JP4894662B2 - 車両用サスペンションアーム - Google Patents
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Description
そして、そのカラーに設けた凸部の端面を、上記アームの軸方向端部の端面に対し突き合わせ溶接にて接合する。若しくは、上記凸部をアームの端部内に同軸に挿入して溶接接合する。
本発明は、上記のような点に着目したもので、アームの端部に要求される強度を、簡易かつ軽量な構造で確保することを課題としている。
また、傾斜部の低位側端部に連続する先端部を、連結部と同じように下向きに傾斜させないことで、傾斜部の幅方向端部を壁面部に接合する際の溶接の溶材や接着剤が、当該傾斜部の傾斜に沿って流れる際の溜まり部を傾斜部と先端部との境界部分に形成される。この結果、溶材や接着剤が、流れ落ちにくくなる。
なお、本実施形態では、車両用サスペンションアームとして、図1のように、直線状に延在し両端部がそれぞれアームの端部を構成する棒状のサスペンションリンクの場合を例にあげて説明する。
(構成)
本実施形態のサスペンションアーム1は、図1〜図4に示すように、軸S方向に沿って、上方に開口4aした断面コ字状の開断面構造となっている。すなわち、サスペンションアーム1は、軸S方向に沿って延在すると共に、軸S方向からみて横方向つまり左右方向で対向配置する左右一対の壁面部2,3を有する。さらに、上記軸S方向に延在すると共に上記一対の壁面部2,3の下端部間を連結する底面部4を備える。なお、上記アームは、例えば一枚の板材を折り曲げ加工して上記形状とする。
また、各壁面部2,3の上部は、外方に折り曲げられて外向きフランジ2a、3aを形成している。ただし、サスペンションアーム1の端部5の先端部側では、各壁面部2,3の上部は、折り曲げておらず、壁面部2,3端面における、カラー6周面への接合面積を確保している。なお、壁面部2,3の端面2b、3bは、側面視において、カラー6の周面に倣った円弧状となっている。
その補強板13は、アーム1の方向に延在する一枚の板部材から構成されるが、延在方向に沿って三つの部分に区分できる。つまり、補強板13は、カラー6側から、近端部10、傾斜部11、及び遠端部12に区分けされる。
ここで、上記近端部10は、カラー6の周面に近接配置されるが、当該カラー6に接合していない。
遠端部12は、上記傾斜部11の低位側端部に連続して、カラー6から離れる方向に延在している。遠端部12は、アーム1の軸Sの高さよりも低い位置で、底面部4と平行に配置されている。
また、底面部4には、アーム1の軸S方向で、遠端部12の先端と重なる位置に、開口4aが形成されている。
そして、上記構成のサスペンションアームは、アーム1の端部5に設けた各カラー6が、ブッシュ7及びブラケットを介して、アクスルなどの車輪支持部材8や車体側部材9に連結する。
ここで、カラー6は連結部を構成する。遠端部12は、補強板13の先端部を構成する。底面部4は、連結面部を構成する。遠端部12を2つの自由端部14,15とすること、及び、自由端部14,15におけるカラー6から離れる方向につれて幅が狭くなる形状は、応力緩和手段を構成する。
(1)サスペンションアーム1は、アクスルなどの車輪支持部材8と車体側部材9とを揺動可能な状態で連結し、軸S方向に圧縮、引張、及びねじり入力を受けつつ、車輪を保持する機能を持つ。
そして、補強板13を設けることで、上記サスペンションアーム1に対する入力を効率良く受け止める事が出来ている。
すなわち、アーム1の端部5に補強板13を配置することで、アーム1の端部5の強度が高くなる。このため、長手方向中央部の強度を確保するように、断面コ字状のアーム1の断面形状を設計すればよい。
このとき、補強板13をアーム1の軸Sに沿って延在させると共に当該軸Sに対して傾いた傾斜部11を設けることで、曲げ、ねじりの応力に対し、その分だけ強度が向上する。
このように、応力が集中するアーム1の端部5に傾斜部11を延在させることにより、簡易な構造で、必要な剛性を確保することができる。
このとき、本実施形態では、傾斜部11に連続して底面部4と平行に延在する遠端部12を設けることで、傾斜部11の傾斜に沿って流れる際の溜まり部17が、傾斜部11と先端部との連結部分に形成される。
ここで、傾斜部11と壁面部2,3との間に所要量の溶材または接着剤を付着出来ないときは、接合強度が不足するおそれがあるという課題が発生する。
このとき、遠端部12を切欠き部16で左右の自由端部14,15に分けることで、長手方向を軸Sとしたねじり入力に対する左右の自由端部14,15間の変形可能な量が増大して、遠端部12で発生する反力を小さくすることができる。この結果、その分、遠端部12での応力集中が緩和する。応力集中を緩和する分、補強板13が壁面部2,3から剥がれにくくなる。
(6)補強板13のカラー6側の端部である近端部10の先端部にも応力集中が発生するが、近端部10の端面をカラー6から縁切りしているので、その分だけ、近端部10の先端部における応力集中を緩和することが可能となる。
(8)また、アーム1を上方が開口4aした断面コ字状の開口4a断面の場合に、底面部4から上下に離して補強板13の近端部10を配置することで、近端部10位置の断面二次係数が大きくなる分、アーム1の端部5の強度が向上する。
(1)上記実施形態では、サスペンションアーム1として、上方に開放した断面コ字状の断面構造を例示したが、下方に開放した断面コ字状の断面構造に対して、上記補強板13を採用しても構わない。
(2)また、上記実施形態では、棒状のサスペンションリンクからサスペンションアーム1が構成される場合を例示しているが、これに限定されない。例えば、車体側取付け点が2つあるサスペンションアーム1であっても適用可能である。すなわち、アーム1から、車体側に向けて2箇所、取付け用の端部が延在するような構成であっても、その2つの端部のうち、少なくとも入力が大きい方の端部に対し、上記構成の補強板13を採用すれば良い。
(3)なお、遠端部12を構成する自由端部14,15は、壁面部2,3に接合されなくても良い。
2,3 壁面部
4 底面部
4a 開口
5 アームの端部
6 カラー
8 車輪支持部材
9 車体側部材
10 近端部
11 傾斜部
12 遠端部(先端部)
13 補強板
14,15 自由端部
16 切欠き部
17 溜まり部
S 端部の軸
Claims (7)
- 軸方向に沿って延びるアームの端部に対し、車輪を回転自在に支持する車輪支持部材若しくは車体側部材を連結する連結部が固定され、その連結部と連結するアームの端部は、上記端部の軸方向に延在すると共に左右方向で対向配置する一対の壁面部と、上記軸方向に延在すると共に上記一対の壁面部間を連結する連結面部と、を備える車両用サスペンションアームにおいて、
上記一対の壁面部間において上記軸方向に沿って連結部から離れる方向に延在すると共に、幅方向両端部をそれぞれ対向する壁面部に接合する補強板を備え、
その補強板は、延在方向に沿って、上記軸方向に対し連結部から離れるほど下方に向かうように傾斜した傾斜部と、その傾斜部に連続する先端部とを備え、先端部における上記傾斜部と連続する部分は、上記軸方向と平行若しくは上記軸方向に対し連結部から離れるほど上方に向かうように傾斜して延在することを特徴とする車両用サスペンションアーム。 - 上記補強板の少なくとも先端部は、幅方向中央部に切欠き部が形成されて二股状の左右の自由端部から構成されることを特徴とする請求項1に記載した車両用サスペンションアーム。
- 上記各自由端部は、連結部から離れる方向につれて幅が狭くなることを特徴とする請求項2に記載した車両用サスペンションアーム。
- 上記連結面部には、上記軸方向で先端部の配置位置と重なる位置に開口を形成したことを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載した車両用サスペンションアーム。
- 上記アームの端部は、一対の壁面部と連結面部とで、上方に開口した開断面構造となっていることを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載した車両用サスペンションアーム。
- サスペンションアームの端部に対し、その端部の軸方向に沿って延在して当該アームの端部を補強する補強板を配置し、その補強板は、側面視で軸方向に対して傾斜した方向に延在する傾斜部を有すると共に、その傾斜部の高さが低い低位側端部に連続して上記軸方向若しくは斜め上方に延在する先端部を備えることを特徴とする車両用サスペンションアーム。
- 上記補強板は、アームの端部との接合部での応力集中を緩和する応力緩和手段を備えることを特徴とする請求項6に記載した車両用サスペンションアーム。
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