JP3228192B2 - 重金属含有灰の処理方法 - Google Patents

重金属含有灰の処理方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は重金属含有灰の処理
方法に係り、特に、重金属含有灰中の鉛、カドミウムな
どの重金属を安定に固定化(不溶化)してその溶出を確
実に防止する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】都市ごみや産業廃棄物を焼却プラントで
焼却すると、焼却灰や燃焼廃ガスに同伴して飛灰が発生
する。この飛灰を捕捉するために、従来、バグフィルタ
や電気集塵機が設置され、集塵された飛灰や焼却灰は埋
立てられている。
【0003】焼却灰にも飛灰にも鉛等の重金属が含まれ
ており、特に飛灰中には重金属が多く含まれている。こ
のため、飛灰は重金属固定化剤を用いて重金属の不溶化
処理、即ち溶出防止処理を行った後、埋め立てや地盤工
事等に適用する必要がある。また、焼却灰は一般に重金
属含有量が少なく、不溶化処理が行われない場合が多い
が、飛灰と同様な不溶化処理が行われることがある。
【0004】燃焼廃ガスは、通常、塩化水素、SO
NO等の酸性ガスを含有しており、これらの酸性ガス
を除去するために、消石灰粉末を集塵前に噴霧する方法
(乾式処理)や、集塵後にアルカリ水溶液で洗煙する方
法(湿式処理)が実施されている。前者の乾式処理の場
合には、過剰に噴霧された強アルカリ性の消石灰が混入
してくるので、飛灰が強アルカリ性となる場合がある。
このため、乾式廃ガス処理が行われている飛灰は一般的
に「アルカリ飛灰」と呼ばれている。
【0005】一方、後者の湿式廃ガス処理が行われてい
る場合には、飛灰は消石灰の噴霧が行われていない条件
下で集塵されているので、多量の消石灰は含まれていな
いところより「中性飛灰」と呼ばれている。中性飛灰は
通常弱酸性であるが、弱アルカリ性になる場合もある。
これは都市ごみや産業廃棄物の焼却炉の場合に、ごみや
産業廃棄物の種類によっては焼却時生成した石灰が飛灰
に同伴するためである。従って、これらの中性飛灰の水
溶出液の液性は、「中性」と呼ばれてはいても、弱酸性
から弱アルカリ性まで、多様である。
【0006】また、金属の精錬に用いられる電気炉ダス
トの場合には、精錬目的で添加された石灰が飛灰に同伴
して飛灰を弱アルカリ性とすることもある。このよう
に、これら中性飛灰の特性は多様であり、これら中性飛
灰を10倍重量の水に加えて撹拌して得られる溶出水の
pHは3から10まで変化し得る。また、中性飛灰は、
同一焼却炉においても経時的に、組成・性状が大きく変
動するという特徴を有する。
【0007】この電気炉ダスト及び、飛灰や焼却灰の溶
融炉から排出される溶融飛灰は、特に、鉛やカドミウム
等の重金属を多く含有する傾向にある。
【0008】従来、これらの重金属含有灰の処理方法と
しては、溶融法、セメント固化法、酸抽出法或いはその
他の溶媒による抽出法、薬剤処理法などが提案されてい
るが、設備、運転管理、処理コスト等の面から薬剤処理
法が重視されている。
【0009】薬剤処理法としては、重金属含有灰に重金
属固定化剤と水を添加して混練し、重金属を水難溶性の
化合物に変えることによって重金属を不溶化(固定化)
させる方法が一般的に行われている。
【0010】この目的で用いられる重金属固定化剤とし
ては、リン酸又はその水溶性塩であるリン酸系化合物と
各種のジチオカルバミン酸である液体キレートとが知ら
れている。
【0011】例えば、飛灰は飛灰と焼却灰の混合物の水
酸化カルシウムの存在下で特定量の水溶性リン酸又はそ
の塩を添加して、カドミウム及び鉛の溶出を防止する方
法(特公平4−61710号公報)が提案されている。
【0012】リン酸系重金属固定化剤が中性飛灰に用い
られる場合には従来、アルカリ金属/リン酸のモル比が
1〜4のリン酸塩を灰に対して一定量添加する方法が行
われている。この添加量は予め重金属固定化試験によっ
て設定される。即ち、重金属固定効果がpHによって異
なるため、鉛、カドミウムが溶出しにくいpH範囲6〜
12、が達成されるようにアルカリ金属/リン酸のモル
比と添加量が設定されてきた(特開平7−155725
号公報)。
【0013】同様に、液体キレートを用いる場合にも効
果がpHによって異なり、予め重金属固定化剤試験によ
って設定した一定量を灰に添加する方法が行われてき
た。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記の従来法
により重金属含有灰の処理を行う場合には、次のような
問題点があった。
【0015】即ち、本発明者らの検討によれば、中性飛
灰は、表1に示す如く、アルカリ飛灰と同様、その組成
・性状が経時的に大きく変動する。このため、従来の方
法では、リン酸系重金属固定化剤を用いても、液体キレ
ートを用いても、一定量の添加では、常時適正なpH範
囲に保つことができない場合がある。このような場合に
は、処理した灰から埋め立て基準値を超えた重金属が溶
出してくることになる。これを避けるために、常時重金
属固定化剤を十分過剰に添加することは、処理コストが
増大し、好ましくない。このため、この変動に対応し
て、重金属固定化剤の添加量の調整が行われてきた。例
えば、リン酸系重金属固定化剤を使用する場合には、灰
の組成・性状の変動に合わせて、アルカリ金属/リン酸
のモル比及び/又は添加量を適宜調整する必要があっ
た。また、液体キレートを使用する場合にも、同様に効
果がpHによって異なるので、添加量の調整が必要であ
った。
【0016】
【表1】
【0017】また、従来法により、鉛やカドミウムなど
の重金属を特に多く含有する溶融飛灰又は電気炉ダスト
を処理する場合には、次のような問題があった。
【0018】即ち、キレート剤による方法では、キレー
ト剤は等当量の重金属と反応するため、キレート剤添加
量が多くなり、処理コストが高騰する。また、多量のキ
レート剤を添加した場合でも、苛酷な溶出環境では重金
属の溶出を防止し得ない場合がある。
【0019】一方、特公平4−61710号公報記載の
水溶性リン酸又はその塩を添加する方法では、pH調整
のために水酸化カルシウムを用いているが、重金属の溶
出防止効果が最も高いpH範囲に調整するための水酸化
カルシウム添加量の制御が難しく、薬注操作が煩雑であ
るという問題があった。即ち、pH調整のための添加量
の幅が狭く、水酸化カルシウム添加量がわずかに少なく
ても多くても水溶性リン酸又はその塩による重金属溶出
防止効果が得られず、特に、過剰添加によるpH上昇の
問題がある。
【0020】本発明は、灰の組成・性状の経時変動によ
る添加量の調整という問題点を解決し、一定量の薬剤添
加によって常時最適のpH値9〜10を保持し、処理を
安定化させることで重金属固定化剤の注入管理を簡易化
する重金属含有灰の処理方法を提供することを目的とす
る。
【0021】本発明はまた、特に、鉛、カドミウム等の
重金属を多く含有する溶融飛灰又は電気炉ダストを容易
かつ低コストで処理して含有される重金属を安定に固定
化し、その溶出を確実に防止することができる溶融飛灰
又は電気炉ダストの処理方法を提供することを目的とす
る。
【0022】
【課題を解決するための手段】本発明の重金属含有灰の
処理方法は、重金属含有灰に重金属固定化剤とpH調整
剤とを添加する重金属含有灰の処理方法において、該重
金属固定化剤としてリン酸、リン酸二水素ナトリウム、
リン酸水素二ナトリウム及び液体キレートよりなる群か
ら選ばれる1種又は2種以上を添加し、該pH調整剤と
して水酸化マグネシウム及び酸化マグネシウムよりなる
群から選ばれる1種又は2種を添加し、カルシウム化合
物を添加しないことを特徴とする。
【0023】このように、pH調整剤として、弱アルカ
リ性でかつpH緩衝力の強い中和剤を用いることによっ
て、重金属固定化剤の効果が安定化し、固定化のための
処理操作を簡易化することができる。
【0024】この重金属含有灰としては、都市ごみ又は
産業廃棄物焼却炉の中性飛灰、又は焼却灰、或いは、溶
融炉の中性飛灰又は製鋼電気炉の中性飛灰(ダスト)が
挙げられる
【0025】発明の重金属含有灰の処理方法の好まし
い一実施態様は、重金属含有灰に重金属固定化剤とpH
調整剤とを添加する重金属含有灰の処理方法において、
該重金属含有灰が溶融飛灰又は電気炉ダストであり、重
金属固定化剤としてリン酸、リン酸二水素ナトリウム及
びリン酸水素二ナトリウムよりなる群から選ばれる1種
又は2種以上を用い、pH調整剤として水酸化マグネシ
ムを用いることである。
【0026】本発明は、従来の問題点を解決すべく、リ
ン酸又はその水溶性塩等の重金属固定化剤とpH調整剤
とを併用して、鉛、カドミウムを特に多く含む溶融飛灰
又は電気炉ダストや各種の重金属含有灰(以下、これら
を「原灰」と称する場合がある。)を処理するに当り、
重金属固定化剤による重金属溶出防止効果を最大限に発
揮し得るpH範囲及びこのpH範囲に容易に調整するこ
とができるpH調整剤について検討した結果、重金属固
定化剤による重金属溶出防止効果は、飛灰及び電気炉ダ
ストの場合にはpH8.5〜10の範囲で最も高く、ま
た、溶融飛灰の場合にはpH9〜10の範囲で最も高
く、また、このpH範囲に調整するためには、水酸化マ
グネシウム(Mg(OH))、酸化マグネシウム(M
gO)が有効であるとの知見を得、この知見に基いて達
成されたものである。
【0027】本発明においては、重金属固定化剤として
用いるリン酸(HPO)、リン酸二水素ナトリウム
(NaHPO)、リン酸水素二ナトリウム(Na
HPO)からリン酸イオン(PO 3−)が遊離し、
これが原灰中のカチオン、アニオン成分と結合して鉛ヒ
ドロキシアパタイト(Pb(POOH)や鉛ク
ロロピロモルファイト(Pb(POCl)など
の難溶性化合物を形成することで、その溶出を防止す
る。
【0028】このような溶出防止効果が最も有効に発揮
されるpH範囲はpH9〜10であるが、本発明におい
てpH調整剤として用いるMg(OH),MgOは
このpH範囲でのpH緩衝性により、原灰の種類に応じ
て最も好ましいpH範囲に容易にpH調整することがで
きる。
【0029】
【発明の実施の形態】以下に本発明を詳細に説明する。
【0030】本発明の方法においては、原灰に、重金属
固定化剤として、PO等のリン酸,リン酸二水素
ナトリウム(NaH PO ),リン酸水素二ナトリウ
ム(Na HPO の1種又は2種以上(以下「リン
酸系重金属固定化剤」と称する場合がある。)、或い
は、各種のジチオカルバミン酸又はその水溶性塩等の1
種又は2種以上の液体キレートを添加し、また、pH調
整剤としてMg(OH),MgOの1種又は2種以上
を添加して混合する。
【0031】原灰に対する重金属固定化剤の添加量は、
通常、原灰100重量部に対して1〜25重量部、望ま
しくは5〜20重量部である。なお、上記リン酸系重金
属固定化剤及び液体キレートは各々単独で用いても2種
以上を併用しても良い。
【0032】特に、原灰が溶融飛灰又は電気炉ダストで
ある場合、上記リン酸系重金属固定化剤を原灰100重
量部に対してHPO換算量で1〜25重量部、特に
5〜20重量部とするのが好ましい。
【0033】一方、Mg(OH),MgOのpH調整
剤は、処理物の溶出液のpHが9〜10となるように添
加するが、本発明で用いるpH調整剤は、そのpH緩衝
性により、幅広い添加量で容易にpH9〜10に調整す
ることができる。これらのpH調整剤は、原灰100重
量部に対して1〜60重量部、特に1〜40重量部添加
して、当該pHに調整するのが好ましい。
【0034】本発明の方法は、原灰に重金属固定化剤及
びpH調整剤を添加して水で混練することにより実施さ
れるが、この場合、水の添加量は混練作業性の面から適
宜決定され、一般には原灰100重量部に対して10〜
40重量部とされる。この場合、水、重金属固定化剤及
びpH調整剤の添加順序や添加形態に特に制限はなく、
これらは別々に添加しても良く、水と重金属固定化剤は
重金属固定化剤の水溶液として添加しても良い。また、
pH調整剤は粉末のまま添加しても良く、水スラリーと
して或いは重金属固定化剤水溶液のスラリーとして添加
しても良い。
【0035】
【実施例】[実施例1〜及びそれに対する比較例1〜
11] 以下の実施例1〜及び比較例1〜11で原灰として用
いた都市ごみの清掃工場焼却設備で発生した溶融飛灰
(原灰A)及び製鋼会社電気炉で発生したダスト(原灰
B)の重金属含有量は、下記表2に示す通りである。
【0036】
【表2】
【0037】実施例1〜,比較例1〜10 原灰A100重量部にNaHPOを12重量部(H
POとして8重量部)添加し、更に、Mg(OH)
はCa(OH)を表3に示す所定量添加した後
(比較例1では添加せず)、水20重量部を添加して小
型混練機で混練した。
【0038】得られた混練物について、環境庁告示13
号試験に準じた溶出試験を行い、結果を表3に示した。
【0039】また、Mg(OH) 添加量と溶出液の
pHとの関係を図1に示した。
【0040】
【表3】
【0041】また、原灰A100重量部に水20重量部
を添加して混練したもの(比較例6)、及び、三洋化成
工業(株)製のジチオカルバミン酸系キレート剤を表4
に示す量添加し、更に水20重量部を添加して混練した
もの(比較例7〜10)についても同様に溶出試験を行
い、結果を表4に示した。
【0042】
【表4】
【0043】表3及び図1より、pH調整剤としてMg
(OH) 40重量部添加することで容易にpHを1
0前後に調整することができ、リン酸系重金属固定化剤
の固定化効果が有効に発揮され、少量のリン酸系重金属
固定化剤によりPbの溶出を0.05mg/L未満に防
止することができることがわかる。なお、pH調整剤と
してCa(OH)を用いる場合には、Ca(OH)
の添加量によりpHが大きく変化し、注入制御が難し
い。
【0044】また、表4より市販キレート剤により鉛の
溶出を防止するためには、原灰100重量部に対して2
0重量部の市販キレート剤が必要となり、処理コストが
高騰することが予想される。
【0045】更に、実施例3及び比較例1,6〜10で
得られた混練物を、酸性雨等の苛酷な溶出環境を想定し
たオランダのトータルアベイラビリティ法(NEN73
41)による溶出試験に供し、溶出液中のPb濃度を測
定し、処理灰重量当りのPb溶出量を求め、結果を表5
に示した。
【0046】
【表5】
【0047】表5より、市販キレート剤では、苛酷な溶
出環境では鉛の溶出を防止し得ないことがわかる。
【0048】これに対し、本発明の方法によれば、日本
の溶出試験方法である環境庁告示13号試験での埋立地
の溶出基準値を満足するだけではなく、厳しい溶出環境
においても重金属の溶出を防止することができる。
【0049】実施例,比較例11 原灰B100重量部にNaHPOを5重量部添加
し、更に、Mg(OH) 表6に示す所定量添加した
後(比較例11では添加せず)、水10重量部を添加し
て小型混練機で混練した。
【0050】得られた混練物について、環境庁告示13
号試験に準じた溶出試験を行い、結果を表6に示した。
【0051】また、Mg(OH) 添加量と溶出液の
pHとの関係を図2に示した。
【0052】
【表6】
【0053】表6及び図2より、pH調整剤としてMg
(OH) 10重量部程度添加することで容易にpH
を約9〜9.5に調整することができ、リン酸系重金属
固定化剤による固定化効果でPbの溶出を0.05mg
/L未満に防止することができることがわかる。
【0054】[実施例29及びそれに対する比較例
12〜19] 以下の実施例29及び比較例12〜19で原灰とし
て用いた産業廃棄物工場より発生した一般焼却飛灰(原
灰C、原灰E)及び製鋼会社の電気炉飛灰(ダスト)
(原灰D)の重金属含有量は、下記表7に示す通りであ
る。
【0055】
【表7】
【0056】実施例11,比較例12 原灰C100重量部にHPOを2.5重量部添加
し、更に、Mg(OH) 表8に示す所定量添加した
後(比較例12では添加せず)、水30重量部を添加し
て小型混練機で混練した。
【0057】得られた混練物について、環境庁告示13
号試験に準じた溶出試験を行い、結果を表8に示した。
【0058】
【表8】
【0059】表8に示されるように、pH調整剤として
Mg(OH)を10重量部程度添加することにより、
溶出液のpHを9付近に調整することができ、Pbの溶
出値を0.05mg/L未満に抑えることができた。
【0060】実施例1218,比較例13 原灰D100重量部にNaHPOを5重量部(H
POとして3.5重量部)添加し、更に、Mg(O
H) 又はMgOを表9に示す所定量添加した後(比較
例13では添加せず)、水10重量部を添加して小型混
練機で混練した。
【0061】得られた混練物について、環境庁告示13
号試験に準じた溶出試験を行い、結果を表9に示した。
【0062】
【表9】
【0063】表9に示されるように、pH調整剤として
Mg(OH) 又はMgOを5重量部以上添加すること
により、溶出液のpHを9.5付近に調整することがで
き、Pbの溶出値を0.05mg/L未満に抑えること
ができた。
【0064】実施例1926,比較例14 原灰A100重量部に液体キレート(ジエチルジチオカ
ルバミン酸(純分35重量%))を2重量部添加し、更
に、Mg(OH) 又はMgOを表10に示す所定量添
加した後(比較例14では添加せず)、水30重量部を
添加して小型混練機で混練した。
【0065】得られた混練物について、環境庁告示13
号試験に準じた溶出試験を行い、結果を表10に示し
た。
【0066】
【表10】
【0067】表10に示されるように、pH調整剤とし
てMg(OH)又はMgOを5重量部以上添加するこ
とにより、溶出液のpHを9.0〜9.5に調整するこ
とができ、Pbの溶出値を0.05mg/L未満に抑え
ることができた。
【0068】実施例2729,比較例15〜19 原灰E100重量部にNaHPOとMg(OH)
を表11に示す所定量添加した後(ただし、比較例1
5では無添加、比較例16〜19ではNa HPO
み添加)、水30重量部を添加して小型混練機で混練し
た。
【0069】得られた混練物について、環境庁告示13
号試験に準じた溶出試験を行い、結果を表11に示し
た。
【0070】
【表11】
【0071】表11に示されるように、NaHPO
単独処理の場合には、5重量部の添加では添加量が不足
し、溶出液のpHが低すぎ、添加量が20重量部では過
剰添加となり、pHが高すぎ、共にPbの固定化効果が
不十分となる場合があることがわかる。これに対して、
Mg(OH)5重量部以上を併用すれば、NaHP
5重量部の添加によって、pHが約9〜10に保持
され、安定したPbの固定化効果が得られる。
【0072】
【発明の効果】以上詳述した通り、本発明の重金属含有
灰の処理方法によれば、次のような効果が奏される。
【0073】 灰の性状が変動しても、安定した重金
属固定効果が得られる。 重金属固定化剤のみで処理
する場合に必要な、灰の性状変化に対応した重金属固定
化剤の組成又は添加量の調整が不要になり、重金属の不
溶化処理操作が簡単になる。 重金属固定化剤の過剰
添加の必要がなくなり、重金属の不溶化処理コストが低
減できる。
【0074】特に、下記効果のもとに、鉛、カドミウム
などの重金属を多く含有する溶融飛灰又は電気炉ダスト
中の重金属を安定に固定化してその溶出を確実に防止す
ることができる。
【0075】 金属固定化剤による溶出防止効果を
有効に発揮させることができる。 より、重金属固
定化剤添加量が少なくて足り、処理コストの低減を図る
ことができる。 pH調整剤がpH9〜10でpH緩
衝性を有するため、過剰添加によるpH上昇の問題がな
いことから、煩雑な注入量管理が不要となる。 pH
調整剤によるpH緩衝性と重金属固定化剤による固定化
効果で苛酷な溶出環境においても重金属の溶出を確実に
防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1〜及び比較例1におけるpH調整剤
の添加量とpHとの関係を示すグラフである。
【図2】実施例及び比較例11におけるpH調整
剤の添加量とpHとの関係を示すグラフである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平8−52446(JP,A) 特開 平8−173929(JP,A) 特開 平1−262978(JP,A) 国際公開96/19263(WO,A1) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B09B 3/00 304 A62D 3/00 C09K 3/00

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 重金属含有灰に重金属固定化剤とpH調
    整剤とを添加する重金属含有灰の処理方法において、該重金属固定化剤としてリン酸、リン酸二水素ナトリウ
    ム、リン酸水素二ナトリウム及び液体キレートよりなる
    群から選ばれる1種又は2種以上を添加し、 該pH調整剤として水酸化マグネシウム及び酸化マグネ
    シウムよりなる群から選ばれる1種又は2種を添加し、 カルシウム化合物を添加しない ことを特徴とする重金属
    含有灰の処理方法。
  2. 【請求項2】 請求項1の方法において、該重金属含有
    灰が、都市ごみ又は産業廃棄物焼却炉の中性飛灰、溶融
    炉灰又は製鋼電気炉の中性飛灰或いは、都市ごみ又は産
    業廃棄物焼却炉の焼却灰であることを特徴とする重金属
    含有灰の処理方法。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2の方法において、pH
    8.5以上となるように該pH調整剤を添加することを
    特徴とする重金属含有灰の処理方法。
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