JP2000238262A - インクジェット記録装置 - Google Patents

インクジェット記録装置

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JP2000238262A
JP2000238262A JP4856499A JP4856499A JP2000238262A JP 2000238262 A JP2000238262 A JP 2000238262A JP 4856499 A JP4856499 A JP 4856499A JP 4856499 A JP4856499 A JP 4856499A JP 2000238262 A JP2000238262 A JP 2000238262A
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pressure generating
drive signal
waveform
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ink jet
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Noboru Tamura
登 田村
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Seiko Epson Corp
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  • Particle Formation And Scattering Control In Inkjet Printers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 駆動する圧力発生素子の数が変動しても、ノ
ズル開口からインクを安定に吐出することのできるイン
クジェット記録装置を提供すること。 【解決手段】 インクジェット記録装置1において、次
の記録サイクルにおいて、駆動する圧力発生素子17の
数を計数回路87によって計数し、その結果に対応する
パラメータをメモリ81から読みだして、波形生成回路
85は、次の記録サイクルにおいて、駆動する圧力発生
素子17の数が多い場合には、寄生インダクタンスの影
響等に起因する波形歪みを補正するような波形の駆動信
号COMを発生させる。従って、駆動する圧力発生素子
17の数が変動しても、圧力発生素子17には常に最適
な波形の駆動信号COMを印加できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、インクジェットプ
リンタあるいはインクジェットプロッタなどとして用い
られるインクジェット記録装置に関するものである。さ
らに詳しくは、インクジェット記録装置における圧力発
生素子の駆動技術に関するものである。
【0002】
【従来の技術】インクジェットプリンタやインクジェッ
トプロッタなどとして用いられるインクジェット記録装
置において、記録ヘッドでは、図4(A)に多数のアク
チュエータのうちの1つを抜き出して示すように、ノズ
ル開口111に対応する複数の圧力発生素子17がノズ
ル開口111に連通する圧力発生室113をそれぞれ収
縮させることによりノズル開口111からインク滴を吐
出する。このインクジェット記録装置では、このような
圧力発生素子17、圧力発生室113およびノズル開口
111の組み合わせが複数形成されているが、複数の圧
力発生素子17のうちのいずれの圧力発生素子17を駆
動していずれのノズル開口111からインク滴を吐出す
るかを制御することによって、記録用紙などといった媒
体に所定の画像を記録する。このような制御は、駆動信
号発生回路から出力された共通の駆動信号をいずれの圧
力発生素子17に印加すべきかによって行われる。ここ
で、共通の駆動信号を発生させる駆動信号発生回路は記
録装置本体の側に構成され、駆動信号は、フレキシブル
配線ケーブルなどを介して記録装置本体から記録ヘッド
に出力される。
【0003】このように構成したインクジェット記録装
置において、圧力発生素子17として圧電振動子を用い
た場合には、たとえば、図4(B)に示す波形の共通の
駆動信号COMが用いられる。この駆動信号COMにお
いて、充電パルス312が圧力発生素子17に印加され
ると、図4(A)示す圧力発生素子17は圧力発生室1
13の容積を膨張させる方に撓み、圧力発生室113に
負圧を発生させる。その結果、メニスカスはノズル開口
111から引っ込み、次に、放電パルス314を印加す
ると、圧力発生素子17は圧力発生室113の容積を収
縮させる方向に撓み、圧力発生室113に正圧が発生す
る。その結果、ノズル開口111からインク滴が吐出さ
れる。ここで、放電パルス312や放電パルス314の
傾きは、たとえば全ての圧力発生素子17を駆動する場
合などを基準にして、インク滴を最適条件で吐出するよ
うに設定されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】このように構成したイ
ンクジェット記録装置では、記録速度の向上と記録品位
の向上とが強く望まれており、このような要求に応える
ことを目的に、記録ヘッドに形成されるノズル開口の数
は増大する傾向にある。しかしながら、記録ヘッドに対
してノズル開口の数を増やせば増やすほど、駆動信号発
生回路が発生する駆動信号の波形をいくら最適化して
も、実際に圧力発生素子に印加されるときの駆動信号の
波形が歪んでしまい、表示の品位が低下するという問題
点がある。すなわち、記録装置本体から記録ヘッドに駆
動信号COMがフレキシブル配線基板などを介して出力
される際に、フレキシブル配線基板などがもつ寄生イン
ダクタンスや抵抗分が駆動信号COMの波形を歪ませ
る。従って、このような歪みを見込んで駆動信号COM
の波形を設定すればよいが、波形が歪む度合いが、実際
に駆動される圧力発生素子17の数によって変動するた
め、駆動信号COMを常時、最適な波形で圧力発生素子
17に印加することができないのが現状である。
【0005】また、一度に駆動される圧力発生素子17
の数が多いと、ノズルプレート110に大きな力が加わ
るために撓み、圧力発生素子17で発生した力が有効に
吐出に使われず、吐出量、吐出スピードが少なくなる傾
向にある。
【0006】そこで、本発明の課題は、駆動する圧力発
生素子の数が変動しても、ノズル開口からインクを安定
に吐出することのできるインクジェット記録装置を提供
することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本発明では、複数のノズル開口の各々に対応する複
数の圧力発生素子が前記ノズル開口に連通する圧力発生
室内のインクを加圧することにより前記ノズル開口から
インク滴を吐出する記録ヘッドと、前記複数の圧力発生
素子に印加すべき共通の駆動信号を発生させる駆動信号
発生手段と、画像データに基づいて前記複数の圧力発生
素子のいずれに前記駆動信号を印加して駆動するかを選
択する選択回路とを有するインクジェット記録装置にお
いて、前駆動信号発生手段は、前記複数の圧力発生素子
のうち前記共通信号を印加して駆動する圧力発生素子の
数を計数する計数手段と、該計数手段の計数結果に基づ
いて所定の波形の前記駆動信号を生成する波形生成手段
とを備えていることを特徴とする。
【0008】本発明において、前記駆動信号発生手段
は、たとえば、前記計数手段が計数した圧力発生素子の
数が多いときには少ないときに比較して、前記駆動信号
の電位が一定の状態から変化を開始する際における電位
変化が大きな波形の駆動信号を形成する。
【0009】インクジェット記録装置において、駆動信
号を印加して駆動する圧力発生素子の数が多い場合に
は、電流が大きい分、寄生インダクタンスの影響が大き
い。従って、駆動信号の電位が一定の状態から変化を開
始する際における電位変化が、最適な傾きよりも小さく
なってしまうなどの歪みが発生するとともに、数多くの
圧力発生素子を駆動する力によりノズルプレートが撓
み、インクへの力の伝達が悪くなる傾向にある。しかる
に本発明において、駆動信号発生手段は、駆動する圧力
発生素子の数が多い場合には、このような不具合を相殺
するような駆動信号を発生させる。このため、駆動する
圧力発生素子の数が変動しても、圧力発生素子には常に
最適な波形の駆動信号が印加される。それ故、どのよう
な画像を記録するときでも、インク滴が最適な状態で吐
出されるので、品位の高い記録を行うことができる。
【0010】本発明は、前記圧力発生素子として圧電振
動子を用いた場合に効果的である。すなわち、圧力発生
素子として圧電振動子を用いた場合には、駆動信号の波
形が多少、変動しただけでも、インク滴の重量が変動し
やすい傾向にあるが、このようなタイプのインクジェッ
ト記録装置に本発明を適用して駆動信号の波形を補正す
れば、実際に駆動する圧電振動子の数が変動してもイン
ク滴を安定して吐出することができる。
【0011】本発明において、前記波形生成手段は、た
とえば、前記計数手段が計数した圧力発生素子の数に対
応する各波形データを記憶しておく記憶手段と、前記計
数手段の計数結果に対応する波形データに基づいて演算
を行って所定のデジタル信号を生成する演算手段と、該
演算手段による演算結果をデジタル−アナログ変換して
前記駆動波形を生成するデジタル−アナログ変換手段と
を備えていることが好ましい。この場合に、前記波形デ
ータは、たとえば、前記波形生成手段が前記駆動信号と
して台形波状の駆動パルスを生成していく際の傾きを規
定するパラメータである。
【0012】また、本発明において、前記波形生成手段
は、前記計数手段が計数した圧力発生素子の数に対応す
る波形データを記憶しておく記憶手段と、前記計数手段
の計数結果に対応する波形データをデジタル−アナログ
変換して前記駆動波形を生成するデジタル−アナログ変
換手段とを備えている構成であってもよい。
【0013】本発明において、前記記憶手段は、前記計
数手段が計数した圧力発生素子の数を所定のランクに区
分けした各ランク毎の波形データを記憶していることが
好ましい。
【0014】本発明において、前記計数手段は、前記圧
力発生素子に前記駆動信号を印加するか否かを制御する
画像データに基づいて、前記共通信号を印加して駆動す
る圧力発生素子の数を計数することが好ましい。このよ
うに構成すると、次の記録サイクルにおいて、共通信号
を印加して駆動する圧力発生素子の数を容易に計数する
ことができる。
【0015】
【発明の実施の形態】図面を参照して、本発明を適用し
たインクジェット記録装置を説明する。なお、各実施の
形態を説明する前に、各形態で共通する構成について説
明し、しかる後に各形態の特徴部分を説明する。
【0016】(インクジェット記録装置の全体構成)図
1は、本発明を適用したインクジェット記録装置の構成
を示す斜視図である。図1において、本形態のインクジ
ェット記録装置1は、スキャナ(図示せず。)などとと
もにコンピュータ(図示せず。)に対して接続されて使
用される。このコンピュータには、所定のプログラムが
ロードされ、実行されることにより、これらの装置全体
が一体で記録装置として機能する。コンピュータでは、
所定のオペレーティングシステムの下でアプリケーショ
ンプログラムが動作し、スキャナから読み込んだ画像な
どに対して所定の処理を行いつつCRTディスプレイ
(図示せず。)に画像を表示する。また、コンピュータ
は、アプリケーションプログラムが印刷命令を発する
と、スキャナを介して読み込んだ画像データやキーボー
ドを介して入力された文字データなどをインクジェット
記録装置1が使用するデータに変換し、インクジェット
記録装置1に出力する。
【0017】インクジェット記録装置1では、キャリッ
ジ101がタイミングベルト102を介してキャリッジ
機構12のキャリッジモータ103に接続され、ガイド
部材104に案内されて記録用紙105(媒体)の紙幅
方向に往復動するように構成されている。インクジェッ
ト記録装置1には、紙送りローラ106を用いた紙送り
機構11も形成されている。キャリッジ101には記録
用紙105と対向する面、この図に示す例では下面にイ
ンクジェット式の記録ヘッド10が取り付けられてい
る。記録ヘッド10は、キャリッジ101の上部に載置
されているインクカートリッジ107からインクの補給
を受けてキャリッジ101の移動に合わせて記録用紙1
05にインク滴を吐出してドットを形成し、記録用紙1
05に画像や文字を印刷する。
【0018】また、インクジェット記録装置1の非印刷
領域(非記録領域)には、キャッピング装置108が構
成され、印刷の休止中に記録ヘッド10のノズル開口を
封止する。従って、印刷の休止中、インクから溶媒が飛
散することによってインクが増粘あるいはインク膜を形
成することを抑制することができる。それ故、印刷の休
止中にノズルに目詰まりが発生するのを防止できる。ま
た、キャッピング装置108は、印刷動作中に行われる
フラッシング動作による記録ヘッド10からのインク滴
を受ける。キャッピング装置108の近傍にはワイピン
グ装置109が配置され、このワイピング装置109
は、記録ヘッド10の表面をブレードなどでワイピング
することにより、そこに付着したインク滓や紙粉を拭き
取るように構成されている。
【0019】図2は、本形態のインクジェット記録装置
1の機能ブロック図である。
【0020】図2において、インクジェット記録装置1
には、プリントコントローラ40およびプリントエンジ
ン5を備える記録装置本体100と、記録ヘッド10と
から概略構成されている。プリントコントローラ40
は、コンピュータ(図示せず。)からの多値階層情報を
含む記録データなどを受信するインターフェース43
と、多値階層情報を含む記録データなどの各種データの
記憶を行うRAM44と、各種データ処理を行うための
ルーチンなどを記憶したROM45と、CPUなどから
なる制御部6と、発振回路47と、記録ヘッド10への
駆動信号COMを発生させる駆動信号発生回路8と、こ
の駆動信号発生回路8と、ドットパターンデータに展開
された印字データおよび駆動信号をプリントエンジン5
に送信するためのインターフェース49とを備えてい
る。
【0021】コンピュータ(図示せず。)などから送ら
れた多値階層情報を含む記録データはインターフェース
43を介して記録装置内部の受信バッファ44Aに保持
される。受信バッファ44Aに保持された記録データ
は、コマンド解析が行われてから中間バッファ44Bへ
送られる。中間バッファ44B内では、制御部6によっ
て中間コードに変換された中間形式としての記録データ
が保持され、各文字の印字位置、修飾の種類、大きさ、
フォントのアドレスなどが付加される処理が制御部6に
よって実行される。次に、制御部6は、中間バッファ4
4B内の記録データを解析し、後述するように階層デー
タをデコード化した後の2値化されたドットパターンデ
ータを出力バッファ44Cに展開し、記憶させる。
【0022】記録ヘッド10の1スキャン分に相当する
ドットパターンデータが得られると、このドットパター
ンデータは、インターフェース49およびフレキシブル
配線ケーブル140を介して記録ヘッド10にシリアル
転送される。出力バッファ44Cから1スキャン分に相
当するドットパターンデータが出力されると、中間バッ
ファ44Bの内容が消去されて、次の中間コード変換が
行われる。
【0023】プリントエンジン5は、前記の紙送り機構
11と、前記のキャリッジ機構12とを備えている。紙
送り機構11は、記録紙などの記録媒体を順次送り出し
て副走査を行うものであり、キャリッジ機構12は、記
録ヘッド10を主走査させるものである。
【0024】記録ヘッド10は、所定のタイミングで各
ノズル開口からインク滴を吐出させるものであり、駆動
信号発生回路8で生成された駆動信号COMは、インタ
ーフェース49およびフレキシブル配線ケーブル140
を介して記録ヘッド10に出力される。
【0025】記録ヘッド10は、副走査方向にたとえば
64個のノズルを有し、所定のタイミングで各ノズル開
口111からインク滴を吐出させるものである。プリン
トコントローラ40において、ドットパターンデータに
展開された記録データSIは、発振回路7からのクロッ
ク信号CLKに同期してインターフェース49およびフ
レキシブル配線ケーブル140を介して記録ヘッド10
にシリアル出力され、記録ヘッド10のシフトレジスタ
13にシリアル転送される。このシリアル転送された記
録データSIは、一旦、ラッチ回路14によってラッチ
される。ラッチされた記録データSIは、電圧増幅器で
あるレベルシフタ15によって、ノズル選択回路16
(ヘッド選択手段)を駆動できる電圧、たとえば数十ボ
ルト程度の所定の電圧にまで昇圧される。
【0026】所定の電圧まで昇圧された記録データはノ
ズル選択回路16に与えられる。ノズル選択回路16の
入力側には、駆動信号発生回路8からの駆動信号COM
が印加されており、ノズル選択回路16の出力側には、
圧力発生素子17としての圧電振動子が接続されてい
る。ここで、圧力発生素子17は、ノズル開口111に
対して1対1に関係をもってやはりノズル開口111と
同数(たとえば64個)形成されている。
【0027】ここで、記録データSIは、ノズル選択回
路16の動作を制御する。たとえば、ノズル選択回路1
6に加わる記録データSIが「1」である期間中は、駆
動信号COMが圧力発生素子17に印加され、この信号
に応じて圧力発生素子17は伸縮を行う。一方、ノズル
選択回路16に加わる記録データSIが「0」である期
間中は、圧力発生素子17への駆動信号COMの供給が
遮断される。
【0028】このように構成した記録ヘッド10の構成
を具体的に示したのが図3である。
【0029】この図3において、図2中のシフトレジス
タ回路13、ラッチ回路14、レベルシフタ15、ノズ
ル選択回路16および圧力発生素子17は、各々記録ヘ
ッド10の各ノズル開口111に対応した素子13A〜
13N、14A〜14N、15A〜15N、16A〜1
6N、17A〜17Nから構成されている。記録データ
SIは、全てのノズル開口111についての各桁のビッ
トデータが一記録周期内にシフトレジスタ13A〜13
Nにシリアル転送される。
【0030】そして、アナログスイッチとして構成され
るノズル選択回路16の各イッチ素子16A〜16Nに
加わるビットデータが「1」の場合は、駆動信号COM
が圧力発生素子17A〜17Nに直接印加され、各圧力
発生素子17A〜17Nは駆動信号の信号波形に応じて
変位する。その結果、記録ヘッド10では、圧力発生室
113が収縮し、圧力発生室113内のインクが加圧さ
れ、ノズル開口111からインク滴が吐出される。
【0031】これに対して、各スイッチ素子16A〜1
6Nに加わるビットデータが「0」の場合は、各圧力発
生素子17A〜17Nへの駆動信号が遮断され、各圧力
発生素子17A〜17Nは直前の電荷を保持したままで
ある。それ故、ノズル開口111からインク滴が吐出さ
れることはない (記録ヘッドの構成)図4(A)は、記録ヘッド10に
形成されたアクチュエータのうちの1つを拡大して示す
断面図である。
【0032】図4(A)において、記録ヘッド10で
は、ノズルプレート110にノズル開口111が形成さ
れ、流路形成板112には、圧力発生室113を区画す
る通孔、圧力発生室113に両側で連通する2つのイン
ク供給口114を区画する通孔あるいは溝、およびこれ
らのインク供給口114にそれぞれ連通する2つの共通
のインク室115を区画する通孔が形成されている。振
動板116は、弾性変形可能な薄板から形成され、ピエ
ゾ素子(圧電振動子)などの圧力発生素子の先端に当接
し、流路形成板112を挟んでノズルプレート110と
液密に一体に固定され、流路ユニット118を構成して
いる。
【0033】基台119には、圧力発生素子17を振動
可能に収容する収容室120と、流路ユニット118を
支持する開口121とが形成され、圧力発生素子17の
先端を開口121から露出させた状態で圧力発生素子1
7を固定基板122で固定している。また、基台119
は、振動板116のアイランド部116aを圧力発生素
子17に当接させた状態で流路ユニット118を開口1
21に固定して記録ヘッド10を纏めている。
【0034】(駆動信号の波形)図4(B)を参照し
て、駆動信号COMを構成する各パルスについて説明す
る。図4(B)において、圧力発生素子17を作動させ
るための駆動信号COMは、その電圧値が中間電位Vm
からスタートした後(ホールドパルス311)、時刻T
1から時刻T2まで最大電位VPSまで一定の傾きで上
昇し(充電パルス312)、時刻T2から時刻T3まで
最大電位VPSを所定時間だけ維持する(ホールドパル
ス313)。次に、時刻T3から時刻T4までの間に最
低電位VLSまで一定の傾きで下降した後(放電パルス
314)、時刻T4から時刻T5まで最低電位VLSを
所定時間だけ維持する(ホールドパルス315)。そし
て、時刻T5から時刻T6までに電圧値は中間電位Vm
まで一定の傾きで上昇する(充電パルス316)。
【0035】従って、図4(A)、(B)において、充
電パルス312が圧力発生素子17に印加されると、圧
力発生素子17は圧力発生室113の容積を膨張させる
方に撓み、圧力発生室113に負圧を発生させる。その
結果、メニスカスはノズル開口111から引っ込み、次
に、放電パルス314を印加すると、圧力発生素子17
は圧力発生室113の容積を収縮させる方向に撓み、圧
力発生室113に正圧が発生する。その結果、ノズル開
口111からインク滴が吐出される。そして、ホールド
パルス315が印加された後、充電パルス316を印加
してメニスカスの振動を抑える。
【0036】[実施の形態1] (駆動信号発生回路6の構成)図5は、このような駆動
信号COMを生成するための駆動信号発生回路8の構成
を示すブロック図である。図6(A)、(B)はそれぞ
れ、図5に示す駆動信号発生回路に用いた第1のラッチ
の説明図、および第2のラッチの説明図である。図7
は、図5に示す駆動信号発生回路に用いたメモリの説明
図である。図8は、図5に示す駆動信号発生回路に対し
て制御部から出力される傾き選択信号および傾き切り換
え信号の説明図である。図9は、図5に示す駆動信号発
生回路で駆動信号を生成していく過程を示すタイミング
チャートである。
【0037】図5において、駆動信号発生回路8(駆動
信号発生手段)は、後述する計数回路87(計数手段)
と、所定の波形の駆動信号COMを生成する波形生成回
路85(波形生成手段)とから概略構成されている。波
形生成回路85は、駆動信号COMの波形を決定するパ
ラメータが格納されているメモリ81(記憶手段)と、
このメモリ81に格納されているパラメータに基づいて
演算を行って波形を規定するデジタルデータを出力する
演算部80と、この演算部80から出力された8ビット
のデジタルデータをアナログ信号に変換するD/Aコン
バータ86(デジタル−アナログ変換手段)と、このD
/Aコンバータ86によって変換されたアナログ信号を
駆動信号COMの電圧まで増幅する電圧増幅部88と、
この電圧増幅部88から出力される駆動信号COMに対
する電流増幅器89とから概略構成されている。
【0038】ここで、演算部80は、メモリ81から所
定のパラメータを読み出して一時的に保持する第1のラ
ッチ82と、この第1のラッチ82の出力ともう一つの
第2のラッチ84の出力とを加算する加算器83とから
概略構成されている。
【0039】この演算部80において、第1のラッチ8
2は、駆動信号COMの傾きを格納するラッチで、具体
的には8ビットのD/Aコンバータ86の入力データ
を、1クロックの間に増加させる値を格納している。た
とえば、図9に示す波形において、時刻T1でD/Aコ
ンバータ86の入力値がD1、T2ではD2であると
し、また、クロックの周期がΔTであるとすると、N=
(T2−T1)/ΔTに相当する数のクロックが時刻T
1から時刻T2までの間に発生し、(D2−D1)/N
に相当する値が傾きとして第1のラッチ82に格納され
る。これは一般的には割りきれないが、図6(A)に示
すように、整数部5ビットと小数部4ビットというよう
に格納する。また、上位1ビットは正負の符号である。
【0040】第2のラッチ84は、D/Aコンバータ8
6への出力データを格納しており、図6(B)に示すと
おり、全12ビットのうち、下位4ビットが小数部であ
り、上位8ビットのみがD/Aコンバータ86に出力さ
れる。下位4ビットは、第1のラッチ82の下位4ビッ
トと加算器83で加算演算される。また、パルスの1周
期の初めと終わりのD/Aコンバータ86のデータが等
しくないとならないが、これは第2のラッチ84の上位
8ビットが初めと終わりで等しければよく、下位4ビッ
トは異なっていても構わない。但し、下位4ビット部分
が初めと終わりで異なると、パルスを繰り返していくう
ちに、繰り上がりが生じ、上位8ビットを変化させるた
め、毎回パルスを開始する前にFLOOR信号を与え、
下位4ビットのみをクリアすることにより、この不具合
を解消する。
【0041】メモリ81は、駆動信号の波形を決める所
定のパラメータを記憶しておくものであり、本形態で
は、図4(B)を参照して説明した駆動信号COMを生
成するにあたって、各期間における電位の傾きが記憶さ
れている。すなわち、図7に示すように、メモリ80
は、後述する計数回路87での計数結果87に基づいて
選択される4つのブロック811、812、813、8
14に分けられており、各ブロック811、812、8
13、814毎のアドレスA0〜A3には、計数回路8
7での計数結果87に対応するパラメータ(電位の傾
き)が格納されている。
【0042】ここで、4つのブロック811〜814の
うち、第1のブロック811は、次の記録サイクルにお
いて、共通信号COMを印加して駆動する圧力発生素子
17の数を計数回路87によって計数したときの値が0
個〜16個のときに用いられる。第2のブロック812
は、次の記録サイクルにおいて、共通信号COMを印加
して駆動する圧力発生素子17の数を計数回路87によ
って計数したときの値が17個〜32個のときに用いら
れる。第3のブロック813は、次の記録サイクルにお
いて、共通信号COMを印加して駆動する圧力発生素子
17の数を計数回路87によって計数したときの値が3
3個〜48個のときに用いられる。第4のブロック81
4は、次の記録サイクルにおいて、共通信号COMを印
加して駆動する圧力発生素子17の数を計数回路87に
よって計数したときの値が49個〜64個のときに用い
られる。
【0043】なお、図7には、各ブロック811〜81
4の各アドレスA0〜A3に格納されているパラメータ
として、各ブロック間でのパラメータの違いを表す数値
を便宜的に表してあるが、これらの各数値は、駆動信号
COMの波形において、時刻T1から時刻T2までの期
間における電位の傾き、および時刻T3から時刻T4ま
での期間における電位の傾きをそれぞれ規定するアドレ
スA1、A2に格納されているパラメータ(傾き)の絶
対値がブロック811、812、813、814の順に
大きくなっていることを表している。
【0044】また、図5に示すように、制御部6から
は、メモリ80のいずれのブロック811、812、8
13、814を用いるかが選択された以降、いずれのア
ドレスA0〜A3に格納されているパラメータ(電位の
傾き)を使用するかを指定する傾き選択信号91がメモ
リ81に出力されるとともに、傾き切り換え信号92が
ラッチ1に出力される。このような信号は、図8に示す
条件に設定されている。
【0045】この図8に示すデータは、駆動波形COM
を生成するにあたって、メモリ81の各アドレスに格納
されているパラメータ(図7参照)のうち、アドレスA
0、A1、A0、A2、A0、A3、A0に格納されて
いるパラメータをこの順で用いることを規定している。
また、制御部6は、これらの各パラメータを用いて波形
を生成する期間をクロック数で規定して駆動信号COM
の電位の傾きを切り換えるタイミングを制御する傾き切
り換え信号92を駆動信号発生回路8に出力する。この
クロック数は、メモリ81のいずれのブロックを選択し
た場合でも一定である。このため、本形態では、メモリ
81のいずれのブロックに格納されているパラメータを
用いた場合でも、駆動信号COMにおいて傾きが変化す
るが、各パルスの時間幅は一定である。図8には、傾き
を切り換えるタイミングを規定するクロック数が一定で
あることを便宜的な数値で表してある。
【0046】従って、図5に示す駆動信号発生回路8に
おいて、最初のクロック信号により、メモリ8の所定の
アドレスに記憶されているパラメータ(電位の傾き)が
第1のラッチ82により保持された以降、次にクロック
信号が出力されると、第2のラッチ84の出力に第1の
ラッチ82の出力が加算された値が、第2のラッチ84
に保持される。このため、メモリ81のアドレスA0〜
A3に対応した傾きが選択されると、その後、クロック
信号を受けるたびに、第2のラッチ84の出力は、その
傾きに従って増減する。ここで、傾きは、図9に示す駆
動信号COMにおいて、単位時間ΔT当たりの電圧ΔV
だけ電圧を上昇させたことに対応した値となっている。
なお、増加か減少かは、各アドレスA0〜A3に格納さ
れたデータの符号により決定される。
【0047】図9に示した例では、メモリ81のアドレ
スA0には、傾きΔV0として値0、すなわち、電圧を
維持する場合の値が格納されている。従って、時刻T
0、T2、T4、T6においてクロック信号によりアド
レスA0が有効となると、駆動信号COMの波形は、時
刻T0から時刻T1までの間、時刻T2から時刻T3ま
での間、時刻T4から時刻T5までの間、時刻T6以
降、増減のないフラットな状態に保たれる。
【0048】また、メモリ81のアドレスA1には、傾
きΔV1として正の値が格納されているので、時刻T1
においてアドレスA1が有効となると、駆動信号COM
の波形は、時刻T1から時刻T2までの間、単位時間Δ
T当たり電圧をΔV1だけ上昇する。また、メモリ81
のアドレスA2には、傾きΔV2として負の値が格納さ
れているので、時刻T3においてアドレスA2が有効と
なると、駆動信号COMの波形は、時刻T3から時刻T
4までの間、単位時間ΔT当たり電圧をΔV2だけ下降
する。また、メモリ81のアドレスA3には、傾きΔV
3として正の値が格納されているので、時刻T5におい
てアドレスA3が有効となると、駆動信号COMの波形
は、時刻T5から時刻T6までの間、単位時間ΔT当た
りの電圧をΔV3だけ上昇する。
【0049】それ故、メモリ81の各アドレスに格納さ
れている傾きを所定の値に設定しておけば、駆動信号C
OMを任意の波形で生成することができ、図7に示すよ
うに、各アドレス毎に異なるパラメータが格納された4
つのブロック811、812、813、814を構成し
ておけば、いずれのブロックを選択するかによって、生
成する駆動信号COMの波形を選択できることになる。
すなわち、以下に説明するように、記録ヘッド10にお
いて、駆動する圧力発生素子17の数に応じて、いずれ
のブロックを選択するかによって、駆動する圧力発生素
子17の数に応じた波形を形成できることになる。
【0050】そこで、本形態では、計数回路87によっ
て、複数の圧力発生素子17のうち、次の記録サイクル
において共通信号COMを印加して駆動する圧力発生素
子17の数を計数し、この計数結果によって、いずれの
ブロックに格納されているパラメータを使用するかを選
択する。このような計数回路87は、たとえば、図10
に示すように構成することができる。この計数回路87
では、記録ヘッド10に対してシリアル出力される画像
データSIに基づいて計数する。すなわち、計数回路8
7において、転送クロック信号に同期して画像データS
Iが「1」か「0」を判定し、この判定によって、
「1」が出力される回数をカウンタ871(図5参照)
で計数する。
【0051】このように構成したインクジェット記録装
置1において、計数回路87の計数結果において、駆動
信号COMを印加して駆動する圧力発生素子17の数が
0個〜16個の場合には、図7に示すブロック811を
使用し、このブロック811の各アドレスA0〜A3に
格納されているパラメータ(傾き)に基づいて駆動信号
COMを生成する。ここで、第1のブロック811のア
ドレスA1、A2に格納されているパラメータ(傾き)
は、他のブロック812〜814の各アドレスA1、A
2に格納されているパラメータ(傾き)と比較して絶対
値が最も小さな値に設定されている。
【0052】従って、このブロック811の各アドレス
A0〜A3に格納されているパラメータ(傾き)を用い
て生成した駆動信号COMの波形は、図11に駆動信号
COM1として示すように、他のブロック812〜81
4の各アドレスA0〜A3に格納されているパラメータ
(傾き)を用いて生成した駆動信号COM2(駆動信号
COMを印加して駆動する圧力発生素子17の数が17
個〜32個の場合の駆動信号)、COM3(駆動信号C
OMを印加して駆動する圧力発生素子17の数が33個
〜48個の場合の駆動信号)、COM4(駆動信号CO
Mを印加して駆動する圧力発生素子17の数が49個〜
64個の場合の駆動信号)と比較して、各パルスの時間
幅はそれぞれ同一であるが、時刻T1から時刻T2まで
の期間における電位の傾き、および時刻T3から時刻T
4までの期間における電位の傾きが小さい。
【0053】また、各ブロック811、812、81
3、814の各アドレスA0〜A3に格納されているパ
ラメータ(傾き)を用いて生成した駆動信号COM1、
COM2、COM3、COM4の波形において、時刻T
1から時刻T2までの期間における電位の傾き、および
時刻T3から時刻T4までの期間における電位の傾き
は、この順に大きくなっている。すなわち、本形態で
は、計数回路87の計数結果において、駆動信号COM
を印加して駆動する圧力発生素子17の数が多い程、駆
動信号発生回路8は、時刻T1から時刻T2までの期間
における電位の傾き、および時刻T3から時刻T4まで
の期間における電位の傾きが大きな駆動信号COMを発
生させる。
【0054】従って、本形態のインクジェット記録装置
1において、駆動信号COMを印加して駆動する圧力発
生素子17の数が多い場合には、電流が大きい分、寄生
インピーダンスの影響が大きいことに起因して駆動信号
COMの電位が一定の状態から変化を開始する際におけ
る電位に変化があっても、また、数多くの圧力発生素子
17を駆動する力によりノズルプレートが撓み、インク
への力の伝達が悪くなっても、それらを相殺するよう
に、駆動信号発生回路8から出力される駆動信号COM
の波形を予め、補正してある。このため、本形態のイン
クジェット記録装置1によれば、駆動する圧力発生素子
17の数が変動しても、圧力発生素子17には常に最適
な波形の駆動信号COMが印加される。それ故、どのよ
うな画像を記録するときでも、インク滴が最適な状態で
吐出されるので、品位の高い記録を行うことができる。
【0055】特に本形態のインクジェット記録装置1の
ように、圧力発生素子17として圧電振動子を用いた場
合には、駆動信号COMの波形が多少、変動しただけで
も、インク滴の重量が変動しやすい傾向にあるが、本形
態のように、駆動信号COMの波形を補正すれば、実際
に駆動する圧力発生素子17(圧電振動子)の数が変動
してもインク滴を安定して吐出させることができるとい
う点で効果的である。
【0056】さらに、本形態において、計数回路87
は、圧力発生素子17に駆動信号COMを印加するか否
かを制御する画像データSIに基づいて、共通信号CO
Mを印加して駆動する圧力発生素子17の数を計数する
ので、比較的簡単な回路構成で、次の記録サイクルにお
いて、駆動する圧力発生素子17の数を計数することが
できる。
【0057】[実施の形態2] (駆動信号発生回路6の構成)図12は、本形態のイン
クジェット記録装置における駆動信号発生回路8の構成
を示すブロック図である。図13は、この駆動信号発生
回路で用いた波形データの説明図である。
【0058】図12において、本形態の駆動信号発生回
路8(駆動信号発生手段)は、実施の形態1で説明した
構成の計数回路87(計数手段)と、所定の波形の駆動
信号COMを生成する波形生成回路85A(波形生成手
段)とから概略構成されている。本形態において、波形
生成回路85Aは、駆動信号COMの波形を決定する波
形データが格納されているメモリ81A(記憶手段)
と、このメモリ81Aに格納されている波形データをア
ナログ信号に変換するD/Aコンバータ86(デジタル
−アナログ変換手段)と、このD/Aコンバータ86に
よって変換されたアナログ信号を駆動信号COMの電圧
まで増幅する電圧増幅部88と、この電圧増幅部88か
ら出力される駆動信号COMに対する電流増幅器89と
から概略構成されている。
【0059】本形態において、メモリ81Aは、駆動信
号の波形を決める波形データを記憶しておくものであ
り、D/Aコンバータ86の入力データが時系列で記憶
されている。また、メモリ81Aは、計数回路87での
計数結果87に基づいて選択される4つのブロック81
1、812、813、814に分けられており、各ブロ
ック811、812、813、814毎の各アドレスに
は、計数回路87での計数結果87に対応する波形デー
タが格納されている。ここで、4つのブロック811〜
814のうち、第1のブロック811は、次の記録サイ
クルにおいて、共通信号COMを印加して駆動する圧力
発生素子17の数を計数回路87によって計数したとき
の値が0個〜16個のときに用いられる。
【0060】第2のブロック812は、次の記録サイク
ルにおいて、共通信号COMを印加して駆動する圧力発
生素子17の数を計数回路87によって計数したときの
値が17個〜32個のときに用いられる。第3のブロッ
ク813は、次の記録サイクルにおいて、共通信号CO
Mを印加して駆動する圧力発生素子17の数を計数回路
87によって計数したときの値が33個〜48個のとき
に用いられる。第4のブロック814は、次の記録サイ
クルにおいて、共通信号COMを印加して駆動する圧力
発生素子17の数を計数回路87によって計数したとき
の値が49個〜64個のときに用いられる。
【0061】本形態においては、図13に示すように、
波形の出力を開始するまでカウンタ800のCLRがア
クティブであり、カウンタ800は”0”を出力してい
て、この値は、メモリのアドレスに接続されているが、
メモリ81Aのこのアドレスには、パルス開始前および
パルス終了後のD/Aコンバータ86の入力データを格
納しておく。CLRがインアクティブになると、カウン
タ800は計数を開始し、メモリ81Aのアドレスもイ
ンクリメントされ、続いてD/Aコンバータ86の入力
データも変化し、D/Aコンバータ86はこの入力デー
タをラッチし出力電位も変化する。このサイクルを繰り
返し、1パルスを出力し終えたら、カウンタ800をク
リアし、次のパルスのために待機する。
【0062】これらいずれのブロックに格納されている
波形データも、基本的には略同様な波形を生成するため
のデータであるが、図13に示すように、第1ないし第
4のブロック811、812、813、814のいずれ
のブロックに格納されているデータを用いるかによっ
て、駆動波形を選択できる。従って、たとえば、図14
に示すように、同時に駆動する圧力発生素子17の数が
多いほど、一定状態から電位が変化する際の傾きが急に
なるような波形の駆動信号COM1、COM2、COM
3、COM4を生成することができる。
【0063】従って、インクジェット記録装置1におい
て、駆動信号COMを印加して駆動する圧力発生素子1
7の数が多い場合には、電流が大きい分、寄生インピー
ダンスの影響が大きいことに起因して駆動信号COMの
電位が一定の状態から変化を開始する際における電位に
変化があっても、また、数多くの圧力発生素子17を駆
動する力によりノズルプレートが撓み、インクへの力の
伝達が悪くなっても、それらを相殺するように、駆動信
号発生回路8から出力される駆動信号を、図14に示す
波形の駆動信号COM4とするように、予め、補正する
ことができる。このため、本形態のインクジェット記録
装置1によれば、駆動する圧力発生素子17の数が変動
しても、圧力発生素子17には常に最適な波形の駆動信
号COMが印加される。それ故、どのような画像を記録
するときでも、インク滴が最適な状態で吐出されるの
で、品位の高い記録を行うことができる。
【0064】なお、本実施例においては、直線的でない
微妙な変化をする波形も生成できるので、ノズルの数の
変化により適正な波形を生成することができる。
【0065】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係るイン
クジェット記録装置では、駆動信号発生手段は、計数手
段が計数した圧力発生素子の数が多いときには少ないと
きに比較して電位が一定の状態から変化を開始する際に
おける電位変化が大きな波形の駆動信号を形成する。従
って、駆動信号を印加して駆動する圧力発生素子の数が
多い場合には、電流が大きい分、寄生インピーダンスの
影響が大きいことに起因して駆動信号の電位が一定の状
態から変化を開始する際における電位に変化があって
も、また、数多くの圧力発生素子を駆動する力によりノ
ズルプレートが撓み、インクへの力の伝達が悪くなって
も、それらを相殺するように、駆動信号発生回路から出
力される駆動信号の波形を予め、補正しておく。それ
故、どのような画像を記録するときでも、インク滴が最
適な状態で吐出されるので、品位の高い記録を行うこと
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】インクジェット記録装置の要部を示す斜視図で
ある。
【図2】本発明を適用したインクジェット記録装置のブ
ロック図である。
【図3】図2に示すインクジェット記録装置におけるシ
フトレジスタ、ラッチ、レベルシフタ、選択回路の等価
回路図である。
【図4】(A)、(B)はそれぞれ、図2に示すインク
ジェット記録装置の記録ヘッドに形成されているアクチ
ュエータの断面図、およびこのアクチュエータに用いた
圧力発生素子に印加される駆動信号の波形図である。
【図5】本発明の実施の形態1に係るインクジェット記
録装置に形成した駆動信号発生回路のブロック図であ
る。
【図6】(A)、(B)はそれぞれ、図5に示す駆動信
号発生回路に用いた第1のラッチの説明図、および第2
のラッチの説明図である。
【図7】図5に示す駆動信号発生回路に用いたメモリの
説明図である。
【図8】図5に示す駆動信号発生回路に対して制御部か
ら出力される傾き選択信号および傾き切り換え信号の説
明図である。
【図9】図5に示す駆動信号発生回路で駆動信号を生成
していく過程を示すタイミングチャートである。
【図10】図5に示す駆動信号発生回路に形成した計数
回路の説明図である。
【図11】図5に示す駆動信号発生回路で生成される各
駆動信号の典型例を示す波形図である。
【図12】本発明の実施の形態2に係るインクジェット
記録装置に形成した駆動信号発生回路のブロック図であ
る。
【図13】図12に示す駆動信号発生回路で扱う波形デ
ータの説明図である。
【図14】図12に示す駆動信号発生回路で実際に生成
される各駆動信号の波形図である。
【符号の説明】
1 インクジェット記録装置 5 プリントエンジン 6 制御部 8 駆動信号発生回路 10 記録ヘッド 17 圧力発生素子 80 演算部 81 メモリ(記憶手段) 82、84 ラッチ 83 加算器 85 波形生成回路 86 D/Aコンバータ(デジタル−アナログ変換手
段) 87 計数回路 88 電圧増幅部 89 電流増幅器 91 傾き選択信号 92 傾き切り換え信号 100 記録装置本体 111 ノズル開口 113 圧力発生室 COM 駆動信号 SI 画像データ

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数のノズル開口の各々に対応する複数
    の圧力発生素子が前記ノズル開口に連通する圧力発生室
    内のインクを加圧することにより前記ノズル開口からイ
    ンク滴を吐出する記録ヘッドと、前記複数の圧力発生素
    子に印加すべき共通の駆動信号を発生させる駆動信号発
    生手段と、画像データに基づいて前記複数の圧力発生素
    子のいずれに前記駆動信号を印加して駆動するかを選択
    する選択回路とを有するインクジェット記録装置におい
    て、 前記駆動信号発生手段は、前記複数の圧力発生素子のう
    ち前記共通信号を印加して駆動する圧力発生素子の数を
    計数する計数手段と、該計数手段の計数結果に基づい
    て、該計数結果に対応する波形の前記駆動信号を生成す
    る波形生成手段とを備えていることを特徴とするインク
    ジェット記録装置。
  2. 【請求項2】 請求項1において、前記駆動信号発生手
    段は、前記計数手段が計数した圧力発生素子の数が多い
    ときには少ないときに比較して、前記駆動信号の電位が
    一定の状態から変化を開始する際における電位変化が大
    きな波形の駆動信号を形成することを特徴とするインク
    ジェット記録装置。
  3. 【請求項3】 請求項1または2において、前記圧力発
    生素子は、圧電振動子であることを特徴とするインクジ
    ェット記録装置。
  4. 【請求項4】 請求項1ないし3のいずれかにおいて、
    前記波形生成手段は、前記計数手段が計数した圧力発生
    素子の数に対応する波形データを記憶しておく記憶手段
    と、前記計数手段の計数結果に対応する波形データに基
    づいて演算を行って所定のデジタル信号を生成する演算
    手段と、該演算手段による演算結果をデジタル−アナロ
    グ変換して前記駆動波形を生成するデジタル−アナログ
    変換手段とを備えていることを特徴とするインクジェッ
    ト記録装置。
  5. 【請求項5】 請求項4において、前記波形データは、
    前記波形生成手段が前記駆動信号として台形波状の駆動
    パルスを生成していく際の傾きを規定するパラメータで
    あることを特徴とするインクジェット記録装置。
  6. 【請求項6】 請求項1ないし3のいずれかにおいて、
    前記波形生成手段は、前記計数手段が計数した圧力発生
    素子の数に対応する波形データを記憶しておく記憶手段
    と、前記計数手段の計数結果に対応する波形データをデ
    ジタル−アナログ変換して前記駆動波形を生成するデジ
    タル−アナログ変換手段とを備えていることを特徴とす
    るインクジェット記録装置。
  7. 【請求項7】 請求項4ないし6のいずれかにおいて、
    前記記憶手段は、前記計数手段が計数した圧力発生素子
    の数を所定のランクに区分けした各ランク毎の波形デー
    タを記憶していることを特徴とするインクジェット記録
    装置。
  8. 【請求項8】 請求項1ないし7のいずれかにおいて、
    前記計数手段は、画像データに基づいて、前記共通信号
    を印加して駆動する圧力発生素子の数を計数することを
    特徴とするインクジェット記録装置。
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