、前記3軸工具ユニットの3軸の弾性ひずみによる力を求め、その求めた弾性ひずみによる力を基に、前記3軸工具ユニットが備える前記工具ホルダの3軸まわりの回転角度を演算する回転角度演算部と、
    前記3つのセンサのセンシング方向の延長線上の交点と前記工具の刃先との間の距離と前記3軸まわりの回転角度とを基に、前記工具の刃先の位置決め誤差を演算する位置決め誤差演算部と、
    をさらに具備し、前記目標値演算処理部が、前記位置決め誤差を基に前記各目標値を補正する機能をさらに有することを特徴とする加工装置。
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