JP4894732B2 - 液体噴射装置、および、その制御方法 - Google Patents

液体噴射装置、および、その制御方法 Download PDF

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Description

本発明は、噴射駆動源の作動によりノズルから液体を噴射する液体噴射ヘッドを備えた液体噴射装置、および、その制御方法に関し、特に、駆動信号発生手段からの駆動信号を液体噴射ヘッドの噴射駆動源側に伝送するための配線部材の構造に関する。
液体噴射装置は液体を噴射(吐出)可能な液体噴射ヘッドを備え、この液体噴射ヘッドから各種の液体を吐出する装置である。この液体噴射装置の代表的なものとして、例えば、着弾対象物(記録媒体)としての記録紙等に対して液体状のインクを噴射・着弾させて記録を行うインクジェット式プリンタ等の画像記録装置を挙げることができる。また、近年においては、この画像記録装置に限らず、例えば、液晶ディスプレー、有機EL(Electro Luminescence)ディスプレー等のディスプレー製造装置においては、色材や電極等の液体状の各種材料を、画素形成領域や電極形成領域等に対して噴射するためのものとして、液体噴射装置が好適に用いられている。
上記インクジェット式プリンタ(以下、単にプリンタと略記する。)を例に挙げると、このプリンタは、インクを噴射するインクジェット式記録ヘッド(液体噴射ヘッドの一種。以下、記録ヘッドと略記する。)を備え、この記録ヘッドに、プリンタコントローラ側の駆動信号発生回路(駆動信号発生回路)からの駆動信号をフレキシブルフラットケーブル(配線部材の一種。以下、FFCと略記する。)を通じて供給してインクを噴射させるように構成されている。
上記FFCは、多数の導電線である導電パターンが帯幅方向に配列された帯状の可撓性を有する配線部材であり、導電パターンを合成樹脂にモールドして構成されている(例えば、特許文献1参照)。一般的に、FFCは記録ヘッドの移動スパンの2倍程度の長さのものが用いられている。このFFCの導電パターンは、噴射駆動源である圧電振動子の駆動信号線(正極側導電パターン(COM)、負極導電パターン(GND))、温度検知信号線、及びその他のロジック用信号線等からなる。そして、近年、ノズル数の増加やインク種類の多様化等に対応させるために、FFCの導電パターン数も増加傾向にある。このため、複数枚のFFCを積層することで導電パターンの増加に対応している。
特開平11−188865号公報
しかしながら、例えば、記録紙の広い範囲をドットで隙間無く埋める所謂ベタ塗り印刷等を行う場合、多数の圧電振動子を同時に駆動して各ノズルからインクを噴射することになるが、この場合、負荷が増大することで記録ヘッドの圧電振動子を駆動するための駆動信号に電圧降下が生じ、その結果、インクの噴射特性に悪影響を及ぼす可能性がある。すなわち、同時にインクを噴射するノズル数に応じて、インクの重量や飛翔速度にばらつきが生じて、記録画像の画質が不安定となってしまう虞がある。
本発明はこのような問題に鑑みてなされたものであって、その目的は、同時にインクを噴射するノズル数に拘らず、安定した噴射特性を得られる液体噴射装置、および、その制御方法を提供することにある。
本発明は、上記目的を達成するために提案されたものであり、噴射駆動源の作動によりノズルから液体を噴射する液体噴射ヘッドと、前記噴射駆動源を作動させるための駆動信号を発生する駆動信号発生手段と、当該駆動信号発生手段からの駆動信号を前記液体噴射ヘッドの噴射駆動源側に伝送するための配線部材と、を備えた液体噴射装置であって、
前記配線部材は、前記噴射駆動源の正極側に接続される第1の導電パターンと前記噴射駆動源の負極側に接続される第2の導電パターンとを帯幅方向に交互に配列した帯状の複数のケーブルを対にした状態で積層してなり、
対になった第1のケーブル又は第2のケーブルの何れか一方の導電パターンの極性を切り替える切替手段と、
前記切替手段を制御する制御手段とを設け、
前記制御手段は、液体を同時に噴射するノズル数と予め定められた閾値とを比較し、同時噴射ノズル数が前記閾値に満たない場合、第1のケーブルと第2のケーブルとの間で対向する導電パターン同士の極性が互いに異極となるように前記切替手段を制御する一方、同時噴射ノズル数が前記閾値以上となった場合、第1のケーブルと第2のケーブルとの間で対向する導電パターン同士の極性が互いに同極となるように前記切替手段を制御することを特徴とする。
また、本発明は、噴射駆動源の作動によりノズルから液体を噴射する液体噴射ヘッドと、前記噴射駆動源を作動させるための駆動信号を発生する駆動信号発生手段と、当該駆動信号発生手段からの駆動信号を前記液体噴射ヘッドの噴射駆動源側に伝送するための配線部材と、を備え、
前記配線部材は、前記噴射駆動源の正極側に接続される第1の導電パターンと前記噴射駆動源の負極側に接続される第2の導電パターンとを帯幅方向に交互に配列した帯状の複数のケーブルを対にした状態で積層してなる液体噴射装置の制御方法であって、
液体を同時に噴射するノズル数と、予め定められた閾値とを比較し、
同時噴射ノズル数が前記閾値に満たない場合、第1のケーブルと第2のケーブルとの間で対向する導電パターン同士の極性が互いに異極となるように、対になった第1のケーブル又は第2のケーブルの何れか一方の導電パターンの極性を切り替え、
同時噴射ノズル数が前記閾値以上となった場合、第1のケーブルと第2のケーブルとの間で対向する導電パターン同士の極性が互いに同極となるように前記一方のケーブルの極性を切り替えることを特徴とする。
上記構成によれば、同時噴射ノズル数が閾値に満たない場合、第1のケーブルと第2のケーブルとの間で対向する導電パターン同士の極性が互いに異極となるように、対になった第1のケーブル又は第2のケーブルの何れか一方の導電パターンの極性を切り替え、同時噴射ノズル数が前記閾値以上となった場合、第1のケーブルと第2のケーブルとの間で対向する導電パターン同士の極性が互いに同極となるように一方のケーブルの極性を切り替えるので、液体を同時に噴射するノズル数に拘らず、液体の量や飛翔速度の変動を抑えて安定した噴射特性を得ることが可能となる。
以下、本発明を実施するための最良の形態を、添付図面を参照して説明する。なお、以下に述べる実施の形態では、本発明の好適な具体例として種々の限定がされているが、本発明の範囲は、以下の説明において特に本発明を限定する旨の記載がない限り、これらの態様に限られるものではない。また、以下においては、本発明の液体噴射装置として、インクジェット式記録装置(インクジェット式プリンタ)を例に挙げて説明する。
プリンタ1は、液体噴射ヘッドの一種である記録ヘッド2を搭載すると共にインクカートリッジ3(液体貯留部材の一種)が着脱可能に取り付けられるキャリッジ4と、記録ヘッド2の下方に配設されたプラテン5と、記録ヘッド2(キャリッジ4)を記録紙6(着弾対象物の一種)の紙幅方向、即ち主走査方向に移動させるキャリッジ移動機構7と、ヘッド移動方向に直交する方向である副走査方向に記録紙6を搬送する紙送り機構8と、各部を制御するためのプリンタコントローラ9を備えて概略構成されている。プリンタコントローラ9からの駆動信号や各種の制御信号はフレキシブルフラットケーブル(FFC)10(本発明における配線部材に相当)を通じて記録ヘッド2に伝送される。このFFC10についての詳細は後述する。
なお、インクカートリッジ3としては、キャリッジ4に装着するタイプでも、或いはプリンタ1の筐体側に装着してインク供給チューブを介して記録ヘッド2に供給するタイプでもよい。
キャリッジ4は、主走査方向に架設されたガイドロッド11に軸支された状態で取り付けられており、キャリッジ移動機構7の作動により、ガイドロッド11に沿って主走査方向に移動するように構成されている。キャリッジ4の主走査方向の位置は、リニアエンコーダ12によって検出され、検出信号が位置情報としてプリンタコントローラ9の制御部48(図3参照)に送信される。これにより、制御部48はこのリニアエンコーダ12からの位置情報に基づいてキャリッジ4(記録ヘッド2)の走査位置を認識しながら、記録ヘッド2による記録動作(噴射動作)等を制御することができる。
図2は、上記記録ヘッド2の構成を説明する部分断面図である。この記録ヘッド2は、ケース17と、このケース17内に収納される振動子ユニット18と、ケース17の底面(先端面)に接合される流路ユニット19等を備えている。上記のケース17は、例えば、エポキシ系樹脂により作製され、その内部には振動子ユニット18を収納するための収容空部20が形成されている。振動子ユニット18は、噴射駆動源の一種として機能する圧電振動子21と、この圧電振動子21が接合される固定板22と、圧電振動子21に駆動信号等を供給するためのフィルムケーブル23とを備えている。
圧電振動子21は、圧電体層と電極層とを交互に積層した圧電板を櫛歯状に切り分けることで作製された積層型であって、積層方向に直交する方向に伸縮可能な縦振動モードの圧電振動子である。フィルムケーブル23は、TCP(テープキャリアパッケージ)等のフィルム状の配線部材から構成されている。このフィルムケーブル23は、固定板22と対向する領域に、圧電振動子21に対して駆動信号の選択的な供給を行うための駆動IC24を実装している。
上記のフィルムケーブル23は、ポリイミドやポリエステル等の絶縁性フィルムの表面に、銅箔で導体パターンを形成するとともに、配線端子以外の部分をレジストで覆って構成されている。このフィルムケーブル23の先端側は、圧電素子21の外部電極15(図4参照)と電気的に接続される。また、フィルムケーブル23の後端側は、FFC10側からの駆動信号等を中継する中継基板25と電気的に接続される。この中継基板25には、上記FFC10を接続するためのコネクタ(図示せず)の他、後述するスイッチング回路53(図3参照)等を実装している。
図4に示すように、フィルムケーブル23の個別配線端子23aは、フィルムケーブル23の先端側に、圧電振動子21の個別外部電極15a(正極)毎に対応させて列設されている。一方、これらの個別配線端子23aの列設方向の両側であり、個別配線端子23bよりフィルムケーブル23の後端寄りの位置には、圧電振動子21の共通外部電極15b(負極)と接続される共通配線端子23bが設けられている。
上記の圧電振動子21には、側面を除く配線接続面、先端面部、後端面部、及び固定板接合面に、各外部電極15が導電材料による蒸着やスパッタリングにより形成されている。個別外部電極15aは、各圧電振動子21の先端面部と配線接続面とに一連に形成された外部電極であり、配線接続面側の部分においては圧電振動子21の先端側から後端近傍まで連続的に形成されている。この各個別外部電極15aにおける圧電振動子21の後端近傍に位置する部分が、フィルムケーブル23の個別配線端子23aと接合される部分となっている。一方、共通外部電極15bは、圧電振動子21の配線接続面、後端面部、及び固定板接合面に一連に形成された外部電極であり、配線接続面においては個別外部電極15aよりも圧電振動子21の後端側に離れた位置から後端面部に向けて連続的に形成されている。
流路ユニット19は、流路形成基板27の一方の面にノズルプレート28を、流路形成基板27の他方の面に振動板29をそれぞれ接合して構成されている。この流路ユニット19には、リザーバ31と、インク供給口32と、圧力室33と、ノズル連通口34と、ノズル35とが設けられている。そして、リザーバ31からインク供給口32、圧力室33及びノズル連通口34を経てノズル35に至る一連のインク流路が、ノズル35毎に対応して形成されている。
上記ノズルプレート28は、ドット形成密度に対応したピッチ(例えば180dpi)で複数のノズル35を列状に穿設した金属製の薄いプレートである。本実施形態では、このノズルプレート28をステンレス製の板材によって構成し、ノズル35の列(ノズル列。ノズル群の一種)を複数設けている。そして、1つのノズル列は、例えば180個のノズル35によって構成される。そして、本実施形態における記録ヘッド2は、夫々異なる色のインク(本発明における液体の一種)、例えば、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)、ブラック(K)の合計4色のインクに対応させて合計4列のノズル列がノズルプレート28に形成されている。したがって、本実施形態における記録ヘッド2は、上記振動子ユニット18を各色に対応して合計4つ備えている。
上記振動板29は、支持板37の表面に弾性体膜38を積層した二重構造である。本実施形態では、金属板の一種であるステンレス板を支持板37とし、この支持板37の表面に樹脂フィルムを弾性体膜38としてラミネートした複合板材を用いて振動板29を作製している。この振動板29には、圧力室33の容積を変化させるダイヤフラム部39が設けられている。また、この振動板29には、リザーバ31の一部を封止するコンプライアンス部40が設けられている。
上記のダイヤフラム部39は、エッチング加工等によって支持板37を部分的に除去することで作製される。即ち、このダイヤフラム部39は、圧電振動子21の先端面が接続される部分を島部41として残した状態でその周囲の支持板37をエッチング処理で除去して弾性体膜38のみとすることで構成されている。上記のコンプライアンス部40は、リザーバ31の開口面に対向する領域の支持板37を、ダイヤフラム部39と同様にエッチング加工等によって除去することにより作製され、リザーバ31に貯留された液体の圧力変動を吸収するダンパーとして機能する。
そして、この記録ヘッド2において、駆動信号発生回路50からFFC10、中継基板25、及びフィルムケーブル23を通じて圧電振動子21に駆動信号COMが供給されると、この圧電振動子21が素子長手方向に伸縮し、これに伴い島部41が圧力室33に近接する方向或いは離隔する方向に変位する。これにより、圧力室33の容積が変化し、圧力室33内のインクに圧力変動が生じる。この圧力変動によってノズル35からインクが噴射される。
図3は、プリンタ1の電気的な構成を示すブロック図である。このプリンタ1は、プリンタコントローラ9とプリントエンジン44とで概略構成されている。プリンタコントローラ9は、ホストコンピュータ等の外部装置からの印刷データ等が入力される外部インタフェース(外部I/F)45と、各種データ等を記憶するRAM46と、各種制御のための制御プログラム等を記憶したROM47と、ROM47に記憶されている制御プログラムに従って各部の統括的な制御を行う制御部48(本発明における制御手段に相当)と、クロック信号を発生する発振回路49と、記録ヘッド2へ供給する駆動信号を発生する駆動信号発生回路50(本発明における駆動信号発生手段の一種)と、印刷データをドット毎に展開することで得られた噴射データや駆動信号等を記録ヘッド2に出力するための内部インタフェース(内部I/F)51とを備えている。また、このプリンタコントローラ9には、FFC10(第1のFFC10a)の導電パターンの極性を切り替えるためのスイッチング回路52が設けられている。一方、プリントエンジン44は、記録ヘッド2と、キャリッジ移動機構7と、紙送り機構8と、リニアエンコーダ12とから構成されている。
上記制御部48は、外部装置から送信された印刷データをドットパターンに対応した噴射データに展開して記録ヘッド2に送信する。この場合において、制御部48は、受信バッファ内の印刷データを読み出して中間コードデータに変換し、この中間コードデータを中間バッファに記憶する。そして、制御部48は、中間バッファから読み出した中間コードデータを解析し、ROM47内のフォントデータやグラフィック関数等を参照して中間コードデータをドット毎の噴射データ(ドットパターンデータ)に展開する。この展開された噴射データは出力バッファに一旦記憶され、一回の主走査に相当する1行分の噴射データが得られると、この1行分の噴射データは内部I/F51を通じて記録ヘッド2にシリアル伝送される。出力バッファから1行分の噴射データが送信されると、中間バッファの内容が消去されて次の中間コードデータに対する変換が行われる。そして、記録ヘッド2では、受信した噴射データに基づき、インク滴の吐出が行われる。
上記の駆動信号発生回路50は、予め定められた波形の駆動信号COMを発生する。
駆動信号COMは、例えば、図5に示すような駆動パルスDPを含んで構成されている。この駆動パルスDPは、圧力室33を基準容積から膨張させる膨張要素P1と、圧力室33を膨張容積で短い時間維持させるホールド要素P2と、圧力室33を膨張容積から基準容積まで収縮させる収縮要素P3とから構成される。本実施形態では、上記したように縦振動モードの圧電振動子21を用いているので、膨張要素P1は、基準電位Vbから最高電位Vhまでインク滴を吐出させない程度の所定勾配で電位を上昇させる波形要素となる。また、ホールド要素P2は最高電位Vhで一定の波形要素となり、収縮要素P3は最高電位Vhから基準電位Vbまで膨張要素P1よりも急峻な勾配で電位を下降させる波形要素となる。
このような駆動パルスDPを供給すると、記録ヘッド2は次のように動作してノズルからインクを噴射する。即ち、膨張要素P1の供給によって圧電振動子21は素子長手方向に収縮し、圧力室33が膨張する。この圧力室33の膨張によってインク圧力が低下し、リザーバ31から圧力室33内にインクが供給されると共にノズル35に露出したインクの自由表面(メニスカス)が圧力室側に引き込まれる。次に、ホールド要素P2が供給され、その供給期間に亘ってメニスカスが自由振動する。その後、メニスカスが圧力室側から噴射側(圧力室33とは反対側)に変位するタイミングで収縮要素P3が供給されて圧電振動子21は素子長手方向に急激に伸長する。これにより、圧力室33が急激に収縮してインク圧力が上昇し、ノズル35からインクが噴射される。
次に、上記FFC10について説明する。
図6はFFC10の構成を説明する図であり、(a)はFFC10の斜視図、(b)は(a)におけるA−A線断面図である。本実施形態におけるFFC10は、多数の導電線である導電パターン55が帯幅方向に配列された帯状の可撓性を有する配線部材であり、導電パターン55を合成樹脂製の被覆材56にモールドして構成されている。導電パターン55は、例えば銅合金製の薄い板材を細く短冊状に切断して形成されている。本実施形態におけるFFC10は、第1のFFC10a(本発明における第1のケーブルに相当)と第2のFFC10b(本発明における第2のケーブルに相当)とを対にして積層した構造となっている。そして、各FFC10の両端にはコネクタと接続される接続部57a,57bがそれぞれ設けられており、一方の接続部75aはプリンタコントローラ9のコネクタに接続され、他方の接続部57bは記録ヘッド2の中継基板25のコネクタに接続される。
このFFC10は、駆動信号発生回路50が発生した駆動信号COM、噴射データ、温度検知信号、及びその他の制御ロジック用信号を伝送するようになっている。上記駆動信号COMは振動子ユニット18毎に発生されるため、駆動信号COM用の導電パターン55は、振動子ユニット18の数に対応して複数組設けられる。そして、駆動信号COM用の導電パターン55は、1つの駆動信号COMに対し複数本、例えば、本実施形態においては合計4本を1組として割り当てられるようになっている。その内訳は、圧電振動子21及びプリンタコントローラ9の正極側に接続される第1の導電パターン55a(COM)と、圧電振動子21及びプリンタコントローラ9の負極側に接続される第2の導電パターン55b(GND)とがそれぞれ2つずつとなっている。したがって、本実施形態における記録ヘッド2は合計4つの振動子ユニット18を備えているので、FFC10に割り当てられる駆動信号用の導電パターン55は合計16本となる。各FFC10a,10bは、第1の導電パターン55aと第2の導電パターン55bとが帯幅方向に交互に配列されるようになっている。勿論、1つの駆動信号COMに割り当てられる導電パターンの数は例示したものには限られない。
ところで、上記構成のプリンタ1において、例えば、記録紙6の比較的広い範囲をドットで隙間無く埋める所謂ベタ塗り印刷等を行う場合、多数の圧電振動子21を同時に駆動して各ノズル35からインクを噴射することになるが、従来ではこの場合(例えば、全ノズル数の半数以上から同時に噴射する場合:高DUTY)、負荷が増大することで電圧降下も大きくなる。この場合、図5(a)に示すように、駆動信号COMの駆動パルスDPの駆動電圧Vhに関し、同時噴射ノズル数が少ない場合(例えば、全ノズル数の半数よりも少ない場合:低DUTY)よりも低下(Vh′<Vh)する。これにより、圧力室33の容積変動量が小さくなることにより、噴射されるインクの量(重量・体積)が減少するだけでなく、駆動パルスDPにおけるホールド要素P2のパルス幅Pwが広がってしまい(Pw′>Pw)、これにより圧力室33を膨張させた後、急激に収縮させてインクを噴射させるタイミングが最適値から逸脱してしまう場合があった。その結果、インクの飛翔速度が低下して飛翔方向の曲りが生じ、記録紙6に対する着弾ずれなどが生じる虞があった。
このため、本発明に係るプリンタ1では、同時にインクを噴射するノズル数(同時噴射ノズル数)に応じて、FFC10における導電パターン55の配列を変更することにより、意図的に相互インダクタンスを生じさせ、これにより、上記の駆動パルスDPの電圧低下等を抑制している。以下、この点について説明する。
図3に示すように、プリンタ1には、FFC10の対になった第1のFFC10a又は第2のFFC10bの何れか一方の導電パターン55(駆動信号COM用導電パターン)の極性を切り替える切替手段として、プリンタコントローラ9側と記録ヘッド2側にそれぞれスイッチング回路(SW)52,53を設けている。
図7は、スイッチング回路52,53による極性切り替え制御について説明する模式図であり、(a)は上記低DUTY時における切り替え状態(第1のパターン)、(b)は上記高DUTY時における切り替え状態(第2のパターン)をそれぞれ示している。また、図8は、FFC10における駆動信号COM用導電パターン55の配列を示す図であり、(a)は低DUTY時の状態(第1のパターン)、(b)は高DUTY時の状態(第2のパターン)をそれぞれ示している。
これらのスイッチング回路52,53は上記制御部48によって切り替えが制御されるようになっており、本実施形態においては、第1のFFC10aの駆動信号用導電パターンの極性を制御部48が切り替えるように構成されている。即ち、第1のFFC10aのプリンタコントローラ側の端部に第1のスイッチング回路52が配設され、第1のFFC10aの記録ヘッド側の端部に第2のスイッチング回路53が配設されている。そして、プリンタ1には、スイッチング回路52,53の切り替え制御のタイミングを規定するために、同時噴射ノズル数についての閾値が予め設定されている。この閾値は、ヘッドの仕様などに応じて任意に定めることができるが、例えば、駆動信号COMの電圧降下によるインクの飛翔速度や重量の変化についての許容範囲の上限に対応する同時噴射ノズル数が設定される。本実施形態においては、この閾値を記録ヘッド2の全ノズル数の半数に定めている。
そして、制御部48は、本発明における制御手段として機能し、インクを同時に噴射するノズル数と上記の閾値とを比較し、同時噴射ノズル数が閾値に満たない場合、図7(a)及び図8(a)に示すように、第1のFFC10aと第2のFFC10bとの間で対向する導電パターン同士の極性が互いに異極となるようにスイッチング回路52,53を切り替え制御する(第1のパターン)。この第1のパターンでは、図8(a)に示すように、1つの駆動信号COM用の導電パターンにおいて全体的に磁界の方向が相反し合う状態となることにより、第1のFFC10aと第2のFFC10bとの間で誘導起電力が打ち消される。これにより、駆動信号COMを、波形の歪みを抑えつつ安定して記録ヘッド2に伝送することができる。
一方、同時噴射ノズル数が閾値以上となった場合、制御部48は、第1のFFC10aと第2のFFC10bとの間で対向する導電パターン同士の極性が互いに同極となるようにスイッチング回路52,53を切り替え制御する(第2のパターン)。この第2のパターンでは、図8(b)に示すように、第1のFFC10aと第2のFFC10bとの間で対向する導電パターン同士の極性が互いに同極となり、磁界の方向が揃うので、第1のFFC10aと第2のFFC10bとの間で誘導起電力が生じる。即ち、導電パターンの配列を変更して意図的に相互インダクタンスを生じさせている。これにより、図5(b)に示すように、駆動信号COMの駆動パルスDPの駆動電圧を上昇させることができる(Vh″>Vh′)。このため、多数の圧電振動子21を同時に駆動することによる電圧降下を抑えて、噴射されるインクの量の変動を防止することができる。また、駆動パルスDPの駆動電圧の電圧降下を抑えることにより、ホールド要素P2のパルス幅Pwの変動を抑制することができるので、インクを噴射させるタイミングの変動を防止してインクの飛翔速度の低下を抑制することが可能となる。
このように、同時にインクを噴射するノズル数に応じて、FFC10の導電パターンの配列を変えることにより、同時噴射ノズル数に拘わらず、噴射されるインクの量や飛翔速度の変動を防止することができる。その結果、記録紙6に印刷された画像等の画質の低下を低減することができる。
ところで、本発明は、上記した実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲の記載に基づいて種々の変形が可能である。
例えば、上記実施形態においては、第1のFFC10aと第2のFFC10bの計2枚のFFCを積層したFFC10を例示したが、これには限られず、対にした状態で積層した偶数枚であれば、4枚以上のFFCを積層してFFC10を構成した場合にも本発明を適用することが可能である。
また、上記実施形態においては、1組のスイッチング回路52,53を設け、第1のFFC10aの導電パターン全体の極性を切り替える構成としたが、これには限られない。例えば、第1のFFC10aに対し、各振動子ユニット18(あるいはノズル列または液体の種類)の駆動信号COM毎に対応させてスイッチング回路を設け、振動子ユニット18毎に対応する導電パターンの極性を切り替える構成としてもよい。この場合、閾値としては、1つの振動子ユニット18に対応する全ノズル(1条のノズル列を構成するノズル数)の半数に設定することが望ましい。これにより、振動子ユニット18(あるいはノズル列または液体の種類)毎の駆動状況に応じてより適切な切り替え制御を行うことができ、その結果、噴射されるインクの量や飛翔速度の変動をより効果的に防止することができる。
また、上記実施形態では、本発明の噴射駆動源として所謂縦振動モードの圧電振動子21を例示したが、これに限定されるものではない。例えば、所謂撓み振動モードの圧電振動子のように、圧力室毎に設けられるものであってもよい。さらに、圧電振動子に限らず、発熱素子等の他の噴射駆動源を用いることもできる。
そして、以上では、液体噴射装置として、上記プリンタ1を例に挙げて説明したが、本発明は、他の液体噴射装置にも適用することができる。例えば、ディスプレー製造装置、電極製造装置、チップ製造装置等にも適用することができる。
プリンタの構成を説明する斜視図である。 記録ヘッドの要部断面図である。 プリンタの電気的な構成を説明するブロック図である 振動子ユニットの構成を説明する断面図である。 駆動信号における駆動パルスの構成を説明する波形図である。 FFCの構成を説明する図であり、(a)は斜視図、(b)はA−A線断面図である。 スイッチング回路による極性切り替え制御について説明する模式図である。 FFCにおける駆動信号COM用導電パターンの配列を示す図である。
符号の説明
1…プリンタ,2…記録ヘッド,9…プリンタコントローラ,10…FFC,18…振動子ユニット,21…圧電振動子,35…ノズル,48…制御部,50…駆動信号発生回路,52…第1スイッチング回路,53…第2スイッチング回路,55…導電パターン,56…被覆材,57…接続部

Claims (2)

  1. 噴射駆動源の作動によりノズルから液体を噴射する液体噴射ヘッドと、前記噴射駆動源を作動させるための駆動信号を発生する駆動信号発生手段と、当該駆動信号発生手段からの駆動信号を前記液体噴射ヘッドの噴射駆動源側に伝送するための配線部材と、を備えた液体噴射装置であって、
    前記配線部材は、前記噴射駆動源の正極側に接続される第1の導電パターンと前記噴射駆動源の負極側に接続される第2の導電パターンとを帯幅方向に交互に配列した帯状の複数のケーブルを対にした状態で積層してなり、
    対になった第1のケーブル又は第2のケーブルの何れか一方の導電パターンの極性を切り替える切替手段と、
    前記切替手段を制御する制御手段とを設け、
    前記制御手段は、液体を同時に噴射するノズル数と予め定められた閾値とを比較し、同時噴射ノズル数が前記閾値に満たない場合、第1のケーブルと第2のケーブルとの間で対向する導電パターン同士の極性が互いに異極となるように前記切替手段を制御する一方、同時噴射ノズル数が前記閾値以上となった場合、第1のケーブルと第2のケーブルとの間で対向する導電パターン同士の極性が互いに同極となるように前記切替手段を制御することを特徴とする液体噴射装置。
  2. 噴射駆動源の作動によりノズルから液体を噴射する液体噴射ヘッドと、前記噴射駆動源を作動させるための駆動信号を発生する駆動信号発生手段と、当該駆動信号発生手段からの駆動信号を前記液体噴射ヘッドの噴射駆動源側に伝送するための配線部材と、を備え、
    前記配線部材は、前記噴射駆動源の正極側に接続される第1の導電パターンと前記噴射駆動源の負極側に接続される第2の導電パターンとを帯幅方向に交互に配列した帯状の複数のケーブルを対にした状態で積層してなる液体噴射装置の制御方法であって、
    液体を同時に噴射するノズル数と、予め定められた閾値とを比較し、
    同時噴射ノズル数が前記閾値に満たない場合、第1のケーブルと第2のケーブルとの間で対向する導電パターン同士の極性が互いに異極となるように、対になった第1のケーブル又は第2のケーブルの何れか一方の導電パターンの極性を切り替え、
    同時噴射ノズル数が前記閾値以上となった場合、第1のケーブルと第2のケーブルとの間で対向する導電パターン同士の極性が互いに同極となるように前記一方のケーブルの極性を切り替えることを特徴とする液体噴射装置の制御方法。
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