(実施形態1)
以下、図1〜図10を参照して、この発明を適用した鍵盤楽器の実施形態1について説明する。
この鍵盤楽器は、図1および図2に示すように、左右2つに分割された第1、第2鍵盤ケース1、2と、この第1、第2鍵盤ケース1、2の両側に配置されて第1、第2鍵盤ケース1、2を支持する第1、第2側板部材3、4と、第1、第2鍵盤ケース1、2の互いに隣接する端部1a、2a同士の各上面に跨って配置されて第1、第2鍵盤ケース1、2の端部1a、2a同士を上下方向に回転可能に連結する第1ヒンジ部材5と、第1、第2側板部材3、4の互いに対向する各内面に第1、第2鍵盤ケース1、2の両側に位置する各端部1b、2bを上下方向に回転可能に連結する左右一対の第2ヒンジ部材6、7とを備えている。
この場合、第1鍵盤ケース1は、図1および図2に示すように、横長の箱形状に形成され、その内部に第1鍵盤部8が配置されている。すなわち、第1鍵盤ケース1は、第1、第2側板部材3、4のうち、左側に位置する第1側板部材3に隣接する一端部(図2では左端部)が塞がれ、第2鍵盤ケース2に隣接する他端部(図2では右端部)が開放された構成になっている。また、第1鍵盤部8は、その後部側(図2では上辺側)が第1鍵盤ケース1の後側(図2では上辺側)に位置する上面部9aで覆われ、第1鍵盤部8の前部側(図2では手前側)が上面側および前面側に露呈した状態で、第1鍵盤ケース1内に配置されている。
この第1鍵盤部8は、図2に示すように、白鍵および黒鍵からなる多数の鍵8aが横方向(図2では左右方向)に沿って配列され、第2鍵盤ケース2に隣接する一端部(図2では右端部)に位置する鍵8aが第1鍵盤ケース1の他端部(図2では右端部)に位置すると共に、この鍵8aの右側面が第1鍵盤ケース1の開放された他端部側(図2では右端部側)から外部に露出するように構成されている。この多数の鍵8aは、それぞれ各後端部が第1鍵盤ケース1内に上下方向に回転自在に取り付けられ、押鍵操作に応じて各鍵8aの前部側が上下方向に回転変位するように構成されている。
一方、第2鍵盤ケース2は、図1および図2に示すように、第1鍵盤ケース1と同じ大きさの横長の箱形状に形成され、その内部に第2鍵盤部10が配置されている。この場合、第2鍵盤ケース2は、第1、第2側板部材3、4のうち、右側に位置する第2側板部材4に隣接する一端部(図2では右端部)が塞がれ、第1鍵盤ケース1に隣接する他端部(図2では左端部)が開放された構成になっている。この場合にも、第2鍵盤部10は、第1鍵盤部8と同様、その後部側(図2では上辺側)が第2鍵盤ケース2の後側(図2では上辺側)に位置する上面部11aで覆われ、第2鍵盤部10の前部側(図2では手前側)が上面側および前面側に露呈した状態で、第2鍵盤ケース2内に配置されている。
また、この第2鍵盤部10も、第1鍵盤部8と同様、白鍵および黒鍵からなる多数の鍵10aが横方向(図2では左右方向)に沿って配列され、図2に示すように、第1鍵盤ケース1に隣接する左端部に位置する鍵10aが第2鍵盤ケース1の他端部(図2では左端部)に位置すると共に、この鍵10aの左側面が第2鍵盤ケース2の開放された他端部側(図2では左端部側)から外部に露出するように構成されている。この多数の鍵10aも、それぞれ各後端部が第2鍵盤ケース2内に上下方向に回転自在に取り付けられ、押鍵操作に応じて各鍵10aの前部側が上下方向に回転変位するように構成されている。
これにより、第1、第2鍵盤部8、10は、図1および図2に示すように、第1、第2鍵盤ケース1、2が水平な状態に展開して配置されたときに、第1鍵盤部8の右端部に位置して第2鍵盤ケース2側に露呈する鍵8aの右側面と、第2鍵盤部10の左端部に位置して第1鍵盤ケース1側に露呈する鍵10aの左側面とが互いに接近することにより、第1、第2鍵盤部8、10の各鍵8a、10aが全て所定の間隔で規則的に配列されるように構成されている。
第1、第2鍵盤ケース1、2の両側に配置された第1、第2側板部材3、4は、図1および図2に示すように、それぞれ立て方向に長い平板であり、その前後方向(図2では上下方向)の奥行きの長さが第1、第2鍵盤ケース1、2の前後方向の奥行きと同じ長さで、且つその高さが第1、第2鍵盤ケース1、2の横方向(図4では上下方向)の各長さよりも少し長く形成されている。この第1、第2側板部材3、4の各下端部における前後部には、図1に示すように、床上を転動するキャスタ12がそれぞれ取り付けられている。
また、第1ヒンジ部材5は、図1、図2および図8に示すように、第1、第2鍵盤ケース1、2の互いに隣接する端部1a、2a同士を回転可能に連結するものであり、第1、第2鍵盤ケース1、2の互いに隣接する各上面9a、11aのうち、第1鍵盤ケース1の上面9aに設けられた第1固定板13と、第2鍵盤ケース2の上面11aに設けられた第2固定板14と、この第1固定板13および第2固定板14を回転可能に連結するヒンジ軸15とを備えている。
この場合、第1鍵盤ケース1の第1固定板13は、図2および図8に示すように、第2鍵盤ケース2に隣接する端部の両側に、ヒンジ軸15が挿入する円筒状の一対の軸受け部13aが、第1鍵盤ケース1の上面9aから第2鍵盤ケース2の上面11a側に向けて突出して設けられている。第2鍵盤ケース2の第2固定板14は、第1鍵盤ケース1に隣接する端部の中間部に、第1固定板13の一対の軸受け部13a間に配置されてヒンジ軸15が挿入する円筒状の軸受け部14aが、第2鍵盤ケース2の上面11aから第1鍵盤ケース1の上面9a側に向けて突出して設けられている。
これにより、第1ヒンジ部材5は、図2および図8に示すように、第1鍵盤ケース1の第1固定板13における一対の軸受け部13a間に第2鍵盤ケース2の第2固定板14の軸受け部14aを同一軸上に配置し、この状態で各軸受け部13a、14a内にヒンジ軸15を挿入することにより、図8〜図10に示すように、ヒンジ軸15を中心として第1、第2鍵盤ケース1、2の互いに隣接する端部1a、2a同士が相対的に上下方向に回転し、第1、第2鍵盤ケース1、2が図9および図10に示す谷折り状態に折れ曲がるように構成されている。
一方、一対の第2ヒンジ部材6、7のうち、左側の第2ヒンジ部材6は、図1および図5に示すように、左側に位置する第1側板部材3と左側の第1鍵盤ケース1とを連結するものであり、第1鍵盤ケース1の左端部における下面に設けられたケース固定板16と、左側の第1側板部材3の内側面における第1鍵盤ケース1の下面に対応する箇所に設けられた側板固定板17と、このケース固定板16および側板固定板17を回転可能に連結するヒンジ軸18とを備えている。
この場合にも、第1鍵盤ケース1のケース固定板16には、第1ヒンジ部材5の第1固定板13と同様、ヒンジ軸15が挿入する円筒状の一対の軸受け部(図2に示す第1ヒンジ部材5の第1固定板13の軸受け部13aと同じもの)が、第1側板部材3に接近して設けられている。また、第1側板部材3の側板固定板17には、第1ヒンジ部材5の第2固定板14と同様、第1鍵盤ケース1の一対の軸受け部間に配置されてヒンジ軸15が挿入する円筒状の軸受け部(図2に示す第1ヒンジ部材5の第2固定板14の軸受け部14aと同じもの)が、第1鍵盤ケース1の左端部の下面に接近して設けられている。
これにより、左側に位置する第2ヒンジ部材6は、第1ヒンジ部材5と同様、第1鍵盤ケース1のケース固定板16における一対の軸受け部間に第1側板部材3の側板固定板17の軸受け部を同一軸上に配置し、この状態で各軸受け部内にヒンジ軸18を挿入することにより、図5〜図7に示すように、ヒンジ軸18を中心として第1鍵盤ケース1が第1側板部材3に対し上下方向に回転し、第1鍵盤ケース1を水平な状態に展開させると共に、第1側板部材3に対し山折り状態に折れ曲がるように構成されている。
一方、右側に位置する第2ヒンジ部材7は、右側に位置する第2側板部材4と右側の第2鍵盤ケース2とを回転可能に連結するものであり、左側の第2ヒンジ部材6と同じ構成で、且つ左側の第2ヒンジ部材6に対し左右対象な状態で設けられている。すなわち、この右側の第2ヒンジ部材7も、左側の第2ヒンジ部材6と同様、第2鍵盤ケース2の右端部における下面に設けられたケース固定板16と、右側の第2側板部材4の内側面における第2鍵盤ケース2の下面に対応する箇所に設けられた側板固定板17と、このケース固定板16および側板固定板17を回転可能に連結するヒンジ軸18とを備え、ヒンジ軸18を中心として第1鍵盤ケース1が第1側板部材3に対し上下方向に回転するように構成されている。
ところで、第1鍵盤ケース1と第1側板部材3との間、および第2鍵盤ケース2と第2側板部材4との間には、図5〜図7に示すように、第1、第2鍵盤ケース1、2を水平な状態に押し上げる方向に付勢することにより、一対の第2ヒンジ部材6、7をそれぞれ回転支点とする第1、第2鍵盤ケース1、2の回転動作に負荷を加えて、その回転動作を制動する制動機能部である第1、第2ばね部材20、21がそれぞれ設けられている。
すなわち、第1、第2ばね部材20、21のうち、左側に位置する第1ばね部材20は、図5に示すように、その一端部20aが第1鍵盤ケース1内の左端部にスライド可能な状態で保持片3bによって保持され、他端部20bが左側の第1側板部材3における第1鍵盤ケース1の下側に設けられた凹部3a内に固定片3cによって固定されているほか、第1鍵盤ケース1内の左端部側に位置するケース側の中間部分に伸縮可能なコイル部20cが設けられていると共に、第1側板部材3の凹部3a内における上端部側に位置する側板側の中間部分にも伸縮可能なコイル部20dが設けられた構成になっている。
これにより、第1ばね部材20は、図5〜図7に示すように、第1鍵盤ケース1側に位置するコイル部20cと第1側板部材3側に位置するコイル部20dとのばね力によって、第1鍵盤ケース1を第1側板部材3に対し水平な状態に押し上げる方向に付勢すると共に、第1鍵盤ケース1が第1側板部材3に対し回転するときに、各コイル部20c、20dが伸縮することにより、第1鍵盤ケース1がその重量で左側の第2ヒンジ部材6を回転支点として勝手に回転しないように構成されている。
また、右側に位置する第2ばね部材21は、第2鍵盤ケース2と右側の第2側板部材4とを回転可能に連結するものであり、左側に位置する第1ばね部材20と同じ構成で、且つ第1ばね部材20に対し左右対象な状態で設けられている。これにより、右側の第2ばね部材21も、第2鍵盤ケース2側のコイル部20cと第2側板部材4側のコイル部20dとのばね力によって、第2鍵盤ケース2を第2側板部材4に対し水平な状態に押し上げる方向に付勢すると共に、第2鍵盤ケース2が第2側板部材4に対し回転するときに、各コイル部20c、20dが伸縮することにより、第2鍵盤ケース2がその重量で右側の第2ヒンジ部材7を回転支点として勝手に回転しないように構成されている。
一方、第1、第2鍵盤ケース1、2の互いに隣接する各端部1a、2aには、図8〜図10に示すように、第1、第2鍵盤ケース1、2を水平な状態に押し上げる方向に付勢することにより、第1、第2鍵盤ケース1、2の回転動作に負荷を加えて、その回転動作を制動する制動機能部である補助ばね部材22が設けられている。
この補助ばね部材22は、図8に示すように、その一端部22aが第1鍵盤ケース1内の右端部にスライド可能な状態で保持され、他端部22bが第2鍵盤ケース2内の左端部にスライド可能な状態で保持されているほか、第1鍵盤ケース1内の右端部側に位置する2つの中間部分にそれぞれ伸縮可能なコイル部22c、22dが設けられた構成になっている。この場合、各コイル部22c、22dは、そのコイル径の大きさが異なっており、大きい径のコイル部22cは、第2鍵盤ケース2内から突出して設けられた補強板23の支持軸24に巻き付けられて位置ずれを起こさないように構成されている。
これにより、補助ばね部材22は、図8〜図10に示すように、径の異なる各コイル部22c、22dのばね力によって、第1、第2鍵盤ケース1、2を水平な状態に押し上げる方向に付勢すると共に、第1、第2鍵盤ケース1、2が第1ヒンジ部材5を回転支点として回転するときに、各コイル部22c、22dが伸縮することにより、第1、第2鍵盤ケース1、2がその重量で第1ヒンジ部材5を回転支点として勝手に回転するのを、第1、第2ばね部材20、21と共に防ぐように構成されている。
また、第1、第2鍵盤ケース1、2の互いに隣接する端部1a、2a同士の各前面には、図1、図3、図4に示すように、第1、第2鍵盤ケース1、2がほぼ水平な状態に展開して配置されたときに、第1、第2鍵盤ケース1、2の互いに隣接する端部1a、2a同士を連結固定して第1、第2鍵盤ケース1、2が勝手に折れ曲がるのを防ぐためのロック部材25が分離可能に設けられている。
すなわち、このロック部材25は、図3および図4に示すように、第1鍵盤ケース1の前面に設けられた係止突起部26と、第2鍵盤ケース2の前面に設けられた取付部27と、この取付部27に回転可能に取り付けられたフックレバー28と、このフックレバー28に取り付けられて第1鍵盤ケース1の係止突起部26に係脱可能に係合するほぼU字形状のフック部29とを備えている。
これにより、ロック部材25は、図1に示すように、第1、第2鍵盤ケース1、2が水平な状態に展開して配置されたときに、第1鍵盤ケース1の係止突起部26と第2鍵盤ケース2の取付部27とが互いに対応して接近し、この状態で取付部27に取り付けられたフックレバー28のフック部29を係止突起部26に係合させて、フックレバー28を第2鍵盤ケース2の右側つまり係止突起部26と反対側に向けて倒すことにより、フック部29が係止突起部26を引き寄せる方向に締め付けて、第1、第2鍵盤ケース1、2の互いに隣接する端部1a、2a同士をロックするように構成されている。
また、このロック部材25は、フックレバー28を係止突起部26側に向けて起立させると、係止突起部26に対するフック部29の締め付けが緩み、この状態でフック部29を係止突起部26から離脱させることにより、図3および図4に示すように、係止突起部26とフック部29とを分離させて、第1、第2鍵盤ケース1、2の互いに隣接する端部1a、2a同士のロックを解除するように構成されている。なお、このロック部材25は、第1、第2鍵盤ケース1、2の互いに隣接する端部1a、2a同士の各裏面にも、各前面と同様に設けられている。
このような鍵盤楽器によれば、使用するときに、第1ヒンジ部材5および一対の第2ヒンジ部材6、7をそれぞれ回転支点として、2つに分割された第1、第2鍵盤ケース1、2を第1、第2側板部材3、4間でそれぞれ回転させながら展開させることにより、従来例のように机などの載置台を用意する必要がなく、第1、第2側板部材3、4を押し広げて、図1に示すように、第1、第2鍵盤ケース1、2を一対の第1、第2側板部材3、4間に水平な状態で連続させることがきる。
これにより、図2に示すように、第1、第2鍵盤ケース1、2にそれぞれ設けられた第1、第2鍵盤部8、10を水平な状態に連続させて、各鍵8a、10aを所定の間隔で規則的に連続させることができるので、第1、第2鍵盤部8、10の各鍵8a、10aを押鍵操作して上下に回転させて良好に演奏することができ、これにより鍵8a、10aが上下に回転する鍵盤本来の鍵タッチ感を得ることができる。
この場合、2つに分割された第1、第2鍵盤ケース1、2を第1、第2側板部材3、4間でそれぞれ回転させるときには、第1、第2ばね部材20、21が第1、第2鍵盤ケース1、2を水平な状態に押し上げる方向に付勢しているので、第1、第2鍵盤ケース1、2の重量が重くても、第1、第2ばね部材20、21のばね力によって軽い力で安全に押し上げることができる。特に、第1、第2鍵盤ケース1、2の互い隣接する端部1a、2aにも、補助ばね部材22が設けられていることにより、この補助ばね部材22が第1、第2鍵盤ケース1、2を水平な状態に押し上げる方向に付勢しているので、より一層、軽い力で安全に押し上げることができる。
また、2つの第1、第2鍵盤ケース1、2が水平な状態で連続したときには、ロック部材25で第1、第2鍵盤ケース1、2の互いに隣接する端部1a、2a同士をロックすることができるので、安全に且つ良好に第1、第2鍵盤部8、9の各鍵8a、11aを押鍵操作することができる。すなわち、このロック部材25は、図1に示すように、第1、第2鍵盤ケース1、2が水平な状態に配置されたときに、第2鍵盤ケース2の取付部27に取り付けられたフックレバー28のフック部29を第1鍵盤ケース1の係止突起部26に係合させて、フックレバー28を係止突起部26と反対側に向けて倒すと、フック部29が係止突起部26を引き寄せる方向に締め付けるので、第1、第2鍵盤ケース1、2の互いに隣接する端部1a、2a同士を簡単に且つ確実にロックすることができる。
一方、鍵盤楽器を使用しないときには、ロック部材25による第1、第2鍵盤ケース1、2の隣接する端部1a、2a同士のロックを解除した状態で、第1、第2ばね部材20、21によるばね力に抗して第1、第2鍵盤ケース1、2の隣接する端部1a、2aを押し下げることにより、図3に示すように、第1ヒンジ部材5および一対の第2ヒンジ部材6、7をそれぞれ回転支点として、第1、第2鍵盤ケース1、2を第1、第2側板部材3、4間でそれぞれ回転させて谷折り状態に折り畳むことができると共に、第1、第2側板部材3、4を互いに接近させ、図4に示すように、第1、第2鍵盤ケース1、2を互いに重ね合せることができ、これにより楽器全体をコンパクトに折り畳むことができる。
このときにも、第1、第2ばね部材20、21が第1、第2鍵盤ケース1、2を水平な状態に押し上げる方向に付勢しているので、第1、第2鍵盤ケース1、2がその重量で急激に折り畳まれることがなく、ゆっくり安全に折り畳むことができる。この場合にも、第1、第2鍵盤ケース1、2の互い隣接する端部1a、2aには、補助ばね部材22が設けられており、この補助ばね部材22が第1、第2鍵盤ケース1、2を水平な状態に押し上げる方向に付勢しているので、より一層、安全に折り畳むことができる。
また、第1、第2鍵盤ケース1、2が折り畳まれるときには、図3および図4に示すように、第1、第2側板部材3、4の各下端部にキャスタ12がそれぞれ設けられているので、このキャスタ12が床上を滑らかに転動することにより、第1、第2側板部材3、4を円滑に移動させて接近させることができ、これにより容易に且つ良好に第1、第2鍵盤ケース1、2を折り畳むことができる。なお、第1、第2鍵盤ケース1、2が水平な状態に展開するときにも、キャスタ12が床上を滑らかに転動することにより、第1、第2側板部材3、4を円滑に移動させて離間させることができ、これにより容易に且つ良好に第1、第2鍵盤ケース1、2を水平な状態に展開させることができる。
(実施形態2)
次に、図11〜図13を参照して、この発明を適用した鍵盤楽器の実施形態2について説明する。なお、図1〜図10に示された実施形態1と同一部分には同一符号を付して説明する。
この鍵盤楽器は、第1、第2鍵盤ケース1、2を支える第1、第2側板部材3、4にカバー部材30を設けた構成であり、これ以外は実施形態1と同じ構成になっている。
すなわち、カバー部材30は、図13に示すように、第1、第2鍵盤ケース1、2を折り畳んで重ね合わせたときに、第1、第2鍵盤ケースを覆って保護するためのものであり、図11〜図13に示すように、第1、第2側板部材3、4の各前端部にそれぞれ設けられた一対の前カバー部31と、第1、第2側板部材3、4の各後端部にそれぞれ設けられた一対の後カバー部32とを備えている。
この場合、一対の前カバー部31は、図11および図13に示すように、縦方向に長い平板であり、第1、第2側板部材3、4の各前端部から互いに接近する方向(図11では互いに対向する左右方向)に突出した状態で、第1、第2側板部材3、4の各前端部における上部、つまり第1、第2鍵盤ケース1、2の下面よりも少し高い箇所から第1、第2側板部材3、4の各前端部における下端部に亘って設けられている。
また、この一対の前カバー部31は、図11および図13に示すように、第1、第2側板部材3、4の各前端部から互いに接近する方向に突出する長さが、水平な状態における第1、第2鍵盤ケース1、2の上下方向の厚みとほぼ同じ長さに形成され、図13に示すように、第1、第2鍵盤ケース1、2を折り畳んで重ね合わせたときに、各内側端部31aが互いに当接して第1、第2鍵盤ケース1、2の各前面を覆うように構成されている。
また、この一対の前カバー部31における各前面には、図11および図13に示すように、一対の前カバー部31を連結固定する締め金具34が分離可能に取り付けられている。この締め金具34は、実施形態1のロック部材25と同じ構成のものであり、第1、第2鍵盤ケース1、2を折り畳んで、一対の前カバー部31の各内側端部31aが互いに当接したときに、図13に示すように、一対の前カバー部31をロックするように構成されている。
すなわち、この締め金具34も、ロック部材25と同様、第1鍵盤ケース1の前面に設けられた係止突起部26と、第2鍵盤ケース2の前面に設けられた取付部27と、この取付部27に回転可能に取り付けられたフックレバー28と、このフックレバー28に取り付けられて第1鍵盤ケース1の係止突起部26に係脱可能に係合するほぼU字形状のフック部29とを備えている(図11参照)。
一方、一対の後カバー部32は、図12に示すように、第1、第2側板部材3、4の各後端部にそれぞれ一対の前カバー部31と同様に設けられている。すなわち、この一対の後カバー部32も、一対の前カバー部31と同様に構成されていると共に、各裏面にも一対の後カバー部32をロックするための締め金具(図示せず)が一対の前カバー部31と同様に設けられている。
このような鍵盤楽器によれば、実施形態1と同様の作用効果があるほか、特に第1、第2鍵盤ケース1、2を折り畳んで重ね合わせたときに、第1、第2鍵盤ケース1、2をカバー部材30で覆って保護することができる。すなわち、このカバー部材30は、一対の前カバー部31と一対の後カバー部32とを備えているので、図13に示すように、折り畳まれた第1、第2鍵盤ケース1、2の各前面を一対の前カバー部31によって覆うことができると共に、折り畳まれた第1、第2鍵盤ケース1、2の各後面を一対の後カバー部32によって覆うことができる。
また、この鍵盤楽器では、折り畳まれた第1、第2鍵盤ケース1、2をカバー部材30によって覆ったときに、一対の前カバー部31および一対の後カバー部32にそれぞれ設けられた締め金具35によって、一対の前カバー部31の各内側端部31aと一対の後カバー部32の各内側端部32aとをそれぞれ互いに当接させた状態で、一対の前カバー部31同士と一対の後カバー部32同士とをそれぞれ締め付けてロックすることができるので、第1、第2ばね部材20、21と補助ばね部材22との各ばね力によって第1、第2鍵盤ケース1、2が勝手に押し広げられるのを防ぐことができ、これにより、安定した状態でコンパクトに折り畳むことができる。
なお、上記実施形態2では、カバー部材30が、一対の前カバー部31と一対の後カバー部32とを備えている場合について述べたが、第1、第2側板部材3、4の各下端部間にそれぞれ底カバー部を設けた構成でも良く、また必ずしも一対の前カバー部31と一対の後カバー部32との両方を備えている必要はなく、少なくとも一対の前カバー部31のみを備えた構成でも良い。
(実施形態3)
次に、図14〜図18を参照して、この発明を適用した鍵盤楽器の実施形態3について説明する。この場合にも、図1〜図10に示された実施形態1と同一部分に同一符号を付して説明する。
この鍵盤楽器は、第1、第2鍵盤ケース1、2における互いに隣接する端部1a、2a同士の各上面9a、11aに、譜面立て部材40を第1、第2鍵盤ケース1、2の各上面9a、11aに跨った状態で、折り畳み可能に取り付けた構成であり、これ以外は実施形態1と同じ構成になっている。
すなわち、譜面立て部材40は、図14および図15に示すように、第1鍵盤ケース1の上面9aに配置される第1譜面立て部41と、第2鍵盤ケース2の上面11aに配置される第2譜面立て部42とを備え、これら第1、第2譜面立て部41、42が第1蝶番43によって互いに重なり合う方向に折り畳み可能に連結された構成になっている。また、第1、第2譜面立て部41、42は、図15および図16に示すように、第1、第2鍵盤ケース1、2の各上面9a、11aにそれぞれ第2蝶番44によって折り畳み可能に取り付けられている。
この場合、第1譜面立て部41は、図15、図17および図18に示すように、その下部に第2蝶番44の一端部44aが取り付けられ、第2蝶番44の他端部44bがねじ軸45によって第1鍵盤ケース1の上面9aに回転可能で且つ移動可能に取り付けられている。すなわち、第2蝶番44の他端部44bには、ねじ軸45が相対的に移動可能に挿入する横長のガイド孔46が設けられている。
ねじ軸45は、図17および図18に示すように、第2蝶番44の他端部44bのガイド孔46を通して、第1鍵盤ケース1の上面9aに埋め込まれたナット47に螺着し、この状態で軽く締め付けることにより、第2蝶番44の他端部44bを第1鍵盤ケース1の上面9aに対し回転可能に取り付けると共に、第2蝶番44の他端部44bをそのガイド孔46に沿って相対的に移動可能に取り付けている。
また、第2譜面立て部42も、第1譜面立て部41と同様、その下部に第2蝶番44の一端部44aが取り付けられ、第2蝶番44の他端部44bがねじ軸45によって第2鍵盤ケース2の上面11aに対し回転可能で且つ移動可能に取り付けられている。これにより、譜面立て部材40は、図15に示すように、第2蝶番44によって第1、第2譜面立て部41、42が第1、第2鍵盤ケース1、2上に起立横倒可能に取り付けられ、第1、第2譜面立て部41、42が第1、第2鍵盤ケース1、2上に横倒した状態で、第1、第2鍵盤ケース1、2が折り畳まれるときに、図16に示すように、第1蝶番43によって第1、第2譜面立て部41、42が折れ曲がって互いに重なるように構成されている。
このような鍵盤楽器によれば、実施形態1と同様の作用効果があるほか、第1、第2鍵盤ケース1、2が水平な状態に展開して配置されたときに、図14および図15に示すように、第2蝶番44によって第1、第2譜面立て部41、42を第1、第2鍵盤ケース1、2上に起立させ、この状態でねじ軸45を第2蝶番44のガイド孔46に沿って相対的に移動させることにより、第1、第2譜面立て部41、42をそれぞれスライドさせながら、各ねじ軸45をそれぞれ中心として回転させ、第1、第2譜面立て部41、42を第1蝶番43により「く」の字形状に折り曲げることにより、第1、第2鍵盤ケース1、2上に第1、第2譜面立て部41、42を起立させることができる。これにより、起立した譜面立て部材40に譜面を立て掛けることができるので、譜面を見ながら良好に演奏することができる。
また、第1、第2鍵盤ケース1、2を折り畳むときには、図16に示すように、第2蝶番44によって第1、第2譜面立て部41、42を第1、第2鍵盤ケース1、2上に横倒させ、この状態で第1、第2鍵盤ケース1、2を折り畳むと、第1、第2譜面立て部41、42が第1蝶番43によって折れ曲がるので、第1、第2譜面立て部41、42を互いに重ね合わせることができる。これにより、譜面立て部材40を取り外す必要がなく、第1、第2鍵盤ケース1、2に取り付けた状態で、譜面立て部材40を第1、第2鍵盤ケース1、2上に起立させたり、折り畳んだりすることができるので、使い勝手の良いものを得ることができる。
なお、上記実施形態3においても、実施形態2と同様、第1、第2側板部材3、4にカバー部材30を設けても良い。この場合にも、カバー部材30は、第1、第2側板部材3、4の各前端部にそれぞれ設けられた一対の前カバー部31と、第1、第2側板部材3、4の各後端部にそれぞれ設けられた一対の後カバー部32とを備えた構成でも良く、また第1、第2側板部材3、4の各下端部間にそれぞれ底カバー部を更に設けた構成でも良く、また必ずしも一対の前カバー部31と一対の後カバー部32との両方を備えている必要はなく、少なくとも一対の前カバー部31のみを備えた構成でも良い。
また、上記実施形態1〜3では、一対の第2ヒンジ部材6、7と第1ヒンジ部材5とにそれぞれ対応する複数箇所の全てに、それぞれ第1、第2ばね部材20、21および補助ばね部材22を設けた場合について述べたが、これに限らず、一対の第2ヒンジ部材6、7と第1ヒンジ部材5とにそれぞれ対応する複数箇所のうち、いずれか1箇所のみに第1、第2ばね部材20、21および補助ばね部材22のいずれかを設けた構成でも良い。例えば、一対の第2ヒンジ部材6、7に対応する箇所のみに、それぞれ第1、第2ばね部材20、21を設けた構成でも良く、また第1ヒンジ部材5に対応する箇所のみに、補助ばね部材22を設けた構成でも良い。
(実施形態4)
次に、図19〜図21を参照して、この発明を適用した鍵盤楽器の実施形態4について説明する。この場合にも、図1〜図10に示された実施形態1と同一部分に同一符号を付して説明する。
この鍵盤楽器は、第1ヒンジ部材50と一対の第2ヒンジ部材51とがそれぞれ制動機能部であるダンパ機能を備えた構成であり、これ以外は実施形態1と同じ構成になっている。
すなわち、第1ヒンジ部材50は、実施形態1と同様、第1、第2鍵盤ケース1、2の互いに隣接する端部1a、2a同士に跨って取り付けられている。この第1ヒンジ部材50は、図20および図21に示すように、第1トルクヒンジ部52と第2トルクヒンジ部53とを備え、これら第1、第2トルクヒンジ部52、53が第1、第2鍵盤ケース1、2の互いに隣接する端部1a、2a同士に跨って取り付けられている。この場合、第1、第2トルクヒンジ部51、52は、ヒンジカバー部50aによって覆われていると共に、その前後端部にはヒンジキャップ50bがそれぞれ取り付けられている。
また、第1、第2トルクヒンジ部52、53は、図20および図21に示すように、それぞれ第1、第2ヒンジ本体54、55と、この第1、第2ヒンジ本体54、55の軸中心に設けられた第1、第2回転軸56、57とを有し、第1、第2回転軸56、57が同一軸上に配置されていると共に、第1、第2ヒンジ本体54、55によって第1、第2回転軸56、57に摩擦による負荷が加わった状態で第1、第2回転軸56、57が第1、第2ヒンジ本体54、55に回転可能な状態で取り付けられた構成になっている。
これにより、第1、第2トルクヒンジ部52、53は、これらを回転支点として第1、第2鍵盤ケース1、2を相対的に回転させるときに、第1、第2ヒンジ本体54、55によって第1、第2回転軸56、57に摩擦による負荷が加わっていることにより、その摩擦による負荷に抗するトルクが発生し、このトルクによって第1、第2鍵盤ケース1、2の回転動作を制動するように構成されている。なお、第1、第2トルクヒンジ部52、53は、その内部に粘度指数が極めて高いオイルが充填され、このオイルの粘性により摩擦による摩耗や異音による騒音の発生を防ぐように構成されている。
ところで、第1トルクヒンジ部52は、図20および図21に示すように、第1、第2鍵盤ケース1、2の各上部における後部側(図20では上辺部側)に位置し、その第1回転軸56の一端部(図21では上端部)が第1ヒンジ本体54の後端面(図21では上端面)から第1、第2鍵盤ケース1、2の後部側に向けて突出した状態で取り付けられた構成になっている。第2トルクヒンジ部53は、第1、第2鍵盤ケース1、2の各上部における前部側(図20では下辺部側)に位置し、その第2回転軸57の一端部(図21では下端部)が第2ヒンジ本体55の前端面(図21では下端面)から第1、第2鍵盤ケース1、2の各上部における前部側に向けて突出した状態で取り付けられた構成なっている。
また、第1、第2トルクヒンジ部52、53は、図20および図21に示すように、第1鍵盤ケース1内に取り付けられた第1取付部材60と、第2鍵盤ケース2内に取り付けられた第2取付部材61とによって第1、第2鍵盤ケース1、2に取り付けられている。すなわち、第1取付部材60は、第1ヒンジ本体54が取り付けられる第1取付板60aと、第2ヒンジ本体55が取り付けられる第2取付板60bとを備えている。
この第1取付板60aは、金属板をほぼL字形状に折り曲げたものであり、第1ヒンジ本体54がボルト54aによって取り付けられている。第2取付板60bも、金属板をほぼL字形状に折り曲げたものであり、第2ヒンジ本体55がボルト55aによって取り付けられている。そして、第1、第2取付板60a、60bは、その各他端部が互いに重なり合って取り付けられ、この状態で第1鍵盤ケース1内に取り付けられ、これにより第1、第2ヒンジ本体54、55を第1鍵盤ケース1に対し固定している。
第2取付部材61は、第1回転軸56が取り付けられる第3取付板61aと、第2回転軸57が取り付けられる第4取付板61bと、第3、第4取付板61a、61bを連結する連結板61cとを備えている。第3取付板61aは、帯状の金属板からなり、第1回転軸56の一端部(図21では上端部)が第2鍵盤ケース2に対し相対的に回転しないように取り付けられている。
第4取付板61bは、帯状の金属板をクランク状に折り曲げたものであり、第2回転軸57の一端部(図21では下端部)が第2鍵盤ケース2に対し相対的に回転しないように取り付けられている。そして、第3、第4取付板61a、61bは、それぞれ連結板61cによって連結された状態で、第2鍵盤ケース2内に取り付けられ、これにより第1、第2回転軸56、57を第2鍵盤ケース2に対し固定している。
一方、一対の第2ヒンジ部材51は、実施形態1と同様、第1、第2側板部材3、4の互いに対向する各内面に、第1、第2鍵盤ケース1、2の両側に位置する各端部1b、2bを上下方向に回転可能に連結するものであり、第1ヒンジ部材50と同じ構成になっている。
すなわち、左側に位置する第2ヒンジ部材51は、第1鍵盤ケース1の下面における左端部とこれに対応する第1側板部材3の内面とを回転可能に連結するものであり、第1ヒンジ部材50と同様、第1鍵盤ケース1の回転動作に負荷を与えて、その回転動作を制動するように構成されている。また、右側に位置する第2ヒンジ部材51は、第2鍵盤ケース2の下面における右端部と第2側板部材4の内面とを連結ものであり、第1ヒンジ部材50と同様、第2鍵盤ケース2の回転動作に負荷を与えて、その回転動作を制動するように構成されている。
このような鍵盤楽器によれば、実施形態1と同様の作用効果がある。すなわち、使用するときに、第1ヒンジ部材50および一対の第2ヒンジ部材51をそれぞれ回転支点として、2つに分割された第1、第2鍵盤ケース1、2を第1、第2側板部材3、4間でそれぞれ回転させながら展開させることにより、従来例のように机などの載置台を用意する必要がなく、第1、第2側板部材3、4を押し広げて、図19に示すように、第1、第2鍵盤ケース1、2を一対の第1、第2側板部材3、4間に水平な状態で連続させることがきる。
この場合、2つに分割された第1、第2鍵盤ケース1、2を第1、第2側板部材3、4間で回転させるときには、第1ヒンジ部材50の第1、第2トルクヒンジ部52、53と、一対の第2ヒンジ部材51の第1、第2トルクヒンジ部52、53とが、第1、第2鍵盤ケース1、2の回転動作に対し負荷を与えているので、第1、第2鍵盤ケース1、2の重量が重くても、第1ヒンジ部材50の第1、第2トルクヒンジ部52、53と、一対の第2ヒンジ部材51の第1、第2トルクヒンジ部52、53との各制動力によって、軽い力で安全に押し上げることができる。
また、使用しないときに、第1、第2鍵盤ケース1、2を折り畳む際にも、第1ヒンジ部材50の第1、第2トルクヒンジ部52、53と、一対の第2ヒンジ部材51の第1、第2トルクヒンジ部52、53とが、第1、第2鍵盤ケース1、2の回転動作に対し負荷を加えて制動するので、第1、第2鍵盤ケース1、2がその重量で急激に折り畳まれることがなく、ゆっくり安全に折り畳むことができる。
なお、上記実施形態4では、第1ヒンジ部材50と一対の第2ヒンジ部材51とがそれぞれ制動機能部であるダンパ機能を有する第1トルクヒンジ部52と、これと同じ機能を有する第2トルクヒンジ部53とを備えた構成である場合について述べたが、これに限らず、第1ヒンジ部材50と一対の第2ヒンジ部材51とのうち、いずれか1つのみをダンパ機能を有する第1トルクヒンジ部52と、これと同じ機能を有する第2トルクヒンジ部53とを備えた構成にしても良い。
例えば、一対の第2ヒンジ部材51をそれぞれダンパ機能を有する第1トルクヒンジ部52と、これと同じ機能を有する第2トルクヒンジ部53とを備えた構成にしても良く、また第1ヒンジ部材50のみをダンパ機能を有する第1トルクヒンジ部52と、これと同じ機能を有する第2トルクヒンジ部53とを備えた構成にしても良い。
また、上記実施形態4では、第1ヒンジ部材50と一対の第2ヒンジ部材51とがそれぞれ制動機能部であるダンパ機能を有する第1トルクヒンジ部52と、これと同じ機能を有する第2トルクヒンジ部53とを備えた構成である場合について述べたが、これに限らず、第1トルクヒンジ部52と第2トルクヒンジ部53とのいずれか一方のみを備えた構成でも良い。
また、上記実施形態4においても、実施形態2と同様、第1、第2側板部材3、4にカバー部材30を設けた構成にしても良い。この場合にも、カバー部材30は、第1、第2側板部材3、4の各前端部にそれぞれ設けられた一対の前カバー部31と、第1、第2側板部材3、4の各後端部にそれぞれ設けられた一対の後カバー部32とを備えた構成でも良く、また第1、第2側板部材3、4の各下端部間にそれぞれ底カバー部を更に設けた構成でも良く、また必ずしも一対の前カバー部31と一対の後カバー部32との両方を備えている必要はなく、少なくとも一対の前カバー部31のみを備えた構成でも良い。
さらに、上記実施形態4においても、実施形態3と同様、譜面立て部材36を第1、第2鍵盤ケース1、2の互いに隣接する端部1a、2a同士の各上面9a、11aに、その両方に跨った状態で、折り畳み可能に取り付けた構成でも良い。