JP2010052186A - インクジェット記録装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】他の吐出ノズルからインク滴が吐出されるときに電気的なノイズによって非吐出ノズルから不正にインク滴が吐出されることを防止できるインクジェット記録装置を提供する。
【解決手段】第1ヘッドHA1、HA2、HA3を複数配列してなる第1ヘッド列HAと、第2ヘッドHB1、HB2、HB3を複数配列してなる第2ヘッド列HBとを有するインクジェット記録装置において、ヘッドを駆動制御する制御手段が第1ヘッド列HAを吐出駆動する駆動制御のタイミングと、ヘッドを駆動制御する制御手段が第2ヘッド列HBをインク滴増粘防止のため振動させる駆動制御のタイミングとが重なるかを予め判定する判定手段を有し、判定手段がこれらのタイミングとが重なると予め判定した場合に、第1ヘッド列HAを構成する複数の第1ヘッドHA1、HA2、HA3の各々に対して行う駆動制御のタイミングを異ならせることを特徴とするインクジェット記録装置。
【選択図】図13
【解決手段】第1ヘッドHA1、HA2、HA3を複数配列してなる第1ヘッド列HAと、第2ヘッドHB1、HB2、HB3を複数配列してなる第2ヘッド列HBとを有するインクジェット記録装置において、ヘッドを駆動制御する制御手段が第1ヘッド列HAを吐出駆動する駆動制御のタイミングと、ヘッドを駆動制御する制御手段が第2ヘッド列HBをインク滴増粘防止のため振動させる駆動制御のタイミングとが重なるかを予め判定する判定手段を有し、判定手段がこれらのタイミングとが重なると予め判定した場合に、第1ヘッド列HAを構成する複数の第1ヘッドHA1、HA2、HA3の各々に対して行う駆動制御のタイミングを異ならせることを特徴とするインクジェット記録装置。
【選択図】図13
Description
本発明は、インクジェット記録装置に係り、特に、非吐出ノズルより不正にインク滴が吐出されてしまうことを防止することができるインクジェット記録装置に関する。
プリンタ、ファクシミリ、複写装置、プロッタ、プリンタ/ファックス/複写機複合機等の各種画像形成装置としては、記録液(例えばインク)の液滴を吐出する液滴吐出ヘッドで構成した記録ヘッド(印字ヘッド)をキャリッジに搭載して、このキャリッジを被記録媒体(以下「用紙」というが、材質を紙に限定するものではなく、また、記録媒体、記録紙、転写材などとも称される。)の搬送方向に対して直交する方向にシリアルスキャンさせるとともに、被記録媒体を記録幅に応じて間歇的に搬送し、搬送と記録を交互に繰り返すことによって被記録媒体に画像を形成(記録、印刷、印字、印写も同義で使用する。)するシリアル型インクジェット記録装置、或いは、ライン型の記録ヘッドを搭載したライン型インクジェット記録装置がある。
複数のノズル列を持つインクジェット記録装置において、ヘッドを配置する際に、複数のノズル列が、狙いのノズル列間の間隔からずれて配置されてしまうことがある。そのまま、複数のノズル列より同じタイミングでインクを吐出させると、記録媒体上のドット位置が狙いの位置からずれてしまい、色ずれなどの画像劣化をおこしてしまう。そこで、各ノズル列に印加する駆動波形の印加のタイミングを異ならせるディレイ制御(遅延制御)を行って、記録媒体上の狙いの位置にドットを形成させる技術がすでに知られている。例えば、特許文献1には、駆動信号を選択する選択開始タイミングと駆動信号を非選択にする選択終了タイミングとを異ならせることで同時に開閉するスイッチ手段(回路)を減少させ、放射ノイズや過渡的な電流増加を抑制したインクジェット記録装置が開示されている。
また、このようなインクジェット記録装置においては、複数のノズルを有するため、あるノズルからインク滴を吐出する際に他のノズルからもインク滴が吐出されてしまうという、いわゆるクロストークの問題がある。このようなクロストークを防止するためのインクジェット記録装置として、例えば、特許文献2には、ノズル同士間のクロストークを抑制する目的で、互いに異なるノズル列を構成するノズル間においてインク滴を吐出する際にディレイ制御(遅延制御)を行うとともに、同一のノズル列を構成するノズル同士間においてもインク滴を吐出する際にディレイ制御(遅延制御)を行うようにする構成が開示されている。
特開2006−231539号公報
特開2005−238728号公報
ところが、このようなインクジェット記録装置においては、以下のような問題があった。
特許文献2に記載されるような駆動波形のディレイ制御(遅延制御)を行うインクジェット記録装置においては、あるノズルからインク滴が吐出される際に、他のノズルであってインク滴を吐出しないがインクの増粘を防止するために微小駆動制御される非吐出ノズルからもインク滴が吐出されてしまうというクロストークの問題については考慮されていなかった。例えば、ある時点において、第1ノズル列がインク滴を吐出する吐出ノズルであり、第2ノズル列がインク滴を吐出しないがインクの増粘を防止するために微小駆動制御される非吐出ノズルであるとする。このとき、第1ノズル列の吐出ノズルに対応するアクチュエータには、大きなインク滴を吐出させるための大滴駆動波形が印加され、同じタイミングで、第2ノズル列の非吐出ノズルに対応するアクチュエータには、インク滴の増粘を防止するためにインク滴を微小に振動させるための微駆動波形が印加される。大滴駆動波形は大きな電圧変化率を有するため、非吐出ノズルの対応するアクチュエータに電気的なノイズが印加され、微駆動波形の振幅を増大させ、結果として、非吐出ノズルよりインク滴が吐出されてしまうという問題があった。
本発明は上記の点に鑑みてなされたものであり、複数のノズル列が設けられたインクジェット記録装置において、非吐出ノズルに対応するアクチュエータに、他の吐出ノズルに対応するアクチュエータに印加される駆動波形によって発生する電気的なノイズが印加され、非吐出ノズルからインク滴が不正に吐出されてしまうことを防止することができるインクジェット記録装置を提供することを目的とする。
第1の発明に係るインクジェット記録装置は、インク滴を吐出する第1ノズルが複数並んで形成された第1ヘッドを、前記第1ノズルの並びの方向に複数配列してなる第1ヘッド列と、該第1ヘッド列と平行に設けられ、インク滴を吐出する第2ノズルが複数並んで形成された第2ヘッドを、前記第2ノズルの並びの方向に複数配列してなる第2ヘッド列とを有するインクジェット記録装置において、前記第1ヘッド列を構成する前記複数の前記第1ノズルの各々に対応して設けられ、インク滴の吐出を制御する複数の第1圧力発生手段、及び前記第2ヘッド列を構成する前記複数の前記第2ノズルの各々に対応して設けられ、インク滴の吐出を制御する複数の第2圧力発生手段に、複数の異なる予め定められた略三角波の何れか一つを含む電圧波形を印加して駆動制御を行う制御手段と、前記制御手段が、前記第1ヘッド列を構成する前記複数の前記第1ノズルに対応する前記複数の前記第1圧力発生手段に、上限基準値以上の電圧変化率を有する略三角波を含む電圧波形を印加する第1駆動制御のタイミングと、前記制御手段が、前記第2ヘッド列を構成する前記複数の前記第2ノズルに対応する前記複数の前記第2圧力発生手段に、インク滴の増粘を防止するための微小な略三角波を含む微小電圧波形を印加する第2駆動制御のタイミングとが重なるかを予め判定する判定手段とを有し、前記制御手段は、前記判定手段が、前記第1駆動制御のタイミングと前記第2駆動制御のタイミングとが重なると予め判定した場合に、前記第1ヘッド列を構成する前記複数の前記第1ヘッドの各々に対して行う前記第1駆動制御のタイミングを異ならせることを特徴とする。
第2の発明は、第1の発明に係るインクジェット記録装置において、前記制御手段は、前記判定手段が、前記第1駆動制御のタイミングと前記第2駆動制御のタイミングとが重なると予め判定した場合に、前記第2ヘッド列を構成する前記複数の前記第2ヘッドの各々に対して行う前記第2駆動制御のタイミングを異ならせることを特徴とする。
第3の発明は、第1又は第2の発明に係るインクジェット記録装置において、前記制御手段は、前記判定手段が、前記第1駆動制御のタイミングと前記第2駆動制御のタイミングとが重なると予め判定した場合に、前記第2ヘッド列を構成する前記複数の前記第2ノズルに対応する前記複数の前記第2圧力発生手段に印加する前記微小電圧波形が含む前記微小な略三角波の電圧変化率を、予め定められた電圧変化率より小さくすることを特徴とする。
第4の発明は、第1乃至第3の何れか一つの発明に係るインクジェット記録装置において、前記インク滴は、複数の異なるサイズの何れかのサイズを有し、前記第1駆動制御は、前記複数の異なるサイズの中で最大のサイズのインク滴を吐出するために、前記上限基準値以上の電圧変化率を有する略三角波を含む電圧波形を印加することを特徴とする。
本発明によれば、複数のノズル列が設けられたインクジェット記録装置において、非吐出ノズルから不正にインク滴が吐出されてしまうことを防止することができる。
次に、本発明を実施するための最良の形態について図面と共に説明する。
(第1の実施の形態)
図1乃至図9を参照し、本発明の第1の実施の形態に係るインクジェット記録装置を説明する。
図1乃至図9を参照し、本発明の第1の実施の形態に係るインクジェット記録装置を説明する。
初めに、図1乃至図4を参照し、本実施の形態に係るインクジェット記録装置のシステム構成について説明する。
図1は、本実施の形態に係るインクジェット記録装置の機構部の全体構成を説明する側面説明図である。図2は、本実施の形態に係るインクジェット記録装置の機構部の平面説明図である。図3は、本実施の形態に係るインクジェット記録装置の記録ヘッド構成の一例を示す説明図である。図4は、本実施の形態に係るインクジェット記録装置の記録ヘッド構成の他の例を示す説明図である。
図1及び図2を参照するに、本実施の形態に係るインクジェット記録装置は、フレーム1を構成する左右の側板1A、1Bに横架したガイド部材であるガイドロッド2とステー3とでキャリッジ4を固定保持する。
このキャリッジ4には、例えばブラック(Bk)、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)の各色のインク滴を吐出する4個の液滴吐出ヘッド11k、11c、11m、11yからなる記録ヘッド11を複数のインク吐出口(ノズル)よりなるノズル列を図2の記録媒体搬送方向と直交する方向に配列し、インク吐出方向を下方に向けて装着している。なお、ここでは独立した液滴吐出ヘッドを用いているが、各色のインク滴を吐出する複数のノズル列を有する1又は複数のヘッドを用いる構成とすることもできる。また、色の数及び配列順序はこれに限るものではない。
ここでは、記録ヘッド11は、上述したように各色のインク滴を吐出する別個の4個のヘッド11k、11c、11m、11yで構成し、各ヘッド11k、11c、11m、11yには、図3に示すように、それぞれインク滴を吐出する複数のノズルNを並べて配置してなるノズル列を2列(各ノズル列をノズル列NA、NBとする。)有する構成としている。
具体的には、ノズル列NAでは、複数のノズルNが複数並んで形成された最小単位のヘッドHA1、HA2、HA3が、複数のノズルNの並びの方向に配列するようにして構成され、ヘッドHA1、HA2、HA3よりなる第1ヘッド列HAが構成される。同様に、ノズル列NBでは、複数のノズルNが複数並んで形成された最小単位のヘッドHB1、HB2、HB3が複数のノズルNの並びの方向に配列するようにして構成され、ヘッドHB1、HB2、HB3よりなる第2ヘッド列HBが構成される。第1ヘッド列HA、第2ヘッド列HBは互いに平行であり、第1ヘッド列HAを構成するヘッドHA1、HA2、HA3、第2ヘッド列HBを構成するヘッドHB1、HB2、HB3が、HA1、HB1、HA2、HB2、HA3、HB3の順に千鳥状に配置される。ここで、第1ヘッド列HA、第2ヘッド列HBを構成するヘッドの数は3つに限定されるものではなく、任意の複数とすることができる。
なお、本発明における複数の第1ヘッドは、本実施の形態におけるヘッドHA1、HA2、HA3に相当し、本発明における第1ヘッド列は、本実施の形態における第1ヘッド列HAに相当し、本発明における第1ノズルは、本実施の形態における第1ノズル列NAを構成する各ノズルNに相当する。
また、本発明における複数の第2ヘッドは、本実施の形態におけるヘッドHB1、HB2、HB3に相当し、本発明における第2ヘッド列は、本実施の形態における第2ヘッド列HBに相当し、本発明における第2ノズルは、本実施の形態における第2ノズル列NBを構成する各ノズルNに相当する。
従って、第1ヘッド列HAは第1ノズル列NAに対応し、第2ヘッド列HBは第2ノズル列NBに対応する。
なお、ヘッドの構造はこれに限らず、図4に示すように、1つの記録ヘッド11に、各色の液滴を吐出するそれぞれ2列のノズル列11kA、11kB、11cA、11cB、11mA、11mB、11yA、11yBを配置した構成することもできるし、ブラックインクを吐出する1又は複数のノズル列を有するヘッドと、カラーインクを吐出する各色で1又は複数のノズル列を有するヘッドとで構成することもできる。また、第1ノズル列及び第2ノズル列の長さをより長くし、記録媒体の搬送方向に直交する方向の幅に略等しい長さに等しい記録ヘッド11とすることができ、あるいは第1ノズル列及び第2ノズル列の長さは短い場合は、図示しないモータ等で記録ヘッド11を記録媒体の搬送方向に直交する方向に走査するような構成とすることもできる。
記録ヘッド11を構成するインクジェットヘッドとしては、圧電素子などの圧電アクチュエータを、液滴を吐出するための圧力を発生する圧力発生手段(アクチュエータ)として備えたものを使用している。
記録ヘッド11にはドライバICが搭載され、図示しない制御部との間を、図2に示すように、ハーネス(フレキシブルプリントケーブル:FPCケーブル)12を介して接続される。
また、キャリッジ4には、記録ヘッド11に各色のインクを供給するための図示しない各色のサブタンクを搭載している。この各色のサブタンクには、図示しない各色のインクカートリッジから各色のインクが補充供給される。
一方、給紙トレイ20の用紙積載部(圧板)21上に積載した用紙22を給紙するための給紙部として、用紙積載部21から用紙22を1枚ずつ分離給送する半月コロ(給紙コロ)23及び給紙コロ23に対向し、摩擦係数の大きな材質からなる分離パッド24を備え、この分離パッド24は給紙コロ23側に付勢されている。
そして、この給紙部から給紙された用紙22を記録ヘッド11の下方側に送り込むために、用紙22を案内するガイド部材25と、カウンタローラ26と、搬送ガイド部材27と、先端加圧コロ29を有する押さえ部材28とを備えるとともに、給送された用紙22を静電吸着して記録ヘッド11に対向する位置で搬送するための搬送手段である搬送ベルト31を備えている。
さらに、記録ヘッド11で記録された用紙22を排紙トレイ40に排紙するための排紙部として、排紙ローラ42及び排紙コロ43とを備えている。
次に、このインクジェット記録装置における記録ヘッドを構成する液滴吐出ヘッドの一例について図5及び図6を参照して説明する。
図5は、本実施の形態に係るインクジェット記録装置の記録ヘッドの液室長手方向に沿う断面説明図である。図6は、本実施の形態に係るインクジェット記録装置の記録ヘッドの液室短手方向(ノズルの並び方向)の断面説明図である。
この液滴吐出ヘッドは、例えば単結晶シリコン基板を異方性エッチングして形成した流路板101と、この流路板101の下面に接合した例えばニッケル電鋳で形成した振動板102と、流路板101の上面に接合したノズル板103とを接合して積層し、これらによって液滴(インク滴)を吐出するノズル104が連通する流路であるノズル連通路105及び液室106、液室106にインクを供給するための共通液室108に連通するインク供給口109などを形成している。
また、振動板102を変形させて液室106内のインクを加圧するための圧力発生手段(アクチュエータ)である電気機械変換素子としての2列(図6では1列のみ図示)の積層型圧電素子121と、この圧電素子121を接合固定するベース基板122とを備えている。なお、圧電素子121の間には支柱部123を設けている。この支柱部123は圧電素子部材を分割加工することで圧電素子121と同時に形成した部分であるが、駆動電圧を印加しないので単なる支柱となる。
また、圧電素子121には図示しない駆動回路(駆動IC)を搭載したFPCケーブル12を接続している。
そして、振動板102の周縁部をフレーム部材130に接合し、このフレーム部材130には、圧電素子121及びベース基板122などで構成されるアクチュエータユニットを収納する貫通部131及び共通液室108となる凹部、この共通液室108に外部からインクを供給するためのインク供給穴132を形成している。このフレーム部材130は、例えばエポキシ系樹脂などの熱硬化性樹脂或いはポリフェニレンサルファイトで射出成形により形成している。
ここで、流路板101は、例えば結晶面方位(110)の単結晶シリコン基板を水酸化カリウム水溶液(KOH)などのアルカリ性エッチング液を用いて異方性エッチングすることで、ノズル連通路105、液室106となる凹部や穴部を形成したものであるが、単結晶シリコン基板に限られるものではなく、その他のステンレス基板や感光性樹脂などを用いることもできる。
振動板102は、ニッケルの金属プレートから形成したもので、例えばエレクトロフォーミング法(電鋳法)で作製しているが、この他、金属板や金属と樹脂板との接合部材などを用いることもできる。この振動板102に圧電素子121及び支柱部123を接着剤接合し、更にフレーム部材130を接着剤接合している。
ノズル板103は各液室106に対応して直径10〜30μmのノズル104を形成し、流路板101に接着剤接合している。このノズル板103は、金属部材からなるノズル形成部材の表面に所要の層を介して最表面に撥水層を形成したものである。
圧電素子121は、圧電材料151と内部電極152とを交互に積層した積層型圧電素子(ここではPZT)である。この圧電素子121の交互に異なる端面に引き出された各内部電極152には個別電極153及び共通電極154が接続されている。なお、この実施形態では、圧電素子121の圧電方向としてd33方向の変位を用いて液室106内インクを加圧する構成としているが、圧電素子121の圧電方向としてd31方向の変位を用いて加圧液室106内インクを加圧する構成とすることもできる。また、1つの基板122に1列の圧電素子121が設けられる構造とすることもできる。
このように構成した液滴吐出ヘッドヘッドにおいては、例えば圧電素子121に印加する電圧を基準電位から下げることによって圧電素子121が収縮し、振動板102が下降して液室106の容積が膨張することで、液室106内にインクが流入し、その後圧電素子121に印加する電圧を上げて圧電素子121を積層方向に伸長させ、振動板102をノズル104方向に変形させて液室106の容積/体積を収縮させることにより、液室106内の記録液が加圧され、ノズル104から記録液の滴が吐出(噴射)される。
そして、圧電素子121に印加する電圧を基準電位に戻すことによって振動板102が初期位置に復元し、液室106が膨張して負圧が発生するので、このとき、共通液室108から液室106内に記録液が充填される。そこで、ノズル104のメニスカス面の振動が減衰して安定した後、次の液滴吐出のための動作に移行する。
なお、このヘッドの駆動方法については上記の例(引き−押し打ち)に限るものではなく、駆動波形の与え方によって引き打ちや押し打ちなどを行なうこともできる。
次に、このインクジェット記録装置の制御部の概要について図7乃至図9を参照して説明する。
図7は、本実施の形態に係るインクジェット記録装置における制御部の概要を説明するブロック説明図である。図8は、本実施の形態に係るインクジェット記録装置における制御部におけるヘッド駆動制御部及びヘッドドライバの一例を説明するブロック説明図である。図9は、本実施の形態に係るインクジェット記録装置におけるヘッドドライバのアナログスイッチの一例を説明する説明図である。
図7に示すように、制御部200は、この装置全体の制御を司るCPU201と、CPU201が実行するプログラム、その他の固定データを格納するROM202と、画像データ等を一時格納するRAM203と、装置の電源が遮断されている間もデータを保持するための書き換え可能な不揮発性メモリ204と、画像データに対する各種信号処理、並び替え等を行なう画像処理やその他装置全体を制御するための入出力信号を処理するASIC205とを備えている。
また、この制御部200は、ホスト側とのデータ、信号の送受を行なうためのホストI/F206と、記録ヘッド11を駆動制御するためのデータ転送手段を含むヘッド駆動制御部207、キャリッジ4側に設けた記録ヘッド11を駆動するためのヘッド駆動装置であるヘッドドライバ(ドライバIC)208と、搬送モータ36を駆動するための搬送モータ駆動部211と、リニアエンコーダ74、ホイールエンコーダ236からの検出パルス、環境温度を検出する温度センサ215からの検出信号、及びその他の各種センサからの検知信号を入力するためのI/O213などを備えている。また、この制御部200には、この装置に必要な情報の入力及び表示を行なうための操作パネル214が接続されている。
ここで、制御部200は、パーソナルコンピュータ等の情報処理装置、イメージスキャナなどの画像読み取り装置、デジタルカメラなどの撮像装置などのホスト側からの印刷データ等をケーブル或いはネットを介してホストI/F206で受信する。
そして、制御部200のCPU201は、ホストI/F206に含まれる受信バッファ内の印刷データを読み出して解析し、ASIC205にて必要な画像処理、データの並び替え処理等を行ない、この画像データをヘッド駆動制御部207からヘッドドライバ208に転送する。なお、画像出力するためのドットパターンデータの生成は、例えばROM202にフォントデータを格納して行っても良いし、ホスト側のプリンタドライバで画像データをビットマップデータに展開してこの装置に転送するようにしても良い。
ヘッド駆動制御部207は、上述した画像データをシリアルデータで転送するとともに、この画像データの転送及び転送の確定などに必要な転送クロックやラッチ信号、制御信号などをヘッドドライバ208に出力する以外にも、ROM202に格納されてCPU201で読み出される駆動パルスのパターンデータをD/A変換するD/A変換器及び増幅器等で構成される駆動波形生成部を含み、1の予め定められた略三角波よりなる駆動パルス或いは複数の異なる予め定められた略三角波よりなる駆動パルス(駆動信号)で構成される電圧波形である駆動波形をヘッドドライバ208に対して出力する。
ヘッドドライバ208は、シリアルに入力される記録ヘッド11の1行分に相当する画像データに基づいてヘッド駆動制御部207から与えられる駆動波形を構成する駆動パルスを選択的に記録ヘッド11の圧力発生手段であるアクチュエータ(前述したヘッド構成では圧電素子121)に対して印加することでヘッド11を駆動する。
搬送モータ駆動部211は、CPU201側から与えられる目標値とホイールエンコーダ236からの検出パルスをサンプリングして得られる速度検出値に基づいて制御値を算出して内部のモータドライバを介して搬送モータ36を駆動する。
次に、ヘッド駆動制御部207及び本発明に係るヘッド駆動装置であるヘッドドライバ208の構成の一例について図8を参照して説明する。
ヘッド駆動制御部207は、上述したように、1吐出周期内に複数の異なる予め定められた略三角波よりなる駆動パルス(駆動信号)で構成される電圧波形である駆動波形(共通駆動波形)を生成して出力する駆動波形生成部301と、画像データ(印字データ)、図示しない転送クロック、ラッチ信号、滴制御信号を出力するデータ転送部302とを備えている。後述する大滴マスク信号〜微駆動マスク信号に相当する滴制御信号M0〜M3は、ヘッドドライバ208の後述するスイッチ手段であるアナログスイッチ315の開閉を滴毎に指示する信号であり、共通駆動波形の吐出周期に合わせて選択すべき波形でHレベルに状態遷移し、非選択時にはLレベルに状態遷移する。
なお、本発明における判定手段は、ヘッド駆動制御部207に相当する。
ヘッドドライバ208は、データ転送部302からの転送クロック(シフトクロック)及びシリアル画像データを入力するシフトレジスタ311と、シフトレジスタ311の各レジスト値をラッチ信号によってラッチするためのラッチ回路312と、画像データと制御信号をデコードして結果を出力するデコーダ313と、デコーダ313のロジックレベル電圧信号をアナログスイッチ315が動作可能なレベルへとレベル変換するレベルシフタ314と、レベルシフタ314を介して与えられるデコーダ313の出力でオン/オフ(開閉)されるアナログスイッチ315とを備えている。
このアナログスイッチ315は、各圧電素子121の選択電極(個別電極)153に接続され、駆動波形生成部301からの共通駆動波形が入力されている。したがって、シリアル転送された画像データと制御信号をデコーダ313でデコードした結果に応じてアナログスイッチ315をオンにすることにより、共通駆動波形を構成する所要の駆動信号が通過して(選択されて)圧電素子121に印加される。
このアナログスイッチ315は前述した従来構成のアナログスイッチと同様にCMOSアナログスイッチで構成している。すなわち、図9に示すように、一対のPチャンネルのトランジスタ321及びNチャンネルトランジスタ322を有し、トランジスタ321、322のゲートはインバータ回路323、324により駆動されており、インバータ323、324はレベルシフタ314の信号により駆動される。レベルシフタ314の出力AがL(ロー)レベル、出力BがH(ハイ)レベルでアナログスイッチ315がオン状態となる設定である。CMOSアナログスイッチとすることで低コスト化を図れる。
なお、本発明における制御手段は、ヘッドドライバ208に相当する。
次に、図10乃至図15を参照し、本実施の形態に係るインクジェット記録装置における非吐出ノズルからの吐出を防止するためのヘッド駆動制御を行うシステムの構成を説明する。
図10は、本実施の形態に係るインクジェット記録装置のヘッド駆動制御を説明する機能ブロック図である。図11は、本実施の形態における吐出タイミング生成部および駆動波形生成部で波形分散の必要可否を判定するために用いられるパラメータを示す図である。図12は、本実施の形態における第1ヘッド列を構成する複数の第1ヘッドの各々に対して行う第1駆動制御のタイミングを異ならせない場合の吐出タイミング生成部の入出力信号のタイムチャートを示す図である。図13は、本実施の形態における第1ヘッド列を構成する複数の第1ヘッドの各々に対して行う第1駆動制御のタイミングを異ならせない場合の駆動波形を示す図である。図14は、本実施の形態における第1ヘッド列を構成する複数の第1ヘッドの各々に対して行う第1駆動制御のタイミングを異ならせる場合の吐出タイミング生成部の入出力信号のタイムチャートを示す図である。図15は、本実施の形態における第1ヘッド列を構成する複数の第1ヘッドの各々に対して行う第1駆動制御のタイミングを異ならせる場合の駆動波形を示す図である。
図10を参照するに、ヘッドの吐出制御は、吐出基準タイミング生成部、吐出タイミング生成部、駆動波形生成部、及びヘッドモジュールで構成される。
吐出タイミング生成部は、複数のノズル列(ヘッド列)吐出タイミング部を有する。図10においては、第1ヘッド列吐出タイミング生成部、第2ヘッド列吐出タイミング生成部の2つのノズル列(ヘッド列)吐出タイミング生成部が記載されているが、ノズル列(ヘッド列)の数に応じてこれ以上の個数でもよい。各ノズル列(ヘッド列)吐出タイミング生成部は、更に複数のヘッド吐出タイミング生成部よりなる。ここでは、各ノズル列(ヘッド列)の各々に対して、3つのヘッド吐出タイミング生成部を有しているが、各ノズル列のヘッドの個数に応じて3個以上の個数でもよい。
駆動波形生成部は複数のノズル列(ヘッド列)駆動波形生成部を有する。各ノズル列(ヘッド列)駆動波形生成部は、更に複数のヘッド駆動波形生成部よりなる。
ヘッドモジュールは、複数のノズル列(ヘッド列)を有する。各ノズル列(ヘッド列)は、更に複数のヘッドよりなる。
吐出基準タイミング生成部は、記録媒体の搬送速度と同期しており、記録媒体が所定の距離だけ搬送されるごとに出力される信号である。
次に、図11を参照し、吐出タイミング生成部および駆動波形生成部で波形分散の必要可否を判定するために用いられるパラメータについて説明する。
駆動波形生成部は、入力信号としてヘッド吐出タイミング信号を有し、出力信号としてヘッド駆動波形信号、大滴マスク信号M0、中滴マスク信号M1、小滴マスク信号M2、及び微駆動マスク信号M3を有する。ヘッド駆動波形信号は、複数の異なる予め定められた略三角波で構成される電圧波形であり、前述したように、レベルシフタで二値H及びLを有するマスク信号が発生され、アナログスイッチをオンオフすることによって、ヘッド駆動波形信号の波形の一部、すなわち複数の異なる予め定められた略三角波の何れを含む電圧波形が圧力発生手段(圧電素子)に印加される。各ヘッドに形成される各ノズルから吐出されるインク滴は、複数の異なるサイズ、例えば、大滴、中滴、及び小滴の何れかのサイズを有するように制御され、又はインク滴を吐出せず各ノズルの開口付近でのインク滴の増粘を防止するような微小な圧力変動を有するように制御されるため、各ヘッドに形成される各ノズルに対応して設けられる圧力発生手段(例えば圧電アクチュエータ)の駆動波形信号は、大滴に対応する大滴駆動波形、中滴に対応する中滴駆動波形、小滴に対応する小滴駆動波形、微駆動に対応する微駆動波形から一つの波形を選択することができる。大滴が選択されたノズルに対しては、駆動波形の大滴マスク信号がLとなる区間に対応した大滴駆動波形が印加される。中滴が選択されたノズルに対しては、駆動波形の中滴マスク信号がLとなる区間に対応した中滴駆動波形が印加される。小滴が選択されたノズルに対しては、駆動波形の小滴マスク信号がLとなる区間に対応した小滴駆動波形が印加される。微駆動が選択されたノズルに対しては、駆動波形の微駆動マスク信号がLとなる区間に対応した微駆動波形が印加される。
ここで、大滴駆動波形、中滴駆動波形、小滴駆動波形は、前述したように各々のノズルから、それぞれ大滴、中滴、小滴のインク滴を吐出させるためのものであるが、そのインク滴の液滴量は大滴>中滴>小滴となっている。微駆動波形は、印加によってインクがノズルより吐出はされないが、ノズルの開口付近のインクが振動するため、乾燥によるインクの増粘を防ぐことができる。
吐出タイミング生成部および駆動波形生成部では、波形分散の必要可否を判定する判定手段を有し、判定手段を用いて波形分散の必要可否を判定するために、予め微駆動波形開始時間TSS1、微駆動波形終了時間TSS2、中滴駆動波形開始時間TM1、中滴駆動波形終了時間TM2、大滴駆動波形開始時間TL1、大滴駆動波形終了時間TL2、最大傾き駆動波形開始時間TMX1、最大傾き駆動波形終了時間TMX2が設定されている。
なお、傾きとは電圧波形である各駆動波形の傾きであり、本発明における電圧変化率に相当する。
微駆動波形開始時間TSS1、微駆動波形終了時間TSS2は、それぞれヘッド吐出タイミング信号の立ち下がりエッジを検出し駆動波形の出力が開始されてから、微駆動波形が開始されるまでの時間、微駆動波形が終了するまでの時間である。中滴駆動波形開始時間TM1、中滴駆動波形終了時間TM2は、それぞれヘッド吐出タイミング信号の立ち下がりエッジを検出し駆動波形の出力が開始されてから、中滴駆動波形が開始されるまでの時間、中滴駆動波形が終了するまでの時間である。大滴駆動波形開始時間TL1、大滴駆動波形終了時間TL2は、それぞれヘッド吐出タイミング信号の立ち下がりエッジを検出し駆動波形の出力が開始されてから、大滴駆動波形が開始されるまでの時間、大滴駆動波形が終了するまでの時間である。最大傾き駆動波形開始時間TMX1、最大傾き駆動波形終了時間TMX2は、それぞれヘッド吐出タイミング信号の立ち下がりエッジを検出し駆動波形の出力が開始されてから、最大傾き駆動波形が開始されるまでの時間、最大傾き駆動動波形が終了するまでの時間である。ここで、最大傾き駆動波形とは、駆動波形の中でパルスの電圧傾きの絶対値が最大となる部分が印加されている期間を意味する。すなわち、駆動波形の中で駆動波形の電圧変化率の絶対値が最大となる部分が印加されている期間を意味する。
ここで、判定手段を用いず、そのまま駆動波形を発生した場合の各ヘッドにおける駆動波形を、図12及び図13に示す。この場合、吐出基準タイミング信号の立下りエッジを検知すると、図12に示すように、第1ヘッド列HA(第1ノズル列NA)の吐出タイミング信号と、第2ヘッド列HB(第2ノズル列NB)の吐出タイミング信号が生成される。この場合、第1の第1ヘッドHA1の吐出タイミング信号、第2の第1ヘッドHA2の吐出タイミング信号、第3の第1ヘッドHA3の吐出タイミング信号は、同時に発生される。また、第1の第2ヘッドHB1の吐出タイミング信号、第2の第2ヘッドHB2の吐出タイミング信号、第3の第2ヘッドHB3の吐出タイミング信号は、同時に発生される。その結果、図13に示すような駆動波形が出力される。
一方、本実施の形態においては、判定手段が、第1ヘッドHA1、HA2、HA3に所定の傾き(本発明における電圧変化率)を有する略三角波よりなる電圧波形である駆動波形を用いた駆動制御(本発明における第1駆動制御)を行うタイミングと、第2ヘッドHB1、HB2、HB3に微駆動波形を用いた駆動制御(本発明における第2駆動制御)を行うタイミングとが重なると予め判定した場合に、第1ヘッド列を構成する複数の第1ヘッドの各々に対して行う第1駆動制御のタイミングを異ならせる。
図14に示すように、吐出基準タイミング信号の立下りエッジを検知すると、第1ヘッド列HA(第1ノズル列NA)の吐出タイミング信号と、第2ヘッド列HB(第2ノズル列NB)の吐出タイミング信号が生成される。第1ヘッド列HA(第1ノズル列NA)の第1の第1ヘッドHA1の吐出タイミング信号は、第1の遅延時間TD1の後に出力される。第1ヘッド列HA(第1ノズル列NA)の第2の第1ヘッドHA2の吐出タイミング信号は、吐出基準タイミング信号から第2の遅延時間TD2の後に出力される。第1ヘッド列HA(第1ノズル列NA)の第3の第1ヘッドHA3の吐出タイミング信号は、吐出基準タイミング信号から第3の遅延時間TD3の後に出力される。
また、第2ヘッド列HB(第2ノズル列NB)のHB1、HB2、HB3の各第2ヘッドの吐出タイミング信号は互いに同期しており、第2ヘッドHB1、HB2、HB3の各ヘッドともに、第2ヘッド列HB(第2ノズル列NB)の吐出タイミング信号に対して遅延なく出力される。
ここで、駆動波形の分散の必要可否の判定、すなわち、第1ヘッドHA1、HA2、HA3に所定の傾き(本発明における電圧変化率)を有する略三角波よりなる電圧波形である駆動波形を用いた駆動制御(本発明における第1駆動制御)を行うタイミングと、第2ヘッドHB1、HB2、HB3に微駆動波形を用いた駆動制御(本発明における第2駆動制御)を行うタイミングとが重なるかを判定する判定において、判定手段が用いる判定基準として、以下のような条件式が設定される。
式(2)は、第2ヘッド列HB(第2ノズル列NB)の各ノズルに対応する各圧力発生手段への微駆動波形の印加が終了される時点が、第1ヘッド列HA(第1ノズル列NA)の各ノズルに対応する各圧力発生手段への大滴駆動波形の印加が開始される時点以後であって、第1ヘッド列HA(第1ノズル列NA)の各ノズルに対応する各圧力発生手段への大滴駆動波形の印加が終了される時点以前であることを意味する。
式(3)は、第2ヘッド列HB(第2ノズル列NB)の各ノズルに対応する各圧力発生手段への微駆動波形の印加が開始される時点が、第1ヘッド列HA(第1ノズル列NA)の各ノズルに対応する各圧力発生手段への中滴駆動波形の印加が開始される時点以後であって、第1ヘッド列HA(第1ノズル列NA)の各ノズルに対応する各圧力発生手段への中滴駆動波形の印加が終了される時点以前であることを意味する。
式(4)は、第2ヘッド列HB(第2ノズル列NB)の各ノズルに対応する各圧力発生手段への微駆動波形の印加が終了される時点が、第1ヘッド列HA(第1ノズル列NA)の各ノズルに対応する各圧力発生手段への中滴駆動波形の印加が開始される時点以後であって、第1ヘッド列HA(第1ノズル列NA)の各ノズルに対応する各圧力発生手段への中滴駆動波形の印加が終了される時点以前であることを意味する。
上記式(1)〜式(4)の何れかの条件が満たされる場合は、第1の遅延時間TD1、第2の遅延時間TD2、第3の遅延時間TD3について異なる値を設定し、吐出タイミングの分散を行う。吐出タイミングの分散を行うとは、本発明における第1ヘッド列を構成する複数の第1ヘッドの各々に対して行う第1駆動制御のタイミングを異ならせることに相当する。
一方、式(1)〜式(4)の何れの条件も満たされない場合は、第1の遅延時間TD1、第2の遅延時間TD2、第3の遅延時間TD3については同じ値とし、吐出タイミングの分散を行わない。吐出タイミングの分散を行わないとは、本発明における第1ヘッド列を構成する複数の第1ヘッドの各々に対して行う第1駆動制御のタイミングを異ならせないことに相当する。
第1駆動制御のタイミングを異ならせる場合、各ヘッドの駆動波形は図15のように分散される。図15は、例えば第1ヘッド列HA(第1ノズル列NA)の中滴駆動波形が、第2ヘッド列HB(第2ノズル列NB)の微駆動波形と重なった場合に、中滴駆動波形の傾き(電圧変化率)が所定の上限基準値以上の値であるため、本発明の第1駆動制御と第2駆動制御のタイミングが重なったと判定され、第1ヘッド列HA(第1ノズル列NA)の第1ヘッドHA1、HA2、HA3に印加される駆動波形が分散される様子を示す。その結果、第1ヘッド列HA(第1ノズル列NA)を駆動する際の駆動電流が時間的に分散され、第2ヘッド列HB(第2ノズル列NB)の第2ヘッドHB1、HB2、HB3に微駆動波形を印加する際に第1ヘッド列HA(第1ノズル列NA)から加えられるノイズが低減される。従って、第2ヘッド列HB(第2ノズル列NB)の非吐出ノズルからインクが不正に吐出されることを防止することができる。
(第1の実施の形態の第1の変形例)
次に、図16を参照し、第1の実施の形態の第1の変形例について説明する。
次に、図16を参照し、第1の実施の形態の第1の変形例について説明する。
図16は、本変形例における第1ヘッド列及び第2ヘッド列を構成する各ヘッドに対して出力される各駆動波形のタイムチャートを示す図である。ただし、以下の文中では、先に説明した部分には同一の符号を付し、説明を省略する場合がある(以下の変形例、実施の形態についても同様)。
本変形例においては、第1の実施の形態に係るインクジェット記録装置において、第1ヘッド列(第1ノズル列)の駆動波形の分散の必要可否の判定基準が異なることを特徴とする。
本変形例においては、式(1)〜式(4)のうち、式(1)、式(2)のみを用いる。すなわち、上記式(1)、式(2)の何れかの条件が満たされる場合には、第1の遅延時間TD1、第2の遅延時間TD2、第3の遅延時間TD3について異なる値を設定し、吐出タイミングの分散を行う。すなわち、第1ヘッド列を構成する複数の第1ヘッドの各々に対して行う第1駆動制御のタイミングを異ならせる。一方、式(1)、式(2)の何れの条件も満たされない場合は、第1の遅延時間TD1、第2の遅延時間TD2、第3の遅延時間TD3については同じ値とし、吐出タイミングの分散を行わない。すなわち、第1ヘッド列を構成する複数の第1ヘッドの各々に対して行う第1駆動制御のタイミングを異ならせない。
このような制御を行うことによって、各ヘッドの駆動波形は図16のように分散される。図16は、例えば第1ヘッド列HA(第1ノズル列NA)の大滴駆動波形が、第2ヘッド列HB(第2ノズル列NB)の微駆動波形と重なった場合に、大滴駆動波形の傾き(電圧変化率)が所定の上限基準値以上の値であるため、本発明の第1駆動制御と第2駆動制御のタイミングが重なったと判定され、第1ヘッド列HA(第1ノズル列NA)の第1ヘッドHA1、HA2、HA3に印加される駆動波形が分散される様子を示す。その結果、第1ヘッド列HA(第1ノズル列NA)を駆動する際の駆動電流が時間的に分散され、第2ヘッド列HB(第2ノズル列NB)の第2ヘッドHB1、HB2、HB3に微駆動波形を印加する際に第1ヘッド列HA(第1ノズル列NA)から加えられるノイズが低減される。従って、第2ヘッド列HB(第2ノズル列NB)の非吐出ノズルからインクが不正に吐出されることを防止することができる。
(第1の実施の形態の第2の変形例)
次に、図17を参照し、第1の実施の形態の第2の変形例について説明する。
次に、図17を参照し、第1の実施の形態の第2の変形例について説明する。
図17は、本変形例における第1ヘッド列及び第2ヘッド列を構成する各ヘッドに対して出力される各駆動波形のタイムチャートを示す図である。
本変形例においては、第1の実施の形態に係るインクジェット記録装置において、第1ヘッド列(第1ノズル列)の駆動波形の分散の必要可否の判定基準が異なることを特徴とする。
本変形例においては、判定手段が用いる判定基準として、以下のような条件式が設定される。
式(6)は、第2ヘッド列HB(第2ノズル列NB)の各ノズルに対応する各圧力発生手段への微駆動波形の印加が終了される時点が、第1ヘッド列HA(第1ノズル列NA)の各ノズルに対応する各圧力発生手段へ最大の電圧変化率を有する駆動波形の印加が開始される時点以後であって、第1ヘッド列HA(第1ノズル列NA)の各ノズルに対応する各圧力発生手段へ最大の電圧変化率を有する駆動波形の印加が終了される時点以前であることを意味する。
このような判定基準を用いることにより、駆動波形の形状が複雑である場合や、駆動波形の種類が多い場合にも精密な判定を行うことができる。
上記式(5)、式(6)の何れかの条件が満たされる場合には、第1の遅延時間TD1、第2の遅延時間TD2、第3の遅延時間TD3については異なる値を設定し、吐出タイミングの分散を行う。すなわち、第1ヘッド列を構成する複数の第1ヘッドの各々に対して行う第1駆動制御のタイミングを異ならせる。
一方、式(5)、式(6)の何れの条件も満たさない場合は、第1の遅延時間TD1、第2の遅延時間TD2、第3の遅延時間TD3は同じ値とし、吐出タイミングの分散を行わない。すなわち、第1ヘッド列を構成する複数の第1ヘッドの各々に対して行う第1駆動制御のタイミングを異ならせない。
第1駆動制御のタイミングを異ならせる場合、各ヘッドの駆動波形は図17のように分散される。図17は、例えば第1ヘッド列HA(第1ノズル列NA)の駆動波形の最大電圧変化率を有する駆動波形が、第2ヘッド列HB(第2ノズル列NB)の微駆動波形と重なった場合に、その最大電圧変化率が所定の上限基準値以上の値であるため、本発明の第1駆動制御と第2駆動制御のタイミングが重なったと判定され、第1ヘッド列HA(第1ノズル列NA)の第1ヘッドHA1、HA2、HA3に印加される駆動波形が分散される様子を示す。その結果、第1ヘッド列HA(第1ノズル列NA)を駆動する際の駆動電流が時間的に分散され、第2ヘッド列HB(第2ノズル列NB)の第2ヘッドHB1、HB2、HB3に微駆動波形を印加する際に第1ヘッド列HA(第1ノズル列NA)から加えられるノイズが低減される。従って、第2ヘッド列HB(第2ノズル列NB)の非吐出ノズルからインクが不正に吐出されることを防止することができる。
なお、本変形例は、本発明における電圧変化率の上限基準値を電圧変化率の最大値とした場合に相当するが、電圧変化率の上限基準値は必ずしも電圧変化率の最大値である必要はなく、最大値以下の所定の値を上限基準値とする判定を行うこともできる。
(第2の実施の形態)
次に、図18及び図19を参照し、第2の実施の形態について説明する。
次に、図18及び図19を参照し、第2の実施の形態について説明する。
図18は、本実施の形態における吐出タイミング生成部の入出力信号のタイムチャートを示す図である。図19は、本実施の形態における第1ヘッド列及び第2ヘッド列を構成する各ヘッドに対して出力される各駆動波形のタイムチャートを示す図である。
本実施の形態においては、第1の実施の形態に係るインクジェット記録装置において、第1ヘッド列(第1ノズル列)における駆動波形のうち上限基準値以上の電圧変化率を有する部分のタイミングと第2ヘッド列(第2ノズル列)における微駆動波形のタイミングとが重なると判定された場合に、第1ヘッド列(第1ノズル列)のみならず第2ヘッド列(第2ノズル列)においても各ヘッドに行う駆動波形の印加のタイミングを異ならせることを特徴とする。
すなわち、本実施の形態においては、判定手段が、第1駆動制御のタイミングと第2駆動制御のタイミングとが重なると予め判定した場合に、第1ヘッド列を構成する複数の第1ヘッドの各々に対して行う第1駆動制御のタイミングを異ならせるとともに、第2ヘッド列を構成する複数の第2ヘッドの各々に対して行う第2駆動制御のタイミングをも異ならせる。
図18に示すように、吐出基準タイミング信号の立下りエッジを検知すると、第1ヘッド列HA(第1ノズル列NA)の吐出タイミング信号と、第2ヘッド列HB(第2ノズル列NB)の吐出タイミング信号が生成される。第1ヘッド列HA(第1ノズル列NA)の第1の第1ヘッドHA1の吐出タイミング信号は、第1の遅延時間TD1の後に出力される。第1ヘッド列HA(第1ノズル列NA)の第2の第1ヘッドHA2の吐出タイミング信号は、吐出基準タイミング信号から第2の遅延時間TD2の後に出力される。第1ヘッド列HA(第1ノズル列NA)の第3の第1ヘッドHA3の吐出タイミング信号は、吐出基準タイミング信号から第3の遅延時間TD3の後に出力される。
また、第2ヘッド列HB(第2ノズル列NB)の第1の第2ヘッドHB1の吐出タイミング信号は、吐出基準タイミング信号から第2ヘッド列HB(第2ノズル列NB)の吐出タイミング信号の遅延時間T0と第4の遅延時間TD4との合計の遅延時間T0+TD4の後に出力される。第2ヘッド列HB(第2ノズル列NB)の第2の第2ヘッドHB2の吐出タイミング信号は、吐出基準タイミング信号から第2ヘッド列HB(第2ノズル列NB)の吐出タイミング信号の遅延時間T0と第5の遅延時間TD5との合計の遅延時間T0+TD5の後に出力される。第2ヘッド列HB(第2ノズル列NB)の第3の第2ヘッド吐出タイミング信号は、吐出基準タイミング信号から第2ヘッド列HB(第2ノズル列NB)の吐出タイミング信号の遅延時間T0と第6の遅延時間TD6との合計の遅延時間T0+TD6の後に出力される。
ここで、駆動波形の分散の必要可否の判定、すなわち、第1ヘッドHA1、HA2、HA3に所定の傾き(本発明における電圧変化率)を有する略三角波よりなる電圧波形である駆動波形を用いた駆動制御(本発明における第1駆動制御)を行うタイミングと、第2ヘッドHB1、HB2、HB3に微駆動波形を用いた駆動制御(本発明における第2駆動制御)を行うタイミングとが重なるかを判定する判定において、判定手段が用いる判定基準として、第1の実施の形態における式(1)〜式(4)が用いられる。
上記式(1)〜式(4)の何れかの条件が満たされる場合は、第1の遅延時間TD1、第2の遅延時間TD2、第3の遅延時間TD3について異なる値を設定し、吐出タイミングの分散を行う。更に、第4の遅延時間TD4、第5の遅延時間TD5、第6の遅延時間TD6について異なる値を設定し、吐出タイミングの分散をおこなう。すなわち、第1ヘッド列を構成する複数の第1ヘッドの各々に対して行う第1駆動制御のタイミングを異ならせる。
一方、式(1)〜式(4)の何れの条件も満たさない場合は、第1の遅延時間TD1、第2の遅延時間TD2、第3の遅延時間TD3については同じ値とし、第4の遅延時間TD4、第5の遅延時間TD5、第6の遅延時間TD6については同じ値とし、吐出タイミングの分散を行わない。すなわち、第1ヘッド列を構成する複数の第1ヘッドの各々に対して行う第1駆動制御のタイミングを異ならせない。
このような制御を行うことによって、各ヘッドの駆動波形は図19のように分散される。図19は、例えば第1ヘッド列HA(第1ノズル列NA)の中滴駆動波形が、第2ヘッド列HB(第2ノズル列NB)の微駆動波形と重なった場合に、中滴駆動波形の傾き(電圧変化率)が所定の上限基準値以上の値であるため、本発明の第1駆動制御と第2駆動制御のタイミングが重なったと判定され、第1ヘッド列HA(第1ノズル列NA)の第1ヘッドHA1、HA2、HA3に印加される駆動波形が分散されるとともに、第2ヘッド列HB(第2ノズル列NB)の第2ヘッドHB1、HB2、HB3に印加される駆動波形が分散される様子を示す。その結果、第1ヘッド列HA(第1ノズル列NA)を駆動する際の駆動電流が時間的に分散され、第2ヘッド列HB(第2ノズル列NB)の第2ヘッドHB1、HB2、HB3に微駆動波形を印加する際に第1ヘッド列HA(第1ノズル列NA)から加えられるノイズが低減される。従って、第2ヘッド列HB(第2ノズル列NB)の微駆動ノズルからインクが不正に吐出されることを防止することができる。
(第2の実施の形態の第1の変形例)
次に、図20を参照し、第2の実施の形態の第1の変形例について説明する。
次に、図20を参照し、第2の実施の形態の第1の変形例について説明する。
図20は、本変形例における第1ヘッド列及び第2ヘッド列を構成する各ヘッドに対して出力される各駆動波形のタイムチャートを示す図である。
本変形例においては、第2の実施の形態に係るインクジェット記録装置において、第1ヘッド列(第1ノズル列)の駆動波形の分散の必要可否の判定基準が異なることを特徴とする。
本変形例においては、第1の実施の形態における式(1)〜式(4)のうち、式(1)、式(2)のみを用いる。上記式(1)、式(2)の何れかの条件が満たされる場合には、第1の遅延時間TD1、第2の遅延時間TD2、第3の遅延時間TD3について異なる値を設定し、第4の遅延時間TD4、第5の遅延時間TD5、第6の遅延時間TD6は互いに異なる値を設定し、吐出タイミングの分散を行う。すなわち、第1ヘッド列を構成する複数の第1ヘッドの各々に対して行う第1駆動制御のタイミングを異ならせ、第2ヘッド列を構成する複数の第2ヘッドの各々に対して行う第2駆動制御のタイミングを異ならせる。
一方、式(1)、式(2)の何れの条件も満たされない場合は、第1の遅延時間TD1、第2の遅延時間TD2、第3の遅延時間TD3は同じ値とし、第4の遅延時間TD4、第5の遅延時間TD5、第6の遅延時間TD6は同じ値とし、吐出タイミングの分散を行わない。すなわち、第1ヘッド列を構成する複数の第1ヘッドの各々に対して行う第1駆動制御のタイミングを異ならせず、第2ヘッド列を構成する複数の第2ヘッドの各々に対して行う第1駆動制御のタイミングを異ならせない。
このような制御を行うことによって、各ヘッドの駆動波形は図20のように分散される。図20は、例えば第1ヘッド列HA(第1ノズル列NA)の大滴駆動波形が、第2ヘッド列HB(第2ノズル列NB)の微駆動波形と重なった場合に、大滴駆動波形の傾き(電圧変化率)が所定の上限基準値以上の値であるため、本発明の第1駆動制御と第2駆動制御のタイミングが重なったと判定され、第1ヘッド列HA(第1ノズル列NA)の第1ヘッドHA1、HA2、HA3に印加される駆動波形が分散され、第2ヘッド列HB(第2ノズル列NB)の第2ヘッドHB1、HB2、HB3に印加される駆動波形が分散される様子を示す。その結果、第1ヘッド列HA(第1ノズル列NA)を駆動する際の駆動電流が時間的に分散され、第2ヘッド列HB(第2ノズル列NB)の第2ヘッドHB1、HB2、HB3に微駆動波形を印加する際に第1ヘッド列HA(第1ノズル列NA)から加えられるノイズが低減される。従って、第2ヘッド列HB(第2ノズル列NB)の非吐出ノズルからインクが不正に吐出されることを防止することができる。
(第2の実施の形態の第2の変形例)
次に、図21を参照し、第2の実施の形態の第2の変形例について説明する。
次に、図21を参照し、第2の実施の形態の第2の変形例について説明する。
図21は、本変形例における第1ヘッド列及び第2ヘッド列を構成する各ヘッドに対して出力される各駆動波形のタイムチャートを示す図である。
本変形例においては、第1の実施の形態に係るインクジェット記録装置において、第1ヘッド列(第1ノズル列)の駆動波形の分散の必要可否の判定基準が異なることを特徴とする。
本変形例においては、判定手段が用いる判定基準として、第1の実施の形態の第2の変形例に示される式(5)、式(6)を用いる。
上記式(5)、式(6)の何れかの条件が満たされる場合には、第1の遅延時間TD1、第2の遅延時間TD2、第3の遅延時間TD3は異なる値を設定し、第4の遅延時間TD4、第5の遅延時間TD5、第6の遅延時間TD6は異なる値を設定し、吐出タイミングの分散を行う。すなわち、第1ヘッド列を構成する複数の第1ヘッドの各々に対して行う第1駆動制御のタイミングを異ならせ、第2ヘッド列を構成する複数の第2ヘッドの各々に対して行う第2駆動制御のタイミングを異ならせる。
一方、式(5)、式(6)の何れの条件も満たさない場合は、第1の遅延時間TD1、第2の遅延時間TD2、第3の遅延時間遅延時間TD3は同じ値とし、第4の遅延時間TD4、第5の遅延時間TD5、第6の遅延時間TD6は同じ値とし、吐出タイミングの分散を行わない。すなわち、第1ヘッド列を構成する複数の第1ヘッドの各々に対して行う第1駆動制御のタイミングを異ならせず、第2ヘッド列を構成する複数の第12ヘッドの各々に対して行う第2駆動制御のタイミングを異ならせない。
このような制御を行うことによって、各ヘッドの駆動波形は図21のように分散される。図21は、例えば第1ヘッド列HA(第1ノズル列NA)の最大電圧変化率を有する駆動波形が、第2ヘッド列HB(第2ノズル列NB)の微駆動波形と重なった場合に、その最大電圧変化率が所定の上限基準値以上の値であるため、本発明の第1駆動制御と第2駆動制御のタイミングが重なったと判定され、第1ヘッド列HA(第1ノズル列NA)の第1ヘッドHA1、HA2、HA3に印加される駆動波形が分散され、第2ヘッド列HB(第2ノズル列NB)の第2ヘッドHB1、HB2、HB3に印加される駆動波形が分散され、第2ヘッド列HB(第2ノズル列NB)の第2ヘッドHB1、HB2、HB3に印加される駆動波形が分散される様子を示す。その結果、第1ヘッド列HA(第1ノズル列NA)を駆動する際の駆動電流が時間的に分散され、第2ヘッド列HB(第2ノズル列NB)の第2ヘッドHB1、HB2、HB3に微駆動波形を印加する際に第1ヘッド列HA(第1ノズル列NA)から加えられるノイズが低減される。従って、第2ヘッド列HB(第2ノズル列NB)の非吐出ノズルからインクが不正に吐出されることを防止することができる。
なお、本変形例は、本発明における電圧変化率の上限基準値を電圧変化率の最大値とした場合に相当するが、電圧変化率の上限基準値は必ずしも電圧変化率の最大値である必要はなく、最大値以下の所定の値を上限基準値とする判定を行うこともできる。
(第3の実施の形態)
次に、図22及び図23を参照し、第3の実施の形態について説明する。
次に、図22及び図23を参照し、第3の実施の形態について説明する。
図22は、本実施の形態における吐出タイミング生成部の入出力信号のタイムチャートを示す図である。図23は、本実施の形態における第1ヘッド列及び第2ヘッド列を構成する各ヘッドに対して出力される各駆動波形のタイムチャートを示す図である。
本実施の形態においては、第1の実施の形態に係るインクジェット記録装置において、第1ヘッド列(第1ノズル列)における駆動波形のうち上限基準値以上の電圧変化率を有する部分のタイミングと第2ヘッド列(第2ノズル列)における微駆動波形のタイミングとが重なると判定された場合に、第1ヘッド列(第1ノズル列)の各ヘッドに行う駆動波形の印加のタイミングを異ならせるとともに、第2ヘッド列(第2ノズル列)を構成する微駆動波形の電圧振幅を小さくすることを特徴とする。
なお、駆動波形において微駆動波形の時間幅を同じにしたまま微駆動波形の電圧振幅を小さくすることは、本発明における微小な略三角波が有する電圧変化率を予め定められた電圧変化率より小さくすることに相当する。
本実施の形態における吐出基準タイミング信号に基づく第1ヘッド列(第1ノズル列)の吐出タイミング信号と、第2ヘッド列(第2ノズル列)の吐出タイミング信号の生成は、第1の実施の形態と同様である。
図22に示すように、吐出基準タイミング信号の立下りエッジを検知すると、第1ヘッド列HA(第1ノズル列NA)の吐出タイミング信号と、第2ヘッド列HB(第2ノズル列NB)の吐出タイミング信号が生成される。第1ヘッド列HA(第1ノズル列NA)の第1の第1ヘッドHA1の吐出タイミング信号は、第1の遅延時間TD1の後に出力される。第1ヘッド列HA(第1ノズル列NA)の第2の第1ヘッドHA2の吐出タイミング信号は、吐出基準タイミング信号から第2の遅延時間TD2の後に出力される。第1ヘッド列HA(第1ノズル列NA)の第3の第1ヘッドHA3の吐出タイミング信号は、吐出基準タイミング信号から第3の遅延時間TD3の後に出力される。
また、第2ヘッド列HB(第2ノズル列NB)のHB1、HB2、HB3の各2ヘッドの吐出タイミング信号は互いに同期しており、第2ヘッド列吐出タイミング信号に対して遅延なく出力される。
ここで、駆動波形の分散の必要可否の判定、すなわち、第1ヘッドHA1、HA2、HA3に所定の傾き(本発明における電圧変化率)を有する略三角波よりなる電圧波形である駆動波形を用いた駆動制御(本発明における第1駆動制御)を行うタイミングと、第2ヘッドHB1、HB2、HB3に微駆動波形を用いた駆動制御(本発明における第2駆動制御)を行うタイミングとが重なるかを判定する判定において、判定手段が用いる判定基準として、第1の実施の形態に示される式(1)〜式(4)の条件式が用いられる。
上記式(1)〜式(4)の何れかの条件が満たされる場合には、第1の遅延時間TD1、第2の遅延時間TD2、第3の遅延時間TD3について異なる値を設定し、吐出タイミングの分散を行う。と同時に、本実施の形態においては、第2ヘッド列HBの第2ヘッドHB1、HB2、HB3の微駆動波形の電圧振幅を、予め定められた電圧振幅である第1ヘッド列HAの第1ヘッドHA1、HA2、HA3の微駆動波形の電圧振幅より小さくする。
一方、式(1)〜式(4)の何れの条件も満たさない場合は、第1の遅延時間TD1、第2の遅延時間TD2、第3の遅延時間TD3については同じ値とし、吐出タイミングの分散を行わない。また、第2ヘッド列HBの第2ヘッドHB1、HB2、HB3の微駆動波形の電圧振幅を、予め定められた電圧振幅である第1ヘッド列HAの微駆動波形の電圧振幅を同じとする。
このような制御を行うことによって、各ヘッドの駆動波形は図23のように分散される。図23は、例えば第1ヘッド列HA(第1ノズル列NA)の中滴駆動波形が、第2ヘッド列HB(第2ノズル列NB)の微駆動波形と重なった場合に、中滴駆動波形の傾き(電圧変化率)が所定の上限基準値以上の値であるため、本発明の第1駆動制御と第2駆動制御のタイミングが重なったと判定され、第1ヘッド列HA(第1ノズル列NA)の第1ヘッドHA1、HA2、HA3に印加される駆動波形が分散されるとともに、第2ヘッド列HB(第2ノズル列NB)の第2ヘッドHB1、HB2、HB3に印加される微駆動波形の振幅が小さくされる様子を示す。その結果、第1ヘッド列HA(第1ノズル列NA)を駆動する際の駆動電流が時間的に分散され、第2ヘッド列HB(第2ノズル列NB)の第2ヘッドHB1、HB2、HB3に微駆動波形を印加する際に加えられるノイズが低減されるとともに、万一ノイズが加えられた場合にも微駆動波形の振幅を小さくしてあるために、予め決められた微駆動波形の振幅よりも大きくなることがない。従って、第2ヘッド列HB(第2ノズル列NB)の微駆動ノズルからインクが不正に吐出されることを防止することができる。
(第3の実施の形態の第1の変形例)
次に、図24を参照し、第3の実施の形態の第1の変形例について説明する。
次に、図24を参照し、第3の実施の形態の第1の変形例について説明する。
図24は、本変形例における第1ヘッド列及び第2ヘッド列を構成する各ヘッドに対して出力される各駆動波形のタイムチャートを示す図である。
本変形例においては、第3の実施の形態に係るインクジェット記録装置において、第1ヘッド列(第1ノズル列)の駆動波形の分散の必要可否の判定基準が異なることを特徴とする。
本変形例においては、第1の実施の形態における式(1)〜式(4)のうち、式(1)、式(2)のみを用いる。上記式(1)、式(2)の何れかの条件が満たされる場合には、第1の遅延時間TD1、第2の遅延時間TD2、第3の遅延時間TD3について異なる値を設定し、吐出タイミングの分散を行う。と同時に、本変形例においては、第2ヘッド列HB(第2ノズル列NB)の第2ヘッドHB1、HB2、HB3の微駆動波形の電圧振幅を第1ヘッド列HAの微駆動波形の電圧振幅より小さくする。
一方、式(1)、式(2)の何れの条件も満たさない場合は、第1の遅延時間TD1、第2の遅延時間TD2、第3の遅延時間TD3は同じ値とし、吐出タイミングの分散を行わない。また、第2ヘッド列HB(第2ノズル列NB)の第2ヘッドHB1、HB2、HB3の微駆動波形の電圧振幅と第1ヘッド列HA(第1ノズル列NA)の第1ヘッドHA1、HA2、HA3の微駆動波形の電圧振幅を同じとする。
このような制御を行うことによって、各ヘッドの駆動波形は図24のように分散される。図24は、例えば第1ヘッド列HA(第1ノズル列NA)の大滴駆動波形が、第2ヘッド列HB(第2ノズル列NB)の微駆動波形と重なった場合に、大滴駆動波形の傾き(電圧変化率)が所定の上限基準値以上の値であるため、本発明の第1駆動制御と第2駆動制御のタイミングが重なったと判定され、第1ヘッド列HA(第1ノズル列NA)の第1ヘッドHA1、HA2、HA3に印加される駆動波形が分散されるとともに、第2ヘッド列HB(第2ノズル列NB)の第2ヘッドHB1、HB2、HB3に印加される微駆動波形の振幅が小さくされる様子を示す。その結果、第1ヘッド列HA(第1ノズル列NA)を駆動する際の駆動電流が時間的に分散され、第2ヘッド列HB(第2ノズル列NB)の第2ヘッドHB1、HB2、HB3に微駆動波形を印加する際に加えられるノイズが低減されるとともに、万一ノイズが加えられた場合にも微駆動波形の振幅を小さくしてあるために、予め決められた微駆動波形の振幅よりも大きくなることがない。従って、第2ヘッド列HB(第2ノズル列NB)の非吐出ノズルからインクが不正に吐出されることを防止することができる。
(第3の実施の形態の第2の変形例)
次に、図25を参照し、第3の実施の形態の第2の変形例について説明する。
次に、図25を参照し、第3の実施の形態の第2の変形例について説明する。
図25は、本変形例における第1ヘッド列及び第2ヘッド列を構成する各ヘッドに対して出力される各駆動波形のタイムチャートを示す図である。
本変形例においては、第3の実施の形態に係るインクジェット記録装置において、第1ヘッド列(第1ノズル列)の駆動波形の分散の必要可否の判定基準が異なることを特徴とする。
本変形例においては、判定手段が用いる判定基準として、第1の実施の形態の第2の変形例に示される式(5)、式(6)を用いる。
上記式(5)、式(6)の何れかの条件が満たされる場合には、第1の遅延時間TD1、第2の遅延時間TD2、第3の遅延時間TD3は異なる値を設定し、吐出タイミングの分散を行う。と同時に、本変形例においては、第2ヘッド列HBの第2ヘッドHB1、HB2、HB3の微駆動波形の電圧振幅を第1ヘッド列HAの微駆動波形の電圧振幅より小さくする。
一方、式(5)、式(6)の何れの条件も満たさない場合は、第1の遅延時間TD1、第2の遅延時間TD2、第3の遅延時間TD3については同じ値とし、吐出タイミングの分散を行わない。また、第2ヘッド列HBの第2ヘッドHB1、HB2、HB3の微駆動波形の電圧振幅と第1ヘッド列HAの第1ヘッドHA1、HA2、HA3の微駆動波形の電圧振幅を同じとする。
このような制御を行うことによって、各ヘッドの駆動波形は図25のように分散される。図25は、例えば第1ヘッド列HA(第1ノズル列NA)の駆動波形の最大電圧変化率を有する駆動波形が、第2ヘッド列HB(第2ノズル列NB)の微駆動波形と重なった場合に、その最大電圧変化率が所定の上限基準値以上の値であるため、本発明の第1駆動制御と第2駆動制御のタイミングが重なったと判定され、第1ヘッド列HA(第1ノズル列NA)の第1ヘッドHA1、HA2、HA3に印加される駆動波形が分散されるとともに、第2ヘッド列HB(第2ノズル列NB)の第2ヘッドHB1、HB2、HB3の微駆動波形の電圧振幅が第1ヘッド列HAの微駆動波形の電圧振幅より小さくされる様子を示す。その結果、第1ヘッド列HA(第1ノズル列NA)を駆動する際の駆動電流が時間的に分散され、第2ヘッド列HB(第2ノズル列NB)の第2ヘッドHB1、HB2、HB3に微駆動波形を印加する際に加えられるノイズが低減されるとともに、万一ノイズが加えられた場合にも微駆動波形の振幅を小さくしてあるために、予め決められた微駆動波形の振幅よりも大きくなることがない。従って、第2ヘッド列HB(第2ノズル列NB)の非吐出ノズルからインクが不正に吐出されることを防止できる。
なお、本変形例は、本発明における電圧変化率の上限基準値を電圧変化率の最大値とした場合に相当するが、電圧変化率の上限基準値は必ずしも電圧変化率の最大値である必要はなく、最大値以下の所定の値を上限基準値とする判定を行うこともできる。
(第4の実施の形態)
次に、図26及び図27を参照し、第4の実施の形態について説明する。
次に、図26及び図27を参照し、第4の実施の形態について説明する。
図26は、本実施の形態における吐出タイミング生成部の入出力信号のタイムチャートを示す図である。図27は、本実施の形態における第1ヘッド列及び第2ヘッド列を構成する各ヘッドに対して出力される各駆動波形のタイムチャートを示す図である。
本実施の形態においては、第3の実施の形態に係るインクジェット記録装置において、第1ヘッド列(第1ノズル列)における駆動波形のうち上限基準値以上の電圧変化率を有する部分のタイミングと第2ヘッド列(第2ノズル列)における微駆動波形のタイミングとが重なると判定された場合に、第1ヘッド列(第1ノズル列)のみならず第2ヘッド列(第2ノズル列)においても各ヘッドに行う駆動波形の印加のタイミングを異ならせることを特徴とする。
すなわち、本実施の形態においては、判定手段が、第1駆動制御のタイミングと第2駆動制御のタイミングとが重なると予め判定した場合に、第1ヘッド列を構成する複数の第1ヘッドの各々に対して行う第1駆動制御のタイミングを異ならせ、第2ヘッド列(第2ノズル列)における微駆動波形の電圧振幅を小さくするとともに、第2ヘッド列を構成する複数の第2ヘッドの各々に対して行う第2駆動制御のタイミングをも異ならせる。
なお、駆動波形において微駆動波形の時間幅を同じにしたまま微駆動波形の電圧振幅を小さくすることは、本発明における微小な略三角波が有する電圧変化率を、予め定められた電圧変化率より小さくすることに相当する。
本実施の形態における吐出基準タイミング信号に基づく第1ヘッド列(第1ノズル列)の吐出タイミング信号と、第2ヘッド列(第2ノズル列)の吐出タイミング信号の生成は、第1の実施の形態と同様である。
図26に示すように、吐出基準タイミング信号の立下りエッジを検知すると、第1ヘッド列HA(第1ノズル列NA)の吐出タイミング信号と、第2ヘッド列HB(第2ノズル列NB)の吐出タイミング信号が生成される。第1ヘッド列HAの第1の第1ヘッドHA1の吐出タイミング信号は、第1の遅延時間TD1の後に出力される。第1ヘッド列HAの第2の第1ヘッドHA2の吐出タイミング信号は、吐出基準タイミング信号から第2の遅延時間TD2の後に出力される。第1ヘッド列HAの第3の第1ヘッドHA3の吐出タイミング信号は、吐出基準タイミング信号から第3の遅延時間TD3の後に出力される。
また、第2ヘッド列HBの第1の第2ヘッドHB1の吐出タイミング信号は、吐出基準タイミング信号から第2ヘッド列吐出タイミング信号の遅延時間T0と第4の遅延時間TD4との合計の遅延時間T0+TD4の後に出力される。第2ヘッド列HBの第2の第2ヘッドHB2の吐出タイミング信号は、吐出基準タイミング信号から第2ヘッド列吐出タイミング信号の遅延時間T0と第5の遅延時間TD5との合計の遅延時間T0+TD5の後に出力される。第2ヘッド列HBの第3の第2ヘッドHB3の吐出タイミング信号は、吐出基準タイミング信号から第2ヘッド列吐出タイミング信号の遅延時間T0と第6の遅延時間TD6との合計の遅延時間T0+TD6の後に出力される。
ここで、駆動波形の分散の必要可否の判定、すなわち、第1ヘッドHA1、HA2、HA3に所定の傾き(本発明における電圧変化率)を有する略三角波よりなる電圧波形である駆動波形を用いた駆動制御(本発明における第1駆動制御)を行うタイミングと、第2ヘッドHB1、HB2、HB3に微駆動波形を用いた駆動制御(本発明における第2駆動制御)を行うタイミングとが重なるかを判定する判定において、判定手段が用いる判定基準として、第1の実施の形態における式(1)〜式(4)が用いられる。
上記式(1)〜式(4)の何れかの条件が満たされる場合には、第1の遅延時間TD1、第2の遅延時間TD2、第3の遅延時間TD3について異なる値を設定し、吐出タイミングの分散を行う。と同時に、本実施の形態においては、第2ヘッド列HBの第2ヘッドHB1、HB2、HB3の微駆動波形の電圧振幅を、予め定められた電圧振幅である第1ヘッド列HAの第1ヘッドHA1、HA2、HA3の微駆動波形の電圧振幅より小さくする。更に、第4の遅延時間TD4、第5の遅延時間TD5、第6の遅延時間TD6については異なる値を設定し、吐出タイミングの分散をおこなう。
一方、式(1)〜式(4)の何れの条件も満たさない場合は、第1の遅延時間TD1、第2の遅延時間TD2、第3の遅延時間TD3については同じ値とし、第2ヘッド列HBの第2ヘッドHB1、HB2、HB3の微駆動波形の電圧振幅と第1ヘッド列HAの第1ヘッドHA1、HA2、HA3の微駆動波形の電圧振幅を同じとし、第4の遅延時間TD4、第5の遅延時間TD5、第6の遅延時間TD6は同じ値とし、吐出タイミングの分散を行わない。
このような制御を行うことによって、各ヘッドの駆動波形は図27のように分散される。図27は、例えば第1ヘッド列HA(第1ノズル列NA)の中滴駆動波形が、第2ヘッド列HB(第2ノズル列NB)の微駆動波形と重なった場合に、中滴駆動波形の傾き(電圧変化率)が所定の上限基準値以上の値であるため、本発明の第1駆動制御と第2駆動制御のタイミングが重なったと判定され、第1ヘッド列HA(第1ノズル列NA)の第1ヘッドHA1、HA2、HA3に印加される駆動波形が分散され、第2ヘッド列HB(第2ノズル列NB)の第2ヘッドHB1、HB2、HB3に印加される駆動波形が分散されるとともに、第2ヘッド列HB(第2ノズル列NB)の第2ヘッドHB1、HB2、HB3の微駆動波形の電圧振幅が、第1ヘッド列HA(第1ノズル列NA)の微駆動波形の電圧振幅より小さくされる様子を示す。その結果、第1ヘッド列HA(第1ノズル列NA)を駆動する際の駆動電流が時間的に分散され、第2ヘッド列HB(第2ノズル列NB)の第2ヘッドHB1、HB2、HB3に微駆動波形を印加する際に第1ヘッド列HA(第1ノズル列NA)から加えられるノイズが低減されるとともに、万一ノイズが加えられた場合にも微駆動波形の振幅を小さくしてあるために、予め決められた微駆動波形の振幅よりも大きくなることがない。従って、第2ヘッド列HB(第2ノズル列NB)の微駆動ノズルからインクが不正に吐出されることを防止することができる。
(第4の実施の形態の第1の変形例)
次に、図28を参照し、第4の実施の形態の第1の変形例について説明する。
次に、図28を参照し、第4の実施の形態の第1の変形例について説明する。
図28は、本変形例における第1ヘッド列及び第2ヘッド列を構成する各ヘッドに対して出力される各駆動波形のタイムチャートを示す図である。
本変形例においては、第4の実施の形態に係るインクジェット記録装置において、第1ヘッド列(第1ノズル列)の駆動波形の分散の必要可否の判定基準が異なることを特徴とする。
本変形例においては、第4の実施の形態で用いられる式(1)〜式(4)のうち、式(1)、式(2)のみを用いる。上記式(1)、式(2)の何れかの条件が満たされる場合には、第1の遅延時間TD1、第2の遅延時間TD2、第3の遅延時間TD3は異なる値を設定し、吐出タイミングの分散を行う。と同時に、本変形例においては、第2ヘッド列HB(第2ノズル列NB)の第2ヘッドHB1、HB2、HB3の微駆動波形の電圧振幅を、第1ヘッド列HA(第1ノズル列NA)の第1ヘッドHA1、HA2、HA3の予め定められた微駆動波形の電圧振幅より小さくする。
一方、式(1)、式(2)の何れの条件も満たさない場合は、第1の遅延時間TD1、第2の遅延時間TD2、第3の遅延時間TD3は同じ値とし、吐出タイミングの分散を行わない。また、第2ヘッド列HB(第2ノズル列NB)の第2ヘッドHB1、HB2、HB3の微駆動波形の電圧振幅と第1ヘッド列HA(第1ノズル列NA)の第1ヘッドHA1、HA2、HA3の微駆動波形の電圧振幅を同じとする。
このような制御を行うことによって、各ヘッドの駆動波形は図28のように分散される。図28は、例えば第1ヘッド列HA(第1ノズル列NA)の大滴駆動波形が、第2ヘッド列HB(第2ノズル列NB)の微駆動波形と重なった場合に、大滴駆動波形の傾き(電圧変化率)が所定の上限基準値以上の値であるため、本発明の第1駆動制御と第2駆動制御のタイミングが重なったと判定され、第1ヘッド列HA(第1ノズル列NA)の第1ヘッドHA1、HA2、HA3に印加される駆動波形が分散され、第2ヘッド列HB(第2ノズル列NB)の第2ヘッドHB1、HB2、HB3に印加される駆動波形が分散されるとともに、第2ヘッド列HB(第2ノズル列NB)の第2ヘッドHB1、HB2、HB3に印加される駆動波形の振幅が小さくされる様子を示す。その結果、第1ヘッド列HA(第1ノズル列NA)を駆動する際の駆動電流が時間的に分散され、第2ヘッド列HB(第2ノズル列NB)の第2ヘッドHB1、HB2、HB3に加えられるノイズが低減されるとともに、万一ノイズが加えられた場合にも微駆動波形の振幅を小さくしてあるために、予め決められた微駆動波形の振幅よりも大きくなることがない。従って、第2ヘッド列HB(第2ノズル列NB)の非吐出ノズルからインクが不正に吐出されることを防止することができる。
(第4の実施の形態の第2の変形例)
次に、図29を参照し、第4の実施の形態の第2の変形例について説明する。
次に、図29を参照し、第4の実施の形態の第2の変形例について説明する。
図29は、本変形例における第1ヘッド列及び第2ヘッド列を構成する各ヘッドに対して出力される各駆動波形のタイムチャートを示す図である。
本変形例においては、第4の実施の形態に係るインクジェット記録装置において、第1ヘッド列(第1ノズル列)の駆動波形の分散の必要可否の判定基準が異なることを特徴とする。
本変形例においては、判定手段が用いる判定基準として、第1の実施の形態の第2の変形例に示される式(5)、式(6)を用いる。
上記式(5)、式(6)の何れかの条件が満たされる場合には、第1の遅延時間TD1、第2の遅延時間TD2、第3の遅延時間TD3について異なる値を設定し、吐出タイミングの分散を行う。と同時に、本変形例においては、第2ヘッド列HBの第2ヘッドHB1、HB2、HB3の微駆動波形の電圧振幅を第1ヘッド列HAの微駆動波形の電圧振幅より小さくする。更に、第4の遅延時間TD4、第5の遅延時間TD5、第6の遅延時間TD6についても異なる値を設定し、吐出タイミングの分散をおこなう。
一方、式(5)、式(6)の何れの条件も満たさない場合は、第1の遅延時間TD1、第2の遅延時間TD2、第3の遅延時間TD3については同じ値とし、第2ヘッド列HBの第2ヘッドHB1、HB2、HB3の微駆動波形の電圧振幅と第1ヘッド列HAの微駆動波形の電圧振幅を同じとし、第4の遅延時間TD4、第5の遅延時間TD5、第6の遅延時間TD6については同じ値とし、吐出タイミングの分散を行わない。
このような制御を行うことによって、各ヘッドの駆動波形は図29のように分散される。図29は、例えば第1ヘッド列HA(第1ノズル列NA)の駆動波形の最大電圧変化率を有する駆動波形が、第2ヘッド列HB(第2ノズル列NB)の微駆動波形と重なった場合に、その最大電圧変化率が所定の上限基準値以上の値であるため、本発明の第1駆動制御と第2駆動制御のタイミングが重なったと判定され、第1ヘッド列HA(第1ノズル列NA)の第1ヘッドHA1、HA2、HA3に印加される駆動波形が分散されるとともに、第2ヘッド列HB(第2ノズル列NB)の第2ヘッドHB1、HB2、HB3の微駆動波形の電圧振幅が第1ノズル列の微駆動波形の電圧振幅より小さくされる様子を示す。その結果、第1ヘッド列HA(第1ノズル列NA)を駆動する際の駆動電流が時間的に分散され、第2ヘッド列HB(第2ノズル列NB)の第2ヘッドHB1、HB2、HB3に微駆動波形を印加する際に第1ヘッド列HA(第1ノズル列NA)から加えられるノイズが低減されるとともに、万一ノイズが加えられた場合にも微駆動波形の振幅を小さくしてあるために、予め決められた微駆動波形の振幅よりも大きくなることがない。従って、第2ヘッド列HB(第2ノズル列NB)の非吐出ノズルからインクが不正に吐出されることを防止できる。
なお、本変形例は、本発明における電圧変化率の上限基準値を電圧変化率の最大値とした場合に相当するが、電圧変化率の上限基準値は必ずしも電圧変化率の最大値である必要はなく、最大値以下の所定の値を上限基準値とする判定を行うこともできる。
以上、本発明の好ましい実施の形態について記述したが、本発明はかかる特定の実施の形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲内に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
4 キャリッジ
11 記録ヘッド
11k、11c、11m、11y ヘッド
22 記録媒体(用紙)
31 搬送ベルト
36 搬送モータ
200 制御部
207 ヘッド駆動制御部
208 ヘッドドライバ
NA 第1ノズル列
NB 第2ノズル列
HA 第1ヘッド列
HB 第2ヘッド列
HA1、HA2、HA3 第1ヘッド
HB1、HB2、HB3 第2ヘッド
11 記録ヘッド
11k、11c、11m、11y ヘッド
22 記録媒体(用紙)
31 搬送ベルト
36 搬送モータ
200 制御部
207 ヘッド駆動制御部
208 ヘッドドライバ
NA 第1ノズル列
NB 第2ノズル列
HA 第1ヘッド列
HB 第2ヘッド列
HA1、HA2、HA3 第1ヘッド
HB1、HB2、HB3 第2ヘッド
Claims (4)
- インク滴を吐出する第1ノズルが複数並んで形成された第1ヘッドを、前記第1ノズルの並びの方向に複数配列してなる第1ヘッド列と、該第1ヘッド列と平行に設けられ、インク滴を吐出する第2ノズルが複数並んで形成された第2ヘッドを、前記第2ノズルの並びの方向に複数配列してなる第2ヘッド列とを有するインクジェット記録装置において、
前記第1ヘッド列を構成する前記複数の前記第1ノズルの各々に対応して設けられ、インク滴の吐出を制御する複数の第1圧力発生手段、及び前記第2ヘッド列を構成する前記複数の前記第2ノズルの各々に対応して設けられ、インク滴の吐出を制御する複数の第2圧力発生手段に、複数の異なる予め定められた略三角波の何れか一つを含む電圧波形を印加して駆動制御を行う制御手段と、
前記制御手段が、前記第1ヘッド列を構成する前記複数の前記第1ノズルに対応する前記複数の前記第1圧力発生手段に、上限基準値以上の電圧変化率を有する略三角波を含む電圧波形を印加する第1駆動制御のタイミングと、前記制御手段が、前記第2ヘッド列を構成する前記複数の前記第2ノズルに対応する前記複数の前記第2圧力発生手段に、インク滴の増粘を防止するための微小な略三角波を含む微小電圧波形を印加する第2駆動制御のタイミングとが重なるかを予め判定する判定手段と
を有し、
前記制御手段は、前記判定手段が、前記第1駆動制御のタイミングと前記第2駆動制御のタイミングとが重なると予め判定した場合に、前記第1ヘッド列を構成する前記複数の前記第1ヘッドの各々に対して行う前記第1駆動制御のタイミングを異ならせることを特徴とするインクジェット記録装置。
- 前記制御手段は、前記判定手段が、前記第1駆動制御のタイミングと前記第2駆動制御のタイミングとが重なると予め判定した場合に、前記第2ヘッド列を構成する前記複数の前記第2ヘッドの各々に対して行う前記第2駆動制御のタイミングを異ならせることを特徴とする請求項1記載のインクジェット記録装置。
- 前記制御手段は、前記判定手段が、前記第1駆動制御のタイミングと前記第2駆動制御のタイミングとが重なると予め判定した場合に、前記第2ヘッド列を構成する前記複数の前記第2ノズルに対応する前記複数の前記第2圧力発生手段に印加する前記微小電圧波形が含む前記微小な略三角波の電圧変化率を、予め定められた電圧変化率より小さくすることを特徴とする請求項1又は2記載のインクジェット記録装置。
- 前記インク滴は、複数の異なるサイズの何れかのサイズを有し、
前記第1駆動制御は、前記複数の異なるサイズの中で最大のサイズのインク滴を吐出するために、前記上限基準値以上の電圧変化率を有する略三角波を含む電圧波形を印加することを特徴とする請求項1乃至3の何れか一項に記載のインクジェット記録装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2008217163A JP2010052186A (ja) | 2008-08-26 | 2008-08-26 | インクジェット記録装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2008217163A JP2010052186A (ja) | 2008-08-26 | 2008-08-26 | インクジェット記録装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2010052186A true JP2010052186A (ja) | 2010-03-11 |
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JP2008217163A Pending JP2010052186A (ja) | 2008-08-26 | 2008-08-26 | インクジェット記録装置 |
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2017177646A (ja) * | 2016-03-31 | 2017-10-05 | ブラザー工業株式会社 | 液体吐出装置 |
JP7478556B2 (ja) | 2020-03-04 | 2024-05-07 | 東芝テック株式会社 | 液体吐出装置 |
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2008
- 2008-08-26 JP JP2008217163A patent/JP2010052186A/ja active Pending
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