JP3552949B2 - リブガラス構造 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、リブガラスを用いたガラススクリーンの支持構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
建物の外壁として大板ガラスを用いて大開口部を構成するガラススクリーン工法のうちリブガラス(ガラス方立)を用いる工法としては、ガラススタビライザー工法、吊り下げスタビライザー工法が良く知られている。
【0003】
ガラススタビライザー工法はガラス方立付き自立工法とも呼ばれ、リブガラス(方立ガラス、ガラススタビライザーとも云う)を用いて、面板ガラスの自重による撓みと面板ガラスに加わる風荷重とを支持する工法であり、
また、吊り下げスタビライザー工法はガラス板の上辺部を吊り下げると共にリブガラスを用いてガラス板の自重による撓みを防ぐ工法であり、開口部のガラス板の高さが高い場合に用いられる工法である。
【0004】
通常リブガラスは面板ガラスの厚み、サイズによってその厚み、サイズが決定され、強化処理していないガラス板が通常使われる。長尺のガラス板を強化する場合、非常に大きな強化炉が必要であるばかりか、リブガラスのような幅の狭いガラス板の強化においては、強化時のガラス板の反りが懸念され製造が容易ではない。この為、リブガラス板として強化ガラス板を用いる場合は、そのサイズが限定され、短尺のガラス板を連結する方法が行われてきた。
【0005】
例えば、実開昭63−132008号公報には、躯体の天井と床との間にリブガラスを立設し、このリブガラスの一側辺に面ガラスを該リブガラスと直交方向に取り付けた施工構造であって、該リブガラスは、複数枚の短尺の強化ガラスを各短尺ガラスの下端と上端とを連結して長尺としたものであるガラス壁の施工構造において、該短尺ガラスの上端及び下端に金属製フレームを冠着すると共に、ボルトを該フレーム及びガラスに串通して螺着し、かつこの冠着部のガラスとフレームとの間隙に合成樹脂を注入及び硬化させ、上段側の短尺ガラス下端のフレームと下段側の短尺ガラス上端のフレームとをボルトで緊結して短尺ガラスを連結したガラス壁の施工構造が開示されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
実開昭63−132008号公報に記載のものは、上段と下段の短尺のリブ用強化ガラスを金属製フレームで冠着させ、ボルトとナットで強固に連結したものであるが、同金具がリブガラスと面板ガラスとの当接部において面板ガラスともボルトで強固に連結固定されているため、地震等による層間変位に対し、自由度がなくなり、破損の恐れがある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、リブ用強化ガラスにより面板ガラスにかかる正と負の風荷重を確実に受け止め、地震等による層間変位にも自由度をもたせて対応でき、またリブガラス自体の強度を高めることを目的とするものである。
すなわち、本発明は、外壁として立設する面板ガラスの突き合わせ部の片面または両面側に面板ガラスの縦辺と直交する方向にリブガラスを立設したガラス板の支持構造において、上下一列に並設した短尺のリブ用強化ガラス同士の突き合わせ辺の隅部に穿孔部を設け、面板ガラスに当接していない縦辺側の隅部の穿孔部同士と、面板ガラスと当接する縦辺側の隅部の穿孔部同士をそれぞれ長短2種類の長さの接続金具で連結し、面板ガラスに当接する側の穿孔部同士の接続間隔が、面板ガラスと離れている側の穿孔部同士の接続間隔より小さくしてリブ用強化ガラス同士を接続したことを特徴とするリブガラス構造である。
あるいはまた、本発明は、前記接続金具は剛性の板材、または棒材であることを特徴とする上述のリブガラス構造である。
複数枚のリブ用強化ガラスを連結した前記リブガラスと面板ガラスとを、構造用シーリング材で接着したことを特徴とする上述のリブガラス構造である。
あるいはまた、本発明は、前記リブ用強化ガラスを連結する接続金具と、隣接する面板ガラスとの連結において、隣接する面板ガラスの突き合わせた各縦辺間に挿設したボルトと裏面からのナットでそれぞれ緩衝材を介して面板ガラスを締付挟持し、該ボルトの先端をリブ用強化ガラスを連結させる前記接続金具に螺合させて面板ガラスとリブガラスとを連結させるようにしたことを特徴とする上述のリブガラス構造である。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明は、図4、図6、図8の斜視図に示すように、建物の外壁として立設する複数枚の面板ガラス1、1、・・の上辺部を吊り下げる、または上下2辺に支持枠を設けて自立させる等により支持して横方向に並設させ、各面板ガラス1、1、・・の縦辺の突き合わせ部の室内側、または室外側の片面、あるいは両面側に該面板ガラス1の縦辺と直交する方向にリブガラス2を吊下、または自立等により立設させたリブガラスを用いたガラススクリーンの支持構造である。
【0009】
面板ガラス1及びリブガラス2、2はそれぞれ図示しない構造躯体と連結した下部枠、および/または上部枠内にて支持固定され、あるいは吊下げられて固定されている。
【0010】
本発明のリブガラス構造は、図1に示すように、複数枚の短尺のリブ用強化ガラス3、3、・・を突き合わせて上下方向に連結させ、面板ガラス1の縦辺に相当する長さに合わせたものである。
【0011】
上下一列に並設させた短尺の該リブ用強化ガラス3、3同士の突き合せ辺の各隅部には、図1に示すように予め複数の穿孔部3a、3a、3b、3bを設けておく。
【0012】
該穿孔部の位置は、面板ガラス1に当接しない縦辺側寄りの隅部近傍に設けた穿孔部3aと、面板ガラス1と当接する縦辺側寄りの隅部近傍に設けた穿孔部3bでそれぞれ異なる位置とし、該穿孔部3aとその近傍の隅部からの距離は、穿孔部3bの近傍の隅部からの距離よりも長くした。
【0013】
面板ガラス1に当接しない縦辺側の近傍の隅部に設けた穿孔部3a、3a同士を長尺の接続金具4で連結し、面板ガラス1と当接する縦辺側の近傍の隅部の穿孔部3b、3b同士を短尺の接続金具5で連結した。
【0014】
つまり、面板ガラス1に当接する側の穿孔部3b、3b同士を接続する間隔が、面板ガラス1と離れている側の穿孔部3a、3a同士を接続する間隔より短い。
【0015】
次に本発明のリブガラス構造の作用について説明する。
【0016】
図1に示すように、立設するリブ用強化ガラスにおいて、
X0 :穿孔部3aと3b間のX軸方向(幅方向)の間隔
Y0 :穿孔部3aと3b間のY軸方向(高さ方向)の間隔
P0 :外力(風荷重)
Fxa :外力P0により穿孔部3aのX軸方向にかかる荷重
Fxb :外力P0により穿孔部3bのX軸方向にかかる荷重
Fya :外力P0により穿孔部3aのY軸方向に加わる荷重
Fyb :外力P0により穿孔部3bのY軸方向に加わる荷重
とし、荷重P0によるリブ長さLのモーメントを受けると、
穿孔部3aのX方向、Y方向の各曲げモーメントMxa、Myaは
Mxa=Fxa・Y0
Mya=Fya・X0
このように、X0、Y0を大きくとると、FxaとFyaが小さくなる。
【0017】
また、同様に穿孔部3bのX方向、Y方向の各曲げモーメントMxb、Mybは
Mxb=Fxb・Y0
Myb=Fyb・X0
このように、X0、Y0を大きくとると、FxbとFybが小さくなる。
【0018】
つまり、2つの穿孔部3a、3b間のX軸方向、Y軸方向の間隔であるX0とY0が大きい程穿孔部3a、3bにかかるX軸方向の荷重Fxa、Fxb、Y軸方向の荷重Fya、Fybは小さくて良い。
【0019】
【実施例】
[実施例1]
図2は、上下に配置したリブガラスの2つの隣接する孔を接続金具で連結した例を示す断面図である。
【0020】
リブ用強化ガラス3に設けた穿孔部3aは貫通孔に皿孔加工を施したものであり、皿孔部、貫通孔部にはそれぞれの内側形状に合わせた緩衝材10を内接させ、さらに該穿孔部3a内に通しボルト7を挿通させ、皿孔側より、皿孔の内部形状に合わせたテーパー部材、パッキン6、ナット8を順次前記通しボルト7と螺合させ、裏面側よりパッキン6を介してナット8と螺合させて、穿孔部3aを締付挟持させた。
【0021】
該テーパー部材はナット8と一体化させたものであっても良く、さらに通しボルト7と一体化させるようにしても良い。
【0022】
さらに、リブ用強化ガラス3、3同士を連結するための前記接続金具4、4は通しボルト7の両端に接続金具4、4の穿孔部4a、4a・・を遊挿し、袋ナット9、9・・を螺合させて、リブ用強化ガラス3、3同士を連結させた。
【0023】
同様に、穿孔部3b、3bを接続する短尺の接続金具5、5についても、その形状が、リブガラス2の両面を一対の板状の金具で挟持するようにしたものであって、前記接続金具4、4と同様にして短尺のリブ用強化ガラス3、3同士を連結接続したものである。
【0024】
図3、図4に示すように、短尺のリブ用強化ガラス3、3・・を連結したリブガラス2の最上辺と最下辺を支持枠で支持するか、あるいは上辺部をクランプし、吊り下げ等により支持させ、さらに、面板ガラス1、1・・の突き合わせ縦辺に連結したリブガラス2の縦辺をシーリング材11で接着させるようにした。
[実施例2]
つづいて、変形実施例について説明する。
【0025】
図5、図6に示すように、リブ用強化ガラス3、3・・を上下に併設して、突き合わせ辺同士を接続金具4、5で連結させる点については前記実施例と同じであるが、前記短尺の接続金具5、5の形状を、側面から視た形状が略コ字状で、さらにリブガラスの上方から見た形状も略コ字状とし、該接続金具5と面板ガラス1との連結構造を点支持工法(DPG工法:Dot Point Glazing)を応用した接続構造とした点が異なっている。
【0026】
該接続金具5の前記面板ガラス1に面した端部位置に、螺合用ネジ孔を設け、面板ガラス1の縦辺の接続金具5の近傍位置に穿孔部を設け、該穿孔部は皿孔加工をし、該穿孔部内に挿通した皿ボルトとナットで緩衝材を介して面板ガラスを縦辺近傍の穿孔部において締付支持し、面板ガラス1の孔部支持金具12のナット側に設けたボルトの先端ネジ部を前記接続金具5、5の螺合用ネジ孔と螺合させて面板ガラス1とリブガラス2とを固定した。
【0027】
この場合は、面板ガラス1、1同士の突き合わせ縦辺部にシリコーン等のシーリング材11を充填し、面板ガラス1とリブガラス間の隙間にはシーリング材の充填はせずそのままとした。
[実施例3]
つづいて、別の変形実施例について説明する。
【0028】
図7、図8に示すものは、図5、図6に示した変形実施例において、面板ガラスと接続金具5、5との連結構造をMPG工法(Metal Point Glazing )、またはMJG工法(Metal Joint Glazing )を応用した接続構造とした点が異なっている。
【0029】
該接続金具5の前記面板ガラス1に面した端部位置に、螺合用ネジ孔を設け、接続金具5の近傍位置で、面板ガラス1の縦辺の突き合わせ部間の隙間に挿通したボルトとナットで面板ガラス1の縦辺を締付支持し、該皿ボルトの先端ネジ部を前記接続金具5、5の螺合用ネジ孔と螺合させて面板ガラス1とリブガラス2とを固定した。
【0030】
この場合も、面板ガラス1、1同士の突き合わせ縦辺部にシリコーン等のシーリング材11を充填し、面板ガラス1とリブガラス間の隙間にはシーリング材の充填はせずそのままとした。
【0031】
以上好適な実施例について述べたが、本発明はこれに限定されるものではなく種々の応用が考えられるものである。
【0032】
リブ用強化ガラス板3の穿孔部3a、3bについては皿孔について説明したが、皿孔部を持たない貫通孔としても良い。
【0033】
接続金具5としては、リブガラスの両面に設ける一対のセパレートした板状のものや、水平断面が略コ字状の一体物について説明し、また側面から視た形状が、略コ字状のものについて説明したが、T字型、V字型、またはU字型(それぞれ図示せず)を90度回転させた形状でも良い。
【0034】
接続金具4、5、および孔部支持金具12や辺部支持金具13は、棒材4または剛性のプレート5からなり、ステンレス鋼等の錆びない金属が望ましいが、これに限るものではなく、剛性の大きい金属材料、合成樹脂材料でも良い。
【0035】
リブガラス2と面板ガラス1間、または面板ガラス間同士の隙間に充填する構造用シーリング材11としてはシリコーン系シーリング材、ポリサルファイド系シーリング材等の弾性シーリング材を使用することができる。
【0036】
このように、前記リブ用強化ガラス3、3・・を強化ガラスとしたことにより、リブガラス2、2、・・の強度が増し、リブガラス2、2、・・の幅を狭くすることができ、リブガラス2、2、・・の周辺の空間の有効利用が図れる。
【0037】
【発明の効果】
本発明は、リブ用強化ガラスの突き合わせ辺近傍の隅部に設けた穴の位置を、面板ガラスに近い側と、離れている側とで、位置を上下にずらしたことにより、大きな風荷重に耐えられるようになった。
【0038】
また、リブ用強化ガラス同士の連結時に、穿孔部をボルトとナットで挟持させ、さらに挟持した金具を剛性の接続金具で連結するようにしたので、接着剤で接着する必要がない。
【0039】
さらに、リブガラスを強化ガラスとしたことでリブガラスの幅を半減させることができるようになった。
【0040】
さらにまた、リブガラスを強化ガラスとしたことで、リブガラスの強度を高め、強度を低下させることなく、リブ幅を半減させることができ、リブ周りの空間の有効利用が図れる。
【0041】
さらに、面板ガラスが受ける正と負の風圧力をリブガラス及び構造用シーリング材で確実に受け止めることができ、また、地震発生時の層間変位によるリブガラスの強制変形に追従して、面ガラスが追従が容易となり、リブガラスの破損を防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のリブガラス構造の正面図。
【図2】本発明のリブガラス構造の断面図。
【図3】本発明のリブガラスと面ガラスを接続した支持構造の側面図。
【図4】図3のリブガラス構造の斜視図。
【図5】本発明のリブガラスと面ガラスを接続した変形例としての支持構造の側面図。
【図6】図5のリブガラス構造の斜視図。
【図7】本発明のリブガラスと面ガラスを接続した別の変形例としての支持構造の側面図。
【図8】図7のリブガラス構造の斜視図。
【符号の説明】
1 面板ガラス
2 リブガラス
3 リブ用強化ガラス
3a、3b 穿孔部
4、5 接続金具
4a 穿孔部
6 パッキン
7 通しボルト
8 ナット
9 袋ナット
10 緩衝材
11 シーリング材
12 孔部支持金具
13 辺部支持金具
15 上部枠
16 下部枠
【発明の属する技術分野】
本発明は、リブガラスを用いたガラススクリーンの支持構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
建物の外壁として大板ガラスを用いて大開口部を構成するガラススクリーン工法のうちリブガラス(ガラス方立)を用いる工法としては、ガラススタビライザー工法、吊り下げスタビライザー工法が良く知られている。
【0003】
ガラススタビライザー工法はガラス方立付き自立工法とも呼ばれ、リブガラス(方立ガラス、ガラススタビライザーとも云う)を用いて、面板ガラスの自重による撓みと面板ガラスに加わる風荷重とを支持する工法であり、
また、吊り下げスタビライザー工法はガラス板の上辺部を吊り下げると共にリブガラスを用いてガラス板の自重による撓みを防ぐ工法であり、開口部のガラス板の高さが高い場合に用いられる工法である。
【0004】
通常リブガラスは面板ガラスの厚み、サイズによってその厚み、サイズが決定され、強化処理していないガラス板が通常使われる。長尺のガラス板を強化する場合、非常に大きな強化炉が必要であるばかりか、リブガラスのような幅の狭いガラス板の強化においては、強化時のガラス板の反りが懸念され製造が容易ではない。この為、リブガラス板として強化ガラス板を用いる場合は、そのサイズが限定され、短尺のガラス板を連結する方法が行われてきた。
【0005】
例えば、実開昭63−132008号公報には、躯体の天井と床との間にリブガラスを立設し、このリブガラスの一側辺に面ガラスを該リブガラスと直交方向に取り付けた施工構造であって、該リブガラスは、複数枚の短尺の強化ガラスを各短尺ガラスの下端と上端とを連結して長尺としたものであるガラス壁の施工構造において、該短尺ガラスの上端及び下端に金属製フレームを冠着すると共に、ボルトを該フレーム及びガラスに串通して螺着し、かつこの冠着部のガラスとフレームとの間隙に合成樹脂を注入及び硬化させ、上段側の短尺ガラス下端のフレームと下段側の短尺ガラス上端のフレームとをボルトで緊結して短尺ガラスを連結したガラス壁の施工構造が開示されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
実開昭63−132008号公報に記載のものは、上段と下段の短尺のリブ用強化ガラスを金属製フレームで冠着させ、ボルトとナットで強固に連結したものであるが、同金具がリブガラスと面板ガラスとの当接部において面板ガラスともボルトで強固に連結固定されているため、地震等による層間変位に対し、自由度がなくなり、破損の恐れがある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、リブ用強化ガラスにより面板ガラスにかかる正と負の風荷重を確実に受け止め、地震等による層間変位にも自由度をもたせて対応でき、またリブガラス自体の強度を高めることを目的とするものである。
すなわち、本発明は、外壁として立設する面板ガラスの突き合わせ部の片面または両面側に面板ガラスの縦辺と直交する方向にリブガラスを立設したガラス板の支持構造において、上下一列に並設した短尺のリブ用強化ガラス同士の突き合わせ辺の隅部に穿孔部を設け、面板ガラスに当接していない縦辺側の隅部の穿孔部同士と、面板ガラスと当接する縦辺側の隅部の穿孔部同士をそれぞれ長短2種類の長さの接続金具で連結し、面板ガラスに当接する側の穿孔部同士の接続間隔が、面板ガラスと離れている側の穿孔部同士の接続間隔より小さくしてリブ用強化ガラス同士を接続したことを特徴とするリブガラス構造である。
あるいはまた、本発明は、前記接続金具は剛性の板材、または棒材であることを特徴とする上述のリブガラス構造である。
複数枚のリブ用強化ガラスを連結した前記リブガラスと面板ガラスとを、構造用シーリング材で接着したことを特徴とする上述のリブガラス構造である。
あるいはまた、本発明は、前記リブ用強化ガラスを連結する接続金具と、隣接する面板ガラスとの連結において、隣接する面板ガラスの突き合わせた各縦辺間に挿設したボルトと裏面からのナットでそれぞれ緩衝材を介して面板ガラスを締付挟持し、該ボルトの先端をリブ用強化ガラスを連結させる前記接続金具に螺合させて面板ガラスとリブガラスとを連結させるようにしたことを特徴とする上述のリブガラス構造である。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明は、図4、図6、図8の斜視図に示すように、建物の外壁として立設する複数枚の面板ガラス1、1、・・の上辺部を吊り下げる、または上下2辺に支持枠を設けて自立させる等により支持して横方向に並設させ、各面板ガラス1、1、・・の縦辺の突き合わせ部の室内側、または室外側の片面、あるいは両面側に該面板ガラス1の縦辺と直交する方向にリブガラス2を吊下、または自立等により立設させたリブガラスを用いたガラススクリーンの支持構造である。
【0009】
面板ガラス1及びリブガラス2、2はそれぞれ図示しない構造躯体と連結した下部枠、および/または上部枠内にて支持固定され、あるいは吊下げられて固定されている。
【0010】
本発明のリブガラス構造は、図1に示すように、複数枚の短尺のリブ用強化ガラス3、3、・・を突き合わせて上下方向に連結させ、面板ガラス1の縦辺に相当する長さに合わせたものである。
【0011】
上下一列に並設させた短尺の該リブ用強化ガラス3、3同士の突き合せ辺の各隅部には、図1に示すように予め複数の穿孔部3a、3a、3b、3bを設けておく。
【0012】
該穿孔部の位置は、面板ガラス1に当接しない縦辺側寄りの隅部近傍に設けた穿孔部3aと、面板ガラス1と当接する縦辺側寄りの隅部近傍に設けた穿孔部3bでそれぞれ異なる位置とし、該穿孔部3aとその近傍の隅部からの距離は、穿孔部3bの近傍の隅部からの距離よりも長くした。
【0013】
面板ガラス1に当接しない縦辺側の近傍の隅部に設けた穿孔部3a、3a同士を長尺の接続金具4で連結し、面板ガラス1と当接する縦辺側の近傍の隅部の穿孔部3b、3b同士を短尺の接続金具5で連結した。
【0014】
つまり、面板ガラス1に当接する側の穿孔部3b、3b同士を接続する間隔が、面板ガラス1と離れている側の穿孔部3a、3a同士を接続する間隔より短い。
【0015】
次に本発明のリブガラス構造の作用について説明する。
【0016】
図1に示すように、立設するリブ用強化ガラスにおいて、
X0 :穿孔部3aと3b間のX軸方向(幅方向)の間隔
Y0 :穿孔部3aと3b間のY軸方向(高さ方向)の間隔
P0 :外力(風荷重)
Fxa :外力P0により穿孔部3aのX軸方向にかかる荷重
Fxb :外力P0により穿孔部3bのX軸方向にかかる荷重
Fya :外力P0により穿孔部3aのY軸方向に加わる荷重
Fyb :外力P0により穿孔部3bのY軸方向に加わる荷重
とし、荷重P0によるリブ長さLのモーメントを受けると、
穿孔部3aのX方向、Y方向の各曲げモーメントMxa、Myaは
Mxa=Fxa・Y0
Mya=Fya・X0
このように、X0、Y0を大きくとると、FxaとFyaが小さくなる。
【0017】
また、同様に穿孔部3bのX方向、Y方向の各曲げモーメントMxb、Mybは
Mxb=Fxb・Y0
Myb=Fyb・X0
このように、X0、Y0を大きくとると、FxbとFybが小さくなる。
【0018】
つまり、2つの穿孔部3a、3b間のX軸方向、Y軸方向の間隔であるX0とY0が大きい程穿孔部3a、3bにかかるX軸方向の荷重Fxa、Fxb、Y軸方向の荷重Fya、Fybは小さくて良い。
【0019】
【実施例】
[実施例1]
図2は、上下に配置したリブガラスの2つの隣接する孔を接続金具で連結した例を示す断面図である。
【0020】
リブ用強化ガラス3に設けた穿孔部3aは貫通孔に皿孔加工を施したものであり、皿孔部、貫通孔部にはそれぞれの内側形状に合わせた緩衝材10を内接させ、さらに該穿孔部3a内に通しボルト7を挿通させ、皿孔側より、皿孔の内部形状に合わせたテーパー部材、パッキン6、ナット8を順次前記通しボルト7と螺合させ、裏面側よりパッキン6を介してナット8と螺合させて、穿孔部3aを締付挟持させた。
【0021】
該テーパー部材はナット8と一体化させたものであっても良く、さらに通しボルト7と一体化させるようにしても良い。
【0022】
さらに、リブ用強化ガラス3、3同士を連結するための前記接続金具4、4は通しボルト7の両端に接続金具4、4の穿孔部4a、4a・・を遊挿し、袋ナット9、9・・を螺合させて、リブ用強化ガラス3、3同士を連結させた。
【0023】
同様に、穿孔部3b、3bを接続する短尺の接続金具5、5についても、その形状が、リブガラス2の両面を一対の板状の金具で挟持するようにしたものであって、前記接続金具4、4と同様にして短尺のリブ用強化ガラス3、3同士を連結接続したものである。
【0024】
図3、図4に示すように、短尺のリブ用強化ガラス3、3・・を連結したリブガラス2の最上辺と最下辺を支持枠で支持するか、あるいは上辺部をクランプし、吊り下げ等により支持させ、さらに、面板ガラス1、1・・の突き合わせ縦辺に連結したリブガラス2の縦辺をシーリング材11で接着させるようにした。
[実施例2]
つづいて、変形実施例について説明する。
【0025】
図5、図6に示すように、リブ用強化ガラス3、3・・を上下に併設して、突き合わせ辺同士を接続金具4、5で連結させる点については前記実施例と同じであるが、前記短尺の接続金具5、5の形状を、側面から視た形状が略コ字状で、さらにリブガラスの上方から見た形状も略コ字状とし、該接続金具5と面板ガラス1との連結構造を点支持工法(DPG工法:Dot Point Glazing)を応用した接続構造とした点が異なっている。
【0026】
該接続金具5の前記面板ガラス1に面した端部位置に、螺合用ネジ孔を設け、面板ガラス1の縦辺の接続金具5の近傍位置に穿孔部を設け、該穿孔部は皿孔加工をし、該穿孔部内に挿通した皿ボルトとナットで緩衝材を介して面板ガラスを縦辺近傍の穿孔部において締付支持し、面板ガラス1の孔部支持金具12のナット側に設けたボルトの先端ネジ部を前記接続金具5、5の螺合用ネジ孔と螺合させて面板ガラス1とリブガラス2とを固定した。
【0027】
この場合は、面板ガラス1、1同士の突き合わせ縦辺部にシリコーン等のシーリング材11を充填し、面板ガラス1とリブガラス間の隙間にはシーリング材の充填はせずそのままとした。
[実施例3]
つづいて、別の変形実施例について説明する。
【0028】
図7、図8に示すものは、図5、図6に示した変形実施例において、面板ガラスと接続金具5、5との連結構造をMPG工法(Metal Point Glazing )、またはMJG工法(Metal Joint Glazing )を応用した接続構造とした点が異なっている。
【0029】
該接続金具5の前記面板ガラス1に面した端部位置に、螺合用ネジ孔を設け、接続金具5の近傍位置で、面板ガラス1の縦辺の突き合わせ部間の隙間に挿通したボルトとナットで面板ガラス1の縦辺を締付支持し、該皿ボルトの先端ネジ部を前記接続金具5、5の螺合用ネジ孔と螺合させて面板ガラス1とリブガラス2とを固定した。
【0030】
この場合も、面板ガラス1、1同士の突き合わせ縦辺部にシリコーン等のシーリング材11を充填し、面板ガラス1とリブガラス間の隙間にはシーリング材の充填はせずそのままとした。
【0031】
以上好適な実施例について述べたが、本発明はこれに限定されるものではなく種々の応用が考えられるものである。
【0032】
リブ用強化ガラス板3の穿孔部3a、3bについては皿孔について説明したが、皿孔部を持たない貫通孔としても良い。
【0033】
接続金具5としては、リブガラスの両面に設ける一対のセパレートした板状のものや、水平断面が略コ字状の一体物について説明し、また側面から視た形状が、略コ字状のものについて説明したが、T字型、V字型、またはU字型(それぞれ図示せず)を90度回転させた形状でも良い。
【0034】
接続金具4、5、および孔部支持金具12や辺部支持金具13は、棒材4または剛性のプレート5からなり、ステンレス鋼等の錆びない金属が望ましいが、これに限るものではなく、剛性の大きい金属材料、合成樹脂材料でも良い。
【0035】
リブガラス2と面板ガラス1間、または面板ガラス間同士の隙間に充填する構造用シーリング材11としてはシリコーン系シーリング材、ポリサルファイド系シーリング材等の弾性シーリング材を使用することができる。
【0036】
このように、前記リブ用強化ガラス3、3・・を強化ガラスとしたことにより、リブガラス2、2、・・の強度が増し、リブガラス2、2、・・の幅を狭くすることができ、リブガラス2、2、・・の周辺の空間の有効利用が図れる。
【0037】
【発明の効果】
本発明は、リブ用強化ガラスの突き合わせ辺近傍の隅部に設けた穴の位置を、面板ガラスに近い側と、離れている側とで、位置を上下にずらしたことにより、大きな風荷重に耐えられるようになった。
【0038】
また、リブ用強化ガラス同士の連結時に、穿孔部をボルトとナットで挟持させ、さらに挟持した金具を剛性の接続金具で連結するようにしたので、接着剤で接着する必要がない。
【0039】
さらに、リブガラスを強化ガラスとしたことでリブガラスの幅を半減させることができるようになった。
【0040】
さらにまた、リブガラスを強化ガラスとしたことで、リブガラスの強度を高め、強度を低下させることなく、リブ幅を半減させることができ、リブ周りの空間の有効利用が図れる。
【0041】
さらに、面板ガラスが受ける正と負の風圧力をリブガラス及び構造用シーリング材で確実に受け止めることができ、また、地震発生時の層間変位によるリブガラスの強制変形に追従して、面ガラスが追従が容易となり、リブガラスの破損を防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のリブガラス構造の正面図。
【図2】本発明のリブガラス構造の断面図。
【図3】本発明のリブガラスと面ガラスを接続した支持構造の側面図。
【図4】図3のリブガラス構造の斜視図。
【図5】本発明のリブガラスと面ガラスを接続した変形例としての支持構造の側面図。
【図6】図5のリブガラス構造の斜視図。
【図7】本発明のリブガラスと面ガラスを接続した別の変形例としての支持構造の側面図。
【図8】図7のリブガラス構造の斜視図。
【符号の説明】
1 面板ガラス
2 リブガラス
3 リブ用強化ガラス
3a、3b 穿孔部
4、5 接続金具
4a 穿孔部
6 パッキン
7 通しボルト
8 ナット
9 袋ナット
10 緩衝材
11 シーリング材
12 孔部支持金具
13 辺部支持金具
15 上部枠
16 下部枠
Claims (4)
- 外壁として立設する面板ガラスの突き合わせ部の片面または両面側に面板ガラスの縦辺と直交する方向にリブガラスを立設したガラス板の支持構造において、上下一列に並設した短尺のリブ用強化ガラス同士の突き合わせ辺の隅部に穿孔部を設け、面板ガラスに当接していない縦辺側の隅部の穿孔部同士と、面板ガラスと当接する縦辺側の隅部の穿孔部同士をそれぞれ長短2種類の長さの接続金具で連結し、面板ガラスに当接する側の穿孔部同士の接続間隔が、面板ガラスと離れている側の穿孔部同士の接続間隔より小さくしてリブ用強化ガラス同士を接続したことを特徴とするリブガラス構造。
- 前記接続金具は剛性の板材、または棒材であることを特徴とする請求項1記載のリブガラス構造。
- 複数枚のリブ用強化ガラスを連結した前記リブガラスと面板ガラスとを、構造用シーリング材で接着したことを特徴とする請求項1乃至2記載のリブガラス構造。
- 前記リブ用強化ガラスを連結する接続金具と、隣接する面板ガラスとの連結において、隣接する面板ガラスの突き合わせた各縦辺間に挿設したボルトと裏面からのナットでそれぞれ緩衝材を介して面板ガラスを締付挟持し、該ボルトの先端をリブ用強化ガラスを連結させる前記接続金具に螺合させて面板ガラスとリブガラスとを連結させるようにしたことを特徴とする請求項1乃至2記載のリブガラス構造。
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