JP4889888B2 - バテライト型球状炭酸カルシウムの製造方法およびバテライト型球状炭酸カルシウム - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、バテライト型球状炭酸カルシウムの製造方法およびバテライト型球状炭酸カルシウムに関する。さらに詳しくは、本発明は、単分散で粒径が制御されたバテライト型球状炭酸カルシウムを、温和な条件で短時間に、しかも簡単な操作で効率よく製造する方法、およびこの方法で得られた粉体物性に優れ、各種用途に有用なバテライト型球状炭酸カルシウムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、炭酸カルシウム粉末はプラスチック製品の無機充填剤などとして多用されている。この炭酸カルシウムの結晶型には、カルサイト型、アラゴナイト型およびバテライト型の3種の同質異像が知られている。結晶の形状はカルサイト型が立方体、アラゴナイト型が柱状形、バテライト型が球状形である。現在、工業的に製造されている炭酸カルシウムは、主として安定相である立方体のカルサイト型であり、場合によっては準安定相であるアルゴナイト型が存在する。
【0003】
ところで、粉体は、球状化することによって、例えば分散性、充填性、滑性、伸展性、塗固性、感触、研磨性などの様々な粉体物性が改良され、好ましい特性が付与されるところから各種粉体の球状化が試みられており、炭酸カルシウムにおいても球状のバテライト型炭酸カルシウムの合成が注目されている。しかしながら、バテライト型球状炭酸カルシウムは水を含有する系において、容易に球状形を失い、安定相である立方体のカルサイト型に転移するという難点がある。
【0004】
そこで、このような問題を解決するために、例えばポリエチレンスルホン酸ナトリウムが溶存している水系中で炭酸カルシウムを析出させる工程、および上記工程で得られたバテライト型球状炭酸カルシウムを水に分散させ、これをシードとしてエチレン性不飽和化合物をシード重合させる工程からなる2段階の工程を経て、球状炭酸カルシウムの保存安定性を向上させる方法が提案されている(特開平2−126933号公報)。しかしながら、この方法は、2段階の工程を必要とし、操作が煩雑であるという欠点を有している。
【0005】
また、その形態がディスク状である世代数3.5および1.5のポリアミドアミンデンドリマーの存在下に炭酸カルシウムの結晶化を行うことにより、バテライト型球状炭酸カルシウムが水溶液中で安定して得られることが報告されている[「Chem. Commun.」、第1931ページ(1999年)]。これは、バテライト型球状炭酸カルシウムが析出したのち、カルシウムイオンに配位するカルボニル基を表面に有するポリアミドアミンデンドリマーが、バテライト型球状炭酸カルシウムの周りに配位することに起因するものである。しかしながら、この方法においては、得られるバテライト型球状炭酸カルシウム中のデンドリマーの占める割合が、例えばポリアミドアミンデンドリマーの末端カルボン酸濃度が8.33ミリモル/リットルの場合に27重量%であり、多量のポリアミドアミンデンドリマーが必要であって、工業的には必ずしも十分に満足し得る方法とはいえない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、このような事情のもとで、単分散で、粒径が制御されたバテライト型球状炭酸カルシウムを、温和な条件で短時間に、しかも簡単な操作で効率よく、かつ経済的に製造し得る工業的に有利な方法を提供することを目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、前記目的を達成するために鋭意研究を重ねた結果、配位力の強い世代数4.5のポリアミドアミンデンドリマーに着目し、このものと塩化カルシウムを特定の濃度で含み、かつpHおよび温度が所定の範囲にある水溶液中に、炭酸イオンを徐々に溶解させることにより、少ない量のデンドリマーで、バテライト型球状炭酸カルシウムを安定化させることができ、その目的を達成し得ることを見出し、この知見に基づいて本発明を完成するに至った。
【0008】
すなわち、本発明は、
(1)塩化カルシウムと世代数4.5のポリアミドアミンデンドリマーを、式(I)
Y≧210X2+3.7X …(I)
(式中、Yは世代数4.5のポリアミドアミンデンドリマーの末端カルボン酸濃度(ミリモル/リットル)、Xは塩化カルシウムの濃度(モル/リットル)で、0<X≦0.5である。)
の関係を満たす条件で含み、かつ温度5〜40℃、pH7.5〜9.5の水溶液中に炭酸イオンを徐々に溶解させることを特徴とするバテライト型球状炭酸カルシウムの製造方法、
(2)塩化カルシウムと世代数4.5のポリアミドアミンデンドリマーを含む水溶液が、式(II)
Y≧210X2+3.7X+8 …(II)
(式中、YおよびXは前記と同じである。)
の関係を満たすものである上記(1)項に記載のバテライト型球状炭酸カルシウムの製造方法、及び
(3)上記(1)又は(2)項に記載の方法で製造されたことを特徴とするバテライト型球状炭酸カルシウム、および
(4)平均粒径が4〜10μmである上記(3)項に記載のバテライト型球状炭酸カルシウム、
を提供するものである。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明においては、炭酸カルシウムの構造の制御に、世代数4.5のポリアミドアミンデンドリマーが用いられる。このポリアミドアミンデンドリマーは、最外殻表面にカルボン酸基を有し、世代が大きくなるに伴い、最外殻の該カルボン酸基密度が高くなり、また形状も円盤状から球状へと変化する。世代数が4.5のポリアミドアミンデンドリマーは、一般に球体の構造を有している。
【0010】
温度が5〜40℃、pHが7.5〜9.5の範囲にある塩化カルシウム水溶液に炭酸イオンが溶け込んでいくと、通常アモルファスの炭酸カルシウムが析出し、バテライト型結晶、そして安定相であるカルサイト型結晶または準安定相であるアルゴナイト型結晶へと結晶形態が転移していく。
【0011】
前記塩化カルシウム水溶液が、世代数4.5のポリアミドアミンデンドリマーを含まない場合、例えば反応時間24時間では、カルサイト型立方体炭酸カルシウムと、バテライト型球状炭酸カルシウムの混合物が得られるが、さらに反応を進めていくと、例えば96時間後には、得られる生成物は、全てカルサイト型立方体炭酸カルシウムとなる。
【0012】
本発明においては、実質上バテライト型球状炭酸カルシウムのみからなる炭酸カルシウムを得るために、前記塩化カルシウムと世代数4.5のポリアミドアミンデンドリマーを、式(I)
Y≧210X2+3.7X …(I)
(式中、Yは世代数4.5のポリアミドアミンデンドリマーの末端カルボン酸濃度(ミリモル/リットル)、Xは塩化カルシウムの濃度(モル/リットル)で、0<X≦0.5である。)
の関係を満たす条件で含み、かつ温度5〜40℃、pH7.5〜9.5の水溶液を調製し、この水溶液に炭酸イオンを徐々に溶解させ、反応させる方法が用いられる。
【0013】
前記Yの値が、0より大きく、かつ[210X2+3.7X]未満の条件で反応を行った場合、例えば反応時間24時間で、カルサイト型立方体炭酸カルシウムがほぼ100%の収率で得られる。これは、ポリアミドアミンデンドリマーの末端カルボニル基にカルシウムイオンが配位することで、カルシウムイオン濃度が局所的に増加し、炭酸カルシウムの結晶化が促進されたためと考えられる。すなわち、世代数4.5の球状ポリアミドアミンデンドリマーの表面が、炭酸カルシウムの結晶成長場として使われたことが分かる。
【0014】
一方、塩化カルシウム濃度X(モル/リットル)と世代数4.5のポリアミドアミンデンドリマーの末端カルボン酸濃度Y(ミリモル/リットル)とが、前記式(I)の関係を満たす条件で反応を行った場合、例えば反応時間24時間で、バテライト型球状炭酸カルシウムのみが、ほぼ100%の収率で得られる。これは、生成したバテライト型球状炭酸カルシウムの周りにポリアミドアミンデンドリマーが配位することで、カルサイト型炭酸カルシウムへの転移が抑制されたためである。
【0015】
さらに、塩化カルシウム濃度X(モル/リットル)と世代数4.5のポリアミドアミンデンドリマーの末端カルボン酸濃度Y(ミリモル/リットル)とが、式(II)
Y≧210X2+3.7X+8 …(II)
の関係を満たす条件で反応を行った場合、水中でのバテライト型球状炭酸カルシウムの安定性が向上し、通常カルサイト型炭酸カルシウムへ転移してしまう4日後においてもバテライト型球状炭酸カルシウムを維持する。この際、例えば末端カルボン酸濃度を8.33ミリモル/リットルにそろえた世代数3.5と4.5のポリアミドアミンデンドリマーで比較してみると、得られるバテライト型球状炭酸カルシウム中のポリアミドアミンデンドリマーの割合が、3.5世代では27重量%であるのに対し、4.5世代では15重量%と少量ですむことが分かる。これは、世代数の大きなポリアミドアミンデンドリマーがカルシウムイオンに対する配位力が強いことに起因しているためである。
【0016】
また、塩化カルシウム濃度X(モル/リットル)と世代数4.5のポリアミドアミンデンドリマーの末端カルボン酸濃度Y(ミリモル/リットル)とが、前記式(I)の関係を満たす条件で反応を行った場合、塩化カルシウム濃度をそろえた条件において、ポリアミドアミンデンドリマーの末端カルボン酸濃度が高くなるほど、得られるバテライト型球状炭酸カルシウムの粒径が小さくなり、平均粒径を10μmから4μmの間で制御することができる。
【0017】
本発明においては、世代数4.5のポリアミドアミンデンドリマーの末端カルボン酸濃度Y(ミリモル/リットル)の上限については特に制限はないが、経済性や該デンドリマーの溶解性などの点から、通常100ミリモル/リットル以下、好ましくは70ミリモル/リットル以下である。
【0018】
また、反応温度が5℃未満では結晶化速度が遅すぎて実用的でないし、40℃を超えると結晶化速度が速くなりすぎ、粒径のばらつきが大きくなることが予想される。好ましい反応温度は20〜30℃の範囲である。
本発明においては、世代数4.5のポリアミドアミンデンドリマーは、末端カルボン酸が遊離の形または塩の形のいずれも用いることができるが、通常はナトリウム塩などの塩の形で用いられる。
【0019】
本発明において、塩化カルシウムと世代数4.5のポリアミドアミンデンドリマーを含む水溶液中に、炭酸イオンを徐々に溶解させる方法としては特に制限はなく、例えば二酸化炭素ガスを含む雰囲気中に該水溶液を静置し、その水面から二酸化炭素を溶解させる方法、あるいは該水溶液をゆっくりかき混ぜながら、炭酸イオンを含む水溶液を徐々に滴下する方法などを用いることができる。
本発明はまた、前述の本発明の方法で製造されたバテライト型球状炭酸カルシウムをも提供する。
【0020】
本発明のバテライト型球状炭酸カルシウムは、平均粒径が、通常4〜10μmの範囲にあり、かつ単分散に近いものであり、各種プラスチック製品の無機充填剤などとして好適である。
【0021】
【実施例】
次に、本発明を実施例により、さらに詳細に説明するが、本発明は、これらの例によってなんら限定されるものではない。
なお、得られた炭酸カルシウムの結晶構造の解析は、パーキンエルマー社製「Perkin Elmer system 2000」を用いたFT−IR分析および粉末X線回折(XRD)により行った。また、バテライト型球状炭酸カルシウムはFT−IR分析で746cm-1に、カルサイト型立方体炭酸カルシウムは712cm-1に、それぞれ特異的な吸収を示すことから、結晶構造の決定を行った。
さらに、結晶形態および粒径の確認は、走査型電子顕微鏡(SEM)「JEOL JSM5600B」にて行った。
【0022】
実施例1
25℃恒温槽に入れられ、底部に炭酸アンモニウムを設置したデシケータを用意した。世代数4.5のポリアミドアミンデンドリマーを、末端カルボン酸濃度が5.3ミリモル/リットルになるように含むと共に、塩化カルシウムを0.1モル/リットル濃度で含む水溶液10ミリリットルを調製したのち、アンモニア水溶液でpH8.5に調整した。この水溶液を、20ミリリットルプラスチック容器に移し、デシケータ中で24時間放置した。図1に反応装置を示す。
【0023】
得られた沈殿物をろ過、水洗後、乾燥させることにより、白色粉末を得た。この白色粉末について、FT−IR分析を行った。FT−IR分析チャートを図2に示す。この図2から分かるように746cm-1にバテライト型球状炭酸カルシウムの吸収が認められたが、カルサイト型立方体炭酸カルシウムの712cm-1の吸収は認められなかった。図3に、前記白色粉末のSEM写真図を示す。該白色粉末は球状であり、平均粒径は6μmであった。これらの結果を収率と共に表1に示す。
【0024】
実施例2
実施例1において、ポリアミドアミンデンドリマーの末端カルボン酸濃度を2.65ミリモル/リットルに変更した以外は、実施例1と同様に実施した。結果を表1に示す。
【0025】
実施例3
実施例1において、塩化カルシウム濃度を0.05モル/リットルに変更した以外は、実施例1と同様に実施した。結果を表1に示す。
【0026】
実施例4
実施例1において、ポリアミドアミンデンドリマーの末端カルボン酸濃度を2.65ミリモル/リットルに、かつ塩化カルシウム濃度を0.05モル/リットルに変更した以外は、実施例1と同様に実施した。結果を表1に示す。
【0027】
実施例5
実施例1において、ポリアミドアミンデンドリマーの末端カルボン酸濃度を6.0ミリモル/リットルに、かつ塩化カルシウム濃度を0.15モル/リットルに変更した以外は、実施例1と同様に実施した。結果を表1に示す。
【0028】
実施例6
実施例1において、ポリアミドアミンデンドリマーの末端カルボン酸濃度を10.64ミリモル/リットルに、かつ放置時間を96時間に変更した以外は、実施例1と同様に実施した。結果を表1に示す。
【0029】
実施例7
実施例1において、ポリアミドアミンデンドリマーの末端カルボン酸濃度を9.0ミリモル/リットルに、塩化カルシウム濃度を0.05モル/リットルに、かつ放置時間を96時間に変更した以外は、実施例1と同様に実施した。結果を表1に示す。
【0030】
比較例1
実施例1において、ポリアミドアミンデンドリマーの末端カルボン酸濃度を0.53ミリモル/リットルに変更した以外は、実施例1と同様に実施した。結果を表1に示す。
【0031】
また、得られた白色粉末のFT−IR分析チャートを図4に示す。この図4から分かるように、バテライト型球状炭酸カルシウムの746cm-1の吸収は認められず、カルサイト型立方体炭酸カルシウムの712cm-1の吸収のみが認められた。図5に、この白色粉末のSEM写真図を示す。この図から、該白色粉末は立方体であることが確認された。
【0032】
比較例2
実施例1において、ポリアミドアミンデンドリマーの末端カルボン酸濃度を0.53ミリモル/リットルに、かつ塩化カルシウム濃度を0.05モル/リットルに変更した以外は、実施例1と同様に実施した。結果を表1に示す。
【0033】
比較例3
実施例1において、ポリアミドアミンデンドリマーの末端カルボン酸濃度を4.5ミリモル/リットルに、かつ塩化カルシウム濃度を0.15モル/リットルに変更した以外は、実施例1と同様に実施した。結果を表1に示す。
【0034】
比較例4
実施例1において、ポリアミドアミンデンドリマーを用いなかったこと以外は、実施例1と同様に実施した。その結果を表1に示す。
【0035】
比較例5
実施例1において、ポリアミドアミンデンドリマーを加えずに、かつ塩化カルシウム濃度を0.05モル/リットルに変更した以外は、実施例1と同様に実施した。結果を表1に示す。
【0036】
比較例6
実施例1において、世代数4.5のポリアミドアミンデンドリマーの代わりに、世代数3.5のポリアミドアミンデンドリマーを、末端カルボン酸濃度が5.3ミリモル/リットルになるように用いた以外は、実施例1と同様に実施した。結果を表1に示す。
【0037】
また、得られた白色粉末のFT−IR分析チャートを図6に示す。この図6から分かるように、バテライト型球状炭酸カルシウムの746cm-1の吸収と、カルサイト型立方体炭酸カルシウムの712cm-1の吸収の両方が認められた。
【0038】
【表1】
【0039】
(注)
V:バテライト型
C:カルサイト型
C+V:カルサイト型とバテライト型の混合
【0040】
図7は前記実施例1〜7および比較例1〜5における塩化カルシウム濃度(モル/リットル)およびポリアミドアミン(PAMAM)デンドリマーの末端カルボン酸濃度(ミリモル/リットル)を、それぞれX軸およびY軸にプロットしたものである。
【0041】
【発明の効果】
本発明によれば、例えば25℃の温和な条件下、24時間1工程で水溶液中で安定なバテライト型球状炭酸カルシウムが合成できる。また、カルシウムイオンに対する配位力の強い世代数4.5のポリアミドアミンデンドリマーを用いることで、世代数3.5のポリアミドアミンデンドリマーに比べて少量のデンドリマーでも水中での安定性を向上させることができる。また、塩化カルシウム濃度をそろえた条件においてポリアミドアミンデンドリマーの添加量が増加するほど得られるバテライト型球状炭酸カルシウムの粒径が小さくなり、平均粒径を10μmから4μmの間で制御することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例および比較例で用いた反応装置の説明図である。
【図2】実施例1で得られた炭酸カルシウム粉末のFT−IR分析チャートである。
【図3】実施例1で得られた炭酸カルシウム粉末の走査型電子顕微鏡写真図である。
【図4】比較例1で得られた炭酸カルシウム粉末のFT−IR分析チャートである。
【図5】比較例1で得られた炭酸カルシウム粉末の走査型電子顕微鏡写真図である。
【図6】比較例6で得られた炭酸カルシウム粉末のFT−IR分析チャートである。
【図7】実施例1〜7および比較例1〜5における塩化カルシウム濃度(モル/リットル)およびポリアミドアミンデンドリマーの末端カルボン酸濃度(ミリモル/リットル)のプロット図である。
Claims (4)
- 塩化カルシウムと世代数4.5のポリアミドアミンデンドリマーを、式(I)
Y≧210X2+3.7X …(I)
(式中、Yは世代数4.5のポリアミドアミンデンドリマーの末端カルボン酸濃度(ミリモル/リットル)、Xは塩化カルシウムの濃度(モル/リットル)で、0<X≦0.5である。)
の関係を満たす条件で含み、かつ温度5〜40℃、pH7.5〜9.5の水溶液中に炭酸イオンを徐々に溶解させることを特徴とするバテライト型球状炭酸カルシウムの製造方法。 - 塩化カルシウムと世代数4.5のポリアミドアミンデンドリマーを含む水溶液が、式(II)
Y≧210X2+3.7X+8 …(II)
(式中、YおよびXは前記と同じである。)
の関係を満たすものである請求項1に記載のバテライト型球状炭酸カルシウムの製造方法。 - 請求項1または2に記載の方法で製造されたことを特徴とするバテライト型球状炭酸カルシウム。
- 平均粒径が4〜10μmである請求項3に記載のバテライト型球状炭酸カルシウム。
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