JP4893059B2 - 焼却施設の排ガスおよび飛灰の処理方法 - Google Patents

焼却施設の排ガスおよび飛灰の処理方法 Download PDF

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Description

本発明は、廃棄物焼却炉、発電ボイラ、炭化炉、灰溶融炉等の燃焼施設において発生する、塩化水素や硫黄酸化物等の有害な酸性成分を含む排ガス(以下「酸性ガス」と称す場合がある。)と、飛灰中の重金属を処理する方法に関し、特に飛灰中の鉛の長期安定的溶出防止に有効な処理方法に関するものである。
従来、廃棄物焼却炉、発電ボイラ、炭化炉、灰溶融炉等の燃焼施設において発生する、塩化水素や硫黄酸化物等の有害な酸性成分を含む排ガスは、消石灰等の酸性ガス処理剤で処理され、その後、バグフィルター等の集塵機で除塵された後、煙突から排出される。
一方、集塵機で集塵された飛灰は、有害なPb、Cd等の重金属類を含有しているため、これらの有害重金属の安定化処理が施された後、埋立処分されている。従来、飛灰中の重金属の処理方法としては、ジエチルジチオカルバミン酸塩等のキレート剤で不溶化処理する方法(例えば、特許文献1,2)が一般的であるが、キレート剤による処理では、環境庁告示13号試験による短期の固定効果は高いが、最終処分場における酸性雨によるpH低下、キレートの酸化自己分解によるPb等の重金属の再溶出の問題が残る。
これに対して、リン酸等のリン酸系重金属固定剤により重金属を固定する方法(例えば特許文献3)は、重金属を無機鉱物であるヒドロキシアパタイト形態まで変化させるため、最終処分場における長期安定性に優れ、環境保護の観点から非常に価値の高い処理方法である。
ところで、塩化水素等の酸性ガスを消石灰で処理する場合、酸性ガスに対する消石灰の必要量が多く、この結果、酸性ガスを消石灰で処理している焼却施設で集塵された飛灰は、消石灰による未反応アルカリ分が残存するアルカリ性の飛灰(以下「アルカリ飛灰」と称す場合がある。)となる。このようなアルカリ飛灰をリン酸等の無機重金属固定剤で処理するには、多量の添加量を必要とするか、或いは飛灰pHを低下させるために酸度の高い正リン酸や中和剤として硫酸バンドや塩化鉄等を併用する必要がある。これらの酸性薬剤は強酸であるため、このような薬剤の使用は薬注配管や混練機材質の腐食等の問題を引き起こしたり、腐食防止のために材質変更などの改造が必要となるなどの問題がある。
特開平3−231921号公報 特開平6−15280号公報 特公平4−61710号公報
本発明は、このような焼却施設の排ガスおよび飛灰処理現状を考慮し、リン酸系重金属固定剤を用いて、最終処分場における飛灰の鉛等の長期安定的固定を実現する上で、酸性ガスの処理、飛灰混練機材質等の腐食防止などを含めた総合的な処理における最適な処理方法を提供することを目的とするものである。
本発明(請求項1)の焼却施設の排ガスおよび飛灰の処理方法は、燃焼施設から発生する排ガスに酸性ガス中和剤としてマグネシウム系アルカリ剤および炭酸水素ナトリウムを噴霧して該排ガス中の酸性成分を処理する工程と、該排ガスから集塵した飛灰にpH9〜11.5の条件下にリン酸系重金属固定剤を添加することにより、該飛灰中の重金属を固定化する工程とを備えてなることを特徴とする。
請求項2の焼却施設の排ガスおよび飛灰の処理方法は、請求項1において、前記マグネシウム系アルカリ剤が酸化マグネシウム及び/又は水酸化マグネシウムであることを特徴とする。
請求項3の焼却施設の排ガスおよび飛灰の処理方法は、請求項2において、前記酸化マグネシウム及び/又は水酸化マグネシウムが鉱石を原料とするものであることを特徴とする。
請求項4の焼却施設の排ガスおよび飛灰の処理方法は、請求項1ないし3のいずれか1項において、前記リン酸系重金属固定剤が正リン酸とアルカリ剤とを配合した水溶液であり、該水溶液のpHが3以上であることを特徴とする。
請求項5の焼却施設の排ガスおよび飛灰の処理方法は、請求項4において、前記アルカリ剤が水酸化ナトリウムおよび/または水酸化カリウムであることを特徴とする。
請求項6の焼却施設の排ガスおよび飛灰の処理方法は、請求項1ないし5のいずれか1項において、マグネシウム系アルカリ剤と炭酸水素ナトリウムを配合した酸性ガス中和剤を前記排ガスに噴霧することを特徴とする。
請求項7の焼却施設の排ガスおよび飛灰の処理方法は、請求項1ないし6のいずれか1項において、前記排ガスにさらに活性炭を噴霧することを特徴とする。
本発明によれば、排ガス中の酸性成分を確実に処理して無害化すると共に、最終処分場における鉛等の重金属の長期安定的固定と飛灰混練機材質等の腐食防止を図ることが可能となる。
即ち、排ガスにマグネシウム系アルカリ剤および炭酸水素ナトリウムを噴霧することにより、排ガス中の塩化水素や硫黄酸化物等の酸性成分はマグネシウム系アルカリ剤および炭酸水素ナトリウムと反応して中和除去される。また、マグネシウム系アルカリ剤の残留分が飛灰中に含まれる場合は、そのpH緩衝作用により、消石灰と異なり、飛灰のpHを安定的に9〜11.5に調整することができ、鉛やカドミウムの溶出を抑えることができる。
このマグネシウム系アルカリ剤としては、酸化マグネシウム及び/又は水酸化マグネシウムが好ましく(請求項2)、酸化マグネシウム及び/又は水酸化マグネシウムは鉱石を原料とするものであっても良い(請求項3)。
また、マグネシウム系アルカリ剤と炭酸水素ナトリウムとを併用することにより、炭酸水素ナトリウム単独処理では不安定であったpHを9〜11.5に安定的に調整することができ、酸性の重金属固定剤適用時の飛灰pH低下に伴うCd溶出をマグネシウム系アルカリ剤のpH緩衝作用により防止することができる。また、本発明に係る酸性ガス中和剤には活性炭を配合しても良く、この場合には活性炭の吸着効果で排ガス中のダイオキシン類を吸着して除去することができる(請求項7)。
しかして、このようにマグネシウム系アルカリ剤および炭酸水素ナトリウムで排ガス処理して得られる飛灰であれば、少量のリン酸系重金属固定剤添加量で重金属を長期に亘り安定かつ確実に固定することができ、中和剤としての酸性薬剤の使用の必要もないことから、混練機材質等の腐食の問題も軽減する。
また、リン酸系重金属固定剤は正リン酸と水酸化ナトリウム及び/又は水酸化カリウム等のアルカリ剤とを含む水溶液であることが好ましく(請求項4,5)、この場合には、重金属固定剤の混練機材質等への腐食の問題は大幅に軽減する。
以下に図面を参照して本発明の焼却施設の排ガスおよび飛灰の処理方法の実施の形態を詳細に説明する。
図1は焼却施設の排ガスおよび飛灰の処理方法の実施の形態を説明する焼却施設の模式図である。
図1に示す如く、焼却施設では、焼却炉1の排ガスがガス冷却塔2で冷却された後、バグフィルター(BF)3で集塵され、煙突4から排出される。バグフィルター3で集塵された飛灰はサイロ5に貯留された後、混練機6で重金属固定剤が添加混練されて重金属が固定処理された後埋立処分される。
本発明においては、このような焼却施設において、煙道の排ガスに酸性ガス中和剤としてマグネシウム系アルカリ剤および炭酸水素ナトリウムを噴霧すると共に、重金属固定剤としてリン酸系重金属固定剤を飛灰に添加する。
マグネシウム系アルカリ剤としては、水酸化マグネシウム及び/又は酸化マグネシウムが好ましく、これらは、ブルーサイト等の鉱物由来のものを用いるのが、薬剤コストの低減に有利である。
マグネシウム系アルカリ剤は微粒子状であることが、比表面積が大きく、反応活性に優れることから好ましいが、過度に細いものはバグフィルター差圧を上昇させるため、具体的には平均粒径d50が30μm以下、特に6〜20μmであることが好ましい。
炭酸水素ナトリウムもまた、微粒子状であることが、比表面積が大きく、反応活性に優れることから好ましく、具体的には平均粒径d50が30μm以下、特に6〜20μmであることが好ましい。
酸性ガス中和剤は、焼却施設のうち、バグフィルター3等の集塵機よりも上流側の箇所に添加することが好ましく、例えば、図1のバグフィルター3の入口であるB点や、ガス冷却塔(又は減温塔など)2の入口であるA点等に添加することが好ましい。
酸性ガス中和剤が添加される箇所の温度としては、150〜700℃程度が好ましく、特に160〜500℃がより好ましい。
酸性ガス中和剤は例えば、図1のA点又はB点のみの一箇所に噴霧しても良く、A点とB点との二箇所のように、複数箇所に噴霧しても良い。また、酸性ガス中和剤として2種以上の薬剤を用いる場合、これらを予め混合して一剤として噴霧しても良く、混合することなく別々に一箇所で噴霧しても良く、また別々に複数箇所で噴霧しても良い。例えば、マグネシウム系アルカリ剤と炭酸水素ナトリウムとを併用する場合、マグネシウム系アルカリ剤をA点に噴霧して炭酸水素ナトリウムをB点に噴霧しても良く、これらを共にB点に噴霧しても良い。特に、炭酸水素ナトリウムは、反応性の高い剤であることから、ガス冷却塔や減温塔よりも下流側にある集塵器の手前の煙道において排ガス中に噴霧することが、酸性成分の除去効果の面で好ましい。
酸性ガス中和剤の噴霧量は、焼却炉から排出される排ガス中に含まれる塩化水素や硫黄酸化物などの酸性成分濃度に応じて決定するが、削減したい酸性成分濃度に対して水酸化マグネシウム及び/又は酸化マグネシウムおよび炭酸水素ナトリウムを合計1当量以上添加することが好ましい。また、酸性ガス中和剤の噴霧位置よりも上流あるいは下流側の酸性成分の濃度によって噴霧量の制御を行うと、最小限の噴霧量で効率良く酸性成分の中和除去ができる。
通常の場合、酸性ガス中和剤の噴霧量は、マグネシウム系アルカリ剤と炭酸水素ナトリウムを1:20〜1(重量比)の割合で、合計で600〜20000mg/Nm程度噴霧することが好ましい。
なお、マグネシウム系アルカリ剤は、粉体のまま噴霧しても良く、0.1〜45重量%好ましくは8〜20重量%程度の水スラリーとして噴霧しても良い。この場合のスラリー濃度は、薄いとスラリーの噴霧量が多くなり、濃いと薬剤供給ラインやノズルを閉塞させる恐れがある。
また、本発明に係る排ガス処理においては、酸性ガス中和剤と活性炭とを併用しても良く、活性炭の併用により排ガス中のダイオキシン類を吸着除去することができる。この場合、活性炭はバグフィルター前に噴霧することが好ましく、その噴霧量は、20〜300mg/Nm程度とすることが好ましい。なお、活性炭は酸性ガス中和剤と別々に噴霧しても良く、活性炭と酸性ガス中和剤とを予め混合して一剤化したものを噴霧しても良い。
このようにマグネシウム系アルカリ剤および炭酸水素ナトリウムで処理した排ガスから集塵される飛灰は、マグネシウム系アルカリ剤のpH緩衝作用により、安定的にpH9〜11.5に調整され、このような飛灰であれば重金属の溶出が起こり難い。
本発明では、このような飛灰に、pH9〜11.5の条件下にリン酸系重金属固定剤を添加、混練して飛灰中の重金属を固定する。pH9〜11.5の条件下で飛灰にリン酸系重金属固定剤を添加、混練することにより、リン酸系重金属固定剤の重金属固定効果を十分に得ることができ、少ないリン酸系重金属固定剤添加量で重金属を安定かつ確実に固定することができる。
上述の如く、酸性ガス中和剤としてマグネシウム系アルカリ剤および炭酸水素ナトリウムを噴霧する焼却施設から排出される飛灰は、そのままでpH9〜11.5の範囲となるため、これを特にpH調整する必要はないが、pHが11.5を超える場合は硫酸バンド、硫酸鉄、塩化鉄等の中和剤を添加する。また、pHが9未満の場合は排ガスに噴霧するマグネシウム系アルカリ剤の添加量を増加させたり、リン酸に配合するNaOHやKOH等のアルカリ剤の量を増加する。

ここで用いるリン酸系重金属固定剤としては、正リン酸(オルソリン酸)、ポリリン酸、メタリン酸、次リン酸、亜リン酸、次亜リン酸、ピロリン酸、過リン酸、第一リン酸ソーダ、第二リン酸ソーダ、第三リン酸ソーダ、第一リン酸カリウム、第二リン酸カリウム、第三リン酸カリウム、第一リン酸カルシウム、第二リン酸カルシウム、第一リン酸マグネシウム、第二リン酸マグネシウム、第一リン酸アンモニウム、第二リン酸アンモニウム、過燐酸石灰、トリポリリン酸ナトリウム、トリポリリン酸カリウム、ヘキサメタリン酸ナトリウム、ヘキサメタリン酸カリウム、ピロリン酸ナトリウム、ピロリン酸カリウム、亜リン酸ナトリウム、亜リン酸カリウム、次亜リン酸ナトリウム、次亜リン酸カリウム等のリン酸やリン酸のアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩等の塩が挙げられる。これらのリン酸系重金属固定剤は1種を単独で用いても良く、2種以上を混合して用いても良い。
これらのうち、特に重金属固定効果並びに処理コスト的に正リン酸が好ましい。
正リン酸等のリン酸系重金属固定剤は、通常15〜80重量%程度の水溶液として飛灰に添加される。
なお、リン酸系重金属固定剤として特に正リン酸を用いる場合、正リン酸と水酸化ナトリウム及び/又は水酸化カリウム等のアルカリ剤とを含む水溶液として添加することが好ましく、このように水溶液中にアルカリ剤を配合することにより、混練機材質等の腐食の影響を大幅に低減することができる。
この場合、正リン酸として15〜35重量%、NaOHもしくはKOH等のアルカリ剤を純分として5〜35重量%で、pH2以上、特に3〜11程度の水溶液として飛灰に添加することが好ましい。
リン酸系重金属固定剤の添加量は、用いるリン酸系重金属固定剤の種類、アルカリ剤の併用の有無、処理する飛灰の性状(pHや残留薬剤量)等によっても異なるが、通常、有効成分量で飛灰に対して正リン酸換算で0.1〜10重量%とするのが好ましい。
また、アルカリ剤を併用する場合、飛灰に対してリン酸系重金属固定剤を有効成分量で0.1〜10重量%、アルカリ剤を有効成分量で0.1〜20重量%添加することが好ましい。
なお、飛灰の処理時に飛灰に添加する水の量は、処理効果に大きな影響を及ぼすものではないが、混練性、処理灰の取り扱い性等の面から飛灰に対して10〜40重量%とすることが好ましい。通常の場合、リン酸系重金属固定剤水溶液、又はリン酸系重金属固定剤とアルカリ剤の水溶液を添加することにより、このような水添加量が確保できるような濃度でリン酸系重金属固定剤水溶液、又はリン酸系重金属固定剤とアルカリ剤の水溶液が調製される。
本発明における排ガス処理には、マグネシウム系アルカリ剤、炭酸水素ナトリウム、更には活性炭の他、他の排ガス処理剤を併用しても良い。同様に、飛灰の処理にも、リン酸系重金属固定剤やアルカリ剤のほか、他の飛灰処理剤、例えばダイオキシン類分解剤等を添加しても良い。
このような本発明の方法によれば、排ガス処理と飛灰処理との関連において、最適な薬剤を選択使用することにより、これらを安定かつ確実に処理することが可能となる。
以下に実施例を挙げて本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。なお、以下において「%」は「重量%」を示す。
実施例1
図1に示す廃棄物焼却施設(廃棄物処理量8t/日)において、鉱物(ブルーサイト)が原料である酸化マグネシウム(粒径d50=16μm)をガス冷却塔前排ガス(A点,温度600℃)に、0.6kg/h(300mg/Nm)噴霧すると共に、バグフィルター前排ガス(B点,温度190℃)に炭酸水素ナトリウム(粒径d50=10μm)を1.2kg/h(600mg/Nm)噴霧した。この際、バグフィルター後段でバグフィルター出口排ガスの塩化水素濃度を3回/日の割合で測定し、酸性ガス除去能力を評価した(表1の実施例1)。
また、本薬剤噴霧時に採取した飛灰に、表2に示すリン酸系重金属固定剤を表2に示す添加量(飛灰に対する有効成分としての添加重量%)で添加して十分に混練し、得られた処理灰について、PbとCdの溶出量を環境庁告示13号試験で測定し、結果を表2に示した。
なお、表2中、「飛灰1」、「飛灰2」、「飛灰3」とは、各々、「1回目の塩化水素濃度測定時に集塵された飛灰」、「2回目の塩化水素濃度測定時に集塵された飛灰」、「3回目の塩化水素濃度測定時に集塵された飛灰」を示す。
また、表2にはリン酸系重金属固定剤を添加しない原灰の測定結果をブランクとして併記した。
実施例2
実施例1におけると同じ施設において、実施例1で用いたと同様の鉱物が原料である酸化マグネシウムと実施例1で用いたものと同様の炭酸水素ナトリウムを1:2(重量比)で配合した粉体薬剤を、バグフィルター前排ガス(B点)に1.8kg/hで噴霧し、実施例1と同様に酸性ガス除去能力と飛灰の重金属固定効果を評価して、結果を表1と表4に示した。
実施例3
実施例1におけると同じ施設において、実施例1で用いたものと同様の鉱物が原料である酸化マグネシウムと粉末活性炭を3:1(重量比)で配合した粉体薬剤を、バグフィルター前排ガス(B点)に0.8kg/h(400mg/Nm)噴霧するとともに、実施例1で用いたものと同様の炭酸水素ナトリウムをバグフィルター前排ガス(B点)に1.2kg/h(600mg/Nm)噴霧した。実施例1と同様に酸性ガス除去能力と飛灰の重金属固定効果を評価して、結果を表1と表4に示した。
比較例1
実施例1におけると同じ施設において、JIS特号消石灰をバグフィルター前排ガス(B点)に1.8kg/h噴霧し、実施例1と同様に酸性ガス除去能力と飛灰の重金属固定効果を評価して、結果を表1と表5に示した。
比較例2
実施例1におけると同じ施設において、炭酸水素ナトリウム(粒径d50=10μm)をバグフィルター前排ガス(B点)に1.8kg/h噴霧し、実施例1と同様に酸性ガス除去能力と飛灰の重金属固定効果を評価して、結果を表1と表6に示した。
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実施例1〜3及び比較例1,2の結果から次のことが分かる。
[排ガス中の塩化水素除去効果について]
表1から明らかなように、酸化マグネシウムと炭酸水素ナトリウムを噴霧した実施例1,2では、同量の消石灰を噴霧した比較例1に比べ、大幅に塩化水素濃度レベルを低下させることができた。また、同量添加した炭酸水素ナトリウムとは、ほぼ同レベルの処理効果であった。
[飛灰の重金属固定効果について]
表2〜4より、酸化マグネシウムと炭酸水素ナトリウムで噴霧した際に採取した飛灰(実施例2,3)は、リン酸系重金属固定剤を添加していない原灰のpHが11.5以下に抑えられているため、鉛およびカドミウムの溶出は少量である。実施例1の飛灰2および飛灰3や実施例2の飛灰1、実施例3の飛灰2の原灰においては、鉛の溶出が埋立て基準(鉛:0.1mg/L以下、カドミウム:0.1mg/L以下)をわずかに超える量の鉛の溶出が見られたが、2%程度の少量のリン酸系重金属固定剤を添加して混練することにより、十分に鉛の溶出を防止できている。
実施例1〜3に対し、表5に示す比較例1においては、飛灰に消石灰が含まれるため、飛灰のpHが12を超えており、リン酸系重金属固定剤は飛灰中の消石灰との中和に消費されてしまうことから、飛灰の溶出防止のためには10%を超える量のリン酸系重金属固定剤を添加する必要がある。
表6に示す比較例2においては、少量のリン酸系重金属固定剤により重金属を固定することができるが、飛灰2のようにpHが9以下になった場合、Cdが溶出する。この場合、飛灰のpHが通常の正リン酸や水酸化ナトリウム10%配合正リン酸等の酸性の剤では、低下する方向になるためCdの溶出が防止できない。水酸化カリウム30%配合正リン酸により処理は可能であるが、多量の添加量が必要となる。
以上より、酸化マグネシウムと炭酸水素ナトリウムを添加する方法によって、安定して塩化水素を除去することができると共に、少量のリン酸系重金属固定剤の使用により確実な重金属固定を達成できる。
本発明の焼却施設の排ガスおよび飛灰の処理方法の実施の形態を説明する焼却施設の模式図である。
符号の説明
1 焼却炉
2 ガス冷却塔
3 バグフィルター
4 煙突
5 サイロ
6 混練機

Claims (7)

  1. 燃焼施設から発生する排ガスに酸性ガス中和剤としてマグネシウム系アルカリ剤および炭酸水素ナトリウムを噴霧して該排ガス中の酸性成分を処理する工程と、該排ガスから集塵した飛灰にpH9〜11.5の条件下でリン酸系重金属固定剤を添加することにより、該飛灰中の重金属を固定化する工程とを備えてなることを特徴とする焼却施設の排ガスおよび飛灰の処理方法。
  2. 請求項1において、前記マグネシウム系アルカリ剤が酸化マグネシウム及び/又は水酸化マグネシウムであることを特徴とする焼却施設の排ガスおよび飛灰の処理方法。
  3. 請求項2において、前記酸化マグネシウム及び/又は水酸化マグネシウムが鉱石を原料とするものであることを特徴とする焼却施設の排ガスおよび飛灰の処理方法。
  4. 請求項1ないし3のいずれか1項において、前記リン酸系重金属固定剤が正リン酸とアルカリ剤とを配合した水溶液であり、該水溶液のpHが3以上であることを特徴とする焼却施設の排ガスおよび飛灰の処理方法。
  5. 請求項4において、前記アルカリ剤が水酸化ナトリウムおよび/または水酸化カリウムであることを特徴とする焼却施設の排ガスおよび飛灰の処理方法。
  6. 請求項1ないし5のいずれか1項において、酸性ガス中和剤としてマグネシウム系アルカリ剤と炭酸水素ナトリウムを配合した薬剤を前記排ガスに噴霧することを特徴とする焼却施設の排ガスおよび飛灰の処理方法。
  7. 請求項1ないし6のいずれか1項において、前記排ガスにさらに活性炭を噴霧することを特徴とする焼却施設の排ガスおよび飛灰の処理方法。
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