JP4893387B2 - シャシーダイナモメータの走行抵抗制御装置 - Google Patents

シャシーダイナモメータの走行抵抗制御装置 Download PDF

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Description

本発明は、シャシーダイナモメータ(CHDY)の走行抵抗制御装置に係り、特にメカニカルロス計測技術に関する。
近年、温暖化対策の一環として、自動車の燃費効率向上、排ガス低減が求められており、これを打開する革新的技術を盛り込んだハイブリッド自動車は自動車メーカのラインアップの主軸になりつつあり、燃料電池車なども実用域に入りつつある。これら自動車開発のため、燃費や排ガス試験を高精度で、かつ再現性があり、しかも簡単な設定方法で試験が実施できる試験設備が求められている。
自動車の燃費や排ガス試験は、気候や天候等に左右されないなどの面から、室内で走行状態を再現できるシャシーダイナモメータを用いて試験されている。このシャシーダイナモメータは、各自動車メーカで既に設備導入されており、自動車メーカで新型自動車等の燃費、排ガス計測などに実施されている。
図15はシャシーダイナモメータによる排ガス試験システムの構成例を示す。試験車両1の駆動輪はローラ2上に乗せられ、ローラ2にはダイナモメータ(図示省略)が負荷として結合されており、試験車両の走行抵抗などが制御盤3によって制御される。排気ガス収集装置4は、試験車両1からの排気ガスを各種排気ガスセンサに通すための流路形成と吸気を行う。排気ガス計測装置としては、ダイレクト排ガス計測装置5,ほか各種排ガス計測装置6〜8等が設置される。なお、試験車両が4輪駆動車(4WD)の場合は、ローラ2は前輪用ローラと後輪用ローラが設備され、各ローラに個別のダイナモメータが負荷として結合される。
これら各種排ガス計測装置5〜8および制御盤3は、LANで結合される操作計測盤9に各種計測情報を伝送し、また操作計測盤9からシャシーダイナモメータの運転および排ガス計測のための制御情報を与える。
このようなシステム構成において、試験車両1は試験員(ドライバー)又はドライブロボットによる変速操作、アクセル操作及びブレーキ操作によって運転され、各種の運転状態における排ガス又は燃費などのデータ収録、計測表示、異常監視や運転状態のファール判定、各種の帳票から報告書出力までの一連の処理作業を実行できる。
以上のようなシャシーダイナモメータにおいて、試験車両をシャシーダイナモ上で路上と同一状態で走行させるためには、路上走行時と同一負荷を車両(タイヤ面)に高精度、高応答で負荷させる必要がある。
シャシーダイナモメータのローラ面に試験車両の駆動輪を載せて、路上と同等の走行抵抗をタイヤ面に加えるには、車両の機械損失(車両メカニカルロス)とシャシーダイナモの機械損失(シャシーダイナモロス)を差し引いた走行抵抗を与える必要がある。図16はシャシーダイナモの走行抵抗制御装置の例を示し、走行抵抗設定部10は試験車両の車速に応じた走行抵抗設定値Fsを発生し、メカロス設定部11は試験車両の車速に応じたメカニカルロスFMLを発生し、走行抵抗設定値FsからメカニカルロスFMLを減じてコントローラ部12の動力制御指令とし、コントローラ部12によりローラ2に機械結合されるモータ13の動力吸収制御を行う。14は速度検出器、15はロードセルである。これらメカニカルロス分の差し引きには、車両メカニカルロスとシャシーダイナモロスを予め計測しておく。
シャシーダイナモロスも含めたメカニカルロスの計測手法として、惰行法がある。この惰行法は、試験車両を載置したシャシーダイナモを速度制御で最高試験速度まで加速した後、惰行させ、検出速度をペンレコーダで紙面にチャートで記録し、このチャートから、単位時間(Δt)あたりの速度降下(ΔV)を目視で計り、このΔtとΔVからF=M×ΔV/Δtで算出する。
ただし、Fはシャシーダイナモロスまたは、シャシーダイナモロス+車両メカニカルロス、Mはシャシーダイナモの固定慣性+移動慣性の合計値、またはシャシーダイナモの固定慣性+移動慣性+車両の回転部慣性。
この惰行法で算出したメカニカルロスFは、任意に設定した速度(設定ポイント)でのものになり、各設定ポイント間(速度区間)のメカニカルロスFは直線補間や二次曲線補間を行って求める。
上記の惰行法を利用したメカニカルロス測定は、シャシーダイナモメータを使用した惰行試験によって走行抵抗も含めて測定する手法もある(例えば、特許文献1参照)。
特開平09−178619号公報
シャシーダイナモメータ上の試験車両を常に同一状態で走行させるためには、できるだけ理論上(又は、実車上)の走行時と同じ走行抵抗を試験車両に対して与える必要があり、このためにはメカニカルロスも精度よく計測する必要がある。しかし、従来のメカニカルロス計測方法では、下記の要因により、精度良いメカニカルロス計測が難しく、正確な燃費計測、排ガス計測も難しくなる。
(1)走行抵抗を設定したシャシーダイナモダイナモ上での再現性確認と負荷調整機能を行う為のロスの補正機能が無い。そのために、シャシーダイナモのローラ面で、目標走行抵抗値が正確に加わっているかどうか確認ができない。また、差異があった場合に、走行抵抗がローラ面に加わるようにする負荷調整機能がない。
(2)メカニカルロス設定時の補間方法と走行抵抗の負荷設定方法とは同じ補間方法でないため、目標走行抵抗を設定したシャシーダイナモダイナモ上での再現性確認と負荷調整を行うと、再現性確認値が走行抵抗の許容範囲に入り難い。
(3)シャシーダイナモロスまたは、シャシーダイナモロス+車両メカニカルロスは車速に対して滑らかな曲線で推移するが、これらの計測データを得る手法としては複数の速度ポイントでのメカニカルロス計測値間を一意的に二次曲線、または速度点毎の間を直線補間するため、実際のシャシーダイナモロスまたは、シャシーダイナモロス+車両メカニカルロスとの間で差異が発生する。
本発明の目的は、精度良いメカニカルロス計測によって、理論上又は実車走行時と同等の再現性のあるメカニカルロスを含めた走行抵抗を試験車両に印加した試験ができるシャシーダイナモメータの走行抵抗制御装置を提供することにある。
本発明は、前記の課題を解決するため、以下の構成としたことを特徴とする。
(1)試験車両の車速に応じた走行抵抗設定値から、試験車両の車速に応じたメカニカルロス計測値を減じた値をシャシーダイナモメータの走行抵抗制御指令として、試験車両の各種試験を行うシャシーダイナモメータの走行抵抗制御装置において、
前記メカニカルロス計測は、
計測制御開始で一定の加速度でシャシーダイナモメータまたは試験車両の駆動力で最高試験速度まで加速し、この速度で安定するのに必要な時間後に該駆動力を「0」にして試験車両を惰行状態にし、この惰行期間中に各計測時間毎の単位時間(Δt)あたりの速度降下(ΔV)からメカニカルロスを求める惰行法によるメカニカルロス計測手段と、
シャシーダイナモメータまたは試験車両の駆動力で段階的に設定する速度まで加速し、この速度に維持した駆動を続け、この一定速度でのトルク検出値を繰り返し取り込み、その平均値トルクが連続してn回だけ安定範囲内に入った場合に制動力の計測を開始し、この制動力の計測には区間平均値トルクの平均値からメカニカルロスを求めるモータリング法によるメカニカルロス計測手段と、
前記惰行法によるメカニカルロス計測と、前記モータリング法によるメカニカルロス計測を切り替えてそれぞれのメカニカルロス計測値を求める手段とを備え、
前記惰行法またはモータリング法によるメカニカルロス計測結果の突き合わせで計測結果の検証を行うことを特徴とする。
)前記惰行状態の惰行速度が最低車速以下になったとき、シャシーダイナモメータにより制動を開始し、この制動開始時の検出速度を初期の速度指令とし、この速度から加速時と同じ傾きで減速することを特徴とする。
)前記メカニカルロス計測値は、速度設定ポイント間を内挿、または外挿によって補間する手段を設け、
前記内挿は、速度設定ポイント間ごとにスプライン関数で補間し、
前記外挿のうち、最低速度設定ポイント以下の範囲は、
スプライン関数で求めた最低速度設定ポイントの制動力の値と、その値の2分の1を0km/hの値として、その間を直線補間(補間処理A)、またはスプライン関数で求めた最低速度設定ポイントの制動力の値を0km/hの値として、その間を直線補間(補間処理B)、またはスプライン関数で0km/hまで補間(補間処理C)、のいずれか一つの補間方法で補間し、
最高速度設定ポイント以上の範囲は、最大設定速度ポイントの制動力の値と、最大設定速度ポイントより1つ小さい設定速度ポイントの制動力の値を含む2点間の直線補間の延長線で補間(補間処理D)することを特徴とする。
)前記メカニカルロス計測手段は、4WD車両を試験車両とする場合、その前輪と後輪について、車両メカニカルロスとシャシーダイナモロスの両方を含めて計測する手段、およびシャシーダイナモ単独運転によるメカニカルロスのみを計測する手段を備え、
4WD車両の前輪と後輪の同期制御を行う場合は前輪と後輪の差の平均値トルクを考慮することなく個々に求め、同期制御を行わない場合は差の平均値トルクを考慮して個々に求めることを特徴とする。
)前記メカニカルロス計測手段は、
メカニカルロス計測時における惰行法とモータリング法の選択と、計測に関連するデータを画面表示する手段と、
メカニカルロス計測における設定操作項目とその実測値を表示する手段と、
惰行法による惰行時間計測中に、予めシャシーダイナモメータに「オフセット制動力」分吸収させて惰行時間を計測するための「オフセット制動力」を設定する手段と、
車速区間設定ウィンドウを開き、各車速区間の開始車速、終了車速、ピッチを設定するための車速区間設定ボタンを表示する手段と、
計測したメカニカルロスをグラフ表示およびグラフ設定するための操作ボタンを表示する手段と、
を有してメカニカルロス計測を行うことを特徴とする。
以上のとおり、本発明によれば、メカニカルロスの精度良い計測によって、理論上又は実車走行時と同等の再現性のあるメカニカルロスを含めた走行抵抗を試験車両に印加した試験ができる。また具体的には、特に下記(1)〜(3)の効果がある。
(1)メカニカルロスを設定したシャシーダイナモダイナモ上での再現性確認と負荷調整機能が付き、シャシーダイナモダイナモのローラ面で、走行抵抗精度を高めた負荷設定ができ、燃費と排ガス計測のための正確な負荷設定が可能になる。
(2)実車の走行抵抗と同じ車速に対して滑らかな曲線でメカニカルロスを含めた負荷設定ができる、実車負荷の再現性が高くなる。
(3)メカニカルロスを含めた走行抵抗の設定車速域を外れた車速区間でも、実車の走行抵抗と近似の走行抵抗を得ることができ、実車負荷の再現性が高くなる。
以下、本実施形態を項分けして詳細に説明する。
(1)メカニカルロス計測
図1は、本発明の実施形態を示すメカニカルロス計測の処理フローであり、操作計測盤9のコンピュータ資源を利用したソフトウェアによってデータ処理され、制御盤3を介した各種計測器(トルク検出器、速度検出器など)の計測データ取得と動力吸収装置の制御によってメカニカルロスの計測データを得る。
図1によるメカニカルロス計測は、惰行法とモータリング法の両方で計測し、それらの計測結果からそれぞれメカニカルロスを求める。計測フローの実行には惰行法とモータリング法の何れの方法で計測するかを切り替え(S1)、惰行法では惰行時間を計測し(S2)、この惰行時間計測値からメカニカルロスを演算する(S3)。モータリング法ではモータリングにより定常状態の制動力を計測し(S4)、この計測値からメカニカルロスを演算する(S5)。これら惰行法またはモータリング法によるメカニカルロス演算結果を使ってメカニカルロス負荷を設定する(S6)。
惰行時間法は、図2に示すように、計測制御開始で一定の加速度(設備定数で設定した傾き)でダイナモメータまたは試験車両の駆動力で最高試験速度まで加速し、この速度で安定するのに必要な時間(設備定数で設定した時間)後に駆動力を「0」にする。この駆動力「0」で、試験車両の駆動輪とローラはメカニカルロスによって減速を開始し、惰行状態に入り、この惰行期間中に各計測時間毎に単位時間(Δt)あたりの速度降下(ΔV)を計測し、下記の演算からメカニカルロスFMLD-Rを求める。
なお、惰行速度が最低車速以下になったとき、ダイナモメータにより制動をかけて減速し、停止させる。このときの制動は、制動開始時の検出速度を初期の速度指令とし、この速度から加速時と同じ傾きで減速することで、トルクショックを与えることなく、早期の停止を得る。
モータリング法によるメカニカルロス計測は、図3に示すように、ダイナモメータまたは試験車両の駆動力で段階的に設定する速度まで加速し、この速度に維持した駆動を続け、この一定速度でのトルクが安定するのに必要な時間を待つ。この安定化判定は、設定速度までの加速が終了した時点から、設定時間毎にトルク検出値を繰り返し取り込み、例えば,100ms毎に5回取り込み、その平均値トルクを算出し、この平均値トルクが連続してn回だけ安定範囲内に入った場合に制動力の計測を開始する。この制動力の計測は、m秒の区間平均値トルクを取り込み、例えば100ms毎に500回取り込み、その平均値をメカニカルロスによる制動力として計測する。
これら制動力計測は、駆動力を段階的に変えた各定速状態で繰り返し、各速度での制動力として計測される。また、各速度から次の段階の速度までの加速度(図中のA,B)は予め設定される。
したがって、惰行法またはモータリング法によるメカニカルロス演算結果を使ってメカニカルロス負荷を設定することができる。これにより、惰行法によるメカニカルロス計測結果と、モータリング法によるメカニカルロス計測結果を突き合わせることで、計測結果の検証に利用することができ、高精度のメカニカルロス負荷設定を可能にする。さらに、後述の設定ポイント間のデータ補間の適正化のチェックにも利用することができる。
なお、惰行法とモータリング法による計測機能は、その一方の機械設備とコンピュータソフトウェアが既存のシャシーダイナモシステムに設けられている場合には、ソフトウェアのみを追加することで簡単に実現できる。
(2)メカニカルロス計測画面
操作計測盤9には、図1〜図3に示すメカニカルロス計測処理におけるマン・マシン・インタフェースとして、計測中の計測データや関連データ、または操作ボタンなどを一画面表示可能にする。以下、各表示/操作ボタンについて詳細に説明する。
(2a)設定項目
図4はメカニカルロス計測時における操作計測盤9の画面表示例を示す。この画面のうち、設定項目欄Aでは惰行法とモータリング法の切り替えを可能にし、図示では惰行法を選択した状態を示す。状態設定項目欄Bには現測定法として設定した惰行測定での各車速区間毎の開始速度と終了速度と、各速度域での前輪制動出力、前輪制御出力をキー入力で行い、これら設定に対する実測値を欄Cに表示する。
欄Dにはオフセット制動力をキー入力で行う。このオフセット制動力は、惰行法のみ有効とするもので、惰行時間計測中に、予めダイナモに「オフセット制動力」分吸収させて惰行時間を計測する。この惰行時間からメカニカルロス(Fmld)を算出するときに「オフセット制動力」を差引いた値を表示する。これにより、惰行時間を短縮、つまり計測時間を短縮する。
欄Bにおける車速区間設定は、モータリング法の車速区間と共用にされ、車速区間設定ボタンEの操作で車速区間設定ウィンドウを開き、各車速区間の開始車速、終了車速、ピッチを設定する。この設定時の制約条件として、以下の(a)〜(d)のものについて自動監視する。
(a)最大車速、最小車速の制約事項
(定格車速−(ピッチ/2)−v≧最大車速
ただし、v=惰行開始車速に対して定常を保持する車速(標準設定:10km/h)
(b)惰行時間計測車速の個数n
n=(最大車速−最小車速)/ピッチ+1
個数のnの制約事項は3≦n≦30
(c)惰行時間計測車速Vm
Vm=最大車速−ピッチ×m
ただし、m=0〜n−1
Vmの制約事項はVm≧最小車速
(d)惰行時間計測区間Vmeas
Vmeas=(Vm+ピッチ/2)〜(Vm−ピッチ/2)
以上の制約条件の基に車速区間が正常に設定、変更されたときには、[OK]の確認ウィンドウを表示する。また、車速区間を変更すると、この車速区間による計測データは消去される。さらにキャンセル設定した場合は全ての設定値および計測データを破棄して1つ前のウィンドウに戻る。
(2b)グラフ表示
計測したメカニカルロスは、図5に例を示すように、グラフ表示操作ボタンFの操作で、グラフ表示用ウィンドウを開き、そのグラフ表示を行う。
グラフは以下の5つを設け、同一グラフ上にY軸スケールを2本描き重ね合わせ表示する。
前輪メカニカルロスFmld、前輪メカニカルロス差分Fmld、後輪メカニカルロスFmld、後輪メカニカルロス差分Fmld、合計メカニカルロスFmld。
また、同時に現在設定されているメカニカルロスとの差分も表示することができる。
(2c)グラフ設定
図6に例を示すように、グラフ設定ボタンの操作でグラフ設定ウィンドウを開き、下記の項目を設定可能にする。
表示範囲には、Y軸設定時にはメカニカルロスの最小と最大値、差分の最小と最大値として表示し、X軸設定時には車速の最大値(X軸はメカニカルロス関係と差分を共通スケール)として表示する。
グラフ色指定には、そのボタン操作で、図7に例を示すように、色設定ウィンドウを開き、基本色の選択、色合い、明るさ等を設定でき、さらにグラフ背景とグラフ格子の色設定もできる。
(2d)表示項目変更
計測データについて、図4における[表示項目変更]ボタンの操作で、図8に例を示すウィンドウを表示する。この計測データは、[表示項目変更]ウィンドウに表示している全項目を保存しており、メカニカルロス計測後に変更してもデータが失われることはない。
したがって、メカニカルロス計測のための表示および設定画面は、シャシーダイナモメータ試験員による試験状態の把握を確実、容易にし、かつ設定操作を容易にする。
(3)計測結果の印刷
図4における[印刷]ボタンの操作で、図9に例を示す印刷画面を、計測したメカニカルロスデータを埋めて表示する。
(4)メカニカルロスの内挿及び外挿の補間処理
メカニカルロスの速度設定ポイント間の補間は、内挿(速度設定ポイントの値を基にして、そのデータの範囲の内側で予想される数値を求める。例えば、スプライン関数による内挿)、または外挿(速度設定ポイントの値を基にして、そのデータの範囲の外側で予想される数値を求める。例えば、直線補間による外挿)によって行う。
また、最小速度以下の範囲は下記の補間処理A〜C、最高速度以上の範囲の補間処理は、下記の補間処理Dの方法によって行い、図10に示すように、それぞれのメカニカルロス計測法の違いによる補間処理法を選択し、使い分け可能にする。
補間処理A:図11の(a)に示すように、10km/hまで、スプラインの延長線を10km/hの値として、0km/hには10km/hの値の1/2をセットして、0〜10km/h間は2点間の直線補間とする。
補間処理B:図11の(b)に示すように、10km/hまで、スプラインの延長線を10km/hの値として、10km/hの値を0km/hの値とする。0km/h〜10km/h間は直線補間とする。
補間処理C:図11の(c)に示すように、0〜10km/h以下のデータを含むスプラインを0km/hまで延長する。
補間処理D:図11の(d)に示すように、設定最大速度の値を含む2点間の直線補間の延長線とする。
したがって、メカニカルロスは滑らかな曲線で負荷設定ができ、負荷の再現性が高くなる。また、メカニカルロス設定速度域を外れた速度区間でも、実車のメカニカルロスと近似の走行抵抗を括ることができ、実車相当のメカニカルロス設定の再現性が高くなる。
(5)メカニカルロスの制御盤への設定
メカニカルロスは、テーブル法(各惰行速度とメカニカルロス(又は、惰行時間)の対データを入力する方法)にて設定した速度区間毎に3次式のスプラインに展開して制御盤3に設定する。
例えば、図12の(a)のように惰行速度範囲を105km/h〜5km/hまで速度ピッチを10km/h毎の前輪制御出力Fmld[N]が求められたとき、同図12の(b)に示すように速度区間毎にスプライン関数の3次式Fn(=An+BnV+CnV2+DnV3)で近似した補間曲線を作成し、メカニカルロスとして設定する。
この3次式の各係数A〜Dは、下記表に示すようになり、0〜10km/h区間では直線補間になり3次式のA項のみになる。また、50km/hを越えた速度から定格速度までは直線補間のためA,B項のみになる。
本実施形態では、惰行速度範囲を105km/h〜5km/hまで、速度ピッチを10km/hで設定したが、惰行速度範囲および速度ピッチは任意の値で良い。
このようにして設定されるメカニカルロスは、制御盤では燃費・排ガス試験において、検出速度がどの速度区間に入るか判断し、速度区間に対応した式に検出速度を代入して、メカニカルロスを算出し、出力する。なお、本実施形態では、スプライン関数は3次式を用いて説明したが、3次以上の関数を用いても良い。
(6)4WD車両のメカニカルロス計測
4WD車両の試験においては、前輪と後輪に個別の走行抵抗を設定した試験が必要となり、この試験のためのメカニカルロスも前輪と後輪について計測し、シャシーダイナモメータにそれぞれ設定した試験を可能にする。
このためのメカニカルロス計測は、下記の表に示すように、車両メカニカルロスとシャシーダイナモロスの両方を含めた計測と、シャシーダイナモロスのみを計測(既設の計測方法)を可能にする。
表中、EPAで前輪、後輪単独でCHDYメカニカルロスを測定する場合には既設のものと同じに、それぞれ対応した車速(惰行時間)から計算する。また、既設の計測方法でΔN=0%(またはΔV=0%)がない4WDシステムではこの信号を必ず追加する。また、実施形態の計測方法における車両込みのメカニカルロス計測の場合、前後輪直結の4WD以外は全て同期制御有りで計測する。また、前後輪直結の4WDの場合は必ず前後を切り離すこと、前後を切り離さない場合は前輪、後輪個別のメカニカルロスは正確に計測できず、合計のメカニカルロスのみとなる。
上記の表中、同期制御有りの場合の(式−1)は、前輪メカニカルロスFMLD-Fおよび後輪メカニカルロスFMLD-Rは以下の式から求める。
各車速区間毎の計算結果のFMLDとFΔTを使って以下の計算を行い、前輪と後輪のメカニカルロスFMLD-F、FMLD-Rを求める。
ただし、FΔTは、平均車速を元に各測定区間(例105−95km/h、…、55−45km/h)における10ms毎に測定した前輪制動力と後輪制動力の差の平均値であり、以下の演算式になる。
上記の表中、同期制御無しの場合の(式―2)は、前輪メカニカルロスFMLD-Fおよび後輪メカニカルロスFMLD-Rを以下の式から求め、式−1と違って差トルクは考慮しない。
なお、惰行時間から計算したメカニカルロス値はプラスであるが、上記の演算処理を行うと、マイナスになる可能性があるため、マイナスのメカニカルロス値設定も可能とする。
例えば、図13に示すように、前輪と後輪の合計メカニカルロスはそれなりの特性であるが、ある車速域で前輪側がプラス、後輪側がマイナスになるケースがある。
この現象は、ゼロ速度制御を行っているため、0km/hのメカニカルロス値がマイナスでもローラは停止しているが、安全のために図14に示す処理を追加する。同図は惰行時間計測で発生した場合の対応を示し、下記の3ケースになる。
(ケース1)10km/hの前輪又は後輪のメカニカルロスがマイナスの場合、マイナスの側のメカニカルロスは、10km/hのメカニカルロス値と0km/h=0Nの値を直線補間する(何もしないと10km/hのメカニカルロス値を0km/hへ平行移動する)。
(ケース2)惰行車速の最小値が10km/hを超えた値で、その車速のメカニカルロス値がマイナスの場合、惰行車速の最小値のスプラインを使用して10km/hを算出して、そこから(ケース1)の処理を行う。
(ケース3)惰行車速の最小値が10km/h未満にあった場合、惰行車速の最小値のメカニカルロス値から0km/h=0Nの値を直線補間する。
本発明の実施形態を示すメカニカルロス計測の処理フロー。 惰行時間法によるメカニカルロス計測波形。 モータリング法によるメカニカルロス計測波形。 メカニカルロス計測時の画面表示例。 メカニカルロス計測時のグラフ表示例。 グラフ表示の設定画面例。 グラフ表示の色設定画面例。 グラフ表示の項目変更画面例。 メカニカルロス計測結果の印刷画面例。 補間処理法の選択例。 最小速度範囲と最高速度範囲の補間処理例。 メカニカルロスの制御盤への設定例。 4WD車の前後輪メカニカルロス特性例。 4WD車の前後輪メカニカルロスの補間例。 シャシーダイナモメータによる排ガス試験システムの構成例。 シャシーダイナモの走行抵抗制御装置の例。
符号の説明
1 試験車両
2 ローラ
3 制御盤
4 排気ガス収集装置
9 操作計測盤

Claims (5)

  1. 試験車両の車速に応じた走行抵抗設定値から、試験車両の車速に応じたメカニカルロス計測値を減じた値をシャシーダイナモメータの走行抵抗制御指令として、試験車両の各種試験を行うシャシーダイナモメータの走行抵抗制御装置において、
    前記メカニカルロス計測は、
    計測制御開始で一定の加速度でシャシーダイナモメータまたは試験車両の駆動力で最高試験速度まで加速し、この速度で安定するのに必要な時間後に該駆動力を「0」にして試験車両を惰行状態にし、この惰行期間中に各計測時間毎の単位時間(Δt)あたりの速度降下(ΔV)からメカニカルロスを求める惰行法によるメカニカルロス計測手段と、
    シャシーダイナモメータまたは試験車両の駆動力で段階的に設定する速度まで加速し、この速度に維持した駆動を続け、この一定速度でのトルク検出値を繰り返し取り込み、その平均値トルクが連続してn回だけ安定範囲内に入った場合に制動力の計測を開始し、この制動力の計測には区間平均値トルクの平均値からメカニカルロスを求めるモータリング法によるメカニカルロス計測手段と、
    前記惰行法によるメカニカルロス計測と、前記モータリング法によるメカニカルロス計測を切り替えてそれぞれのメカニカルロス計測値を求める手段とを備え、
    前記惰行法またはモータリング法によるメカニカルロス計測結果の突き合わせで計測結果の検証を行うことを特徴とするシャシーダイナモメータの走行抵抗制御装置。
  2. 前記惰行状態の惰行速度が最低車速以下になったとき、シャシーダイナモメータにより制動を開始し、この制動開始時の検出速度を初期の速度指令とし、この速度から加速時と同じ傾きで減速することを特徴とする請求項1に記載のシャシーダイナモメータの走行抵抗制御装置。
  3. 前記メカニカルロス計測値は、速度設定ポイント間を内挿、または外挿によって補間する手段を設け、
    前記内挿は、速度設定ポイント間ごとにスプライン関数で補間し、
    前記外挿のうち、最低速度設定ポイント以下の範囲は、
    スプライン関数で求めた最低速度設定ポイントの制動力の値と、その値の2分の1を0km/hの値として、その間を直線補間(補間処理A)、またはスプライン関数で求めた最低速度設定ポイントの制動力の値を0km/hの値として、その間を直線補間(補間処理B)、またはスプライン関数で0km/hまで補間(補間処理C)、のいずれか一つの補間方法で補間し、
    最高速度設定ポイント以上の範囲は、最大設定速度ポイントの制動力の値と、最大設定速度ポイントより1つ小さい設定速度ポイントの制動力の値を含む2点間の直線補間の延長線で補間(補間処理D)することを特徴とする請求項1または2に記載のシャシーダイナモメータの走行抵抗制御装置。
  4. 前記メカニカルロス計測手段は、4WD車両を試験車両とする場合、その前輪と後輪について、車両メカニカルロスとシャシーダイナモロスの両方を含めて計測する手段、およびシャシーダイナモ単独運転によるメカニカルロスのみを計測する手段を備え、
    4WD車両の前輪と後輪の同期制御を行う場合は前輪と後輪の差の平均値トルクを考慮することなく個々に求め、同期制御を行わない場合は差の平均値トルクを考慮して個々に求めることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のシャシーダイナモメータの走行抵抗制御装置。
  5. 前記メカニカルロス計測手段は、
    メカニカルロス計測時における惰行法とモータリング法の選択と、計測に関連するデータを画面表示する手段と、
    メカニカルロス計測における設定操作項目とその実測値を表示する手段と、
    惰行法による惰行時間計測中に、予めシャシーダイナモメータに「オフセット制動力」分吸収させて惰行時間を計測するための「オフセット制動力」を設定する手段と、
    車速区間設定ウィンドウを開き、各車速区間の開始車速、終了車速、ピッチを設定するための車速区間設定ボタンを表示する手段と、
    計測したメカニカルロスをグラフ表示およびグラフ設定するための操作ボタンを表示する手段と、
    を有してメカニカルロス計測を行うことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のシャシーダイナモメータの走行抵抗制御装置。
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