JP4893520B2 - エンジンの始動装置 - Google Patents

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Description

本発明は、エンジンの始動装置に関し、より詳しくは、始動時にエンジンの圧縮圧力を低減する圧縮圧力低減手段を備えたエンジンの始動装置に関する。
特許文献1には、始動時に電動機を駆動してエンジンを回転させると共に、エンジン回転数がエンジンの共振回転数よりも高いデコンプ停止回転数以上となるまでデコンプ装置を作動させることが記載されている。かかる技術によれば、共振回転数を通過してからデコンプ装置を停止させることになるため、共振によるエンジン振動の増加を抑制することはできると考えられる。
特開平8−28313号公報
ところで、本発明者らは、種々の実験によって、デコンプ装置等の圧縮圧力低減手段を作動状態から停止状態へと切替える際、特に切替え直前におけるエンジンのクランク軸回りの回転変位量が小さいときに、切替え直後のエンジン振動が大きく増加する場合があることを確認した。
上記従来の技術では、このような圧縮圧力の低減状態から通常状態への切替え時におけるエンジン振動の増加については何ら考慮されておらず、始動時のエンジン振動を十分に抑制できるとは言えなかった。
本発明は、このような従来の課題に着目してなされたものであり、エンジンの良好な始動性を確保しつつ、始動時におけるエンジン振動の増加をより効果的に抑制することを目的とする。
このため、本発明に係るエンジンの始動装置は、始動時にモータによりエンジンをクランキングするとともに圧縮圧力低減手段を作動して前記エンジンの圧縮圧力を低減する構成において、前記エンジンのクランク軸回りの回転変位量を検出し、回転変位量が小さいときほど前記圧縮圧力低減手段の作動を停止させる停止エンジン回転数を高くするようにした。
圧縮圧力低減手段の動作切替え(作動→停止)直後のトルク変動と、これに伴うエンジンマウント系の復元力と、によってエンジン振動が大きく増加する場合がある。本発明によれば、エンジンのクランク軸回りの回転変位量に応じて圧縮圧力低減手段の作動を停止する停止エンジン回転数を変更するので、エンジンマウント系の復元力が急激に増加することが防止され、圧縮圧力低減手段の作動停止に伴ってエンジン振動が大きく増加することを効果的に抑制することができる。
以下、本発明の実施形態を図に基づいて説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係るハイブリッド車両のシステム構成を示している。
図1に示すように、本実施形態に係るハイブリッド車両は、いわゆる1モータ方式のハイブリッドシステムを搭載しており、エンジン(EGN)1、このエンジン1にクラッチCL1を介して接続されるモータジェネレータ(M/G)2、このモータジェネレータ2にクラッチCL2を介して接続されるトランスミッション(T/M)3、インバータ(INV)4を介してモータジェネレータ2に電気的に接続されるバッテリ(BAT)5、エンジン1の動作を制御するエンジンコントローラ(ECU)6、モータジェネレータ2の動作を制御するモータコントローラ(MC)7、および、ハイブリッドシステム全体を統合制御するハイブリッドコントローラ(HCM)8を含んで構成され、エンジン1およびモータジェネレータ2の少なくとも一方の動力がトランスミッション(T/M)3を介して車輪駆動軸に伝達される。
本実施形態において、エンジン1はディーゼルエンジンである。
モータジェネレータ2は、エンジン1の動力によって発電してバッテリ5に発電電力を供給する一方、バッテリ5から供給される電力によって作動してエンジン1を回転駆動する。また、モータジェネレータ2は、エンジン始動時にエンジン1をクランキングする。
図2は、エンジン1の概略構成を示している。
エンジン1の吸気系は、吸気上流側から見て、大気中に含まれるゴミ等を除去するエアクリーナ11、吸気管12、該吸気管12内に配設されて吸入空気量を調整する吸気絞り弁13、コレクタ14、吸気マニホールド15、吸気ポート16および吸気バルブ17を含んで構成される。この吸気系を介して各気筒の燃焼室18に空気が吸入される。吸気バルブ17は、吸気カム軸19に設けた吸気カム20によって開閉される。
吸気バルブ17には、可変バルブ機構21およびデコンプ装置22が設けられている。
可変バルブ機構21は、吸気バルブ16の開閉タイミングを可変する。可変バルブ機構21は、吸気カム19の位相を変化させてバルブ作動角一定のままバルブ中心角を変化させるもの、異なるプロフィールを有する複数のカムを切替えてバルブ作動角およびバルブリフト量を変化させるもの、または、バルブ作動角を変化させるもの、のいずれであってもよい。
デコンプ装置22は、エンジン始動時(特に、始動初期)に作動して吸気バルブ17を開放状態とすることで筒内圧(圧縮圧力)を低減する。なお、ここでは、デコンプ装置22を吸気バルブ17側に設けているが、排気バルブ31側に設けてもよい。
一方、エンジン1の排気系は、排気上流側から見て、排気バルブ31、排気ポート32、排気マニホールド33、排気管(図示省略)および該排気管内に配設された排気浄化触媒(図示省略)を含んで構成される。燃焼室18内の燃焼排気はこの排気系を経て排出される。排気バルブ31は、排気カム軸34に設けた排気カム35によって開閉される。また、この排気系では、EGR弁36が介装されたEGR通路37を介して、排気マニホールド33から吸気マニホールド14へと排気の一部が還流されるように構成されている。
エンジン1の燃料供給系は、いわゆるコモンレール式燃料噴射装置により構成されており、燃料タンク41、燃料ポンプ42、コモンレール43および各気筒に設けられる燃料噴射弁44を含む。
燃料ポンプ42は、排気カム軸31の一端に設けられたポンプ駆動カム(図示省略)によって駆動され、燃料タンク41から燃料供給通路45を介して供給された燃料を加圧してコモンレール43へと供給する。コモンレール43は、供給された高圧燃料を蓄える。各燃料噴射弁44は、コモンレール43に接続され、該コモンレール43内に蓄えられた高圧燃料を導いて各燃焼室18内に噴射する。燃料噴射は、各気筒の圧縮行程に行われ、圧縮着火により燃焼する。また、この燃料供給系では、燃料ポンプ42から余分に吐出された燃料(余剰燃料)を燃料タンク41へと戻すリターン通路46と、このリターン通路46を開閉する通路開閉弁47が設けられている。
図3は、本実施形態に係るハイブリッド車両の制御ブロック図である。
図3に示すように、HCM8は、各種センサ類から入力される信号に基づいて所定の演算処理を行い、ECM6、MC7、クラッチCL1,CL2、インバータ4およびバッテリ5に所定の制御信号を出力する。
前記各種センサ類としては、エンジン回転数NEを検出する回転センサ51、エンジン1本体の停止状態に対するクランク軸回りの回転変位量(以下、「ロール変位量」という)RAを検出する回転変位センサ52、バッテリ5の充電状態(SOC)を検出するバッテリセンサ53、エンジン1の冷却水温度(TW)を検出する水温センサ54、大気温(TA)を検出する大気温センサ55、エンジン1の潤滑油温度(TO)を検出する油温センサ56、大気圧(PA)を検出する大気圧センサ57、車両の走行距離(TM)を検出する走行メータ58などがある。但し、そのすべてをセンサ類によって検出する必要はなく、演算等により求めた値(推定値等)でもよい。
一方、HCM8から出力される制御信号としては、ECM6に対する目標エンジントルク、始動許可信号および圧縮圧力低減許可/停止信号、MC7に対する制御切替信号(トルク制御/回転数制御)および目標モータトルク(目標モータ回転数)信号、クラッチCL1,CL2に対するクラッチ制御信号(締結状態制御信号)、インバータ4およびバッテリ5に対する電力供給制御信号などがある。
そして、HCM8は、特にエンジン始動時においては、ECM6、MC7等に所定の制御信号を出力し、モータジェネレータ2によりエンジン1をクランキングするとともにデコンプ装置22を作動させてエンジン1の圧縮圧力を低減する始動制御を実行することによって、良好な始動性を確保するようにしている。
ところで、エンジン回転数NEがある程度上昇したらデコンプ装置22の作動を停止させる必要がある。デコンプ装置22の作動を停止させると、エンジン1の圧縮圧力は低減されていた状態から通常の状態へと戻るためトルク変動が生じることになる。このトルク変動はエンジン振動を増加させるおそれがあることから、始動時におけるエンジン振動を抑制するためには、デコンプ装置22の作動をいつ停止させるかということは非常に重要であると考えられる。
本実施形態では、以下の点を考慮してデコンプ装置22の作動を停止させることで、良好な始動性を確保しつつ、エンジン振動の増加を抑制する。
まず、デコンプ装置22の作動を停止させる停止エンジン回転数NEOFFをエンジン1が共振する共振回転数(領域)よりも大きな値とする。これは、共振によるエンジン振動の増加を防止するためである。
次に、デコンプ装置22の作動を停止させる直前における、エンジン1のロール変位量RAに応じて、停止エンジン回転数NEOFFを可変設定する。これは、既述したように、本発明者らの実験により、デコンプ装置の作動を停止する直前のロール変位量が小さいほど、停止直後にエンジン振動が大きく増加する場合が多いことが確認されたことに基づくものである。
図4は、デコンプ装置22の動作切替え時(作動→停止)における各種状態量の変化を示している。図4に示すように、停止エンジン回転数NEOFF(>共振回転数)を一定とした場合、デコンプ装置22の作動停止時(直前)のロール変位量RAが小さいときに(図4中のA)、大きいとき(同B)に比べて、デコンプ装置22に作動停止直後にエンジン振動が増加する場合がある。これは、デコンプ装置22の作動停止に伴うトルク変動に対するエンジンマウントの復元力が影響し、直前のロール変位量RAが小さいほど、デコンプ装置22の作動停止直後の復元力が大きくなるためであると考えられる。
そこで、本実施形態では、デコンプ装置22の作動を停止する前に、エンジン1のロール変位量RAを検出し、検出されたロール変位量RAに基づいて停止エンジン回転数NEOFFを設定することで、デコンプ装置22の作動停止直後のエンジン始動の増加を抑制するようにしている。
以下、エンジン始動時のHCM8の動作についてフローチャートにより説明する。
図5は、HCM8によって実行されるエンジン始動制御ルーチン(第1実施形態)のフローチャートである。図5において、S1では、エンジン1の始動要求があるか否かを判定する。そして、始動要求があればS2に進む。ここで、エンジン1の始動要求があるときには、例えば、イグニッションキーが「オフ」から「オン」されたときやHCM8によって演算される目標エンジントルクが「0」から「0よりも大きな値」となったときが該当する。なお、目標エンジントルクが0よりも大きな値に演算される場合には、例えば、モータジェネレータ2のみによって走行しているときに更に大きな加速力が必要となったとき、モータジェネレータ2のみによって走行しているときバッテリ5の充電状態(SOC)が所定値以下となったとき、または、アイドルストップ制御中にその解除条件が成立したときなどがある。
S2では、ECM6に圧縮圧力許可信号を出力し、デコンプ装置22を作動させる(デコンプ装置22をONする)。これにより、圧縮行程においても吸気バルブ17が僅かに開かれ、筒内の空気を吸気側に逃がすこととなり、圧縮圧力が低減される。なお、エンジン始動要求があったときにデコンプ装置22を作動させることに代えて、エンジン1を停止させるときにあらかじめデコンプ装置22を作動させておくようにしてもよい。この場合には、デコンプ装置22が作動しているか否かを判定し、作動していないときにデコンプ装置22を作動させる。
S3では、MC7にトルク制御信号および目標モータトルクを出力し、モータジェネレータ2によるエンジン1のクランキングを実行する。すなわち、HCM8は、エンジン1をクランキングするための目標クランキングトルクを算出(設定)し、この目標クランキングトルクを目標モータトルクとしてMC7に出力する。また、インバータ4およびバッテリ5の電力供給制御信号を出力し、モータジェネレータ2が目標クランキングトルクを実現するための電力をバッテリ5からモータジェネレータ2に供給する。
S4では、回転センサ51により検出されたエンジン回転数NEを読込み、この読込んだエンジン回転数NEがあらかじめ設定された所定回転数NES以上となったか否かを判定する。そして、エンジン回転数NEが所定回転数NES以上となっていればS5に進む。ここで、前記所定回転数NESは、エンジン1が共振する共振回転数(領域)よりも高い値に設定されており、これにより、エンジン回転数(NE)がエンジン1の共振回数数領域を通過したか否かが判定される。
S5では、回転変位センサ52により検出されたロール変位量RAを読込み、この読込んだロール変位量RAに基づき、あらかじめ設定されたテーブル(図6)を参照してデコンプ装置22の作動を停止させる停止エンジン回転数NEOFF(>NES)を設定する。この停止エンジン回転数NEOFFは、図6に示すように、検出された回転変位量RAが小さいほど高く設定される。
S6では、回転センサ51により検出されたエンジン回転数NEを再度読込み、この読込んだエンジン回転数NEが停止エンジン回転数NEOFFとなったか否かを判定する。そして、エンジン回転数NEが停止エンジン回転数NEOFFとなるとS7に進む。
S7では、ECM6に圧縮圧力低減停止信号を出力し、デコンプ装置22の作動を停止させる(デコンプ装置22をOFFする)。
本実施形態において、モータジェネレータ2が本発明の「モータ」に相当し、デコンプ装置22が本発明の「圧縮圧力低減手段」に相当し、回転変位センサ52が本発明の「回転変位量検出手段」に相当し、図5に示すフローチャートのS5の処理が本発明の「停止エンジン回転数変更手段」としての機能に相当する。
本実施形態によれば、エンジン始動時に、モータジェネレータ2によりクランキングを行なうとともにデコンプ装置22を作動して圧縮圧力を低減する構成において、デコンプ装置22の作動を停止させる停止エンジン回転数NEOFFをエンジン1が共振する共振回転数よりも大きく設定する。これにより、エンジン回転数NEが共振回転数領域内にあるときはデコンプ装置22が作動していることとなり、始動時におけるエンジン振動を抑制できる。また、デコンプ装置22の作動停止直後にエンジン1が共振してエンジン振動が増大することも防止される。
また、本実施形態によれば、エンジン1のロール変位量RAを検出し、検出されたロール変位量RAが小さいほど、デコンプ装置22の作動を停止させる停止エンジン回転数NEOFFを高く設定する。これにより、デコンプ装置22の停止直後にエンジンマウントの復元力が急激に増加することが防止され、エンジン振動の増加を抑制できる。また、エンジン振動が大きく増加するおそれがあるときに停止エンジン回転数NEOFFをエンジン1の共振回転数(領域)からより遠ざけることにもなり、エンジン振動の増加を効果的に抑制できる。
なお、本実施形態では、回転変位センサ52によって検出されたロール変位量RAに基づいて停止エンジン回転数NEOFFを設定するようにしているが、これに限るものではない。例えば、エンジン回転数NEおよびロール変位量RAをモニタし、エンジン回転数NEが所定回転数NES以上、かつ、ロール変位量が予め設定された基準ロール変位量RAS以上であるときに、デコンプ装置22の作動を停止させるようにしてもよく、このようなものも本発明に含まれる。また、例えば、ロール変位量RAが所定値以下の場合に第1停止エンジン回転数NEOFF1を設定し、ロール変位量RAが前記所定値を超えている場合に第2停止エンジン回転数NEOFF2(<NEOFF1)を設定する、というように、ロール変位量RAに応じて停止エンジン回転数を段階的に切替えるようにしてもよい。
また、本実施形態では、ロール変位量RAを検出するために回転変位センサ52を設けているが、ロール変位量RAに代えて、エンジン回転数の上昇率に応じて停止エンジン回転数NEOFFを変更するようにしてもよい。図7に示すように、ロール変位量RAとエンジン回転数の上昇率とは相関することが確認されているからである。このようにすれば、回転変位センサ52を設ける必要がないのでコスト面で有利である。なお、エンジン回転数の上昇率は、読込んだエンジン回転数NEと前回値NE(-1)との差分から算出したり、エンジン回転数NEが所定回転数NES以上となるまでの時間を計測して算出(検出)したりすることが考えられる。
次に、本発明の他の実施形態を説明する。
この実施形態(第2実施形態)では、エンジン回転数の上昇率を予測し、このエンジン回転数の上昇率予測値に基づいて停止エンジン回転数NEOFFを変更する。
図8は、第2実施形態に係るエンジン始動制御ルーチンのフローチャートである。
図8において、S11では、図5のS1と同様、エンジン1の始動要求があるか否かを判定する。始動要求があればS12に進む。
S12では、バッテリセンサ53により検出されたバッテリ充電状態(SOC)、水温センサ54により検出された冷却水温度(TW)などの車両の状態情報を読込む。
S13では、エンジン1をクランキングするための目標クランキングトルクを算出(設定)する。
S14では、クランキングトルクおよびエンジン1のフリクショントルクを予測する。本実施形態では、読込んだバッテリ充電状態(SOC)および目標クランキングトルク(モータジェネレータ2の駆動条件に相当する)に基づいて、あらかじめ設定されたマップ(図9)を参照してクランキングトルク予測値を算出する。なお、バッテリ充電状態(SOC)を考慮するのは、バッテリ5の充電量が少ない場合には所望のトルク(目標クランキングトルク)を得られないおそれがあるからである。また、読込んだ冷却水温度(TW)に基づいて、あらかじめ設定されたテーブル(図10)を参照してフリクショントルク予測値を算出する。
S15では、算出されたクランキングトルク予測値およびフリクショントルク予測値に基づいて、あらかじめ設定されたマップ(図11)を参照してエンジン回転数の上昇率予測値を算出する。
S16では、S15で算出されたエンジン回転数の上昇率予測値に基づいて、あらかじめ設定されたテーブル(図12)を参照して停止エンジン回転数NEOFFを設定する。ここで、停止エンジン回転数NEOFFは、エンジン1が共振する共振回転数よりも高い値に設定される。
S17では、図5のS1と同様、ECM6に圧縮圧力許可信号を出力し、デコンプ装置22を作動させる(デコンプ装置22をONする)。
S18では、図5のS3と同様、MC7にトルク制御信号およびS13で算出(設定)された目標クランキングトルクを出力し、モータジェネレータ2によるエンジン1のクランキングを実行する。
S19では、回転センサ51により検出されたエンジン回転数NEを読込み、この読込んだエンジン回転数NEが停止エンジン回転数NEOFFとなったか否かを判定する。そして、エンジン回転数NEが停止エンジン回転数NEOFFとなるとS20に進む。
S20では、S7では、ECM6に圧縮圧力低減停止信号を出力し、デコンプ装置22の作動を停止させる(デコンプ装置22をOFFする)。
本実施形態において、図8に示すフローチャートのS12〜S15の処理が本発明の「回転変位量検出手段」としての機能に相当し、同S16の処理が本発明の「停止エンジン回転数変更手段」としての機能に相当する。
本実施形態によれば、エンジン1の始動要求が発生したときに、検出された車両の状態情報に基づいてエンジン回転数の上昇率を予測し、この予測結果に基づいてデコンプ装置22を停止させる停止エンジン回転数NEOFFを設定する。これにより、回転変位センサ52を削除することができるので、その分のコストおよび制御負荷を軽減しつつ、前記第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
なお、本実施形態では、車両の状態情報としてのバッテリ充電状態(SOC)およびモータジェネレータ2の駆動条件としての目標クランキングトルクに基づいて、クランキングトルク予測値を算出しているが(図8のS14)、モータジェネレータ2の駆動条件として、HCM8による駆動トルク分配制御によるクランキングトルク不足やモータでジェネレータ2の過熱等によるクランキングトルク不足を考慮するようにしてもよい。
また、車両の状態情報としての冷却水温度(TW)に基づいてエンジン1のフリクショントルク予測値を算出しているが(図8のS14)、冷却水温度(TW)に代えて、図13に示すように、潤滑油温度(TO)や大気温(TA)に基づいてフリクショントルク予測値を算出してもよいし、図14に示すように、大気圧(PA)や有効圧縮比に基づいてフリクショントルク予測値を算出してもよい。もちろん、これらを適宜組み合わせてフリクショントルク予測値を算出してもよい。さらに、摩耗等によるフリクショントルクの低下を考慮し、算出されたフリクショントルク予測値を車両の総走行距離(TM)に応じて減少させるようにしてもよい。
さらに、以上の説明(第1、第2実施形態)では、デコンプ装置22を作動させることによってエンジン1の圧縮圧力を低減しているが、デコンプ装置22に代えて、他の方法によってエンジン1の圧縮圧力を低減するようにしてもよい。以下にいくつか例を挙げて簡単に説明する。
まず、エンジン始動時に可変バルブ機構21を制御し、または、エンジン停止時に可変バルブ機構21を制御しておき、図15に示すように、始動時における吸気バルブ17の開閉特性(特に閉時期)を変更することで吸気量を調整(制限)して、圧縮圧力を低減する。ここで、図15において、実線は基準のバルブ特性を、破線はバルブ中心角を変更した例を、一点鎖線はカムを切り替えた(バルブ作動角及びバルブリフト量を変更した)例を、二点鎖線はバルブ作動角を変更した例を示している。この場合、可変バルブ機構21が本発明の「圧縮圧力低減手段」に相当することになる。
次に、図16に示すように、始動時の所定期間、吸気絞り弁13を「閉」とすることで吸気量を制限して、圧縮圧力を低減する。この場合、吸気絞り弁13が本発明の「圧縮圧力低減手段」に相当することになる。
また、図17に示すように、吸気系に吸気遮断弁51を設け、始動時の所定期間、吸気遮断弁51を「閉」とするか、あるいは、図18に示すように、吸気行程中に吸気遮断弁51を「閉」として吸気量を制限して、圧縮圧力を低減する。より好ましくは、1サイクル中で筒内圧力の変動がなくなるように、吸気遮断弁61の「閉」時期を調整する。この場合、吸気遮断弁61が本発明の「圧縮圧力低減手段」に相当することになる。
さらにまた、以上の説明(第1、第2実施形態)では、1モータ方式のハイブリッドシステムを搭載したハイブリッド車両を対象としているが、これに限るものではない。本発明は、図19に示すスタータモータ(ST/M)52を備えたエンジンを搭載したエンジン車両や図20に示す2モータ方式のハイブリッドシステムを搭載したハイブリッド車両にも適用可能である。なお、図20に示すハイブリッド車両においては、例えば、第1モータジェネレータ(M/G1)2aを車両駆動用、第2モータジェネレータ(M/G2)2bをエンジン始動用とし、この第2モータジェネレータ2bによってエンジン1をクランキングすればよい。
本発明の一実施形態に係るハイブリッド車両のシステム構成図である。 上記ハイブリッド車両におけるエンジンの概略構成を示す図である。 上記ハイブリッド車両の制御ブロック図である。 デコンプ装置の動作切替え時における各種状態量の変化を示す図である。 第1実施形態に係るエンジン始動制御ルーチンのフローチャートである。 停止エンジン回転数を設定するテーブル例を示す図である。 エンジン回転数の上昇率とロール変位量との関係を示す図である。 第1実施形態に係るエンジン始動制御ルーチンのフローチャートである。 クランクキングトルク予測値を算出するマップ例を示す図である。 フリクショントルク予測値を算出するテーブル例を示す図である。 エンジン回転数の上昇率予測値を算出するマップ例を示す図である。 停止エンジン回転数を設定するテーブル例を示す図である。 フリクショントルク予測値を算出する他のテーブル例を示す図である。 フリクショントルク予測値を算出する他のテーブル例を示す図である。 可変バルブ機構により圧縮圧力を低減させる場合の説明図である。 吸気絞り弁により圧縮圧力を低減させる場合の説明図である。 吸気遮断弁により圧縮圧力を低減させる場合の説明図である。 吸気遮断弁により圧縮圧力を低減させる場合の説明図である。 本発明を適用可能なエンジン車両のシステム構成図である。 本発明を適用可能な2モータ方式のハイブリッド車両のシステム構成図である。
符号の説明
1…エンジン(ENG)、2…モータジェネレータ(M/G)、4…インバータ(INV)、5…バッテリ(BAT)、6…エンジンコントローラ(ECM)、7…モータコントローラ(MC)、8…ハイブリッドコントローラ(HCM)、13…吸気絞り弁、17…吸気バルブ、21…可変バルブ機構、22…デコンプ装置、51…回転センサ、52…回転変位センサ、53…バッテリセンサ、54…水温センサ、55…大気温センサ、56…油温センサ、57…大気圧センサ、58…走行メータ、61…吸気遮断弁

Claims (7)

  1. 始動時にエンジンをクランキングするモータと、
    始動時に作動して前記エンジンの圧縮圧力を低減する圧縮圧力低減手段と、
    前記エンジンのクランク軸回りの回転変位量を検出する回転変位量検出手段と、
    記回転変位量が小さいときほど、前記圧縮圧力低減手段の作動を停止させる停止エンジン回転数を高くする停止エンジン回転数変更手段と、
    を備えることを特徴とするエンジンの始動装置。
  2. 始動時にエンジンをクランキングするモータと、
    始動時に作動して前記エンジンの圧縮圧力を低減する圧縮圧力低減手段と、
    前記エンジンのクランク軸回りの回転変位量と相関のあるパラメータとしてエンジン回転数の上昇率を算出するエンジン回転数上昇率算出手段と、
    前記エンジン回転数の上昇率が小さいときほど、前記圧縮圧力低減手段の作動を停止させる停止エンジン回転数を高くする停止エンジン回転数変更手段と、
    を備えることを特徴とするエンジンの始動装置。
  3. 前記エンジン回転数上昇率算出手段は、前記エンジンの始動要求が発生すると、車両の状態情報に基づいて前記エンジン回転数の上昇率を予測する、
    ことを特徴とする請求項2記載のエンジンの始動装置。
  4. 前記エンジン回転数上昇率算出手段は、前記車両の状態情報に基づいて前記モータのクランキングトルクおよび前記エンジンのフリクショントルクを予測し、予測されたクランキングトルクおよびフリクショントルクに基づいて前記エンジン回転数の上昇率の予測値を算出する、
    ことを特徴とする請求項3記載のエンジンの始動装置。
  5. 前記モータに電力を供給するバッテリの充電状態を検出する充電状態検出手段を備え、
    前記エンジン回転数上昇率算出手段は、前記モータの駆動条件および前記バッテリの充電状態に基づいて前記クランキングトルクを予測する、
    ことを特徴とする請求項記載のエンジンの始動装置。
  6. 前記エンジン回転数上昇率算出手段は、冷却水温度、潤滑油温度、大気圧及び有効圧縮比の少なくとも1つに基づいて前記フリクショントルクを予測する、
    ことを特徴とする請求項4または請求項5記載のエンジンの始動装置。
  7. 前記停止エンジン回転数は、前記エンジンが共振する共振周波数よりも高い、
    ことを特徴とする請求項1から請求項6までのいずれか1つに記載のエンジンの始動装置。
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