JP2010137596A - ハイブリッド車両の制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】ハイブリッド車両におけるベーパの発生を効果的に低減する。
【解決手段】ハイブリッド車両の制御装置は、内燃機関(200)の動力及び電動機(MG1,MG2)の動力により走行することが可能なハイブリッド車両(10)を制御する。ハイブリッド車両の制御装置は、内燃機関が、内燃機関の温度が所定温度より高くなる高負荷運転を行った後に停止された高温停止状態であることを検出する検出手段(800)と、内燃機関が高温停止状態であることが検出された場合に、燃料供給管(216)における燃圧が蒸気圧以下とならないように、電動機を制御して内燃機関のモータリングを行うモータリング制御手段(100)と、モータリングを行うことによって電動機が消費する第1電力を、高負荷運転中に充電するようにバッテリ(500)を制御するバッテリ制御手段(100)とを備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、動力源として内燃機関及び電動機を有するハイブリッド車両を制御するハイブリッド車両の制御装置の技術分野に関する。
この種の制御装置として、高負荷運転等によって高温となった内燃機関が、停止後に冷やされることによって発生するベーパ(即ち、蒸気)を、燃圧を高めることによって低減するものが提案されている(例えば、特許文献1から3参照)。
他方で、内燃機関に加えて電動機を動力源として有するハイブリッド車両において、内燃機関を電動機によってモータリングすることで、始動時の燃圧を高め、始動性を向上させるというものが提案されている(例えば、特許文献4参照)。
特開昭58−148263号公報 特開平3−134260号公報 特開平4−112960号公報 特開2005−155337号公報
しかしながら、上述した燃圧を高めることでベーパの発生を低減するという技術に対して、モータリングで燃圧を高めるという技術を適用しようとする場合、電動機において、通常は消費されないはずの電力が消費されることになる。即ち、モータリングを行う分、電動機における消費電力が増加してしまう。
モータリングの際に電動機で消費される電力は、例えば走行時の発電によって充電されたバッテリから供給される。よって、モータリングを行うことでバッテリの充電量は減少し、内燃機関の始動時や走行時に使用される電力が不足してしまうおそれがある。即ち、上述した技術には、バッテリにおける充電量を確保しつつ、ベーパの発生を低減するということが、実質的に極めて困難であるという技術的問題点がある。
本発明は、例えば上述した問題点に鑑みなされたものであり、ハイブリッド車両におけるベーパの発生を効果的に低減することが可能なハイブリッド車両の制御装置を提供することを課題とする。
本発明のハイブリッド車両の制御装置は上記課題を解決するために、燃料供給管を介して供給される燃料によって運転される内燃機関の動力及びバッテリから供給される電力によって運転される電動機の動力により走行することが可能なハイブリッド車両の制御装置であって、前記内燃機関が、該内燃機関の温度が所定温度より高くなる高負荷運転を行った後に停止された高温停止状態であることを検出する検出手段と、前記内燃機関が前記高温停止状態であることが検出された場合に、前記燃料供給管における燃圧が蒸気圧以下とならないように、前記電動機を制御して前記内燃機関のモータリングを行うモータリング制御手段と、前記モータリングを行うことによって前記電動機が消費する第1電力を、前記高負荷運転中に充電するように前記バッテリを制御するバッテリ制御手段とを備える。
本発明に係るハイブリッド車両とは、内燃機関及び電動機から出力される動力によって走行可能な車両を包括する概念であり、好適には、内燃機関の動力のみにより走行することも、電動機の動力のみにより走行することも、或いは内燃機関及び電動機双方の動力により走行することも可能な、シリーズ型及びパラレル型のいずれも包含した意味でのハイブリッドシステムを有する車両を指す。また、この際、内燃機関及び電動機相互間の動力配分は、例えばハイブリッドシステム全体における燃費が理論的に又は実質的に最小となるように、或いは効率が理論的に又は実質的に最大となるように相互に協調的に制御される。
本発明のハイブリッド車両における「内燃機関」とは、例えば複数の気筒を有し、当該複数の気筒の各々における燃焼室において燃料が燃焼した際に発生する爆発力たる動力を、ピストン及びコネクティングロッド等の機械的な伝達経路を経て、クランク軸等の出力軸を介して動力として出力可能な機関を包括する概念であり、例えば2サイクル或いは4サイクルレシプロエンジン等を指す。また、「電動機」は、例えばモータやモータジェネレータ等として構成されており、バッテリから供給される電力によって、上述した内燃機関同様に、ハイブリッド車両の動力を出力する。尚、電動機は、バッテリから供給される電力以外にも、所謂回生と称される発電態様によって得られる電力等によって駆動されてもよい。
本発明のハイブリッド車両の制御装置によれば、その動作時には、例えば温度センサや各種処理ユニット等を含んでなる検出手段によって、内燃機関の温度が所定温度より高くなる高負荷運転を行った後に停止された高温停止状態であることが検出される。ここでの「所定温度」は、内燃機関の停止後における温度の低下によって、燃料供給管でベーパが発生してしまうような温度であり、予め実験的に或いは理論的に設定されていてもよいし、内燃機関における各種パラメータを用いてリアルタイムで算出して設定するようにしてもよい。尚、所定温度は、ある程度のマージンを加味して設定されても構わない。また、「高負荷運転」とは、内燃機関の温度が所定の温度より高くなってしまうような運転を包括する概念であり、単に内燃機関が負荷の高い状態で運転される状態のみを指すものではない。
本発明では、内燃機関が高温停止状態であることが検出された場合に、燃料供給管における燃圧(即ち、燃料の圧力)が蒸気圧以下とならないように、電動機による内燃機関のモータリングを行う。尚、本発明に係る「モータリング」とは、内燃機関での燃焼を伴うことなく、燃料供給管における燃圧を高めるような動作を意味しており、典型的には、内燃機関に燃料を供給する電動ポンプが、電動機を動力として駆動されることで行われる。
上述したモータリングによれば、内燃機関が停止している場合であっても、燃圧を高めることができる。このため、高負荷運転によって所定温度より高くなった内燃機関の温度が、該内燃機関の停止によって徐々に低下していくような場合であっても、燃圧を蒸気圧以下とならないように維持することができる。よって、燃圧が蒸気圧を下回ってしまうことによるベーパの発生を低減することができる。従って、ベーパが発生することに起因する内燃機関の始動不良等を効果的に防止することが可能となる。
また本発明では特に、バッテリ制御手段によってバッテリが制御されることで、モータリングを行うことによって電動機が消費する第1電力が、高負荷運転中に充電される。即ち、モータリングの際に消費される電力が、内燃機関の運転中に予めバッテリに充電される。より具体的には、バッテリ制御手段は、例えば高負荷運転中に内燃機関の温度が所定温度を超えた時点で、モータリングによって消費される第1電力の充電を開始するようにバッテリを制御する。これにより、モータリングを行うことでバッテリの充電量が減少し、内燃機関の始動時や走行時等に使用される電力が不足してしまうことを防止することができる。即ち、モータリングを行うことによって、その後のハイブリッド車両の制御に支障が出てしまうことを防止することができる。
尚、モータリングの際に消費される第1電力の値は、予め設定されていてもよいし、高負荷運転中における、内燃機関の回転数、負荷、温度及び燃料供給管における燃圧等の各種情報を用いてリアルタイムで算出されてもよい。
以上説明したように、本発明のハイブリッド車両の制御装置によれば、バッテリにおける十分な充電量を確保しつつ、ベーパの発生を効果的に低減することが可能である。
本発明のハイブリッド車両の制御装置の一態様では、前記バッテリ制御手段は、前記第1電力に代えて、前記第1電力及び前記モータリングを行った後の前記電動機の動作に基づいて設定された第2電力の和から、前記バッテリに充電済みの電力である第3電力を差し引いた第4電力を、前記高負荷運転中に充電するように前記バッテリを制御する。
この態様によれば、バッテリ制御手段によってバッテリが制御されることにより、第1電力に代えて、第1電力及び第2電力の和から、バッテリに充電済みの電力である第3電力を差し引いた第4電力が、高負荷運転中に充電される。尚、第2電力は、モータリングを行った後の電動機の動作に基づいて設定された電力であり、具体的には、例えば極低温時に内燃機関をする場合や、内燃機関の故障に対する退避走行を行う場合に電動機で消費される電力である。即ち、第2電力は、モータリングを行った後に、電動機で消費され得る可能性のある電力を意味している。
本態様では、第1電力及び第2電力の和から、第3電力を差し引いた第4電力がバッテリに充電されるため、モータリングを行った後であっても、バッテリには第2電力が残った状態となる。よって、モータリングを行うことでバッテリの充電量が減少し、その後のハイブリッド車両の制御に支障が出てしまうことを防止することができる。更に、過度の充電を防止することにより、内燃機関における燃費(即ち、燃料消費率)の悪化を防止することが可能である。
本発明のハイブリッド車両の制御装置の他の態様では、前記内燃機関は、気筒と、該気筒に前記燃料を噴射する第1噴射手段と、前記気筒に吸気を行う吸気ポートに前記燃料を噴射する第2噴射手段とを有しており、前記高温停止状態において、前記モータリングを行うための電力が前記バッテリに充電されていない場合に、前記モータリングを行わないように前記モータリング制御手段を制御するモータリング停止手段と、前記モータリング停止手段によって前記モータリング制御手段が制御された場合に、前記第2噴射手段から前記燃料を噴射することで、前記内燃機関を再始動するように制御する再始動制御手段とを更に備える。
この態様によれば、内燃機関には、気筒と、気筒に燃料を噴射する第1噴射手段と、気筒に吸気を行う吸気ポートに燃料を噴射する第2噴射手段とが有されている。即ち、本態様に係るハイブリッド車両に搭載される内燃機関は、所謂直噴及びポート噴射の両方で燃料を供給できるタイプの内燃機関である。
本態様では特に、高温停止状態において、モータリングを行うための電力がバッテリに充電されていない場合に、モータリング停止手段によって、モータリングを行わないようにモータリング制御手段が制御される。尚、本態様に係る「モータリングを行うための電力」とは、モータリングを行う際に電動機で消費される電力を意味する他、モータリングを行うことによって、その後のハイブリッド車両の制御に支障が出てしまうおそれのある電力をも含む概念である。
モータリング停止手段は、具体的には、例えばバッテリ制御手段によるバッテリの充電制御が行われたにもかかわらず充電が不十分となってしまった場合や、充電した後からモータリングの開始までに何らかの原因で電力が消費されてしまった場合等に、モータリングを行わないようにモータリング制御手段を制御する。よって、モータリングを行うための電力が不足しているにもかかわらず、モータリングが行われてしまうよって、その後のハイブリッド車両の制御に支障が出てしまうことを防止することができる。
本態様では更に、モータリング停止手段によってモータリングが停止された場合、第2噴射手段から燃料を噴射することで、内燃機関が再始動される。即ち、高温停止状態となった内燃機関が再始動される際には、第1噴射手段ではなく、第2噴射手段が用いられる。
第1噴射手段及び第2噴射手段の両方を備える内燃機関においては、第2噴射手段側と比べて、第1噴射手段側におけるベーパの発生を低減させることが極めて困難である。よって、第1噴射手段ではなく、第2噴射手段で内燃機関を再始動するように制御することで、内燃機関の始動性を高めることが可能である。尚、このような制御は、典型的には、燃圧が蒸気圧以下になる程、内燃機関の温度が低下していない(即ち、内燃機関が停止してから比較的短い期間しか経過してしない)場合に行われる。
本発明の作用及び他の利得は次に説明する発明を実施するための最良の形態から明らかにされる。
以下では、本発明の実施形態について図を参照しつつ説明する。
<第1実施形態>
先ず、第1実施形態に係るハイブリッド車両の制御装置の構成を、制御されるハイブリッド車両の構成と共に、図1を参照して説明する。ここに図1は、第1実施形態に係るハイブリッド車両の基本構成を概念的に表す概略構成図である。
図1において、本実施形態に係るハイブリッド車両10は、車軸11、車輪12、ECU100、エンジン200、モータジェネレータMG1(以下、適宜「MG1」と称する)、モータジェネレータMG2(以下、適宜「MG2」と称する)、動力分割機構300、インバータ400、バッテリ500、SOC(State Of Charge)センサ510、リダクション機構600、高負荷運転センサ700及び高温停止状態センサ800を備えて構成されている。
車軸11は、エンジン200及びモータジェネレータMG2から出力された動力を車輪に伝達するための伝達軸である。
車輪12は、車軸11を介して伝達される動力を路面に伝達する手段であり、図1においては左右一輪ずつが示されるが、実際には、前後左右に一輪ずつ備わりハイブリッド車両10全体で計4個備わっている。
ECU100は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)及びRAM(Random Access Memory)等を備え、ハイブリッド車両10の動作全体を制御することが可能に構成された電子制御ユニットである。
エンジン200は、本発明に係る「内燃機関」の一例たるガソリンエンジンであり、ハイブリッド車両10の主たる動力源として機能する。尚、エンジン200の詳細な構成については後述する。
モータジェネレータMG1及びモータジェネレータMG2は、本発明に係る「電動機」の一例であり、エンジン200の駆動力をアシストする電動機として機能するように構成されている。また、モータジェネレータMG1及びモータジェネレータMG2は、バッテリ500を充電するための或いはモータジェネレータMG1及びモータジェネレータMG2間で駆動電力を互いに供給するための発電機として構成されている。加えて本実施形態では特に、モータジェネレータMG1及びモータジェネレータMG2は、後に詳述するエンジン200のモータリングを行うことが可能とされている。
尚、これらモータジェネレータMG1及びモータジェネレータMG2は、例えば同期電動発電機として構成され、外周面に複数個の永久磁石を有するロータと、回転磁界を形成する三相コイルが巻回されたステータとを備える。但し、他の形式のモータジェネレータであっても構わない。
動力分割機構300は、エンジン200の出力をMG1及び車軸11へ分配することが可能に構成された遊星歯車機構である。
インバータ400は、バッテリ500から取り出した直流電力を交流電力に変換してモータジェネレータMG1及びモータジェネレータMG2に供給すると共に、モータジェネレータMG1及びモータジェネレータMG2によって発電された交流電力を直流電力に変換してバッテリ500に供給することが可能に構成されている。尚、インバータ400は、所謂PCU(Power Control Unit)の一部として構成されていてもよい。
バッテリ500はモータジェネレータMG1及びモータジェネレータMG2を力行するための電力に係る電力供給源として機能することが可能に構成された充電可能な蓄電池である。
SOCセンサ510は、バッテリ500の充電状態を表すバッテリ残量を検出することが可能に構成されたセンサである。SOCセンサ510は、ECU100と電気的に接続されており、SOCセンサ510によって検出されたバッテリ500のSOC値は、常にECU100によって把握される構成となっている。
リダクション機構600は、遊星歯車機構及び各種係合装置からなり、MG2が発する動力により回転する後述する出力軸604の回転速度を二段階に変速することが可能に構成された変速機構である。
高負荷運転センサ700は、エンジン200が高負荷運転していることを検出可能に構成されたセンサであり、例えばエンジン200の温度を検出する温度センサ、エンジン200の回転数を検出する回転数センサ及びハイブリッド車両10の車速を検出する車速センサ等を含んで構成されている。高負荷運転センサ700は、ECU100と電気的に接続されており、高負荷運転センサ700で検出された各パラメータの値は夫々、ECU100に伝達される。ECU100は、伝達された各パラメータの値に基づいて、エンジン200が高負荷運転しているか否かを判定する。
高温停止状態センサ800は、本発明に係る「検出手段」の一例であり、エンジン200が、ベーパが発生してしまう程に高温となった状態で停止されていることを検出可能に構成されたセンサである。高温停止状態センサ800は、例えばエンジン200の温度を検出する温度センサ等を含んで構成されており、上述した高負荷運転センサ700等と連動して高温停止状態を検出する。具体的には、例えば高負荷運転センサ700においてエンジン200が高負荷運転であることが検出された後、一定の期間が経過せずにエンジン200が停止された場合は、エンジン200の温度が高い状態で停止されたものと判断し、エンジン200が高温停止状態であることを検出する。
次に、本実施形態に係るハイブリッド車両に搭載されるエンジンの要部構成について、その動作の一部を交えて説明する。ここに、図2は、第1実施形態に係るハイブリッド車両に搭載されるエンジンの模式図である。尚、図2において、図1と重複する箇所には同一の符合を付してその説明を適宜省略するものとする。
エンジン200は、気筒201内において燃焼室に点火プラグ(符号省略)の一部が露出してなる点火装置202による点火動作を介して混合気を燃焼せしめると共に、係る燃焼による爆発力に応じて生じるピストン203の往復運動を、コネクティングロッド204を介してクランクシャフト205の回転運動に変換することが可能に構成されている。また、クランクシャフト205近傍には、クランクシャフト205の回転位置(即ち、クランク角)を検出するクランクポジションセンサ206が設置されている。クランクポジションセンサ206は、ECU100と電気的に接続されており、ECU100は、クランクポジションセンサ206によって検出されたクランク角に基づいて、点火装置202の点火時期等を制御することが可能に構成されている。また、ECU100は、クランクシャフト205の回転位置に基づいてエンジン200の機関回転数Neを算出することが可能に構成されている。以下に、エンジン200の要部構成を、その動作の一部と共に説明する。
気筒201内における燃料の燃焼に際し、外部から吸入された空気は吸気管207を通過し、吸気ポート213において、インジェクタ214から噴射された燃料と混合されて前述の混合気となる。燃料は、燃料タンク215に貯留されており、低圧ポンプ217の作用により、本発明の「燃料供給管」の一例であるデリバリパイプ216を介してインジェクタ214に圧送供給されている。インジェクタ214は、ECU100と電気的に接続されており、この供給される燃料を、ECU100の制御に従って吸気ポート213に噴射することが可能に構成されている。
気筒201内部と吸気管207とは、吸気バルブ218の開閉によって連通状態が制御されている。気筒201内部で燃焼した混合気は排気となり吸気バルブ218の開閉に連動して開閉する排気バルブ219の開弁時に排気ポート220を介して排気管221に導かれる。
吸気管207上には、クリーナ208が配設されており、外部から吸入される空気が浄化される構成となっている。また、クリーナ208の下流側(シリンダ側)には更に、エアフローメータ209が配設されている。エアフローメータ209は、ホットワイヤー式と称される形態を有しており、吸入された空気の質量流量を直接検出することが可能に構成されている。尚、エアフローメータ209は、ECU100と電気的に接続されており、検出された吸入空気の質量流量は、ECU100によって絶えず把握される構成となっている。
吸気管207におけるエアフローメータ209の下流側には、気筒201内部へ吸入される空気に係る吸入空気量を調節するスロットルバルブ210が配設されている。このスロットルバルブ210には、スロットルポジションセンサ212が電気的に接続されており、その開度であるスロットル開度を検出することが可能に構成されている。
スロットバルブモータ211は、ECU100と電気的に接続され、スロットルバルブ210を駆動することが可能に構成されたモータである。ECU100は、アクセルポジションセンサによって検出されるアクセル開度(即ち、アクセルペダルの操作量)に基づいてスロットルバルブモータ211の駆動状態を制御することが可能に構成されており、これによりスロットルバルブ210の開閉状態(即ち、スロットル開度)が制御される構成となっている。
排気管221には、三元触媒223が設置されている。三元触媒223は、エンジン200から排出されるCO(一酸化炭素)、HC(炭化水素)、及びNOx(窒素酸化物)を夫々浄化することが可能な触媒である。また、排気管221における三元触媒223の上流側には、空燃比センサ222が配設されている。空燃比センサ222は、排気ポート220を介して排出される排気ガスから、エンジン200の空燃比を検出することが可能に構成されている。空燃比センサ222は、ECU100と電気的に接続されており、検出された空燃比は、絶えずECU100によって把握される構成となっている。
また、気筒201を収容するシリンダブロックに設置されたウォータージャケットには、エンジン200を冷却するための冷却水の温度を検出するための温度センサ224が配設されている。尚、温度センサ224は、図1における高負荷運転センサ700及び高温停止状態センサ800等に含まれるセンサであり、ECU100と電気的に接続されることで、検出された冷却水温がECU100によって絶えず把握される構成となっている。
次に、本実施形態に係るハイブリッド車両の制御装置の動作について、図3から図6を参照して説明する。ここに図3は、第1実施形態に係るハイブリッド車両の制御装置における動作の流れを示すフローチャートであり、図4は、比較例に係るハイブリッド車両における燃温、燃圧及び蒸気圧の変化を示すグラフである。また図5及び図6は夫々、第1実施形態に係るハイブリッド車両における燃温、燃圧及び蒸気圧の変化を示すグラフである。
図3において、本実施形態に係るハイブリッド車両の制御装置の動作時には、先ず運転中のハイブリッド車両10におけるエンジン200の温度が、所定温度T1を超えているか否かが判定される(ステップS11)。これにより、エンジン200が高負荷運転をしているか否かが判定される。エンジン200の温度は、例えば冷却水の温度を検出するための温度センサ224(図2参照)等によって検出されるが、他の温度センサ等を用いて検出されてもよい。また、エンジン200の温度を直接的に検出するのではなく、エンジン200が設置されるエンジンルームの温度等を検出することで、間接的に検出されてもよい。
尚、エンジン200が高負荷運転をしているか否かの判定は、上述したエンジン200の温度に基づくものに限らず、エンジン200の回転数や負荷等のエンジン200に関する他のパラメータに基づいて、或いはこれらの複数のパラメータを総合的に勘案することで判定されてもよい。
エンジン200の温度が所定温度T1を超えていない場合(ステップS11:NO)、高負荷運転は行われていないとして装置の処理は終了するが、エンジン200の温度が所定温度T1を超えている場合(ステップS11:YES)、ECU100がバッテリ500を制御して、バッテリ500のSOCがモータリング用に増加させられる(ステップS12)。即ち、ここでのECU100は、本発明に係る「バッテリ制御手段」の一例として機能する。バッテリ500のSOCは、典型的には、後述するモータリングを行うことによってモータリングジェネレータMG1及びモータリングジェネレータMG2が消費する電力分だけ増加させられる。
続いて、本実施形態に係るハイブリッド車両の制御装置では、エンジン200の温度が所定温度T1を超えている(即ち、エンジン200が高負荷運転している)と判定されてから一定時間経過せずに、エンジン200が停止したか否かが判定される(ステップS13)。即ち、上述した高温停止状態センサ800(図1参照)によって、エンジン200が高温停止状態であるか否かが検出される。尚、このような検出動作は、バッテリの充電(即ち、ステップ12)と平行して行われてもよい。
エンジン200が高温停止状態でないと判定された場合(ステップS13:NO)、装置の処理は終了するが、エンジン200が高温停止状態である判定された場合(ステップS13:YES)、ECU100がモータリングジェネレータMG1及びモータリングジェネレータMG2を制御して、モータリングが行われる(ステップS14)。即ち、ここでのECU100は、本発明に係る「モータリング制御手段」の一例として機能する。
モータリングは、例えばモータリングジェネレータMG1及びモータリングジェネレータMG2を動力として、エンジン200における低圧ポンプ217(図2参照)が駆動されることによって行われる。より具体的には、エンジン200における燃焼が行われていない状態で、低圧ポンプ217からデリバリパイプ216に対して燃料が供給されることにより、デリバリパイプ216中の燃圧が蒸気圧と以下にならないように調整される。
図4において、エンジン200における燃温(言い換えれば、エンジン200の温度)、デリバリパイプ216における燃圧及び蒸気圧は、エンジン200が停止する時刻t1までは夫々上昇し続け、時刻t1以降はエンジン200が冷却されることにより夫々低下する。ここで仮に、上述したようなモータリングを行わないとすると、時刻t2においてデリバリパイプ216における燃圧が蒸気圧以下となってしまい、デリバリパイプ216中にはベーパが発生してしまう。ベーパは、その後燃圧が蒸気圧を超える時刻t3まで発生し続けるため、時刻t2から時刻t3の間はベーパがデリバリパイプ216中に存在した状態となる。よって、時刻t2から時刻t3の間は、ベーパに起因してエンジンの始動性が極端に低下してしまう。
図5において、しかるに本実施形態に係るハイブリッド車両の制御装置では、時刻t2においてモータリングが開始され、デリバリパイプ216中の燃圧が概ね一定となるように保たれるため、ベーパの発生を効果的に抑制し、エンジンの始動性が低下してしまうことを防止することができる。
図6において、デリバリパイプ216中の燃圧は、蒸気圧以下とならなければ、蒸気圧の低下に伴い低下するように調整されてもよい。この場合、図5で示す場合と比較して、モータリングを行うことによって消費する電力を低減することができるため、より効率的にベーパの発生を抑制することが可能となる。
ここで本実施形態では特に、上述したモータリングの際に消費される電力が、エンジン200の運転中に充電されている(ステップS12参照)。よって、モータリングを行うことで、バッテリ500の充電量が減少し、エンジン200の再始動時や走行時等に使用される電力が不足してしまうことを防止することができる。即ち、モータリングを行うことによって、その後のハイブリッド車両10の制御に支障が出てしまうことを防止することができる。
以上説明したように、第1実施形態に係るハイブリッド車両の制御装置によれば、バッテリ500における十分な充電量を確保しつつ、ベーパの発生を効果的に低減することが可能である。
<第2実施形態>
次に、第2実施形態に係るハイブリッド車両の制御装置について、図7から図9を参照して説明する。ここに図7は、第2実施形態に係るハイブリッド車両の制御装置における動作の流れを示すフローチャートである。また図8は、エンジン運転中におけるバッテリの充電量を示す概念図であり、図9は、モータリングを行う際のバッテリの充電量を示す概念図である。尚、第2実施形態は、上述の第1実施形態と比べて、バッテリに充電を行う際の動作が異なり、その他の動作及び装置構成については概ね同様である。このため第2実施形態では、第1実施形態と異なる部分について詳細に説明し、その他の重複する部分については適宜説明を省略する。
図7において、第2実施形態に係るハイブリッド車両の制御装置の動作時には、先ず第1実施形態と同様に、運転中のハイブリッド車両10におけるエンジン200の温度が、所定温度T1を超えているか否かが判定される(ステップS21)。これにより、エンジン200が高負荷運転をしているか否かが判定される。
エンジン200の温度が所定温度T1を超えていない場合(ステップS21:NO)、高負荷運転は行われていないとして装置の処理は終了するが、エンジン200の温度が所定温度T1を超えている場合(ステップS21:YES)、ECU100において、モータリングする際に消費される電力が算出される(ステップS22)。具体的には、例えば高負荷運転センサ700等において検出されたエンジン200の回転数及び負荷や、デリバリパイプ216及びエンジンルームの温度等に基づいて、ベーパの発生を抑制するためのモータリングの強度や期間等が算出された後に、モータリングジェネレータMG1及びモータリングジェネレータMG2における消費電力が算出される。
続いて、ECU100は、SOCセンサ510によってバッテリ500における現在の充電量を検出すると共に、現在の充電量からモータリングの際に消費される電力(即ち、ステップS22において算出した電力)を差し引くことによって、モータリング後におけるバッテリ500の充電量を算出する(ステップS23)。
ここでECU100は更に、ステップS23で算出したモータリング後におけるバッテリ500の充電量が、その後のハイブリッド車両10の制御に影響を与えてしまう程に不足しているか否かを判定する(ステップS24)。具体的には、例えば極低温時にエンジン200を再始動する場合や、エンジン200の故障に対する退避走行を行う場合に消費することになる電力を、モータリング後におけるバッテリ500に残しておくことができるか否かを判定する。
バッテリ500の充電量が不足していると判定された場合(ステップS24:YES)、ECU100は、モータリング後に不足することとなる電力分をバッテリ500に充電するように制御する(ステップS25)。これにより、モータリングが行われたとしても、その後のハイブリッド車両の制御に支障が出てしまうことを防止することができる。一方、バッテリ500の充電量が不足していないと判定された場合(ステップS24:NO)、上述したステップS25の処理は省略される。
図8において、充電前のバッテリ500に充電されている電力がA1とすると、バッテリ500には、充電後の総電力がSとなるように、不足分の電力であるA2が充電される。
図9において、充電後の総電力Sは、その後のハイブリッド車両10を制御するための電力であるA3及びモータリングの際に消費される電力であるA4の和である。よって、モータリングが行われて電力A4が消費されたとしても、バッテリ500には、ハイブリッド車両10を制御するための電力A3が残る。
尚、上述した電力A1が本発明に係る「第3電力」の一例であり、電力A2が本発明に係る「第4電力」の一例であり、電力A3が本発明に係る「第2電力」の一例であり、電力A4が本発明に係る「第1電力」の一例である。
図7に戻り、バッテリ500の充電が行われた後には、第1実施形態と同様に、エンジン200が高温停止状態であるか否かが判定され(ステップS26)、モータリングジェネレータMG1及びモータリングジェネレータMG2を動力とするモータリングが行われる(ステップS27)。これにより、デリバリパイプ216中の燃圧が調整されるため、ベーパの発生を効果的に抑制し、エンジンの始動性が低下してしまうことを防止することができる。
以上説明したように、第2実施形態に係るハイブリッド車両の制御装置によれば、予め充電する電力を、モータリングによって不足する電力とすることができるため、過度の充電を防止することができる。これにより、エンジン200における燃費の悪化を防止することが可能である。
<第3実施形態>
次に、第3実施形態に係るハイブリッド車両の制御装置について、図10を参照して説明する。ここに図10は、第3実施形態に係るハイブリッド車両の制御装置における動作の流れを示すフローチャートである。尚、第3実施形態は、上述の第1実施形態と比べて、モータリングするか否かの判定を行う点が異なり、その他の動作及び装置構成については概ね同様である。このため第3実施形態では、第1実施形態と異なる部分について詳細に説明し、その他の重複する部分については適宜説明を省略する。
図10において、第3実施形態に係るハイブリッド車両の制御装置の動作時には、先ず第1実施形態と同様に、運転中のハイブリッド車両10におけるエンジン200の温度が、所定温度T1を超えているか否かが判定される(ステップS31)。これにより、エンジン200が高負荷運転をしているか否かが判定される。
エンジン200の温度が所定温度T1を超えていない場合(ステップS31:NO)、高負荷運転は行われていないとして装置の処理は終了するが、エンジン200の温度が所定温度T1を超えている場合(ステップS31:YES)、ECU100がバッテリ500を制御して、バッテリ500のSOCがモータリング用に増加させられる(ステップS32)。
続いて、第3実施形態に係るハイブリッド車両の制御装置では、エンジン200が高温停止状態であるか否かが判定される(ステップS33)。ここで、エンジン200が高温停止状態でないと判定された場合(ステップS33:NO)、装置の処理は終了するが、エンジン200が高温停止状態である判定された場合(ステップS33:YES)、モータリング後におけるバッテリ500の充電量が、その後のハイブリッド車両10の制御に影響を与える程に不足してしまうか否かが判定される(ステップS34)。具体的には、充電後のバッテリ500の充電量から、モータリングの際に消費される電力が差し引いた電力が、その後のハイブリッド車両の制御に使用する電力に足りているか否かが判定される。
モータリング後のバッテリ500の充電量が不足してしまわないと判定された場合(ステップS34:NO)、モータリングジェネレータMG1及びモータリングジェネレータMG2を動力とするモータリングが行われる(ステップS35)。これにより、デリバリパイプ216中の燃圧が調整されるため、ベーパの発生を効果的に抑制し、エンジンの始動性が低下してしまうことを防止することができる。
一方で、モータリング後のバッテリ500の充電量が不足してしまうと判定された場合(ステップS34:YES)、ステップS35におけるモータリングは省略される。即ち、ECU100によるモータリングジェネレータMG1及びモータリングジェネレータMG2の制御が行われずに処理は終了する。尚、ここでのECU100は、本発明に係る「モータリング停止手段」の一例である。
上述したように、モータリング後のバッテリ500の電力に基づいて、モータリングを行うか否か判定することによって、バッテリ500における十分な充電量を確保しつつ、ベーパの発生を効果的に低減することが可能となる。尚、モータリングを完全に行わないようにするのではなく、例えば電力が不足してしまう状態になる直前にモータリングを停止するようにしたり、電力が不足してしまう状態にならない程度の強度でモータリングを行うようにしてもよい。このようにすれば、モータリング後にバッテリ500に残される電力が不足しない範囲で、好適にベーパの発生を防止することができる。
以上説明したように、第3実施形態に係るハイブリッド車両の制御装置によれば、モータリングによる電力不足を防止しつつ、ベーパの発生を効果的に低減することが可能である。
<第4実施形態>
次に、第4実施形態に係るハイブリッド車両の制御装置について、図11及び図12を参照して説明する。ここに図11は、第4実施形態に係るハイブリッド車両に搭載されるエンジンの模式図であり、図12は、第4実施形態に係るハイブリッド車両の制御装置における動作の流れを示すフローチャートである。尚、第4実施形態は、上述の第3実施形態と比べて、エンジン200における一部の構成及び動作が異なり、その他の構成及び動作については概ね同様である。このため第4実施形態では、既に説明した第1から第3実施形態と異なる部分について詳細に説明し、その他の重複する部分については適宜説明を省略する。
図11において、第4実施形態に係るハイブリッド車両10に搭載されるエンジン200は、吸気ポート213に燃料を噴射するインジェクタ214に加えて、シリンダ201内に直接燃料を噴射する直噴インジェクタ229を備えて構成されている。
直噴インジェクタ229は、デリバリパイプ216から分岐部225によって分岐された分岐デリバリパイプ228を介して供給される燃料を、シリンダ201内に直接噴射することが可能に構成されている。直噴インジェクタ229に供給される燃料は、分岐デリバリパイプ228の途中に設けられた高圧ポンプ226によって更に昇圧されている。
第4実施形態に係るエンジン200は、上述したインジェクタ214から噴射される燃料のみでも運転可能であるし、直噴インジェクタ229から噴射される燃料のみでも運転可能である。更には、インジェクタ214から噴射される燃料と、直噴インジェクタ229から噴射される燃料との両方を用いて運転可能とされてもよい。インジェクタ214及び直噴インジェクタ229は、夫々ECU100に電気的に接続されており、互いに独立して動作可能に構成されている。尚、ここでの直噴インジェクタ229は、本発明に係る「第1噴射手段」の一例であり、インジェクタ214は、本発明に係る「第2噴射手段」の一例である。
図12において、第4実施形態に係るハイブリッド車両の制御装置の動作時には、先ず第3実施形態と同様に、運転中のハイブリッド車両10におけるエンジン200の温度が、所定温度T1を超えているか否かが判定される(ステップS41)。これにより、エンジン200が高負荷運転をしているか否かが判定される。
エンジン200の温度が所定温度T1を超えていない場合(ステップS41:NO)、高負荷運転は行われていないとして、以降のモータリングまでの処理(即ち、ステップS42からステップS45)が省略されるが、エンジン200の温度が所定温度T1を超えている場合(ステップS41:YES)、ECU100がバッテリ500を制御して、バッテリ500のSOCがモータリング用に増加させられる(ステップS32)。
続いて、第4実施形態に係るハイブリッド車両の制御装置では、エンジン200が高温停止状態であるか否かが判定される(ステップS43)。ここで、エンジン200が高温停止状態でないと判定された場合(ステップS43:NO)、ステップS44及びステップS45の処理は省略されるが、エンジン200が高温停止状態である判定された場合(ステップS43:YES)、モータリング後におけるバッテリ500の充電量が、その後のハイブリッド車両10の制御に影響を与える程に不足してしまうか否かが判定される(ステップS44)。
モータリング後のバッテリ500の充電量が不足してしまわないと判定された場合(ステップS34:NO)、モータリングジェネレータMG1及びモータリングジェネレータMG2を動力とするモータリングが行われる(ステップS35)。これにより、デリバリパイプ216中の燃圧が調整されるため、ベーパの発生を効果的に抑制し、エンジンの始動性が低下してしまうことを防止することができる。
一方で、モータリング後のバッテリ500の充電量が不足してしまうと判定された場合(ステップS34:YES)、及びエンジン200の再始動時に、直噴で再始動するという指令が出されなかった場合(ステップS46:NO)、ECU100は、インジェクタ214から燃料を噴射することで、エンジン200を再始動させる(ステップS47)。即ち、ここでのECU100は、本発明に係る「再始動制御手段」の一例である。尚、ステップS46において、直噴でエンジンを再始動するという指令が出された場合には(ステップS46:YES)、直噴インジェクタ229から燃料が噴射されることによって、エンジン200が再始動される(ステップS48)。
第4実施形態に係るエンジン200のように、ポート噴射用のインジェクタ214及び直噴用の直噴インジェクタ229を備えるものでは、インジェクタ214側のデリバリパイプ216に比べて、直噴インジェクタ229側の分岐デリバリパイプ228におけるベーパの発生を低減させることが極めて困難である。よって、直噴インジェクタ229ではなく、インジェクタ214でエンジン200を再始動するように制御することで、エンジン200の始動性を高めることが可能である。尚、このような再始動制御は、典型的には、デリバリパイプ216おける燃圧が蒸気圧以下になる程、エンジン200の温度が低下していない(即ち、エンジン200が停止してから比較的短い期間しか経過してしない)場合に行われる。
以上説明したように、第4実施形態に係るハイブリッド車両の制御装置によれば、直噴及びポート噴射が可能なエンジン200を備えるハイブリッド車両10において、エンジン200の始動性を効率的に高めることが可能である。
<第5実施形態>
次に、第5実施形態に係るハイブリッド車両の制御装置について、図13及び図14を参照して説明する。ここに図13は、第4実施形態に係るハイブリッド車両の制御装置における動作の流れを示すフローチャートであり、図14は、温度と蒸気圧との関係をエタノールの含有量が異なる燃料別に示したグラフである。尚、第5実施形態は、上述の第2実施形態と比べて、燃料におけるアルコールの含有量に対する判定を行う点が異なり、その他の動作及び装置構成については概ね同様である。このため第4実施形態では、既に説明した第1から第4実施形態と異なる部分について詳細に説明し、その他の重複する部分については適宜説明を省略する。
図13において、第5実施形態に係るハイブリッド車両の制御装置の動作時には、先ず第2実施形態と同様に、運転中のハイブリッド車両10におけるエンジン200の温度が、所定温度T1を超えているか否かが判定される(ステップS51)。これにより、エンジン200が高負荷運転をしているか否かが判定される。
エンジン200の温度が所定温度T1を超えていない場合(ステップS51:NO)、高負荷運転は行われていないとして装置の処理は終了するが、エンジン200の温度が所定温度T1を超えている場合(ステップS51:YES)、ECU100において、モータリングする際に消費される電力が算出される(ステップS52)。更に、ECU100は、SOCセンサ510によってバッテリ500における現在の充電量を検出すると共に、現在の充電量からモータリングの際に消費される電力(即ち、ステップS52において算出した電力)を差し引くことによって、モータリング後におけるバッテリ500の充電量を算出する(ステップS53)。
続いてECU100は、ステップS53で算出したモータリング後におけるバッテリ500の充電量が、その後のハイブリッド車両10の制御に影響を与えてしまう程に不足しているか否かを判定する(ステップS54)。ここでバッテリ500の充電量が不足していないと判定された場合(ステップS54:NO)、以降のステップS55ステップS57の処理が省略される。一方、バッテリ500の充電量が不足していると判定された場合(ステップS54:YES)、エンジン200の運転に使用される燃料のアルコール含有量が、予め設定された所定値を超えているか否かが判定される(ステップS55)。
燃料のアルコール含有量が所定値以下である場合(ステップS55:NO)、第2実施形態と同様に、ECU100は、モータリング後に不足することとなる電力分をバッテリ500に充電するように制御する(ステップS56)。これにより、モータリングが行われたとしても、その後のハイブリッド車両の制御に支障が出てしまうことを防止することができる。一方で、燃料のアルコール含有量が所定値を超えている場合(ステップS55:YES)、ECU100は、モータリング後に不足することとなる電力分に補正をかけた電力をバッテリ500に充電するように制御する(ステップS57)。具体的には、ECU100は、例えば不足分となる電力に対して、補正係数を乗ずることにより不足分となる電力が大きくなるように補正する。
図14に示すように、蒸気圧は温度が上昇するのに応じて高くなる傾向があるが、エタノールが含有されていない燃料E0、エタノールの含有量が10%である燃料E10及びエタノールの含有量が20%である燃料E20を比べてみると、エタノールの含有量が多い程、蒸気圧が高くなっている。この結果から、アルコール含有量が高い燃料である程、燃圧を蒸気圧以上に維持することが困難であることが分かる。即ち、アルコール含有量が高い燃料である程、モータリングによって消費される電力が増加してしまうことが分かる。
第5実施形態では、上述したモータリングの消費電力の増加に対応するために、アルコール含有量が所定値を超えている燃料を用いる場合は、モータリング用の電力として、補正した電力がバッテリに充電される。従って、モータリングを行うことによって、バッテリ500の充電量が減少し、その後のハイブリッド車両10の制御に支障が出てしまうことを防止することができる。
尚、充電する電力の補正は、アルコール含有量が所定値を超えた場合だけでなく、アルコール含有量に応じて適宜行われるようにしてもよい。例えば、アルコール含有量と対応する補正係数を予め設定しておけば、より好適に充電する電力を補正することができる。
バッテリ500の充電が行われた後には、第2実施形態と同様に、エンジン200が高温停止状態であるか否かが判定され(ステップS58)、モータリングジェネレータMG1及びモータリングジェネレータMG2を動力とするモータリングが行われる(ステップS59)。これにより、デリバリパイプ216中の燃圧が調整されるため、ベーパの発生を効果的に抑制し、エンジンの始動性が低下してしまうことを防止することができる。
以上説明したように、第5実施形態に係るハイブリッド車両の制御装置によれば、アルコール含有量に応じて変化するモータリングの消費電力に対応することができるため、より確実にバッテリ500における十分な充電量を確保しつつ、ベーパの発生を効果的に低減することが可能である。
本発明は、上述した実施形態に限られるものではなく、特許請求の範囲及び明細書全体から読み取れる発明の要旨或いは思想に反しない範囲で適宜変更可能であり、そのような変更を伴うハイブリッド車両の制御装置もまた本発明の技術的範囲に含まれるものである。
第1実施形態に係るハイブリッド車両の基本構成を概念的に表す概略構成図である。 第1実施形態に係るハイブリッド車両に搭載されるエンジンの模式図である。 第1実施形態に係るハイブリッド車両の制御装置における動作の流れを示すフローチャートである。 比較例に係るハイブリッド車両における燃温、燃圧及び蒸気圧の変化を示すグラフである。 第1実施形態に係るハイブリッド車両における燃温、燃圧及び蒸気圧の変化を示すグラフ(その1)である。 第1実施形態に係るハイブリッド車両における燃温、燃圧及び蒸気圧の変化を示すグラフ(その2)である。 第2実施形態に係るハイブリッド車両の制御装置における動作の流れを示すフローチャートである。 エンジン運転中におけるバッテリの充電量を示す概念図である。 モータリングを行う際のバッテリの充電量を示す概念図である。 第3実施形態に係るハイブリッド車両の制御装置における動作の流れを示すフローチャートである。 第4実施形態に係るハイブリッド車両に搭載されるエンジンの模式図である。 第4実施形態に係るハイブリッド車両の制御装置における動作の流れを示すフローチャートである。 第4実施形態に係るハイブリッド車両の制御装置における動作の流れを示すフローチャートである。 温度と蒸気圧との関係をエタノールの含有量が異なる燃料別に示したグラフである。
符号の説明
10…ハイブリッド車両、100…ECU、200…エンジン、201…気筒、203…ピストン、205…クランクシャフト、213…吸気ポート、214…インジェクタ、215…燃料タンク、216…デリバリパイプ、217…低圧ポンプ、226…高圧ポンプ、228…分岐デリバリパイプ、229…直噴インジェクタ、300…動力分割機構、400…インバータ、500…バッテリ、510…SOCセンサ、600…リダクション機構、700…高負荷運転センサ、800…高温停止状態センサ

Claims (3)

  1. 燃料供給管を介して供給される燃料によって運転される内燃機関の動力及びバッテリから供給される電力によって運転される電動機の動力により走行することが可能なハイブリッド車両の制御装置であって、
    前記内燃機関が、該内燃機関の温度が所定温度より高くなる高負荷運転を行った後に停止された高温停止状態であることを検出する検出手段と、
    前記内燃機関が前記高温停止状態であることが検出された場合に、前記燃料供給管における燃圧が蒸気圧以下とならないように、前記電動機を制御して前記内燃機関のモータリングを行うモータリング制御手段と、
    前記モータリングを行うことによって前記電動機が消費する第1電力を、前記高負荷運転中に充電するように前記バッテリを制御するバッテリ制御手段と
    を備えることを特徴とするハイブリッド車両の制御装置。
  2. 前記バッテリ制御手段は、前記第1電力に代えて、前記第1電力及び前記モータリングを行った後の前記電動機の動作に基づいて設定された第2電力の和から、前記バッテリに充電済みの電力である第3電力を差し引いた第4電力を、前記高負荷運転中に充電するように前記バッテリを制御することを特徴とする請求項1に記載のハイブリッド車両の制御装置。
  3. 前記内燃機関は、気筒と、該気筒に前記燃料を噴射する第1噴射手段と、前記気筒に吸気を行う吸気ポートに前記燃料を噴射する第2噴射手段とを有しており、
    前記高温停止状態において、前記モータリングを行うための電力が前記バッテリに充電されていない場合に、前記モータリングを行わないように前記モータリング制御手段を制御するモータリング停止手段と、
    前記モータリング停止手段によって前記モータリング制御手段が制御された場合に、前記第2噴射手段から前記燃料を噴射することで、前記内燃機関を再始動するように制御する再始動制御手段と
    を更に備えることを特徴とする請求項1又は2に記載のハイブリッド車両の制御装置。
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