JP4890805B2 - コア3型構造を有するo−結合型糖アミノ酸誘導体およびその製造方法 - Google Patents
コア3型構造を有するo−結合型糖アミノ酸誘導体およびその製造方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP4890805B2 JP4890805B2 JP2005210364A JP2005210364A JP4890805B2 JP 4890805 B2 JP4890805 B2 JP 4890805B2 JP 2005210364 A JP2005210364 A JP 2005210364A JP 2005210364 A JP2005210364 A JP 2005210364A JP 4890805 B2 JP4890805 B2 JP 4890805B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- group
- benzyl
- carbon atoms
- structural formula
- residue
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Landscapes
- Saccharide Compounds (AREA)
Description
このように、保護基の種類によって、各々一長一短があり、糖ペプチド合成を効率的に行なうには、糖鎖および/または目的の糖ペプチドの種類、構造、特性などに適した保護基の選択が重要である。
これらの保護基は、ペプチド鎖の化学的安定性を損なわない酸性条件で糖のグリコシド結合をも侵すことなく脱離することができる。一方、該誘導体(2)は、該誘導体(1)からFmoc基(9−フルオレニルメトキシカルボニル基を表す。)を除く全ての保護基が除去されたものであって、本糖鎖構造を基質とする糖転移酵素のスクリーニングやその活性度を測るための標準物質として使用できる。Fmoc基は強い紫外線吸収を示すことでクロマトグラフィーによる解析を容易にすることから、該誘導体(2)では脱離せずに残した。他方、糖鎖水酸基を保護せずに行う糖ペプチドの固相合成も開発すべき研究技術であり、その場合には、該誘導体(2)が、ビルディングブロックとして活用されることとなる。
縮合促進剤としては、ビスシクロペンタジエニルジルコノセンジクロリドまたはビスシクロペンタジエニルハフノセンジクロリドなども使用することができる。また、該化合物とともに使用される過塩素酸銀の代わりに、トリフルオロメタンスルホン酸銀、トリフルオロメタンスルホン酸第一スズを使用してもよい。
縮合反応は−20〜0℃程度の低温で行うと、副反応が少ない。
反応溶媒は、化合物(3)および化合物(4)を溶解するものであれば、特に限定されないが、ジクロロメタン、ジクロロエタン、ジエチルエーテル、トルエン、アセトニトリルなどが好適である。
縮合反応生成物をろ過し、ろ液を濃縮し、抽出により、化合物(5)を精製分離する。
還元剤は化合物(5)の種類に応じて、適宜選択して使用される。
還元反応は0〜20℃程度の温度で行うと、副反応が少ない。
還元反応溶媒は、化合物(5)を溶解するものであれば、特に限定されないが、ジクロロメタン、ジクロロエタンなどが好適である。
アセチル化剤としては塩化アセチル、アセチルイミダゾールなども使用することができる。
アセチル化反応は0〜20℃程度の温度で行うと、副反応が少ない。
アセチル化反応溶媒は、前記化合物を溶解するものであれば、特に限定されないが、ジクロロメタン、酢酸エチル、ジエチルエーテル、テトラヒドロフランなどが好適である。
アセチル化反応生成物は、その後ろ過し、ろ液を濃縮し、抽出操作を施すことによって、化合物(6)を精製分離する。
脱アリル化触媒としては前記テトラキストリフェニルホスフィンパラジウムとN−メチルアニリンとの組合せも好適である。
脱アリル化反応は0〜20℃程度の温度で行うと、副反応が少ない。
脱アリル化反応溶媒は、前記化合物を溶解するものであれば、特に限定されないが、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテルなどが好適である。
脱アリル化反応生成物を、濃縮、ろ過し、ろ過残渣を精製し、溶剤抽出により、化合物(1)を得る。
該脱離反応の条件は、化合物(1)の種類などに応じて、変更する必要があるので、条件の一部を下記する。したがって、下記条件に限定されるものではない。
ベンジル基およびベンジリデン基の脱離剤としては、トリフルオロメタンスルホン酸の代わりにトリフルオロメタンスルホン酸トリメチルシリルなども使用することができる。
該脱離化反応は−15〜0℃程度の温度で行うと、副反応が少ない。
該脱離化反応溶媒は、化合物(1)を溶解するものであれば、特に限定されない。
該脱離化反応生成物を中和し、分離した沈殿を、精製して、化合物(1)が抽出分離される。
<工程[1]: 構造式(5)で表される化合物[本実施例1においては、式(4)〜式(6)および式(1)〜式(2)で表される化合物のRはすべてメチル基であることから、以下では、(Rがメチル基)の表記を省略する。]の合成: N-(9-フルオレニルメトキシカルボニル)-O-[2.3-ジ-O-ベンジル-4.6-O-ベンジリデン-b-D-ガラクトピラノシル-(1(R)4)-3.6-ジ-O-ベンジル-2-デオキシ-2-トリクロロアセトアミド- b-D-グルコピラノシル-(1(R)3)-2-アジド-4.6-O-ベンジリデン-2-デオキシ-a-D-ガラクトピラノシル-L-トレオニン アリルエステルの合成>
予め減圧下で加熱乾燥した粉末モレキュラーシーヴス4A(700mg)、ビスシクロペンタジエニルジルコノセンジクロリド(81mg)、過塩素酸銀(115mg)を褐色フラスコ中アルゴン気流下−15℃に冷却し、ジクロロメタン(7ml)を加えて30分間撹拌した。ここに構造式(3)で表される化合物(130mg)と構造式(4)で表される化合物(130mg)の混合物をジクロロメタン(7ml)に溶解して加えた。反応液を−15℃で2時間撹拌した後、過剰の飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加えて反応を止め、クロロホルムで希釈した後に、セライト上でろ過をした。ろ液の有機層を集めて分液ロートに移し、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、水、飽和食塩水で洗浄した。無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、減圧濃縮して得られた粗生成物を「バイオビーズSX3」を用いたゲルろ過を行い、トルエン−酢酸エチル(1:1)混合溶媒で溶出して、生成物である構造式(5)で表される化合物と未反応の構造式(4)で表される化合物および副生物とを分離し、生成物画分はシリカゲルクロマトグラフィーによりさらに精製した。トルエン−酢酸エチル(7:3)で溶出して構造式(5)で表される化合物(191mg、 収率92%)を得た。
[a]D +66.9° (c 1, クロロホルム)
1H-NMR (CDCl3): d 7.76 (brd, 2H, J = 7.6 Hz, Ar), 7.64 (brd, 2H, J= 7.1 Hz, Ar), 7.48-7.11 (m, 35H, Ar, -NH), 5.91 (m, 1H, -CH2CH=CH2), 5.74 (d, 1H, J = 9.5 Hz, -NH), 5.45 [s, 1H, PhCH(O)2], 5.42 [s, 1H, PhCH(O)2], 5.39 (d, 1H, J= 9.4 Hz, H-1b), 5.37 (dd, 1H, J = 1.2, 17.4 Hz, -CH=CH2), 5.29 (d, 1H, J = 10.4 Hz, -CH2Ph), 5.27 (dd, 1H, J = 0.8, 10.2 Hz, -CH=CH2), 5.01 (d, 1H, J = 3.4 Hz, H-1a), 4.45 (d, 1H, J = 7.8 Hz, H-1c), 1.30 (d, 3H, J = 6.4 Hz, Thr-bH);
13C-NMR (CDCl3): d 92.3(-COCCl3), 99.2 (GalN3 C-1), 99.3 (GlcNTCA C-1), 100.4 [PhCH(O)2], 101.2 [PhCH(O)2], 102.9 (Gal C-1).
MALDI TOF MS: calcd for C84H84N5O19Cl31572.48 found; 1595.38 (+Na), 1611.35 (+K).
元素分析Calcd for C84H84N5O19Cl3: C, 64.10; H, 5.38; N, 4.45; Cl, 6.76. Found: C, 64.39; H, 5.44; N, 4.22; Cl, 7.05.
以上の測定結果から、構造式(5)で表される化合物であることが同定された。
構造式(5)で表される化合物(140mg)のジクロロメタン(10ml)溶液に室温で撹拌しつつ酢酸(0.5ml)と亜鉛末(0.5g)を2時間おきに5回添加した。薄層クロマトグラフィー上で生成物が一点に収束したところで撹拌を止め、セライトを通して反応混合物をろ過し、ろ液を減圧濃縮した。残渣をジクロロメタン(25ml)に溶解し、ピリジン(71 ml)、無水酢酸(45 ml)を加え30分間撹拌した。反応液を分液ロートに移し、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、水、飽和食塩水で洗浄した。無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、減圧濃縮して得られた粗生成物を「セファデックスLH−60」を用いたゲルろ過により精製した。クロロホルム−メタノール(3:1)混合溶媒で溶出して、構造式(6)で表される化合物(120mg、 收率91%)を得た。
[a]D +59.2° (c 1, クロロホルム)
1H-NMR (DMSO-d6): d 7.88 (m, 2H, Ar), 7.71 (m, 2H, Ar), 7.45-7.17 (m, 34H, Ar,), 5.87 (m, 1H, -CH2CH=CH2), 5.64 [s, 1H, PhCH(O)2], 5.46 [s, 1H, PhCH(O)2], 5.32 (dd, 1H, J = 1.5, 17.3 Hz, -CH=CH2), 5.22 (dd, 1H, J = 1.2, 10.5 Hz, -CH=CH2), 4.88 (d, 1H, J = 8.3 Hz, H-1b), 4.70 (br, 1H, H-1a), 1.84 (s, 3H, Ac), 1.75 (s, 3H, Ac),1.10 (d, 3H, J = 6.4 Hz, Thr-bH);
13C-NMR (CDCl3): d 99.7 (GalNAc C-1), 100.9 (GlcNAc C-1), 101.1 [PhCH(O)2], 103.2 (Gal C-1).
MALDI TOF MS: calcd for C86H91N3O20 1485.62 found; 1508.62 (+Na), 1525.56 (+K).
元素分析 Calcd for C86H91N3O20: C, 69.48; H, 6.17; N, 2.83. Found: C, 69.39; H, 6.50; N, 2.58.
以上の測定結果から、構造式(6)で表される化合物であることが同定された。
構造式(6)で表される化合物(85mg)、テトラキストリフェニルホスフィンパラジウム(5mg)、 5,5−ジメチル−1,3−シクロヘキサンジオン(154mg)のテトラヒドロフラン(15ml)溶液をアルゴン気流下、室温で15分間撹拌した。反応液を減圧濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにて精製した。酢酸(1%)を含むクロロホルム−エタノール(15:1)混合溶媒で溶出して生成物を得た。これはさらに「セファデックスLH−60」を用いたゲルろ過により精製した。クロロホルム−メタノール(3:1)混合溶媒で溶出して構造式(1)で表される化合物 (81mg、 收率98%)を得た。
[a]D +59.0° (c 1, クロロホルム)
1H-NMR (DMSO-d6, 50 °C): d 5.61 [s, 1H, PhCH(O)2], 5.45 [s, 1H, PhCH(O)2], 4.89 (d, 1H, J = 8.1 Hz, H-1b), 4.78 (br, 1H, H-1a), 4.55 (d, 1H, J = 7.6 Hz, H-1c), 4.26 (m, 1H, Thr-aH), 1.85 (s, 3H, Ac), 1.74 (s, 3H, Ac),1.12 (d, 3H, J = 6.1 Hz, Thr-bH);
13C-NMR (CDCl3): d 100.5 (GalNAc C-1), 101.0 [PhCH(O)2, GlcNAc C-1], 103.2 (Gal C-1) .
MALDI TOF MS: calcd for C83H87N3O20 1445.59; found; 1468.52 (+Na), 1484.47 (+K).
元素分析 Calcd for C83H87N3O20: C, 68.91; H, 6.06; N, 2.90. Found: C, 68.71; H, 6.22; N, 2,75.
以上の測定結果から、構造式(1)で表される化合物であることが同定された。
構造式(1)で表される化合物(30mg)をジメチルスルフィド(90 ml)、m−クレゾール(24 ml)、1,2−エタンジチオール(6 ml)、トリフルオロ酢酸(150 ml)の混合液に溶解して−15℃で10分間撹拌冷却した。次にトリフルオロメタンスルホン酸(30 ml)を加えて2時間撹拌した。反応混合物に−80℃に冷却したピリジン−エーテル(1:5.1 ml)を加えて中和し、遠心分離して不溶物を沈澱させ上澄液と分離した。沈澱をエーテル(1ml)で2回洗浄と遠心分離を繰り返し、沈澱を風乾した。これを20%アセトニトリル水溶液に溶かし、「ODCシリカゲル」のカラムを用いて逆相HPLCで精製した。0.1%トリフルオロ酢酸を含むアセトニトリル(20-50%/30分)で溶出し、構造式(2)で表される化合物(14mg、収率73%)を得た。
高分解能 MS: calcd for C41H54N3O20 908.33006 found; 908.33001.
以上の測定結果から、構造式(1)で表される化合物であることが同定された。
<工程[1]: 構造式(5)で表される化合物[本実施例2において、式(4)〜式(6)および式(1)〜式(2)のRはすべて水素原子であるので、以下では表記を省略する。]の合成: N-(9-フルオレニルメトキシカルボニル)-O-[2.3-ジ-O-ベンジル-4.6-O-ベンジリデン-b-D-ガラクトピラノシル-(1(R)4)-3.6-ジ-O-ベンジル-2-デオキシ-2-トリクロロアセトアミド- b-D-グルコピラノシル-(1(R)3)-2-アジド-4.6-O-ベンジリデン-2-デオキシ-a-D-ガラクトピラノシル-L-セリン アリルエステルの合成>
実施例1の構造式(5)で表される化合物(ただし、Rがメチル基)の合成法に倣い、同一条件のもと、構造式(3)で表される化合物(135mg)と構造式(4)で表される化合物(120mg)を用いてグリコシル化反応を行った。粗生成物をクロマトグラフィーによって精製し、構造式(5)で表される化合物(218mg、 收率97%)を得た。
[a]D +68.0° (c 1.1, クロロホルム)
1H-NMR (CDCl3): d 7.75 (brd, 2H, J = 7.6 Hz, Ar), 7.61 (brd, 2H, J= 7.3 Hz, Ar), 7.49-7.11 (m, 35H, Ar, -NH), 5.95-5.84 (m, 2H, -CH2CH=CH2, -NH), 5.45 [s, 1H, PhCH(O)2], 5.35 [s, 1H, PhCH(O)2], 5.36-5.24 (m, 4H, H-1b, -CH=CH2, -CH2Ph), 4.93 (d, 1H, J = 3.0 Hz, H-1a), 4.87 (d, 1H, J = 11.2 Hz, -CH2Ph), 4.81 (d, 1H, J= 11.2 Hz, -CH2Ph), 4.73 (brs, 2H, -CH2Ph), 4.68 (brd, 2H, J = 5.8 Hz, -CH2CH=CH2), 4.62 (d, 1H, J = 10.5 Hz, -CH2Ph), 4.54 (m, 1H, Ser-aH), 4.46 (d, 1H, J= 7.8 Hz, H-1c);
13C-NMR (CDCl3): d92.3(-COCCl3), 99.6 (GalN3C-1), 99.8 (GlcNTCA C-1), 100.4 [PhCH(O)2], 101.3 [PhCH(O)2], 102.9 (Gal C-1).
MALDI TOF MS: calcd for C83H82N5O19Cl31557.47 found; 1580,18 (+Na), 1596.17 (+K).
元素分析Calcd for C83H82N5O19 Cl3: C, 63.91; H, 5.30; N, 4.49; Cl, 6.82. Found: C, 63.91; H, 5.07; N, 4.25; Cl, 6.81.
以上の測定結果から、構造式(5)で表される化合物であることが同定された。
構造式(5)で表される化合物(160mg)を用い、実施例1の構造式(6)で表される化合物(ただし、Rがメチル基)の合成法に倣い、亜鉛末と酢酸によるトリクロロアセチル基の脱クロル化およびアジド基のアミノ基への変換をした後、アセチル化して構造式(6)で表される化合物(136mg、 收率90%)を得た。
[a]D + 58.2° (c 1.3, クロロホルム)
1H-NMR (CDCl3): d 6.18-6.09 (m, 3H, 3 -NH), 5.88 (m, 1H, -CH2CH=CH2), 5.44 [s, 1H, PhCH(O)2], 5.41 [s, 1H, PhCH(O)2], 5.33 (brd, 1H, J = 17.3 Hz, -CH=CH2), 5.27 (brd, 1H, J = 10.5 Hz, -CH=CH2), 5.18 (brd, 1H, J= 6.1 Hz, H-1b), 5.13 (brs, 1H, H-1a), 5.04 (d, 1H, J = 11.4 Hz, -CH2Ph), 4.84 (d, 1H, J = 11.0 Hz, -CH2Ph), 4.80 (d, 1H, J = 11.0 Hz, -CH2Ph), 4.72 (brs, 2H, -CH2Ph), 4.65-4.63 (m, 3H, -CH2Ph, -CH2CH=CH2), 4.43 (d, 1H, J = 7.3 Hz, H-1c), 3.58 (brs, 1H, H-5a), 3.45 (dd, 1H, J = 3.2, 9.5 Hz, H-3c), 3.37 (m, 1H, H-2b), 3.05 (brs, 1H, H-5c), 1.96 (s, 3H, Ac), 1.78 (s, 3H, Ac).
13C-NMR (CDCl3): d 99.6 (GalNAc C-1), 100.7 [PhCH(O)2], 101.1 [GlcNAc C-1, PhCH(O)2], 103.2 (Gal C-1).
MALDI TOF MS: calcd for C85H89N3O20 1471.60 found; 1494.34 (+Na), 1510.34 (+K).
元素分析 Calcd for C85H89N3O20: C, 69.33; H, 6.09; N, 2.85. Found: C, 69.32; H, 5.94; N, 2.70.
以上の測定結果から、構造式(6)で表される化合物であることが同定された。
実施例1の構造式(1)で表される化合物(ただし、Rがメチル基)の合成法に倣い、構造式(6)で表される化合物(127mg)、テトラキストリフェニルホスフィンパラジウム(5mg)、 5,5−ジメチル−1,3−シクロヘキサンジオン(240mg)をテトラヒドロフラン(12ml)中で1時間反応した。減圧下濃縮して残渣をシリカゲルでカラムクロマトグラフィーにて精製した。まずクロロホルム−メタノール(95:5)混合溶媒で副生成物および過剰の5,5−ジメチル−1,3−シクロヘキサンジオンを溶出し、続いてクロロホルム−メタノール−酢酸(95:5:1)混合溶媒を用いて、構造式(1)で表される化合物(112mg、 收率91%)を得た。
[a]D +69.8° (c 0.9, クロロホルム)
1H-NMR (DMSO-d6): d 5.64 [s, 1H, PhCH(O)2], 5.41 [s, 1H, PhCH(O)2], 5.04 (d, 1H, J = 11.0 Hz, -CH2Ph), 4.80-4.70 (m, 5H, H-1b, H-1a, 3 x -CH2Ph), 4.61 (d, 1H, J = 12.2 Hz, -CH2Ph), 4.55-4.52 (m, 2H, H-1c, -CH2Ph), 1.82 (s, 3H, Ac), 1.75 (s, 3H, Ac);
13C-NMR (CDCl3): d 100.4 (GalNAc C-1), 101.1 [PhCH(O)2, GlcNAc C-1], 103.2 (Gal C-1).
MALDI TOF MS: calcd for C82H85N3O20 1431.57; found; 1454.63 (+Na), 1470.61 (+K).
元素分析 Calcd for C82H85N3O20・0.5H2O: C, 68.32; H, 6.01; N, 2.91. Found: C, 68.14; H, 5.74; N, 2,79.
以上の測定結果から、構造式(1)で表される化合物であることが同定された。
実施例1の構造式(2)で表される化合物(ただし、Rがメチル基)の合成に倣い、構造式(1)で表される化合物(12mg)をジメチルスルフィド(72 ml)、m−クレゾール(19.2 ml)、1,2−エタンジチオール(4.8ml)、トリフルオロ酢酸(120 ml)と混合し、−15℃に冷却した後に、トリフルオロメタンスルホン酸(40 ml)を加えて1時間脱ベンジル反応を行った。ピリジンを含むエーテルを用いて粗生成物を沈殿させ、これを逆相HPLCで精製して、構造式(2)で表される化合物(6mg、収率90%)を得た。
高分解能 MS: calcd for C40H52N3O20 894.30318 found; 894.30753.
以上の測定結果から、構造式(2)で表される化合物であることが同定された。
Claims (4)
- 構造式(1)で表される、ガラクトース残基、N−アセチルガラクトサミン残基およびN−アセチルグルコサミン残基のすべての水酸基が、ベンジル基、ベンジリデン基、または4位に炭素数1〜4のアルキル基もしくはアルコキシ基を有するベンジル基もしくはベンジリデン基で保護され、かつ、トレオニン残基またはセリン残基のアミノ基が9−フルオレニルメトキシカルボニル基で保護された、コア3型構造を有するO−結合型糖アミノ酸誘導体。
- 構造式(2)で表される、トレオニン残基またはセリン残基のアミノ基が9−フルオレニルメトキシカルボニル基で保護された、コア3型構造を有するO−結合型糖アミノ酸誘導体。
- [1]構造式(3)で表される、すべての水酸基がベンジル基、ベンジリデン基、または4位に炭素数1〜4のアルキル基もしくはアルコキシ基を有するベンジル基もしくはベンジリデン基で保護され、かつ、N−アセチル基がN−トリクロロアセチル基であるグルコサミン残基の1位がフッ素原子で置換された二糖類と、構造式(4)で表される、アセトアミド基がアジド化され、かつ、トレオニン残基またはセリン残基のアミノ基が9−フルオレニルメトキシカルボニル基で保護され、該残基のカルボキシル基がアリル基で保護された単糖アミノ酸誘導体とを縮合反応させて、構造式(5)で表される、トリクロロアセトアミド基およびアジド基を有し、かつ、コア3型構造を有するO−結合型糖アミノ酸誘導体を合成し、
[式(4)中、Phはフェニル基または4位に炭素数1〜4のアルキル基もしくはアルコキシ基を有するフェニル基を、N3はアジド基を、Fmocは9−フルオレニルメトキシカルボニル基を、Allはアリル基を、Rは水素原子またはメチル基を、それぞれ表す。]
[2]ついで、構造式(5)で表される、コア3型構造を有するO−結合型糖アミノ酸誘導体を還元してトリクロロアセチル基をアセチル基に、アジド基をアミノ基に変換した後、さらに、そのアミノ基をアセチル化して、構造式(6)で表される、アリル基を有する、コア3型構造を有するO−結合型糖アミノ酸誘導体を合成し、
[3]ついで、構造式(6)で表される、コア3型構造を有するO−結合型糖アミノ酸誘導体を脱アリル化して、構造式(1)で表される、ガラクトース残基、N−アセチルガラクトサミン残基およびN−アセチルグルコサミン残基のすべての水酸基が、ベンジル基、ベンジリデン基、または4位に炭素数1〜4のアルキル基もしくはアルコキシ基を有するベンジル基もしくはベンジリデン基で保護され、かつ、トレオニン残基またはセリン残基のアミノ基が9−フルオレニルメトキシカルボニル基で保護された、コア3型構造を有するO−結合型糖アミノ酸誘導体を合成する方法。
- 構造式(1)で表される、コア3型構造を有するO−結合型糖アミノ酸誘導体を有機溶媒に溶解し、ベンジル基、ベンジリデン基、または4位に炭素数1〜4のアルキル基もしくはアルコキシ基を有するベンジル基もしくはベンジリデン基を酸性条件で脱離して、構造式(2)で表される、トレオニン残基またはセリン残基のアミノ基が9−フルオレニルメトキシカルボニル基で保護された、コア3型構造を有するO−結合型糖アミノ酸誘導体を合成する方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2005210364A JP4890805B2 (ja) | 2005-07-20 | 2005-07-20 | コア3型構造を有するo−結合型糖アミノ酸誘導体およびその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2005210364A JP4890805B2 (ja) | 2005-07-20 | 2005-07-20 | コア3型構造を有するo−結合型糖アミノ酸誘導体およびその製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2007022987A JP2007022987A (ja) | 2007-02-01 |
JP4890805B2 true JP4890805B2 (ja) | 2012-03-07 |
Family
ID=37784228
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2005210364A Expired - Fee Related JP4890805B2 (ja) | 2005-07-20 | 2005-07-20 | コア3型構造を有するo−結合型糖アミノ酸誘導体およびその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP4890805B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2010027108A1 (ja) * | 2008-09-08 | 2010-03-11 | 国立大学法人東京工業大学 | 蛍光性糖誘導体化合物及びそれを用いるセンサー |
Family Cites Families (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH06256401A (ja) * | 1993-03-01 | 1994-09-13 | Rikagaku Kenkyusho | 新規デルマタン硫酸関連物質並びにその合成中間体 及び製造法 |
JP2001097990A (ja) * | 1999-09-27 | 2001-04-10 | Takashi Takahashi | 糖鎖中間体 |
JP2006188475A (ja) * | 2005-01-07 | 2006-07-20 | Tokai Univ | コア8型構造を有するo−結合型糖アミノ酸誘導体およびその製造方法 |
-
2005
- 2005-07-20 JP JP2005210364A patent/JP4890805B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2007022987A (ja) | 2007-02-01 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP2546659B2 (ja) | ポドフイロトキシン型化合物の製造方法 | |
JPH0138798B2 (ja) | ||
Ueki et al. | Solid-phase synthesis of glycopeptide carrying a tetra-N-acetyllactosamine-containing core 2 decasaccharide | |
KR20120004504A (ko) | 6˝-시알릴락토오스 염 및 그의 합성 및 기타 α-시알릴올리고사카라이드의 합성 방법 | |
Wang et al. | Expedient synthesis of an α-S-(1→ 6)-linked pentaglucosyl thiol | |
Yudina et al. | Synthesis of 2-aminoethyl glycosides of chitooligosaccharides | |
WO1996005211A1 (fr) | Analogue de ganglioside gm3 dote d'un residu d'acide sialique fluore en position 9, et intermediaire necessaire | |
Herzner et al. | Spacer-separated sialyl LewisX cyclopeptide conjugates as potential E-selectin ligands | |
JP4890805B2 (ja) | コア3型構造を有するo−結合型糖アミノ酸誘導体およびその製造方法 | |
JP4813838B2 (ja) | コア6型構造を有するo−結合型糖アミノ酸誘導体およびその製造方法 | |
Hanashima et al. | Total synthesis of sialylated glycans related to avian and human influenza virus infection | |
EP0882733B1 (en) | Acylating agent and a method of producing thereof | |
Sawant et al. | Formal synthesis of a disaccharide repeating unit (IdoA–GlcN) of heparin and heparan sulfate | |
Hao et al. | Acceptor‐Reactivity‐Controlled Stereoconvergent Synthesis and Immunological Activity of a Unique Pentasaccharide from the Cell Wall Polysaccharide of Cutibacterium acnes C7 | |
Hanashima et al. | Synthesis of the starfish ganglioside LLG-3 tetrasaccharide | |
Seifert et al. | Syntheses of α-dystroglycan derived glycosyl amino acids carrying a novel mannosyl serine/threonine linkage | |
Lee et al. | A comparative study of different glycosylation methods for the synthesis of d-mannopyranosides of Nα-fluorenylmethoxycarbonyl-trans-4-hydroxy-l-proline allyl ester | |
JP5015505B2 (ja) | コア4型構造を有するo−結合型糖タンパク質糖鎖関連化合物およびその製造方法 | |
Du et al. | A simple access to 3, 6-branched oligosaccharides: Synthesis of a glycopeptide derivative that relates to Lycium barbarum L. | |
JP2006188475A (ja) | コア8型構造を有するo−結合型糖アミノ酸誘導体およびその製造方法 | |
JP2018534313A (ja) | 6−アジド−2,4−ジアセトアミド−2,4,6−トリデオキシ−d−マンノースの調製方法 | |
AU3297599A (en) | Methods of synthesizing gm3 | |
JP2006063055A (ja) | O−アセチル化糖アミノ酸 | |
JP3992510B2 (ja) | 新規ラクトサミン誘導体とその製造方法 | |
JP4781597B2 (ja) | N−アセチルグルコサミニルチロシン誘導体 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20080513 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20110830 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20111024 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20111206 |
|
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20111215 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20141222 Year of fee payment: 3 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |