JP4892183B2 - 流体混合装置 - Google Patents
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かかる静止型混合器としては、例えば、長方形状の板を180度捻ったエレメントを交互に直列状に配したスタティック型ミキサーや、複数の貫通孔部が穿設されてなる複数種のディスク形のエレメントを重ねて筒状ケース体内に収納したミキサー(例えば、特開2000−254469に記載のもの)などが知られている。
特に後者のミキサーは、小型化でき、且つ相溶性の悪い流体でも確実に混合できることから、静止型混合器として優れている。
具体的には、第1流体を混合器100に供給する第1流体供給機構は、第1流体が入れられた容器101と、第1流体を吐出するポンプ102と、流入路、流出路及び返送路の流路を切り替えるボールバルブ103とを備えている。また、第2流体を混合器100に供給する第2流体供給機構も同様に、第2流体が入れられた容器104と、これを吐出するポンプ105と、流入路、流出路及び返送路の流路を切り替えるボールバルブ106とを備えている。かかる第1流体及び第2流体の流出路は、配管を介して静止型混合器100の流入部107の端部に設けられたチーズ部108にそれぞれ接続されている。
この流体混合装置は、ボールバルブ103,106を開いて流入路と流出路の流路を開放することにより、第1流体及び第2流体がチーズ部108で合流し、配管を介して流入部107に流れ、静止型混合器100を通過する間に両者を混合することができるようになっている。
例えば、高粘度の液体と低粘度の液体を混合する場合、低粘度の液体が流れ易いことから、高粘度の液体がチーズ部などで滞り、当初は低粘度の液体だけが混合器の流入部に流れ込み、事後所々で、高粘度の液体が塊状となって流入部に流れ込む現象が起こる。よって、混合器に2液が所定割合で同時に流入せず、混合ムラを生じる。
しかしながら、上記従来の装置構成では、流体の流路を変える弁としてボールバルブを用いているので、ボール弁体とこれを包むハウジングの隙間に流体の一部が溜まり、この部分に溜まった残部は、ボールバルブの構造上、単に洗浄液を流しただけだけでは、確実に除去することができない。
従って、より精密な混合物を得ようとする場合には、液などの流体を変更する度にボールバルブを分解して残部を除去する必要があるという問題点がある。
すなわち、本発明は、外管が連結された流入部を有し且つ前記流入部から液体である第1流体及び第2流体を流し入れることにより両者を混合する静止型混合器と、第1流体を混合器に流す第1流体流出路と、第2流体を混合器に流す第2流体流出路と、を備えており、前記第1流体よりも粘度が低い液体又は前記第1流体よりも流量が大きい液体であり、前記第1流体流出路が、前記外管の内側から外管の長手方向に沿って突設された導入管からなり、前記導入管の外径がその先端に向かうに従って小さくなっており、前記導入管先端の流出口から前記第1流体が流出するように構成されていると共に、前記第2流体流出路の流出口の中心線が前記導入管の流出口の中心線に対して交わらず且つ前記外管と導入管の間に形成された間隙に向かって第2流体が流出するように、前記外管の側方に第2流体流出路の流出口が開口されている流体混合装置を提供する。
また、導入管の外径はその先端に向かうに従って小さくなっているので、導入管の流出口から出た第1流体がその先端面で滞留することを防止できる。
かかる流体混合装置は、三方弁がピストンバルブからなるので、流体を変更する際に、水などの洗浄液を流すだけで、ピストンバルブ内の各流路に残存する残部を洗い流すことができる。
従って、混合ムラのない良好な混合物を得ることができる流体混合装置を提供することができる。
また、本発明の流体混合装置は、混合する流体を変更する際、洗浄液を流すだけで残部の除去を行うことができる。
従って、操作性に優れ、又メンテナンス容易な流体混合装置を提供することができる。
図1は、本発明の流体混合装置の概略模式図を示す。図2は、第1流体供給機構の一部であるピストンバルブの縦断面図を示し、図3は、そのA−A線で切った断面図を、図4は、図3のB−B線で切った端面図を示す。
図1に於いて、1は、本発明の流体混合装置を示す。
流体混合装置1は、流入部21が設けられた静止型混合器2と、第1流体を流入部21へと送る第1流体供給機構3と、第2流体を流入部21へと送る第2流体供給機構5とを有し、混合器2の下流側には、配管4を介して混合物の貯留される貯留容器6が設けられている。
静止型混合器2は、2以上の流体を流し入れることにより、両者を混合することができる混合器であれば特に限定されず、従来公知のもの、例えば、上記したスタティック型ミキサーやディスク収納型ミキサーなどを用いることができる。本実施形態では、混合性に優れていること、省スペース化を図れることなどから、ディスク収納型ミキサー(例えば、特開2000−254469に記載のものなど)が用いられている。
板状体23は、図5に示すように、ディスク形で、その表面側から裏面側に貫通する貫通孔部25が複数形成されている。貫通孔部25は、板状体23の表面及び裏面の相対位置に、最も面積が大きい円形の表面開口部26及び裏面開口部27が形成され、且つ板厚方向の中途部に貫通面積が最小となる最小開口部28が形成されていると共に、表面開口部26及び裏面開口部27から最小開口部28に向かうに従い次第に縮径する縮径開口部29が連設された形状に形成されている。
尚、図3に於いて、流入部21の内周面には、後述するピストンバルブ7と直接に接続するため、ネジが刻設されている。また、流出部24には、得られた混合物を送るための配管(図示せず)が接続されている
このピストンバルブ7は、図2及び図3に示すように、ポンプ32から送られてくる第1流体が流入する第1流体流入路71と、混合器2の流入部21に接続され且つ第1流体を混合器2に流す第1流体流出路72と、第1流体を容器31へ戻す第1流体返送路73と、の3つの流路を有し、これらの流路の開閉切替を行うピストン弁体74が設けられている。
尚、第1流体流入路71及び第1流体返送路73の内周面には、配管4が溶接されている。
かかる構成からなるピストンバルブ7は、図2に示すようにピストン弁体74を前方側へ移動させることにより、第1流体流入路71及び第1流体流出路72の流出口にピストン弁体74の縮径部77が跨って位置し、これにより、第1流体流入路71から流れ込む第1流体は、縮径部77と長状孔部76との間を通り、第1流体流出路72へ流出するようになっている。一方、ピストン弁体74を後方側へ移動させると、第1流体流入路71及び第1流体返送路73の流出口にピストン弁体74の縮径部77が跨り、第1流体流入路71から流れ込む第1流体は、縮径部77と長状孔部76の間隙を通じて、第1流体返送路73へ流れ、配管4を介して容器31へ戻るようになっている。
さらに、この取付孔78の上方側に於いて、更に大径に刳り貫くことにより、バルブ本体75に、取付孔78の外径よりも大径の管状部79(外管に相当する)が形成されている。この管状部79は、第1流体流出路72の開口中心を中心とする円形状に形成されており、取り付けられた導入管10の先端よりも長く形成されている。この管状部79は、その先端側が円筒体に形成され、バルブ本体75の外側へ突設されている。また、この突設された管状部79の円筒体外周面には、ネジが刻設され、混合器2の流入部21が直結されている。
かかる導入管10は、取付孔78及び第1流体流出路72に対して水密状に取付けられており、従って、導入管10先端の流出口13が第1流体流出路72の流出口となっている。
この導入管10は、例えばネジ作用により、バルブ本体75に着脱可能であるため、図8(a)及び(b)に示すような、流出口13の口径の異なる導入管10に交換することができる。例えば、口径の小さい導入管10としては、同図(b)に示すように導入管10の先端側の肉厚を薄くすることにより、導入管10の先端面10aの面積が狭く形成されたものが好ましい。なぜなら、同図(a)のように、導入管10の先端面10aが広く形成されていると、導入管10の流出口13から出た第1流体が、この先端面10aで滞留する虞があるからである。
この間隙15に第2流体が流れ込むように、バルブ本体75の管状部79の側方には、第2流体流出路51の流出口が形成されている(図3及び図4参照)。
この第2流体流出路51は、図4に示すように、その流出口の中心線Yが、導入管10の流出口13の中心線Xに対して交わらないように形成されている。すなわち、管状部79の内周面に開口された第2流体流出路51の流出口は、その中心点を通る軸心延長線Yが導入管10の流出口13の中心点を通る軸心延長線Xに交わらず、偏心されている。
さらに、導入管10は、長く形成されている方が第2流体の渦流形成に有利であるが、他方、余りに長すぎると残部を洗い流す際に時間がかかる。これらを考慮して、導入管10の長さHは適宜設計されるものであるが、通常、50mm程度が好ましいと考えられる。
尚、図2に於いて、16は、圧力センサーを示し、17は、ピストン弁体74の端部を支持する支持キャップを示し、18は、ピストンバルブ7などを取り付けるための台座を示す。また、図4に於いて、19は、圧力センサー16の取付孔を示す。
第2流体供給機構5側のピストンバルブ54は、上記導入管10が設けられていない点を除いて、上記第1流体供給機構3のピストンバルブ7と同様の構造である。
そして、該ピストンバルブ54から流れ出る第2流体は、図3に及び図4に示すように、配管4を介して、上記ピストンバルブ7に形成された第2流体流出路51に流れ、間隙15内に流出する。
そして、脱気完了後、両者が流出路側へと流れるようにピストンバルブ7,54の流路を開くことにより、第1流体は、導入管10の流出口13から混合器2の流入部21へと流れ、一方、第2流体は、導入管10と管状部79との間隙15に流れ込む。この際、第2流体流出路51の流出口の中心線Yが、第1流体流出口72の流出口13の中心線Xに対して交わらないように設けられているので、第2流体は、図4に示すように導入管10の外周面の周りを一方向から周回する渦流を生じながら上昇して第1流体と合流する。
このように第1流体の流れの周りに、渦流となった第2流体が合流するので、第1流体は第2流体に巻き込まれ、よって、何れかの流体が混合器2に流入する前段階で滞り難く、両者を同時に混合器2へ流入させることができる。
また、上記装置は、三方弁に形成された管状部内に、第1流体流出路に相当する導入管が設けられ、且つ、管状部と導入管の間隙に向かって第2流体が流れるように構成されている。このように三方弁の中に第1流体と第2流体の合流部分が組み込まれているので、装置全体の小型化を図ることができる。
この際、本発明の第1流体供給機構3及び第2流体供給機構5の三方弁は、ピストンバルブ7,54からなるので、その内部に残存する残部を、洗浄液を流すだけで除去することができる。
また、流体変更時に、必要に応じて導入管10を交換することができる。例えば、変更後の第1流体の流量が、第2流体の流量に比して低くなる場合には、口径の小さな導入管10に交換することにより、両者の流速を調整することができる。又、逆の場合には、口径の大きな導入管10に交換すればよい。
尚、本発明の流体混合装置は、上記に示した各構成例に限定されず、本発明の意図する範囲で適宜設計変更することができる。
例えば、上記各実施形態では、バルブ本体75に管状部79が形成され、この内部に導入管10が挿入されていると共に、前記管状部79に混合器2の流入部21が直結されているため、装置全体の小型化を図ることができるので好ましいが、本発明は、バルブ本体75に管状部79及び導入管10が一体的に設けられている態様に限定されない。例えば、バルブ本体75に別途の管(外管)を接続し、この管の内側に且つ管の長手方向に沿って第1流体が流出する導入管10を嵌入すると共に、この管の側方から第2流体流出路51の流出口が設けられた態様に変更することも可能である。
さらに、上記各実施形態では、第2流体供給機構5側のピストンバルブ54から流れ出る第2流体は、配管4を介して、第1流体供給機構3側のピストンバルブ7の第2流体流出路51に流れ込むように構成されているが、例えば、配管4を介さずに、第2流体供給機構5側のピストンバルブ54の流出口を第1流体供給機構3側のピストンバルブ7の第2流体流出路51に直接的に接続してもよい。
尚、第1流体供給機構3や第2流体供給機構5の三方弁は、ピストンバルブに限られず、ボールバルブなどその他の三方弁に変更することもできる。
Claims (3)
- 外管が連結された流入部を有し且つ前記流入部から液体である第1流体及び第2流体を流し入れることにより両者を混合する静止型混合器と、
第1流体を混合器に流す第1流体流出路と、
第2流体を混合器に流す第2流体流出路と、を備えており、
前記第2流体が、前記第1流体よりも粘度が低い液体又は前記第1流体よりも流量が大きい液体であり、
前記第1流体流出路が、前記外管の内側から外管の長手方向に沿って突設された導入管からなり、前記導入管の外径がその先端に向かうに従って小さくなっており、前記導入管先端の流出口から前記第1流体が流出するように構成されていると共に、
前記第2流体流出路の流出口の中心線が前記導入管の流出口の中心線に対して交わらず且つ前記外管と導入管の間に形成された間隙に向かって第2流体が流出するように、前記外管の側方に第2流体流出路の流出口が開口されていることを特徴とする流体混合装置。 - 第1流体が流入する第1流体流入路と、前記第1流体流出路と、第1流体を供給源に戻す第1流体返送路の3路と、を有し、前記第1流体流入路と第1流体流出路との流路又は第1流体流入路と第1流体返送路との流路を切り替えるピストンバルブからなる三方弁をさらに備えている請求項1に記載の流体混合装置。
- 前記導入管が、異なる口径の導入管に交換可能とされている請求項1又は2に記載の流体混合装置。
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