JP2020131950A - オイルポンプ駆動装置 - Google Patents

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彰 岩野
Akira Iwano
彰 岩野
弘一 奥田
Koichi Okuda
弘一 奥田
田端 淳
Atsushi Tabata
淳 田端
河野 哲也
Tetsuya Kono
哲也 河野
晃司 池本
Koji Ikemoto
晃司 池本
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Abstract

【課題】設置スペースの増大を招くことなく、オイルポンプに高回転負荷が掛かることを防止できるオイルポンプ駆動装置を提供すること。【解決手段】第1のワンウェイクラッチ21と第2のワンウェイクラッチ23を備え、第1のワンウェイクラッチ21は、第1の駆動部材72の回転が所定値を超えた時、第1のワンウェイクラッチ21の外輪21aからポンプ駆動軸7への回転の伝達を遮断する回転遮断機構を備えていることを特徴とするオイルポンプ駆動装置。【選択図】図1

Description

本発明は、車両等に搭載されたオイルポンプを駆動するためのオイルポンプ駆動装置に関する。
従来、2系統の駆動側部材から入力された回転を1系統の出力部材の回転として出力する入力切替式のクラッチ機構を用い、オイルポンプを常時駆動させるための駆動装置が開示されている(例えば特許文献1参照)。
特許文献1に記載されたオイルポンプの駆動装置は、2つのワンウェイクラッチが同軸上に軸方向に並べて配置され、2つのワンウェイクラッチのそれぞれの内輪が一体化されて共通内輪を形成している。2つのワンウェイクラッチはそれぞれ内燃機関であるエンジン側または電動モータ側の駆動部材によって外輪が駆動され、これら2系統の動力源のそれぞれから入力される駆動力を、オイルポンプの駆動軸に連結された上記共通内輪に選択的に伝達している。
特開2012−67862号公報
近年、車両の駆動装置として用いられる電動モータは、高回転化、高出力化が図られている。従来のオイルポンプ駆動装置の入力側動力源としてこのような高回転モータを適用した場合、オイルポンプに高回転負荷が掛かってしまい、焼き付き等、耐久性に関わる問題が生ずる虞がある。高回転モータとオイルポンプ駆動装置との間に別途減速機構を設けることによって高回転モータからの入力回転を下げることは可能であるが、車両の限られたスペースにおいては、周辺機器も多数配置されているため、このような減速機構を別途設置するためのスペースを確保することは困難である。
本発明はこのような状況に鑑みてなされたものであり、設置スペースの増大を招くことなく、オイルポンプに高回転負荷が掛かることを防止できるオイルポンプ駆動装置を提供することを課題とする。
上記課題を解決するために、本発明に係るオイルポンプ駆動装置は、
オイルポンプのポンプ駆動軸と同軸上に配置される2つのワンウェイクラッチを備え、
前記2つのワンウェイクラッチの各外輪には、互いに異なる駆動部材から回転が伝達され、
前記2つのワンウェイクラッチは、複数のトルク伝達部材を介して、前記各外輪の回転を選択的に前記ポンプ駆動軸に伝達するオイルポンプ駆動装置において、
前記2つのワンウェイクラッチの一方は、前記駆動部材の回転が所定値を超えた時、前記一方のワンウェイクラッチの外輪から前記ポンプ駆動軸への回転の伝達を遮断する回転遮断機構を備えていることを特徴とする。
本発明によれば、設置スペースの増大を招くことなく、オイルポンプに高回転負荷が掛かることを防止できるオイルポンプ駆動装置を提供することができる。
図1は、本発明の第1実施形態に係るオイルポンプ駆動装置の軸方向に沿った断面図である。 図2は、図1のII−II矢視断面図である。 図3は、図1のIII−III矢視断面図である。 図4は、本発明の第2実施形態に係るオイルポンプ駆動装置の軸方向に沿った断面図である。
以下、本発明の第1および第2実施形態に係るオイルポンプ駆動装置について、図面を参照しつつ説明する。
第1および第2実施形態は、内燃機関であるエンジンと電動モータ(以降、それぞれ単に「エンジン」と「モータ」と称する。)とを併用した駆動装置を有するハイブリッド車両において、駆動関連装置に潤滑用のオイルを循環させるオイルポンプを駆動するためのオイルポンプ駆動装置である。なお、以下の説明においては、エンジンおよびモータの図示は省略している。
まず、第1および第2実施形態におけるオイルポンプ駆動装置の方向について定義する。第1および第2実施形態において、軸方向、径方向、周方向とは、オイルポンプ駆動装置が備える第1および第2ワンウェイクラッチに関する軸方向、径方向、周方向のことをいう。すなわち第1および第2ワンウェイクラッチの内輪または外輪の回転軸線に関する軸方向、径方向、周方向のことをいう。軸方向について、図1および図4においては紙面右方側を軸方向一方側とし、紙面左方側を軸方向他方側とし、図2および図3においては紙面手前側を軸方向一方側とし、紙面奥側を軸方向他方側とする。周方向について、図2および図3において、紙面に向かって右に回転する方向を周方向一方側に向かう方向あるいは時計方向とし、紙面に向かって左に回転する方向を周方向他方側に向かう方向あるいは反時計方向とする。
以下、本発明の第1実施形態に係るオイルポンプ駆動装置について説明する。
図1は、第1実施形態に係るオイルポンプ駆動装置の軸方向に沿った断面図であり、オイルポンプ駆動装置によって駆動されるオイルポンプの断面の概略も合わせて示している。
図2は、図1のII−II矢視断面図であり、第1ワンウェイクラッチの部分における断面を示している。
図3は、図1のIII−III矢視断面図であり、第2ワンウェイクラッチの部分における断面を示している。
図1に示すように、本実施形態に係るオイルポンプ駆動装置1は、オイルポンプ2の軸方向他方側に隣接して設けられている。具体的には、オイルポンプ2はボディ3とポンプカバー4とからなるポンプケース5と、ロータ6と、駆動軸7とを備えており、オイルポンプ駆動装置1は、オイルポンプ2の駆動軸7上に、オイルポンプ2の軸方向他方側に隣接して設けられている。
オイルポンプ2のボディ3は、図示しない車体側構造物に固定されている。ボディ3は、軸方向一方側に向かって凹み、軸方向他方側に向かって開口するポンプ室形成用の凹部8を備えている。凹部8の軸方向から見た断面形状は、円形である。凹部8の底部の中央には、軸方向一方側に向かって凹んだ凹部9が形成されている。凹部9には、駆動軸7の軸方向一方側端部が回転可能に配置されている。
ポンプカバー4は、所定の軸方向厚さを有し径方向に延在する本体部10と、本体部10の軸方向他方側端面から軸方向他方側に向けて突出する円柱状の突出部11とを備えている。また、ポンプカバー4には、突出部11と本体部10とを軸方向に貫通する1つの貫通孔12が形成されている。したがって突出部11は円筒になっている。貫通孔12には駆動軸7が回転可能に挿通されている。駆動軸7は、貫通孔12に挿通されて、ポンプカバー4に回転可能に支持されている。このように、駆動軸7は、ポンプカバー4によって軸方向の広い領域で径方向に支持されている。駆動軸7の軸方向他方側端部は、車体側構造物である壁状の支持部15に形成された軸方向凹部16に回転可能に配置されている。
ポンプカバー4は、本体部10の軸方向一方側の端面がボディ3の凹部8の軸方向他方側の開口を覆って該開口を閉じる状態でボディ3に固定されている。ポンプカバー4の本体部10の軸方向一方側端面とボディ3の凹部8とにより、ロータ6が収容されるポンプ室13が形成されている。
ロータ6は、図示しないインナロータと図示しないアウタロータとから構成されている。インナロータは駆動軸7の軸方向一方側の部分と連結され、インナロータと駆動軸7とは一体に回転する。インナロータがポンプ室13内で回転することにより、ポンプ室13の図示しない吸入口よりポンプ室の内部へオイルが吸入され、ポンプ室13の吐出口14からポンプ室13の外部へオイルが吐出される。このように、オイルポンプ2は、駆動軸7の回転により駆動する。すなわち駆動軸7は、オイルポンプ2を駆動するための軸である。
本実施形態に係るオイルポンプ駆動装置1は、駆動軸7を駆動するための装置である。オイルポンプ駆動装置1は、オイルポンプ2の駆動軸7上に、オイルポンプ2の軸方向他方側に配置された2つのワンウェイクラッチを備えている。2つのワンウェイクラッチは、駆動軸7と同軸上に軸方向に並べて配置され、軸方向一方側から他方側に向かって、第1ワンウェイクラッチ21と第2ワンウェイクラッチ23の順に配置されている。
本実施形態においては、第1ワンウェイクラッチ21は動力源であるモータの駆動力をオイルポンプ2に伝達するためのものであり、第2ワンウェイクラッチ23は動力源であるエンジンの駆動力をオイルポンプ2に伝達するためのものである。第1ワンウェイクラッチ21および第2ワンウェイクラッチ23は、それぞれの内輪が一体化された共通内輪25を備えている。共通内輪25は後述するようにポンプ駆動軸7に固定されており、オイルポンプ駆動装置1はエンジンの駆動力とモータの駆動力とを選択的にポンプ駆動軸7に伝達する構成になっている。なお、以下の説明においては、第1ワンウェイクラッチ21および第2ワンウェイクラッチ23の共通内輪25を単に「内輪25」という。
図1および図2に示すように、第1ワンウェイクラッチ21は、内輪25に対して径方向外方に離間し、内輪25と同軸に且つ内輪25に対して相対回転可能に配置された外輪21aを備えている。第1ワンウェイクラッチ21の外輪21aとポンプカバー4との間には、スラストワッシャ26が介装されている。スラストワッシャ26は、固定部材26aによってポンプカバー4の軸方向他方側の面に固定されている。第1ワンウェイクラッチ21の外輪21aは、スラストワッシャ26の軸方向他方側の面に接触した状態で回転する。
第1ワンウェイクラッチ21は、内輪25と外輪21aとの間に、周方向に所定間隔で介装された複数(本実施形態においては4つ)のローラ21bと、ローラ21bを内輪25と外輪21aとを結合する方向に付勢するコイル状またはアコーデオン状のスプリング21cと、内輪25と外輪21aとの径方向間隔を保持するための複数(本実施形態においては4つ)のブロックベアリング21dとを備えている。ローラ21bは内輪25と外輪21aとを結合し、内輪25と外輪21aとの間でトルクの伝達をするためのトルク伝達部材である。
図2に示すように、第1ワンウェイクラッチ21はさらに、内輪25と外輪21aとの間にウェイトローラ22を複数備えている。ウェイトローラ22は、内輪25と外輪21aとを結合して内輪25と外輪21aとの間でトルク伝達をしている複数のローラ21bそれぞれを、トルク非伝達位置すなわち内輪25と外輪21aとの結合を解除する方向に移動させるための部材である。ウェイトローラ22はローラ21bと1対1に対応し、ローラ21bと同数が備えられている。ウェイトローラ22は、後述するように、モータから第1ワンウェイクラッチ21の外輪21aに伝達される回転が所定の回転数を超えると、それ以上の高回転でのトルク伝達がなされないように内輪25と外輪21aとの結合を解除して内輪25への回転の伝達を遮断する回転遮断機構を構成している。
図1および図3に示すように、第2ワンウェイクラッチ23は、内輪25に対して径方向外方に離間し、内輪25と同軸に且つ相対回転可能に配置された外輪23aを備えている。このように、第1ワンウェイクラッチ21と第2ワンウェイクラッチ23とは、それぞれ独立した外輪21a、23aを備えている。
第1ワンウェイクラッチ21の外輪21aと第2ワンウェイクラッチ23の外輪23aとの間には、スラストワッシャ28が配置されている。スラストワッシャ28は、固定用ピン28aによって第2ワンウェイクラッチ23の外輪23aの軸方向一方側端面に固定されている。第1ワンウェイクラッチ21の外輪21aは、スラストワッシャ28の軸方向一方側の面に接触した状態で回転する。
第2ワンウェイクラッチ23の外輪23aの内径は、第1ワンウェイクラッチ21の外輪21aの内径と同じ大きさに形成されている。したがって、内輪25と第2ワンウェイクラッチ23の外輪23aとの径方向間隔は、内輪25と第1ワンウェイクラッチ21の外輪21aとの径方向間隔と同じ大きさに形成されている。
内輪25と第2ワンウェイクラッチ23の外輪23aとの間には、第1ワンウェイクラッチ21と同様の構成のトルク伝達部材およびブロックベアリングが備えられている。すなわち第2ワンウェイクラッチ23は、図1および図3に示すように、周方向に所定間隔で介装された複数(本実施形態においては4つ)のローラ23bと、ローラ23bを内輪25と外輪23aとを結合する方向に付勢するコイル状またはアコーデオン状のスプリング23cと、内輪25と外輪23aとの径方向間隔を保持するための複数(本実施形態においては4つ)のブロックベアリング23dと、を備えている。一方、第2ワンウェイクラッチ23は、第1ワンウェイクラッチ21とは異なり、ウェイトローラ22を備えていない。
本実施形態においては、第1ワンウェイクラッチ21の4つのローラ21bと第2ワンウェイクラッチ23の4つのローラ23bとは、内輪25に対してそれぞれ同じ周方向位置に配置されている。言い換えると、第1ワンウェイクラッチ21の4つのローラ21bと第2ワンウェイクラッチ23の4つのローラ23bとは1対1に対応し、これら対応する2つのローラ21bおよび23bが軸方向に沿って並んで配置されている。同様に、第1ワンウェイクラッチ21の4つのブロックベアリング21dと第2ワンウェイクラッチ23の4つのブロックベアリング23dとは1対1に対応し、これら対応する2つのブロックベアリング21dおよび23dが軸方向に沿って並んで配置されている。
内輪25は、軸方向に所定の長さを有する円筒状の本体部27と、本体部27の軸方向他方側端部の内周面から径方向内方に突出して形成された連結部29とから構成されている。連結部29の内径部にはスプライン31が形成されている。内輪25は、連結部29のスプライン31がポンプ駆動軸7の外周面に形成されたスプライン32に嵌合されることにより、ポンプ駆動軸7に固定されている。この構成により、内輪25とポンプ駆動軸7とは一体に回転する。
第2ワンウェイクラッチ23と支持部15との間には、スラストワッシャ30が配置されている。スラストワッシャ30は、固定用ピン30aによって支持部15に対する相対回転が規制された状態で支持部15に取り付けられている。スラストワッシャ30は、内径側部分が内輪25の軸方向他方側端面と接触し、外径側部分が外輪23aの軸方向他方側端面と接触している。すなわちスラストワッシャ30は、内輪25および第2ワンウェイクラッチ23の外輪23aのスラスト軸受である。
なお、第1ワンウェイクラッチ21の外輪21aおよび第2ワンウェイクラッチ23の外輪23aは、ポンプカバー4と支持部15との間に、スラストワッシャ26とスラストワッシャ28とスラストワッシャ30とを介して軸方向に支持されている。
内輪25の本体部27は、軸方向から見てポンプカバー4の突出部11よりも径方向外方側に配置され、径方向から見てポンプカバー4の突出部11と径方向に重なる部分を有するように配置されている。すなわち内輪25の本体部27は、ポンプ駆動軸7およびポンプカバー4の突出部11と径方向に重なって配置される部分を有している。内輪25の本体部27の軸方向一方側端面は、ポンプカバー4の本体部10の軸方向他方側端面と隙間を介して軸方向に対向している。内輪25の連結部29の軸方向一方側の面は、ポンプカバー4の突出部11の軸方向他方側端面と隙間を介して軸方向に対向している。また、内輪25の本体部27の内周面は、ポンプカバー4の突出部11の外周面に対して接触した状態で回転する。すなわち内輪25は、ポンプカバー4の突出部11に回転可能に支持されている。
内輪25の本体部27の外周面には、図2および図3に示すように、径方向内方に窪んだ凹部33が複数形成されている。本実施形態においては、4つの凹部33が周方向に所定間隔で形成されている。凹部33は本体部27の外周面の軸方向全長に亘って形成されている。凹部33には第1ワンウェイクラッチ21のローラ21bおよび第2ワンウェイクラッチ23のローラ23bが配置されている。凹部33の底面は、第1ワンウェイクラッチ21のローラ21bおよび第2ワンウェイクラッチ23のローラ23bが係合するカム面35を構成している。カム面35は、凹部33の周方向一方端から周方向他方端へ向かうに従い外輪21aの内周面および外輪23aの内周面との径方向間隔が大きくなる方向に傾斜した傾斜面である。
第1ワンウェイクラッチ21のローラ21bと第2ワンウェイクラッチ23のローラ23bとは、上述したように軸方向に並んで配置されているので、カム面35は、第1ワンウェイクラッチ21のローラ21bが係合する部分と第2ワンウェイクラッチ23のローラ23bが係合する部分とが軸方向に並んで形成されている。
ローラ21bは円柱状の部材である。ローラ21bは、ローラ21b自体の軸方向が外輪21aおよび内輪25の軸方向と平行となる向きに凹部33に配置されている。ローラ21bは、凹部33のカム面35を摺動または転動する。ローラ23bもローラ21bと同様の構成である。
ブロックベアリング21dは、径方向上下端部から径方向中央部に向かって周方向寸法が徐々に小さくなり、周方向両側の面の中央部がくびれている。ブロックベアリング21dは、周方向に所定間隔で複数(本実施形態においては4つ)配置されており、外輪21aと内輪25との径方向間隔を保ち、外輪21aと内輪25とを同心に保持している。ブロックベアリング23dもブロックベアリング21dと同様の構成である。
内輪25と外輪21aおよび外輪23aとの間には、ローラ21b、ローラ23b、ブロックベアリング21dおよびブロックベアリング23dを保持するための保持器37が配置されている。保持器37は、図1、図2および図3に示すように、第1ワンウェイクラッチ21のローラ21bの軸方向一方側に配置された第1環状部39と、第2ワンウェイクラッチ23のローラ23bの軸方向他方側に配置された第2環状部41と、第1環状部39と第2環状部41とを軸方向に連結する複数の柱部43とによって構成されている。柱部43は、保持器37の全周に亘って複数(本実施形態においては4つ)が設けてある。また、保持器37は、図3に示すように、軸方向他方側の部分すなわち第2ワンウェイクラッチ23に対応する部分に、第2の柱部45が複数形成されている。第2の柱部45は、第2環状部41の軸方向一方側の面から軸方向一方側に突出して形成されている。柱部43と第2の柱部45とは、周方向一方側から周方向他方側に向かってこの順番で1組をなし、且つ交互に保持器37の全周に亘って複数組(本実施例においては4組)が設けてある。
図1に示すように、保持器37の第1環状部39の内径側縁部には、径方向内方に突出するフランジ47が形成され、フランジ47の軸方向他方側の面は、内輪25の軸方向一方側の端面に接触している。保持器37の第2環状部41の内径側縁部には、径方向内方に突出するフランジ49が形成され、フランジ49の軸方向一方側の面は、内輪25の軸方向他方側の端面に接触している。このような構成により、保持器37は軸方向の移動が規制されている。
図2に示すように、保持器37の柱部43の内周部には、径方向内方へ突出し、軸方向に延在する突出部51が形成されている。突出部51は内輪25の外周面に形成された軸方向溝53に係合している。この係合により、保持器37は内輪25との相対回転が規制され、内輪25と一体に回転する。
図2、図3に示すように、柱部43の周方向一方側の面には、軸方向一方側の部分に凹部57が形成され、軸方向他方側の部分に凹部57と同様の構成の凹部58が形成されている。凹部57にはローラ21bをカム面35との係合方向すなわち周方向一方側に付勢するためのスプリング21cが配置され、凹部58にはローラ23bをカム面35との係合方向すなわち周方向一方側に付勢するためのスプリング23cが配置されている。
図2、図3に示すように、保持器37の柱部43の周方向他方側の面は、ブロックベアリング21d、23dの周方向一方側の面のくぼみ形状に対応した曲面に形成され、ブロックベアリング21d、23dの周方向一方側の全面と接触している。
図2に示すように、内輪25の外周部の軸方向一方側の部分すなわち第1ワンウェイクラッチ21の外輪21aに対応する部分には、各カム面35の周方向一方端に隣接して、断面形状が円弧の凹面部61が形成されている。内輪25の外周部の軸方向一方側の部分にはさらに、各凹面部61の周方向一方側に隣接して、径方向外方に突出する突出部63が形成されている。
突出部63の周方向一方側の面は、ブロックベアリング21dの周方向他方側の面のくぼみ形状に対応した曲面に形成され、ブロックベアリング21dの周方向他方側の全面と接触している。ブロックベアリング21dは柱部43と突出部63とに周方向に挟持されることよって周方向移動が規制されると共に、径方向外方へのがたつきも抑制されている。第2ワンウェイクラッチ23においては、図3に示すように、保持器37の柱部45の周方向一方側の面が、ブロックベアリング23dの周方向他方側の面のくぼみ形状に対応した曲面に形成され、ブロックベアリング23dの周方向他方側の全面と接触している。ブロックベアリング23dは柱部43と柱部45とに周方向に挟持されることよって周方向移動が規制されると共に、径方向外方へのがたつきも抑制されている。
保持器37の柱部43の周方向一方側の面と突出部63の周方向他方側の面とは所定の間隔を介して周方向に対向している。柱部43の周方向一方側の面と突出部63の周方向他方側の面とによって形成される空間55内に1つのローラ21bが配置されている。第2ワンウェイクラッチ23においては、図3に示すように、柱部43の周方向一方側の面と柱部45の周方向他方側の面とによって形成される空間内に1つのローラ23bが配置されている。
突出部63の外径側部分には、周方向他方側に張り出した張り出し部65が形成されている。突出部63の外周面と張り出し部65の外周面とは、外輪21aの内周面の曲率半径と同じ曲率半径を有する一つの曲面を形成している。張り出し部65の内周側の面は、周方向他方側すなわち張り出し部65の先端に向かうに従い、内輪25の外周面との径方向間隔が大きくなる方向に傾斜した傾斜面67となっている。言い換えると、張り出し部65の内周側の傾斜面67は、径方向外方に向かうに従い周方向他方側に向かう方向すなわちローラ21bに近づく方向へ傾いている。
突出部63の内径側部分の周方向他方側の面は、断面形状が円弧の曲面部69となっている。曲面部69は、内輪25の凹面部61と張り出し部65の傾斜面67との連続部を形成している。曲面部69の断面形状の円弧は凹面部61の断面形状の円弧と同じ曲率半径を有し、凹面部61の断面形状の円弧と連続して略半円の弧を形成している。
内輪25の凹面部61と、突出部63の曲面部69と、張り出し部65の傾斜面67とにより、軸方向に延在し、断面略U字状またはJ字状の凹溝71が形成されている。曲面部69と、凹面部61の曲面部69側の部分とが凹溝71の底部を構成し、凹面部61のカム面35側の部分と、傾斜面67とが、凹溝71の底部に関して略周方向に対向する凹溝71の一対の溝壁を構成している。傾斜面67は凹溝71の周方向一方側の溝壁を構成し、凹面部61の径方向外方まで延在している。すなわち傾斜面67は、凹面部61を、空間を介して径方向外方で覆っている。傾斜面67はこのような構成なので、凹溝71は径方向外方且つ周方向他方側に向かって開口している。
凹溝71の底部の曲率半径は、ローラ21bの曲率半径よりも小さく形成されている。凹溝71には、ウェイトローラ22が配置されている。ウェイトローラ22は、第1ワンウェイクラッチ21のローラ21bの周方向一方側に配置されている。ウェイトローラ22は円柱状の部材であり、その断面形状の円の曲率半径は、凹溝71の底部の曲率半径よりも少し小さく形成されている。ウェイトローラ22は第1ワンウェイクラッチ21のローラ21bと略同じ軸方向長さを有し、ウェイトローラ22自体の軸方向が外輪21aおよび内輪25の軸方向と平行となる向きに凹溝71に配置されている。
ウェイトローラ22は、凹溝71の底部に関して対向する凹溝71の前記一対の溝壁間の幅よりも少し小さい直径を有している。このような構成により、ウェイトローラ22は凹溝71の傾斜面67に沿って略径方向に移動可能となっている。図2に示すように、ウェイトローラ22は凹溝71の底部に位置している状態において、凹溝71の開口から周方向他方側の一部が突出し、他の部分は凹溝71に収容されている。このように凹溝71はウェイトローラ22の収容部を構成している。ウェイトローラ22は、凹溝71の開口から突出している周方向他方側の部分が、第1ワンウェイクラッチ21のローラ21bの周方向一方側の部分と接触している。
図示しないモータの出力軸の回転は、図示しないギヤ機構を介して、第1ワンウェイクラッチ21の外輪21aを駆動する環状の第1駆動部材72に伝達される。第1駆動部材72の内周部にはギヤ73が形成されている。第1ワンウェイクラッチ21の外輪21aの外周部には、第1駆動部材72のギヤ73と噛み合うギヤ74が形成されている。したがって、第1ワンウェイクラッチ21の外輪21aは第1駆動部材72と一体回転する。第1駆動部材72の回転は、第1駆動部材72のギヤ73と噛み合うギヤ74を介して第1ワンウェイクラッチ21の外輪21aに伝達される。
第1ワンウェイクラッチ21は、外輪21aが内輪25に対して図2において時計方向へ回転すると、ローラ21bが内輪25のカム面35と外輪21aの内周面とに係合し、外輪21aと内輪25とが結合して一体に回転し、ローラ21bを介して外輪21aから内輪25へ回転が伝達される。一方、外輪21aが内輪25に対して図2において反時計方向へ相対回転すると、ローラ21bは内輪25のカム面35に係合せず、外輪21aは内輪25に対して空転する。この状態においては、外輪21aから内輪25へ回転は伝達されない。
図示しないエンジンの出力軸の回転は、図示しないギヤ機構を介して、第2ワンウェイクラッチ23の外輪23aを駆動する環状の第2駆動部材75に伝達される。第2駆動部材75の内周部にはギヤ76が形成されている。第2ワンウェイクラッチ23の外輪23aの外周部には、第2駆動部材75のギヤ76と噛み合うギヤ77が形成されている。したがって、第2ワンウェイクラッチ23の外輪23aは第2駆動部材75と一体回転する。第2駆動部材75の回転は、第2駆動部材75のギヤ76と噛み合うギヤ77を介して第2ワンウェイクラッチ23の外輪23aに伝達される。
第2ワンウェイクラッチ23は、外輪23aが内輪25に対して図3において時計方向へ回転すると、ローラ23bが内輪25のカム面35と外輪23aの内周面とに係合し、外輪23aと内輪25とが結合して一体に回転し、ローラ23bを介して外輪23aから内輪25へ回転が伝達される。一方、外輪23aが内輪25に対して図3において反時計方向へ相対回転すると、ローラ23bは内輪25のカム面35に係合せず、外輪23aは内輪25に対して空転する。この状態においては、外輪23aから内輪25へ回転は伝達されない。
本実施形態のポンプ駆動装置1は、第1ワンウェイクラッチ21の外輪21aに伝達されるモータの回転と、第2ワンウェイクラッチ23の外輪23aに伝達されるエンジンの回転とを選択的に内輪25に伝達し、これによりオイルポンプ2を常時駆動している。ポンプ駆動装置1は、第1ワンウェイクラッチ21の外輪21aと第2ワンウェイクラッチ23の外輪23aとが同時に回転する状態にあっては、外輪21aと外輪23aのうち、速い方の回転を内輪25に伝達する。このとき、外輪21aと外輪23aのうち回転が遅い方は、内輪25に対して反時計方向に相対回転し、内輪25に対して空転状態である。
次に、第1ワンウェイクラッチ21および第2ワンウェイクラッチの作動を含むオイルポンプ駆動装置1の作動を説明する。本実施形態においては、図示しないモータの出力軸の回転が第1駆動部材72に伝達されると、第1駆動部材72は図2において時計方向に回転し、第1ワンウェイクラッチ21の外輪21aは第1駆動部材72と一体に時計方向に回転する。また、図示しないエンジンの出力軸の回転が第2駆動部材75に伝達されると、第2駆動部材75は図3において時計方向に回転し、第2ワンウェイクラッチ23の外輪23aは第2駆動部材75と一体に時計方向に回転する。
本実施形態においては、第1ワンウェイクラッチ21は、図示しないモータの出力軸に連結されている第1駆動部材72の単位時間当たりの回転数が所定の回転数を上回ると、それ以上の高回転での回転伝達がなされないように外輪21aと内輪25との結合を解除し、外輪21aから内輪25への回転の伝達が遮断される構成となっている。
モータもエンジンも停止している状態においては、第1ワンウェイクラッチ21の外輪21aは停止し、また内輪25も停止している。この状態において、ローラ21bはスプリング21cによって周方向一方側へ付勢されることで外輪21aとカム面35に接触している。すなわちローラ21bはトルク伝達位置に位置している。また、この状態において、ウェイトローラ22は周方向他方側の部分がローラ21bの周方向一方側の部分と接触しており、ウェイトローラ22はローラ21bによって周方向一方側へ付勢され、凹溝71の底部に位置している。
この状態からモータが始動し、モータの出力軸の回転が第1駆動部材72に伝達されると、第1駆動部材72の回転は第1ワンウェイクラッチ21の外輪21aに伝達され、外輪21aは図2における時計方向に回転する。外輪21aが回転すると、ローラ21bは、外輪21aの内周面およびカム面35上を転動または摺動して周方向一方側へ移動し、カム面35に係合する。すなわちローラ21bはトルク伝達位置に位置している。これにより外輪21aと内輪25とが結合し、第1ワンウェイクラッチ21の外輪21aと内輪25とは一体に回転する。この状態において、ポンプ駆動装置1は、第1ワンウェイクラッチ21を介して、モータの回転によってオイルポンプ2を駆動している。また、この状態において、ウェイトローラ22は、図2に示すように、ローラ21aの移動により周方向一方側へ押され、凹溝71の底部に押圧されている。
内輪25が外輪21aと一体に回転すると、凹溝71に配置されたウェイトローラ22には遠心力が作用する。第1駆動部材72の単位時間当たりの回転数が増加し、これに伴い内輪25の単位時間当たりの回転数が増加すると、ウェイトローラ22に作用する遠心力も増大する。
本実施形態においては、モータの回転数が低速回転域から車両の通常の走行状態に対応する回転域までの範囲においては、モータの回転が伝達される第1駆動部材72の単位時間当たりの回転数は所定の回転数以下である。この状態においては、ウェイトローラ22に作用する遠心力が、外輪21aからの回転トルクによって発生しているローラ21bと外輪21aおよび、ローラ21bと内輪25との間の係合力を上回ることはない。したがって各ウェイトローラ22はローラ21bに押圧された状態のままで凹溝71の底部から移動しない。したがって外輪21aと内輪25とは一体に回転し、第1駆動部材72から内輪25へ回転が伝達される。
車両の急加速等によりモータの回転数が増加して高速回転域になると、第1駆動部材72の単位時間当たりの回転数が所定の回転数を上回る。すなわち、内輪25の単位時間当たりの回転数が所定の回転数を上回る。この状態においては、ウェイトローラ22に作用する遠心力が、第1ワンウェイクラッチ21の外輪21aからの回転トルクによって発生しているローラ21bと外輪21aおよび、ローラ21bと内輪25との間の係合力を上回る。すると、ウェイトローラ22には遠心力によって径方向外方への力が作用しているので、ウェイトローラ22は径方向外方へ移動しようとする。しかし凹溝71の径方向外方には凹溝71の周方向一方側の壁面である傾斜面67が配置されているので、ウェイトローラ22は傾斜面67上を転動または摺動し、傾斜面67に沿って径方向外方且つ周方向他方側へ移動する。ウェイトローラ22が傾斜面67に沿って移動すると、ウェイトローラ22は凹溝71の開口からさらに突出し、接触しているローラ21bを周方向他方側へ押圧し、かつ内輪25を周方向一方側へ押圧して、ローラ21bと内輪25のカム面35との係合力を低下させる。
以上のように、ローラ21bは、ウェイトローラ22によって周方向他方側へ押圧され、カム面35上を周方向他方側へ移動する。こうしてローラ21bはトルク非伝達位置に移動し、ローラ21bとカム面35との係合は解除され、これと同時に外輪21aと内輪25との結合も解除される。このように、ウェイトローラ22と、凹溝71の溝壁である傾斜面67とは、第1ワンウェイクラッチ21の外輪21aと内輪25との結合を解除して外輪21aから内輪25への回転の伝達を遮断する回転遮断機構を構成している。
第1ワンウェイクラッチ21の外輪21aと内輪25との結合が解除されている状態において、外輪21aは内輪25に対して空転状態となる。したがって第1駆動部材72から外輪21aに入力されるモータの高速の回転は、内輪25に伝達されない。一方、外輪21aと内輪25との結合が解除されても、内輪25は結合が解除されるまでの回転の惰性により回転が継続される。すなわちオイルポンプ2の駆動軸7の回転は継続される。
第1ワンウェイクラッチ21の外輪21aと内輪25との結合が解除されている状態から、モータの回転数が減少し、第1駆動部材72の単位時間当たりの回転数が所定の回転数以下となると、ウェイトローラ22に作用する遠心力は、外輪21aからの回転トルクによって発生しているローラ21bと外輪21aおよび、ローラ21bと内輪25との間の係合力よりも小さくなる。すると、ローラ21bは周方向一方側に押圧されてカム面35上を周方向一方側に移動する。ローラ21bのこの移動によりウェイトローラ22は周方向一方側へ押され、凹溝71の底部に移動する。そしてローラ21bはカム面35に係合する。これによりローラ21bはトルク伝達位置に位置し、外輪21aと内輪25とは再び結合し、外輪21aと内輪25とは一体に回転する。すなわちオイルポンプ2の駆動軸7の回転は継続される。
このように、第1ワンウェイクラッチ21は、第1駆動部材72の単位時間当たりの回転数が所定の回転数以下の状態では、第1駆動部材72に伝達されたモータの出力軸の回転が第1ワンウェイクラッチ21の外輪21aから内輪25に伝達される一方、第1駆動部材72の単位時間当たりの回転数が所定の回転数を上回ると外輪21aから内輪25への回転の伝達は遮断される。
なお、第1ワンウェイクラッチ21の外輪21aと内輪25とを結合し、該結合を解除するための第1駆動部材72の単位時間当たりの回転数は、第1ワンウェイクラッチ21のローラ21bの直径および数、ウェイトローラ22の直径、外輪21aおよび内輪25の大きさ、モータの出力の大きさ等を総合的に考慮して設計される。
一方、図示しないエンジンの出力軸の回転が第2駆動部材75に伝達され、第2ワンウェイクラッチの外輪23aの回転の方が第1ワンウェイクラッチの外輪21aの回転よりも速い状態においては、ローラ23bが内輪25の・BR>Jム面35と外輪23aの内周面とに係合し、外輪23aと内輪25とが結合して一体に回転し、外輪23aから内輪25へ回転が伝達される。そして内輪25が回転することにより駆動軸7が回転し、オイルポンプ2が駆動する。
この状態においては、第1ワンウェイクラッチ21の外輪21aの時計方向への回転よりも内輪25の時計方向への回転の方が速い。すなわち第1ワンウェイクラッチ21の外輪21aは内輪25に対して図2において反時計方向に相対回転する。このとき第1ワンウェイクラッチ21のローラ21bはカム面35に係合していない。また、この状態において、ウェイトローラ22には内輪25の回転による遠心力によって径方向外方への力が加わっており、ローラ21bを周方向他方側、すなわちカム面35との非係合方向へ付勢している。
オイルポンプ2が駆動すると、ポンプ室13の吐出口14から吐出された潤滑用のオイルは、ポンプカバー4の内部および駆動軸7の内部に設けられた油路94、95、96に供給され、これらの油路94、95、96を経由して第1ワンウェイクラッチ21および第2ワンウェイクラッチ23の潤滑部、さらに図示しない他の駆動関連装置に供給される。
次に本実施形態に係るオイルポンプ駆動装置1の効果について説明する。
本実施形態に係るオイルポンプ駆動装置1は、上述したような構成の回転遮断機構を備えることにより、第1駆動部材72の単位時間当たりの回転数が所定の回転数を上回ると、第1駆動部材72の回転の伝達が遮断され、内輪25には第1駆動部材72の回転が伝達されない。したがって、車両の駆動装置として高回転モータを適用しても、オイルポンプ2に高回転負荷が掛かってしまうことがない。その結果、高回転モータを適用してもオイルポンプ2の焼き付き等を防止することができる。
また、本実施形態に係るオイルポンプ駆動装置1は、第1ワンウェイクラッチ21の内輪25に回転遮断機構が設けられている。したがって、本実施形態によれば、モータとオイルポンプ駆動装置1との間に減速機構を設けるスペースを別途確保する必要がない。したがって従来のオイルポンプ駆動装置と比較して設置スペースの増大を招くことなく、高回転モータに対応するオイルポンプ駆動装置1を実現することができる。
また、オイルポンプ駆動装置1は、第1ワンウェイクラッチ21の内輪25に回転遮断機構が設けられているので、第1ワンウェイクラッチ21の軸方向寸法、更には、オイルポンプ駆動装置1の軸方向寸法の増大を抑制することができる。
なお、本実施形態に係るオイルポンプ駆動装置1は、上記実施形態に限定されず、変形が可能である。例えば、第2ワンウェイクラッチ23のトルク伝達部材を、ローラ23bに代えてスプラグとすることもできる。また、トルク伝達部材の数も適宜調節が可能である。また、上記実施形態においてはカム面35を内輪25に設けているが、カム面35を外輪21aおよび23aに設けても良い。また、凹溝71の軸方向両端を塞ぎ、ウェイトローラ22に代えてウェイトローラ22と同径のボールを1つまたは複数配置しても良い。
また、本実施形態に係るオイルポンプ駆動装置1によって駆動されるオイルポンプの形式は限定されず、例えば内接歯車ポンプ、外接歯車ポンプ、ベーンポンプ等に用いることができる。
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態について説明する。
図4は、第2実施形態に係るオイルポンプ駆動装置の軸方向に沿った断面図であり、オイルポンプ駆動装置によって駆動されるオイルポンプの断面の概略も合わせて示している。
図4に示すように、本実施形態に係るオイルポンプ駆動装置201は、第1実施形態と同様に、オイルポンプ2の軸方向他方側に隣接して設けられている。オイルポンプ2の構成は第1実施形態と同様である。
本実施形態に係るオイルポンプ駆動装置201は、第1実施形態と同様に、第1ワンウェイクラッチの外輪を駆動する駆動部材の単位時間当たりの回転数が所定の回転数を越えると、第1ワンウェイクラッチの外輪から内輪への回転の伝達を遮断する回転遮断機構を備えている。本実施形態は、主に回転遮断機構の構成が第1実施形態と異なっており、他の構成は第1実施形態と略同様である。以下、本実施形態について第1実施形態と異なる構成を中心に説明する。第1実施形態と同様の構成については、図1乃至3を援用して第1実施形態と同じ符号を用い、詳細な説明は省略する。
本実施形態に係るオイルポンプ駆動装置201は、図4に示すように、第1ワンウェイクラッチ221と、第2ワンウェイクラッチ223と、第1ワンウェイクラッチ221と第2ワンウェイクラッチ223との共通の内輪225とを備えている。内輪225は、第1実施形態の内輪25とは構成が異なっている。本実施形態の内輪225は、第1実施形態の内輪25における凹面部61および突出部63を有していない。内輪225の他の構成は第1実施形態と同様である。
第1ワンウェイクラッチ221は、外輪221aと、内輪225と外輪221aとの間に周方向に所定間隔で介装された複数(本実施形態においては4つ)のローラ21bと、ローラ21bを内輪225と外輪221aとを結合する方向に付勢するコイル状またはアコーデオン状のスプリング21cと、内輪225と外輪221aとの径方向間隔を保持するための複数(本実施形態においては4つ)のブロックベアリング21dとを備えている。
第1ワンウェイクラッチ221の外輪221aは、第1実施形態の外輪21aとは構成が異なっている。外輪221aは、外径側の第1環状部220と内径側の第2環状部222とから構成されている。さらに第1ワンウェイクラッチ221は、第1環状部220と第2環状部222とを連結し、該連結を解除する連結機構を備えている。また、第1ワンウェイクラッチ221は、第1実施形態におけるウェイトローラ22を備えていない。ローラ21b、スプリング21c、およびブロックベアリング21dは、それぞれ第1実施形態におけるローラ21b、スプリング21c、およびブロックベアリング21dと同様の構成である。
外輪221aの第1環状部220と第2環状部222とは同軸に且つ相対回転可能に配置されている。第1環状部220と第2環状部222とは、連結機構によって連結されている状態において一体に回転する。第1環状部220、第2環状部222、および連結機構の詳細な構成については後述する。なお、以降の説明において単に「外輪221a」というときは、連結機構によって連結されている状態の第1環状部220および第2環状部222の全体のことをいう。また、「外輪221aの内周面」は「第2環状部222の内周面」である。
第2ワンウェイクラッチ223は、図3に示す第1実施形態における第2ワンウェイクラッチ23と同様の構成である。
本実施形態のオイルポンプ駆動装置201の保持器237は、第1実施形態と同様の構成の第1環状部39、第2環状部41、および複数の柱部43を備えると共に、軸方向一方側の部分すなわち第1ワンウェイクラッチ221に対応する部分にも複数の柱部45を備えている。あるいは、柱部45は、柱部43と同様に、第1環状部39と第2環状部41とを軸方向に連結する構成としてもよい。柱部43と柱部45とは、周方向一方側から周方向他方側に向かってこの順番で1組をなし、且つ交互に保持器237の全周に亘って複数組(本実施形態においては4組)が設けてある。
本実施形態においては、保持器237の柱部45の周方向一方側の面が、ブロックベアリング21d、23dの周方向他方側の面のくぼみ形状に対応した曲面に形成され、ブロックベアリング21d、23dの周方向他方側の全面と接触している。また、本実施形態においては、保持器237の柱部43の周方向一方側の面と柱部45の周方向他方側の面とが所定の間隔を介して周方向に対向し、柱部43の周方向一方側の面と柱部45の周方向他方側の面とによって形成される空間55内に1つのローラ21bおよび1つのローラ23bが配置されている。
次に、第1ワンウェイクラッチ221の外輪221aおよび外輪221aの連結機構について説明する。
本実施形態のワンウェイクラッチ221の外輪221aは、上述したように外径側の第1環状部220と、内径側の第2環状部222とから構成されている。第1環状部220の外周部にはスプライン274が形成されている。第1環状部220のスプライン274は第1駆動部材72のスプライン273と軸方向移動可能に嵌合している。したがって、第1環状部220は第1駆動部材72に対して軸方向移動が可能であり、同時に第2環状部222に対しても軸方向移動が可能となっている。
図4に示すように、外輪221aの第2環状222は、軸方向に延在する筒状の部材である。第2環状222の内周面は、ローラ21bの転動面または係合面となっている。第2環状部222は、円筒状の軸方向中央部80(以下、「中央部80」と略記する。)よりも軸方向一方側部分の外周部に、軸方向に延在する複数の第1の凹溝81(以降、当該凹溝を「第1の軸方向溝81」という。)が周方向に等間隔に形成されている。本実施形態においては、図示は省略するが、8つの第1の軸方向溝81が形成されている。なお、図4においては、最も上側と最も下側に現れる第1の軸方向溝81を図示し、他の軸方向溝81の図示を省略している。複数の第1の軸方向溝は81、第2環状部222の中央部80から第2環状部222の軸方向一方端まで延在し、第2環状部222の軸方向一方側端面に開口している。
第2環状部222の中央部80よりも軸方向他方側部分の外周部には、複数の第2の軸方向溝82が周方向に等間隔に形成されている。本実施形態においては、図示は省略するが、8つの第2の軸方向溝82が形成されている。なお、図4においては、最も上側と最も下側に現れる第2の軸方向溝82を図示し、他の軸方向溝82の図示を省略している。複数の第2の軸方向溝82は、第2環状部222の中央部80から第2環状部222の軸方向他方端まで延在し、第2環状部222の軸方向他方側端面に開口している。
第2環状部222の円筒状の中央部80の外周面は、第1環状部220の内周面と対向している。第2環状部222の中央部80の外径は、第1環状部220の内径とほぼ同じ大きさに形成されている。第1環状部220と第2環状部222とが相対回転する際、第1環状部220の内周面と第2環状部222の中央部80の外周面とは潤滑油を介して滑らかに摺動する。第2環状部222の中央部80の外周面は、第1環状部220の内周面よりも軸方向寸法が大きく形成されている。
第2環状部220の中央部80よりも軸方向他方側部分の外周部には、環状プレート83が嵌合されている。環状プレート83は、各第2の軸方向溝82に噛み合う内径歯83aを有し、各内径歯83aと各第2の軸方向溝82とが噛み合った状態で、第2の軸方向溝82の軸方向一方端に配置されている。すなわち、環状プレート83の内径歯83aは、第2の軸方向溝82の軸方向一方端の溝面に接触している。環状プレート83の軸方向一方側の面は、第1環状部220の軸方向他方側の面と軸方向に対向している。環状プレート83の軸方向他方側に隣接する第2環状部222の外周部には周方向溝84が形成され、周方向溝84には止め輪85が取り付けられている。止め輪85の軸方向一方側の面は環状プレート83の軸方向他方側の面と接触している。このような構成により、環状プレート83は、第2の環状部222に対して相対回転不能に、且つ軸方向移動不能に固定されている。
複数の第1の軸方向溝81には、それぞれ鋼製のボール86が1つ配置されている。ボール86の直径は、第1の軸方向溝81の径方向の深さよりも大きく、第1の軸方向溝81の周方向幅よりも少し小さい。したがってボール86は、図4に示すように、外径側部分が第1の軸方向溝81の外径側に突出している。
第2環状部222の中央部80よりも軸方向一方側部分の外周部には、環状のスライド板87が配置されている。スライド板87は、各第1の軸方向溝81に噛み合う内径歯88と、内径歯88よりも外径側の厚肉部89と、内径歯88と厚肉部89との間の径方向中間部90とからなる。内径歯88、径方向中間部90、および厚肉部89は一体に形成され、それぞれの軸方向一方側の面は、径方向に延在する一つの連続した面、すなわちスライド板87の軸方向一方側の端面を構成している。
環状のスライド板87は、各内径歯88と各第1の軸方向溝81とが噛み合った状態で、各内径歯88が各ボール86の軸方向一方側に隣接するように配置されている。この構成により、スライド板87は、外輪221aの第2環状部222に対して相対回転および径方向移動は規制されるが、軸方向に移動可能となっている。ボール86が第1の軸方向溝81の最も内径側に位置している状態(図4参照)において、スライド板87の内径歯88の軸方向他方側の面は、ボール86と軸方向に対向している。また、この状態において、スライド板87の厚肉部89の軸方向他方側の面は、内径歯88よりも軸方向他方側に位置し、外輪221aの第1環状部220の軸方向一方側の面と軸方向に対向している。
スライド板87の径方向中間部90は、軸方向他方側の面が、外径側に向かうに従い軸方向他方側へ傾く方向、すなわち外輪221aの第1環状部220に近づく方向に傾斜する傾斜面91となっている。傾斜面91は厚肉部89の内周部と連続している。ボール86が第1の軸方向溝81の最も内径側に位置している状態において、傾斜面91は、内径側端部がボール86と接触し、内径側端部以外の部分がボール86と非接触状態でボール86の径方向外方に位置している。
スライド板87よりも軸方向一方側であって、第2環状部222の軸方向一方側端部近傍の外周部には周方向溝92が形成され、周方向溝92には止め輪93が取り付けられている。止め輪93とスライド板87との間には、皿ばね94が介装されている。皿ばね94は、弾性変形した状態で介装され、皿ばね94の内径側縁部が止め輪93の内径側部分に接触し、皿ばね94の外径側縁部がスライド板87の軸方向一方側の端面に接触している。この接触により、スライド板87は皿ばね94によって常時軸方向他方側に付勢されている。
第1環状部220は、第2環状部222の環状プレート83とスライド板87の厚肉部89との間に配置されている。第1環状部220の軸方向一方側および軸方向他方側の面には、それぞれ摩擦材95が貼り付けられている。
上述したように、スライド板87は皿ばね94の弾性力によって常に軸方向他方側に付勢されている。皿ばね94のこの付勢力によって、ボール86が第1の軸方向溝81の最も内径側に位置している状態(図4参照)において、スライド板87の厚肉部89の軸方向他方側の面は、第1環状部220の軸方向一方側の面に押し付けられている。第1環状部220は、スライド板87が押し付けられることにより軸方向他方側に押され、第2環状部222の環状プレート83に押し付けられる。すなわち、第1環状部220は、スライド板87の厚肉部89と第2環状部222の環状プレート83とによって軸方向に挟持される。そして、第1環状部220の軸方向両側の面の摩擦材95がそれぞれスライド板87の厚肉部89と第2環状部222の環状プレート83と摩擦係合することにより、第1環状部220と第2環状部222とが連結される。この状態において、第1環状部220と第2環状部222とは一体に回転する。
このように外輪221aの連結機構は、第2環状部222の複数の第1の軸方向溝81と、複数の第1の軸方向溝81にそれぞれ配置されたボール86と、ボール86よりも軸方向一方側において第2環状部222に配置され、第1環状部220の軸方向一方側の面と対向するスライド板87と、スライド板87を軸方向一方側に付勢する皿ばね94と、第1環状部220の軸方向他方側において第2環状部222に配置され、第1環状部220の軸方向他方側の面と対向している環状プレート83とから構成されている。そして外輪221aの連結機構は、第1ワンウェイクラッチ221の外輪221aから内輪25への回転の伝達を遮断する回転遮断機構を構成している。
以上、本実施形態のオイルポンプ駆動装置201の構成を、第1実施形態と異なる構成を中心に説明したが、他の構成は第1実施形態と同様であるので詳細な説明は省略する。
次に、本実施形態のオイルポンプ駆動装置201の作動について説明する。
モータもエンジンも停止している状態においては、第1ワンウェイクラッチ221の外輪221aは停止し、また内輪225も停止している。この状態においては、図4に示すように、ボール86は第1の軸方向溝81の最も内径側に位置し、皿ばね94の付勢力によって、第1環状部220がスライド板87の厚肉部89と第2環状部222の環状プレート83とに挟持され、第1環状部220と第2環状部222とは連結されて一体となっている。
この状態からモータが始動し、モータの出力軸の回転が第1駆動部材72に伝達されると、第1駆動部材72の回転は第1ワンウェイクラッチ221の外輪221aの第1環状部220に伝達される。外輪221aの第1環状部220と第2環状部222とは一体となっているので、第2環状部222は第1環状部220の回転を受けて第1環状部220と一体に回転する。この状態において、第1駆動部材72からワンウェイクラッチ221に入力されたモータの出力軸の回転は、ローラ21bを介して内輪225に伝達される。
第2環状部222が第1環状部220と一体に回転すると、第2環状部222の各第1の軸方向溝81に配置されたボール86には遠心力が作用する。第1駆動部材72の単位時間当たりの回転数が増加し、これに伴い第2環状部222の単位時間当たりの回転数が増加すると、各ボール86に作用する遠心力も増大する。
本実施形態においては、モータの回転数が低速回転域から車両の通常の走行状態に対応する回転域までの範囲においては、モータの回転が伝達される第1駆動部材72の単位時間当たりの回転数は所定の回転数以下である。この状態においては、全てのボール86に作用する遠心力が、スライド板87を軸方向他方側に付勢している皿ばね94の付勢力を上回ることはない。したがって各ボール86は移動せず、第1環状部220と第2環状部222とは一体に回転し、第1駆動部材72から内輪225へ回転が伝達される。
車両の急加速等によりモータの回転数が増加して高速回転域になると、第1駆動部材72の単位時間当たりの回転数が所定の回転数を上回る。すなわち、第1環状部22と連結された第2環状部222の単位時間当たりの回転数が所定の回転数を上回る。この状態においては、全てのボール86に作用する遠心力が、スライド板87を軸方向他方側に付勢している皿ばね94の付勢力を上回る。すると、ボール86は遠心力によって第1の軸方向溝81の軸方向他方端部の溝面に沿って径方向外方に移動する。この移動により、ボール86は、第1の軸方向溝81の軸方向他方端部の溝面を径方向外方に転動あるいは摺動するとともに、スライド板87の傾斜面91上を径方向外方に摺動し、第1の軸方向溝81から径方向外方に突出する。
ボール86がスライド板87の傾斜面91上を径方向外方に摺動すると、スライド板87は径方向の移動が規制されているので、第2環状部222の第1の軸方向溝81に沿って軸方向一方側に移動する。スライド板87が軸方向一方側に移動すると、スライド板87の厚肉部89と第1環状部220との係合が解除される。これと同時に、第2環状部222の環状プレート83と第1環状部220との係合も解除される。
この状態において、第1環状部220と第2環状部222との連結は解除され、第1駆動部材72および第1環状部220は、第2環状部222に対して空転状態となる。したがって第1駆動部材72から第1環状部220に入力されるモータの高速の回転は、内輪225に伝達されない。このように、第1ワンウェイクラッチ221の連結機構は、外輪221aの第1環状部220から第2環状部222への回転の伝達を遮断し、外輪221aから内輪225への回転の伝達を遮断する回転遮断機構を攻勢している。
第1環状部220と第2環状部222との連結が解除されても、第2環状部222は、連結が解除されるまでの回転の惰性により回転が継続される。したがって第2環状部222の回転はローラ21bを介して内輪225に伝達される。すなわちオイルポンプ2の駆動軸7の駆動は継続される。
その後、第1駆動部材72に伝達されるモータの回転数が下がり、第1駆動部材72の単位時間当たりの回転数が所定の回転数を下回ると、ボール86に作用する遠心力は皿ばね94の付勢力よりも小さくなる。すると、皿ばね94の付勢力によりスライド板87は軸方向他方側に押圧されて軸方向他方側に移動し、ボール86はスライド板87の傾斜面91上を摺動しつつ径方向内方に移動し、第1の軸方向溝81内に移動する。そして、皿ばね94の付勢力によってスライド板87の厚肉部89が外輪221aの第1環状部220と係合するとともに第2環状部222の環状プレート83も第1環状部220と係合する。この時、第1環状部220の軸方向両側の面には摩擦材95が貼り付けてあるので、スライド板87の厚肉部89と第2環状部222の環状プレート83とが第1環状部220と係合する際の衝撃を摩擦材95が和らげ、スムーズに係合する。その結果、第1環状部220と第2環状部222とは連結されて一体となり、第1駆動部材72に伝達されたモータの出力軸の回転は内輪225に伝達される。
このように、本実施形態の第1ワンウェイクラッチ221は、第1駆動部材72の単位時間当たりの回転数が所定の回転数以下の状態では、第1駆動部材72に伝達されたモータの出力軸の回転が外輪221aから内輪225に伝達される一方、第1駆動部材72の単位時間当たりの回転数が所定の回転数を上回ると外輪221aから内輪225への回転の伝達は遮断される。
なお、第1ワンウェイクラッチ221の外輪221aを構成する第1環状部220と第2環状部222とを連結し、該連結を解除するための第1駆動部材72の単位時間当たりの回転数は、第1ワンウェイクラッチ221のローラ21bの数、外輪221aおよび内輪225の大きさ、モータの出力の大きさ等を総合的に考慮して設計される。
一方、図示しないエンジンの出力軸の回転が第2駆動部材75に伝達され、第2ワンウェイクラッチ223の外輪23aの回転の方が第1ワンウェイクラッチ221の外輪221aの回転よりも速い状態においては、ローラ23bが内輪225のカム面35と外輪23aの内周面とに係合し、外輪23aと内輪225とが結合して一体に回転し、外輪23aから内輪225へ回転が伝達される。そして内輪225が回転することにより駆動軸7が回転し、オイルポンプ2が駆動する。
この状態においては、第1ワンウェイクラッチ221の外輪221aは内輪225に対して図5において反時計方向に相対回転する。このとき第1ワンウェイクラッチ221のローラ21bはカム面35に係合していない。この状態においては、第1ワンウェイクラッチ221の外輪221aは内輪225に対して空転状態となる。このため、全てのボール86に作用する遠心力が、スライド板87を軸方向他方側に付勢している皿ばね94の付勢力を上回ることはない。
オイルポンプ2が駆動すると、第1実施形態と同様に、ポンプ室13の吐出口14から吐出された潤滑用のオイルは、ポンプカバー4の内部および駆動軸7の内部に設けられた油路94、95、96に供給され、これらの油路94、95、96を経由して第1ワンウェイクラッチ221および第2ワンウェイクラッチ223の潤滑部、さらに図示しない他の駆動関連装置に供給される。
本実施形態に係るオイルポンプ駆動装置201は、上述したような構成の連結機構すなわち回転遮断機構を備えることにより、第1駆動部材72の単位時間当たりの回転数が所定の回転数を上回ると、外輪221aから内輪225への回転の伝達が遮断される。したがって、第1実施形態と同様に、車両の駆動装置として高回転モータを適用しても、オイルポンプ2に高回転負荷が掛かってしまうことがない。その結果、高回転モータを適用してもオイルポンプ2の焼き付き等を防止することができる。
また、本実施形態に係るオイルポンプ駆動装置201は、第1ワンウェイクラッチ221の外輪221aに回転遮断機構が設けられている。したがって、本実施形態によれば、モータとオイルポンプ駆動装置201との間に減速機構を設けるスペースを別途確保する必要がなく、設置スペースの増大を招くことなく、高回転モータに対応するオイルポンプ駆動装置201を実現することができる。
また、オイルポンプ駆動装置201は、第1ワンウェイクラッチ221の外輪221aに回転遮断機構が設けられているので、第1ワンウェイクラッチ221の軸方向寸法、更には、オイルポンプ駆動装置201の軸方向寸法の増大を抑制することができる。
なお、本実施形態に係るワンウェイクラッチ201は、上記実施形態に限定されず、変形が可能である。例えば、第1ワンウェイクラッチ221、第2ワンウェイクラッチ223のトルク伝達部材を、ローラ21b、23bに代えてスプラグとすることもできる。また、トルク伝達部材の数も適宜調節が可能である。また、上記実施形態においてはカム面35を内輪225に設けているが、カム面35を外輪221aおよび23aに設けても良い。また、ボール86の数も適宜調節が可能である。
また、本実施形態に係るオイルポンプ駆動装置1によって駆動されるオイルポンプの形式は限定されず、例えば内接歯車ポンプ、外接歯車ポンプ、ベーンポンプ等に用いることができる。
1、201 ポンプ駆動装置
2 オイルポンプ
3 ボディ
4 ポンプカバー
5 ポンプケース
7 駆動軸
15 支持部
21、221 第1ワンウェイクラッチ
21a、221a 外輪
21b ローラ
23、223 第2ワンウェイクラッチ
23a 外輪
23b ローラ
25、225 内輪
35 カム面
37、337 保持器
61 凹面部
63 突出部
65 張り出し部
67 傾斜面
69 曲面部
71 凹溝
81 第1の軸方向溝
82 第2の軸方向溝
83 環状プレート
86 ボール
87 スライド板
91 傾斜面
94 皿ばね
95 摩擦材
220 第1環状部
222 第2環状部

Claims (9)

  1. オイルポンプのポンプ駆動軸と同軸上に配置される2つのワンウェイクラッチを備え、
    前記2つのワンウェイクラッチの各外輪には、互いに異なる駆動部材から回転が伝達され、
    前記2つのワンウェイクラッチは、複数のトルク伝達部材を介して、前記各外輪の回転を選択的に前記ポンプ駆動軸に伝達するオイルポンプ駆動装置において、
    前記2つのワンウェイクラッチの一方は、前記駆動部材の回転が所定値を超えた時、前記一方のワンウェイクラッチの外輪から前記ポンプ駆動軸への回転の伝達を遮断する回転遮断機構を備えていることを特徴とするオイルポンプ駆動装置。
  2. 前記回転遮断機構は、前記複数のトルク伝達部材のそれぞれの周方向一方側に配置され、前記一方のワンウェイクラッチの外輪と前記ポンプ駆動軸との間でトルク伝達をしている前記複数のトルク伝達部材を、それぞれトルク非伝達位置に移動させる複数の移動部材を備えていることを特徴とする請求項1に記載のオイルポンプ駆動装置。
  3. 前記回転遮断機構は、前記ポンプ駆動軸の外周部に、前記複数の移動部材がそれぞれ前記複数のトルク伝達部材と接触状態で配置される複数の収容部をさらに備え、
    前記複数の移動部材が前記ポンプ駆動軸とともに回転することによる遠心力によって前記収容部を移動することにより、前記複数のトルク伝達部材をそれぞれ前記トルク非伝達位置に移動させることを特徴とする請求項2に記載のオイルポンプ駆動装置。
  4. 前記収容部は、前記移動部材の径方向外方に、径方向外方に向かうに従い前記トルク伝達部材に近づく方向に傾斜する傾斜部を有し、
    前記移動部材は、前記傾斜部に沿って前記収容部を移動することを特徴とする請求項3に記載のオイルポンプ駆動装置。
  5. 前記トルク伝達部材は第1のローラであり、前記移動部材は第2のローラであることを特徴とする請求項1から4の何れか一項に記載のオイルポンプ駆動装置。
  6. 前記一方のワンウェイクラッチの外輪は、前記駆動部材から回転が伝達される外径側の第1の環状部と、前記第1の環状部からの回転を受けて回転可能な内径側の第2の環状部とからなり、
    前記回転遮断機構は、前記駆動部材の回転が所定値以内の時に前記第1の環状部と前記第2の環状部とを連結して一体回転可能とし、前記駆動部材の回転が前記所定値を超えた時に前記連結を解除する連結機構であることを特徴とする請求項1に記載のオイルポンプ駆動装置。
  7. 前記連結機構は、
    前記第1の環状部の軸方向一方側に配置され、前記第1の環状部と軸方向に対向し、前記第2の環状部に軸方向移動可能に設けられた環状の移動部材と、
    前記移動部材を軸方向他方側へ付勢する弾性部材とを有し、
    前記弾性部材によって付勢された前記環状の移動部材が前記第1の環状部と係合することにより前記第1の環状部と前記第2の環状部とが連結されることを特徴とする請求項6に記載のオイルポンプ駆動装置。
  8. 前記連結機構は、前記第2の環状部の外周部に周方向所定間隔に設けられた複数の凹部と、前記複数の凹部にそれぞれ径方向に移動可能に配置された複数のボールとを備え、
    前記複数のボールが前記第2の環状部とともに回転することによる遠心力によって前記凹部を移動することにより、前記環状の移動部材を軸方向一方側へ移動させて前記第1の環状部と前記第2の環状部との前記連結を解除することを特徴とする請求項7に記載のオイルポンプ駆動装置。
  9. 前記環状の移動部材は、前記各ボールの径方向外方に、径方向外方に向かうに従い前記第1の環状部に近づく方向に傾斜する傾斜部を有し、
    前記複数のボールは、前記傾斜部に沿って前記凹部を移動することを特徴とする請求項8に記載のオイルポンプ駆動装置。
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