JP2005256915A - 一方向クラッチ - Google Patents

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Abstract

【課題】 ころが外輪に凝着する力を低下させ、ころが噛み込み解除状態から噛み込み状態に確実に復帰させることができる一方向クラッチを提供する。
【解決手段】 ころ13を噛み込ませるカム面11と噛み込み解除状態のころ13を保持するころ保持部21とが外輪4に形成されている。外輪4のころ保持部21に、ころと13の接触面積を減少させる凹所21cが設けられている。凹所21cは、ころ13がころ保持部21と周方向の2カ所21a,21bにおいて接触するように形成されている。
【選択図】 図2

Description

この発明は、例えば、内燃機関の始動時および内燃機関による補機駆動時の回転力をベルトによって伝達するベルト伝動システムにおいて、ベルト駆動スタータやオルタネータに使用されるのに好適な一方向クラッチに関する。
図5に示すように、内輪(3)、外輪(4)、両輪(3)(4)間に配されたころ(13)、ころを噛み込み方向へ付勢するコイルばね(14)およびころ(13)を保持する保持器(15)を備え、ころ(13)を噛み込ませるカム(11)と噛み込み時解除状態のころ(13)を保持するころ保持面(16)とが外輪(4)に形成されている一方向クラッチは、従来より知られている(特許文献1)。この特許文献1のものでは、同図に二点鎖線で示されているように、噛み込み状態においては、カム面(11a)と内輪(3)との間にころ(13)が噛み込まれて、内輪(3)と外輪(4)とが一体で回転し、遠心力の作用によって、ころ(13)が楔状空間(12)の広い側に移動した噛み込み解除状態では、ころ(13)は、同図に実線で示されているように、その外周部分が外輪(4)に形成されたころ保持面(16)にちょうど収まり、内輪(3)外周ところ(13)との間隙が確保され、内輪(3)ところ(13)との非接触状態が達成されるようになされている。外輪(4)には、カム面(11)のころ保持用凹面部(16)に連なってばね位置決め面(18)が設けられており、保持器(15)には、コイルばね(14)を位置決めするばね受け凹所(17)が設けられている。ばね受け凹所(17)は、ばね端部位置決め面(17a)およびばね内側位置決め面(17b)を有しており、このばね内側位置決め面(17b)に連なって、保持器側のころ保持面である傾斜面(17c)が設けられている。外輪(4)のころ保持面(16)は、ころ(13)の外周面の半径とほぼ同じ半径の横断面円弧状の凹面とされており、プーリ(4)のころ保持面であるころ保持用凹面部(16)と保持器(15)のころ保持面であるころ保持用傾斜面(17c)とによって、噛み込み解除方向に移動したころ(13)を受け止めて保持する横断面略ハの字状のころ保持部が形成されている。ころ(13)は、遠心力が作用しなくなると、コイルばね(14)の付勢力によって噛み込み方向(二点鎖線で示された位置)に移動(復帰)させられる。
特開2003−156075号公報
上記の一方向クラッチでは、潤滑のためのグリスが封入されており、このグリスの介在により、ころが外輪に凝着する。凝着力が小さい場合には、問題ないが、この凝着力が大きくなって、コイルばねの付勢力以上になると、ころをコイルばねの付勢力によって噛み込み方向に移動させにくくなり、両方向で空転したり噛み合いの応答が遅れたりするという問題が発生する懸念がある。コイルばねの付勢力は、ある程度以上の遠心力が作用した時に、ころが噛み込み解除状態に移動するようにその値が決められることから、凝着力を考慮した大きさとすることは難しいものとなっている。
この発明の目的は、ころが外輪に凝着する力を低下させ、ころが噛み込み解除状態から噛み込み状態に確実に復帰させることができる一方向クラッチを提供することにある。
この発明による一方向クラッチは、内輪、外輪、両輪間に配されたころ、ころを噛み込み方向へ付勢する付勢部材およびころを保持する保持器を備え、ころを噛み込ませるカム面と噛み込み解除状態のころを保持するころ保持部とが外輪に形成されている一方向クラッチにおいて、外輪のころ保持部に、ころとの接触面積を減少させる凹所が設けられていることを特徴とするものである。
ころは、噛み込み解除位置においては、外輪のころ保持部と保持器とによって保持され、凹所が設けられる前のころ保持部は、ころの外周面の半径とほぼ同じ半径の横断面円弧状の凹面とされる。
凹所は、ころが外輪のころ保持部と周方向の2カ所において接触する(「横断面において」2点で接触するという意味、以下同じ)ように形成されていることがある。接触する2点には、ころの外周面の半径とほぼ同じ半径の横断面円弧状の凹面のうち、適宜な2点が採用され得るが、周方向に最も離れた2点が採用されるのが好ましい。この場合には、保持器のころ保持面は、ころにあてがわれて、その傾きを防止する。
また、保持器に、噛み込み解除状態のころと接触するころ保持面が設けられ、凹所は、ころが外輪のころ保持部と1カ所において接触するように形成されていることがある。ころが外輪のころ保持部と接触する1点には、ころの外周面の半径とほぼ同じ半径の横断面円弧状の凹面のうち、適宜な点(例えば、径が最大の点)が採用される。保持器のころ保持面は、保持器のころ保持面との間でころを保持可能な傾斜面とされることが好ましい。
さらにまた、凹所は、ころの外周面の半径とほぼ同じ半径の横断面円弧状の凹面とされたころ保持部の軸方向所要箇所が削り取られることによって形成されていることがある。削り取られる箇所は、例えば、軸方向の中央部であってもよく、軸方向の両端部であってもよい。その数についても、1つでも複数でもよい。
上記一方向クラッチは、軸とこれの周囲に同心状に配されたプーリとの間にこの一方向クラッチを配するとともに、その少なくとも一側(好ましくは両側)に転がり軸受を配置した一方向クラッチ付きプーリユニットとして使用するのに好適である。この場合に、一方向クラッチは、プーリとは別部材の外輪および中空軸とは別部材の内輪を有していることがあり、また、プーリの中間部が一方向クラッチの外輪とされているとともに、中空軸の中間部が一方向クラッチの内輪とされていることがある。前者(一方向クラッチの外輪および内輪がプーリまたは中空軸と別部材)の場合、例えば、プーリの内径は、密封シール用の環状溝部分を除いて同じ径とされ、軸受の外輪は、圧入時に一方向クラッチの外輪に当接することによってその軸方向の位置決めが行われる。そして、中空軸の外径は、密封シール用の環状溝部分を除いて同じ径とされ、軸受の内輪は、圧入時に一方向クラッチの内輪に当接することによってその軸方向の位置決めが行われる。後者(プーリが一方向クラッチの外輪を兼ね、中空軸が同内輪を兼ねる)の場合、例えば、プーリの内径は、両端部が中間部よりも大径となる段付き状に形成され、軸受の外輪は、プーリの段差部によって位置決めされ、軸受の内輪の位置決めは、外輪が位置決めされることによって行われる。
この発明の一方向クラッチによると、外輪のころ保持部に、ころとの接触面積を減少させる凹所が設けられているので、ころが外輪に凝着する力が低下し、ころを噛み込み解除状態から噛み込み状態に確実に復帰させることができる。したがって、両方向で空転したり噛み合いの応答が遅れたりするという問題が発生しない。
この発明の実施の形態を、以下図面を参照して説明する。以下の説明において、左右は、図1の左右をいうものとする。
図1および図2は、この発明による一方向クラッチを一方向クラッチ付きプーリユニットに適用した実施形態を示している。
一方向クラッチ付きプーリユニット(1)は、エンジンの駆動部とスタータモータの回転軸とを連結する部分に配置されるもので、スタータモータの回転軸(2)に嵌められた中空軸(3)とこれと同心に配置されたプーリ(4)との間に、一方向クラッチ(5)が設けられている。プーリ(4)の外周には、Vリブドベルトが掛け渡されるベルト掛け渡し部が設けられている。一方向クラッチ(5)は、中空軸(3)の軸方向中間部とプーリ(4)の軸方向中間部との間に設けられており、中空軸(3)の左端寄り部分とプーリ(4)の左端寄り部分との間および中空軸(3)の右端寄り部分とプーリ(4)の右端寄り部分との間に、それぞれ転がり軸受(6)(7)が設けられている。プーリ(4)の中間部の内径部分は、一方向クラッチ(5)の外輪を兼ねており、中空軸(3)の中間部の外径部分は、一方向クラッチ(5)の内輪を兼ねている。
プーリ(4)の内径は、左右端部(大径部)(4a)(4b)が中間部(小径部)(4c)よりも大径となる段付き状に形成されており、中空軸(3)の外径は、密封シール(10)用の環状溝部分を除いて同じ径とされている。
一方向クラッチ(5)は、図2に示すように、プーリ(4)の中間部の内周面に設けられたカム面(11)と、カム面(11)と中空軸(3)の中間部の外周面とによって形成された楔状空間(12)内に配置され、中空軸(3)とプーリ(4)とが一の方向(ロック方向)に相対回転することにより中空軸(3)とプーリ(4)との間に噛み込み、他の方向(フリー方向)に相対回転したとき噛み込みを解除する複数の噛み込み部材としてのころ(13)と、ころ(13)を噛み込み方向(楔状空間(12)の狭い側)に付勢する付勢部材としてのコイルばね(14)と、ころ(13)を楔状空間(12)内に位置させる保持器(15)とを備えている。
左右の転がり軸受(6)(7)は、それぞれ、外輪(6a)(7a)、内輪(6b)(7b)、玉(6c)(7c)および保持器(6d)(7d)からなる玉軸受とされている。
左右の転がり軸受(6)(7)の外輪(6a)(7a)は、その外径がプーリ(4)の左右端部(4a)(4b)の内径に等しくされて、同部(4a)(4b)に圧入され、内輪(6b)(7b)は、その内径が中空軸(3)の外径に等しくされて、中空軸(3)の左右端部に圧入されている。
各転がり軸受(6)(7)は、片側シール軸受とされており、左の転がり軸受(6)の左端部および右の転がり軸受(7)の右端部には、芯金(8a)(9a)およびこれに保持された弾性シール(8b)(9b)からなる密封シール(8)(9)がそれぞれ配置されている。密封シール(8)(9)は、外輪(6a)(7a)の軸方向外側の端部の内径に設けられた環状溝に芯金(8a)(9a)の外周縁部が圧入されており、弾性シール(8b)(9b)の内周縁部が内輪(6b)(7b)に摺接させられている。プーリユニットの自由端側(図の左端側)には、プーリユニット内部に泥水等の侵入を防止するために、さらに別の密封シール(10)が中空軸(3)の左端部とプーリ(4)の左端部との間に配置されている。
図2に示すように、一方向クラッチのカム面(11)は、軸心を挟んで対向するカムの各面(11a)が周方向に複数組(この実施形態では4組)設けられることによって構成されている。各面(11a)は、ころ(13)の中心および軸心を通る法線に対して直角ではなく、直角よりも若干小さい鋭角とされている。
図2のころ(13)は、噛み込み解除位置にあり、外輪となるプーリ(4)には、遠心力を受けて噛み込み解除状態となったころ(13)を保持するころ保持部(21)が設けられている。ころ保持部(21)には、ころ(13)がころ保持部(21)と周方向の2カ所(21a)(21b)において接触するように、凹所(21c)が形成されている。凹所(21c)が設けられる前のころ保持部の形状は、図5に示されている従来のころ保持面(16)と同じとされており、接触する2点として、従来のころ保持面(16)のうち、周方向に最も離れた2点(21a)(21b)が採用されている。
コイルばね(14)は、横断面内に中心軸を有し、長径の方向が一方向クラッチ(5)の軸方向に一致させられた楕円形のものとされている。そして、その短径の長さしたがってばねのころに当接している部分の径方向寸法は、ころ(13)の直径よりも小さくなされている。
保持器(15)は、合成樹脂製で、カム面(11)にほぼ沿った外周形状と中空軸(3)外周面に沿った内周形状を有しており、カム面(11)内に圧入されている。保持器(15)の内径と中空軸(3)の外径との間には若干の間隙が設けられており、保持器(15)と中空軸(3)とが接触することが防止されている。保持器(15)には、コイルばね(14)を位置決めするばね受け凹所(17)が設けられている。ばね受け凹所(17)には、噛み合い性能(特に低温噛み合い性能)に優れたグリース、例えば、基油がエステル系で基油動粘度90mm/s−40℃以上でありかつ増ちょう剤がウレア系のグリースが封入されている。
ばね受け凹所(17)は、カム面(11)のころ保持用凹面部(16)に連なってプーリ(4)の内周に設けられたばね位置決め面(18)とによってコイルばね(14)の中心軸方向を一定に保っている。コイルばね(14)の中心軸は、コイルばね(14)に遠心力が作用した際にころ(13)に対する付勢力を減少させる方向に変形させられるように、中空軸(3)の外周面の接線方向に対して傾斜させられている。プーリ(4)のばね位置決め面(18)は、カム面(11)と同様に、一方向クラッチ(5)の軸心を挟んで対向して形成された2面が周方向に複数組設けられることによって構成されている。
ばね受け凹所(17)は、コイルばね(14)がばね軸方向へ移動することを阻止するばね端部位置決め面(17a)と、コイルばね(14)がばね軸に直交する内向きに移動することを阻止するばね内側位置決め面(17b)とを有しており、プーリ(4)のばね位置決め面(18)は、コイルばね(14)がばね軸に直交する外向きに移動することを阻止するばね外側位置決め面となっている。これらのばね位置決め面(17a)(17b)(18)によって、コイルばね(14)の中心軸は、ころ(13)の中心軸と直交するように保たれている。
ばね受け凹所(17)のばね内側位置決め面(17b)に連なって、ころ保持用傾斜面(17c)が設けられている。この傾斜面(17c)の他端は、中空軸(3)の外周面に対してわずかに間隙を有するようになされている。保持器(15)のころ保持面であるころ保持用傾斜面(17c)は、ころ(13)にあてがわれて、その傾きを防止している。
プーリ(4)が高速回転となり、中空軸(3)の回転が停止させられると、ころ(13)に働く遠心力の方向ところ(13)がカムの各面(11a)と接触している点における法線方向とがずれていることにより、ころ(13)にはカムの各面(11a)に沿った方向の力が掛かり、これにより、ころ(13)は、楔状空間(12)の広い側に移動する。ころ(13)が楔状空間(12)の広い側に移動した状態では、プーリ(4)に形成されている2点接触のころ保持部(21)によって、ころ(13)が受け止められ、また、径方向内側からは、保持器(15)のころ保持面である傾斜面(17c)があてがわれて、中空軸(3)ところ(13)との非接触状態が達成される。
保持器(15)は、左右対称状に形成されており、その外径がプーリ中間部(4c)に圧入されることにより、径方向への移動が阻止されるとともに、その左端面が左の玉軸受(6)の外輪(6a)の右端面に隙間が実質的にない状態で対向することにより、また、その右端面が右の玉軸受(7)の外輪(7a)の左端面に隙間が実質的にない状態で対向することにより、軸方向への移動が阻止されている。保持器(15)の軸方向の長さは、プーリ中間部(4c)の軸方向の長さと同じとされている。
保持器(15)の左右端部に位置する柱には、左右の転がり軸受(6)(7)の内輪(6b)(7b)の内側端面に接触しないように、径方向内方突出部(15a)(15b)が設けられており、この径方向内方突出部(15a)(15b)は、内輪(6b)(7b)の内側端部との間にラビリンスシールを形成している。径方向内方突出部(15a)(15b)は、その軸方向外側の面が柱の本体部分の外側の面よりも内寄りに位置させられており、ラビリンスシールは、この径方向内方突出部(15a)(15b)が内輪(6b)(7b)の内側端面に臨まされることにより得られている。
このプーリユニット(1)を組み立てる際には、例えば、右の転がり軸受(7)、一方向クラッチ(5)、左の転がり軸受(6)の順に圧入されるが、プーリ(4)の内径が段付き状であるので、各転がり軸受(6)(7)の外輪(6a)(7a)は、プーリ(4)の中間部(4c)の両端にある段差部によって、それ以上の移動が阻止され、これにより、保持器(5)の変形および保持器(5)と転がり軸受(6)(7)との干渉が防止される。
この一方向クラッチは、次のように動作する。
まず、始動時においては、スタータモータの回転軸(2)と一体の中空軸(3)が反時計回りに回転させられる。これにより、一方向クラッチ(5)の中空軸(3)が反時計回りに回転し、一方向クラッチ(5)の楔状空間(12)の狭い側にころ(13)が噛み込まれ、駆動力が伝達されて、一方向クラッチ(5)の中空軸(3)とプーリ(4)とが一体となって回転する。プーリ(4)はベルトを介してクランクシャフトに接続されており、プーリ(4)の回転によってエンジンが始動する。エンジンが始動すると、スタータが停止し、プーリ(4)は反時計方向の回転を続ける。これにより、ころ(13)の噛み込みが解除され、プーリ(4)だけが回転する状態が継続される。特にエンジンの高速回転時、ころ(13)は、プーリ(4)のころ保持部(21)と保持器(15)のころ保持用傾斜面(17c)とによって位置決めされ、中空軸(3)と非接触状態となる。こうして、プーリ(4)が所定回転速度以上になると、プーリ(4)だけが回転することになり、エンジンの駆動に寄与しない部分が回転することに伴うエネルギロスを抑えることができる。一旦エンジンが始動すると、プーリ(4)だけが回転する空転時間が数十分から数時間続き、この間、各転がり軸受(6)(7)の外輪(6a)(7a)は、高速回転させられる。
遠心力が作用しなくなると、コイルばね(14)の付勢力によって、ころ(13)が噛み込み方向に復帰させられる。この際、潤滑のために一方向クラッチ(5)に封入されているグリスの介在により、ころ(13)がプーリ(4)に凝着する可能性があるが、ころ保持部(21)は、2点(21a)(21b)で接触するように形成されているので、凝着力が大きくなることはなく、一方向クラッチ(5)が両方向で空転したり噛み合いの応答が遅れたりすることがない。また、グリースの特性の決定に際して、凝着力を考慮する必要がないので、グリースの仕様の自由度が増し、しかも、コイルばね(14)の付勢力を小さく抑えることにより、摩擦を低減することもできる。
図2には、プーリ(4)のころ保持部(21)が2点接触となるように形成されている例を示したが、ころ(13)とプーリ(外輪)(4)との間の凝着力を小さくするには、図2の形態に限られるものではなく、例えば、図3に示すように、ころ保持部(22)には、ころ(13)がころ保持部(22)と周方向の1カ所(22a)においてのみ接触するように凹所(22b)が形成されているようにし、この1カ所ところ(13)が保持器(15)のころ保持面(17c)と接触する1カ所(17d)とによって、ころ(13)噛み込み解除状態の。ころ(13)を保持するようにしてもよい。プーリ(4)のころ保持部(22)と接触する点としては、図示したように、図2の(21a)に対応する点(最大径の位置)(22a)であってもよく、図示省略したが、図2の(21b)に対応する点(最小径の位置)であってもよく、従来のころ保持面(16)のうち、周方向の任意の点を採用することができる。
さらにまた、ころ(13)とプーリ(外輪)(4)との間の凝着力を小さくするには、図4に示すように、ころ保持部(23)は、ころ(13)の外周面の半径とほぼ同じ半径の横断面円弧状の凹面とされたころ保持面(23d)の軸方向所要箇所に凹所(23c)が形成されているようにしてもよい。図4において、ころ保持面(23d)は、図5のころ保持面(16)と同じ断面形状とされ、凹所(23c)は、図3の凹所(22c)と同じ断面形状とされている。この凹所(23c)は、軸方向のちょうど中央部に設けられている。この実施形態では、点接触ではなく、(従来のころ保持面の面積−凹所の開口面積)に相当する接触面での面接触となっている。したがって、この実施形態では、位置決め性能を従来と同じに保つとともに、凹所(23c)の開口面積を調整することにより、凝着力の調整を行うことができる。凹所(23c)が設けられる位置すなわち削り取られる箇所は、軸方向の中央部であってもよく、軸方向の両端部であってもよく、その数は、1つでも複数でもよい。凝着力を低下させる効果を得るためには、凹所(23c)の開口面積は、凹所(23c)がないとしたときのころ保持部(23)の表面積の20%以上(より好ましくは40%以上)とされ、また、同表面積の90%以下(より好ましくは70%以下)とされる。
なお、上記実施形態においては、一方向クラッチ(5)の外輪がプーリ(4)と一体とされ、同内輪が中空軸(3)と一体とされているが、一方向クラッチ(5)の外輪をプーリ(4)とは別体の部材としてもよく、同内輪を中空軸(3)とは別体の部材としてもよい。また、ころ(13)を付勢する手段として、コイルばね(14)を示したが、コイルばね(14)に代えて板ばね等を用いることも可能である。また、一方向クラッチの用途としては、例示したベルト駆動スタータ用の他に、オルタネータ用やその他のプーリユニットに使用されてももちろんよい。
図1は、この発明による一方向クラッチの実施形態を示す縦断面図である。 図2は、第1実施形態の横断面の部分拡大図である。 図3は、第2実施形態の図2に相当する図である。 図4は、第3実施形態の図2に相当する図である。 図5は、従来の一方向クラッチの横断面の部分拡大図である。
符号の説明
(1) 一方向クラッチ付きプーリユニット
(3) 中空軸(一方向クラッチ内輪)
(4) プーリ(一方向クラッチ外輪)
(5) 一方向クラッチ
(6)(7) 転がり軸受
(11) カム面
(13) ころ
(14) コイルばね(付勢部材)
(15) 保持器
(16) ころ保持面
(17d) 接触点
(21) ころ保持部
(21a)(21b)接触点
(21c) 凹所
(22) ころ保持部
(22a) 接触点
(22c) 凹所
(23) ころ保持部
(23c) 凹所
(23d) ころ保持面

Claims (5)

  1. 内輪、外輪、両輪間に配されたころ、ころを噛み込み方向へ付勢する付勢部材およびころを保持する保持器を備え、ころを噛み込ませるカム面と噛み込み解除状態のころを保持するころ保持部とが外輪に形成されている一方向クラッチにおいて、
    外輪のころ保持部に、ころとの接触面積を減少させる凹所が設けられていることを特徴とする一方向クラッチ。
  2. 凹所は、ころが外輪のころ保持部と周方向の2カ所において接触するように形成されている請求項1の一方向クラッチ。
  3. 保持器に、噛み込み解除状態のころと接触するころ保持面が設けられ、凹所は、ころが外輪のころ保持部と1カ所において接触するように形成されている請求項1の一方向クラッチ。
  4. 凹所は、ころの外周面の半径とほぼ同じ半径の横断面円弧状の凹面とされたころ保持部の軸方向所要箇所が削り取られることによって形成されている請求項1の一方向クラッチ。
  5. 請求項1から4までのいずれかの一方向クラッチと、一方向クラッチの軸方向少なくとも一側に設けられた転がり軸受とを備えている一方向クラッチ付きプーリユニット。
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