JP4890424B2 - 薄板曲面被加工物の加工装置 - Google Patents

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Description

本発明は、複合材料等で薄板状の曲面に形成された被加工物を加工時に固定するための固定治具を備えた加工装置に関するものである。
従来、複合材料等の薄板で所定の曲面形状に形成された被加工物を工作機械でトリム加工や孔開け加工を行う場合、一般的に、締付け具(以下、「クランプ」という)によって被加工物を固定台に固定し、工作機械(NC工作機械)の加工工具によって所望の加工を行っている。このような工作機械による加工例として、以下、被加工物の外周を所定の大きさに加工するトリム加工を例に説明する。
図11は、このような薄板で曲面に形成された被加工物の固定台を示す斜視図であり、図12は、図11に示すXII部の拡大図である。図11に示すように、被加工物100は、固定台51の所定位置に載せられ、その周囲の複数箇所がクランプ52によって固定されている。この実施の形態の被加工物100には、図示する上面に補強材105が設けられている。図12に示すように、クランプ52による固定は、クランプ52の一端を固定台51の所定位置にボルト53で支持し、他端を被加工物100の上部に配置し、このクランプ52の所定位置をボルト54で固定台51側に締付けることにより、固定台51とクランプ52との間で被加工物100を挟んで固定する。このクランプ52による固定は、被加工物100を直接固定台51に締め付けるので安定したクランプ力が得られ、加工中に被加工物100がずれることが少ない、という利点を有する。
しかし、このクランプ52による被加工物100の固定は、クランプ52を被加工物100の所定位置に配置し、そのクランプ52をボルト54で固定台51に所定力で固定する必要があるとともに、被加工物100の周囲における複数箇所で同様の作業を行わなければならず、その作業に多大な時間と労力を要する。
さらに、クランプ52により固定した箇所では、クランプ52が被加工物100の上面から突出しているため、加工線57に沿ってそのクランプ52の位置を工作機械で連続的に加工することができない。そのため、一旦、クランプ52の位置を避けて加工を行った後、クランプ52の位置替え作業を行い、最初のクランプ位置を加工している。したがって、このようなクランプ位置替え工程にも多くの時間を要して加工時間が増大している。
また、この種の工作機械55には、加工時に発生する被加工物100の切削粉を加工工具の近傍で集塵する集塵フード56を設けているが、上記したようにクランプ52が被加工物100の上面から突出していると、そのクランプ52の周辺では集塵フード56を被加工物100の上面まで降ろすことができず、被加工物100の切削粉を効果的に集塵することができない。
そのため、上記クランプ以外の構成で被加工物を固定しようとする技術が提案されている。例えば、板状のワークに対して所定の作業を行うために、バキュームカップで治具上の所定位置にワークを固定するようにしたものがある(例えば、特許文献1参照)。また、他の従来技術として、薄板のワークを載置するベースプレートに複数の真空路を形成し、これらの真空路でワークをバキューム吸着するようにしたものがある(例えば、特許文献2参照)。さらに、他の従来技術として、非磁性材料で形成されたワークを作業台に固定するために、この作業台に磁力で引きつけられる治具本体にワークを真空吸着する吸着カップを設けて固定するようにしたものもある(例えば、特許文献3参照)。
特開平10−85654号公報 特開2000−312989号公報 特開2003−1538号公報
しかしながら、上記特許文献1では、バキュームカップを進退させるために各バキュームカップにシリンダを設けているため、構造が複雑になるとともに、製造時間や製造コストの上昇を招いてしまう。また、上記特許文献2では、大きな被加工物を吸着するためには大きなベースプレートを必要とし、大きなベースプレートへの真空路加工や装置の重量増加によるコスト上昇を招いてしまう。さらに、上記特許文献3では、位置決めブロックの内側で治具本体によって被加工物を位置決めブロック側に引きつけるので、薄板状の被加工物の場合には安定した状態で固定するのは難しい。このように、従来の技術では、薄板状で所定の曲面形状に形成された被加工物100を安価で容易に固定することができ、固定した被加工物100を迅速に加工することは難しい。
一方、近年、種々の構造部品が複合材で製作されており、例えば、航空機用の部品においては採用が進められている。この航空機用の部品は、加工精度が厳しく、例えば、0.1mm程度の誤差範囲で加工しなければならない部品もあり、この精度を保つために被加工物を非常に厳しい精度で固定して加工する必要性が生じている。しかも、このような複合材は加工時に発生する切削粉が飛散するので、その集塵も重要な課題となっている。
そこで、本発明は、薄板で曲面形状に形成された被加工物を、その被加工物の曲面形状を保った状態で正確に固定して正確に加工できる薄板曲面被加工物の固定治具を備えた加工装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明は、所定の三次元曲面形状に形成した薄板状の被加工物の外周を所定の大きさにトリム加工する加工装置であって、前記被加工物をトリム加工する加工工具を有する工作機械と、前記被加工物を所定位置に位置決め部で位置決めして固定する固定治具と、を備え、前記固定治具は、前記三次元曲面形状に形成した薄板状の被加工物の外側曲面形状と同一面に上面が形成され、該上面に被加工物を載置する枠体と、該枠体の上面に前記被加工物を沿わせるように吸引して固定する吸引部と、を備え、前記枠体は、前記被加工物の外周部に沿った形状で外周部下面に沿う上面を有する外周枠部と、該外周枠部の内側において前記所定の曲面形状に形成した被加工物の内側部下面に沿う上面を有する内側枠部と、を有し、前記吸引部は、前記被加工物を前記外周枠部と内側枠部との上面に沿うように吸引して該被加工物を外周枠と内側枠の上面に固定できる間隔で該外周枠部の内側と内側枠部の片側とに沿って配置した複数個の吸引口を有し、前記吸引口は、前記枠体の上面と直交する方向に配置され、枠体の上面から所定量が突出する蛇腹状に形成したバキュームカップを有し、前記バキュームカップは、該バキュームカップを収縮させて前記被加工物を前記外周枠体と内側枠体の上面まで引きつけて枠体に固定するように構成されており、前記被加工物を前記位置決め部で枠体の所定位置に位置決めした後、前記バキュームカップで三次元曲面の被加工物を吸引して前記枠体の上面形状に沿わせて正確に固定することで該被加工物と前記工作機械との位置関係を正確に位置決めし、前記工作機械の加工工具で被加工物の位置決め部を除く周囲をトリム加工した後、最後に位置決め部をトリム加工するように制御する制御装置を具備している。この明細書及び特許請求の範囲の書類中における「吸引」は、「真空吸引」が好ましい。これにより、被加工物が歪んでいたとしても、枠体の上面に被加工物を沿わせるようにバキュームカップを収縮させて被加工物をこの被加工物の外周部に沿った形状の外周枠体の内側と内側枠体の片側の上面まで引きつけて枠体に固定するため、薄板状で所定の曲面形状に形成された被加工物を正確な曲面形状で固定することができ、この正確な曲面形状で固定された被加工物に対する加工を正確に行うことができる。しかも、被加工物を複数の吸引口で枠体に吸引して固定するので、被加工物の固定に要する時間を大幅に短縮することができ、これにより被加工物の加工に要する時間を短縮することができる。その上、固定治具の軽量化を図ることもできる。
また、曲面で形成された被加工物を枠体の上面と直交する方向に吸引して固定するので、確実に固定状態を保つことができ、三次元曲面の被加工物を正確な位置に固定することで、工作機械との位置関係も三次元的に正確に位置決めし、工作機械による加工を正確に行うことができる。その上、被加工物の位置決め部以外の加工中は、被加工物を位置決め部で正確な位置に固定した状態を保つことができるので、加工途中で工作機械を停止させた場合でも、その後の加工を正確に続けることができる。
さらに、前記固定治具は、前記吸引部に、前記吸引口からの吸引力低下に対応して該吸引部を遮断する遮断部を具備していてもよい。これにより、吸引力が低下したら吸引口を遮断して吸引力低下を防ぐことができ、吸引力低下による被加工物の位置ズレ等を防止することができる。
また、前記固定治具は、前記複数の吸引口を複数に分割した配管系統に接続し、該配管系統毎に吸引するように構成されていてもよい。これによっても、一部の吸引口における吸引力が低下したらその配管系統を遮断し、他の配管系統の吸引口による被加工物の吸引保持状態を保つことができるので、吸引力低下による被加工物の位置ズレ等を抑えることができる。
また、前記吸引口からの吸引力低下を検知する検知部と、該検知部による吸引力低下の検知に対応して前記加工工具を停止させる機能とを前記制御装置に備えさせてもよい。これにより、吸引力が低下したことを検知部が検知すると、加工工具を停止させて被加工物の加工を自動的に停止させることができる
本発明は、以上説明したような手段により、所定の曲面形状に形成された薄板の被加工物を正確な曲面形状で固定して加工できるので、被加工物に対する正確な加工を行うことが可能となる。また、被加工物の固定に要する時間の短縮や、加工時間の大幅な短縮が可能となる。
さらに、固定治具の重量を大幅に削減できるので、固定治具を運搬するハンドリング時間や位置決め時間等の削減も可能となる
以下、本発明の一実施の形態を図面に基づいて説明する。図1は、本発明の一実施の形態に係る加工装置に備えられた薄板曲面被加工物の固定治具を示す斜視図であり、図2は、図1に示す固定治具の平面図、図3は、図1に示すIII矢視拡大図、図4は、図2に示すIV−IV断面図である。図5は、図4に示すIV−IV断面図における吸引状態を示す断面図である。この明細書及び特許請求の範囲の書類中では、図2に示すように枠体2を平面視した状態で、外周枠部3に囲まれた内側を枠体2の内側という。また、以下の実施の形態では、長方形状の薄板で、短方向が湾曲する曲面に形成された複合材製被加工物100(図8に示す例は、三次元曲面を有した飛行機の翼外板)の外周をトリム加工する例を説明する。
図1に示すように、この実施の形態における薄板曲面被加工物の固定治具1は、被加工物100(二点鎖線)の外周部に沿った形状の外周枠部3と、この外周枠部3の間を連結する内側枠部4とによって形成された枠体2を備えている。この枠体2は、例えば、炭素繊維強化プラスチックを利用した複合材等のコンタープレートで形成される。枠体2の上面5は、被加工物100の外側曲面形状と同一曲面に形成されている。この図では外周枠部3と内側枠部4とを連結した一体的な枠体2を示しているが、複数の部材を結合して外周枠部3及び内側枠部4を形成し、それらを組合わせて1つの枠体2を形成するようにしてもよい。この場合も、外周枠部3と内側枠部4とによって形成される枠体2の上面5が被加工物100の曲面形状と同一曲面となるように正確に形成される。
枠体2の内側には、この枠体2の上面5に載置されて固定される被加工物100を枠体2に向けて吸引する吸引部6が設けられている。この実施の形態の吸引部6には、上端に吸引口7を有する真空バキュームカップ8(以下、「バキュームカップ」という)が採用されている。このバキュームカップ8は、蛇腹状のゴム材で形成されている。
図2に示すように、この実施の形態の枠体2は、長手方向の一方は幅が広く、他方は狭くなっている。この広い部分と狭い部分との中間位置と、広い部分の長手方向を略2等分する位置と、狭い部分を略4等分する位置とに上記内側枠部4が設けられている。
そして、これら外周枠部3の内側と内側枠部4の片側とに上記バキュームカップ8が所定間隔で設けられている。これらのバキュームカップ8は、枠体2から横向きに突設された取付ブラケット9(図1)に固定されている。これらのバキュームカップ8は、被加工物100を外周枠部3と内側枠部4とにほぼ均等に吸引して、この被加工物100を枠体2の上面5に確実に固定できる間隔で複数個が配置されている。
さらに、これらのバキュームカップ8は、複数のバキュームカップ8が接続された複数の配管系統10,11で吸引されるようになっている。この実施の形態では、8個のバキュームカップ8から吸引する配管系統10と、10個のバキュームカップ8から吸引する配管系統11とが各2系統ずつ設けられている。これらは一例であり、配管系統10,11の分割数は、バキュームカップ8の個数や配置等に応じて適宜設定したり、吸引する被加工物100の大きさに応じて適宜設定すればよい。また、これらの配管系統10,11は、各バキュームカップ8に接続された吸引配管12(吸引経路)が同一方向に集められ、枠体2の外側まで導かれている。これらの吸引配管12は、配管ブロック13に接続されている。これらの配管系統10,11は、後述する図6で詳細に説明する。
さらに、図1にも示すように、枠体2の長手方向両端部には、被加工物100を枠体2の上面5の所定位置に配置するための位置決め部16が設けられている。この位置決め部16は、外周枠部3から突出したサポート部17から上向きに突出するピン18で構成されている。このピン18は、枠体2の長手方向両端部の2箇所に設けられている。これらのピン18に被加工物100に設けられた位置決め孔102を挿入することにより、被加工物100を枠体2の上面5の所定位置に配置できるようになっている。
図3に示すように、上記内側枠部4に設けられたバキュームカップ8は、曲面に形成された内側枠部4の上面5に対して吸引口7が直交するように配置されている。図では、中央部の吸引口7はほぼ真上に向き、両側部の吸引口7は中央を向くように傾斜して配置されている。これらのバキュームカップ8は、上記したように内側枠部4に設けられた取付ブラケット9に固定されているので、各取付ブラケット9の上面を内側枠部4の上面5と平行に配置することによってバキュームカップ8の配置を決めている。この取付ブラケット9に固定されたバキュームカップ8の下部には、吸引のための上記吸引配管12が接続されている。なお、図1,2に示す他のバキュームカップ8も、吸引口7が枠体2の上面5と直交するように配置されている。
図4に示すように、各取付ブラケット9に取付けられたバキュームカップ8は、非吸引状態では枠体2の上面5から所定量が突出して被加工物100の下面と接するように設けられている。この突出量は、バキュームカップ8の大きさや形状等に応じて決定すればよい。また、バキュームカップ8の下端には、吸引配管12が接続されており、この吸引配管12には、バキュームカップ8からの吸引を遮断する遮断部たる真空漏れ防止弁14と、この真空漏れ防止弁14のバキュームカップ8側の圧力を検知する圧力センサ15とが設けられている。真空漏れ防止弁14は、バキュームカップ8において真空漏れを生じると自動的に吸引配管12を遮断するものである。この実施の形態における吸引部6は、これらバキュームカップ8と真空漏れ防止弁14と圧力センサ15とを組合せたものとなっている。
図5に示すように、上記吸引配管12から吸引することにより、バキュームカップ8の上面5に被加工物100が吸着された状態となり、さらに吸引することによりバキュームカップ8が収縮して被加工物100の下面を枠体2の上面5まで引きつけて図示する状態となる。これにより、被加工物100は枠体2の上面5に固定される。この固定された被加工物100は、枠体2の上面5との接触部における摩擦によって水平方向にも固定されている。したがって、被加工物100は、バキュームカップ8による引き込む力と、それによる被加工物100と枠体2の上面5との摩擦とにより、トリム加工時の切削反力に耐えるようになっている。
しかも、枠体2の内側に設けられた複数個のバキュームカップ8によって被加工物100の全面を枠体2の上面5に向けて吸引するので、薄板の被加工物100が撓んでいたとしても、枠体2の上面5によって形成された被加工物100の曲面形状に沿うように被加工物100を固定することができる。これにより、複雑な三次元曲面の被加工物100であっても、枠体2の上面5になじませて歪みのない正確な曲面形状で保持することができる。したがって、正確な曲面状態で固定された被加工物100へ、加工誤差が極めて小さい正確な加工を行うことができる。
図6は、図1に示す固定治具の配管図を模式的に示す系統図であり、図7は、図6に示すVII部を含む制御装置のブロック図である。
図6に示すように、上記固定治具1におけるバキュームカップ8は、上記したように複数個のバキュームカップ8が4つの配管系統10,11に分けられ、これらの配管系統10,11は、1個の配管ブロック13に集められ、この配管ブロック13に接続された真空ポンプ20によって吸引されている。この例では1つの真空ポンプ20で全ての配管系統10,11から吸引しているが、真空ポンプ20を複数個設け、それぞれの真空ポンプ20で各配管系統10,11から吸引するようにしてもよい。
また、図7に示すように、各吸引部6のバキュームカップ8には、その吸引配管12に真空漏れ防止弁14がそれぞれ設けられ、各バキュームカップ8において真空漏れを生じるとそのバキュームカップ8の真空漏れ防止弁14が遮断されるようになっている。これにより、真空漏れ防止弁14が真空漏れを感知すると、瞬時に弁14を閉じてバキュームカップ8全体の真空圧低下を防ぎ、他の配管系統10,11のバキュームカップ8は正常に被加工物100を固定しつづけることができる。したがって、機械加工が急停止した際や、真空漏れ原因究明作業中等に被加工物100が位置ズレするのを防止することができる。
さらに、この真空漏れ防止弁14とバキュームカップ8との間には、この吸引配管12内の圧力を検出する圧力センサ15が設けられている。この圧力センサ15により、バキュームカップ8において真空漏れを生じて真空漏れ防止弁14が閉じられたかどうかを検知できるようにしている。すなわち、真空漏れを生じて真空漏れ防止弁14が閉じられると圧力センサ15で検知する吸引圧力が上昇するので、それにより真空漏れ防止弁14が閉じられたことを検知することができる。この実施の形態では、圧力センサ15で真空漏れを検知すると、工作機械21に設けられた制御装置22が警報ランプ23を点灯させたり、警報ブザー24を鳴らせて作業者に知らせるようになっている。このように、被加工物100の加工中に真空漏れが発生した場合に固定治具1全体の真空圧が低下してしまうのを防止するために、圧力センサ15がそれを検知して、信号を工作機械21の制御装置22に伝達し、加工工具25(図9)を停止させるとともに、音とランプで作業者へ知らせるようにしている。
図8は、図1に示す固定治具に薄板曲面被加工物を固定した状態を示す斜視図であり、図9は、図8に示す薄板曲面被加工物を加工する状態の断面図である。図10は、図9に示す薄板曲面被加工物を加工する状態の断面図とは異なる固定治具による加工例を示す断面図である。これらの図に示される工作機械21は、上記固定治具1に固定された被加工物100の外周をトリム加工する加工工具25を備えた機械である。
図8に示すように、上記固定治具1に固定された被加工物100の上面には、この被加工物100を固定するための構成が突出することがない。そのため、固定治具1に固定された被加工物100を加工する場合、工作機械21に設けられた集塵機(図示略)の集塵フード26を被加工物100の上面まで降ろし、この集塵フード26内から集塵することにより加工工具25によって切削された切削粉27(図9)を加工位置の近傍で集塵することができ、大幅な集塵効果の向上を図ることができる。
図9に示すように、複数のバキュームカップ8で吸引されて枠体2の上面5に固定された被加工物100を工作機械21でトリム加工するときには、外周枠部3から外側に突出している被加工物100を工作機械21の加工工具25で切除することにより、被加工物100を枠体2に固定した状態を安定して保ちながら被加工物100の外周をトリム加工することができる。このとき、図に二点鎖線で示すように、集塵フード26を被加工物100の上面まで降ろして加工することができるので、加工工具25によって切削した切削粉27を加工部近傍から確実に集塵(矢印)することができる。特に、この実施の形態のように複合材を切削する場合、切削された軽い切削粉が周囲に飛散するのを防止できる。
したがって、この加工装置31によれば、固定治具1への被加工物100の固定が容易に行えるとともに、工作機械21による加工も短時間で行える。しかも、加工時の切削粉を加工部近傍から集塵できるので、大幅な作業環境の改善や加工後の清掃時間削減等ができる。
また、図10に示すように、上記工作機械21による被加工物100の加工としては、図9に示すような枠体2の外側で切削する以外に、外周枠部3の厚み内に加工工具25の通過する溝部28を設け、この溝部28に沿って被加工物100を移動させることによってトリム加工をするようにしてもよい。
なお、これらの方法は一例であり、他の構造で被加工物100を工作機械21で加工できるようにしてもよく、工作機械21によって加工するための構造は、これらの形態に限定されるものではない。また、トリム加工以外の加工を行う場合は、その加工に適した構造とすればよい。
以上のような加工装置31によれば、被加工物100の固定作業時間を大幅に削減できるとともに、クランプ替え工程を無くし、機械加工時間の短縮による被加工物100の加工の効率化を図ることができる。しかも、被加工物100の上面から突出するものがないため、工作機械21の集塵フード26を被加工物100の上面まで下降させることができ、切削粉の集塵効果を大幅に向上させることができる。
また、被加工物100を保持するための構成を、外周枠部3と内側枠部4とからなる枠体2と、バキュームカップ8を備えた吸引部6とにすることにより、固定治具1の重量を大幅に削減することができる。しかも、このように固定治具1の重量を大幅に削減することにより、固定治具1を運搬するハンドリング時間や位置決め時間等を削減することもできる。
その上、上記固定治具1に固定した被加工物100の加工中に真空漏れが発生して被加工物100に位置ズレを生じると、その被加工物100は要求加工精度を満足できずスクラップになる可能性が高いが、上記固定治具1によれば、真空漏れを生じると即座に停止して加工を中断するので、被加工物100が航空機用部品のように、単品で非常に高価であるとともに、高い加工精度が必要である物の場合は、損失費用を抑えることができる。
なお、上記実施の形態における被加工物100は一例であり、被加工物100の形状も他の形状であってもよく、上記実施の形態に限定されるものではない。
また、上記実施の形態におけるバキュームカップ8の形態や、圧力センサ15、真空漏れ防止弁14は一例であり、他の形態や構成によって同様の機能を備えさせてもよく、上記実施の形態に限定されるものではない。
さらに、前述した実施の形態は一例を示しており、本発明の要旨を損なわない範囲での種々の変更は可能であり、本発明は前述した実施の形態に限定されるものではない。
本発明に係る加工装置は、三次曲面等の複雑な曲面で形成された薄板の被加工物を正確に加工するための装置として利用できる。
本発明の一実施の形態に係る加工装置に備えられた薄板曲面被加工物の固定治具を示す斜視図である。 図1に示す固定治具の平面図である。 図1に示すIII矢視拡大図である。 図2に示すIV−IV断面図である。 図4に示すIV−IV断面図における吸引状態を示す断面図である。 図1に示す固定治具の配管図を模式的に示す系統図である。 図6に示すVII部を含む制御装置のブロック図である。 図1に示す固定治具に薄板曲面被加工物を固定した状態を示す斜視図である。 図8に示す薄板曲面被加工物を加工する状態の断面図である。 図9に示す薄板曲面被加工物を加工する状態の断面図とは異なる固定治具による加工例を示す断面図である。 従来の薄板で曲面に形成された被加工物の固定台を示す斜視図である。 図11に示すXII部の拡大図である。
符号の説明
1…固定治具
2…枠体
3…外周枠部
4…内側枠部
5…上面
6…吸引部
7…吸引口
8…バキュームカップ
10,11…配管系統
12…吸引配管
14…真空漏れ防止弁
15…圧力センサ
16…位置決め部
20…真空ポンプ
21…工作機械
22…制御装置
25…加工工具
26…集塵フード
27…切削粉
31…加工装置
100…被加工物
102…位置決め孔

Claims (4)

  1. 所定の三次元曲面形状に形成した薄板状の被加工物の外周を所定の大きさにトリム加工する加工装置であって、
    前記被加工物をトリム加工する加工工具を有する工作機械と、前記被加工物を所定位置に位置決め部で位置決めして固定する固定治具と、を備え、
    前記固定治具は、前記三次元曲面形状に形成した薄板状の被加工物の外側曲面形状と同一面に上面が形成され、該上面に被加工物を載置する枠体と、
    該枠体の上面に前記被加工物を沿わせるように吸引して固定する吸引部と、を備え、
    前記枠体は、前記被加工物の外周部に沿った形状で外周部下面に沿う上面を有する外周枠部と、該外周枠部の内側において前記所定の曲面形状に形成した被加工物の内側部下面に沿う上面を有する内側枠部と、を有し、
    前記吸引部は、前記被加工物を前記外周枠部と内側枠部との上面に沿うように吸引して該被加工物を外周枠と内側枠の上面に固定できる間隔で該外周枠部の内側と内側枠部の片側とに沿って配置した複数個の吸引口を有し、
    前記吸引口は、前記枠体の上面と直交する方向に配置され、枠体の上面から所定量が突出する蛇腹状に形成したバキュームカップを有し、
    前記バキュームカップは、該バキュームカップを収縮させて前記被加工物を前記外周枠体と内側枠体の上面まで引きつけて枠体に固定するように構成されており、
    前記被加工物を前記位置決め部で枠体の所定位置に位置決めした後、
    前記バキュームカップで三次元曲面の被加工物を吸引して前記枠体の上面形状に沿わせて正確に固定することで該被加工物と前記工作機械との位置関係を正確に位置決めし、
    前記工作機械の加工工具で被加工物の位置決め部を除く周囲をトリム加工した後、最後に位置決め部をトリム加工するように制御する制御装置を具備していることを特徴とする薄板曲面被加工物の加工装置
  2. 前記固定治具は、前記吸引部に、前記吸引口からの吸引力低下に対応して該吸引部を遮断する遮断部を具備している請求項1に記載の薄板曲面被加工物の加工装置
  3. 前記固定治具は、前記複数の吸引口を複数に分割した配管系統に接続し、該配管系統毎に吸引するように構成されている請求項1又は2に記載の薄板曲面被加工物の加工装置
  4. 前記吸引口からの吸引力低下を検知する検知部と、該検知部による吸引力低下の検知に対応して前記加工工具を停止させる機能とを前記制御装置に備えさせた請求項1〜3のいずれか1項に記載の薄板曲面被加工物の加工装置。
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