JP4894631B2 - 帯電防止積層フィルム - Google Patents
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Description
H−(OCH2CH(OH)−CH2)n−OH
以下、本発明に用いる材料、各層の構成、導電性積層フィルムの製造方法、得られた導電性積層フィルムの物性を、詳細に説明する。
本発明の帯電防止積層フィルムの基材として用いる熱可塑性フィルムとしては、ポリエステル、ナイロン、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリスチレン等の単一ポリマーによるフィルム、あるいはそれらのポリマーの混合物からなるフィルム、同一又は異なる熱可塑性樹脂層を積層したフィルムでもよい。これらの熱可塑性樹脂フィルムのなかでも、耐熱性、柔軟性のバランスが良好なポリエステルフィルムがより好ましく、特に好ましくはポリエチレンテレフタレートフィルムである。
本発明において、帯電防止層は、アニオン系高分子型帯電防止剤(a)、および平均繰り返し単位(n)が2〜10であり、かつグリセリンの含有量が10質量%以下のグリセリン多量体(b)、溶媒(c)、任意成分(d)、からなる塗布液を、インラインコーティング法を用いて、基材の熱可塑性樹脂フィルムの少なくとも片面に塗布、乾燥後、少なくとも1軸方向に延伸し、次いで熱固定処理を行って形成される。
帯電防止層の塗布量の下限は、帯電防止性の点から、0.01g/m2であり、好ましくは0.02g/m2であり、特に好ましくは0.03g/m2である。一方、帯電防止層の塗布量の上限は、透明性、耐ブロッキング性の点から0.29g/m2であり、好ましくは0.28g/m2である。
本発明において、帯電防止層に含有させる帯電防止剤として、アニオン系高分子型帯電防止剤を用いる。カチオン系帯電防止剤では、25℃、15%RHの雰囲気下において帯電防止性が発現しない。また、本発明の帯電防止積層フィルムを製造する際には、帯電防止層を形成後、少なくとも一軸方向に延伸し、次いで熱固定処理を行う。
本発明では、帯電防止層の延伸助剤として、下記一般式(I)で表される、平均繰り返し単位(n)が2〜10であり、かつグリセリンの含有量が10質量%以下のグリセリン多量体を用いることが重要である。
帯電防止層を形成させるために用いる溶媒は、基材の熱可塑性フィルムを溶解又は膨潤しないならばいかなる溶媒も使用可能であるが、水、又は水とアルコール等の有機溶媒との水系混合溶媒を用いることが環境面で好ましい。また、水または水系溶媒を用いる場合、有機溶媒による引火の危険性もないので、インラインコーティング法への適用が可能である。さらに、これらの水系溶媒を用いることにより、基材の熱可塑性フィルムへの塗布性及び帯電防止層の帯電防止性が向上する場合もある。
さらに、本発明においては、帯電防止層を構成する組成物には、前記のアニオン系高分子型帯電防止剤、前記のグリセリン多量体以外に、他の機能を付与するために、例えばバインダー樹脂、脂肪酸エステル類、ワックス、界面活性剤、粒子等の任意成分を併用することができる。
バインダー樹脂は、本願発明の帯電防止積層フィルムを用いる際に、帯電防止層に他の材料(例えば、インキ層)を積層する際に、密着性を改善するために好適である。バインダー樹脂としては、例えば、ポリアクリルアミド、ポリビニルピロリドン等の水溶性樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のホモポリエステルないし水酸基又はカルボン酸基を含んだ水溶性又は水分散性の共重合ポリエステルであるエステル樹脂、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸等のアクリル酸樹脂、ポリアクリル酸エステルポリメタクリル酸エステル等のアクリル酸エステル樹脂、ポリスチレン、ポリ−α−メチルスチレン、ポリクロロメチルスチレン、ポリスチレンスルホン酸、ポリビニルフェノール等のスチレン樹脂、ポリビニルメチルエーテル、ポリビニルエチルエーテル等のビニルエーテル樹脂、ポリビニルアルコール、ポリビニルホルマール、ポリビニルブチラール等のポリビニルアルコール類、ノボラック、レゾール等のフェノール樹脂等が挙げられ、積層する材料に応じて適宜選択する。
本発明における帯電防止層を形成するための塗布液に、前記溶剤に可溶な界面活性剤をさらに併用することにより、濡れ性の悪い熱可塑性フィルムヘの塗布性が向上する。
本発明において、耐削れ性、耐ブロッキング性の点から、透明性を大きく阻害しない範囲で、帯電防止層中に粒子を含有させることができる。また、基材の熱可塑性フィルム中に粒子を含有させない場合、透明性とハンドリング性の点から、帯電防止層中に粒子を含有させることが好ましい。このような粒子としては、TiO2、SiO2、カオリン、CaCO3、Al2O3、BaSO4、ZnO、タルク、マイカ、複合粒子等の無機粒子;ポリスチレン、ポリアクリレート、又はそれらの架橋体で構成される有機粒子等が挙げられる。透明性の点から、シリカが好ましい。
本発明において、フィルムの滑り性、耐削れ性を向上させるために、透明性の阻害、製膜工程での飛散、圧着時のブロッキングの発生などがない範囲で、帯電防止層中にワックスを含有させることが好ましい。ワックスの具体例としては、植物系ワックス(カルナバワックス 、キャンデリラワックス 、ライスワックス 、木ロウ、ホホバ油、パームワックス 、ロジン変性ワックス 、オウリキュリーワックス 、サトウキビワックス 、エスパルトワックス 、バークワックスなど)、動物系ワックス(ミツロウ、ラノリン、鯨ロウ、イボタロウ、セラックワックスなど)、鉱物系ワックス(モンタンワックス、オゾケライト、セレシンワックスなど)、石油系ワックス(パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス 、ペトロラクタムなど)、合成炭化水素系ワックス(フィッシャートロプッシュワックス 、ポリエチレンワックス、酸化ポリエチレンワックス 、ポリプロピレンワックス 、酸化ポリプロピレンワックスなど)が挙げられる。
帯電防止性のさらなる向上を目的として、SnO2、ZnOの粉末、それらを被覆した無機粒子(TiO2、BaSO4等)、カーボンブラック、黒鉛、カーボン繊維等のカーボン系導電性フィラー等を添加することもできる。上記の導電性材料の含有量は、透明性の点から、帯電防止材料100質量部に対して4質量部以下とすることが好ましい。
また、上記の他に、本発明の目的を逸脱しない範囲で、種々の添加剤を含有することができる。
本発明の帯電防止積層フィルムの代表的な製造方法を下記に示す。
未延伸ポリエステルフィルムを長手方向にポリエステルのガラス転移温度(Tg)〜(Tg+30℃)で、2.0〜5.0倍に長手方向にロール延伸する。この縦一軸延伸ポリエステルフィルムの片面に、アニオン性高分子型帯電防止剤(a)、平均繰り返し単位(n)が2〜10であり、かつグリセリンの含有量が10質量%以下のグリセリン多量体(b)、水系溶媒(c)を含む塗布液を塗布する。塗布液中で、アニオン性高分子型帯電防止剤(a)は、水系溶媒に溶解又は分散した状態で存在する。
このようにして得られた本発明の帯電防止性積層フィルムは、以下の特徴を有する。
(1)フィルムの表面固有抵抗値(25℃、15%RH雰囲気下)が1.0×106Ω/□以上1.0×1012Ω/□以下である。すなわち、低湿度下での帯電防止性に優れているので、使用環境の影響を受けにくい。
b値は、高分子型帯電防止剤の選択と塗布量の調整により、更に好ましくは0.1〜2.9、最も好ましくは0.2〜2.8の範囲に制御することができる。π電子共役系の導電性ポリマー(電子伝導)を帯電防止剤として使用する場合、この範囲を満足することができない。また、イオン伝導型帯電防止剤の中でも、アニオン系高分子型帯電防止を使用すること、塗布量の範囲を0.01〜0.29g/m2に調整することにより、b値を前記の範囲に調整することができる。また、b値を0以下にするには蛍光増白剤を併用することが有効であるが、工業生産上好ましくない。一方、b値が3を超えると、フィルムの目視検査の妨げとなる。
フィルムのヘーズは、アニオン系高分子型帯電防止剤を使用し、アニオン系高分子型帯電防止剤とジグリセリンの質量比の調整と、基材フィルムまたは帯電防止層中に含有させる粒子の種類と量、基材フィルムの厚みと帯電防止層の塗布量の調整により、更に好ましくは0.2〜9%、最も好ましくは0.3〜8%の範囲に調整することができる。
表面抵抗測定器(三菱油化製、Hiresta HT−210)を用い、印加電圧500V、25℃、15%RHの条件下で測定した。表面固有抵抗値の単位はΩ/□である(Ω/sqとも表す)。
カラーメーター(日本電飾製、ZE2000)を用い、JIS Z8722に準拠した透過によるb値を測定した。
ヘーズメーター(日本電飾製、NDH2000)を用い、JIS K7136に準拠したヘーズ値を測定した。
学振式摩擦堅牢度試験機(山口科学産業製)を用い、エタノール2mgを二重にしたベンコットンにしみこませ、このベンコットンを塗布層の表面に接触させ、荷重500gfで10往復した後のヘーズの変化を求め、下記の基準で評価した。
○: ヘーズの変化率(試験後/試験前)が2倍以下
×: ヘーズの変化率(試験後/試験前)が2倍を超える
2枚の積層フィルムの塗布面が対向するように重ね合わせ、5kg/cm2の荷重を掛け、これを50℃の雰囲気中で24時間放置した。重ね合わせたフィルムを剥離し、その剥離状態を下記の基準で判定した。
○:軽く剥離できる
△:剥離音が発生し、部分的に塗布層が相手面に転移している
×:2枚のフィルムが固着し剥離できないもの、あるいは剥離できても基材フィルムが劈開している
平均粒径2.7μm(レーザー光散乱法)のシリカ粒子(富士シリシア化学製、サイリシア310)を600ppm含有するポリエチレンテレフタレートを、290℃で溶融押し出しし、30℃の冷却ロールで冷却して、厚さが323μmの未延伸フィルムを得た。この未延伸フィルムを85℃に加熱された周速の異なる一対のロール間で縦方向に3.4倍延伸して、厚さが95μmの縦一軸延伸PETフィルムを得た。
・ポリスチレンスルホン酸アンモニウム塩 60.6 質量部
(日本エヌエスシー製、VERSA−TL125(商品名);Mn150,000)
・ジグリセリン 30.3 質量部
(阪本薬品製、ジグリセリンS(商品名);ジグリセリン量:95.9質量%、グリセリン量:0.2質量%)
・ポリエチレンワックス 9.1 質量部
(東邦化学製、ハイテックE9015(商品名);分子量4,000)
実施例1において、塗布液Aの固形分の組成を下記に変更した塗布液Bを用いること以外は実施例1と同様にして、厚さが25μmの帯電防止積層フィルムを得た。得られた積層フィルムの帯電防止層の塗布量は、0.04g/m2であった。
・ポリスチレンスルホン酸アンモニウム塩 83.3 質量部
(日本エヌエスシー製、VERSA−TL125(商品名);Mn150,000)
・ジグリセリン 4.2 質量部
(阪本薬品製、ジグリセリンS(商品名);ジグリセリン量:95.9質量%、グリセリン量:0.2質量%)
・ポリエチレンワックス 12.5 質量部
(東邦化学製、E9015(商品名))
実施例1において、塗布液Aの固形分の組成を下記に変更した塗布液Cを用いること以外は実施例1と同様にして、厚さが25μmの帯電防止積層フィルムを得た。得られた積層フィルムの帯電防止層の塗布量は、0.04g/m2であった。
・ポリスチレンスルホン酸アンモニウム塩 51.3 質量部
(日本エヌエスシー製、VERSA−TL125(商品名);Mn150,000)
・ジグリセリン 41.0 質量部
(阪本薬品製、ジグリセリンS(商品名);ジグリセリン量:95.9質量%、グリセリン量:0.2質量%)
・ポリエチレンワックス 7.7 質量部
(東邦化学製、E9015(商品名))
実施例1において、塗布液Aの固形分の組成を下記に変更した塗布液Dを用いること以外は実施例1と同様にして、厚さが25μmの帯電防止積層フィルムを得た。得られた積層フィルムの帯電防止層の塗布量は、0.04g/m2であった。
・ポリスチレンスルホン酸アンモニウム塩 54.1 質量部
(日本エヌエスシー製、VERSA−TL125(商品名);Mn150,000)
・ジグリセリン 27.0 質量部
(阪本薬品製、ジグリセリンS(商品名);ジグリセリン量:95.9質量%、グリセリン量:0.2質量%)
・ポリエチレンワックス 8.1 質量部
(東邦化学製、E9015(商品名))
・水系共重合ポリエステル 10.8 質量部
(東洋紡製、バイロナール MD1200(商品名))
実施例1において、塗布液Aの固形分濃度が11.25質量%となるように、溶媒の比率を調整した塗布液Eを用いること以外は実施例1と同様にして、厚さが25μmの帯電防止積層フィルムを得た。得られた積層フィルムの帯電防止層の塗布量は、0.29g/m2であった。
・ポリスチレンスルホン酸アンモニウム塩 60.6 質量部
(日本エヌエスシー製、VERSA−TL125(商品名);Mn150,000)
・ジグリセリン 30.3 質量部
(阪本薬品製、ジグリセリンS(商品名);ジグリセリン量:95.9質量%、グリセリン量:0.2質量%)
・ポリエチレンワックス 9.1 質量部
(東邦化学製、E9015(商品名))
実施例1において、塗布液Aの固形分濃度が0.4質量%となるように、溶媒の比率を調整した塗布液Fを用いること以外は実施例1と同様にして、厚さが25μmの帯電防止積層フィルムを得た。得られた積層フィルムの帯電防止層の塗布量は、0.01g/m2であった。
・ポリスチレンスルホン酸アンモニウム塩 60.6 質量部
(日本エヌエスシー製、VERSA−TL125(商品名);Mn150,000)
・ジグリセリン 30.3 質量部
(阪本薬品製、ジグリセリンS(商品名);ジグリセリン量:95.9質量%、グリセリン量:0.2質量%)
・ポリエチレンワックス 9.1 質量部
(東邦化学製、E9015(商品名))
実施例1において、帯電防止剤を、π電子共役系導電性高分子(ポリアニリンスルホン酸)に変更した塗布液Gを用いること以外は実施例1と同様にして、厚さが25μmの帯電防止積層フィルムを得た。得られた積層フィルムの帯電防止層の塗布量は、0.04g/m2であった。
・ポリアニリンスルホン酸 60.6 質量部
(三菱レイヨン製、PAS)
・ジグリセリン 30.3 質量部
(阪本薬品製、ジグリセリンS(商品名);ジグリセリン量:95.9質量%、グリセリン量:0.2質量%)
・ポリエチレンワックス 9.1 質量部
(東邦化学製、E9015(商品名))
実施例1において、帯電防止剤を、カチオン系帯電防止剤(第4級アンモニウム塩)に変更した塗布液Hを用いること以外は実施例1と同様にして、厚さが25μmの帯電防止積層フィルムを得た。得られた積層フィルムの帯電防止層の塗布量は、0.04g/m2であった。
・第4級アンモニウム塩 60.6 質量部
(綜研化学製、PQ−10(商品名))
・ジグリセリン 30.3 質量部
(阪本薬品製、ジグリセリンS(商品名);ジグリセリン量:95.9質量%、グリセリン量:0.2質量%)
・ポリエチレンワックス 9.1 質量部
(東邦化学製、ハイテックE9015(商品名))
実施例1において、帯電防止剤を、ノニオン系帯電防止剤(ポリオキシエチレンオレイルエーテル)に変更した塗布液Iを用いること以外は実施例1と同様にして、厚さが25μmの帯電防止積層フィルムを得た。得られた積層フィルムの帯電防止層の塗布量は、0.04g/m2であった。
・ポリオキシエチレンオレイルエーテル 35 質量部
(花王製、エマルゲン404(商品名))
・ジグリセリン 50 質量部
(阪本薬品製、ジグリセリンS(商品名);ジグリセリン量:95.9質量%、グリセリン量:0.2質量%)
・ポリエチレンワックス 15 質量部
(東邦化学製、E9015(商品名))
実施例1において、塗布液Aにジグリセリンを配合せずに調製した塗布液Jを用いること以外は実施例1と同様にして、厚さが25μmの帯電防止積層フィルムを得た。得られた積層フィルムの帯電防止層の塗布量は、0.04g/m2であった。
・ポリスチレンスルホン酸アンモニウム塩 87 質量部
(日本エヌエスシー製、VERSA−TL125(商品名);Mn150,000)
・ポリエチレンワックス 13 質量部
(東邦化学製、E9015(商品名))
実施例1において、塗布液Aの固形分の組成を下記に変更した塗布液Kを用いること以外は実施例1と同様にして、厚さが25μmの帯電防止積層フィルムを得た。得られた積層フィルムの帯電防止層の塗布量は、0.06g/m2であった。
なお、ポリグリセリンのnの数は、使用した一般式(II)で表わされるポリグリセリンの平均値を示している。したがって、n=4のみの純品を用いたわけではない。
H−(O−CH2−CH(OH)−CH2)n−OH …(II)
・ポリスチレンスルホン酸アンモニウム塩 50 質量部
(日本エヌエスシー製、VERSA TL125(商品名))
・ポリグリセリン(n=4) 30 質量部
(ダイセル化学製、PGL04(商品名))
・メチルセルロース 20 質量部
(信越化学製、SM−15(商品名))
実施例1において、塗布液Aの固形分の組成を下記に変更した塗布液Lを用いること以外は実施例1と同様にして、厚さが25μmの帯電防止積層フィルムを得た。得られた積層フィルムの帯電防止層の塗布量は、0.05g/m2であった。
なお、ポリグリセリンのnの数は、使用した一般式(II)で表わされるポリグリセリンの平均値を示している。したがって、n=10のみの純品を用いたわけではない。
・ポリスチレンスルホン酸アンモニウム塩 45 質量部
(日本エヌエスシー製、VERSA TL125(商品名))
・ポリグリセリン(n=10) 30 質量部
(ダイセル化学製、PGL10(商品名))
・PVA 20 質量部
(日本合成化学製、ゴーセノールAH−17(商品名))
・架橋剤(グリセロールポリグリシジルエーテル) 5 質量部
(ナガセ化成工業製、デナコールEX−314、エポキシ当量145WPE)
実施例1において、塗布液Aの固形分の組成を下記に変更した塗布液Mを用いること以外は実施例1と同様にして、厚さが25μmの帯電防止積層フィルムを得た。得られた積層フィルムの帯電防止層の塗布量は、0.04g/m2であった。
・ポリスチレンスルホン酸アンモニウム塩 35 質量部
(日本エヌエスシー製、VERSA−TL125(商品名);Mn150,000)
・グリセリン 25 質量部
(阪本薬品製、精製グリセリン)
・トリグリセリン 25 質量部
(阪本薬品製、精製グリセリン)
・ポリエチレンワックス 15 質量部
(東邦化学製、E9015(商品名))
実施例1において、塗布液Aの固形分の組成を下記に変更した塗布液Kを用い、塗布液の固形分濃度が塗布液Kの10倍になるように溶媒の比率を調整した塗布液Nを用いること以外は実施例1と同様にして、厚さが25μmの帯電防止積層フィルムを得た。得られた積層フィルムの帯電防止層の塗布量は、0.5g/m2であった。
なお、ポリグリセリンのnの数は、使用した一般式(II)で表わされるポリグリセリンの平均値を示している。したがって、n=4のみの純品を用いたわけではない。
H−(O−CH2−CH(OH)−CH2)n−OH …(II)
・ポリスチレンスルホン酸アンモニウム塩 50質量部
(日本エヌエスシー製、VERSA TL125(商品名))
・ポリグリセリン(n=4) 30質量部
(ダイセル化学製、PGL04(商品名))
・メチルセルロース 20質量部
(信越化学製、SM−15(商品名))
実施例1において、精製率が98質量%のジグリセリンを、精製率が93%のジグリセリンに変更した塗布液Oを用いること以外は実施例1と同様にして、厚さが25μmの帯電防止積層フィルムを得た。得られた積層フィルムの帯電防止層の塗布量は、0.04g/m2であった。
・ポリスチレンスルホン酸アンモニウム塩 35 質量部
(日本エヌエスシー製、VERSA TL125(商品名))
・ジグリセリン 50 質量部
(東京化成工業製; ジグリセリン量:80質量%、グリセリン量:≧10質量%)
・ポリエチレンワックス 15 質量部
(東邦化学製、E9015(商品名))
表1に示すように、実施例で得られた積層フィルムはいずれも、低湿度の雰囲気下での表面抵抗値が低く、充分な帯電防止性を有していた。さらに、色目に優れ(b値が小さい)、透明性にも優れていた。
Claims (5)
- グリセリン多量体(b)が、精製率が90質量%以上のジグリセリンであることを特徴とする請求項1記載の帯電防止積層フィルム。
- アニオン系高分子型帯電防止剤(a)に対するグリセリン多量体(b)の質量比(b/a)が5〜80質量%であることを特徴とする請求項1または2に記載の帯電防止積層フィルム。
- アニオン系高分子型帯電防止剤の数平均分子量が、5,000〜500,000であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の帯電防止積層フィルム。
- アニオン系高分子型帯電防止剤がスチレンスルホン酸またはその塩を繰り返し単位として含むことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の帯電防止積層フィルム。
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