JP4895029B2 - 真空断熱材 - Google Patents

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Description

この発明は、断熱対象への熱の侵入を抑える真空断熱材に関する。
冷凍機の冷却端の低温部は、液体窒素の沸点等の低温まで冷却する。このような低温部を断熱するためには、熱伝達(熱伝導・熱対流・熱放射(輻射))による低温部への熱の侵入を遮断する必要がある。そこで、冷凍機の冷却端の低温部は、真空容器の内部に設置されるとともに、SI(スーパーインシュレーション)と呼ばれる真空断熱材で覆われて熱遮蔽される。この真空断熱材は、熱反射率が高い(熱放射率が低い)熱放射シートと断熱ネットとを複数枚積層したものであり、高い熱遮蔽を実現している。
続いて、この真空断熱材について図を参照しつつ説明する。図14は従来技術による真空断熱材の一例の構成を示す斜視図である。この真空断熱材1は、例えば厚さ10数μmのポリエステル樹脂シートの両面にアルミニウムなどの金属を蒸着して金属層を形成した熱反射シート1aと、ポリエステル繊維を開口の大きな網目状(ネット状)に数100μmの厚さに編んだ樹脂ネットである断熱ネット1bと、を交互に3〜20層程度積層したものである。熱反射シート1aは、両面に熱反射率の高いアルミ蒸着膜による金属層を備えているため外部からの熱が殆ど反射されることとなり、断熱対象への熱放射率を低くしている。断熱ネット1bは、二枚の隣り合う熱反射シート1aが互いに接触して両者間の断熱効果が薄れることを防止するために用いられる。このような真空断熱材1は、金属層が離れて多層に設けられているため、外部から侵入する輻射熱を数分の1から数10分の1に低減する。
しかしながら、この真空断熱材1の断熱ネット1bの材料であるポリエステル繊維は、真空中ではその繊維の表面から多くのガスを放出する。真空容器内を高真空排気装置等で10−2Pa程度以下に連続的に排気している場合には問題を生じないが、真空容器を封じ切りにする場合には、この放出ガスによって、真空容器の内圧が短時間で10−2Pa以上に上昇し、真空による断熱効果が低下してしまうことが問題となる。
そこで、本発明者等は、ガス放出量が少なく、断熱効果が高く、施工性に優れ、且つ低コストの真空断熱材を発明し、特許出願を行った。そして、その特許出願は出願公開がされ、特許文献1(特開2004−116593号公報)として、開示されている。この従来技術について図を参照しつつ説明する。
図15は他の従来技術による真空断熱材の一例の構成を示す斜視図である。図16は断熱反射部材の断面図である。図17は真空断熱材の断面図である。
この真空断熱材2は、図15で示すように、凸部2bを有する断熱反射部材2aを多層に積層したものである。断熱反射部材2aは、図16で示すように、積層した時の接触面積を小さくするための半球形突起等の凸部2bがエンボス加工により成形加工されたアルミシート2cと、このアルミシート2cの片面に焼き付け塗布され、塑性変形を抑制し且つ凸部2bの接触部の熱抵抗を高める熱絶縁用兼補強用膜としてのフッ素樹脂膜2dと、を備える。凸部2bは幅方向及び奥行き方向に並べて多数設けられる。このような断熱反射部材2aの積層時には、図15,図17で示すように、上下の凸部2bの位置をそのピッチの1/2分ずつ幅方向及び奥行き方向にずらしつつ積層して上下方向で距離を確保しており、誤って凸部2bが上下で嵌め込まれるような事態の発生を防止する。この真空断熱材2は、アルミシート2cにフッ素樹脂膜2dを焼き付け塗装した構成なので、ガス放出量が少なくて真空に封じ切っても断熱効果の持続時間が長く、コストも安く、施工性にも優れる。
また、図16に示す断熱反射部材2aに代えて、断面形状は図16の断熱反射部材2aと同じであるが材料を異ならせた他の断熱反射部材を用いる真空断熱材(図示せず)もある。この断面反射部材は、図16のアルミシート2cに代えて10数μmのポリエステル樹脂シート材にエンボス加工により多数の凸部を形成してなる樹脂シートと、フッ素樹脂膜2dに代えて断面部材の少なくとも片面にアルミニウム・銅などの金属を蒸着して形成した金属層と、を備えるものである。このような断熱反射部材を積層した真空断熱材は、真空容器内で排気が常時なされているならば、断熱効果も高く十分に使用が可能である。
従来技術の真空断熱材はこのようなものである。
特開2004−116593号公報(段落番号0015〜0021,図1)
先に説明した従来技術による真空断熱材1,2では、真空断熱をする対象物が平面板状の対象物では良好であるが、真空断熱をする対象物が特に棒状・円柱状の対象物に対しては断熱効果が平面板状の対象物と比較して高くないという問題があった。この点について図を参照しつつ説明する。なお、この説明では図14で示した真空断熱材1を念頭において説明する。図18は、棒状・円柱状の断熱対象に巻き回された真空断熱材の説明図である。
真空断熱材1は、図18で示すように、小径の棒状・円柱状の断熱対象の外周に多層に巻き回されることになる。このように構成された真空断熱材1における外周側から内周側の低温端3への熱伝達について説明する。真空断熱材1における熱伝達の主要因は2つあり、それは熱放射と熱伝導である。なお、他に熱対流があるが、熱対流は、流体内で温度の高い部分は上昇し、低い部分は下降して熱が移動するというものであり、冷凍機の冷却端の低温部は気体が排気される真空容器の内部に設置されているため熱対流を考慮しなくても良い。
熱放射は、電磁波によって高温部から低温部に向かって、空気中を透過して熱が移動する現象である。熱放射は、電磁波が届く範囲だけが暖かくなり、電磁波が障害物などで遮られると伝わらない。
真空断熱材1における熱放射による熱流入経路は、図18で示すように、半径方向の矢印と同じ方向である。熱反射シート1aは、電磁波を内周側へ放射しにくい物質、つまり電磁波を外周側へ反射する物質であるアルミニウムや銅などの金属層を有するものであり、このような熱反射シート1aが多層に形成されているので、熱は外周側へ反射されて熱放射による熱流入を抑制する。
特に、図18では低温端と接する最内周側と真空容器の内周面と面する最外周側では熱放射シート1aの金属層が面するように配置して、低温端側から外側へ寒冷を熱放射しないようにし、同様に最外周から内側へ高熱を熱放射しないようにしている。熱放射はこのようなものである。
続いて、熱伝導について説明する。熱伝導は、熱が固体内部で高温部から低温部に向かって移動する現象である。
真空断熱材1における熱伝導による熱流入経路は、図18で示すように、半径方向の矢印のように接触箇所を通じて熱反射シート1a→断熱ネット1b→熱反射シート1aと伝導していく半径方向熱伝導と、円周方向の矢印のように熱反射シート1aを円周方向に熱伝導する円周方向熱伝導と、がある。
半径方向熱伝導では、接触熱抵抗を大きくすることで半径方向熱伝導を伝わりにくくすることができる。
接触熱抵抗を大きくするためには、熱反射シート1aと断熱ネット1bを軽くして接触圧力(押し付け力)を小さくし、また断熱ネット1bでは網目を粗くするなどして熱反射シート1aと断熱ネット1bとの間の接触面積を減らすというものである。
しかしながら、円周方向熱伝導では、何ら熱伝導を遮るものがなく、円周方向熱伝導は起こりやすいという問題があった。上記の半径方向熱放射や半径方向熱伝導の抑制に加えて、円周方向熱伝導も起こりにくいようにして、断熱効果をより高めたいという要請があった。
また、先に説明した従来の真空断熱材1は、ポリエステル樹脂シートを用いるためガスが発生するが、アルミ蒸着された熱反射シート1aの金属層で挟まれているため、ガスの行き先がなく、各層間に残留したガスが抜けにくいという問題も生じていた。
そこで、本発明は上記した問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、棒状の断熱対象に積層された熱反射層や断熱層という各層の半径方向の熱抵抗に殆ど影響を与えることなく周方向の熱抵抗も大きくするとともに、各層間の残留ガスを排気しやすくして各層が劣化するおそれを抑制し、全体的に高くなった断熱効果を長期間維持するような低コストの真空断熱材を提供することである。
上記課題を解決するため、本発明の請求項1に係る発明の真空断熱材は、
放射熱を反射する熱反射層と、
熱伝導を少なくする断熱層と、
を備え、n(nは1以上の自然数)層の熱反射層とn層の断熱層とを交互に積層して一方の面を熱反射層とし他方の面を断熱層とするか、または、(n+1)層の熱反射層とn層の断熱層とを交互に積層して両方の面を熱反射層とする真空断熱材であって、
熱反射層は、熱反射層上の熱伝導経路を遮断するための多数の孔を備え、この熱反射層の孔は、一定長さの直線孔に加えてその両端に丸孔を組み合わせた孔であることを特徴とする。
また、本発明の請求項2に係る発明の真空断熱材は、
請求項1に記載の真空断熱材において、
前記熱反射層の孔は、直線上において破線状に複数の孔を設けたものであり、孔と孔との間の連通部の長さは、孔の長さよりも短いことを特徴とする。
また、本発明の請求項3に係る発明の真空断熱材は、
請求項2に記載の真空断熱材において、
前記熱反射層の孔は、熱反射層上の全面において千鳥状に設けられることを特徴とする真空断熱材。
また、本発明の請求項4に係る発明の真空断熱材は、
請求項3に記載の真空断熱材において、
前記熱反射層の孔の短手方向に隣接する孔間の長さをピッチPとするとき、孔の短手方向の熱反射層の長さLは、ピッチPのn(nは2以上の自然数)倍であることを特徴とする。
また、本発明の請求項5に係る発明の真空断熱材は、
請求項1〜請求項4の何れか一項に記載の真空断熱材において、
樹脂シートの片面または両面にアルミニウム・銅などの金属を蒸着して金属層を形成するとともに金属層および樹脂シートを貫通する孔を設けた熱反射シートと、
網目状の樹脂ネットである断熱ネットと、
を備え、m(mは1以上の自然数)枚の熱反射シートとm枚の断熱ネットとを交互に積層して一方の面を熱反射シートとし他方の面を断熱ネットとするか、または、(m+1)枚の熱反射シートとm枚の断熱ネットとを交互に積層して両方の面を熱反射シートとする真空断熱材であって、
熱反射シートの金属層を前記熱反射層として機能させ、また、熱反射シートの樹脂シートおよび断熱ネットを前記断熱層として機能させることを特徴とする。
また、本発明の請求項6に係る発明の真空断熱材は、
請求項1〜請求項の何れか一項に記載の真空断熱材において、
多数の凸部を有する樹脂シートの片面または両面にアルミニウム・銅などの金属を蒸着して金属層を形成した断熱反射部材を一枚用いたもの、または、凸部の点または線を接触部としつつk(kは2以上の自然数)枚積層したものであり、
断熱反射部材の金属層を前記熱反射層として機能させ、また、断熱反射部材の樹脂シートを前記断熱層として機能させることを特徴とする。
以上述べたような本発明によれば、棒状の断熱対象に積層された熱反射層や断熱層という各層の半径方向の熱抵抗に殆ど影響を与えることなく周方向の熱抵抗も大きくするとともに、各層間の残留ガスを排気しやすくして各層が劣化するおそれを抑制し、全体的に高くなった断熱効果を長期間維持するような低コストの真空断熱材を提供することことができる。
続いて、本発明を実施するための最良の形態について、図を参照しつつ説明する。図1は本形態の真空断熱材の説明図、図2は真空断熱材の低温端への取付の説明図である。ここに、従来技術と一部重複する点もあるが、説明の明瞭化のため再掲する。
本形態の真空断熱材10は、熱反射シート11、断熱ネット12を備える。
熱反射シート11は、例えば厚さ10数μmのポリエステル樹脂シートまたはポリイミド樹脂シートという樹脂シートの片面または両面にアルミニウム・銅などの金属を蒸着して金属層を形成したシートである。このような熱反射シート11には孔13および連通部14が形成されている。孔13は、図1で示すように、直線状に切れ込みを入れた直線孔であり、熱反射シート11の表裏を貫通する。そして、一直線上に複数の孔13を線状に形成している。孔13と孔13との間は非切り込み部となる連通部14が形成されており、孔13は熱伝導を遮るが、連通部14は熱伝導を可能とする。孔13は熱反射シート11の全面においては千鳥状に配置される。このような配置によりいわば連通部14も千鳥状に配置され、熱伝導経路はつづら折り状となっている。
断熱ネット12は、ポリエステル繊維を開口の大きな網目状(ネット状)に数100μmの厚さに編んだ樹脂ネットである。
ここに熱反射シート11の金属層は熱反射層として機能し、また、熱反射シート11の樹脂シートおよび断熱ネット12は断熱層として機能する。孔13により金属層および断熱層に表裏を貫通する孔が形成されている。
本形態の真空断熱材10は特に棒状・円柱状の断熱対象の断熱に好適である。真空断熱材10は、図2で示すように、円柱状の低温端3に巻き回されることとなる。このように巻き回したときに、孔13は線状の切り込みから、わずかではあるが円周方向で拡開するため、熱伝導が確実に遮られる。このため、熱伝導の経路は、図2で示すように連通部14を必ず通過する蛇行した経路となるため、熱伝導に時間を要し、円周方向に熱抵抗を高めている。
また、千鳥状の孔13は、特に軸方向と平行であるので、巻き回し時に孔の拡開方向のみ力が加わり、強度的に強くなっている。
ここで図1で示すようにピッチPは円柱状の低温端3の外周長さLより小さくすれば、円周方向に多数の孔を形成することができ、ピッチPを十分に小さくすれば良い。例えばL/Pを自然数n(nは2以上)となるようにPやLを決定することで、円周方向にn分割された孔13が形成され、円周方向に熱抵抗を高めることができる。また、連通部14の長さを孔13の長さよりも十分に短く構成しており、熱伝導可能な連通部14を少なくしているため、この点でも熱抵抗を高めている。
なお、拡開した孔13から半径方向へ放射熱により熱が侵入するおそれが生じるが、図2では孔13を誇張して図示しており、実際は殆ど孔13の開口面積は拡がらないため、熱の侵入は多くない。
このように本形態の真空断熱材10は、半径方向の熱抵抗に殆ど影響を与えることなく円周方向の熱抵抗を高めているため、低温端3への熱を遮蔽する効果を高めることができる。
また、熱反射シート11の樹脂シートや断熱ネット12から放出されるガスは断熱ネット12の網目や孔13を通じて外部へ放出されるため、真空断熱材10の内部にガスが滞留する、ということがなくなり、例えば、内圧上昇により金属層が裂けるという事態も起こらない。
このような真空断熱材10は各種の形態が可能である。以下、図を参照しつつ説明する。図3は真空断熱材の断面図であり、図3(a)は第1例を示す図、図3(b)は第2例を示す図、図3(c)は第3例を示す図、図3(d)は第4例を示す図である。図4は真空断熱材の断面図であり、図4(a)は第5例を示す図、図4(b)は第6例を示す図、図4(c)は第7例を示す図、図4(d)は第8例を示す図である。
図3(a)に示す真空断熱材10は、樹脂シート112の片面に金属を蒸着して金属層111を形成した熱反射シート11と、断熱ネット12と、を備えるものであり、一枚の熱反射シート11と、一枚の断熱ネット12と、を交互に積層したものである。一方の面(例えば上下方向に積層した場合に上側)が熱反射シート11となり、また、他方の面(例えば上下方向に積層した場合に下側)が断熱ネット12となる。
熱反射シート11の金属層111が熱反射層として機能し、熱反射シート11の樹脂シート112および断熱ネット12が連続する層が断熱層として機能する。
図3(b)に示す真空断熱材10は、樹脂シート112の片面に金属を蒸着して金属層111を形成した熱反射シート11と、断熱ネット12と、を備えるものであり、二枚の熱反射シート11と、一枚の断熱ネット12と、を交互に積層したものである。両方の面が熱反射シート11となる。
二層の金属層111が熱反射層として機能する。また、二層の金属層111の間にある樹脂シート112および断熱ネット12が連続する層や、下側の樹脂シート112が断熱層として機能する。この断熱層は二層存在する。
図3(c)に示す真空断熱材10は、樹脂シート112の片面に金属を蒸着して金属層111を形成した熱反射シート11と、断熱ネット12と、を備えるものであり、二枚の熱反射シート11と、二枚の断熱ネット12と、を交互に積層したものである。一方の面(例えば上下方向に積層した場合に上側)が熱反射シート11となり、また、他方の面(例えば上下方向に積層した場合に下側)が断熱ネット12となる。
二層の金属層111が熱反射層として機能する。また、樹脂シート112および断熱ネット12が連続する層が断熱層として機能する。この断熱層は二層存在する。
このような図3(c)に示す真空断熱材10は、二枚の熱反射シート11と、二枚の断熱ネット12と、を交互に積層したものであるが、枚数を限定するものではなく、一般化すれば、m(mは1以上自然数)枚の熱反射シート11と、m枚の断熱ネット12と、を交互に積層したものとすれば良い。m=2で図3(c)で示す真空断熱材10となり、m=1で図3(a)で示す真空断熱材10となる。
図3(d)に示す真空断熱材10は、樹脂シート112の片面に金属を蒸着して金属層111を形成した熱反射シート11と、断熱ネット12と、を備えるものであり、三枚の熱反射シート11と、二枚の断熱ネット12と、を交互に積層したものである。両方の面が熱反射シート11となる。
三層の金属層111が熱反射層として機能する。また、二層の金属層111の間にある樹脂シート112および断熱ネット12が連続する層や、下側の樹脂シート112が断熱層として機能する。この断熱層は三層存在する。
このような図3(d)に示す真空断熱材10は、三枚の熱反射シート11と、二枚の断熱ネット12と、を交互に積層したものであるが、枚数を限定するものではなく、一般化すれば、m+1(mは1以上の自然数)枚の熱反射シート11と、m枚の断熱ネット12と、を交互に積層したものとすれば良い。m=2で図3(d)で示す真空断熱材10となり、m=1で図3(b)で示す真空断熱材10となる。
図4(a)に示す真空断熱材10は、樹脂シート112の両面に金属を蒸着して金属層111,113を形成した熱反射シート11と、断熱ネット12と、を備えるものであり、一枚の熱反射シート11と、一枚の断熱ネット12と、を交互に積層したものである。一方の面(例えば上下方向に積層した場合に上側)が熱反射シート11となり、また、他方の面(例えば上下方向に積層した場合に下側)が断熱ネット12となる。
二層の金属層111,113が熱反射層として機能し、樹脂シート112や断熱ネット12がそれぞれ断熱層として機能する。この断熱層は二層存在する。
図4(b)に示す真空断熱材10は、樹脂シート112の両面に金属を蒸着して金属層111を形成した熱反射シート11と、断熱ネット12と、を備えるものであり、二枚の熱反射シート11と、一枚の断熱ネット12と、を交互に積層したものである。両方の面が熱反射シート11となる。
四層の金属層111,113が熱反射層として機能する。また、樹脂シート112や断熱ネット12がそれぞれ断熱層として機能する。この断熱層は三層存在する。
図4(c)に示す真空断熱材10は、樹脂シート112の両面に金属を蒸着して金属層111を形成した熱反射シート11と、断熱ネット12と、を備えるものであり、二枚の熱反射シート11と、二枚の断熱ネット12と、を交互に一層積層したものである。一方の面(例えば上下方向に積層した場合に上側)が熱反射シート11となり、また、他方の面(例えば上下方向に積層した場合に下側)が断熱ネット12となる。
四層の金属層111,113が熱反射層として機能する。また、二層の樹脂シート112や二層の断熱ネット12がそれぞれ断熱層として機能する。この断熱層は四層存在する。
このような図4(c)に示す真空断熱材10は、二枚の熱反射シート11と、二枚の断熱ネット12と、を交互に積層したものであるが、枚数を限定するものではなく、一般化すれば、m(mは1以上自然数)枚の熱反射シート11と、m枚の断熱ネット12と、を交互に一層積層したものとすれば良い。m=2で図4(c)で示す真空断熱材10となり、m=1で図4(a)で示す真空断熱材10となる。
図4(d)に示す真空断熱材10は、樹脂シート112の両面に金属を蒸着して金属層111を形成した熱反射シート11と、断熱ネット12と、を備えるものであり、三枚の熱反射シート11と、二枚の断熱ネット12と、を交互に積層したものである。両方の面が熱反射シート11となる。
六層の金属層111,113が熱反射層として機能する。また、樹脂シート112や断熱ネット12がそれぞれ断熱層として機能する。この断熱層は六層存在する。
このような図4(d)に示す真空断熱材10は、三枚の熱反射シート11と、二枚の断熱ネット12と、を交互に積層したものであるが、枚数を限定するものではなく、一般化すれば、m+1(mは1以上の自然数)枚の熱反射シート11と、m枚の断熱ネット12と、を交互に積層したものとすれば良い。m=2で図4(d)で示す真空断熱材10となり、m=1で図4(b)で示す真空断熱材10となる。
上記各例をまとめると、真空断熱材10は、両面または片面に金属層が形成され、m(mは1以上の自然数)枚の熱反射シート11と、m枚の断熱ネット12と、を交互に積層して、一方の面(例えば上下方向に積層した場合に上側)を熱反射シート11とし、また、他方の面(例えば上下方向に積層した場合に下側)を断熱ネット12とするか、または、(m+1)枚の熱反射シート11とm枚の断熱ネット12とを交互に積層して両方の面を熱反射シート11とする、というものである。
続いて、上記のような真空断熱材10の利点について説明する。
図3(a)や図4(a)で示すような真空断熱材10では、一枚の熱反射シート11と断熱ネット12とにより、熱反射と断熱ができるようにしており、取り扱いや施工が簡単であるという利点がある。
また、図3(b),図3(c),図3(d)で示すような真空断熱材10では、特に二層の金属層111の間に樹脂シート111および断熱ネット12を介在させることにより金属層111どうしの接触を制限し、半径方向熱伝導に対する熱抵抗をより大きくすることができる。
また、図4(b),図4(c),図4(d)で示すような真空断熱材10では、特に二層の金属層111,113の間に樹脂シート111または断熱ネット12を介在させることにより金属層111,113どうしの接触を制限し、半径方向熱伝導に対する熱抵抗をより大きくすることができる。さらに図4(b),図4(d)のように最内周と最外周とでは共に金属層111,113を配置するようにすれば、金属層113が低温端と接し、また、金属層111が真空容器内面と面することとなるため、最内周側では低温端からの寒冷が金属層113により反射され、また、最外周では外部からの放射熱が金属層111により反射されるため、断熱効果を高めることができる。
続いて、他の形態について、図を参照しつつ説明する。図5は他の形態の真空断熱材の説明図、図6は真空断熱材の低温端への取付の説明図である。
本形態の真空断熱材10’は、熱反射シート11’、断熱ネット12を備える。
熱反射シート11’は、例えば、厚さ10数μmのポリエステル樹脂シートまたはポリイミド樹脂シートの片面または両面にアルミニウムなどの金属を蒸着して金属層を形成したシートである。このような熱反射シート11’には孔15および連通部14が形成されている。また、真空断熱材10’は、先に図3,図4を用いて説明したように、m(mは1以上の自然数)枚の熱反射シート11と、m枚の断熱ネット12と、を交互に積層して、一方の面(例えば上下方向に積層した場合に上側)を熱反射シート11’とし、また、他方の面(例えば上下方向に積層した場合に下側)を断熱ネット12とするか、または、(m+1)枚の熱反射シート11’とm枚の断熱ネット12とを交互に積層して両方の面を熱反射シートとするか、という各種形態が可能である点も同様である。
先に図1〜図4を参照しつつ説明した形態と比較すると、本形態では特に孔15のみが相違するものであり、一定長さの直線孔15aと、その直線孔15aの両端に連通して設けられる丸孔15bと、を備えて、例えば鉄亜鈴状の孔としており、図1で示した直線孔と相違させている。なお、他は同様であり、熱反射シート11’の表裏を貫通するように形成されており、孔15と孔15との間は非切り込み部となる連通部14が形成されることとなり、孔15と連通部14とを直線の上に交互に配置して線状に形成される。孔15は、熱伝導を遮るが、連通部14は熱伝導を可能とする。孔15は熱反射シート11’の全面においては千鳥状に配置される。
断熱ネット12は、ポリエステル繊維を開口の大きな網目状(ネット状)に数100μmの厚さに編んだ樹脂ネットである。
ここに熱反射シート11’の金属層は熱反射層として機能し、また、熱反射シート11’の樹脂シートおよび断熱ネット12は断熱層として機能する。孔15により金属層および断熱層に表裏を貫通する孔が形成されている。
本形態の真空断熱材10’も特に棒状・円柱状の断熱対象の断熱に好適である。真空断熱材10’は、図6で示すように、円柱状の低温端3に巻き回されることとなる。この際、孔15は、直線孔15aがわずかではあるが円周方向で拡開するため、熱伝導が確実に遮られる。このため、熱伝導の経路は、図6で示すように連通部14を必ず通過する蛇行した経路となるため、円周方向に熱抵抗を高めている。なお、孔15が拡開する際に、孔15の両端にある丸孔15bにより、スリットの切り欠き強度が向上するので熱反射シート11’の金属層に力が加わったとしても孔15から破れるという事態は防止されて施工性が向上する。これは真空断熱材10’に特有の効果である
また、千鳥状の孔15は、特に軸方向と平行であるので、巻き回し時に孔の拡開方向のみ力が加わり、強度的に強くなっている。
ここで図5で示すようにピッチPは円柱状の低温端3の外周長さLより小さくすれば、円周方向に多数の孔を形成することができ、ピッチPを十分に小さくすれば良い。例えばL/Pを自然数n(nは2以上)となるようにPやLを決定することで、円周方向にn分割された孔15が形成され、円周方向に熱抵抗を高めることができる。また、連通部14の長さを孔15の長さよりも十分に短く構成しており、熱伝導可能な連通部14を少なくしているため、この点でも熱抵抗を高めている。
なお、拡開した孔15から半径方向へ熱が侵入するおそれが生じるが、図6では孔15を誇張して図示しており、実際は殆ど孔15の開口面積は拡がらないため、熱の侵入は多くない。
このように本形態の真空断熱材10’は、半径方向や円周方向の熱抵抗を共に高めているため、低温端3への熱を遮蔽する効果を高めることができる。
また、熱反射シート11’の樹脂シートや断熱ネット12から放出されるガスは断熱ネット12の網目や孔15を通じて放出されるため、真空断熱材10’の内部にガスが滞留する、ということがなくなり、例えば、内圧上昇により金属層が裂けるという事態も起こらない。
続いて、他の形態について、図を参照しつつ説明する。図7は他の形態の真空断熱材の説明図、図8は断熱反射部材の断面図、図9は真空断熱材の低温端への取付の説明図である。ここに、従来技術と一部重複する点もあるが、説明の明瞭化のため再掲する。
本形態の真空断熱材20は、断熱反射部材21を備える。
断熱反射部材21は、図8で示すように、金属層211と、樹脂シート212と、を備える。樹脂シート212は、10数μmのポリエステル樹脂またはポリイミド樹脂などの樹脂シートにエンボス加工により多数の凸部22を形成してなる樹脂製のシートである。この樹脂シート212の片面または両面にアルミニウム・銅などの金属を蒸着して金属層211を形成する。図8では、樹脂シート212の上側に金属層211が形成されている。なお、形成時に樹脂シート212をエンボス加工してから金属層211を形成したり、または、樹脂シート212に金属層211を形成してからエンボス加工をしても良い。凸部22は、図7〜図9でも明らかなように幅方向及び奥行き方向(縦横方向)に均等に並べて配置される。
このような断熱反射部材21には孔23および連通部24が形成されている。孔23は、図7で示すように、直線状に切れ込みを入れた直線孔であり、断熱反射部材21の表裏を貫通する。そして、一直線上に複数の孔23を線状に形成している。孔23と孔23との間は非切り込み部となる連通部24が形成されており、孔23は熱伝導を遮るが、連通部24は熱伝導を可能とする。孔23は断面反射部材21の全面においては千鳥状に配置される。このような配置によりいわば連通部24も千鳥状に配置され、熱伝導経路はつづら折り状となっている。
断熱反射部材21の金属層211は熱反射層として機能し、また、断熱反射部材21の樹脂シート212は断熱層として機能する。孔23により熱反射層および断熱層に表裏を貫通する孔が形成されている。
本形態の真空断熱材20は特に棒状・円柱状の断熱対象の断熱に好適である。真空断熱材20は、図9で示すように、円柱状の低温端3に巻き回されることとなる。このように巻き回したときに、孔23は線状の切り込みから、わずかではあるが円周方向で拡開するため、熱伝導が確実に遮られる。このため、熱伝導の経路は、図9で示すように連通部24を必ず通過する蛇行した経路となるため、熱伝導に時間を要し、円周方向に熱抵抗を高めている。
また、千鳥状の孔23は、特に軸方向と平行であるので、巻き回し時に孔の拡開方向のみ力が加わり、強度的に強くなっている。
また、熱伝導の経路は凸部22を通過することとなるが、図8からも明らかなように凸部22を通過することは通過距離が大幅に増えるため、熱伝導に時間を要することとなって、熱抵抗を増加させるように機能することとなる。
ここで図7で示すようにピッチPは円柱状の低温端3の外周長さLより小さくすれば、円周方向に多数の孔を形成することができ、ピッチPを十分に小さくすれば良い。例えばL/Pを自然数n(nは2以上)となるようにPやLを決定することで、円周方向にn分割された孔23が形成され、円周方向に熱抵抗を高めることができる。また、連通部24の長さを孔23の長さよりも十分に短く構成しており、熱伝導可能な連通部24を少なくしているため、この点でも熱抵抗を高めている。
なお、拡開した孔23から半径方向へ放射熱が侵入するおそれが生じるが、図9では孔23を誇張して図示しており、実際は殆ど孔23の開口面積は拡がらないため、放射熱の侵入は多くない。
このように本形態の真空断熱材20は、半径方向や円周方向の熱抵抗を共に高めているため、低温端3への熱を遮蔽する効果を高めることができる。
また、樹脂シート212から放出されるガスは金属層211の孔23を通じて外側に放出されるため、真空断熱材20の内部にガスが滞留する、ということがなくなり、例えば、内圧上昇により金属層が裂けるという事態も起こらない。
このような真空断熱材20については各種の形態が可能である。以下、図を参照しつつ説明する。図10は真空断熱材の断面図であり、図10(a)は第1例を示す図、図10(b)は第2例を示す図、図10(c)は第3例を示す図、図10(d)は第4例を示す図である。
図10(a)に示す真空断熱材20は、樹脂シート212の片面に金属を蒸着して金属層211を形成した断熱反射部材21を一層備えるものである。一方の面(例えば上下方向に積層した場合に上側)が金属層211となり、また、他方の面(例えば上下方向に積層した場合に下側)が樹脂シート212となる。
金属層211が熱反射層として機能し、樹脂シート212が断熱層として機能する。
図10(b)に示す真空断熱材20は、樹脂シート212の片面に金属を蒸着して金属層211を形成した断熱反射部材21を二層備えるものである。一方の面(例えば上下方向に積層した場合に上側)が金属層211となり、また、他方の面(例えば上下方向に積層した場合に下側)が樹脂シート212となる。積層時では、図15,図17で示したように、凸部22の点または線を接触部としつつ積層する。
二層の金属層211が熱反射層として機能する。また、二層の樹脂シート212が断熱層として機能する。中間の空間層も断熱層として機能する。
このような図10(b)に示す真空断熱材10は、二枚の断熱反射部材を積層したものであるが、枚数を限定するものではなく、一般化すれば、片面に金属層を有する断熱反射部材21をk(kは2以上の自然数)枚積層したものである。k=2で図10(b)で示す真空断熱材20となる。ちなみにk=1で図10(a)で示す真空断熱材20となる。
図10(c)に示す真空断熱材20は、樹脂シート212の両面に金属を蒸着して金属層211,213を形成した断熱反射部材21を一層備えるものである。両方の面が金属層211,213となる。
金属層211,213が熱反射層として機能し、樹脂シート212が断熱層として機能する。
図10(d)に示す真空断熱材20は、樹脂シート212の両面に金属を蒸着して金属層211,213を形成した断熱反射部材21を二層備えるものである。両方の面が金属層211,213となる。積層時では、図15,図17で示したように、凸部22の点または線を接触部としつつ積層する。
二層の金属層211,213が熱反射層として機能する。また、二層の樹脂シート212が断熱層として機能する。中間の空間層も断熱層として機能する。
このような図10(d)に示す真空断熱材10は、二枚の断熱反射部材を積層したものであるが、枚数を限定するものではなく、一般化すれば、両面に金属層を有する断熱反射部材21をk(kは2以上の自然数)枚積層したものである。k=2で図10(d)で示す真空断熱材20となる。ちなみにk=1で図10(c)の真空断熱材20となる。
まとめると、真空断熱材20は、多数の凸部を有する樹脂シート212の片面に金属層211を、または両面に金属層211,213を形成した断熱反射部材21を一枚用いたもの、または、凸部22の点または線を接触部としつつk(kは2以上の自然数)枚積層したものである。
続いて、上記のような真空断熱材20の利点について説明する。
図10(a)で示すような真空断熱材20では、一枚の断熱反射部材21により、熱反射と断熱ができるようにしており、施工が簡単であるという利点がある。
また、図10(b),図10(c),図10(d)で示すような真空断熱材10では、特に二層の金属層211,213の間に樹脂シート211や空間という断熱層を介在させることにより金属層211,213どうしの接触を制限し、半径方向熱伝導に対する熱抵抗を大きくすることができる。さらに図10(c),図10(d)のように最内周と最外周とでは共に金属層211,213を配置するようにすれば、金属層213が低温端と接し、また、金属層211が真空容器内面と面することとなるため、最内周側では低温端からの寒冷が金属層213により反射され、また、最外周では外部からの放射熱が金属層211により反射されるため、断熱効果を高めることができる。
真空断熱材20は、この断熱反射部材21を一層または多層に積層することにより構成する。このような断熱反射部材21の積層時には、従来技術の図14で示した積層形態と同様に、上下の凸部22の位置をそのピッチの1/2分ずつ幅方向及び奥行き方向にずらしつつ積層して凸部22が上下で嵌め込まれるような事態の発生を防止する。
特に断熱反射部材21の金属層211と樹脂シート212との積層構造となるため金属層211どうしの接触を制限し、半径方向熱伝導に対する熱抵抗を大きくすることができる。また、凸部22の最底は円状の接触箇所しかないため、接触面積を大幅に少なくしており、この点でも半径方向熱伝導に対する熱抵抗を大きくすることができる。
続いて、他の形態について、図を参照しつつ説明する。図11は他の形態の真空断熱材の説明図、図12は断熱反射部材の断面図、図13は真空断熱材の低温端への取付の説明図である。
本形態の真空断熱材20’は、断熱反射部材21’を備える。
断熱反射部材21’は、図12で示すように、金属層211と、樹脂シート212と、を備える。樹脂シート212は、10数μmのポリエステルまたはポリイミドなどの樹脂シートにエンボス加工により多数の凸部22を形成してなる樹脂製のシートである。この樹脂シート212の片面または両面にアルミニウム・銅などの金属を蒸着して形成した金属層211と、を備える。図12では、樹脂シート212の上側に金属層211が形成されている。なお、形成時に樹脂シート212をエンボス加工してから金属層211を形成したり、または、樹脂シート212に金属層211を形成してからエンボス加工をしても良い。凸部22は、図11〜図13でも明らかなように幅方向及び奥行き方向(縦横方向)に均等に並べて配置される。
断熱反射部材21’の金属層211は熱反射層として機能し、また、断熱反射部材21’の樹脂シート212は断熱層として機能する。このような断熱反射部材21’には孔25および連通部24が形成されている。
先に図7,図8,図9を参照しつつ説明した形態と比較すると、本形態では特に孔25のみが相違するものであり、一定長さの直線孔25aと、その直線孔25aの両端に連通して設けられる丸孔25bとを備えて、例えば鉄亜鈴状の孔としており、図7で示した直線孔と相違させている。なお、他は同様であり、断熱反射部材21’の表裏を貫通するように形成されており、一直線上に複数の孔25を線状に形成している。孔25と孔25との間は非切り込み部となる連通部24が形成されており、孔25は熱伝導を遮るが、連通部24は熱伝導を可能とする。孔25は断面反射部材21’の全面においては千鳥状に配置される。このような配置によりいわば連通部24も千鳥状に配置され、熱伝導経路はつづら折り状となっている。
真空断熱材20’は、この断熱反射部材21’を積層することにより構成する。このような断熱反射部材21’の積層時には、従来技術の図15,図17で示した積層形態と同様に、上下の凸部22の位置をそのピッチの1/2分ずつ幅方向及び奥行き方向にずらしつつ積層して凸部22が上下で嵌め込まれるような事態の発生を防止する。
特に断熱反射部材21’の金属層211と樹脂シート212との積層構造となるため金属層211どうしの接触を制限し、半径方向熱伝導に対する熱抵抗を大きくすることができる。また、凸部22の最底は円状の接触箇所しかないため、接触面積を大幅に少なくしており、この点でも半径方向熱伝導に対する熱抵抗を大きくすることができる。
本形態の真空断熱材20’は特に棒状・円柱状の断熱対象の断熱に好適である。真空断熱材20’は、図13で示すように、円柱状の低温端3に巻き回されることとなる。この際、孔25の直線孔25aが、わずかではあるが円周方向で拡開するため、熱伝導が確実に遮られる。なお、孔25が拡開する際に、孔25の両端にある丸孔25bにより、スリットの切り欠き強度が向上するので断熱反射部材21’の金属層に力が加わったとしても破れるという事態は防止されて施工性が向上する。
また、千鳥状の孔25は、特に軸方向と平行であるので、巻き回し時に孔25の拡開方向のみ力が加わり、強度的に強くなっている。
このような孔25の存在のため、熱伝導の経路は、図13で示すように連通部24を必ず通過する蛇行した経路となるため、円周方向に熱抵抗を高めている。また、熱伝導の経路は凸部22を通過することとなるが、図12からも明らかなように凸部22を通過することは通過距離が大幅に増えるため、熱伝導に時間を要することとなって、熱抵抗を増加させるように機能することとなる。
ここでピッチPは円柱状の低温端3の外周長さLより小さくすれば、円周方向に多数の孔を形成することができ、ピッチPを十分に小さくすれば良い。例えばL/Pを自然数n(nは2以上)となるようにPやLを決定することで、円周方向にn分割された孔25が形成され、円周方向に熱抵抗を高めることができる。また、連通部24の長さを孔25の長さよりも十分に短く構成しており、熱伝導可能な連通部24を少なくしているため、この点でも熱抵抗を高めている。
なお、拡開した孔25から半径方向へ熱が侵入するおそれが生じるが、図13では孔25を誇張して図示しており、実際は殆ど孔25の開口面積は拡がらないため、放射熱の侵入は多くない。
このように本形態の真空断熱材20’は、半径方向や円周方向の熱抵抗を共に高めているため、低温端3への熱を遮蔽する効果を高めることができる。
また、樹脂シート212から放出されるガスは金属層211の孔25を通じて外側に放出されるため、真空断熱材20’の内部にガスが滞留する、ということがなくなり、例えば、内圧上昇により金属層が裂けるという事態も起こらない。
以上、本発明の真空断熱材について説明した。この発明は、液体窒素の沸点等の極低温まで冷却する冷凍機の冷却端や液体窒素冷却の連結バーという円柱体・棒状体の多層真空断熱に特に適した真空断熱材であるが、他の冷却対象に適用することももちろん可能である。
この発明によれば、樹脂シートの少なくとも片面にアルミニウムなどの金属を蒸着するとともに立体的なエンボス加工を施し、被施工物の例えば円周部の周長より小さいピッチで、切り込みの長さより非切り込み部の長さを短く構成することにより、連続したシートを巻き付けるようにして施工することができる。このため、小径で長い円筒形状の被施工物に対して、効果的な多層真空断熱部を形成することができる。
また、この効果は、エンボス加工のないアルミ蒸着シートとポリエステルネットを組み合わせた真空断熱材の場合でも同様の効果を奏する。
本発明を実施するための最良の形態の真空断熱材の説明図である。 真空断熱材の低温端への取付の説明図である。 真空断熱材の断面図であり、図3(a)は第1例を示す図、図3(b)は第2例を示す図、図3(c)は第3例を示す図、図3(d)は第4例を示す図である。 真空断熱材の断面図であり、図4(a)は第5例を示す図、図4(b)は第6例を示す図、図4(c)は第7例を示す図、図4(d)は第8例を示す図である。 他の形態の真空断熱材の説明図である。 真空断熱材の低温端への取付の説明図である。 他の形態の真空断熱材の説明図である。 断熱反射部材の断面図である。 真空断熱材の低温端への取付の説明図である。 真空断熱材の断面図であり、図10(a)は第1例を示す図、図10(b)は第2例を示す図、図10(c)は第3例を示す図、図10(d)は第4例を示す図である。 他の形態の真空断熱材の説明図である。 断熱反射部材の断面図である。 真空断熱材の低温端への取付の説明図である。 従来技術による真空断熱材の一例の構成を示す斜視図である。 他の従来技術による真空断熱材の一例の構成を示す斜視図である。 断熱反射部材の断面図である。 真空断熱材の断面図である。 棒状・円柱状の断熱対象に巻き回された真空断熱材の説明図である。
符号の説明
10,10’:真空断熱材
11,11’:熱反射シート
111,113:金属層
112:樹脂シート
12:断熱ネット
13:孔
14:連通部
15:孔
15a:直線孔
15b:丸孔
20,20’:真空断熱材
21,21’:断熱反射部材
211:金属層
212:樹脂シート
22:凸部
23:孔
24:連通部
25:孔
25a:直線孔
25b:丸孔

Claims (6)

  1. 放射熱を反射する熱反射層と、
    熱伝導を少なくする断熱層と、
    を備え、n(nは1以上の自然数)層の熱反射層とn層の断熱層とを交互に積層して一方の面を熱反射層とし他方の面を断熱層とするか、または、(n+1)層の熱反射層とn層の断熱層とを交互に積層して両方の面を熱反射層とする真空断熱材であって、
    熱反射層は、熱反射層上の熱伝導経路を遮断するための多数の孔を備え、この熱反射層の孔は、一定長さの直線孔に加えてその両端に丸孔を組み合わせた孔であることを特徴とする真空断熱材。
  2. 請求項1に記載の真空断熱材において、
    前記熱反射層の孔は、直線上において破線状に複数の孔を設けたものであり、孔と孔との間の連通部の長さは、孔の長さよりも短いことを特徴とする真空断熱材。
  3. 請求項2に記載の真空断熱材において、
    前記熱反射層の孔は、熱反射層上の全面において千鳥状に設けられることを特徴とする真空断熱材。
  4. 請求項3に記載の真空断熱材において、
    前記熱反射層の孔の短手方向に隣接する孔間の長さをピッチPとするとき、孔の短手方向の熱反射層の長さLは、ピッチPのn(nは2以上の自然数)倍であることを特徴とする真空断熱材。
  5. 請求項1〜請求項4の何れか一項に記載の真空断熱材において、
    樹脂シートの片面または両面にアルミニウム・銅などの金属を蒸着して金属層を形成するとともに金属層および樹脂シートを貫通する孔を設けた熱反射シートと、
    網目状の樹脂ネットである断熱ネットと、
    を備え、m(mは1以上の自然数)枚の熱反射シートとm枚の断熱ネットとを交互に積層して一方の面を熱反射シートとし他方の面を断熱ネットとするか、または、(m+1)枚の熱反射シートとm枚の断熱ネットとを交互に積層して両方の面を熱反射シートとする真空断熱材であって、
    熱反射シートの金属層を前記熱反射層として機能させ、また、熱反射シートの樹脂シートおよび断熱ネットを前記断熱層として機能させることを特徴とする真空断熱材。
  6. 請求項1〜請求項の何れか一項に記載の真空断熱材において、
    多数の凸部を有する樹脂シートの片面または両面にアルミニウム・銅などの金属を蒸着して金属層を形成した断熱反射部材を一枚用いたもの、または、凸部の点または線を接触部としつつk(kは2以上の自然数)枚積層したものであり、
    断熱反射部材の金属層を前記熱反射層として機能させ、また、断熱反射部材の樹脂シートを前記断熱層として機能させることを特徴とする真空断熱材
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