JP4893546B2 - 合わせガラスの接合構造およびその接合方法 - Google Patents

合わせガラスの接合構造およびその接合方法 Download PDF

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本発明は、貫通孔を擁する合わせガラスと接合部材を重ね、または貫通孔を擁する合わせガラス同士を重ね、貫通孔に挿通させた一対の締め付け部材を締め付けて合わせガラスと接合部材または合わせガラス同士を接合する合わせガラスの接合構造およびその接合方法である。
特に、本発明は、貫通孔を擁する合わせガラスと接合部材を重ね、または貫通孔を擁する合わせガラス同士を重ね、貫通孔にボルトを挿通し、ボルトに螺合させたナットとで締め付けて生じるボルト軸方向の力で合わせガラスを強固に接合する建築用途の合わせガラスの接合構造およびその接合方法に関する。
本発明の合わせガラスの接合構造およびその接合方法の用途としては、ガラスを用いた家具、ドア等の一般的なガラス物品および建築物、特に大型建築物であるガラス壁、ガラス屋根、およびガラススクリーン、例えば、リブガラスを用いたリブガラススクリーン等が挙げられる。
ガラス壁、ガラス屋根等の、大板ガラスを使用した開口部構成よりなるガラススクリーン等の大型建築物において、ガラス板を高強度で接合すると、設計の自由度が高められる。例えば、目立つ金属方立の代りに、目立たないガラス方立て(リブガラス)を用いて、正面ガラス(フェイスプレート)に加わる風荷重を支持する工法に、ガラス・スタビライザー工法がある。
接合部材を介してガラス板を高強度で接合することを、ガラス・スタビライザー工法に用い、リブガラススクリーンを設計すれば、リブガラスに取り付けた接合板を介してフェイスプレートと接合することも可能であり、接合部材を介してリブガラス同士、フェイスプレート同士が接合されることからリブガラススクリーンの設計の自由度が高まる。
従来のガラス板の接合方法には、ガラス板と接合部材としての金属板とを重ねて、ガラス板と金属板に形成した貫通孔に一対の接合部材、例えば、ボルト・ナットを通して締めて固定することで、ガラス板同士を接合する、ガラス板を建造物等に接合する際に使用される摩擦接合がある。
摩擦接合は、一対の締め付け部材で、ガラス板と接合部材とを厚み方向に締め付けて、ガラス板と接合部材との摩擦力で荷重を受け止める接合方法である。摩擦接合においては、接合部を増やし、一対の締め付け部材である、例えば、接合用のボルト・ナットを多く用いることで受け止められる支持荷重を大きくする。摩擦接合において、接合部を増やし接合ボルト・ナットを多く用い、個々の接合部において受け止める荷重を大きくしなかった背景には、ガラスは脆性材料であり、締め付ける際に一箇所に大きな力がかかると割れることがあった。
一方、ガラス板と他の構造部材とを接合するためにガラス板に添接させた、あるいはガラス板とガラス板に掛け渡しした金属板等の接合部材の間に接着シートを挟みこみ、ガラス板と接合部材を接着し接合強度を得、加えてガラス板と接合部材に設けた貫通孔に、一対の締め付け部材である接合用ネジ部材を貫通させて締め込み、ガラス板と接合部材を固定し留める方法が、特許文献1〜7にて開示されている。
例えば、特許文献1には、ガラス板と接合部材との間に、未硬化の接着剤を含浸させてある繊維材からなるシートを挟んで、ガラス板と接合部材とに形成した貫通孔に挿通したネジ部材で締め付け固定するガラスパネルの接合方法が開示されている。接合後のガラスパネルと板材との相対変位の発生を抑制するために、ガラス板と接合部材との間に未硬化の接着剤を含浸させてある繊維材からなるシートを挟んで締め付け接合しておくことにより、その接着剤が硬化するとシートがガラスパネルと板材の双方の表面に沿った形状に固まり、シートと一体に硬化した強固な接着層を介して、ガラスパネルと板材とを接着接合できると開示されている。
また、特許文献3には、特許文献1よりも接合部の耐久力を高めるため、接着材を含浸させてある繊維材からなるシートに含浸させた接着剤が未硬化の状態で締め付け、接着材硬化後に、所定の軸力に再度締め付けて接合する脆性部材の接合方法が開示されている。
さらに、特許文献7には、上記の接着による接合方法において、雄ネジ部材と雌ネジ部
材等の締め付け具にてガラス板と接合部材を締め付ける際に、貫通孔に充填剤を介在させて各締め付け具の外周面とガラス板側貫通孔の内周面との間に隙間が生じない状態で締め付けることによって、ガラス板と接合部材との間にわたって応力が作用した際に、複数のガラス板側貫通孔に作用する応力が均一化されるようにして、特定のガラス板側貫通孔に応力が集中するのを回避してガラス板の損傷を抑制するガラス板の接合方法が開示されている。
特許文献1〜7に記載のガラス板の接合方法は、ガラス板と接合部材とを強く締め付けて接合するものでなく、ガラス板と接合部を接着して接合強度を得る方法である。ガラス板の割れの発生を懸念して接合用のネジ部材による締め付けは程々にし、接合強度はガラス板と接合部材の接着に依存している。
詳しくは、特許文献3によれば、ガラス板に厚さが12mm〜19mmの強化ガラスであり、且つ、使用する接着剤がエポキシ系接着剤の場合、接合用ネジ部材の締め付け軸力は29.4kN〜53.9kN程度が望ましいとされている。ガラスに貫通孔を開ける場合、孔周りは荒ズリ加工されるため、ガラスの孔周りの強度は、ガラス表面の強度に比べて弱く、ガラスの孔周りに60kN程度の締め付け力が作用するとガラスが破損することがあった。そのため、孔周りに締め付け力が作用する特許文献1や特許文献3の方法では、締め付け軸力を上げることで接合箇所の耐久性を高めるには限界があった。
さらに、特許文献8には、ガラス板と板材を接着する接合方法を合わせガラスに適用するために、貫通孔の構造を工夫した合わせガラスが開示されている。具体的には、合わせガラスを、接続用ボルトとナットにより常時締め付けておくので、常時作用する圧縮応力によって、樹脂製中間膜がクリープ変形して、樹脂製中間膜がつぶれ、それを挟んでいるガラス板が湾曲変形して樹脂製中間膜が剥離したり、樹脂製中間膜がガラスからはみ出たり、締め付け力が低下して摩擦力が低下する恐れがあり、摩擦接合で合わせガラスを確実に接合させるために、複数枚のガラス板間に樹脂製中間膜を挟み込んだ状態で一体に合わせると共に、貫通孔を設けてある合わせガラスであって、前記挿通孔周りの前記ガラス板間に、前記樹脂製中間膜に代えて、前記ガラス板よりも軟質で、かつ、前記樹脂製中間膜よりも硬く、厚さが前記樹脂製中間膜の厚さ以下のシートを装着してある合わせガラスが開示されている。
また、本出願人による特許文献9には、強化ガラス板の接合において、その接合部が強化ガラス板を両側から添接板で摩擦部材を介して挟んでなり、強化ガラス板と添接板とに高力ボルト挿入用の穴をあけ貫通させたボルトおよびナットにて締め付けることにより生じる摩擦力で添接板を介して強化ガラス板同士を接合する、または強化ガラスと添接板を接合する摩擦接合であることを特徴とする強化ガラス板の接合方法が開示されている。
特開2000−87924号公報 特開2000−87925号公報 特開2002−155909号公報 特開2002−162325号公報 特開2002−266818号公報 特開2004−340178号公報 特開2003−327453号公報 特開2005−320214号公報 特開2006−250345号公報
大板ガラスを用いたリブガラススクリーン等において、予期せぬ大地震等の天災において、万が一、大板ガラスが割れた場合には、リブガラススクリーン自体が、破壊により崩落および飛散する恐れがあるという問題があった。特に強度のかかるリブガラスについては、何らかの対策が要求される。
ガラスの破壊による崩落および飛散の被害を防止するには、破壊後、破壊片に分離する単板ガラスより、破壊後も一体であることを保つ、複数のガラス板に樹脂製合わせフィルムを挟み加熱溶融させてガラス板と合わせフィルムを直接接着一体化させた合わせガラスを用いればよい。
しかしながら、合わせガラスは樹脂製合わせフィルムとガラス板を積層した後、樹脂製合わせフィルムを加熱溶融して接着一体化する製造工程で、樹脂製合わせフィルムがポリビニルブチラール(以後、PVBと略する)膜であるならば、オートクレーブによる加圧加熱処理、樹脂製合わせフィルムがエチレン酢酸ビニル共重合体(以後、EVAと略する)ならば加熱処理をする必要があり、長尺状のものを得るには大型の装置を必要とし、合わせガラスで大型のリブガラスを得ることが難しい。よって、合わせガラスでリブガラス等の大型のガラス物品を形成するには、何らかの方法で合わせガラスを接合して用いなければならないという問題があった。
そのような接合方法としての従来のガラス板の接合方法である摩擦接合においては、ガラス板の貫通孔に挿通した一対の締め付け部材、例えば、ボルト・ナットで強くガラス板を締め付けると、締め付け部に局所的な力が生じ、特にガラス板の貫通孔端部から破損しやすいという問題があった。
そのため、前述した従来のガラス板と接合部材を接着する接合方法においては、ガラス板の接合部をネジ部材で留めてはいるものの、接合強度はガラス板と接合部材としての板材の間に挟みこんだ接着シートによる接着に頼っている。従来のガラス板と接合部材を接着する接合方法においては、一対の締め付け部材として、例えば、ボルト・ナットで強く締め付けて生じるボルト軸方向の力を、ガラス板内部に強い圧縮応力が生じるまでに与え、ガラス自体の剛性を利用してガラス板と板材を接合するものではなかった。また、接着材シートによる接着により接合するため、接合後の解体が困難である。
また、従来、ガラスは脆性材料であり一箇所、言い換えれば、1点に力がかかると割れる、即ち、ガラス板に貫通孔を設け、ボルトを通して強くガラス板を締め付けると、締め付け部に局所的な力が生じ、孔端部から割れが発生しガラス板が破損するため、ガラス板に貫通孔を設け、一対の締め付け部材であるボルト・ナット等で強く締め付けることは避けるべきこととされ、ガラス板をボルト・ナット等で強く締め付けて接合されることはなかった。
本発明の合わせガラスの接合構造およびその接合方法は、用いる合わせガラスが貫通孔を擁し、樹脂製合わせフィルムと積層接着一体化して合わせガラスを構成する個々のガラス板が孔径の異なる貫通孔を擁することを基本とする。
本発明の合わせガラスの接合構造およびその接合方法は、貫通孔を擁する合わせガラスにおいて、合わせガラスを構成するガラス板に、孔径の異なる貫通孔を擁する個々のガラス板を用いることによって、応力発生部材、例えば平座金を合わせガラスを構成するガラス板の中の1枚のガラス板のみに圧接させて、一対の締め付け部材で締め付けて、接合に介しない他のガラス板を避けて、当該締め付けにより生じた力、例えば、ボルト・ナットの締め付けによるボルト軸方向の力を加える。このようにして、クリープ変形するPVBまたはEVA等からなる中間層には、力を加えないで、合わせガラスと接合部材、接合部材を介して合わせガラス同士および合わせガラスを重ねて合わせガラス同士を強固に接合するものである。
さらに、本発明の合わせガラスの接合構造およびその接合方法において、合わせガラスの貫通孔の孔周りにおいては、樹脂製合わせフィルムの替わりに貫通孔を擁する金属板を挟み込むことも可能である。
本発明の合わせガラスの接合構造およびその接合方法において、一対の締め付け部材であるボルト・ナット等の強力な締め付けにより生じるボルト軸方向の力を、合わせガラスを構成する中の1枚のガラス板のみと接合部材の間に挟んだ応力発生部材、例えば、平座金を介して当該ガラス板のみに伝達する際、座金の内径を当該ガラス板の貫通孔の孔径より大きくし同心となるように配置することで、割れが発生しやすいガラス板の貫通孔端部を避けてボルト軸方向の力を伝える。
このように、応力発生部材の貫通孔の孔径を、例えば、応力発生部材としての平座金の内径を、合わせガラスを成す1枚のガラス板に形成した貫通孔の孔径より大きくすることにより、一対の締め付け部材であるボルト・ナット等で強く締め付けた際に生じるボルト軸方向の強い力を、貫通孔の端部を避けて、ガラス板内部に強い圧縮応力を生じさせることが可能となり、圧縮応力を生じさせたガラス板の圧縮部位におけるクラックの発生および伝播を抑制し、ガラス板の見掛の強度を増加させて、耐久性の高いガラス板の接合構造が得られた。
本発明の合わせガラスの接合構造およびその接合方法は、ガラス板に圧接させた平座金を介し、ガラス板に直に小面積でボルト軸方向の力を伝え、ガラス板内部に強い圧縮応力を生じさせ、圧縮応力を生じさせたガラス板の圧縮部位のクラックの発生および伝播を抑制し、ガラス板の見掛の強度を増加させることを特徴とする。ガラス板に応力発生部材を強く圧接することで、ガラス板自体の剛性を利用した強い接合強度を得る、全く新規のガラス板の接合、いうなれば圧縮接合というべき概念である。
ガラス板内部に強い圧縮応力を生じさせると、ガラス板の圧縮部位のクラックの発生および伝播の方向性が制限されるので、ガラス板の圧縮部位のクラックの発生および伝播が抑制され、強い圧縮応力により、ガラス板の見掛の強度が増加する。
即ち、本発明の合わせガラスの接合構造およびその接合方法に用いる圧縮接合は、前述の摩擦接合、ガラス板と金属板材を接着する接合方法とは全く異なる考えの接合構造であり、ガラス板の見掛の強度を増加させることを特徴とし、ガラス板自体の剛性を利用して合わせガラスと接合部材とを接合する、または、接合部材を介して合わせガラス同士を接合するものである。
本発明の合わせガラスの接合構造およびその接合方法によれば、応力発生部材に平座金を使用し、平座金の内径を、合わせガラスを成す1枚のガラス板の貫通孔の孔径より大きくして、同心となるように配置して締め付けることで、割れが発生しやすいガラス板の貫通孔部を避けて、一対の締め付け部材の締め付けにより生じる強い力、例えば、ボルト・ナットの締め付けによるボルト軸方向の力を伝えられ、平座金を介して小面積でボルト軸方向の力を伝えるので、平座金からの強い単位面積当たりの圧力により、ガラス板に対する強い圧接が得られ、合わせガラスと接合部材に強い接合強度が得られる。
本発明の合わせガラスの接合構造およびその接合方法において、圧接とは、合わせガラスを成す1枚の板ガラスに応力発生部材を強く圧することで、応力発生部材を強い力でガラス板に接触させることを指す。応力発生部材とは、ガラス板を強く圧し、ガラス板内部に圧縮応力を発生させる部材である。
即ち、本発明は、複数のガラス板に樹脂製合わせフィルムを挟み加熱溶融させて接着一体化させた、個々のガラス板に孔径が異なる貫通孔を設けた合わせガラスと、貫通孔を擁する接合部材とを、接合部材で合わせガラス挟持するように重ね、前記貫通孔に挿通させた一対の締め付け部材で締め付けて、当該締め付けにより生じた力を、合わせガラスを構成する中の1枚のガラス板と接合部材との間に挟んだ応力発生部材を介して1枚のガラス板のみに伝達し、合わせガラスと接合部材を接合したことを特徴とする合わせガラスの接合構造である。
また、本発明は、複数のガラス板に樹脂製合わせフィルムを挟み加熱溶融させて接着一体化させた合わせガラスを構成する個々のガラス板に、締め付け部材を挿通するための孔径が異なる貫通孔を設けた合わせガラス同士を重ね、前記貫通孔に挿通させた一対の締め付け部材で締め付けて、当該締め付けにより生じた力を、合わせガラスを構成する中の1枚のガラス板同士の間に挟んだ応力発生部材を介して各々のガラス板に伝達し、合わせガラス同士を接合したことを特徴とする合わせガラスの接合構造である。
本発明において、前記貫通孔が同心となるように、合わせガラス、応力発生部材、接合部材、金属板を配置し、応力発生部材の貫通孔の孔径を、一対の締め付け部材で締め付けられる合わせガラスを構成する中の1枚のガラス板の貫通孔の孔径よりも大きくすることで、クラックが発生しやすいガラス板の貫通孔端部を避けて、前記貫通孔に挿通させた一対の締め付け部材で締め付けることが可能となった。このことで、応力発生部材が圧接する、合わせガラスを構成する中前記ガラス板内部に強い圧縮応力を生じさせることが可能となり、圧縮応力を生じさせたガラス板の圧縮部位におけるクラックの発生および伝播を抑制し、強固な合わせガラスの接合構造が得られた。
例えば、応力発生部材が平座金であり、一対の締め付け部材がボルト・ナットであり、接合部材が金属板であれば、平座金の貫通孔の孔径を、ボルト・ナットで締め付けられる合わせガラスを構成する中の1枚のガラス板の貫通孔の孔径よりも大きくし、貫通孔を同心となるように配置することで、ボルト・ナットの締め付けにより生じるボルト軸方向の力を、合わせガラスを構成する中の1枚のガラス板と金属板の間に挟んだ応力発生部材である平座金等を介して、割れが発生しやすい貫通孔端部を避けて、合わせガラスを構成する中の1枚のガラス板のみにボルト軸方向の力が伝えられる。このようにして、合わせガラスを構成する中の1枚のガラス板内部に強い圧縮応力を生じさせることが可能となり、圧縮応力を生じさせたガラス板の圧縮部位におけるクラックの発生および伝播を抑制し、ガラス板の見掛の強度を増加させて、耐久性の高いガラス板の接合構造が得られた。
さらに、本発明は、前記応力発生部材の貫通孔の孔径が、一対の締め付け部材で締め付けられる合わせガラスを構成する中の1枚のガラス板の貫通孔の孔径よりも大きいことを特徴とする上記の合わせガラスの接合構造である。
また、本発明の合わせガラスの接合構造およびその接合方法において、合わせガラスを構成するガラス板の中で、締め付け部材で締め付けるガラス板のみを厚くすれば、合わせガラス自体の軽量化が図れ、ガラス板の破壊による崩落および飛散の被害を防止するという本発明の目的を損なわない。
また、合わせガラスを3枚構造とし、締め付け部材で締め付ける合わせガラスを構成する中央の1枚のガラス板のみを厚くすれば、PVBまたはEVAで合わせたことによる中央のガラス板の歪が緩和され、より実用に適した構造となる。
また、本発明の合わせガラスの接合構造において、合わせガラスを構成する複数のガラス板の中、1枚のガラス板のみを接合するので、その強度が重要であり、他の接合に介さないガラス板は薄くてもかまわない。
また、本発明は、締め付け部材で締め付けることにより生じた力が応力発生部材を介して伝達される合わせガラスを構成する中の1枚のガラス板の厚み(A)が9.0mm以上、25.0mm以下であり、合わせガラスを構成する他のガラス板の厚み(B)が4.0mm以上、25.0mm以下であること特徴とする上記の合わせガラスの接合構造である。
さらに、本発明は、前記合わせガラスを構成するガラス板が3枚であり、合わせガラスを構成する中の中央の1枚のガラス板の厚み(A)が9.0mm以上、25.0mm以下であり、両側の2枚の板ガラスの厚み(B)が4.0mm、25.0mm以下であり、締め付け部材で締め付けて、当該締め付けにより生じた力が応力発生部材を介して伝達されるガラス板が中央のガラス板であることを特徴とする上記の合わせガラスの接合構造である。
さらに、本発明は、締め付けにより生じた力が応力発生部材を介して伝達される、合わせガラスを構成する中の1枚のガラス板の厚み(A)に対する、接合に介しない他のガラス板の厚み(B)の関係がA≧Bであることを特徴とする上記の合わせガラスの接合構造である。
本発明の合わせガラスの接合構造およびその接合方法に用いる一対の締め付け部材には、一対の油圧部材、バネ部材、ネジ部材が挙げられるが、トルクレンチ等で締め付け力の調整ができ、ボルト・ナットの締め付けにより強いボルト軸方向の力が容易に得られるボルト・ナットを用いることが好ましく、特に、強いボルト軸方向の力が得られ、ボルト軸方向の力の調整が容易な六角ボルト・ナットを用いることが好ましい。
本発明の合わせガラスの接合構造およびその接合方法において、橋やビル等の鋼構造物の接合方法として用いられる、高力ボルト摩擦接合で使用されるボルト・ナットの締め付けによる60kN以上のボルト軸方向の力、言い換えれば、一対の応力部材の締め付けにより生じる60kN以上の力で、樹脂製合わせフィルムと積層接着一体化して合わせガラスを構成する中の1枚のガラス板と接合部材を締め付けても、ガラス板が破損せず、強い接合強度が得られた。なお、一対の応力部材の締め付けにより生じる力が300kNより大きいと、ガラス板本来の高い剛性をもってしても破損の恐れがある。上記のボルト軸方向の力で締め付ければ、例えばリブガラススクリーンのリブガラスの接合等、建築用途での使用が可能となる。
この際、ボルト頭部・ナットの外径よりも応力発生部材の貫通孔の孔径を小さくすることで、例えば、ボルト頭部・ナットの外径よりも応力発生部材としての平座金の内径を小さくすることで、60kN以上のボルト軸方向の力で合わせガラスを構成する1枚のガラス板を締め付けることが容易となる。通常、六角ボルト・ナットにおいては、ボルト頭部、ナットの最大の外径を対角距離と呼ぶ。強い締め付けトルクを伝えるには六角ボルト・ナットを使用することが好ましく、中でも建築用で使用される摩擦接合用高力ボルト・ナットが好適に使用される。
さらに、本発明は、一対の締め付け部材の締め付けにより生じる力が60kN以上、300kN以下であることを特徴とする上記の合わせガラスの接合構造である。
さらに、本発明は、一対の締め付け部材がボルト・ナットであることを特徴とする上記の合わせガラスの接合構造である。
さらに、本発明は、前記応力発生部材が平座金であり、合わせガラスを成すガラス板の貫通孔に対して同心になるように配置したことを特徴とする上記の合わせガラスの接合構造である。
さらに、本発明は、ボルトの頭部・ナットの外径よりも応力発生部材の貫通孔の孔径を小さくしたことを特徴とする上記の合わせガラスの接合構造である。
さらに、本発明は、ボルト・ナットが六角ボルト・ナットであり、六角ボルト・ナットの対角距離よりも応力発生部材の貫通孔の孔径を小さくしたことを特徴とする上記の合わせガラスの接合構造である。
応力発生部材には、一対の締め付け部材の締め付けにより生じる力、例えば、ボルト・ナットの強力な締め付けによるボルト軸方向の力により変形しない硬さおよび剛性が必要であり、ポリエーテルエーテルケトン、繊維強化プラスチック等の硬く高剛性の材料から選ばれるが、加工作製が容易で入手のし易さから、貫通孔を擁する金属製の平座金が好適に使用される。金属材料としては、剛性の高い鉄鋼、ステンレス鋼も挙げられるが、好ましくは、ガラスとヤング率が近く接合部が馴染み易くクラック発生が抑制でき、線熱膨張係数が高く、ボルトが温度変化で伸縮しボルト・ナット間が変化する場合、ボルト以上に伸縮することで緩みが生じ難い効果を示すアルミニウムまたはアルミニウム合金が良い材料である。
また、本発明の合わせガラスの接合方法において使用する、接合部材としては、加工し易く、硬く、高剛性の金属板から選ばれ、鉄鋼製の板材、好ましくは、JIS G 3101−2004「一般構造用圧延鋼材」に準拠するSS400等が好適に使用される。また、屋外の建築用途に使用することを考えれば、錆び難く経時劣化が少ないステンレス鋼製の板材を用いることが好ましい。
本発明は、接合部材である貫通孔を擁する金属板が鉄鋼製またはステンレス鋼製の板材であることを特徴とする上記の合わせガラスの接合構造である。
さらに、本発明は、上記の合わせガラスの接合構造を擁するリブガラスを用いたリブガラススクリーンである。
さらに、本発明は、複数のガラス板に樹脂製合わせフィルムを挟み加熱溶融させて接着一体化させた、個々のガラス板に孔径が異なる貫通孔を設けた合わせガラスと、貫通孔を擁する接合部材とを、接合部材で合わせガラスを挟持するように重ね、前記貫通孔に挿通させた一対の締め付け部材で締め付けて、当該締め付けにより生じる力を、合わせガラスを構成する中の1枚のガラス板と接合部材との間に挟んだ応力発生部材を介して1枚のガラス板のみに伝達し、合わせガラスと接合部材とを接合することを特徴とする合わせガラスの接合方法である。
また、本発明は、複数のガラス板に樹脂製合わせフィルムを挟み加熱溶融させて接着一体化させた、個々のガラス板に孔径が異なる貫通孔を設けた合わせガラス同士を重ね、前記貫通孔に挿通させた一対の締め付け部材で締め付けて、当該締め付けにより生じる力を、個々の合わせガラスを構成する中の1枚のガラス板間に挟んだ応力発生部材を介して各々のガラス板に伝達し、合わせガラス同士を接合することを特徴とする合わせガラスの接合方法である。
さらに、本発明は、前記応力発生部材の貫通孔の孔径が、一対の締め付け部材で締め付けられる合わせガラスを構成する中の1枚のガラス板の貫通孔の孔径よりも大きいことを特徴とする上記の合わせガラスの接合方法である。
尚、本発明の合わせガラスの接合構造およびその接合方法において、合わせガラスを構成する中で、一対の締め付け部材で締め付けられないガラス板の貫通孔部に応力発生部材を挿入可能な程に、一対の締め付け部材で締め付けられるガラス板の貫通孔の孔径に比較して、一対の締め付け部材で締め付けられないガラス板の貫通孔の孔径が大きい。
尚、本発明において孔径とは貫通孔の最大径であり、貫通孔が円形の場合その直径をさす。本発明において、孔端部よりクラックを発生させないためには、ガラス板、応力発生部材の貫通孔の形状は、ガラス板の一点に力を集中させない円形であることが好ましい。応力発生部材が平座金であれば、市販の円形のものが公的に使用される。
本発明は、樹脂製合わせフィルム加熱溶融させて複数のガラス板と樹脂製合わせフィルム直接一体化させた合わせガラスを構成する個々のガラス板において、孔径が異なる貫通孔を設けたことによって、一対の締め付け部材、例えば、ボルト・ナットの締め付けにより生じる力を、応力発生部材、例えば、平座金を介して、接合に介しない他のガラス板を避けて、合わせガラスを構成する中の1枚のガラス板のみに伝達する合わせガラスの接合構造およびその接合方法である。合わせガラス中に接合部を設ける本発明の合わせガラスの接合構造およびその接合方法により、予期せぬ大地震等の天災において万が一合わせガラスが割れた場合にも、樹脂製合わせフィルムにより飛散する恐れが少なく、且つ合わせガラス中に設けた接合部より崩落する恐れが少なくなる。
本発明の合わせガラスの接合構造およびその接合方法において、合わせガラスを構成する中の1枚のガラス板のみに応力発生部材を圧接することで、圧縮応力を生じさせたガラス板内部の圧縮部位におけるクラックの発生および伝播を抑制し、ガラス板の見掛の強度を増加させる。さらに、ガラス板自体の剛性を利用する応力発生部材に平座金等を使用し、平座金の内径を前記ガラス板の貫通孔の孔径より大きくすることで、割れが発生しやすいガラス板の貫通孔の孔端部を避けてボルト軸方向の力を伝えられる。
また、平座金を介して小面積でボルト軸方向の力を、合わせガラスを構成する中の1枚のガラス板のみに伝えるので、平座金からの単位面積当たりの圧力により、合わせガラスと接合部材、合わせガラス同士の接合部に強い接合強度が得られた。
詳しくは、本発明の合わせガラスの接合構造およびその接合方法において、樹脂製合わせフィルムと積層接着一体化させた合わせガラス構造中に貫通孔を有する合わせガラスにおいて、合わせガラスを構成するガラス板に径の異なる貫通孔を設け、合わせガラスと接合部材を重ねて、または前記合わせガラスを重ねて、一対の締め付け部材であるボルト・ナットで締め付け、ボルト・ナットの締め付けによるボルト軸方向の力で、合わせガラスを構成する1枚のガラス板のみに圧縮応力を生じさせて接合する。その際に、ガラス板と接合部材の間に、単純な応力発生部材である平座金を入れることで、平座金を介してボルト・ナットで締め付けた際のボルト軸方向の力をガラス板へ圧縮応力が生じるように伝達し、圧縮応力をボルト・ナットの締め付け加減、ガラス板と座金が接触する面積で調整することが可能となった。その結果、圧縮応力を生じさせたガラス内部のクラックの発生および伝播が抑制され、ガラス板の見掛の強度を増加させて、平座金の圧接により、合わせガラスと接合部材、または合わせガラス同士に強い接合強度が得られた。
また、前記平座金の貫通孔の孔径を、言い換えれば、平座金の内径を、前記ガラス板に形成した貫通孔の孔径よりも大きくすることで、ガラス板にあけた貫通孔の端部に、ボルト、ナットの締め付けによるボルト軸方向の力が加わらなくなった。このようにして、例えば、橋やビル等の鋼構造物の接合方法として用いられている高力ボルト摩擦接合で導入される、ボルト・ナットの締め付けによる強いボルト軸方向の力、60kN以上、300kN以下の範囲で、ガラス板と接合部材とを締め付けた際、圧縮応力を生じさせたガラス内部の圧縮部位におけるクラックの発生および伝播が抑制され、ガラス板の見掛の強度を増加させて、ガラス板が破損し難くなり、接合後の耐久性の高い合わせガラスと接合部材または合わせガラス同士の接合が可能となった。
即ち、応力発生部材を用いたことで、合わせガラスを成す1枚のガラス板と座金の狭い接触面で、一対の締め付け部材であるボルト・ナットの締め付けによるボルト軸方向の力が伝わるので、接合したガラス板が滑る恐れは少なくなり、接合後の耐久性の高い合わせガラスと接合部材または合わせガラス同士の接合が可能となった。
さらに、接合構造を解体するときはボルト・ナットを弛めればよいので、解体が容易である。
最初に用いる合わせガラスが3枚のガラス板からなる構成であり、中央の1枚が両側の2枚より厚く、締め付け部材で締め付けて生じた力が応力発生部材を介して伝達されるガラス板が、合わせガラスを構成する中央のガラス板のみである本発明の合わせガラスの接合構造の一例について説明する。
図1の(A)は、本発明の合わせガラスの接合構造によるガラス板の接合部の一例の拡大側面図である。ボルト1・ナット2以外は接合部における断面で示している。図1の(B)は用いた合わせガラス貫通孔部の上面図である。樹脂製合わせフィルム5には、PVBまたはEVAを使用する。
図1の(A)および(B)に示すように、合わせガラスGは、貫通孔を擁する合わせガラスGであって、合わせガラスGを構成する中の中央のガラス板G1と、それより薄い両側のガラス板G2およびガラス板G3において、孔径の異なる貫通孔を擁する合わせガラスGである。
図1の(A)に示すように、ガラス板G1、G2、G3に樹脂製合わせフィルム5を挟み加熱溶融させて接着一体化させた、個々のガラス板G1、G2、G3に孔径が異なる貫通孔を設けた合わせガラスGと、貫通孔を擁する接合部材である金属板3とを、金属板3で合わせガラスGを挟持するように重ね、前記貫通孔に挿通させた一対の締め付け部材であるボルト1およびナット2を締め付けて、当該締め付けにより生じたボルト軸方向の力を、合わせガラスGを構成する中の1枚のガラス板G1と金属板3との間に挟んだ応力発生部材である平座金4を介して、ガラス板G1のみに伝達し、合わせガラスGと金属板3を接合している構造である。
個々のガラス板G1、G2、G3に孔径が異なる貫通孔を設けたことで、接合に介しないガラス板G2、G3を避けて、平座金4をガラス板G1のみに圧接させて、平座金4を介して前記ボルト軸方向の力をガラス板G1のみに伝えることが可能となった。尚、ガラス板G2、G3の貫通孔は、平座金4を挿入可能な程に、ガラス板G1の貫通孔に比較して孔径が大きい。
図1の(A)および(B)に示すように、前記貫通孔が同心となるように、合わせガラスG、金属板3および平座金4を配置した。その際、平座金4の貫通孔の径を、ガラス板G1の貫通孔の径より大きくし、クラックが発生しやすいガラス板G1の貫通孔の端部を避け、ボルト1およびナット2の締め付けにより生じるボルト軸方向の力が、直接、貫通孔端部に掛らない様にし、ガラス板G1が破壊されることを抑制した。このようにして、ボルト1およびナット2の締め付けにより生じるボルト軸方向の力で、平座金4を圧接したガラス板G1内部に強い圧縮応力を生じさせることが可能となり、圧縮応力を生じさせたガラス板G1の圧縮部位におけるクラックの発生および伝播を抑制し、強固な合わせガラスの接合構造が得られた。万が一、合わせガラスGが破損した場合、樹脂製合わせフィルム5が破断しない限り、合わせガラスGが接合部より崩落することがない。
このように、合わせガラスGを、貫通孔を擁する接合部材3を挟み、双方の貫通孔に挿通させた一対の締め付け部材であるボルト1・ナット2の締め付けにより生じる力を、ガラス板G1と接合部材3との間に挟んで圧接させた応力発生部材である平座金4で当該ガラス板G1のみに伝達し、ガラス板G1内部に圧縮応力を生じさせて、合わせガラスGと接合部材3とを接合する。ガラス板G1と、ガラス板G2およびガラス板G3の貫通孔の孔径が異なることで、一対の締め付け部材、例えば、ボルト1・ナット2の締め付けにより生じる力が、ガラス板G1と接合部材である金属板3の間に挟んだ応力発生部材である平座金4等を介してガラス板G1に伝達され、平座金4をガラス板G1の貫通孔端部を避けて圧接することで、ガラス板G1の接合部が破壊され難い。
また、図1の(A)において、用いる合わせガラスGが3枚構造であり、中央の1枚のガラス板G1の厚み(A)が両側の2枚のガラス板G2、G3の厚み(B)より厚く、言い換えれば、A≧Bで、締め付け部材であるボルト1・ナット2で締め付け、締め付けにより生じた力が応力発生部材である平座金4を介して中央のガラス板G1に伝達される。ボルト1・ナット2で締め付けられる中央のガラス板G1の厚み(A)のみを厚く、他のガラス板G2、G3を薄くすれば、合わせガラスG自体の軽量化が図れる。ガラス強度において中央のガラス板G1の厚みは、9.0mm以上であることが好ましい。ボルト1・ナット2による締め付けに耐えるおよびリブガラス等としての強度を考慮すれば、強化ガラスであることが好ましい。厚さ(A)の上限は市販される強化ガラスの最大の厚さ、25.0mm以下となる。
接合に介しないガラス板G2、G3の厚み(B)は、4.0mm以上、25.0mm以下であり、ボルト1・ナット2による締め付けを行わないことを考えれば、ガラス原料を溶融しSn浴を用いたフロートバスに展開するフロート法で製造した後、何ら強化処理を施していない生板ガラスであってもかまわない。4.0mm以下のガラス板は強度不足であり、合わせガラスの軽量化のためには、板ガラスの厚み(A)が、板ガラスの厚み(B)を上回る必要はなくA≧Bである。
また、合わせガラスGを3枚構造とし、PVBまたはEVAを樹脂製合わせフィルム5として合わせたことにより、中央のガラス板G1の歪が緩和される。
また、ボルト1・ナット2締め付け時には、ボルトの頭部およびナットに接するようにワッシャ6を使用することで、締め付けがスムーズに行える。
次いで、合わせガラスが2枚構造である場合について、図2の(A)、(B)を用いて説明する。
図2の(A)は、本発明の合わせガラスの接合構造によるガラス板の接合部の一例の拡大側面図である。ボルト1・ナット2以外は接合部における断面で示している。(B)は用いた合わせガラス貫通孔部の上面図である。
図2の(A)に示すように、ガラス板G1、G2に樹脂製合わせフィルム5を挟み加熱溶融させて接着一体化させた、個々のガラス板G1、G2に孔径が異なる貫通孔を設けた合わせガラスGと、貫通孔を擁する接合部材である金属板3とを、金属板3で合わせガラスGを挟持するように重ね、前記貫通孔に挿通させた一対の締め付け部材であるボルト1およびナット2を締め付けて生じた力を、合わせガラスGを構成する中の1枚のガラス板G1と接合部材との間に挟んだ応力発生部材である平座金4を介して1枚のガラス板G1のみに伝達し、合わせガラスGと金属板3を接合している構造である。
個々のガラス板G1、G2に孔径が異なる貫通孔を設けたことで、接合に介しないガラス板G2を避けて、平座金4をガラス板G1のみに圧接させて、平座金4を介して、ボルト軸方向の力をガラス板G1のみに伝えることが可能となった。尚、ガラス板G2の貫通孔部に平座金4を挿入可能な程に、ガラス板G1の貫通孔の孔径に比較してガラス板G2の貫通孔の孔径が大きい。
図2の(A)および(B)に示すように、前記貫通孔が同心となるように、合わせガラスG、金属板3、平座金4を配置した。その際、平座金4の貫通孔の径を、ガラス板G1の貫通孔の径より大きくし、クラックが発生しやすいガラス板G1の貫通孔の端部を避け、ボルト1およびナット2の締め付けにより生じるボルト軸方向の力が、直接、貫通孔端部に掛らない様にし、ガラス板G1が破壊されることを抑制した。このようにして、ボルト1およびナット2の締め付けにより生じるボルト軸方向の力で、平座金4を圧接したガラス板G1内部に強い圧縮応力を生じさせることが可能となり、圧縮応力を生じさせたガラス板の圧縮部位におけるクラックの発生および伝播を抑制し、強固な合わせガラスの接合構造が得られた。万が一、合わせガラスGが破損した場合、樹脂製合わせフィルム5が破断しない限り、合わせガラスGが接合部より崩落することがない。
図2の(A)および(B)に示すように、合わせガラスGは、貫通孔を擁する合わせガラスGであって、合わせガラスGを構成するガラス板G1と、それより薄いガラス板G2において、孔径の異なる貫通孔を擁する合わせガラスGである。ガラス板G1と、ガラス板G2の貫通孔の孔径が異なることによって、一対の締め付け部材、例えば、ボルト1・ナット2の締め付けにより生じる力を、ガラス板G1と接合部材である金属板3の間に挟んだ応力発生部材である平座金4等を介してガラス板G1のみに伝達することで、接合部が破壊され難い。
次いで、本発明のガラス板の接合構造において、貫通孔周辺に、貫通孔を擁する金属板を合わせガラスの樹脂製合わせフィルム5の替わりに用いる場合について、図3を用いて説明する。
図3は、本発明の合わせガラスの接合構造によるガラス板の接合部の一例の拡大側面図である。ボルト1・ナット2以外は接合部における断面で示している。
図3に示すように、前記貫通孔部周辺において、貫通孔を擁する金属板7を合わせガラスGの樹脂製合わせフィルム5の替わりに用い、締め付け部材であるボルト1およびナット2を挿通するための貫通孔に挿通させた一対の締め付け部材であるボルト1およびナット2を締め付けて生じた力を、金属板およびガラス板に圧接させた応力発生部材である平座金4を介して合わせガラスGを構成する中の1枚のガラス板G1のみに伝達する接合構造である。尚、貫通孔部周辺とは貫通孔端部より、10cm以下の範囲である。10cmより大きくすると装飾性に欠ける。
図3に示すように、貫通孔周辺に、貫通孔を擁する金属板7を合わせガラスの樹脂製合わせフィルム5の替わりに用いると、より接合部が堅牢となり、接合部より破壊、崩落および飛散する恐れが少なくなる効果が顕著となる。
次いで、本発明の合わせガラスの接合構造により、合わせガラス同士を接合する場合について、図4を用いて説明する。
図4は、本発明の合わせガラスの接合構造によるガラス板同士の接合部の一例の拡大側面図である。ボルト1・ナット2以外は接合部における断面で示している。
図4に示すように、ガラス板G1、G2、に樹脂製合わせフィルム5を挟み加熱溶融させて接着一体化させた合わせガラスGと、ガラス板G1´、G2´に樹脂製合わせフィルム5を挟み加熱溶融させて接着一体化させた合わせガラスG´とを接合した。合わせガラスG、G´を構成する個々のガラス板G1、G2、G1´、G2´に締め付け部材であるボルト1・ナット2を挿通するための孔径が異なる貫通孔を設けた合わせガラスG、G´同士を重ね、貫通孔に挿通させた一対の締め付け部材であるボルト1・ナット2を締め付けて生じた力を、合わせガラスG、G´を構成する中の1枚のガラス板G1、G1´同士の間に挟んだ平座金4を含むガラス板G1、G1´に圧接された応力発生部材である平座金4を介して各々のガラス板G1、G1´に伝達し、合わせガラス同士を接合する構造である。
個々のガラス板G1、G2、G1´、G2´に孔径が異なる貫通孔を設けたことで、接合に介しないガラス板G2、G2´を避けて、平座金4をガラス板G1、G1´に圧接させて、平座金4を介して、ボルト軸方向の力をガラス板G1、G1´のみに伝えることが可能となった。尚、ガラス板G2、G2´の貫通孔部に平座金4を挿入可能な程に、ガラス板G1、G1´の貫通孔の孔径に比較してガラス板G2、G2´の貫通孔の孔径が大きい。
図4に示すように、前記貫通孔が同心となるように、合わせガラスG、G´、平座金4を配置した。その際、平座金4の貫通孔の径を、ガラス板G1の貫通孔の径より大きくし、クラックが発生しやすいガラス板G1、G1´の貫通孔の端部を避け、ボルト1およびナット2の締め付けにより生じるボルト軸方向の力が、直接、貫通孔端部に掛らない様にし、ガラス板G1、G1´が破壊されることを抑制した。このようにして、ボルト1およびナット2の締め付けにより生じるボルト軸方向の力で、平座金4を圧接したガラス板G1、G1´内部に強い圧縮応力を生じさせることが可能となり、圧縮応力を生じさせたガラス板G1、G1´の圧縮部位におけるクラックの発生および伝播を抑制し、強固な合わせガラスの接合構造が得られた。万が一、合わせガラスG、G´が破損した場合、樹脂製合わせフィルム5が破断しない限り、合わせガラスG、G´が接合部より崩落することがない。
図4に示すように、本発明の合わせガラスの接合構造によるガラス板同士の接合構造は、合わせガラスGを成すガラス板G1、G2、G1´、G2´において径の異なる貫通孔を擁する合わせガラスG、G´同士を重ね、双方の貫通孔に挿通させた一対の締め付け部材であるボルト1・ナット2の締め付けにより生じる力を、各々の合わせガラスG、G´を成す1枚のガラス板G1、G1´同士の間に挟んで圧接させた応力発生部材である平座金4で当該ガラス板G1、G1´に伝達し、ガラス板G1、G1´内部に圧縮応力を生じさせて、合わせガラスG、G´同士を接合する。
図1〜図4に示したような、本発明の合わせガラスの接合構造を用いれば、平座金4の内径を、合わせガラスG、G´を構成する中のガラス板G1、G1´の貫通孔の孔径より大きくすることで、割れが発生しやすいガラス板G1、G1´の貫通孔の端部を避けて、ボルト1・ナット2の締め付けによるボルト軸方向の力を伝えられ、また、平座金4を介して小面積でガラス板G1、G1´にボルト1・ナット2の締め付けによるボルト軸方向の力を伝えるので、平座金4からガラス板G1、G1´への単位面積当たりの圧力が大きくなり強力な圧接が得られ、接合部がずれる恐れが少ない。
また、本発明の合わせガラスの接合構造を用いて、合わせガラスG、G´を接合する際は、平座金4の大きさを選ぶことで、平座金4からガラス板G1、G1´への単位面積当たりの圧力を任意に設定でき、加えて、ボルト1・ナット2の締め付けによるボルト軸方向の力の加減により、ガラス板G1、G1´にて生じる圧縮応力の大きさが調整可能となる。
このように、平座金4の内径を、合わせガラスG、G´を構成する中のガラス板G1、G1´の貫通孔の孔径より大きくすることで、本発明の合わせガラスの接合構造によって、合わせガラスGと金属板3を接合した際、または合わせガラスG、G´同士を接合した際、ガラス板G1の貫通孔に挿入したボルト1・ナット2で、ガラス板G1と金属板3とを、または各々の合わせガラスG、G´を構成する中のガラス板G1、G1´同士を応力発生部材である平座金4を介して締め付けたとき、ガラス板G1、G1´と平座金4の接触部からのみガラス板G1、G1´のみに圧縮応力が生じるようになり、割れが発生しやすいガラス板G1、G1´の貫通孔の端部に、ボルト1・ナット2の締め付けによるボルト軸方向の力が掛からなくなる。言い換えれば、割れが発生しやすいガラス板G1、G1´の貫通孔の端部を避けてガラス板G1、G1´に圧縮応力を生じさせる。その結果、圧縮応力を生じさせたガラス板G1、G1´の圧縮部位のクラックの発生および伝播を抑制し、ガラス板G1、G1´の見掛の強度を増加させることで、ガラス板G1、G1´が破損し難くなる。
合わせガラスを構成する個々のガラス板G1、G2、G3、G1´、G2´および接合部材3の貫通孔を円形とし同心となるように配置した際、平座金4の内径が、ガラス板G1、G1´の貫通孔の孔径よりも小さいと、ボルト1・ナット2でガラスG1と接続板3とを応力発生部材である座金4を介して締め付けたとき、またはボルト1・ナット2でガラスG1、G1´同士を応力発生部材である座金4を介して締め付けたとき、ガラス板G1、G1´の貫通孔の端部に座金4からのボルト軸方向の力が作用し、割れが発生しやすくガラス板G1、G1´が破損する恐れがある。
この際、ボルト1・ナット2を強く締め付けた際に発生するボルト軸方向の強い力により、割れを生じさせないためには、ガラス板G1、G1´に形成した貫通孔の孔径より、応力発生部材である平座金4の内径を、1mm以上、好ましくは4mm以上大きくする。この際、ガラス板G1、G1´の貫通孔端部と座金4が重ならないためには、円形の平座金4を用い、ガラス板G1、G1´貫通孔に対して平座金4を同心となるように配置することが好ましい。
このように、平座金4の内径を、ガラス板G1、G1´の貫通孔に対し1mm以上、好ましくは4mm以上大きくする、要するに、ガラス板G1、G1´の貫通孔の端部から平座金4までの間隔を0.5mm以上、好ましくは2mm以上とする。平座金4の内径を、ガラス板G1、G1´の貫通孔に対し1mm未満、ガラス板G1、G1´の貫通孔の端部から座金4までの間隔が、0.5mm未満では、ガラス板G1、G1´の貫通孔の端部にボルト軸方向の力が伝播し割れが生じる恐れがある。座金4の内径を、ガラス板G1、G1´の貫通孔の孔径に対して、20mmを超えて大きくすると、ボルト軸方向の力が伝達され難くなるので、20mm以内であることが好ましい。
ボルト1・ナット2による締め付けトルクは、橋やビル等の鋼構造物の接合方法として用いられている高力ボルト摩擦接合で導入される強力なボルト軸方向の力、60kN以上、300kN以下が得られる100N・m以上、1000N・m以下の範囲に設定される。
また、平座金4の内径がボルト1・ナット2の対角距離よりも小さいと、60kN以上のボルト軸方向の力でガラス板G1と接合部材3、またはガラス板G1、G1´を締め付けることが容易となる。
図1〜図3に示すように、平座金4の内径がボルト1・ナット2の対角距離よりも小さいと、ボルト1・ナット2の強力な締め付けによるボルト軸方向の力がガラス板G1に直線的に伝わる。ボルト頭の下、ナット2の上に平座金4が配置され、ボルト軸方向の力が、ワッシャ6、金属板3、平座金4、ガラス板G1、平座金4、金属板3、ワッシャ6に直線的に伝わる。ボルト軸方向の力が斜めに伝わると、強く締め付けられないばかりか、各々の圧接部に局所的な力がかかり、ガラス板G1が破損する恐れがある。
この際、応力発生部材の貫通孔の孔径、例えば、平座金4の内径が、ボルト1の頭部の対角距離、ナット2の対角距離より、2mm以上小さいことが好ましく、5mm以上小さいことがさらに好ましい。こうすることで、同心としてボルト1・ナット2で締め付けたとき、ボルト1の頭部、ナット2の座金4に対するかかり代が、1mm以上、好ましくは2.5mm以上となり、確実にボルト1・ナット2の締め付けによるボルト軸方向の力が、応力発生部材である平座金4に伝わる。
圧縮接合において、ボルト1・ナット2の締め付けによるボルト軸方向の60kN以上、300kN以下の強い力を得るためには、高力六角ボルト・ナット、言い換えると、機械的性質による等級がF8T以上の高力六角ボルト、または、強度区分が、8.8、10.9、12.9の六角ボルト・ナット、または、トルシア形高力ボルトを使用することが好ましく、中でも建築で使用される摩擦接合用高力ボルト・ナット、言い換えると、機械的性質による等級がF8T以上の高力六角ボルト・ナットが好適に使用される。高力六角ボルト・ナット・座金の機械的性質による等級については、JIS B1186−1995「摩擦接合用高力六角ボルト六角ナット、平座金のセット」に準拠する。
応力発生部材である平座金4には、F8T以上の高力六角ボルト・ナットの締め付けによる強力なボルト軸方向の力に耐え、変形することなきよう、座金の機械的性質による等級がF35以上の平座金4、またはステンレス鋼平座金4も挙げられるが、好ましくは、ガラスとヤング率が近く接合部が馴染み易くクラック発生が抑制でき、線熱膨張係数が高く緩みが生じ難いアルミニウム製平座金4、アルミニウム合金製平座金4も良い材料である。また、本発明において、鉄鋼製平座金4またはステンレス鋼製平座金4と、アルミニウム製平座金4、アルミニウム合金製平座金4を同時に用いることも可能である。
なお、ボルト1・ナット2を締め付ける際に締め付けやすく締め付け工具のトルクを伝えやすいので、ボルト1・ナット2と接合部材の間にワッシャ6を噛ませると良い。
図5は、本発明のガラス板の接合方法により接合された合わせガラスの上面図である。
以上、図1の(A)に示すような接合部を多数設けて、図4に示すように合わせガラスGと金属板3を接合すると合わせガラスGと金属板3の接合部に優れた接合強度が得られる。
図5に示すように、合わせガラス板Gの接合部に2個以上、この好ましくは4個以上の貫通孔を空けて、締め付け部材であるボルト1・ナット2と平座金4を用いて、各貫通孔を図1の(A)に示す本発明の合わせガラスの接合構造とし、ガラス板G1と金属板3を接合すれば、一対の締め付け部材の締め付けによる60kN以上、300kN以下の力、締め付け部材に、ボルト1・ナット2を使用したときは、ボルト1・ナット2の締め付けによるボルト軸方向の60kN以上、300kN以下の力が各接合部に作用し、ガラス板G1と金属板3が強く接合する。
この際、合わせガラスを構成する中のガラス板G1の厚みやガラス板G1の貫通孔の孔径にもよるが、異なる貫通孔間の間隔を、異なる貫通孔の端部間の最短距離で表して、30mm以下の間隔であると、貫通孔を設けたことでガラス板G1自体の強度が失われる。貫通孔を設けられる最大数は、ガラス板G1の大きさと前述の異なる貫通孔間の間隔によって決まる。また、接合部を増やすこと、または接合部の間隔、言い換えれば接合部間の距離を広げることで接合強度を高められる。
本発明の合わせガラス板の接合構造において、応力発生部材である平座金4等を介して、一対の締め付け部材であるボルト1・ナット2により締め付ける、合わせガラスを成すガラス板G1、G1´には、フロート法で製造したガラス板、強化ガラス、倍強度ガラス、熱線吸収ガラス、熱線反射ガラス、各種表面処理を施してあるガラス板等が挙げられる。圧縮接合により強力なボルト1・ナット2の締め付けにより優れた接合強度を得るために、ガラス板G1、G1´には、表面圧縮応力が80MPa以上で、厚さ(A)が9mm以上の強化ガラスを用いることが好ましい。厚さ(A)の上限は市販される強化ガラスの最大の厚さ、25mm以下となる。なお、表面圧縮応力が、130MPaを上回る大型の強化ガラスは製造が難しく、建築用途に実質的に使用されないので、本発明に用いる強化ガラスの表面圧縮応力は、130MPa以下である。
一対の締め付け部材であるボルト1・ナット2によって締め付けられない、合わせガラスをなすガラス板G2、G3、G2´の厚み(B)は4.0mm以上、25.0mm以下であり、ガラス原料を溶融しSn浴を用いたフロートバスに展開するフロート法で製造した後、何ら強化処理を施していない生板ガラスであってもかまわない。4.0mm以下のガラス板は強度不足であり、合わせガラスの軽量化のためには、板ガラスの厚み(A)が、板ガラスの厚み(B)を上回る必要はなくA≧Bである。
以下、本発明の実施例を示す。
図6の(A)は、本実施例における接合力評価用試験片の正面図である。(B)は、本実施例における接合力評価用試験片の側面図である。
図6の(A)、(B)に示すように、中心に径24mmの貫通孔8をあけた板厚、15mm、大きさ、300mm×300mm角のガラス板G1、中心に径80mmの貫通孔8をあけた板厚、5mm、大きさ、300mm×300mm角のガラス板G2、G3を用意した。尚、ガラス板G1には、軟化点付近まで加熱後、風冷、言い換えれば、空気を吹きつけることで急冷し表面に圧縮応力を与えた強化ガラスを用い、ガラス板G2、G3にフロート法により製造した後、何ら強化処理を行っていない生板ガラスを使用している。
エチレン−酢酸ビニル共重合体からなる厚さ0.40mmのシート(ブリヂストン株式会社製、商品名、EVASAFE)を、300mm×300mm角に切ったものを樹脂性樹脂製合わせフィルム5として用意した。なお、図示しない応力発生部材としての平座金4をガラス板G1に直接圧接させるために樹脂性樹脂製合わせフィルム5の中心部を径80mmの円状にに切り出し、切り欠け部9を設けた。
図6の(B)に示すように、ガラス板G2の貫通孔と樹脂製合わせフィルム5の貫通孔が一致するように樹脂製合わせフィルム5を載置し、ガラス板G2の貫通孔とガラス板G1の貫通孔が同心となるように、ガラス板G1を載置し、次いで同様に、樹脂製合わせフィルム5、ガラス板G3を重ねた。
図示しない真空バッグ内に入れて、真空バッグを真空ポンプで2.7×10Pa以下に減圧した後、95℃の加熱炉内に入れ、60分間加熱後、大気圧に開放して140℃に50分間保持して接合力評価用試験片としての合わせガラスGを作製した。
(万能材料試験機による引っ張りせん断試験による接合力の測定)
次いで、圧縮接合1箇所当たりの接合力を測定するために、図6に示した試験片を用い、万能材料試験機にて引っ張りせん断試験を実施した。
図7は万能材料試験機にて引っ張りせん断試験をする際の正面図である。
図8は万能材料試験機にて引っ張りせん断試験をした際の側面図であり、(A)がボルト引っ張り金具の側面図、(B)がガラス引っ張り金具の側面図である。
万能材料試験機(株式会社オリエンテック製、型式UCT−10T)を用い、図7および図8の(A)、(B)に示すように、作製した接合力評価用試験片としての合わせガラス板Gと接合部材としての金属製のL字型部材10とを接合する際に、一対の締め付け部材であるボルト1・ナット2とL字型部材10との間にワッシャ6を挟んだ。ワッシャ6には、呼び径、M20、厚み、4.5mm、外径、40mm、内径、21mm、機械的性質による等級はF35のものを用いた。
また、合わせガラスGと金属製L字型部材10との間に、応力発生部材として、ガラス板G1の孔端部に、ボルト1・ナット2の締め付けによるボルト軸方向の力を加えないために挟み込む平座金4には、呼び径、M30の平座金、厚み5.5mm、外径、60mm、内径、31mm、機械的性質による等級はF35のものを用いた。
これら呼び径、M20のワッシャ6と、M30の平座金4との間に、厚さ15mm、ボルト挿通用の径24mmの孔を有する、SS400製のL字型部材10を挟みこんだ。
次いで、上記の合わせガラスGとL字型部材10をボルト1・ナット2で締め付けた。
ボルト1・ナット2には、株式会社NSボルテン製の摩擦接合用高力六角ボルト・ナット座金のセットを使用した。ボルト1は呼び径、M20、首下長さ、100mm、対角距離、37mm、機械的性質による等級はF10Tである。ナット2は呼び径、M20、対角距離、37mm、機械的性質による等級はF10である。
合わせガラスGに貫通させたボルト1にナット2をねじ込み、トルクレンチを用いて150N・mのトルクで一次締めした後、そこからナット2を120度回転させて、ナット回転法に従い締め付けたが、ガラス板G1は破損しなかった。尚、このときのボルト1・ナット2の締め付けによる、ボルト1に発生するボルト軸方向の力は207kNであった。
207kNのボルト軸方向の力で締め付けて、ガラス板G1が破損しなかったのは、割れが生じやすいガラス板G1の貫通孔の端部に、ボルト軸方向の力を直接作用させないようにしたことに加え、ガラス板G1の圧縮部位において、圧縮応力によりクラック発生および伝播が抑制され、ガラス板G1の見掛の強度が増加したことによると思われる。
ついでに、図8の(A)に示すように、応力発生部材である平座金4を介して、高力六角ボルト1とナット2を用いて平均207kNのボルト軸方向の力で合わせガラスGと接合した一対のL字型部材10と、ボルト引っ張り金具11とをボルト12にて接合した後、図示しない万能材料試験機ロードセルに連結し、図8(B)に示すようにガラス引っ張り金具13に合わせガラスGを挟み込んでボルト14で固定し、ガラス引っ張り金具13を、図示しない万能材料試験機固定金具に連結した。万能材料試験機により、ボルト固定金具11およびガラス引っ張り金具13を、図7の矢印に示すように、上下方向に引っ張り、応力発生部材である平座金4、ボルト1、および、ナット2が、金属板とガラスGの間で滑り始めたときの荷重(摩擦力)を、圧縮接合1箇所当たりの接合力として測定した。接合力の測定は5回行った。
測定結果は、59.4kN、60.2kN、65.7kN、60.4kN、61.2kNであり、平均値は61.4kNであった。
このように、ボルトの呼び径がM20の高力六角ボルト1・ナット2を用い、平均207kNのボルト軸方向の力で圧縮接合した場合、圧縮接合1カ所当たり平均で61.4kNのせん断力に耐え得る接合が得られた。接合部に平均で61.4kN以上のせん断力が作用しなければ、ガラス板G1のボルト挿通孔にボルト1が接触することがないため、接合部に働くせん断力に対しガラス板G1が破損することがなく、接合強度が高い接合構造が得られた。
(接合部の耐荷重試験)
次いで、本発明の合わせガラスの接合構造を、リブガラスに使用する際に、実用に対して十分な接合強度が得られるかを確認するために、耐荷重試験を行った。具体的には本発明の合わせガラスの接合構造による合わせガラスGとL字型部材10の接合部の耐荷重試験を行った。
最初に、耐荷重試験に用いたガラス試験片について説明する。耐荷重試験に用いたガラス板G1の寸法は、板厚、19mm、幅500mm、長さ2000mmであり、ガラス板G1のガラス固定端側の端部に、固定端側の角からガラスの幅方向に100mm、ガラスの長さ方向に100mmの位置に、径24mmのボルト貫通孔を設け、さらに、この貫通孔より、ガラス板G1の幅方向に300mmの間隔、長さ方向に200mmの間隔で、径、24mmのボルト挿入用の貫通孔を4箇所設けた。
また、ガラス板G2、G3の寸法は、板厚、5mm、幅500mm、長さ2000mmであり、ガラス板G2、G3の片方の端部に、幅方向に300mmの間隔、長さ方向に200mmの間隔で、径、80mmのボルト挿入用の貫通孔を4箇所設けた。
尚、ガラス板G1には、軟化点付近まで加熱後、風冷、言い換えれば、空気を吹きつけることで急冷し表面に圧縮応力を与えた強化ガラスを用い、ガラス板G2、G3には、フロート法により製造した後、何ら強化処理を行っていない生板ガラスを使用した。
樹脂製合わせフィルム5には、エチレン−酢酸ビニル共重合体からなる厚さ0.40mmのシート(ブリヂストン株式会社製、商品名、EVASAFE)を、500mm×2000mm角に切ったものを用意した。また、応力発生部材4をガラス板G1に直接圧接させるために樹脂製合わせフィルム5をガラス板G2、G3のボルト挿入用の貫通孔と同じ位置に、径、80mmの円形に切り出し、切り欠け部9を設けた。
ガラス板G2の貫通孔と樹脂製合わせフィルム5の貫通孔部が全て一致するように、樹脂製合わせフィルム5を2枚重ねて載置し、ガラス板G2の各貫通孔とガラス板G1の貫通孔が全て同心となるように、ガラス板G1を載置し、次いで同様に、樹脂製合わせフィルム5を2枚重ねて配置し、その上にもう片方のガラス板G3を置き、真空バッグ内に入れて、真空バッグを真空ポンプで2.7×10Pa以下に減圧した後、95℃の加熱炉内に入れ、60分間加熱後、大気圧に開放して140℃に50分間保持して合わせガラスGを作製した。
図9は、本発明の合わせガラスの接合構造の耐荷重試験方法を示す説明図であり、(A)は、耐荷重試験装置の側面図であり、(B)は上面図である。
図9の(A)、(B)に示すように、合わせガラスGと金属板3との接合に、ボルトの呼び径がM20のボルトを用い、ガラス板G1の固定端側に幅方向に300mmの間隔、ガラスの長さ方向に200mmの間隔、対角長さ360mmとなるように貫通孔をあけて、接合部を4箇所設けた。
本発明の合わせガラスの接合構造において、図9の(B)に示すようなガラス固定端の反対側端部に加える外力Wに対し、接合部1箇所当たりに働くせん断力Fは数1の式で算出される。
Figure 0004893546
接合部1箇所当たりの接合力は、61.4kN程度のせん断力に耐えるが、ボルトの軸方向の力のばらつき、ボルト軸方向の力の緩和等により、接合力にばらつきが生じることが考えられるため、安全を考慮して、接合1カ所当たりの接合力、言い換えれば、圧縮接合1箇所当たりに作用するせん断許容力を50kNとして、耐荷重試験を行った。数1の式において、Fに50kNを代入して、接合構造が保たれる、ガラス固定端の反対側端部の外力Wを算出すると、W=20kNとなる。
図9の(A)および(B)に示すように、固定金具15にボルト16で締め付けて固定した、厚さ12mmの一対のSS400製のL字型部材10に、ボルト1・ナット2および平座金4およびワッシャ6を用いて、前記合わせガラスGの端部を本発明の合わせガラスの接合構造となるように固定した。
ボルト1には、呼び径、M20、首下長さ120mm、機械的性質による等級、F10Tのものを4本用い、ナット2には、呼び径、M20、機械的性質による等級、F10のものを4個用い、ワッシャ6には、呼び径、M20、厚み4.5mm、外径、40mm、内径、21mm、機械的性質による等級はF35のものを用いた。
また、ガラス板G1の貫通穴に、ボルト1・ナット2の締め付けによるボルト軸方向の力を作用させないために、ガラス板G1と金属板3との間に、応力発生部材として挟み込む平座金4には、呼び径、M30、厚み5.5mm、外径、60mm、内径、31mm、機械的性質による等級はF35のものを用いた。
ボルト1にナット2をねじ込み、トルクレンチを用いて150N・mのトルクで一次締めした後、そこからナット2を120度回転させて、ナット回転法に従い締め付けた。なお、このときに発生するボルト1・ナット2の締め付けによるボルト軸方向の力は、207kNである。
図9に示す耐荷重試験装置において、合わせガラスGを固定した反対側の端部に、図9中の矢印の方向へ、図示しない油圧ジャッキを用いて、0〜20kNの荷重Wを負荷した際の、接合部17のボルト1の鉛直方向の変位量、接合部17の真上の合わせガラスGの鉛直方向の変位量を計測し、合わせガラスGの鉛直方向の変位量からボルトの鉛直方向の変位量を引いたものを合わせガラスGのすべり量として計測した。
荷重Wが20kNまで負荷をしたが、ボルト1と合わせガラスGの変位量はほぼ等しく、すべりが発生しなかった。また、合わせガラスGが破損することもなかった。言い換えれば20kNの外力に耐え得るリブガラス構造が得られた。
この試験結果を、ガラス板と接合部材を接着する従来のガラスパネルの固定方法と比較すると、例えば、特許文献1の実施例では、強化ガラス板の長さが1719mm、固定端の幅が325mm、先端部(荷重負荷側)の幅が244mm、厚みが19mmで、100mmのピッチで3本の雄ねじ部材を挿通した場合、約9.8kN(1000kgf)でガラスが破壊したと記載されている。接合部から荷重を与える部位までの距離であるモーメント長を加味し、本接合部の耐荷重試験と比較すると、本発明の合わせガラスの接合方法の接合強度は、モーメント長が長く、耐荷重試験として20kNの荷重を加える過酷な試験であるにも拘らず、ガラスが破損しなかった。
また、耐荷重試験終了後(荷重除荷後)、ガラス板G1の端面をポンチで打撃して破砕させたが、合わせガラスGとしたために、崩落および大きなガラス片の脱落はなく、リブガラスとして安全に使用される。
本発明の合わせガラスの接合方法において、ガラス板G1の貫通孔と平座金4の貫通孔とが同心となるように配置する際の位置決めに、図示しないゴムまたは樹脂製のスペーサーを貫通孔の空間部に入れておくと、応力伝達部材である平座金4の内径とガラス板G1のボルト挿入孔の外径との間隔を一定に保つことができるため、ゴムまたは樹脂製のスペーサーを入れることが好ましい。また、ガラス板G1のボルト挿入孔とボルト1の軸部の間に、万一ずれが生じるような外力が作用して、接合部ですべりが生じた際、直接、ガラス板G1の貫通孔とボルト1の軸部が触れ合うことなく緩衝し破壊が抑制されるので、ゴムまたは樹脂製のスペーサーを入れることが好ましい。
本発明の合わせガラスの接合構造においては、合わせガラス板Gと平座金4と一対のL型金属板3とが、ボルト1とナット2の締め付けによるボルト軸方向の力により平座金4を介して一体化して、固定端の反対側に荷重が作用しても合わせガラスGのすべり変位が生じにくくなり、従来のガラス板と接合部材を接着する接合方法に比較して、より接合部の接合強度が向上していることがわかった。
また、ガラス板と接合部材を接着する従来のガラスパネルの固定方法ではガラス板が滑り始める前にガラス板が破損していることから、接合数を増やすことでこれ以上接合強度を増やすことができないが、本発明の合わせガラスの接合方法では、接合数を増やすことや接合のピッチを広げることで容易に接合強度を高めることも可能である。
このことより、例えば、ガラススクリーンを建設する際、ガラススクリーンをなす面ガラスの支持に用いる方立てガラスとしてのリブガラスを長くし、その上端部を接合し支持する際、リブガラスに本発明の合わせガラス板の接合構造を用いる方が、ガラス板と接合部材を接着する従来のガラスパネルの固定方法よりも、接合強度が高く、有利であることがわかった。
本発明のガラス板の接合構造を用い、ガラス板を接合することで、長いガラス方立て、言い換えれば、長いリブガラスが提供される。
また、リブガラスに取り付けた接合板をガラススクリーンと接続することも可能であり、ボルトでガラススクリーンと接続できることからリブガラススクリーンの設計の自由度が広がる。
本発明の合わせガラスの接合構造および接合方法は、ガラス壁、ガラス屋根、大板ガラスを使用した開口部構成よりなるガラススクリーン等の大型建築物に使用される。
例えば、目立つ金属方立の代りに、目立たないガラス方立て(リブガラス)を用いて、正面ガラスを(フェイスプレート)に加わる風荷重を支持する工法であるガラス・スタビライザー工法によるリブガラススクリーンに使用される。
図1の(A)は、本発明の合わせガラスの接合構造によるガラス板の接合部の一例の拡大側面図である。図1の(B)は用いた合わせガラス貫通孔部の上面図である。 図2の(A)は、本発明の合わせガラスの接合構造によるガラス板の接合部の一例の拡大側面図である。図2の(B)は用いた合わせガラス貫通孔部の上面図である。 図3は、本発明の合わせガラスの接合構造によるガラス板の接合部の一例の拡大側面図である。 本発明の合わせガラスの接合構造によるガラス板同士の接合部の一例の拡大側面図である。 本発明のガラス板の接合方法により接合された合わせガラスの上面図である。 (A)は、本実施例における接合力評価用試験片の正面図である。(B)は、本実施例における接合力評価用試験片の側面図である。 万能材料試験機にて引っ張りせん断試験をする際の正面図である。 万能材料試験機にて引っ張りせん断試験をした際の側面図であり、(A)がボルト引っ張り金具の側面図、(B)がガラス引っ張り金具の側面図である。 本発明の合わせガラスの接合構造の耐荷重試験方法を示す説明図であり、(A)は、耐荷重試験装置の側面図であり、(B)は上面図である。
符号の説明
G、G´ 合わせガラス
G1、G2、G3 ガラス板
G1´、G2´ ガラス板
1 ボルト
2 ナット
3 金属板(接合部材)
4 平座金(応力発生部材)
樹脂製合わせフィルム
6 ワッシャ
7 金属板
8 貫通孔
9 切り欠け部
10 L字型部材
11 ボルト引っ張り金具
12 ボルト
13 ガラス引っ張り金具
14 ボルト
15 固定金具
16 ボルト
17 接合部

Claims (16)

  1. 複数のガラス板に樹脂製合わせフィルムを挟み加熱溶融させて接着一体化させた、個々のガラス板に孔径が異なる貫通孔を設けた合わせガラスと、
    貫通孔を擁する接合部材とを、
    接合部材で合わせガラスを挟持するように重ね、
    前記貫通孔に挿通させた一対の締め付け部材で締め付けて、当該締め付けにより生じた力を、合わせガラスを構成する中の1枚のガラス板と接合部材との間に挟んだ応力発生部材を介して1枚のガラス板のみに伝達し、
    合わせガラスと接合部材を接合したことを特徴とする合わせガラスの接合構造。
  2. 複数のガラス板に樹脂製合わせフィルムを挟み加熱溶融させて接着一体化させた、個々のガラス板に孔径が異なる貫通孔を設けた合わせガラス同士を重ね、
    前記貫通孔に挿通させた一対の締め付け部材で締め付けて、当該締め付けにより生じた力を、個々の合わせガラスを構成する中の1枚のガラス板間に挟んだ応力発生部材を介して各々のガラス板に伝達し、
    合わせガラス同士を接合したことを特徴とする合わせガラスの接合構造。
  3. 前記応力発生部材の貫通孔の孔径が、一対の締め付け部材で締め付けられる合わせガラスを構成する中の1枚のガラス板の貫通孔の孔径よりも大きいことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の合わせガラスの接合構造。
  4. 締め付け部材で締め付けることにより生じた力が応力発生部材を介して伝達される合わせガラスを構成する中の1枚のガラス板の厚み(A)が9.0mm以上、25.0mm以下であり、合わせガラスを構成する他のガラス板の厚み(B)が4.0mm以上、25.0mm以下であること特徴とする請求項1乃至請求項のいずれか1項に記載の合わせガラスの接合構造。
  5. 前記合わせガラスを構成するガラス板が3枚であり、合わせガラスを構成する中の中央の1枚のガラス板の厚み(A)が9.0mm以上、25.0mm以下であり、両側の2枚の板ガラスの厚み(B)が4.0mm、25.0mm以下であり、締め付け部材で締め付けて、当該締め付けにより生じた力が応力発生部材を介して伝達されるガラス板が中央のガラス板であることを特徴とする請求項1乃至請求項のいずれか1項に記載の合わせガラスの接合構造。
  6. 締め付け部材で締め付けて 当該締め付けにより生じた力が応力発生部材を介して伝達される、合わせガラスを構成する中の1枚のガラス板の厚み(A)に対する、接合に介しない他のガラス板の厚み(B)の関係がA≧Bであることを特徴とする請求項1乃至請求項のいずれか1項に記載の合わせガラスの接合構造。
  7. 一対の締め付け部材の締め付けにより生じる力が60kN以上、300kN以下であることを特徴とする請求項1乃至請求項のいずれか1項に記載の合わせガラスの接合構造。
  8. 一対の締め付け部材がボルト・ナットであることを特徴とする請求項1乃至請求項のいずれか1項に記載の合わせガラスの接合構造。
  9. 前記応力発生部材が平座金であり、合わせガラスを成すガラス板の貫通孔に対して同心になるように配置したことを特徴とする請求項1乃至請求項のいずれか1項に記載の合わせガラスの接合構造。
  10. ボルトの頭部・ナットの外径よりも応力発生部材の貫通孔の孔径を小さくしたことを特徴とする請求項1乃至請求項のいずれか1項に記載の合わせガラスの接合構造。
  11. ボルト・ナットが六角ボルト・ナットであり、六角ボルト・ナットの対角距離よりも応力発生部材の貫通孔の孔径を小さくしたことを特徴とする請求項1乃至請求項10のいずれか1項に記載の合わせガラスの接合構造。
  12. 接合部材である貫通孔を擁する金属板が鉄鋼製またはステンレス鋼製の板材であることを特徴とする請求項1乃至請求項11のいずれか1項に記載の合わせガラスの接合構造。
  13. 請求項1乃至請求項12のいずれか1項に記載の合わせガラスの接合構造を擁するリブガラスを用いたリブガラススクリーン。
  14. 複数のガラス板に樹脂製合わせフィルムを挟み加熱溶融させて接着一体化させた、個々のガラス板に孔径が異なる貫通孔を設けた合わせガラスと、
    貫通孔を擁する接合部材とを、
    接合部材で合わせガラスを挟持するように重ね、
    前記貫通孔に挿通させた一対の締め付け部材で締め付けて、当該締め付けによる生じる力を、合わせガラスを構成する中の1枚のガラス板と接合部材との間に挟んだ応力発生部材を介して1枚のガラス板のみに伝達し、
    合わせガラスと接合部材とを接合することを特徴とする合わせガラスの接合方法。
  15. 複数のガラス板に樹脂製合わせフィルムを挟み加熱溶融させて接着一体化させた、個々のガラス板に孔径が異なる貫通孔を設けた合わせガラス同士を重ね、
    前記貫通孔に挿通させた一対の締め付け部材で締め付けて、当該締め付けにより生じる力を、個々の合わせガラスを構成する中の1枚のガラス板間に挟んだ応力発生部材を介して各々のガラス板に伝達し、
    合わせガラス同士を接合することを特徴とする合わせガラスの接合方法。
  16. 前記応力発生部材の貫通孔の孔径が、一対の締め付け部材で締め付けられる合わせガラスを構成する中の1枚のガラス板の貫通孔の孔径よりも大きいことを特徴とする請求項1乃至請求項14又は請求項15のいずれか1項に記載の合わせガラスの接合方法。
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