JP3314494B2 - 中性飛灰の処理方法 - Google Patents
中性飛灰の処理方法Info
- Publication number
- JP3314494B2 JP3314494B2 JP30388093A JP30388093A JP3314494B2 JP 3314494 B2 JP3314494 B2 JP 3314494B2 JP 30388093 A JP30388093 A JP 30388093A JP 30388093 A JP30388093 A JP 30388093A JP 3314494 B2 JP3314494 B2 JP 3314494B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- fly ash
- amount
- neutral
- neutral fly
- calcium hydroxide
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Lifetime
Links
Landscapes
- Fire-Extinguishing Compositions (AREA)
- Processing Of Solid Wastes (AREA)
Description
り、特に、一般家庭ゴミや産業廃棄物を焼却した際に発
生する燃焼排ガスに同伴して飛散する中性飛灰を容易か
つ効率的に処理する方法に関する。
却すると、燃焼排ガスに同伴して灰が飛散する。この飛
灰を捕捉するために、従来、バグフィルタや電気集塵機
が設置されている。燃焼排ガスは塩酸ガスやSOX ,N
OX 等を含有するため酸性となっており、これを中和す
るために、消石灰を集塵前に排ガスに噴霧する方法(乾
式法)、集塵後に排ガスをアルカリで洗煙する方法(湿
式法)が実施されている。しかして、前者の方法では高
アルカリ性のアルカリ飛灰が、後者の方法ではアルカリ
分が極めて少ない中性飛灰が各々得られ、これらの飛灰
は埋立て、地盤工事などに有効利用されている。
揮発性金属化合物由来の重金属が含有されているため、
飛灰を埋立て等に利用するに当っては、飛灰中の重金属
の溶出を防止する処理を施す必要がある。
は、溶融、セメント固化、酸或いはその他の溶媒による
抽出、薬剤処理などが提案されており、特に薬剤処理と
しては、飛灰に、水酸化カルシウム源の存在下、特定量
の水溶性リン酸又はその塩を添加して、カドミウム及び
鉛の溶出を防止する方法(特公平4−61710号公
報)が提案されている。この方法は、飛灰(焼却灰も含
む)に対し約1〜8重量%のリン酸に相当する量の水溶
性リン酸又はその塩を、飛灰5重量部当り約1〜約25
重量部の水酸化カルシウム源の存在下で接触させ、処理
物のカドミウム及び鉛の溶出をEPA(米国環境保護
庁)試験での測定値でカドミウム1ppm以下,鉛5p
pm以下にする方法である。
10号公報記載の方法は、前述のアルカリ飛灰に対して
は有効であるが、この方法を中性飛灰に適用しようとす
ると、飛灰中の重金属含有量、特に鉛及びカドミウム含
有量が刻々変化することから、水酸化カルシウム源及び
水溶性リン酸塩の添加量の制御が困難である。特に水酸
化カルシウム源を過剰量添加するとpHが適正範囲を逸
脱し、その結果、次のような問題が生じる。
亜鉛の溶出が増大する。 上昇したpHを重金属が溶出しにくいpH範囲(p
H6〜12)にするために、大量のpH調整剤が必要に
なる。 一方、水酸化カルシウム源が不足するとpHが6未満に
なり、カドミウムの溶出が増大する。また、前者の場合
にはpH調整剤の大量添加による処理物の増量に加え、
水酸化カルシウム源の添加による処理物の増量の問題も
ある。即ち、アルカリ飛灰であれば、飛灰中に水酸化カ
ルシウム源が存在するため、特公平1−61710号公
報記載の方法を適用する場合、水酸化カルシウム源の添
加は不要ないし少量とすることができるが、中性飛灰中
には水酸化カルシウム源は存在しないため、必要量の水
酸化カルシウム源を添加する必要がある。このため、多
量の添加物により、処理物の増量を招き、結果的に最終
処分場の短命を招くという不具合がある。
処理物の増量に加え、 (i) 水酸化カルシウム源の添加設備、ストックサイロ
が必要である。 (ii) 水酸化カルシウム源が水の存在下で固化して設備
への付着を引き起こす。 (iii) 水酸化カルシウム源が粉体の場合、粉塵の発生が
起き、設備の維持,管理が困難となる上に、作業性の悪
化を招く。といった問題がある。
属含有量の変動の大きい中性飛灰を、水酸化カルシウム
源不添加にて、重金属の溶出を増加させるpHの上昇や
処理物の増量をひき起こすことなく、容易かつ効率的に
処理することができる中性飛灰の処理方法を提供するこ
とを目的とする。
方法は、中性飛灰に対して、水酸化カルシウム源を添加
することなく、アルカリ金属とリン酸のモル比が1〜4
のリン酸系化合物を添加してpHを6〜12の範囲に調
整することを特徴とする。
却炉の燃焼排ガスを湿式中和処理して得られる飛灰であ
って、この飛灰を10重量%溶液(スラリー)にし、6
時間振盪させた後の上澄水(以下「飛灰上澄水」と称
す。)のpHが5〜9未満のものをさす。なお、前述の
アルカリ飛灰の場合には、飛灰上澄水のpHは9以上と
なる。
水酸化カルシウム源を添加することなく、アルカリ金属
とリン酸のモル比(M+ /PO4 3- )が1〜4のリン酸
系化合物を所定量添加する。ここでアルカリ金属として
はナトリウムやカリウムが相当する。リン酸としては正
リン酸や次亜リン酸、メタ亜リン酸、ピロ亜リン酸、正
亜リン酸、次リン酸、メタリン酸、ピロリン酸、三リン
酸、これらの塩、第1リン酸塩、第2リン酸塩などのリ
ンを含む化合物が例示される。
方法としては、例えばM+ /PO4 3-が3のものを使用
する場合、M3 PO4 を使用するか、又はH3 PO4 1
モルとMOH3モルを混合した組成物を使用すればよい
(以下アルカリ金属(M)とリン酸のモル比がnのリン
酸系化合物をMn PO4 と表現することがある)。
1〜4のものを使用するが、添加量やpHの上昇速度等
の点からnが2〜4のものが好ましい。
ン酸系化合物の添加量は、40重量%以下、特に30重
量%以下、とりわけ2〜25重量%とするのが好まし
く、処理する中性飛灰の成分組成等に応じて適宜決定さ
れる。
て、所定量の上記リン酸系化合物を添加して均一に練り
混ぜるのみで、pH範囲を重金属が溶出しにくいpH6
〜12の範囲に保つことができ、水酸化カルシウムを添
加することなく、容易に中性飛灰の処理を行なうことが
できる。
に大幅に変動する。この変動の一例は下記表1に示す通
りである。
却場の中性飛灰中の重金属含有量の経日変化を示すもの
であるが、特に、Pb,Cdの含有量が日毎に大きく変
動することがわかる。
灰に対して、薬剤処理を行なうには、重金属含有量の最
大値に適応する薬剤を添加するように、薬剤の過剰添加
を行なっても、重金属が溶出しやすいpH12以上とな
ることのない薬剤を用いることが好ましい。即ち、この
ような薬剤であれば、薬剤の過剰添加により重金属を確
実に処理すると共に、その溶出を防止することができ
る。
用効果は次の通りである。
がpH5〜9未満のものであるが、無処理の中性飛灰で
は、このpH範囲において重金属類の溶出量が極めて多
い。
合物を練り混ぜることにより重金属の溶出を防止すると
共に、重金属が再溶出し難いpH6〜12の範囲とす
る。即ち、本発明で用いる特定のリン酸系化合物は、p
H6〜12の幅広いpH範囲で、中性飛灰中の重金属と
極めて溶解度の低い化合物を形成することにより、少量
の添加量にて重金属の溶出を確実に防止する。更に、該
リン酸系化合物の緩衝作用により、中性飛灰の成分や量
の変動にも十分に対応して初期設定pHを維持すること
が可能とされる。
ム源無添加で処理を行なうため、被処理中性飛灰に対す
る処理物の重量増加を大幅に低減することができる。ま
た、水酸化カルシウム源を添加する場合の添加設備,ス
トックサイロの維持,管理、水酸化カルシウム源の設備
への固着、水酸化カルシウム源からの粉塵の発生等の問
題も解消され、設備の維持,管理が容易となると共に、
作業性が改善される。
り具体的に説明する。
澄水pH=6)の処理を行なった。この中性飛灰の成分
分析結果は表2に示す通りであった。
量%」は中性飛灰中の重量割合を示し、「mg/kg」
は中性飛灰1kg中の含有量(mg)を示す。
ン酸系化合物を添加量を変えて添加し、得られた処理物
について、環境庁告示第13号試験によりリン酸系化合
物添加量とpH、Pb及びCdの溶出量との関係を調
べ、結果を図1に示した。
した中性飛灰に対するリン酸系化合物の適正添加量は2
重量%程度であるが、本発明に係るリン酸系化合物であ
れば、適正添加量を大きく超える20重量%の添加量で
もpHの上昇を11程度に抑えることができる。このた
め、薬剤の過剰添加によるPbの再溶出が防止される。
1710号公報記載の方法に従って処理を行なった。
(OH)2 )を25重量%添加すると共に、正リン酸
(H3 PO4 )を添加量を変えて添加し、得られた処理
物について正リン酸添加量とpH、Pb及びCdの溶出
量との関係を調べ、結果を図2に示した。
と正リン酸とを添加する方法では、正リン酸を添加して
も共存Ca(OH)2 の影響でpHが降下しにくく、そ
の分Pbの溶出防止率も低い。このため、実施例1にお
ける場合と同等の鉛溶出量とするためには、多量の正リ
ン酸の添加量を必要とする。また、正リン酸を過剰に添
加するとCdが再溶出する。
5.8)の処理を行なった。この中性飛灰の成分分析結
果は表3に示す通りであった。
ン酸系化合物を添加量を変えて添加し、得られた処理物
について、実施例1と同様の試験法にてリン酸系化合物
添加量とpH、Pb及びCdの溶出量との関係を調べ、
結果を表4に示した。
H)を添加したこと以外は実施例2と同様にして水酸化
ナトリウム添加量とpH、Pb及びCdの溶出量との関
係を調べ、結果を表4に示した。
ていないものについての結果も併記した。
系化合物の添加により、広いpH範囲にて重金属の溶出
を効果的に防止することができることが明らかである。
入れ、撹拌しながら、下記表5に示す薬剤を加え、一定
時間(10分)後に液pHを測定し、更に薬剤を加えて
一定時間(10分)後に液pHを測定する操作を繰り返
し行なって、薬剤添加量とpHとの関係を調べ、結果を
図3に示した。
比が1.5〜4.0のリン酸塩であれば、その添加量を
増やしても、液pHは6〜12の範囲で緩衝するため、
pH管理が容易であり、薬剤の適正量添加が容易であ
る。これに対して、K/PO4モル比が1のものではp
Hが上昇せず、一方、KOHは添加量の増加と共に急上
昇し、pH管理が困難であるので使用不適当である。
処理方法によれば、pH6〜12の広いpH範囲にて、
特定のリン酸系化合物が重金属と極めて溶解度の低い化
合物を形成することにより、中性飛灰からの重金属の溶
出を確実に防止することができる。このような本発明の
中性飛灰の処理方法によれば、 中性飛灰のpHを重金属の溶出が最も少ないpH範
囲に調整するための薬剤添加量が少量で足りる。 薬剤の添加量の増減がpHに及ぼす影響が少なく、
重金属が溶出しにくいpH6〜12の範囲で薬剤の適正
添加を容易に行なえる。 水酸化カルシウム源の添加が不要であることから、
処理設備の維持、管理が容易であり、作業性も良好であ
る。 水酸化カルシウム源の添加が不要である上に、薬剤
添加量が少量で足りることから、被処理中性飛灰に対す
る処理物の重量増加率が非常に少ない。(特公平4−6
1710号公報記載の方法では、この重量増加率は25
〜500%であるのに対し、本発明方法によれば、0〜
30%程度である。)といった効果が奏され、重金属含
有量の変動が大きい中性飛灰を容易かつ効率的に処理し
て、飛灰からの重金属の溶出を確実に防止することが可
能とされる。
と、pH、Pb及びCd溶出量との関係を示すグラフで
ある。
H、Pb及びCd溶出量との関係を示すグラフである。
の関係を示すグラフである。
Claims (1)
- 【請求項1】 中性飛灰に対して、水酸化カルシウム源
を添加することなく、アルカリ金属とリン酸のモル比が
1〜4のリン酸系化合物を添加してpHを6〜12の範
囲に調整することを特徴とする中性飛灰の処理方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP30388093A JP3314494B2 (ja) | 1993-12-03 | 1993-12-03 | 中性飛灰の処理方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP30388093A JP3314494B2 (ja) | 1993-12-03 | 1993-12-03 | 中性飛灰の処理方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07155725A JPH07155725A (ja) | 1995-06-20 |
JP3314494B2 true JP3314494B2 (ja) | 2002-08-12 |
Family
ID=17926390
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP30388093A Expired - Lifetime JP3314494B2 (ja) | 1993-12-03 | 1993-12-03 | 中性飛灰の処理方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3314494B2 (ja) |
-
1993
- 1993-12-03 JP JP30388093A patent/JP3314494B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH07155725A (ja) | 1995-06-20 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
KR101835067B1 (ko) | 유해 물질 불용화재 및 이를 이용한 처리 방법 | |
JP5306524B1 (ja) | 有害物質不溶化材及びそれを用いた処理方法 | |
JP3228192B2 (ja) | 重金属含有灰の処理方法 | |
JP3314494B2 (ja) | 中性飛灰の処理方法 | |
JP3271534B2 (ja) | 鉛、六価クロム、ヒ素及びセレンを含有する灰の処理方法 | |
EP0335024B1 (en) | Immobilization of lead and cadmium in solid residues from the combustion of refuse using lime phosphate | |
JP4830282B2 (ja) | 飛灰の処理方法 | |
JP2012066158A (ja) | 集塵灰の安定化方法 | |
KR100258773B1 (ko) | 폐기물 처리방법 | |
JP2003181411A (ja) | 重金属類溶出防止剤及び汚染媒体の処理方法 | |
JP3402535B2 (ja) | アルカリ飛灰の処理方法 | |
JP2000301101A (ja) | ごみ焼却飛灰の処理方法及びごみ焼却排ガスの酸性ガス除去剤 | |
JP3368824B2 (ja) | 重金属含有灰の処理方法 | |
JPH0221311B2 (ja) | ||
JP3769791B2 (ja) | 重金属含有灰の処理方法 | |
JPH01262978A (ja) | 廃棄物の焼却で生ずる固形体残留物中の鉛およびカドミウムを石灰およびホスフェートを用いて、固定化する方法 | |
JP3716473B2 (ja) | 重金属含有灰の処理方法 | |
JP3371516B2 (ja) | 煤塵の処理方法 | |
JP3417026B2 (ja) | 煤塵の処理方法 | |
JPH09136072A (ja) | 飛灰の処理方法 | |
JPH10113634A (ja) | 飛灰の固化処理方法 | |
JP3392293B2 (ja) | 中性飛灰の処理方法 | |
JPH0839038A (ja) | 重金属含有廃棄物の処理方法 | |
JPH0947740A (ja) | 飛灰中の鉛溶出抑制方法及び鉛溶出抑制剤 | |
JP2005074321A (ja) | 重金属処理剤及びその製造方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090607 Year of fee payment: 7 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090607 Year of fee payment: 7 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100607 Year of fee payment: 8 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110607 Year of fee payment: 9 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120607 Year of fee payment: 10 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130607 Year of fee payment: 11 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140607 Year of fee payment: 12 |
|
EXPY | Cancellation because of completion of term |