JP4893396B2 - 誘電体フィルムおよびそれを用いた電子部品 - Google Patents

誘電体フィルムおよびそれを用いた電子部品 Download PDF

Info

Publication number
JP4893396B2
JP4893396B2 JP2007067928A JP2007067928A JP4893396B2 JP 4893396 B2 JP4893396 B2 JP 4893396B2 JP 2007067928 A JP2007067928 A JP 2007067928A JP 2007067928 A JP2007067928 A JP 2007067928A JP 4893396 B2 JP4893396 B2 JP 4893396B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
resin
dielectric
layer
dielectric film
dielectric layer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2007067928A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2008229849A (ja
Inventor
泰典 日置
宣弘 吉川
智道 市川
一郎 中村
一朗 中祖
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Murata Manufacturing Co Ltd
Original Assignee
Murata Manufacturing Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Murata Manufacturing Co Ltd filed Critical Murata Manufacturing Co Ltd
Priority to JP2007067928A priority Critical patent/JP4893396B2/ja
Publication of JP2008229849A publication Critical patent/JP2008229849A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4893396B2 publication Critical patent/JP4893396B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Laminated Bodies (AREA)
  • Fixed Capacitors And Capacitor Manufacturing Machines (AREA)
  • Organic Insulating Materials (AREA)

Description

本願発明は、例えば、コンデンサを構成する誘電体層として用いたり、多層基板などに組み込んでコンデンサ素子を形成したりするのに用いたりすることが可能な誘電体フィルム、およびそれを誘電体層として用いた、積層コンデンサ、フィルムコンデンサ、多層基板などの電子部品に関する。
電子機器に広く使用される電子部品の一つにコンデンサがあり、電子機器の小型化にともなって、コンデンサに対しても小型化や薄型化が要求されている。
そして、薄型のコンデンサを形成することが可能な材料として、熱硬化性樹脂中に高誘電率を有する誘電体セラミックスを含有させた、可撓性を有する誘電体フィルムが提案されている(特許文献1参照)。
この誘電体フィルムは、エポキシ樹脂などの熱硬化性樹脂中に誘電体セラミックスを含有させた熱硬化性複合誘電体フィルムであって、例えば、図7に示すように、誘電体フィルム51の両主面に電極52a,52bを配設することにより、箔状のコンデンサを形成することが可能である。
そして、このコンデンサにおいては、耐熱性に優れた熱硬化性樹脂を用い、かつ、高誘電率を有する誘電体セラミックスを用いることにより、耐熱性に優れ、取得可能な静電容量値の大きい箔状のコンデンサを得ることが可能になる。
しかしながら、このコンデンサを、例えばハイブリッドカーや燃料電池車に用いることを考えた場合、耐電圧性が必ずしも十分ではないという課題がある。
すなわち、誘電率や体積抵抗率の異なる有機成分(熱硬化性樹脂)と無機成分(誘電体セラミックス)を複合化すると、両者の界面に電界集中が発生し、破壊の起点となるため、耐電圧性が低下するという問題点がある。
また、このコンデンサの場合、熱硬化性樹脂に分散させた無機成分(誘電体セラミックス)のために、複合誘電体層の表面の平滑性が低下し、複合誘電体層の両主面に形成される電極と、複合誘電体層を構成する無機成分との間の樹脂部分に電界集中が発生するため、この点でも耐電圧性が低下するという問題点がある。
特開2002−356619号公報
本願発明は、上記課題を解決するものであり、表面に形成される電極との間に電界集中が生じることを抑制、防止することが可能で、高い耐電圧性が求められるコンデンサや多層基板などに適用することが可能な誘電体フィルム、および、それを誘電体層として用いた電子部品を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本願発明(請求項1)の誘電体フィルムは、
樹脂中に誘電体フィラーを分散させてなり、表面に前記誘電体フィラーによる凹凸がある複合誘電体層と、
前記複合誘電体層の表裏両主面に配設された高耐電圧性樹脂層と
を具備し、
前記複合誘電体層の表裏両主面に配設された前記高耐電圧性樹脂層のうち、少なくとも一方の表面に電極が形成されているとともに、
前記電極が形成された前記高耐電圧性樹脂層の表面が、前記複合誘電体層の表面より平滑であること
を特徴としている。
また、請求項2の誘電体フィルムは、請求項1の発明の構成において、前記複合誘電体層を構成する前記樹脂および前記高耐電圧性樹脂層を構成する樹脂が、ポリビニルアセトアセタール樹脂であることを特徴としている。
また、請求項3の誘電体フィルムは、請求項1または2の発明の構成において、前記ポリビニルアセトアセタール樹脂は、ガラス転移温度が100℃以上のものであることを特徴としている。
また、請求項4の誘電体フィルムは、請求項1〜3のいずれかの発明の構成において、前記高耐電圧性樹脂層の表面に、前記複合誘電体層を構成する前記誘電体フィラーが露出していないことを特徴としている。
また、請求項5の誘電体フィルムは、請求項1〜4のいずれかの発明の構成において、前記複合誘電体層を構成する前記樹脂および前記高耐電圧性樹脂層を構成する樹脂として同じ樹脂が用いられていることを特徴としている。
また、本願発明(請求項6)の電子部品は、請求項1〜5のいずれかに記載の誘電体フィルムが、誘電体層として用いられていることを特徴としている。
また、請求項7の電子部品は、請求項6の発明の構成において、前記電子部品が、積層コンデンサ、フィルムコンデンサ、多層基板からなる群より選ばれる1種であることを特徴としている。
本願発明(請求項1)の誘電体フィルムは、樹脂中に誘電体フィラーを分散させてなる複合誘電体層の表裏両主面に高耐電圧性樹脂層を配設するようにしているので、複合誘電体層と高耐電圧性樹脂層とが電圧分担することによって、誘電体フィルム全体の耐電圧性を向上させることが可能になる。
また、高耐電圧性樹脂層の表面(電極との接合面)が、複合誘電体層の表面より平滑であることから、電極と、複合誘電体層を構成する無機成分との間の樹脂部分に電界集中が生じることを緩和して、耐電圧性をさらに向上させることができる。
すなわち、樹脂に誘電体フィラー(例えばセラミック誘電体粉末)を分散させた複合誘電体層の表面には、誘電体フィラーによる凹凸があり、平滑ではないため、その表面に直接電極を形成して電子部品を構成した場合には、電極と誘電体フィラーとの間の樹脂層に電界が集中して破壊の起点となるが、本願発明のように、複合誘電体層の両主面に高耐電圧性樹脂層を配設することにより、表面に誘電体フィラーが露出していない平滑な誘電体フィルムを得ることが可能になり、その表面に電極を形成した場合、電極と、複合誘電体層を構成する無機成分との間の樹脂部分に電界集中が生じることが緩和されるため、この面からも耐電圧性を向上させることが可能になる。
さらに、複合誘電体層の表裏両主面に配設された高耐電圧性樹脂層のうち、少なくとも一方の表面に電極が形成された構成としているので、多層回路基板に組み込んだり、フィルムコンデンサを構成したりすることが可能になり、種々の用途に有意義に用いることができる。
なお、本願発明においては、誘電体フィラーとして、高誘電率を有する種々の材料を用いることが可能である。好ましい誘電体フィラーとしては、チタン酸ストロンチウム、チタン酸バリウム、チタン酸カルシウム、酸化チタンなどの誘電体セラミックスが例示される。
また、請求項2の誘電体フィルムのように、複合誘電体層の両主面に配設される高耐電圧性樹脂層に、ポリビニルアセトアセタール樹脂を用いることにより、絶縁破壊強度を確実に向上させることが可能なり、本願発明をより実効あらしめることができる。
なお、高耐圧性を考慮すると、上述のポリビニルアセトアセタールを用いることが望ましいが、複合誘電体層の両主面に配設される高耐電圧性樹脂層用の樹脂材料としては、その他にも、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレンなどを用いることが可能である。
なお、一般的に絶縁材料として使用されている樹脂材料は、本願発明における複合誘電体層の表面に配設される高耐電圧性樹脂層に使用することが可能である場合が多い。
また、請求項3の誘電体フィルムのように、ガラス転移温度が100℃以上のポリビニルアセトアセタール樹脂を用いることにより、耐電圧性をさらに向上させることができる。
また、請求項4の誘電体フィルムのように、高耐電圧性樹脂層の表面に、誘電体フィラーを露出させないようにすることにより、表面の平滑性に優れた誘電体フィルムをより確実に得ることが可能になり、本願発明をより実効あらしめることができる。
また、請求項5の誘電体フィルムのように、請求項1〜4のいずれかの発明の構成において、複合誘電体層を構成する樹脂および高耐電圧性樹脂層を構成する樹脂として同じ樹脂を用いることができる。
また、請求項6の電子部品のように、本願発明の誘電体フィルムを、誘電体層として用いることにより、耐電圧性に優れた信頼性の高い電子部品を効率よく製造することができる。
ただし、巻回型のフィルムコンデンサをターゲットにした場合、可とう性が必要であるため、複合誘電体層および高耐電圧性樹脂層に用いる樹脂としては、可とう性エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂などを用いることが好ましい。
また、請求項7のように、本願発明の誘電体フィルムを誘電体層として用いて、積層コンデンサ、フィルムコンデンサ、多層基板のいずれかを構成することにより、耐電圧性に優れた信頼性の高い製品を得ることが可能になり、本願発明をより実効あらしめることが可能になる。
なお、フィルムコンデンサは平坦な形状のものであってもよく、また、巻回型のフィルムコンデンサであってもよい。
以下に本願発明の実施例を示して、本願発明の特徴とするところをさらに詳しく説明する。
[誘電体フィルムの構成材料の準備]
(1)まず、複合誘電体層を構成する樹脂材料として、ポリピニルアセトアセタール樹脂とビスフェノールA型エボキシ樹脂を用意した。
そして、ポリピニルアセトアセタール樹脂を、トルエン及びエタノールを重量比で1:1の割合で混合した混合溶媒に溶解させて、ポリピニルアセトアセタール樹脂の7重量%溶液を作製した。
また、ビスフェノールA型エポキシ樹脂を、トルエン及びエタノールを重量比で1:1の割合で混合した混合溶媒に溶解させて、ビスフェノールA型エポキシ樹脂の50重量%溶液を作製した。
(2)また、上記樹脂成分と反応する架橋剤として、TDI系ブロックドポリイソシアネート樹脂を用意した。
そして、このTDI系ブロックドポリイソシアネート樹脂は、酢酸エチルに溶解して、TDI系ブロックドポリイソシアネート樹脂の65重量%溶液を作製した。
(3)また、複合誘電体層を構成する誘電体フィラーとして、平均粒径が約0.2μmのチタン酸ストロンチウム粉末を用意した。
なお、チタン酸ストロンチウムの表面を処理するための処理剤として、カップリング剤であるエポキシシランを用意した。
(4)また、複合誘電体層の両主面に配設すべき高耐電圧性樹脂層用の樹脂材料として、ポリピニルアセトアセタール樹脂を用意した。
そして、このポリピニルアセトアセタール樹脂を、トルエン及びエタノールを重量比で1:1の割合で混合した混合溶媒に溶解させて、ポリピニルアセトアセタール樹脂の7重量%溶液を作製した。
[誘電体フィルムの作製]
(1)上述のようにして用意したチタン酸ストロンチウム粉末100重量部とエポキシシラン6重量部を、トルエンとエタノールを1:1の割合で混合した混合溶媒50重量部に混合し、ボールミルにより8時間混合して、チタン酸ストロンチウム粉末をエポキシシランで表面処理するとともに十分に分散させた。
(2)その後、上記のようにしてチタン酸ストロンチウム粉末を表面処理し、分散させた分散液に、上述の、
a)ビスフェノールA型エポキシ樹脂の50重量%溶液8.95重量部、
b)TDI系ブロックドポリイソシアネート樹脂の65重量%溶液6.92重量部、
c)ポリピニルアセトアセタール樹脂の7重量%溶液298.3重量部
を加え、さらに16時間混合して、原料スラリーを作製した。
この原料スラリーにおいては、チタン酸ストロンチウム粉末の含有割合が、後述する架橋反応後において、上記、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、エポキシシラン及びTDI系ブロックドポリイソシアネート樹脂、ポリビニルアセトアセタール樹脂からなる樹脂の体積と、チタン酸ストロンチウム粉末の体積との合計に対して40体積%となる。
(3)それから、上記原料スラリーをコーターによりキャリアフィルム上でシート状に成形し、35℃にて予備乾燥した後、さらに95℃にて本乾燥させ、厚みが4μmの未硬化のシートを得た。
(4)その後、180℃・1時間の条件で熱処理して、架橋反応を完結させることにより、チタン酸ストロンチウム粉末を40体積%含む複合誘電体層を作製した。
(5)次に、架橋反応を完結させた複合誘電体層を、ポリビニルアセトアセタール樹脂溶液に浸漬して引き上げ、100℃で乾燥させることにより、複合誘電体層の両主面に高耐電圧性樹脂層を形成した。
なお、本実施例では、ポリビニルアセトアセタール樹脂溶液を用意し、上述の方法で高耐電圧性樹脂を形成したが、ビスフェノールA型エボキシ樹脂と、TDI系ブロックドポリイソシアネート樹脂と、ポリビニルアセトアセタール樹脂とからなる高耐電圧性樹脂層を形成することも可能である。
その場合、例えば、
a)ビスフェノールA型エポキシ樹脂の50重量%溶液8.95重量部、
b)TDI系ブロックドポリイソシアネート樹脂の65重量%溶液6.92重量部、
c)ポリピニルアセトアセタール樹脂の7重量%溶液298.3重量部
を混合して得られる原料を用いる。
なお、この場合、100℃の乾燥工程の後、180°で1時間の熱処理工程が行われる。
これにより、図1に示すように、樹脂1中に誘電体フィラー(誘電体セラミックスであるチタン酸ストロンチウム粉末)2を分散させてなる厚みが約4μmの複合誘電体層3と、複合誘電体層3の表裏の両主面に配設された、厚みが約1μmの高耐電圧性樹脂層4a,4bとを備えた誘電体フィルム5を得た。
なお、この実施例では、高耐電圧性樹脂層の形成方法として、上述のようなディップ方式を用いたが、スピンコート、キャスト、ドクターブレードなどの各種コーターを用いる塗布などの方法を用いることも可能である。
[特性の評価]
上述のようにして作製した誘電体フィルム5の表裏の両主面に、図2に示すように、真空蒸着法によりAlを主成分とする電極6a,6bを形成し、以下の方法で電気的特性を評価した。
すなわち、LCRメータ(4284A:アジレント製)を用いて、測定周波数:20kHz、及び測定電圧:1Vにおける比誘電率εrを測定した。
また、絶縁破壊試験装置を用いて、絶縁破壊電圧を測定した。
また、比較のため、複合誘電体層の表裏両主面に高耐電圧性樹脂層が配設されていない誘電体フィルムを作製し、この比較例の誘電体フィルムについても同様の方法で電気的特性を評価した。
電気的特性の評価結果を表1に示す。
Figure 0004893396
表1に示すように、複合誘電体層の両主面に高耐電圧性樹脂層を形成した本願発明の実施例にかかる誘電体フィルムの場合、比誘電率εrには大きな差がないものの、絶縁破壊電圧は、比較例に比べて実施例の方が大幅に高くなっていることが確認された。
なお、比較例において、耐電圧性が悪い(絶縁破壊電圧が低い)のは、複合誘電体層が、誘電率や体積抵抗率の異なる有機成分(樹脂)と無機成分(誘電体フィラーであるチタン酸ストロンチウム粉末)とを複合化したものであることから、両者の界面で電界集中が発生して破壊の起点となったり、有機成分(樹脂)に分散させた無機成分(チタン酸ストロンチウム粉末)のため、複合誘電体層の表面の平滑性が低下し、電極と誘電体フィラー(チタン酸ストロンチウム粉末)との間の樹脂部分に電界集中が生じたりすることなどの理由によるものと考えられる。
上述のように、本願発明(請求項1)の誘電体フィルムは、樹脂中に誘電体フィラーを分散させてなる複合誘電体層の両主面に高耐電圧性樹脂層を配設するようにしているので、複合誘電体層と高耐電圧性樹脂層とが電圧分担することにより、誘電体フィルム全体として、高い耐電圧性を得ることができる。
また、複合誘電体層の表面に、誘電体フィラーによる凹凸が生じても、複合誘電体層の両主面に配設された高耐電圧性樹脂層により、表面に誘電体フィラーが露出していない平滑な誘電体フィルムを得ることが可能になり、この面からも、電界集中を緩和して、耐電圧性を向上させることができる。
図3は、本願発明にかかる誘電体フィルムを用いて作製した積層コンデンサの構成を示す断面図である。
この積層コンデンサ10は、Alを主成分とする複数の内部電極13が誘電体層12を介して互いに対向するように配設され、かつ、その一端側が交互に異なる側の端面に引き出された積層素子11の両端側に、内部電極13と導通するように、Zn、Snを主成分とする一対の外部電極14a,14bが配設された構造を有している。
この積層コンデンサ10は、図4に示すように、本願発明にかかる誘電体フィルム(例えば、図1に示すような誘電体フィルム5)の表面に、真空蒸着法により、Alを主成分とし、所定のパターンを有する内部電極(導体パターン)13を形成した電極形成フィルム15を積層し、さらにその上下両側に導体パターンの形成されていない外層用の誘電体フィルムを積層し、必要に応じてカットした後、得られる積層素子1の、内部電極13の一方側が露出した両端部に、例えば、金属溶射などの方法で外部電極14a,14bを形成することにより製造することができる。
このようにして製造された積層コンデンサにおいては、高誘電率を有し、かつ、耐電圧性に優れた本願発明の誘電体フィルムが用いられているため、高特性で、破壊電圧値が高く、信頼性の高い積層コンデンサを得ることができる。
図5は、本願発明にかかる誘電体フィルムを用いて作製した巻回型のフィルムコンデンサ(巻回型コンデンサ)の構成を示す図である。
図5に示すように、この巻回型コンデンサ20は、一方主面に電極21aが形成された誘電体フィルム22aと、同じく一方主面に電極21bが形成された誘電体フィルム22bの2枚の誘電体フィルムを巻回することにより形成されている。
この巻回型コンデンサ20も本願発明の誘電体フィルムを用いて製造することができる。例えば、誘電体フィルムを構成する樹脂材料として、硬化後にも可撓性を有する樹脂中に誘電体フィラーを分散させた複合誘電体層の両主面に高耐電圧性樹脂層を配設してなる誘電体フィルムを用意し、その一方の主面に電極を形成する。そして、この電極の形成された2枚の誘電体フィルムを、巻回することにより、図5に示すような巻回型コンデンサが得られる。
このようにして製造された巻回型コンデンサにおいても、高誘電率を有し、かつ、耐電圧性に優れた本願発明の誘電体フィルムが用いられているため、高特性で、破壊電圧値が高く、信頼性の高い巻回型コンデンサを得ることができる。
図6は、本願発明にかかる誘電体フィルムを用いて作製した多層基板の構成を示す断面図である。
この多層基板30は、図6に示すように、本願発明の誘電体フィルムを用いて形成した誘電体層(絶縁層)31を介して、Cuを主成分とする内部導体32や、外部導体33が積層され、ビアホール34を介して内部導体32や、外部導体33が互いに接続されることにより、回路配線35が形成された構造を有している。
この多層基板も、本願発明にかかる誘電体フィルムの表面に、導体パターンを形成した誘電体フィルムや、導体パターンとビアホールを形成した誘電体フィルム、特に導体パターンを形成していない誘電体フィルムなどを適宜用意し、これらを所定の順序で積層する工程を経て製造することができる。
なお、本願発明の誘電体フィルムおよびそれを用いた電子部品は、上記の各実施例に限定されるものではなく、複合誘電体層を構成する樹脂の種類、誘電体フィラーの種類や配合割合、高耐電圧性樹脂層を構成する樹脂の種類、複合誘電体層および高耐電圧性樹脂層の厚みなどに関し、本発明の効果を損なわない範囲内において、種々の応用、変形を加えることが可能である。
上述のように、本願発明によれば、表面に形成される電極との間に電界集中が生じることを抑制、防止することが可能で、高い耐電圧性が求められるコンデンサや多層基板などに適用することが可能な誘電体フィルムおよびそれを用いた耐電圧性に優れた信頼性の高い電子部品を提供することが可能になる。
したがって、本願発明は、誘電体材料の分野、誘電体を用いた電子部品の分野に広く適用することが可能である。
本願発明の一実施例(実施例1)にかかる誘電体フィルムの構成を示す断面図である。 本願発明の誘電体フィルムの電気的特性の評価方法を説明する図である。 本願発明の誘電体フィルムを用いて作製した積層コンデンサの構成を示す断面図である。 図3の積層コンデンサの製造方法を説明する図である。 本願発明の誘電体フィルムを用いて作製した巻回型コンデンサの構成を示す図である。 本願発明の誘電体フィルムを用いて作製した多層基板の構成を示す断面図である。 従来の誘電体フィルムを用いて形成したコンデンサを示す図である。
1 複合誘電体層を構成する樹脂
2 誘電体フィラー
3 複合誘電体層
4 高耐電圧性樹脂層
5 誘電体フィルム
6a,6b 電極
10 積層コンデンサ
11 積層素子
13 内部電極
14a,14b 外部電極
15 電極形成フィルム
20 巻回型コンデンサ
21 電極
22 可撓性樹脂を用いて形成した誘電体フィルム
30 多層基板
31 誘電体層(絶縁層)
32 内部導体
33 外部導体
34 ビアホール
35 回路配線

Claims (7)

  1. 樹脂中に誘電体フィラーを分散させてなり、表面に前記誘電体フィラーによる凹凸がある複合誘電体層と、
    前記複合誘電体層の表裏両主面に配設された高耐電圧性樹脂層と
    を具備し、
    前記複合誘電体層の表裏両主面に配設された前記高耐電圧性樹脂層のうち、少なくとも一方の表面に電極が形成されているとともに、
    前記電極が形成された前記高耐電圧性樹脂層の表面が、前記複合誘電体層の表面より平滑であること
    を特徴とする誘電体フィルム。
  2. 前記複合誘電体層を構成する前記樹脂および前記高耐電圧性樹脂層を構成する樹脂が、ポリビニルアセトアセタール樹脂であることを特徴とする、請求項1記載の誘電体フィルム。
  3. 前記ポリビニルアセトアセタール樹脂は、ガラス転移温度が100℃以上のものであることを特徴とする、請求項1または2記載の誘電体フィルム。
  4. 前記高耐電圧性樹脂層の表面に、前記複合誘電体層を構成する前記誘電体フィラーが露出していないことを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載の誘電体フィルム。
  5. 前記複合誘電体層を構成する前記樹脂および前記高耐電圧性樹脂層を構成する樹脂として同じ樹脂が用いられていることを特徴とする、請求項1〜4のいずれかに記載の誘電体フィルム。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載の誘電体フィルムが、誘電体層として用いられていることを特徴とする電子部品。
  7. 前記電子部品が、積層コンデンサ、フィルムコンデンサ、多層基板からなる群より選ばれる1種であること
    を特徴とする請求項6記載の電子部品。
JP2007067928A 2007-03-16 2007-03-16 誘電体フィルムおよびそれを用いた電子部品 Expired - Fee Related JP4893396B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007067928A JP4893396B2 (ja) 2007-03-16 2007-03-16 誘電体フィルムおよびそれを用いた電子部品

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007067928A JP4893396B2 (ja) 2007-03-16 2007-03-16 誘電体フィルムおよびそれを用いた電子部品

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2008229849A JP2008229849A (ja) 2008-10-02
JP4893396B2 true JP4893396B2 (ja) 2012-03-07

Family

ID=39903233

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2007067928A Expired - Fee Related JP4893396B2 (ja) 2007-03-16 2007-03-16 誘電体フィルムおよびそれを用いた電子部品

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4893396B2 (ja)

Families Citing this family (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5333746B2 (ja) * 2009-02-20 2013-11-06 株式会社村田製作所 フィルムコンデンサ
WO2010101170A1 (ja) * 2009-03-05 2010-09-10 株式会社村田製作所 フィルムコンデンサ用誘電体樹脂組成物およびその製造方法、ならびにフィルムコンデンサ
WO2010114087A1 (ja) * 2009-04-03 2010-10-07 株式会社村田製作所 フィルムコンデンサ用誘電体樹脂組成物およびフィルムコンデンサ
WO2012173018A1 (ja) 2011-06-17 2012-12-20 株式会社村田製作所 積層セラミック電子部品、および積層セラミック電子部品の製造方法
EP2770516B1 (en) * 2011-10-18 2016-11-16 Murata Manufacturing Co., Ltd. Dielectric resin composition for film capacitors, and film capacitor
CN104137203B (zh) * 2012-02-29 2017-04-05 株式会社村田制作所 薄膜电容器用电介质树脂组合物和薄膜电容器
WO2017048307A1 (en) * 2015-09-14 2017-03-23 Polymerplus, Llc Multicomponent layered dielectric film and uses thereof
WO2017175511A1 (ja) * 2016-04-06 2017-10-12 株式会社村田製作所 フィルムコンデンサ、コンデンサ用フィルム、及び、フィルムコンデンサの製造方法
JP2021190443A (ja) * 2020-05-25 2021-12-13 株式会社村田製作所 フィルムコンデンサおよびフィルムコンデンサ用フィルム

Family Cites Families (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH06100833A (ja) * 1992-09-17 1994-04-12 Sakura Color Prod Corp ボールペン用水性インキ組成物
JPH06262705A (ja) * 1993-03-16 1994-09-20 Furukawa Electric Co Ltd:The 表面に電極が形成された樹脂成形体の製造方法
JP3770537B2 (ja) * 2001-07-30 2006-04-26 三井金属鉱業株式会社 キャパシター及びそれを形成するための両面銅張積層板の製造方法
JP4075569B2 (ja) * 2001-10-26 2008-04-16 松下電工株式会社 プリント配線板製造用材料及びプリント配線板及びその製造方法
JP4697226B2 (ja) * 2005-03-23 2011-06-08 株式会社村田製作所 複合誘電体シートおよびその製造方法ならびに積層型電子部品

Also Published As

Publication number Publication date
JP2008229849A (ja) 2008-10-02

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4893396B2 (ja) 誘電体フィルムおよびそれを用いた電子部品
JP4697226B2 (ja) 複合誘電体シートおよびその製造方法ならびに積層型電子部品
US7911029B2 (en) Multilayer electronic devices for imbedded capacitor
CN104576050B (zh) 多层陶瓷电子组件和具有多层陶瓷电子组件的印刷电路板
US9786434B2 (en) Multilayer ceramic electronic component and printed circuit board having the same
JP4970789B2 (ja) 容量デバイス、有機誘電ラミネート、およびそのようなデバイスを組み込んだプリント配線板、ならびにそれらの製造方法
US7567426B2 (en) Polymer-ceramic dielectric composition, embedded capacitor using the dielectric composition and printed circuit board having the capacitor embedded therein
KR102029468B1 (ko) 적층 세라믹 전자부품 및 이의 제조방법
CN105693236A (zh) 低温烧结介电组合物以及由其形成的多层陶瓷电容器
CN105977021A (zh) 多层陶瓷组件
US20230238181A1 (en) Double-sided copper-clad laminate
US20140226254A1 (en) Conductive paste composition, multilayer ceramic capacitor using the same, and method of manufacturing multilayer ceramic capacitor using the same
JP2012232435A (ja) 誘電体フィルムおよびこれを用いたコンデンサ
JP4501143B2 (ja) 電子デバイスおよびその製造方法
JP2006225484A (ja) 複合誘電体材料及び電子部品
KR20120064963A (ko) 내부전극용 도전성 페이스트 조성물, 이의 제조방법 및 이를 이용한 적층 세라믹 전자부품
CN104616889B (zh) 嵌入在板中的多层陶瓷电子组件和印刷电路板
JP2004067889A (ja) 高誘電体組成物
JP2013120834A (ja) フィルムコンデンサ用のフィルムおよびフィルムコンデンサ
JPH04243110A (ja) 金属化プラスチックフィルムコンデンサ
US20230260709A1 (en) Multilayer electronic component
US20220157528A1 (en) Multilayer electronic component
JP2006089530A (ja) 樹脂組成物、樹脂硬化物、および積層型電子部品
TW202146241A (zh) 樹脂層合體、介電體層、附樹脂之金屬箔、電容器元件及內置電容器之印刷配線板
KR20190125743A (ko) 커패시터용 고유전 필름 제조방법

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20100217

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20110803

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20110816

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20111014

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20111122

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20111205

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4893396

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150106

Year of fee payment: 3

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees