JP4443540B2 - 合わせガラス - Google Patents

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Description

本発明は、少なくとも2枚以上の板ガラス間に樹脂製中間膜を挟みこんだ状態で一体に合わせると共に、ボルト挿通用の貫通孔を設けてある建築用途の合わせガラスおよびその製造方法に関する。
本発明の使用する建築用途としては、大型建築物である、ガラス壁、ガラス屋根、およびガラススクリーン、例えば、リブガラスを用いたリブガラススクリーンなどに使用される。
ガラス壁、ガラス屋根、大板ガラスを使用した開口部構成よりなるガラススクリーンなどの大型建築物において、板ガラスを高強度で接合すると、設計の自由度が高められる。例えば、目立つ金属方立の代りに、目立たないガラス方立て(リブガラス)を用いて、正面ガラス(フェイスプレート)に加わる風荷重を支持する工法に、ガラス・スタビライザー工法がある。
板ガラス同士を高強度で接合することを、大型建築物に用いることができれば、大型建築物の設計の自由度が高まる。
板ガラスの接合方法において、板ガラスと接合部材としての金属板とを重ねて、板ガラスと金属板に形成した貫通孔に接合用のボルトなどを通して、板ガラス同士を接合する、板ガラスを建造物などに接合する際に使用される接合方法に摩擦接合がある。
摩擦接合は、接合用ボルトで板ガラスと接合部材とを厚み方向に締め付けて、板ガラスと接合部材との摩擦力で荷重を受け止める接合方法である。摩擦接合においては、接合部を増やし、接合ボルトを多く用いることで、受け止められる支持荷重を大きくすることができる。板ガラスの摩擦接合において、接合部を増やし接合ボルトを多く用い、個々の接合部において受けとめる荷重を大きくしなかった背景には、ガラスは脆性材料であり1点に力がかかると割れるということがあった。
一方、板ガラスと他の構造部材とを接合するために板ガラスに添接させた、あるいは板ガラスと板ガラスに掛け渡しした金属板などの接合部材の間に接着シートを挟みこみ、板ガラスと接合部材を接着し接合強度を得、加えて板ガラスと接合部材に設けた貫通孔に接合用ネジ部材を貫通させて締め込み、板ガラスと接合部材を固定し留める方法が、特許文献1〜8にて開示されている。
例えば、特許文献1には、板ガラスと接合部材との間に、未硬化の接着剤を含浸させてある繊維材からなるシートを挟んで、板ガラスと接合部材とに形成した貫通孔に挿通したネジ部材で締め付け固定するガラスパネルの接合方法が開示されている。接合後のガラスパネルと板材との相対変位の発生を抑制するために、板ガラスと接合部材との間に未硬化の接着剤を含浸させてある繊維材からなるシートを挟んで締め付け接合しておくことにより、その接着剤が硬化するとシートがガラスパネルと板材の双方の表面に沿った形状に固まり、シートと一体に硬化した強固な接着層を介して、ガラスパネルと板材とを接着接合できると開示されている。
また、特許文献3には、特許文献1よりも接合部の耐久力を高めるため、接着剤を含浸させてある繊維材からなるシートに含浸させた接着剤が未硬化の状態で締め付け、接着剤硬化後に、所定のボルト軸方向の力に再度締め付けて接合する脆性部材の接合方法が開示されている。
さらに、特許文献7には、上記の接着による接合方法において、雄ネジ部材と雌ネジ部材などの締め付け具にて板ガラスと接合部材を締め付ける際に、貫通孔に充填剤を介在させて各締め付け具の外周面と板ガラス側貫通孔の内周面との間に隙間が生じない状態で締め付けることによって、板ガラスと接合部材との間にわたって応力が作用した際に、複数の板ガラス側貫通孔に作用する応力が均一化されるようにして、特定の板ガラス側貫通孔に応力が集中するのを回避して、板ガラスの損傷を抑制する板ガラスの接合方法が開示されている。
さらに、特許文献8には、板ガラスと板材を接着する接合方法を合わせガラスに適用するために、貫通孔の構造を工夫した合わせガラスが開示されている。具体的には、合わせガラスを、接続用ボルトとナットにより常時締め付けておくので、常時作用する圧縮応力によって、樹脂製中間膜がクリープ変形して、樹脂製中間膜がつぶれ、それを挟んでいる板ガラスが湾曲変形して樹脂製中間膜が剥離したり、樹脂製中間膜がガラスからはみ出たり、締め付け力が低下して摩擦力が低下する恐れがあり、摩擦接合で合わせガラスを確実に接合させるために、複数枚の板ガラス間に樹脂製中間膜を挟み込んだ状態で一体に合わせると共に、貫通孔を設けてある合わせガラスであって、前記挿通孔周りの前記板ガラス間に、前記樹脂製中間膜に代えて、前記板ガラスよりも軟質で、かつ、前記樹脂製中間膜よりも硬く、厚さが前記樹脂製中間膜の厚さ以下のシートを装着してある合わせガラスが開示されている。
なお、特許文献1〜8に記載の板ガラスの接合方法は、板ガラスと接合部材とを強い締め付け力で締め付けて接合するものでなく、板ガラスと接合部を接着して接合強度を得る方法である。板ガラスの割れの発生を懸念して接合用のネジ部材による締め付けは程々にし、接合強度は板ガラスと接合部材の接着に依存している。
従来の板ガラスの接合方法である前述した板ガラスと接合部剤とを接着する接合方法においては、接合用ボルト・ナットなどで強く板ガラスを締め付けると、締め付け部に局所的な力が生じ、特に板ガラスの孔端部から破損しやすいという問題があるため、接合強度は、板ガラスと板材の間に挟みこんだ接着シートによる接着に頼っており、ボルト・ナットで強く締め付けて、板ガラスに強い圧縮応力を生じさせ、ガラス自体の剛性を利用して板ガラスと板材を接合するものではなかった。
詳しくは、特許文献3によれば、板ガラスに厚さが12mm〜19mmの強化ガラスであり、且つ使用する接着剤がエポキシ系接着剤の場合、接合用ネジ部材の締め付けボルト軸方向の力は29.4kN〜53.9kN程度が望ましいとされている。ガラスに貫通孔を開ける場合、孔周りは荒ズリ加工されるため、ガラスの孔周りの強度は、ガラス表面の強度に比べて弱く、ガラスの孔周りに60kN程度の締め付け力が作用するとガラスが破損することがあった。そのため、孔周りに締め付け力が作用する特許文献1や特許文献3の方法では、締め付けボルト軸方向の力を強くすることで接合箇所の耐力を高めるには限界があった。
また、合わせガラスに使用すると前述のように合わせガラスの樹脂性中間膜が潰れるという問題があった。
特開2000−87924号公報 特開2000−87925号公報 特開2002−155909号公報 特開2002−162325号公報 特開2002−266818号公報 特開2004−340178号公報 特開2003−327453号公報 特開2005−320214号公報
本発明は、一対の締め付け部材による締め付け、例えば、ボルト・ナットの強力な締め付けによるボルト軸方向の力を板ガラスと接合部材の間に挟んだ応力発生部材、例えば、座金などを介して伝達する際、座金の内径を板ガラスの貫通孔の直径より大きくし、同心状に配置することで、割れが発生しやすい板ガラスの貫通孔部を避けて、ボルト軸方向の力を伝え、また座金を介して小面積でボルト軸方向の力を伝え、板ガラスに応力発生部材を圧接することで、応力発生部材よりの面圧により、板ガラスに強い圧縮応力を生じさせ、板ガラスの見掛強度を増加させることを特徴として、板ガラス自体の剛性を利用して強い接合強度が得られる新規の接合構造、いうなれば圧縮接合(以下、圧縮接合と称する)を合わせガラスに用いた際に、圧縮接合時に合わせガラスの樹脂製中間膜によって、板ガラスが湾曲するという問題を解決するものである。
本発明の合わせガラスの接合に使用する板ガラスの接合構造、言い換えれば、圧縮接合は、前述の摩擦接合、およびガラスと金属板材を接着する接合方法とは全く異なる新規な接合構造を用い、一対の締め付け部材であるボルト・ナットの強力な締め付けにより発生するボルト軸方向の力を、板ガラスと接合部材の間に挟んだ応力発生部材、例えば、座金などを介して板ガラス内部に強い圧縮応力が生じるように伝達し、言い換えれば、板ガラスに応力発生部材を圧接することで、板ガラス内部に強い圧縮応力を生じさせて、板ガラスの見掛強度を増加させることを特徴として、板ガラス自体の剛性を利用して接合する板ガラスの接合構造である。
なお、圧接とは、応力発生部材を板ガラスに強く圧することで、応力発生部材を強い力で板ガラスに接触させることを指す。応力発生部材とは、板ガラスを強く圧し、板ガラス内部に圧縮応力を発生させる部材である。
一対の締め付け部材には、一対の油圧部材、バネ部材、ネジ部材などが挙げられるが、トルクレンチなどで締め付け力が調整でき、好適な締め付け力が得られるボルト・ナットを用いることが好ましく、特に、締め付け力の調整が容易な六角ボルト・ナットを用いることが好ましい。
前記接合構造によれば、応力発生部材に座金などを使用し、座金の孔の直径、言い換えれば、座金の内径を板ガラスの貫通孔の直径より大きくし、同心円状に配置して締め付けることで、割れが発生しやすい板ガラスの貫通孔部を避けて、ボルト軸方向の力を伝えられ、また板ガラスに圧接させた座金を介し、板ガラスに直に小面積でボルト軸方向の力を伝えるので、板ガラスへの座金の圧接により、板ガラス内部に圧縮応力が生じ、圧縮応力が生じた板ガラスの内部の圧縮部位にはクラックが発生しがたく、発生したとしても伝播し難く、板ガラスの見掛強度が増加して、板ガラスと構造部材、または、板ガラス同士が高強度で接合される。
板ガラス内部に強い圧縮応力を生じさせると、板ガラスの圧縮部位のクラックの発生および伝播の方向性が制限されるので、板ガラスの圧縮部位のクラックの発生および伝播が抑制され、板ガラスの見掛の強度が増加する。
以上の接合構造を用い、割れが発生しやすく脆い板ガラスの貫通孔部を避けて、応力発生部材を板ガラスに圧着させ、圧着時の板ガラスと応力発生部材の接触面積、加えてボルト、ナットの締め付けトルクによって、板ガラスに生じる圧縮応力は任意に調整され、所望の圧縮応力が得られ、応力発生部材が接触した部位の板ガラス内部には強い圧縮応力が発生し、板ガラスの見掛強度を増加させて、接合部のガラス強度が高められ、締め付けトルクに対しての板ガラスが破壊される限界を飛躍的に上げることが可能となった。
このような応力発生部材を使用することで、板ガラスをボルト、ナットで強力に締め付けるのみで板ガラスと構造部材、または、板ガラス同士が高強度で接合される。また、応力発生部材を使わない場合と異なり、ガラスの1点に、例えば、貫通孔部にボルト軸方向の力が集中し、ガラスが破損することがない。
従来、ガラスは脆性材料であり1点に力がかかると割れる、板ガラスに貫通孔を設けボルトを通して強く板ガラスを締め付けると、締め付け部に局所的な力が生じ、板ガラスが破損するため、板ガラスに貫通孔を設け強く締め付けることは避けるべきで、行ってはいけないとされ、板ガラスをボルト・ナットで強く締め付けて接合されることはなかった。
しかしながら、応力発生部材を用い、脆い板ガラスの貫通孔部を避け、ボルト・ナットの締め付けによる軸方向の力が、板ガラスの応力発生部材の圧接部位の板ガラス内部に強い圧縮応力を生じさせるように、ボルト・ナットの締め付け加減、または板ガラスに応力発生部材を圧接する面積を調整することで、板ガラスの見掛強度を増加させて、圧接部位の板ガラスに割れが発生することがなく、本来の板ガラスの持つ高い剛性を生かした前述の圧縮接合が可能となった。
このように、ボルト・ナットを強く締め付けても、応力発生部材を介してガラス内部に強い圧縮応力が生じることで、板ガラスが破損することなく強い接合強度が得られた。これは驚くべき結果である。
圧縮接合を用いて合わせガラスを接合する際には、合わせガラスに応力発生部材を圧接する部位の直下に、樹脂製中間膜に替えて、応力発生部材より大きく、応力発生部材が含まれる大きさのボルト軸方向の力を受け止める高剛性のシートを挟みこむことが好ましい。
図1の(A)は、本発明の合わせガラスの構成の説明図であり、(B)は、本発明の合わせガラスの貫通孔部の断面図である。
図1の(A)に示すように、本発明の合わせガラスは、径Aの貫通孔を設けた板ガラスG、G´間に、径Bの貫通孔をあけた樹脂製中間膜1の厚さYより、0.01mm以上、0.5mm以下の範囲で厚い、厚さXで内径Cの貫通孔をあけた外径B以下のシート2を挟みこんでなる。尚、本発明において、樹脂製中間膜1の厚さは、合わせガラス製造前の厚さである。
シート2は、図示しないボルト・ナットの締め付けによるボルト軸方向の力を受け止めるための高剛性のシート2である。
本発明の合わせガラスを圧縮接合によって接合する際に、貫通穴に挿入した図示しないボルト・ナットなどの一対の締め付け部材で、合わせガラスと接合部材としての金属板とを応力発生部材である座金などを介して締め付けたとき、樹脂製中間膜の厚さYより、0.01mm以上、0.5mm以下の範囲で厚い前記シート2を用いて、合わせガラス5を製造すれば、シート2にボルト、ナットの締め付けによるボルト軸方向の力が作用するようになり、樹脂製中間膜1には、ボルト、ナットの締め付けによるボルト軸方向の力がかからなくなる。
詳しくは、樹脂製中間膜1の厚さYが、シート2の厚さXよりも厚いと、合わせガラスを製造した際、貫通穴に挿入した図示しないボルト・ナットで、合わせガラスと接合部材としての金属板とを応力発生部材である座金などを介して締め付けたとき、ボルト軸方向の力が樹脂製中間膜1に伝達して、樹脂製中間膜1を挟んでいる板ガラスG、G´が湾曲変形し、樹脂製中間膜1を挟んだガラス面に引っ張り応力が発生するため、そこから板ガラスG、G´が破損しやすくなるので、シート2の厚さXが、樹脂製中間膜1の厚さYより、0.01mm以上厚いことが必要である。シートの厚さXが、樹脂製中間膜の厚さYに加え、0.5mmよりも厚くなると、樹脂製中間膜1と板ガラスG、G´との空隙が大きくなりすぎるので、合わせガラスの製造後に樹脂製中間膜1に空気がかむなどして外観不良となりやすい。
即ち、本発明は、貫通孔を設けてある合わせガラスであって、径Aの貫通孔をあけた少なくとも2枚以上の板ガラス、径Bの孔をあけた樹脂製中間膜、樹脂製中間膜の貫通孔Bに挿入させる内径Cの貫通孔をあけた、シートの厚みX(mm)=中間膜の厚みY(mm)+0.01mm以上、0.5mm以下の範囲にある、板ガラスのヤング率より大きいヤング率を有する材料からなり、樹脂中間膜と同一材料から形成されたものではないシートを板ガラス間に挟みこんで、同心状に重ね合わせて合わせ加工処理をしてなることを特徴とする合わせガラスである。
さらに、本発明の合わせガラスの特徴は、前記シート2の貫通孔の内径Cが板ガラスG、G´の貫通孔の径Aより大きい点にある。これら貫通孔をともに円形とし同心状に配置する。前記シート2の貫通孔の径Cが、合わせガラスを形成する板ガラスG、G´の貫通孔の径Aよりも小さいと、図示しないボルト・ナットで合わせガラスと接合部材とを、座金などの応力発生部材を介して締め付けた際に、板ガラスG、G´の脆い貫通孔周りにボルト・ナットの締め付けによるボルト軸方向の力が加わり、板ガラスG、G´に割れが発生し破損する恐れある。
合わせガラスをなす板ガラスG、G´の貫通孔の端部に、ボルト軸方向の力により、ガラスに割れを生じさせないためには、シート2の貫通孔の径Cを、合わせガラスをなす板ガラスG、G´の貫通孔の径Aより、1.0mm以上、好ましくは4.0mm以上大きくし、板ガラスG、G´の孔端部からシート2までの間隔を0.5mm以上、好ましくは2.0mm以上とする。シートの貫通孔の径Cが、合わせガラスをなす板ガラスG、G´の貫通孔の径Aより、板ガラスG、G´の貫通孔に対し1.0mm未満の大きさで、シート2の貫通孔の端部から、合わせガラスをなす板ガラスG、G´の貫通孔の孔端部までの間隔が、0.5mm未満では、貫通孔の孔端部にも力が伝播し割れが生じる恐れがある。シート2の貫通孔の径Cを大きくしすぎるとシート2の孔部で板ガラスG、G´の変形が生じる恐れがあるため、シート2の貫通孔の径Cを、板ガラスG、G´の貫通孔の径Aより、20mmよりも大きくする必要はなく、20mm以内であることが好ましい。
さらに、本発明は、前記シートの貫通孔の径Cが板ガラスの貫通孔の径Aより大きく、C>Aであり、C−A=1.0mm以上、20mm以下の範囲にあることを特徴とする上記の合わせガラスである。
また、本発明は、前記シートの貫通孔と板ガラスの貫通孔が円形であり、同心状に配置されてなることを特徴とする上記の合わせガラスである。
本発明の合わせガラスに用いる該シート2のヤング率は、用いる板ガラスG、G´のヤング率より大きいことが好ましく、板ガラスG、G´が軟質ガラスであれば、そのヤング率、60GPaより大きく、ソーダライムガラスであれば、そのヤング率、71GPaより大きければよく、ボルト・ナットで合わせガラスと接合部材である金属板材などとを、応力発生部材である座金などを介して締め付けたとき、板ガラスG、G´よりもシート2の方が高剛性であるため、板ガラスG、G´の変形が抑制でき、圧縮接合時に板ガラスG、G´が破損しなくなる。また、シート2が高剛性であり変形し難ければ、締め付けボルト軸方向の力の低下も防止される。
本発明の合わせガラスに用いるシート2は、板ガラスG、G´が軟質ガラスであれば、そのヤング率、60GPaより大きく、板ガラスG、G´がソーダライムガラスであれば、そののヤング率、71GPaよりおおきければよい。かといって、金属の高力ボルト摩擦接合に使用される高力ボルト、ナットより高剛性である必要はなく、250GPaを超える必要はなく、250GPa以下であることが好ましい。250GPaを超える材料は、高価であり使用し難い。
本発明の合わせガラスに用いるシート2の材料は、金属、セラミック、エンジニアリングプラスチック、繊維強化したエンジニアプラスチックなどの剛性がある材料から選ばれる、加工の容易さ、入手しやすさ、低価格であることなどより、鋼鉄、例えばJIS G 3101−2004「一般構造用圧延鋼材」に準拠するSS400、およびステンレス鋼などの金属板が使用しやすい材料であり、防錆性能を考えればステンレス鋼が特に好ましい材料である。
なお、前記圧縮接合に使用する際に、前記シート2の大きさが、座金などの応力発生部材よりも小さいと、ボルト・ナットで合わせガラスと金属板とを応力発生部材である座金などを介して締め付けたとき、板ガラスG、G´内部に生じる圧縮応力により、板ガラスG、G´の持つ剛性を最大限に利用することが活用できないばかりか、板ガラスの湾曲変形が生じて、合わせガラスが破損する恐れがある。
樹脂製中間膜1としては、通常、合わせガラスに用いられるポリビニルブチラール、エチレン酢酸ビニル重合体などが挙げられる。また、樹脂製中間膜1には、ポリビニルブチラール、エチレン酢酸ビニル重合体などとポリカーボネートシート、ポリエチレンテレフタレートシートなどとを積層しているものも挙げられ、ポリカーボネートシートなど自体からなるものも挙げられる。
また、本発明は、貫通孔を設けてある合わせガラスの製造方法であって、径Aの貫通孔をあけた少なくとも2枚以上の板ガラス、内径Bの孔をあけた樹脂製中間膜、樹脂製中間膜の貫通孔Bに挿入させる、外径B以下で内径Cの貫通孔をあけた、シートの厚みX(mm)=中間膜の厚みY(mm)+0.01mm以上、0.5mm以下の範囲にある、板ガラスのヤング率より大きいヤング率を有する材料からなり、樹脂中間膜と同一材料から形成されたものではないシートを板ガラス間に挟みこんで、同心状に重ね合わせて合わせ加工処理をすることを特徴とする合わせガラスの製造方法である。
さらに、本発明は、前記シートの貫通孔の径Cが板ガラスの貫通孔の径Aより大きく、C>Aであり、C−A=1.0mm以上、20mm以下の範囲にあることを特徴とする上記の合わせガラスの製造方法である。
さらに、本発明は、前記シートの貫通孔と板ガラスの貫通孔が円形であり、同心状に配置されてなることを特徴とする上記の合わせガラスの製造方法である。
本発明の合わせガラスにおいて、ボルト・ナットの強い締め付けによるボルト軸方向の力を、板ガラスと接合部材の間に挟んだ応力発生部材を介して板ガラスに伝達する、言い換えれば、板ガラスに応力発生部材を圧接することで、圧接した板ガラス内部に強い圧縮応力が生じるように板ガラスに伝達し、板ガラスが割れることなく、板ガラス自体の剛性を利用した接合構造、言うなれば、圧縮接合を行う際、応力発生部材に座金など使用し座金孔を板ガラス孔より大きくすることで、割れが発生しやすい板ガラスの貫通孔部を避けて板ガラス内部に強い圧縮応力が生じるように、ボルト軸方向の力を伝えることが可能となった。
本発明の合わせガラスを、上記の接合に使用した際に、応力発生部材である座金などを介して小面積でボルト軸方向の力を、圧接した板ガラス内部に強い圧縮応力が生じるように、合わせガラスをなすガラスおよび合わせガラスに挟み込んだシートに伝えるので、座金からの単位面積当たりの力により強力な圧接が得られ、優れた接合強度が得られる。
前記シートは合わせガラスをなす板ガラスのヤング率より大きいヤング率を有する材料で、板ガラスが軟質ガラスであれば、そのヤング率60GPaより大きく、板ガラス´がソーダライムガラスであれば、そのヤング率71GPaより大きく、前記樹脂製中間膜の厚さに加えて、0.01mm以上、0.5mm以下の範囲にある。言い換えれば、シートの厚みX(mm)=中間膜の厚みY(mm)+0.01mm以上、0.5mm以下の範囲にある厚さのシートを挟みこみ、合わせ処理した本発明の合わせガラスを用いれば、圧縮接合した際に、ガラスの湾曲変形を抑制でき、圧着時に合わせガラスが破損しなくなり、強固な接合力を有する圧縮接合を合わせガラスに適用することが可能となった。
前述の摩擦接合とは異なる考えの、本発明の合わせガラスを使用する板ガラスの接合構造について、図2を用いて説明する。
図2は、本発明の合わせガラスを使用した板ガラスの接合部の一例の拡大側面図である。なお、ボルト3、ナット4以外は断面で示している。
図3の(A)は、本発明の合わせガラスを接合した一例の正面図である。(B)は、本発明の合わせガラスを接合した一例の側面図である。
本発明の合わせガラスを使用する板ガラスの接合構造は、ボルト3、ナット4の強力な締め付けによるボルト軸方向の力を合わせガラス5と接合部材6の間に挟んだ応力発生部材、例えば、座金7などを介して、座金7の接触するガラスG、G´内部に圧縮応力を生じるように伝達し、合わせガラス5に座金7を圧接することで、板ガラス自体G、G´の剛性を利用して接合するものである。
前記接合構造によれば、座金7の貫通孔の径を、板ガラスG、G´の貫通孔の径Aより1.0mm以上、好ましくは4.0mm以上、大きくすることで、割れが発生しやすい合わせガラス5の孔端部8を避けてボルト軸方向の力を伝えられ、また座金7を介して小面積で合わせガラス5にボルト軸方向の力を伝えるので、座金7からの単位面積当たりの力により強力な圧着が得られ、接合部がずれる恐れは少ない。板ガラスG、G´の孔端部8に、ボルト軸方向の力により、ガラスに割れを生じさせないためには、座金7の内径を、板ガラスG、G´の貫通孔の径Aより、1.0mm以上、好ましくは4.0mm以上大きくし、板ガラスG、G´の孔端部8から座金7までの間隔を0.5mm以上、好ましくは2.0mm以上とする。座金7の内径を、板ガラスG、G´の貫通孔の径Aより、20mmよりも大きくすると、ボルト軸方向の力が伝達されにくくなるため、20mm以内であることが好ましい。
同様に、合わせガラス5をなす板ガラスG、G´の孔の端部8に、ボルト軸方向の力により、ガラスに割れを生じさせないためには、シート2の貫通孔の径Cが板ガラスG、G´の貫通孔の径Aより大きく、1.0mm以上、好ましくは4.0mm以上大きくし、板ガラスのG、G´貫通孔の端部8からシート2までの間隔を0.5mm以上、好ましくは2mm以上とする。シート2の貫通孔の径Cを大きくしすぎると、シート2の貫通孔部で板ガラスG、G´の変形が生じる恐れがあるため、シート2の貫通孔の径Cを、板ガラスG、G´の貫通孔の径Aより、20mmよりも大きくする必要はなく、20mm以内であることが好ましい。
この圧縮接合を用いて、合わせガラス5を接合する際は、座金7による板ガラスG、G´の圧接部、言い換えれば、合わせガラス5の締め付け部におけるボルト軸方向の力を受け止めるように、貫通孔に対して同心状に合わせガラス5に圧接する座金7と同じ位置に、言い換えれば、直下に、座金7を包含する大きさのシート2を設ければよい。シート2は、樹脂製中間膜1よりも硬く、シート2の厚さXが、樹脂製中間膜1の厚さYより厚い前述のシート2を用いる。
本発明の合わせガラス5は、貫通孔周りの板ガラスG、G´間に、樹脂製中間膜1に換えて、シート2の厚さXが、樹脂製中間膜1の厚さYより厚い、ボルト軸方向の力を受け止めるシート2を装着しているので、この合わせガラス5を圧縮接合によって接合するために、貫通穴に挿入したボルト3、ナット4で、合わせガラス5と接合部材6とを応力発生部材である座金7を介して締め付けたとき、前記シート2に力がかかるようになり、樹脂製中間膜1には、ボルト軸方向の力が加わらなくなる。シート2の厚さXを樹脂製中間膜1の厚さYより厚くしたので、ボルト軸方向の力によって、合わせガラス5が湾曲変形しなくなり、圧縮接合した結果、合わせガラス5が破損し難くなる。
ボルト3、ナット4の締め付けによるボルト軸方向の力により、シート2が変形しないためには、前記シート2は板ガラスG、G´より硬いことが好ましく、金属板などの中から選ばれる。具体的には、板ガラスG、G´が軟質ガラスであれば、そのヤング率、60GPaより大きく、例えば、ソーダライムガラスであれば、そのヤング率、71GPaより大きいことが好ましい。シート2のヤング率が板ガラスG、G´のヤング率より大きければ、ボルト3、ナット4で合わせガラス5と接合部材6とを応力発生部材である座金7を介して締め付けたとき、板ガラスG、G´よりもシート2の方が高剛性であるため、板ガラスG、G´の湾曲変形を抑制でき、圧着時に板ガラスG、G´が破損し難い。また、シート2が高剛性であり変形し難ければ、板ガラスG、G´の内部に生じた圧縮応力の低下も抑制される。シート2の厚さが、樹脂製中間膜1の厚みに加え0.5mmよりも厚くなると、樹脂製中間膜1と板ガラスG、G´との空隙が大きくなりすぎるので、加圧加熱装置であるオートクレーブ等による合わせガラス5の作製時に樹脂製中間膜1に空気がかむなどして外観不良となりやすい。
また、圧縮接合時に、ボルト3、ナット4の締め付けによるボルト軸方向の力を受け止めて変形しないためには、前記シート2が貫通孔を有し、前記シート2の貫通孔の径Cが板ガラスG、G´の貫通孔の径Aより大きく、かつ座金7の直下に配した前記シート2の大きさが、応力発生部材である座金7を含むほどに座金7より大きいことが好ましい。これら貫通孔をともに円形とし同心状に配置した際、前記シート2の貫通孔の径Cが、板ガラスG、G´の貫通孔の径Aよりも小さいと、ボルト3、ナット4で合わせガラス5と接合部材6とを応力発生部材である座金7を介して締め付けたとき、板ガラスG、G´の貫通孔の孔周り、言い換えれば、孔端部8にボルト軸方向の力が作用し、脆い孔端部8から割れが発生しやすく板ガラスG、G´が破損する恐れがある。また、前記シート2の大きさが座金7よりも小さいと、圧縮接合時に樹脂製中間膜1にボルト軸方向の力が作用し、樹脂製中間膜1が潰れ、板ガラスG、G´の湾曲変形が生じて、板ガラスG、G´が破損する恐れがある。
なお、ボルト3、ナット4を締め付ける際に締め付けやすく締め付け工具のトルクを伝えやすいので、ボルト3、ナット4と接合部材6の間に座金9を噛ませると良い。
以上、図2に示すような接合部を多数設けて、図3の(A)、(B)に示すように合わせガラス5を接合すると合わせガラス5に優れた接合強度が得られる。
本発明による合わせガラスに用いる板ガラスG、G´には、フロート法で製造した板ガラス、強化ガラス、倍強度ガラス、熱線吸収ガラス、熱線反射ガラス、各種表面処理を施してある板ガラス、これらの複数枚を適宜組み合わせて構成したものなどが挙げられる。圧縮接合時の強力なボルト3、ナット4の締め付けにより優れた接合強度を得るために、表面圧縮応力が80MPa以上で、厚さが9mm以上の強化ガラスを用いることが好ましい。厚さの上限は市販される強化ガラスの最大の厚さ、19mm以下となる。なお、表面圧縮応力が、130MPaを上回る大型の強化ガラスは製造が難しく、建築用途に実質的に使用されないので、本発明の合わせガラスに用いる強化ガラスの表面圧縮応力は、130MPa以下である。
なお、圧縮接合において、本発明の合わせガラスを少なくとも2枚以上重ねて、ボルト3を合わせガラス5に開けた貫通穴にを通す際に、ボルト頭と合わせガラス5の間、合わせガラス5同士の間、合わせガラス5とナット4の間に応力発生部材である座金7などを挟みこみ、それぞれを、ボルト3、ナット4により締め付けることで、接合部材6を使わないで、本発明の合わせガラスを重ねた状態で、合わせガラス同士が接合される。
本発明の合わせガラスを上記圧縮接合に用いると、橋やビル等の鋼構造物の接合方法として用いられる、高力ボルト摩擦接合で使用されるボルト・ナットの締め付けによる60kN以上のボルト軸方向の力、言い換えれば、一対の応力部材の締め付けにより生じる60kN以上の力で、板ガラス同士を締め付けても板ガラスが破損せず、強い接合強度が得られる。なお、一対の応力部材の締め付けにより生じる力が300kNより大きいと、板ガラス本来の高い剛性があっても破損の恐れがある。
本発明の合わせガラスの合わせ処理条件は、樹脂製中間膜1がポリビニルブチラール膜の場合、ポリビニルブチラール膜を板ガラスG、G´の間に挟んで減圧しつつ、0.98MPa以上、1.5MPa以下に加熱加圧装置であるオートクレーブ内で加圧しつつ、120℃以上、150℃以下に、20分間以上加熱して作製する。また、樹脂製中間膜1がエチレン−酢酸ビニル共重合体からなる膜の場合、エチレン−酢酸ビニル共重合体からなる膜を板ガラスG、G´の間に挟んで減圧しつつ、80℃以上、95℃以下で10分以上加熱した後、大気圧にて、130℃以上、150℃以下に、30分以上加熱して作製する。
図4は、本実施例における試験片の上面図である。
図4に示すように、中心に径20mmの貫通孔10をあけた板厚、12mm、大きさ、300mm×300mm角の強化ガラスG、G´を2枚用意した。強化ガラスG、G´は軟化点付近まで加熱後、風冷し表面に圧縮応力を与えたものである。樹脂性中間膜1には、エチレン−酢酸ビニル共重合体からなる厚さ0.40mmのブリヂストン株式会社製、商品名、EVASAFE、300mm×300mm角に切ったものを3枚用意した。なお、シート2を入れるために樹脂性中間膜1の中心部を径50mmの円状に3枚ともに切り出し、切り欠け部を設けた。
合わせガラス5とする際に強化ガラスG、G´の貫通孔10に挟み込むシート2はステンレス鋼SUS304製であり、ヤング率は197GPaである。形状は座金状であり、厚さXが1.25mm、外径、48mm、内径C、25mmである。樹脂製中間膜1の3枚合計の厚さYに1.20mm対して、厚さXは0.05mm厚い。
片方の強化ガラス板Gの上に各貫通孔部が、合わせガラス5の貫通孔10に対して同心状となるように、樹脂性中間膜1であるEVASAFEを3枚重ねて、切り欠き部に上記シート2を置き、もう片方の強化ガラスG´を重ねて、真空バッグ内に入れて、真空バッグを真空ポンプで2.7×10Pa以下に減圧し、加熱炉内で95℃に60分間加熱後、大気圧にて135℃で35分間、保持して合わせガラス5を作製した。
図5は、本実施例における合わせガラスの貫通孔部の拡大側面図である。
図5に示すように、強化ガラスG、G´の孔端部8から、シート2の貫通孔部まで2.5mmの間隔となるようにシート2を設置したことにより、ボルト軸方向の力を加えると割れなど発生し易く破損の開始点となる懸念の大きい板ガラスG、G´の孔端部8を避けて、ボルト3、ナット4で締め付けられるようにした。
図6は、本実施例における合わせガラスの接合部の拡大側面図である。
次いで、上記の合わせガラス5の締め付けテストを行った。締め付け用のボルト3、ナット4は、摩擦接合用高力六角ボルト・ナット座金のセット、株式会社NSボルテン製のものを使用した、ボルト3は呼び径、M16、首下長さ、85mm、機械的性質による等級はF10Tである。ナット4は呼び径、M16、機械的性質による等級はF10である。
次いで、ボルト3、ナット4と接合部材6の間に座金9を挟み込んだ。座金9には呼び径M16の座金(機械的性質による等級はF35)を用いている。接合部材6と強化ガラスG、G´に圧接する応力発生部材には呼び径、M24、厚み4.5mm、外径、48mm、内径、25mm(機械的性質による等級はF35)の座金7を用いた。これら呼び径、M16の座金9と、M24の座金7との間に、接合部材6として、JIS G 3101−2004「一般構造用圧延鋼材」に準拠する厚さ12mmのSS400製金属板を挟みこんだ。M24の座金7を強化ガラス板G、G´に圧接する際は、強化ガラスG、G´の孔端部8には接触しないようにしている。
挿通孔10に貫通させたボルト3にナット4をねじ込み、トルクレンチを用いて300N・mのトルクで締め付けたが合わせガラス5は破損しなかった。
これは、樹脂中間膜1に代えて、樹脂中間膜1の3枚の合計厚さY、1.20mmに対して、0.05mm厚い厚さXのシート2を合わせガラス5中に挟み込んだ状態で一体に合わせたことで、前記シート2に、ボルト3、ナット4の締め付けによるボルト軸方向の力が作用するようになり、樹脂製中間膜1に締め付けボルト軸方向の力が加わらなくなった。その結果、ボルト軸方向の力によって合わせガラス5が湾曲変形しなくなり、圧縮接合した際に、合わせガラス5が破損しなくなったと考えられる。
合わせガラス5を作製する際に、強化ガラスG、G´に挟み込むシート2の厚みを1.21mmに変えた以外は、実施例1と同じ手順で合わせガラス5を作製し、締め付けテストを行ったが、合わせガラス5は破損しなかった。
これは、樹脂中間膜1に代えて、樹脂中間膜1の3枚の合計厚さY、1.20mmに対して、0.01mm厚い厚さXのシート2を合わせガラス5中に挟み込んだ状態で一体に合わせたことで、前記シート2に圧縮応力が作用するようになり、樹脂製中間膜1に締め付けボルト軸方向の力による圧縮応力がほとんどかからなくなる。その結果、締め付けボルト軸方向の力によって合わせガラス5が湾曲変形しなくなり、圧縮接合した合わせガラス5が破損しなくなったと考えられる。
比較例
合わせガラス5とする際に強化ガラスG、G´に挟み込むシート2の厚さXを1.10mmに変えた以外は、実施例1と同じ手順で合わせガラス5を作製し、締め付けテストを行ったが、合わせガラスは破損した。
これは、樹脂中間膜1の3枚合計の厚さY、1.20mmよりも0.10mm薄いシート2を合わせガラス5中に挟み込んだ状態で一体に合わせたことで、前記シート2に圧縮応力が作用する前に、樹脂中間膜1に締め付けボルト軸方向の力が作用し、その結果、合わせガラス5が湾曲変形し、湾曲変形部に引っ張り応力が発生して合わせガラス5が破損したと考えられる。
このように、本発明の合わせガラス板を、前述の圧縮接合することにより、長い方立てガラス、言い換えれば、長いリブガラスが提供される。
また、リブガラスに取り付けた接合部材をガラススクリーンと接続することも可能であり、ボルトでガラススクリーンと接続できることからリブガラススクリーンの設計の自由度が高まる。
本発明の合わせガラスは、ガラス壁、ガラス屋根、大板ガラスを使用した開口部構成よりなるガラススクリーンなどの大型建築物に使用される。
例えば、目立つ金属方立の代りに、目立たないガラス方立て(リブガラス)を用いて、正面ガラスを(フェイスプレート)に加わる風荷重を支持する工法であるガラス・スタビライザー工法によるリブガラススクリーンに使用される。
本発明の合わせガラスを用い、ガラス板を接合することで、長いガラス方立て、言い換えれば、長いリブガラスが提供される。
また、リブガラスに取り付けた接合板をガラススクリーンと接続することも可能であり、ボルトでガラススクリーンと接続できることからリブガラススクリーンの設計の自由度が広がる。
(A)は、本発明の合わせガラスの構成の説明図である。(B)は、本発明の合わせガラスの貫通孔部の断面図である。 本発明の合わせガラスを使用した板ガラスの接合部の一例の拡大側面図である。 (A)は、本発明の合わせガラスを接合した一例の正面図である。(B)は、本発明の合わせガラスを接合した一例の側面図である。 本実施例における試験片の上面図である。 本実施例における合わせガラスの貫通孔部の拡大側面図である。 本実施例における合わせガラスの接合部の拡大側面図である。
符号の説明
G、G´板ガラス(強化ガラス)
1 樹脂製中間膜
2 シート
3 ボルト
4 ナット
5 合わせガラス
6 接合部材
7 座金
8 孔端部
9 座金
10 貫通孔

Claims (6)

  1. 貫通孔を設けてある合わせガラスであって、径Aの貫通孔をあけた少なくとも2枚以上の板ガラス、径Bの貫通孔をあけた樹脂製中間膜、樹脂製中間膜の貫通孔Bに挿入させる、外径B以下で、内径Cの貫通孔をあけた、シートの厚みX(mm)=中間膜の厚みY(mm)+0.01mm以上、0.5mm以下の範囲にある、板ガラスのヤング率より大きいヤング率を有する材料からなり、樹脂中間膜と同一材料から形成されたものではないシートを板ガラス間に挟みこんで、同心状に重ね合わせて合わせ加工処理をしてなることを特徴とする合わせガラス。
  2. 前記シートの貫通孔の内径Cが板ガラスの貫通孔の径Aより大きく、C>Aであり、C−A=1.0mm以上、20mm以下の範囲にあることを特徴とする請求項1に記載の合わせガラス。
  3. 前記シートの貫通孔と板ガラスの貫通孔が円形であり、同心状に配置されてなることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の合わせガラス。
  4. 貫通孔を設けてある合わせガラスの製造方法であって、径Aの貫通孔をあけた少なくとも2枚以上の板ガラス、内径Bの孔をあけた樹脂製中間膜、樹脂製中間膜の貫通孔Bに挿入させ、外径B以下で内径Cの貫通孔をあけた、シートの厚みX(mm)=中間膜の厚みY(mm)+0.01mm以上、0.5mm以下の範囲にある、板ガラスのヤング率より大きいヤング率を有する材料からなり、樹脂中間膜と同一材料から形成されたものではないシートを板ガラス間に挟みこんで、同心状に重ね合わせて合わせ加工処理をすることを特徴とする合わせガラスの製造方法。
  5. 前記シートの貫通孔の径Cが板ガラスの貫通孔の径Aより大きく、C>Aであり、C−A=1.0mm以上、20mm以下の範囲にあることを特徴とする請求項に記載の合わせガラスの製造方法。
  6. 前記シートの貫通孔と板ガラスの貫通孔が円形であり、同心状に配置されてなることを特徴とする請求項または請求項に記載の合わせガラスの製造方法。
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