JP2005256970A - 一方向クラッチ付きプーリユニット - Google Patents

一方向クラッチ付きプーリユニット Download PDF

Info

Publication number
JP2005256970A
JP2005256970A JP2004070018A JP2004070018A JP2005256970A JP 2005256970 A JP2005256970 A JP 2005256970A JP 2004070018 A JP2004070018 A JP 2004070018A JP 2004070018 A JP2004070018 A JP 2004070018A JP 2005256970 A JP2005256970 A JP 2005256970A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
way clutch
seal
bearing
pulley
press
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP2004070018A
Other languages
English (en)
Inventor
Toshiyuki Maeda
敏幸 前田
Takahiro Ichihara
隆弘 市原
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Koyo Seiko Co Ltd
Original Assignee
Koyo Seiko Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Koyo Seiko Co Ltd filed Critical Koyo Seiko Co Ltd
Priority to JP2004070018A priority Critical patent/JP2005256970A/ja
Publication of JP2005256970A publication Critical patent/JP2005256970A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Pulleys (AREA)
  • Mounting Of Bearings Or Others (AREA)
  • Sealing Of Bearings (AREA)
  • Sealing With Elastic Sealing Lips (AREA)

Abstract

【課題】 一方向クラッチを支持する軸受として、両端部にシール部材を有する両シール軸受を使用するに際し、軸受の圧入を容易にした一方向クラッチ付きプーリユニットを提供する。
【解決手段】 一方向クラッチ5の軸方向両側に転がり軸受6,7が設けられている。転がり軸受6,7は、内輪6a,6b、外輪7a,7b、両輪中央部間に配された転動体6c,7c、および両輪両端部間に配された1対のシール部材8,9を有する両シール軸受である。一方向クラッチ5の軸3に、転がり軸受6の圧入時に同軸受6と一方向クラッチ5との間にある空気を逃がすための空気逃がし通路21が設けられている。
【選択図】 図1

Description

この発明は、例えば、内燃機関の始動時および内燃機関による補機駆動時の回転力をベルトによって伝達するベルト伝動システムにおいて、ベルト駆動スタータやオルタネータに使用されるのに好適な一方向クラッチ付きプーリユニットに関する。
軸とこれの周囲に同心状に配されたプーリとの間に一方向クラッチが設けられ、一方向クラッチの軸方向両側に転がり軸受が設けられている一方向クラッチ付きプーリユニットは、例えば、特許文献1に記載されているように、従来より知られている。
この特許文献1では、一方向クラッチと転がり軸受の外輪同士および内輪同士が一体化されるとともに、外輪と内輪との間に、一方向クラッチおよび転がり軸受に共通なグリースが封入されて、部品点数の減少化が図られている。
しかしながら、この一方向クラッチ付きプーリユニットをエンジンのスタータ用として使用する場合には、封入されるグリースに対し、エンジン始動時には、冬季極寒地での低温始動性が要求される一方、始動後は、軸受が高速回転してかつエンジン発熱により高温の環境となることから、高温高速性も要求される。低温始動性と高温高速性とは相反する機能であり、1つのグリースで対応するには限界がある。
特開2003−156075号公報
そこで、両端部にシール部材を有する両シール軸受を使用し、一方向クラッチのグリースと軸受内のグリースとを異なる仕様とすることが考えられる。この場合には、第1の両シール軸受、一方向クラッチ、第2の両シール軸受の順に組み込まれることになるが、第2の両シール軸受の圧入の際、一方向クラッチと軸受との間に閉じこめられた空気の圧力により、その圧入が困難になる可能性がある。
この発明の目的は、一方向クラッチを支持する軸受として、両端部にシール部材を有する両シール軸受を使用するに際し、軸受の圧入を容易にした一方向クラッチ付きプーリユニットを提供することにある。
この発明による一方向クラッチ付きプーリユニットは、軸とこれの周囲に同心状に配されたプーリとの間に、内輪、外輪、両輪間に配されたころ、ころを噛み込み方向へ付勢する付勢部材およびころを保持する保持器を備えた一方向クラッチが設けられ、一方向クラッチの軸方向両側に転がり軸受が設けられている一方向クラッチ付きプーリユニットにおいて、転がり軸受は、内輪、外輪、両輪中央部間に配された転動体、および両輪両端部間に配された1対のシール部材を有する両シール軸受であり、軸および転がり軸受のうちの少なくとも一方に、転がり軸受の圧入時に同軸受と一方向クラッチとの間にある空気を逃がすための空気逃がし通路が設けられていることを特徴とするものである。
軸に設けられる場合、空気逃がし通路は、軸の外径に設けられた軸方向にのびる溝とされてもよく、また、空気逃がし通路は、軸に貫通状に設けられた径方向にのびる溝とされてもよい。
軸受に設けられる場合、空気逃がし通路は、外輪または内輪に設けられた軸方向にのびる溝であってもよく、また、空気逃がし通路は、両シール軸受の一方向クラッチに近い側のシール部材のリップ部に設けられた軸方向貫通孔またはスリットとされてもよい。
空気逃がし通路とされる溝、孔またはスリットの数は、1つあれば十分であり、必要に応じて複数設けるようにしてももちろんよい。また、違った形式の空気逃がし通路を組み合わせてももちろんよい。
一方向クラッチは、プーリとは別部材の外輪および中空軸とは別部材の内輪を有していることがあり、また、プーリの中間部が一方向クラッチの外輪とされているとともに、中空軸の中間部が一方向クラッチの内輪とされていることがある。前者(一方向クラッチの外輪および内輪がプーリまたは中空軸と別部材)の場合、例えば、プーリの内径は、密封シール用の環状溝部分を除いて同じ径とされ、軸受の外輪は、圧入時に一方向クラッチの外輪に当接することによってその軸方向の位置決めが行われる。そして、中空軸の外径は、密封シール用の環状溝部分を除いて同じ径とされ、軸受の内輪は、圧入時に一方向クラッチの内輪に当接することによってその軸方向の位置決めが行われる。後者(プーリが一方向クラッチの外輪を兼ね、中空軸が同内輪を兼ねる)の場合、例えば、プーリの内径は、両端部が中間部よりも大径となる段付き状に形成され、軸受の外輪は、プーリの段差部によって位置決めされ、軸受の内輪の位置決めは、外輪が位置決めされることによって行われる。
この発明による両シール軸受は、内輪と、外輪と、両輪間に配された転動体と、内輪および外輪のいずれか一方に固定されて同他方に摺接する1対のシール部材とを有する両シール軸受において、各シール部材は、リップ部が突出するように芯金に固定されたゴムシールを有しており、少なくとも一方のシール部材のゴムシールのリップ部に、転がり軸受の圧入時に圧入方向側にある空気を逃がすための空気逃がし通路が設けられていることを特徴とするものである。
空気逃がし通路は、片側のシール部材だけに設けられてもよく、両側のシール部材に設けられてもよい。
各シール部材のリップ部は、外輪または内輪に設けられた環状溝に嵌め入れられており、環状溝の側壁は、軸方向内側の方が軸方向外側のものより高くなっていることが好ましい。この場合に、空気逃がし通路は、片側だけとされて、空気逃がし通路がある方を圧入時の内側とすることが好ましい。このようにすると、シールリップは軸方向内側には実質的に移動不可能とされるとともに、軸方向外側には小さな力で移動可能となり、圧入は容易であるが、外部からの異物の侵入は容易でない両シール軸受となる。
この発明の一方向クラッチ付きプーリユニットによると、両端部にシール部材を有する両シール軸受が設けられるので、一方向クラッチのグリースと軸受内のグリースとを異なる仕様とすることができ、しかも、軸および転がり軸受のうちの少なくとも一方に、転がり軸受の圧入時に同軸受と一方向クラッチとの間にある空気を逃がすための空気逃がし通路が設けられているので、軸受の圧入が困難なものとはならない。
また、この発明の両シール軸受によると、一方向クラッチを構成している軸への加工が不要であり、軸受としてこの両シール軸受を使用するだけで、一方向クラッチのグリースと軸受内のグリースとを異なる仕様とすることができ、しかも、転がり軸受の圧入が容易な一方向クラッチ付きプーリユニットを得ることができる。
この発明の実施の形態を、以下図面を参照して説明する。以下の説明において、左右は、図1の左右をいうものとする。
図1および図2は、この発明による一方向クラッチ付きプーリユニットの第1実施形態を示している。
一方向クラッチ付きプーリユニット(1)は、エンジンの駆動部とスタータモータの回転軸とを連結する部分に配置されるもので、スタータモータの回転軸(2)に嵌められた中空軸(3)とこれと同心に配置されたプーリ(4)との間に、一方向クラッチ(5)が設けられている。プーリ(4)の外周には、Vリブドベルトが掛け渡されるベルト掛け渡し部が設けられている。一方向クラッチ(5)は、中空軸(3)の軸方向中間部とプーリ(4)の軸方向中間部との間に設けられており、中空軸(3)の左端寄り部分とプーリ(4)の左端寄り部分との間および中空軸(3)の右端寄り部分とプーリ(4)の右端寄り部分との間に、それぞれ転がり軸受(6)(7)が設けられている。プーリ(4)の中間部の内径部分は、一方向クラッチ(5)の外輪を兼ねており、中空軸(3)の中間部の外径部分は、一方向クラッチ(5)の内輪を兼ねている。
プーリ(4)の内径は、左右端部(大径部)(4a)(4b)が中間部(小径部)(4c)よりも大径となる段付き状に形成されており、中空軸(3)の外径は、密封シール(10)用の環状溝部分を除いて同じ径とされている。
一方向クラッチ(5)は、図2に示すように、プーリ(4)の中間部の内周面に設けられたカム面(11)と、カム面(11)と中空軸(3)の中間部の外周面とによって形成された楔状空間(12)内に配置され、中空軸(3)とプーリ(4)とが一の方向(ロック方向)に相対回転することにより中空軸(3)とプーリ(4)との間に噛み込み、他の方向(フリー方向)に相対回転したとき噛み込みを解除する複数の噛み込み部材としてのころ(13)と、ころ(13)を噛み込み方向(楔状空間(12)の狭い側)に付勢する付勢部材としてのコイルばね(14)と、ころ(13)を楔状空間(12)内に位置させる保持器(15)とを備えている。
左右の転がり軸受(6)(7)は、両シール軸受とされており、それぞれ、外輪(6a)(7a)、内輪(6b)(7b)、玉(6c)(7c)および保持器(6d)(7d)からなる玉軸受とされるとともに、左の転がり軸受(6)の左右端部には、芯金(8a)およびこれに保持された弾性シール(8b)からなるシール部材(8)が配置されており、右の転がり軸受(7)の左右端部には、芯金(9a)およびこれに保持された弾性シール(9b)からなるシール部材(9)が配置されている。
各シール部材(8)(9)は、外輪(6a)(7a)の軸方向外側の端部の内径に設けられた環状溝に芯金(8a)(9a)の外周縁部が圧入されており、弾性シール(8b)(9b)の内周縁部が内輪(6b)(7b)に摺接させられている。プーリユニットの自由端側(図の左端側)には、プーリユニット内部に泥水等の侵入を防止するために、さらに別の密封シール(10)が中空軸(3)の左端部とプーリ(4)の左端部との間に配置されている。
左右の転がり軸受(6)(7)の外輪(6a)(7a)は、その外径がプーリ(4)の左右端部(4a)(4b)の内径に等しくされて、同部(4a)(4b)に圧入され、内輪(6b)(7b)は、その内径が中空軸(3)の外径に等しくされて、中空軸(3)の左右端部に圧入されている。左の転がり軸受(6)の内輪(6b)が圧入されている中空軸(3)の部分には、左の転がり軸受(6)の圧入時に、この転がり軸受(6)よりも右側(軸方向内側)の空間にある空気を軸受(6)よりも左側(外側)に逃がすための軸方向にのびる溝(空気逃がし通路)(21)が設けられている。この空気逃がし通路(21)は、転がり軸受(6)の内輪(6b)の右端面に相当する位置よりわずかに右側から密封シール(10)用の環状溝まで軸方向にまっすぐにのびており、その数は1つすなわち周方向の1カ所にだけ設けられている。
図2に示すように、一方向クラッチのカム面(11)は、軸心を挟んで対向するカムの各面(11a)が周方向に複数組(この実施形態では4組)設けられることによって構成されている。
保持器(15)は、合成樹脂製で、カム面(11)にほぼ沿った外周形状と中空軸(3)外周面に沿った内周形状を有しており、カム面(11)内に圧入されている。保持器(15)には、コイルばね(14)を位置決めするばね受け凹所(17)が設けられている。ばね受け凹所(17)には、噛み合い性能(特に低温噛み合い性能)に優れたグリース、例えば、基油がエステル系で基油動粘度90mm/s−40℃以上でありかつ増ちょう剤がウレア系のグリースが封入されている。
ばね受け凹所(17)は、カム面(11)のころ保持用凹面部(16)に連なってプーリ(4)の内周に設けられたばね位置決め面(18)とによってコイルばね(14)の中心軸方向を一定に保っている。プーリ(4)のばね位置決め面(18)は、カム面(11)と同様に、一方向クラッチ(5)の軸心を挟んで対向して形成された2面が周方向に複数組設けられることによって構成されている。ばね受け凹所(17)は、コイルばね(14)がばね軸方向へ移動することを阻止するばね端部位置決め面(17a)と、コイルばね(14)がばね軸に直交する内向きに移動することを阻止するばね内側位置決め面(17b)とを有している。
ばね受け凹所(17)のばね内側位置決め面(17b)に連なって、ころ保持用傾斜面(17c)が設けられている。この傾斜面(17c)の他端は、中空軸(3)の外周面に対してわずかに間隙を有するようになされている。保持器(15)のころ保持面であるころ保持用傾斜面(17c)は、ころ(13)にあてがわれて、その傾きを防止している。
保持器(15)は、左右対称状に形成されており、その外径がプーリ中間部(4c)に圧入されることにより、径方向への移動が阻止されるとともに、その左端面が左の玉軸受(6)の外輪(6a)の右端面に隙間が実質的にない状態で対向することにより、また、その右端面が右の玉軸受(7)の外輪(7a)の左端面に隙間が実質的にない状態で対向することにより、軸方向への移動が阻止されている。保持器(15)の軸方向の長さは、プーリ中間部(4c)の軸方向の長さと同じとされている。
保持器(15)の左右端部(15a)(15b)は、左右の転がり軸受(6)(7)の内輪(6b)(7b)の内側端面に接触しないように、内輪(6b)(7b)を臨む部分が削れられている。
このプーリユニット(1)を組み立てる際には、例えば、右の転がり軸受(7)、一方向クラッチ(5)、左の転がり軸受(6)、密封シール(10)の順に圧入されるが、プーリ(4)の内径が段付き状であるので、各転がり軸受(6)(7)の外輪(6a)(7a)は、プーリ(4)の中間部(4c)の両端にある段差部によって、それ以上の移動が阻止され、これにより、保持器(5)の変形および保持器(5)と転がり軸受(6)(7)との干渉が防止される。
左の転がり軸受(6)を圧入する際には、この転がり軸受(6)の右側の空間は、この転がり軸受(6)と右側の転がり軸受(7)および一方向クラッチ(5)とによって、密閉空間とされている。したがって、左の転がり軸受(6)が軸方向内側に圧入されていくのに伴って、密閉空間に閉じこめられた圧力が上昇し、圧入が困難になる可能性がある。しかしながら、この実施形態では、中空軸(3)に空気逃がし通路(21)としての軸方向にのびる溝が形成されているので、密閉空間内の圧力が高くなると密閉空間内の空気がこの溝(21)を伝わって外部に逃げることになり、容易に圧入作業を行うことができる。
この一方向クラッチは、次のように動作する。
まず、始動時においては、スタータモータの回転軸(2)と一体の中空軸(3)が反時計回りに回転させられる。これにより、一方向クラッチ(5)の中空軸(3)が反時計回りに回転し、一方向クラッチ(5)の楔状空間(12)の狭い側にころ(13)が噛み込まれ、駆動力が伝達されて、一方向クラッチ(5)の中空軸(3)とプーリ(4)とが一体となって回転する。プーリ(4)はベルトを介してクランクシャフトに接続されており、プーリ(4)の回転によってエンジンが始動する。エンジンが始動すると、スタータが停止し、プーリ(4)は反時計方向の回転を続ける。これにより、ころ(13)の噛み込みが解除され、プーリ(4)だけが回転する状態が継続される。特にエンジンの高速回転時、ころ(13)は、プーリ(4)のころ保持部(21)と保持器(15)のころ保持用傾斜面(17c)とによって位置決めされ、中空軸(3)と非接触状態となる。こうして、プーリ(4)が所定回転速度以上になると、プーリ(4)だけが回転することになり、エンジンの駆動に寄与しない部分が回転することに伴うエネルギロスを抑えることができる。一旦エンジンが始動すると、プーリ(4)だけが回転する空転時間が数十分から数時間続き、この間、各転がり軸受(6)(7)の外輪(6a)(7a)は、高速回転させられる。
図3は、この発明による一方向クラッチ付きプーリユニットの第2実施形態を示している。
この第2実施形態の一方向クラッチ付きプーリユニットでは、軸方向にのびる溝(空気逃がし通路)(21)に代えて、空気逃がし通路としての径方向にのびる溝(22)が中空軸(3)に設けられている。この溝(22)は、一方向クラッチ(5)の外輪に相当する中空軸(3)を貫通しており、その数は1つとされている。その他の構成は、第1実施形態と同じであり、同じ構成に同じ符号を付してその説明を省略する。
このプーリユニット(1)を組み立てる際には、例えば、右の転がり軸受(7)、一方向クラッチ(5)、左の転がり軸受(6)、密封シール(10)の順に圧入されるが、左の転がり軸受(6)を圧入する際には、この転がり軸受(6)の右側の空間は、この転がり軸受(6)と右側の転がり軸受(7)および一方向クラッチ(5)とによって、密閉空間とされている。したがって、左の転がり軸受(6)が軸方向内側に圧入されていくのに伴って、密閉空間に閉じこめられた圧力が上昇し、圧入が困難になる可能性がある。しかしながら、この実施形態では、中空軸(3)に空気逃がし通路(22)としての径方向にのびる溝が形成されているので、密閉空間内の圧力が高くなると密閉空間内の空気がこの溝(22)を伝わって外部に逃げることになり、容易に圧入作業を行うことができる。
図4から図6までは、この発明による一方向クラッチ付きプーリユニットの第3実施形態を示している。
この第3実施形態の一方向クラッチ付きプーリユニットでは、中空軸(3)に設けられている空気逃がし通路(21)(22)に代えて、空気逃がし通路(23)が両シール軸受である転がり軸受(6)(7)に設けられている。
転がり軸受(6)(7)の空気逃がし通路(23)は、シール部材(8)のゴムシール(8b)のリップ部(8c)(8d)に、これを軸方向に貫通するように設けられている。
図6に示すように、内輪(6b)の左右の環状溝(20)は、軸方向内側の側壁(20a)と軸方向外側の側壁(20b)とで高さ(外径)が異なっており、内側の方(20a)が外側のもの(20b)より高くなっている。また、リップ部(8c)(8d)は、この溝(20)に嵌め入れられた主リップ部(8c)と、環状溝(20)の内側周縁部に当てられた副リップ部(8d)とからなり、軸方向内側に向かう力が作用した際には、主リップ部(8c)が高い方の溝側壁(20a)によって移動不可能とされ、軸方向外側に向かう力が作用した際には小さな力で主リップ部(8c)が低い方の溝側壁(20b)を越え得るようになっている。したがって、空気逃がし通路(23)は、軸方向内側のシール部材(8)に設けるだけでよく、この場合、空気逃がし通路(23)のある方が圧入時の内側とされる。
このプーリユニット(1)を組み立てる際には、例えば、右の転がり軸受(7)、一方向クラッチ(5)、左の転がり軸受(6)、密封シール(10)の順に圧入されるが、左の転がり軸受(6)を圧入する際には、この転がり軸受(6)の右側の空間は、この転がり軸受(6)と右側の転がり軸受(7)および一方向クラッチ(5)とによって、密閉空間とされている。したがって、左の転がり軸受(6)が軸方向内側に圧入されていくのに伴って、密閉空間に閉じこめられた圧力が上昇し、圧入が困難になる可能性がある。しかしながら、この実施形態では、左の転がり軸受(6)に空気逃がし通路(23)が形成されているので、密閉空間内の圧力が高くなると密閉空間内の空気がこの通路(23)を伝わって外部に逃げることになり、容易に圧入作業を行うことができる。なお、右側の転がり軸受(7)のシール部材(9)に設けられている空気逃がし通路(23)は、これを省略しても圧入の容易さが損なわれることはない。
この第3実施形態のものによると、中空軸(3)を加工することなく、転がり軸受(6)の圧入を容易なものとすることができる。
上記第3実施形態では、空気逃がし通路(23)としてシール部材(8)(9)の外周に開口している軸方向貫通孔が図示されているが、転がり軸受(6)(7)に設けられる空気逃がし通路(23)は、その外周部分が閉鎖された軸方向貫通孔であってももちろんよい。また、軸方向外側のシール部材(8)(9)にも、空気逃がし通路を設けてもよい。しかしながら、図6に示したように、環状溝(20)の形状が主リップ部(8c)が軸方向内側に移動しやすくかつ同外側に移動しにくいものとされているので、空気逃がし通路(23)を外側のシール部材(8)(9)に設けなくても、圧入を阻害することがない。組み込み後の異物侵入を考えると、外側のシール部材(8)(9)には、空気逃がし通路がない方が好ましく、これにより、図示した転がり軸受(6)(7)は、圧入時には、圧入が容易で、圧入後には、外部からの異物の侵入が容易でない軸受となっている。
なお、上記第1から第3までの各実施形態においては、一方向クラッチ(5)の外輪がプーリ(4)と一体とされ、同内輪が中空軸(3)と一体とされているが、一方向クラッチ(5)の外輪をプーリ(4)とは別体の部材としてもよく、同内輪を中空軸(3)とは別体の部材としてもよい。また、ころ(13)を付勢する手段として、コイルばね(14)を示したが、コイルばね(14)に代えて板ばね等を用いることも可能である。また、一方向クラッチ付きプーリユニットの用途としては、例示したベルト駆動スタータ用の他に、オルタネータ用やその他のプーリユニットに使用されてももちろんよい。
図1は、この発明による一方向クラッチ付きプーリユニットの第1実施形態を示す縦断面図である。 図2は、同横断面の部分拡大図である。 図3は、この発明による一方向クラッチ付きプーリユニットの第2実施形態を示す縦断面図である。 図4は、この発明による一方向クラッチ付きプーリユニットの第3実施形態を示す縦断面図である。 図5は、図4のV-V線に沿う断面図である。 図6は、この発明による両シール軸受の実施形態を示す縦断面図である。
符号の説明
(1) 一方向クラッチ付きプーリユニット
(3) 中空軸(一方向クラッチ内輪)
(4) プーリ(一方向クラッチ外輪)
(5) 一方向クラッチ
(6)(7) 転がり軸受
(11) カム面
(13) ころ
(14) コイルばね(付勢部材)
(15) 保持器
(21) 軸方向溝(空気逃がし通路)
(22) 径方向溝(空気逃がし通路)
(23) 軸方向貫通孔(空気逃がし通路)

Claims (5)

  1. 軸とこれの周囲に同心状に配されたプーリとの間に、内輪、外輪、両輪間に配されたころ、ころを噛み込み方向へ付勢する付勢部材およびころを保持する保持器を備えた一方向クラッチが設けられ、一方向クラッチの軸方向両側に転がり軸受が設けられている一方向クラッチ付きプーリユニットにおいて、
    転がり軸受は、内輪、外輪、両輪中央部間に配された転動体、および両輪両端部間に配された1対のシール部材を有する両シール軸受であり、軸および転がり軸受のうちの少なくとも一方に、転がり軸受の圧入時に同軸受と一方向クラッチとの間にある空気を逃がすための空気逃がし通路が設けられていることを特徴とする一方向クラッチ付きプーリユニット。
  2. 空気逃がし通路は、軸の外径に設けられた軸方向にのびる溝である請求項1の一方向クラッチ付きプーリユニット。
  3. 空気逃がし通路は、軸に貫通状に設けられた径方向にのびる溝である請求項1の一方向クラッチ付きプーリユニット。
  4. 空気逃がし通路は、両シール軸受の一方向クラッチに近い側のシール部材のリップ部に設けられた軸方向貫通孔である請求項1の一方向クラッチ付きプーリユニット。
  5. 内輪と、外輪と、両輪間に配された転動体と、内輪および外輪のいずれか一方に固定されて同他方に摺接する1対のシール部材とを有する両シール軸受において、各シール部材は、リップ部が突出するように芯金に固定されたゴムシールを有しており、少なくとも一方のシール部材のゴムシールのリップ部に、転がり軸受の圧入時に圧入方向側にある空気を逃がすための空気逃がし通路が設けられていることを特徴とする両シール軸受。
JP2004070018A 2004-03-12 2004-03-12 一方向クラッチ付きプーリユニット Withdrawn JP2005256970A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004070018A JP2005256970A (ja) 2004-03-12 2004-03-12 一方向クラッチ付きプーリユニット

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004070018A JP2005256970A (ja) 2004-03-12 2004-03-12 一方向クラッチ付きプーリユニット

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2005256970A true JP2005256970A (ja) 2005-09-22

Family

ID=35082892

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2004070018A Withdrawn JP2005256970A (ja) 2004-03-12 2004-03-12 一方向クラッチ付きプーリユニット

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2005256970A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
NL2002815C2 (en) * 2009-04-28 2010-10-29 Berg Toys B V Freewheel arrangement for a vehicle, driving assembly and a vehicle, such as a chain driven vehicle comprising such a freewheel arrangement.
JP2012172827A (ja) * 2011-02-24 2012-09-10 Nsk Ltd プーリ装置

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
NL2002815C2 (en) * 2009-04-28 2010-10-29 Berg Toys B V Freewheel arrangement for a vehicle, driving assembly and a vehicle, such as a chain driven vehicle comprising such a freewheel arrangement.
JP2012172827A (ja) * 2011-02-24 2012-09-10 Nsk Ltd プーリ装置

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR100799792B1 (ko) 일방향 클러치 내장형 회전 전달 장치
US6749050B2 (en) One-way clutch built-in type pulley device
JP3652207B2 (ja) 一方向クラッチ内蔵型回転伝達装置
JP2005240930A (ja) 一方向クラッチ付きプーリユニット
JP2005256970A (ja) 一方向クラッチ付きプーリユニット
JP2006307922A (ja) 一方向クラッチ
JP2006144812A (ja) 密封装置
JP2006161827A (ja) 一方向クラッチ付きプーリユニット
JP2004218689A (ja) プーリユニット
JP2007198504A (ja) 一方向クラッチ及び一方向クラッチ内蔵型プーリ装置
JP2001165201A (ja) 一方向クラッチ内蔵型回転伝達装置
JP2000291785A (ja) オルタネータ用一方向クラッチ内蔵型プーリ装置
JP4899343B2 (ja) 一方向クラッチ内蔵型プーリ装置
JP2000283267A (ja) オルタネータ用一方向クラッチ内蔵型プーリ装置
JP2005257021A (ja) 一方向クラッチおよび一方向クラッチ付きプーリユニット
JP2007085398A (ja) 一方向クラッチ内蔵型プーリ装置
JP4306032B2 (ja) オルタネータ用一方向クラッチ内蔵型プーリ装置
JP2005256915A (ja) 一方向クラッチ
JP2005233324A (ja) 一方向クラッチ付きプーリユニット
JP2001032911A (ja) オルタネータ用ローラクラッチ内蔵型プーリ装置
JP2000291782A (ja) オルタネータ用一方向クラッチ内蔵型プーリ装置
JP2001041314A (ja) オルタネータ用一方向クラッチ内蔵型プーリ装置
JP2007032665A (ja) 一方向クラッチ内蔵型プーリ装置
JP2000227151A (ja) オルタネータ用一方向クラッチ内蔵型プーリ装置
JP2005337429A (ja) クラッチ内蔵型プーリユニット

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20070223

A761 Written withdrawal of application

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A761

Effective date: 20081215