JP4894574B2 - プーリユニット - Google Patents

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Description

この発明は、軸体と、この軸体の外周に同心状に配設されるプーリとの間に、プーリのトルクを軸体に伝達するクラッチ機構が配設されたプーリユニットに関する。
この種のプーリユニットにおいては、主としてエンジンの補機類(オルタネータ、エアコンディショナ用コンプレッサ、ウオーターポンプ、冷却ファン等)に用いられる。
従来、例えば、エンジンの補機類の一つであるオルタネータに採用されるプーリユニットは、エンジンのクランクシャフトのトルクが伝達される伝動ベルトが掛け渡されるプーリと、補機類としてのオルタネータのロータ(ロータ軸)に一体回転可能に連結される軸体とを備える。また、プーリと軸体との間には、プーリから軸体へトルクを伝達させたり遮断させる一方向クラッチが配設されたものがある。
この一方向クラッチにおいて、軸体の外周面に複数のカム面が形成され、プーリの内周面と軸体の各カム面との間に複数のくさび状空間が形成され、各くさび状空間の狭い側(ロック側)に向けて、各ころがコイルばねによってそれぞれ付勢された構造のものが知られている(例えば特許文献1参照)。
そして、一方向クラッチは、プーリの回転速度が軸体の回転速度より大きい場合に、ころを介して軸体をプーリと同方向に一体回転させるロック状態となり、プーリの回転速度が軸体の回転速度より小さい場合には、ころがくさび状空間の広い側(フリー側)に移動して、軸体をプーリに対して慣性回転可能なフリー状態に切り換えるようになっている。
特開2002−106686号公報
ところで、近年、エンジンの低アイドル化に対応してプーリユニットが小型化している。これによって、エンジンのクランクシャフトの大径のプーリと、オルタネータ用プーリユニットの小径のプーリとのプーリ比(回転比率)に相当する分だけプーリユニットの小径のプーリの回転数が高くなり、これによってオルタネータのロータが高速回転(例えば、20000rpm/min以上)となる。
また、オルタネータは、所定の回転数を越える高速回転域においては発電量が横ばいとなる。このため、エンジンの高回転時においては、発電量が横ばいとなる高速回転域でオルタネータのロータが回転されることになり、非効率的あった。
また、オルタネータやプーリユニットの各部の構成部品を高速回転に耐え得るように強度を高めなければならずコスト高となる。
このようなことから、軸体と、この軸体の外周に同心状に配設されるプーリとの間に、プーリのトルクを軸体に伝達する複数のインナクラッチ板及びアウタクラッチ板を備えた多板クラッチ機構と、この多板クラッチ機構のインナ、アウタの各クラッチ板を互いに接触する軸方向に押圧してトルク伝達するロック状態と、プーリの回転速度が所定値以上に達したときに、インナ、アウタの各クラッチ板に対する押圧を解除してフリー状態に切り替える速度リミット機構を組み付けることが同一出願人によって提案されている。
しかしながら、速度リミット機構がフリー状態からロック状態に切り替わる際(プーリの回転速度が所定値以上に達した後、同プーリの回転速度が所定値よりも低下する際)において、プーリと軸体との回転速度差が大きい場合には、多板クラッチ機構のインナ、アウタの各クラッチ板に衝撃トルクが作用することが想定される。この衝撃トルクが原因となって、インナ、アウタの各クラッチ板のうち、一部のクラッチ板と他のクラッチ板との間に過大な滑り摩擦力が生じ、焼き付きの恐れがある。
この発明の目的は、前記問題点に鑑み、速度リミット機構がフリー状態からロック状態に切り替わる際のクラッチ機構に作用する衝撃トルクを緩和してクラッチ板の焼き付きを防止することができるプーリユニットを提供することである。
前記目的を達成するために、この発明の請求項1に係るプーリユニットは、軸体と、この軸体の外周に同心状に配設されるプーリとの間に、前記プーリ体のトルクを前記軸体に伝達するクラッチ機構が配設されたプーリユニットであって、
前記クラッチ機構は、前記軸体の外周面にトルク伝達及び軸方向へ移動可能に設けられたインナクラッチ板と、
前記プーリの内周面にトルク伝達及び軸方向へ移動可能に設けられたアウタクラッチ板と、
前記インナ、アウタの各クラッチ板の間に直列に配設された中間クラッチ板とを備え、
前記クラッチ機構には、前記インナ、アウタ及び中間の各クラッチ板を軸方向に押圧し、かつ前記インナ、アウタ及び中間の各クラッチ板の相対する摩擦面を接触させてトルク伝達するロック状態と、前記プーリの回転速度が所定値以上に達したときに、前記インナ、アウタ及び中間の各クラッチ板に対する押圧を解除してフリー状態に切り替わる速度リミット機構が配設され、
前記インナ、アウタ及び中間の各クラッチ板の相対する摩擦面の間には、前記速度リミット機構がフリー状態からロック状態に切り替わるトルク伝達初期において前記各クラッチ板の回転速度を徐々に変化させながらトルク伝達する変速伝達部材が配設されていることを特徴とする。
前記構成によると、プーリの回転速度が所定値範囲内においては、速度リミット機構がロック状態にあり、インナ、アウタ及び中間の各クラッチ板の相対する摩擦面がトルク伝達可能に接触する。これによって、プーリのトルクが、アウタクラッチ板、中間クラッチ板及びインナクラッチ板を順に経て軸体に伝達され、軸体が回転される。
プーリの回転速度が所定値以上に達したときには、速度リミット機構がフリー状態に切り替わるため、プーリのトルクが軸体に伝達されることなく遮断状態となる。
プーリの回転速度が所定値以上に達した後、同プーリの回転速度が所定値よりも低下すると、速度リミット機構がフリー状態からロック状態に切り替わる。
速度リミット機構がフリー状態からロック状態に切り替わるトルク伝達初期において、アウタクラッチ板、中間クラッチ板及びインナクラッチ板の各クラッチ板の回転速度が変速伝達部材によって徐々に変化されながらトルク伝達される。
このため、プーリと軸体との回転速度差が大きい場合においても、多板クラッチ機構のインナ、アウタ及び中間の各クラッチ板に衝撃トルクが作用することが緩和される。この結果、衝撃トルクが原因となって、インナ、アウタ及び中間の各クラッチ板のうち、一部のクラッチ板と他のクラッチ板との間に過大な滑り摩擦力が生じることを抑制することができ、クラッチ板の焼き付きを防止することができる。
請求項2に係るプーリユニットは、請求項1に記載のプーリユニットであって、
変速伝達部材は、インナ、アウタ及び中間の各クラッチ板のうち、隣接するクラッチ板の回転速度を変化させながら同方向に追従回転させる転動体によって構成されていることを特徴とする。
前記構成によると、例えば、中間クラッチ板に変速伝達部材としての転動体(例えば、歯車、ころ、玉等の転動体)を配設することによって、プーリ側からアウタクラッチ板に伝達されるトルクが中間クラッチ板の転動体を介してインナクラッチ板に伝達される。この際、転動体が自転する分だけアウタクラッチ板の回転速度よりもインナクラッチ板の回転速度が遅くなると共に、アウタクラッチ板の回転に伴って転動体が公転しかつ中間クラッチ板とインナクラッチ板とをアウタクラッチ板の回転方向に引きずる力によって中間クラッチ板とインナクラッチ板とが同方向に追従回転される。これによって、回転速度が徐々に低下されながらアウタクラッチ板側からのトルクが中間クラッチ板とインナクラッチ板に伝達される。
この結果、インナ、アウタ及び中間の各クラッチ板に衝撃トルクが作用することを緩和することができ、各クラッチ板の焼き付きを良好に防止することができる。
次に、この発明を実施するための最良の形態を実施例にしたがって説明する。
(実施例1)
この発明の実施例1を図1〜図8にしたがって説明する。
図1はこの発明の実施例1に係るプーリユニットを示す側断面図である。図2は多板クラッチ機構の中間クラッチを示す半断面である。図3はロック状態にある多板クラッチ機構及び速度リミット機構を示す側断面図である。図4は図3のIV−IV線に基づく断面図である。図5はフリー状態にある多板クラッチ機構及び速度リミット機構を示す側断面図である。図6は図5のVI−VI線に基づく断面図である。図7はフリー状態からロック状態に切り替わる初期の状態の多板クラッチ機構及び速度リミット機構を示す側断面図である。図8は図7のVIII−VIII線に基づく断面図である。
図1に示すように、この実施例1に係るプーリユニットは、車載用エンジンの補機類の一つであるオルタネータに使用される場合を例示するものであり、軸体11、プーリ21、クラッチ機構としての多板クラッチ機構30、速度リミット機構60、及び転がり軸受としての深溝玉軸受70、75を備える。
図1に示すように、軸体11は、オルタネータのロータのロータ軸(図示しない)の先端部軸回りに取り付けられる筒軸状に形成されている。そして、軸体11の内孔の軸方向略中央部には、ロータ軸の先端側に形成された雄ねじ部に締め付けられる雌ねじ12が形成され、軸体11の内孔の一端側開口部には、六角棒等の締付工具が嵌合可能な六角穴形状の締付凹部13が形成されている。
また、軸体11の外周面の軸方向中央部には、後に詳述する多板クラッチ機構30のインナクラッチ板31に対応する外歯スプライン15が形成されている。
また、軸体11の両端部外周面には、深溝玉軸受70、75のそれぞれの内輪72、77が圧入固定され、これら深溝玉軸受70、75のそれぞれの外輪71、76は、次に詳述するプーリ21の両端部内周面に圧入固定される。
なお、深溝玉軸受70、75の内輪72、77と、外輪71、76との間には、各複数個の玉73、78が保持器74、79によって保持された状態で配設されている。
図1に示すように、プーリ21は、深溝玉軸受70、75に支持された状態で軸体11の外周に同心に配置される。
このプーリ21の外周面には伝動ベルト8が掛け渡される断面波形状のベルト溝22が形成されている。なお、伝動ベルト8は、エンジンのクランクシャフトのプーリに掛け渡され、クランクシャフトのトルクをプーリ21に伝達するようになっている。
また、プーリ21の内周面の一端側(図1では左側)には、中心側に向けて環状をなす端板23が形成され、この端板23の内壁面には、後に詳述する速度リミット機構60の重錘体62に対応してくさび空間を形成するテーパ状の傾斜面24が形成されている。
また、プーリ21の内周面には、多板クラッチ機構30のアウタクラッチ板33に対応する内歯スプライン26が形成されている。
図1に示すように、プーリ21のトルクを軸体11に伝達するクラッチ機構としての多板クラッチ機構30は、軸体11とプーリ21との間の環状空間内に組み付けられている。この多板クラッチ機構30は、インナクラッチ板31、アウタクラッチ板33、35及び中間クラッチ板40、41、42を備えて構成されている。
この実施例1において、多板クラッチ機構30の略中央部一ヶ所にインナクラッチ板31が配置され、このインナクラッチ板31の中心部には、軸体11の外歯スプライン15にトルク伝達及び軸方向へ移動可能に噛み合う内歯スプライン32が形成されている。
また、多板クラッチ機構30の軸方向両端部の二箇所にアウタクラッチ板33、35が配置され、これら両アウタクラッチ板33、35の外周には、プーリ21の内歯スプライン26にトルク伝達及び軸方向へ移動可能に噛み合う外歯スプライン34、36が形成されている。
また、インナクラッチ板31と両アウタクラッチ板33、35との間には、各複数の中間クラッチ板40、41、42が直列に配設されている。
また、軸体11とプーリ21との間の環状空間内の多板クラッチ機構30の一側(図に向かって左側)には、遠心式の速度リミット機構60が配設されている。
速度リミット機構60は、プーリ21の端板23の内壁面に形成されたテーパ状の傾斜面24と一方のアウタクラッチ板35の間に形成されたくさび空間に配設された複数の鋼球よりなる重錘体62とこれら複数の重錘体62をくさび空間の狭い側にそれぞれ個別に付勢(弾発)する複数のばね61を備えて構成されている。
そして、通常時において、速度リミット機構60は、ばね61の付勢力に基づく重錘体62の押圧力が一方のアウタクラッチ板35に作用することによって、インナ、アウタ及び中間の各クラッチ板31、33、35、40、41、42の相対する摩擦面を圧接状態で接触させることによってトルク伝達するロック状態をなす。この際、他方のアウタクラッチ板33は、深溝玉軸受70の外輪71端面に押し付けられる。
また、プーリ21の回転速度が所定値以上に達し、重錘体62が遠心力の作用によってばね61の付勢力に抗してくさび空間の広い側に移動したときには、インナ、アウタの各クラッチ板31、33、35、40、41、42に対する押圧を解除してフリー状態に切り替わるようになっている。
図1〜図3に示すように、インナ、アウタ及び中間の各クラッチ板31、33、35、40、41、42の相対する摩擦面の間には、変速伝達部材としての転動体50が配設されている。
この実施例1において、インナクラッチ板31とアウタクラッチ板35とに隣接する中間クラッチ板40、42に変速伝達部材を構成する複数の歯車よりなる転動体50が図2に示すように中間クラッチ板40、42の半径方向に沿う軸51を中心として回転可能にかつ放射状をなして配設されている。
さらに、複数の転動体50は、その外周の歯部が、中間クラッチ板40(42)の両面からそれぞれ突出しており、中間クラッチ板40(42)の両面に対向するインナクラッチ板31と中間クラッチ板41、及びアウタクラッチ板35と中間クラッチ板41には、複数の転動体50の歯部に噛み合う環状歯車55、56がそれぞれ形成されている。
また、複数の転動体50は、所要の回転抵抗をもって軸51を中心として中間クラッチ板40に回転可能に組み付けられる。
そして、プーリ21の回転速度が所定値以上に達した後、同プーリ21の回転速度が所定値よりも低下し、速度リミット機構60がフリー状態からロック状態に切り替わるトルク伝達初期において、プーリ21側からアウタクラッチ板33、35に伝達されるトルクが中間クラッチ板40、42の複数の転動体50を介してインナクラッチ板31に伝達される。この際、複数の転動体50が自転する分だけアウタクラッチ板33、35の回転速度よりもインナクラッチ板31の回転速度が遅くなると共に、アウタクラッチ板33、35の回転に伴って複数の転動体50が公転しかつ中間クラッチ板40、41、42とインナクラッチ板31とをアウタクラッチ板33、35の回転方向に引きずる力によって中間クラッチ板40、41、42とインナクラッチ板31とが同方向に追従回転されるようになっている。
すなわち、アウタクラッチ板33、35の回転速度をA、アウタクラッチ板33、35に隣接する中間クラッチ板40の回転速度をB、中間クラッチ板40に隣接する中間クラッチ板41の回転速度をC、インナクラッチ板31の隣接する中間クラッチ板42の回転速度をD、インナクラッチ板31の回転速度をEとしたときに、「A>B>C>D>E」の関係になる。
この実施例1に係るプーリユニットは上述したように構成される。
したがって、プーリ21の回転速度が所定値の範囲内においては、図3と図4に示すように、速度リミット機構60がロック状態をなし、ばね61の付勢力に基づく重錘体62の押圧力が一方のアウタクラッチ板33に作用することによって、インナ、アウタ及び中間の各クラッチ板31、33、35、40、41、42の相対する摩擦面を圧接状態で接触させる。
これによって、プーリ21のトルクが、アウタクラッチ板33、35、中間クラッチ板40、41、42及びインナクラッチ板31を順に経て軸体11に伝達され、軸体11が回転される。そして、オルタネータのロータ軸が軸体11と同方向に一体状に回転される。
プーリ21の回転速度が所定値以上(オルタネータの発電量が横ばいとなる所定の回転数を越える高速回転域)に達すると、図5と図6に示すように、速度リミット機構60の重錘体62が遠心力の作用によってばね61の付勢力に抗してくさび空間の広い側に移動する。これによって、速度リミット機構60は、インナ、アウタ及び中間の各クラッチ板31、33、35、40、41、42に対する押圧を解除してフリー状態に切り替わるため、プーリ21のトルクが軸体11に伝達されることなく遮断状態となる。
プーリ21の回転速度が所定値以上に達した後、同プーリ21の回転速度が所定値よりも低下すると、速度リミット機構60がフリー状態からロック状態に切り替わる。
速度リミット機構60がフリー状態からロック状態に切り替わるトルク伝達初期において、図7と図8に示すように、プーリ21側からアウタクラッチ板33、35に伝達されるトルクが中間クラッチ板40の複数の転動体50と、環状歯車55、56との噛み合い回転によってインナクラッチ板31に伝達される。この際、複数の転動体50が自転する分だけアウタクラッチ板33、35の回転速度よりもインナクラッチ板31の回転速度が遅くなると共に、アウタクラッチ板33、35の回転に伴って複数の転動体50が公転しかつ中間クラッチ板40、41、42とインナクラッチ板31とをアウタクラッチ板33、35の回転方向に引きずる力によって中間クラッチ板40、41、42とインナクラッチ板31とが同方向に追従回転される。これによって、アウタクラッチ板33、35の回転速度が徐々に低下されながら中間クラッチ板40、41、42とインナクラッチ板31にトルク伝達される。
また、速度リミット機構60のばね61の付勢力に基づく重錘体62の押圧力によって、図3と図4に示すように、インナ、アウタ及び中間の各クラッチ板31、33、35、40、41、42の相対する摩擦面が圧接状態で接触されてロック状態に切り替わった後は、プーリ21のトルクが、アウタクラッチ板33、35、中間クラッチ板40、41、42及びインナクラッチ板31の相対する摩擦面による接触摩擦力によって軸体11に伝達され、プーリ21と同速度で軸体11が回転される。
前記したように、速度リミット機構60がフリー状態からロック状態に切り替わるトルク伝達初期において、アウタクラッチ板33、35の回転速度が徐々に低下されながら中間クラッチ板40、41、42とインナクラッチ板31にトルク伝達される。
このため、速度リミット機構60がフリー状態からロック状態に切り替わる際のプーリ21と軸体11との回転速度差が大きい場合においても、多板クラッチ機構30のインナ、アウタ及び中間の各クラッチ板31、33、35、40、41、42に衝撃トルクが作用することが緩和される。この結果、衝撃トルクが原因となって、インナ、アウタ及び中間の各クラッチ板31、33、35、40、41、42のうち、一部のクラッチ板と他のクラッチ板との間に過大な滑り摩擦力が生じることを抑制することができ、クラッチ板の焼き付きを防止することができる。
なお、この発明は前記実施例1に限定するものではない。
例えば、前記実施例1においては、速度リミット機構60がフリー状態からロック状態に切り替わるトルク伝達初期において、インナ、アウタ及び中間の各クラッチ板31、33、35、40、41、42の回転速度を徐々に変化(低下)させながらトルク伝達する変速伝達部材として歯車よりなる転動体50によって構成される場合を例示したが、歯車以外のころや玉等によって転動体を構成することも可能である。
また、変速伝達部材は、転動体以外に、インナ、アウタ及び中間の各クラッチ板31、33、35、40、41、42のうち、隣接するクラッチ板の回転速度を徐々に変化させながら同方向に追従回転させ得る構造であればどのような構造のものを用いてもこの発明を実施可能である。
この発明の実施例1に係るプーリユニットを示す側断面図である。 同じく図2は多板クラッチ機構の中間クラッチを示す半断面である。 同じく図3はロック状態にある多板クラッチ機構及び速度リミット機構を示す側断面図である。 同じく図3のIV−IV線に基づく断面図である。 同じくフリー状態にある多板クラッチ機構及び速度リミット機構を示す側断面図である。 同じく図5のVI−VI線に基づく断面図である。 同じくフリー状態からロック状態に切り替わる初期の状態の多板クラッチ機構及び速度リミット機構を示す側断面図である。 同じく図7のVIII−VIII線に基づく断面図である。
符号の説明
11 軸体
21 プーリ
30 多板クラッチ機構(クラッチ機構)
31 インナクラッチ板
33、35 アウタクラッチ板
40、41、42 中間クラッチ板
50 転動体
60 速度リミット機構
61 ばね
62 重錘体

Claims (2)

  1. 軸体と、この軸体の外周に同心状に配設されるプーリとの間に、前記プーリ体のトルクを前記軸体に伝達するクラッチ機構が配設されたプーリユニットであって、
    前記クラッチ機構は、前記軸体の外周面にトルク伝達及び軸方向へ移動可能に設けられたインナクラッチ板と、
    前記プーリの内周面にトルク伝達及び軸方向へ移動可能に設けられたアウタクラッチ板と、
    前記インナ、アウタの各クラッチ板の間に直列に配設された中間クラッチ板とを備え、
    前記クラッチ機構には、前記インナ、アウタ及び中間の各クラッチ板を軸方向に押圧し、かつ前記インナ、アウタ及び中間の各クラッチ板の相対する摩擦面を接触させてトルク伝達するロック状態と、前記プーリの回転速度が所定値以上に達したときに、前記インナ、アウタ及び中間の各クラッチ板に対する押圧を解除してフリー状態に切り替わる速度リミット機構が配設され、
    前記インナ、アウタ及び中間の各クラッチ板の相対する摩擦面の間には、前記速度リミット機構がフリー状態からロック状態に切り替わるトルク伝達初期において前記各クラッチ板の回転速度を徐々に変化させながらトルク伝達する変速伝達部材が配設されていることを特徴とするプーリユニット。
  2. 請求項1に記載のプーリユニットであって、
    変速伝達部材は、インナ、アウタ及び中間の各クラッチ板のうち、隣接するクラッチ板の回転速度を変化させながら同方向に追従回転させる転動体によって構成されていることを特徴とするプーリユニット。
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