JP4889472B2 - 蓄熱式給湯装置 - Google Patents

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Description

本発明は、温度成層型の貯湯槽と、前記貯湯槽の高温部から、給湯往き配管が接続される往き接続部に至る往き管路とを備え、当該貯湯槽に蓄熱した熱を利用して、前記往き管路及び給湯往き配管を通じて、前記給湯往き配管に接続された給湯栓等の給湯部への給湯を行う蓄熱式給湯装置に関する。
従来の蓄熱式給湯装置として、給湯部での出湯時に、往き管路の混合部において貯湯槽の高温部から往き管路に取り出された高温の給湯水に低温の上水を混合すると共に、給湯水に対する前記上水の混合割合を制御して、前記往き接続部から前記給湯往き配管に吐出される給湯水の温度を所定の設定給湯温度(例えば42℃程度)に設定する給湯温度設定制御手段を備えたものが知られている(例えば、特許文献1を参照。)。
かかる蓄熱式給湯装置では、給湯部での出湯時には、往き管路から給湯往き配管に設定給湯温度の給湯水が吐出されるが、給湯部での非出湯時には、往き管路及び給湯往き配管における給湯水の通流が停止されるので、その滞留する給湯水が放熱によって温度低下することになる。従って、給湯部での出湯開始直後には、その往き管路及び給湯往き配管に滞留し適温(例えば30℃)に達しない温度の水が給湯部から出湯されるため、その滞留水を排出してからでないと適温の湯が出てこない不便があった。同時に、そのような滞留水の排出によって水資源を消費する無駄と上下水道料金の浪費を生じていた。
特に、ホテル等の業務用途では、各給湯部に通じる給湯往き配管が長くなるため、上述のような不便と無駄を回避することが望まれる。
そこで、このような不便と無駄を回避して、給湯部での出湯開始直後でも適温の湯を出湯させる所謂即時出湯が可能な蓄熱式給湯装置としては、貯湯槽の高温部から給湯往き配管が接続される往き接続部に至る往き管路に加えて、給湯往き配管を通過した後の給湯水を取り込む給湯戻り配管が接続される戻り接続部から貯湯槽の低温部に至る戻り管路を設け、給湯部での非給湯時にも、貯湯槽から取り出した給湯水を、往き管路と給湯往き配管と給湯戻り配管と戻り管路とに順に通流させた後に貯湯槽に戻す形態で循環させるように構成されたものが知られている(例えば特許文献2又は3を参照。)。また、このような従来の即時出湯が可能な蓄熱式給湯装置は、貯湯槽から取り出した高温の給湯水をそのまま往き管路から給湯往き配管に吐出するように構成されている。よって、給湯往き配管に設けられた給湯部においては、湯水混合型給湯栓等を設置して、その給湯往き配管から供給された高温の給湯水に対して上水を混合割合の調整を伴って混合することで、所望の温度の出湯が実現される。
また、上記のような蓄熱式給湯装置においては、貯湯槽の低温部から取り出した低温水を加熱して貯湯槽の高温部に供給する熱源機を備える場合があり、かかる熱源機としては、一般的にはボイラや湯沸かし器を用いることができるが、ヒートポンプ装置やコージェネレーション装置等を利用することができる。
上記ヒートポンプ装置としては、炭酸ガス(二酸化炭素)等の自然冷媒を用い、圧縮器の吐出圧を当該自然冷媒の超臨界圧力として、自然冷媒を気相状態と気液2相状態との間で状態変化させる際の吸熱・放熱を利用して、上記蒸発器から凝縮器側に熱を強制的に移動させる所謂自然冷媒ヒートポンプ装置が知られている。そして、このような自然冷媒ヒートポンプ装置では、当該加熱対象流体の入り温度はできるだけ低いほうが、凝縮器において自然冷媒を十分に冷却できるために、成績係数(COP)が向上する。
従って、このような自然冷媒ヒートポンプ装置の蒸発器において加熱された蓄熱水を貯留する貯湯槽は、上部に高温層を形成すると共に当該高温層の下部に低温層を形成する形態で蓄熱水を貯留する温度成層型に構成することが好ましい。即ち、その温度成層型の貯湯槽は、下端部から低温水を抜き出して、その低温水を凝縮器に供給すると共に、その凝縮器で自然冷媒との熱交換により高温となった温水を上端部に返して貯留することができる。
一方、コージェネレーション装置においては、得られる熱の全部もしくは一部には、原動機(燃料電池等を含む。)の冷却により回収される熱が含まれる。例えば、エンジンを冷却するためのジャケット水や、燃料電池の冷却水がそれに当る。特に、炭化水素やメタノールを改質して燃料として用いる燃料電池においては、自らの排ガスを冷却して水蒸気改質に用いる純水を製造する必要があるため、低温の冷却水(例えば、夏期においても40℃以下)が要求される。つまり、原動機によっては、冷却水の温度がある基準温度以下に規制されることがあり、このような原動機を用いたコージェネレーションの排熱により加熱された蓄熱水を貯留する貯湯槽も、温度成層型に構成することが好ましい。即ち、その温度成層型の貯湯槽は、下端部から低温水が抜き出され、原動機を冷却(排熱回収)して高温となった温水が上端部に返されるという循環にて、原動機冷却と排熱回収という二つの目的を同時に達成するわけである。
特開2005−42965号公報 特開平8−121800号公報 特開平8−159501号公報
上記特許文献1のような給湯温度設定制御手段を備えた蓄熱式給湯装置において、即時給湯を実現するべく、上記特許文献2及び3のように、給湯部での非給湯時にも、混合部において低温の上水が混合されて42℃程度の設定給湯温度とされた給湯水を、往き管路と給湯往き配管と給湯戻り配管と戻り管路とに順に通流させた後に貯湯槽に戻す形態で循環させるように構成した場合には、往き管路及び給湯往き配管での放熱による温度低下により、例えば給湯往き配管の最末端側を流通する給湯水の温度が25℃程度と低くなりすぎて、結果、その給湯部からの出湯開始直後には適温に達しない温度の水が放出されるという問題があった。
また、このような問題を回避するべく、給湯部での非出湯時に循環させる給湯水の温度を高く、もしくは循環流量を大きく設定すれば、戻り管路から貯湯槽の低温部に戻る給湯水の温度も高くなり、貯湯槽の低温部の温度が上昇してしまう。
このように貯湯槽の低温部の温度が上昇すると、例えば、熱源機として自然冷媒ヒートポンプ装置を用いた場合には、凝縮器に供給される低温水の温度が上昇することで、当該自然冷媒ヒートポンプ装置の成績係数が低下するなどの問題が生じ、一方、熱源機としてエンジン駆動発電機や燃料電池などのコージェネレーション装置を用いた場合には、貯湯槽の低温部から取り出した低温水によりエンジンや燃料電池の冷却を十分に行うことができないなどの問題が生じる。
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、往き管路の混合部において貯湯槽から取り出された高温の給湯水に低温の上水を混合して給湯部へ供給される給湯水の温度を所定の設定給湯温度に設定する給湯温度設定制御手段を備えた蓄熱式給湯装置において、例えば、熱源機としての自然冷媒ヒートポンプ装置の成績係数の低下やコージェネレーション装置の冷却能の低下を防止するべく、貯湯槽の貯湯状態を適切なものに維持しながら、即時給湯を実現することができる技術を提供する点にある。
上記目的を達成するための本発明に係る蓄熱式給湯装置は、温度成層型の貯湯槽と、
前記貯湯槽の高温部から、給湯往き配管が接続される往き接続部に至る往き管路と、
前記給湯往き配管に接続された給湯部での出湯時に、前記往き管路の混合部において前記貯湯槽の高温部から前記往き管路に取り出された給湯水に上水を混合すると共に、前記給湯水に対する前記上水の混合割合を制御して、前記往き接続部から前記給湯往き配管に吐出される給湯水の温度を所定の設定給湯温度に設定する給湯温度設定制御手段とを備えた蓄熱式給湯装置であって、その第1特徴構成は、前記給湯往き配管を通過した後の給湯水を取り込む給湯戻り配管が接続される戻り接続部から、前記貯湯槽の低温部に至る戻り管路と、
前記給湯部での非出湯時に、前記貯湯槽の高温部から取り出した給湯水を、前記往き管路と前記給湯往き配管と前記給湯戻り配管と前記戻り管路とに順に通流させた後に、前記貯湯槽の低温部に戻す形態で循環させる給湯水循環運転を行うと共に、当該給湯水循環運転時における給湯水の循環流量を、前記貯湯槽の低温部に戻る給湯水の戻り温度が所定の低温水上限温度以下となる設定循環流量域内に設定する循環流量設定制御手段を備え
前記貯湯槽が、上部に高温層を形成すると共に当該高温層の下部に低温層を形成する形態で温度成層を形成して給湯水を貯留し、前記低温層から取り出された低温水が熱源機で加熱されて前記高温層に供給される構成で、
前記低温層の温度を前記低温水上限温度以下に維持する点にある。
上記第1特徴構成によれば、上記給湯水循環運転を行って、給湯部での非出湯時に貯湯槽の高温部から取り出した給湯水を上記往き管路と上記給湯往き配管と上記給湯戻り配管と上記戻り管路とに順に通流させた後に貯湯槽の低温部に戻す形態で循環させることで、給湯部での出湯開始直後でも適温の給湯水を出湯させる所謂即時出湯を実現することができる。
更に、上記循環流量設定制御手段により、上記給湯水循環運転時における給湯水の循環流量を十分に小さな上記設定循環流量域内(例えば0.1L/min)に設定することで、戻り管路表面からの放熱によって、貯湯槽の低温部に戻る給湯水の戻り温度を、所定の低温水上限温度(例えば、外気温度+10℃程度、好ましくは外気温度+5℃程度)にまで低下させることができるので、貯湯槽の低温部の温度を当該低温水上限温度以下に維持することができる。
従って、本願発明により、往き管路の混合部において貯湯槽から取り出された高温の給湯水に低温の上水を混合して給湯部へ供給される給湯水の温度を所定の設定給湯温度に設定する給湯温度設定制御手段を備えた蓄熱式給湯装置において、貯湯槽の貯湯状態を適切なものに維持しながら、即時給湯を実現することができる技術を提供することができる。
また、上記給湯水循環運転時における給湯水の循環流量が小さいことで、循環動力を極めて小さくすることができ、更に、戻り管路を細径かつ無保温の管路で構成することができるので、運転コストや設備費を削減することができる。
さらに、貯湯槽を、高温水をそのまま給湯水として温度成層を形成する形態で貯留する貯湯槽として構成することができるとともに、貯湯槽の低温部から低温水を取り出し、その水を熱源機により目標貯湯温度以上に加熱し、その加熱された目標貯湯温度以上の高温水を貯湯槽の高温部に戻すことにより、貯湯槽において形成される温度成層を良好なものに維持しながら、貯湯槽に目標貯湯温度以上の高温水を貯留することができる。
また、上述したように低温水上限温度以下の温度に維持される貯湯槽の低温部から取り出した低温水を熱源機に供給することができることから、熱源機としての自然冷媒ヒートポンプ装置やコージェネレーション装置などの状態を良好なものとすることができる。
即ち、自然冷媒ヒートポンプ装置を熱源機として用い、自然冷媒ヒートポンプ装置の凝縮器で加熱された水を貯湯槽に貯留するように構成する場合には、貯湯槽の低温部の温度を上記低温水上限温度以下に維持することができるので、その貯湯槽の低温部から取り出した低温水を凝縮部に供給して、当該自然冷媒ヒートポンプ装置の成績係数の低下を防止することができる。
一方、コージェネレーション装置を熱源機として用い、エンジン駆動発電機や燃料電池などの排熱により加熱された水を貯湯槽に貯留するように構成する場合には、貯湯槽の低温部の温度を上記低温水上限温度以下に維持することができるので、その貯湯槽の低温部から取り出した低温水を、エンジンの冷却水や、燃料電池の改質ガスに含まれる水蒸気を凝縮させてプロセス水として回収するための冷却水等に利用して、当該エンジンや燃料電池における冷却能の低下を防止することができる。
また、熱源機は、上記自然冷媒ヒートポンプ装置や上記コージェネレーション装置以外の例えば一般的なボイラや湯沸かし器を用いることもできる。
本発明に係る蓄熱式給湯装置の第2特徴構成は、上記第1特徴構成に加えて、前記低温水上限温度が、夏場において外気温度を10℃以上上回らない温度に設定されている点にある。
上記第2特徴構成によれば、上記低温水上限温度を、夏場において外気温度(例えば35℃程度)を10℃以上上回らない温度、好ましくは夏場において外気温度を5℃以上上回らない温度に設定されているので、年間を通じて貯湯槽の低温部の温度を低温に維持することができる。
また、上記低温水上限温度は、このように夏場の外気温度を基準に設定することができるが、別に、熱源機として備える自然冷媒ヒートポンプ装置の成績係数やコージェネレーション装置の冷却能に基づいて設定することもできる。
本発明に係る蓄熱式給湯装置の第3特徴構成は、上記第1乃至第2特徴構成に加えて、 前記往き管路が前記貯湯槽の前記高温部としての上端部に接続され、前記戻り管路が前記貯湯槽の前記低温部としての下端部に接続されている点にある。
上記第3特徴構成によれば、往き管路を貯湯槽の上端部に接続することで、貯湯槽の高温層から往き管路に給湯水を取り出すことができ、一方、戻り管路を貯湯槽の下端部に接続することで、戻り管路に取り込んだ給湯水を貯湯槽の低温層に戻すことができる。
本発明に係る蓄熱式給湯装置の第4特徴構成は、上記第1乃至上記第3の何れかの特徴構成に加えて、前記混合部が、前記給湯部での非出湯時に前記往き管路を閉止するように構成され、
前記往き管路において前記混合部をバイパスする給湯バイパス管路を通じて、前記貯湯槽の高温部から取り出した給湯水を前記往き管路の前記混合部よりも下流側に流入させて前記給湯水循環運転を行うように構成されている点にある。
上記第4特徴構成によれば、往き管路に設けられる混合部は三方弁や二個の二方弁の組み合わせにて構成されているが、出湯時にいきなり熱い湯が出て火傷しないようにとの配慮に基づいて、上記混合部を、給湯部での非出湯時に往き管路を閉止するように構成することができる。更に、このように構成した場合には、上記給湯水循環運転では、給湯部での非出湯時において、貯湯槽の高温部から取り出した高温の給湯水を、当該給湯バイパス管路を通じて往き管路の混合部よりも下流側に流入させて、当該給湯水を往き管路と戻り管路とに順に通流させた後に貯湯槽の低温部に戻す形態で循環させることができる。これにより、混合部の構成、種類もしくは制御によらず、上述した給湯水循環運転を行うことができる。
本発明に係る蓄熱式給湯装置の第5特徴構成は、上記第1乃至上記第4の何れかの特徴構成に加えて、前記給湯バイパス管路に給湯水の流量を規制するバイパス流量規制手段が設けられている点にある。
上記第5特徴構成によれば、上記給湯バイパス管路に上記バイパス流量規制手段を設けることで、給湯部での出湯時に、混合部で上水が混合されて設定給湯温度とされた後の給湯水に対して、給湯バイパス管路を介して混合される高温の給湯水の量を少なくすることができるので、その混合による出湯温度の高温側への偏差を微小なものとすることができる。また、上記バイパス流量規制手段により給湯バイパス管路における給湯水の流量を規制することで、上記給湯水循環運転時の循環流量を上記設定循環流量域内に設定することもできる。
本発明に係る蓄熱式給湯装置の第6特徴構成は、上記第1乃至上記第5の何れかの特徴構成に加えて、前記混合部が、前記貯湯槽の低温部に接続された給水管路を通じて前記上水を取り込むように構成され、
前記貯湯槽の低温部において前記戻り管路から前記往き管路への給湯水の流入を規制する給湯水流入規制手段を備えた点にある。
上記第6特徴構成によれば、貯湯槽の低温部に接続された給水管路を混合部に接続した場合においては、上記給湯水流入規制手段により、上記給湯水循環運転時において、給湯戻り配管から戻り管路に戻ってきた給湯水が、同貯湯槽の低温部に接続された給水管路へ流入することを規制することができる。よって、その戻り管路に戻ってきた給湯水を、貯湯槽の低温部に良好に流入させて、貯湯槽の高温部から往き管路に良好に高温の給湯水を取り出すことができる。
尚、本願において、上記給湯水流入規制手段は、給水管路への給湯水の流入を完全に防止するものとすることができるが、非出湯時に往き管路を流通する給湯水の温度が一定以上に保たれる程度に給水管路への給湯水の流入を一部許容するように構成しても構わない。
本発明に係る蓄熱式給湯装置の第7特徴構成は、上記第1乃至上記第6の何れかの特徴構成に加えて、前記循環流量設定制御手段が、前記給湯水循環運転時の循環流量を制御するように構成されている点にある。
上述した給湯水循環運転時における給湯往き配管における各部の給湯水の温度は、給湯往き管路に施された保温材の厚みや種類等に影響される他、外気温度や循環流量にも左右される。即ち、外気温の変化により、給湯水循環運転時の給湯往き配管に接続された給湯部での給湯水の温度が変化すれば、出湯開始直後の出湯温度が変化するので、好ましくない。そこで、上記第7特徴構成によれば、給湯水循環運転時の循環流量を外気温度などに基づいて制御することで、外気温度による給湯水の温度変化を相殺することができる。具体的には、外気温度が低下すれば循環流量を増し、外気温度が上昇すれば循環流量を減じる制御を行うことができる。
これにより、外気温度の影響を受けず、給湯水循環運転時の給湯部での給湯水の温度を、年間を通じて安定させることができる。
本発明に係る蓄熱式給湯装置(以下、「本給湯装置」と呼ぶ。)の実施の形態について、図面に基づいて説明する。
〔第1実施形態〕
第1実施形態の本給湯装置100について図1に基づいて説明する。
本給湯装置100には、温度成層型の貯湯槽1と、その貯湯槽1の高温部としての上端部2aから、給湯往き配管11が接続される往き接続部10aに至る往き管路10とが設けられている。更には、給湯往き配管10に接続された給湯栓(給湯部の一例)15での出湯時に、往き管路10の混合部10bにおいて貯湯槽1の上端部2aから往き管路10に取り出された給湯水に上水を混合して、当該給湯水の温度を所定の設定給湯温度に設定する給湯温度設定制御手段Aが例えば制御装置が機能する形態で設けられている。
上記貯湯槽1は、熱源機40により加熱された給湯水を貯留するように構成されている。詳しくは、貯湯槽1の下端部3aから熱源機40を介して上端部2aに至るように敷設された冷却水管路41に、貯湯槽1の下端部3a側から上端部2a側に向けて水を通流させる冷却水ポンプ42(例えば、熱源機40に内蔵されている。)を設け、その冷却水ポンプ42を作動させて冷却水管路41に水を通流させる。すると、貯湯槽1の下端部3a側から冷却水管路41に取り出された水が熱源機40により加熱されて、その加熱された温水が給湯水として貯湯槽1の上端部2a側に供給される。
尚、上記熱源機40としては、ボイラや湯沸かし器を用いるのが通常であるが、自然冷媒ヒートポンプ装置やコージェネレーション装置などを利用することができる。
貯湯槽1の下端部3aには、水道メータ(図示せず)を通じて上水が供給される給水管路25が接続されており、その給水管路25から比較的低温の上水が供給される。そして、その貯湯槽1の下端部3aにある低温の水を熱源機40により適切な目標貯湯温度(例えば75℃)以上に加熱した後に、貯湯槽1の上端部2aに戻すことで、貯湯槽1は、上部に高温層2を形成すると共に当該高温層2の下部に低温層3を形成する形態で給湯水を貯留する所謂温度成層型に構成されている。
詳しくは、冷却水管路41において貯湯槽1の上端部2a側に供給される温水の温度を検出する温度センサ43を備え、冷却水ポンプ42の動力を温度センサ43の検出結果に基づいて制御して、貯湯槽1の上端部2a側に供給される温水の温度が適切な温度(例えば75℃)となるように制御されているので、貯湯槽1に貯留されている給湯水は上記のような温度成層を形成して貯留されている。
尚、貯湯槽1に付随する減圧弁(あるいは減圧逆止弁)や逃し弁等、冷却水管路41に付随する流量調整弁等の通常設置される補機等については、図示を省略しているものもある。
上記往き管路10の混合部10bには、貯湯槽1の上端部2aから当該往き管路10に取り出された給湯水に対して、貯湯槽1の下端部3aに接続された給水管路25を通じて取り込んだ上水を混合割合調整を伴って混合可能な三方調整弁12(混合部の一例)と、当該往き管路10のその三方調整弁12よりも下流側を流通する給湯水の温度を検知する温度センサ13とが設けられている。
また、貯湯槽1の下端部3aに接続される給水管路25には、上水の貯湯槽1への流入を検知するフローセンサ26が設けられている。
そして、上記給湯温度設定制御手段Aは、給湯栓15が開かれて、フローセンサ26により給水管路25から貯湯槽1への流入を検知している間は、温度センサ13で検知される給湯水の温度が42℃程度の予め設定された設定給湯温度となるように、三方調整弁12により貯湯槽1の上端部2aから往き管路10に取り出された高温の給湯水に対する上水の混合量を制御する。すると、給湯栓15では、往き管路10及び給湯往き配管11を通じて設定給湯温度の給湯水が供給され、その給湯水を出湯することができる。尚、上記三方調整弁12を、往き管路10と給水管路25との夫々に設けた一対の調整弁で構成するなど、適宜改変しても構わない。
また、上記給湯栓15は、2バルブ、シングルレバー、もしくは自動温調水栓等各種の湯水混合型給湯栓を使用できるが、給湯栓15において上水を混合しなくても、上記給湯温度設定制御手段Aにより、給湯栓15から設定給湯温度の給湯水を出湯することができる。従って、給湯栓15は、湯水混合比率を使用の都度調節する必要のある2バルブ水栓であっても、給湯側のハンドルのみの開閉で、設定給湯温度の給湯水を望みの流量で出湯することができる。
上記給水管路25の貯湯槽1の下端部3aとの接続部、及び、上記給水管路25の上記三方調整弁12との接続部には、上水の逆流を防止する逆止弁27,28が設けられている。
以上が、本給湯装置100の基本構成であるが、本給湯装置100は、上述したような給湯温度設定制御手段Aを備えた場合でも、貯湯槽1の貯湯状態を適切なものに維持しながら、給湯栓15での出湯開始直後でも適温の湯を出湯させる所謂即時出湯を実現するための特徴構成を有しており、その特徴構成について、以下に説明する。
即ち、本給湯装置100には、給湯往き配管10を通過した後の給湯水を取り込む給湯戻り配管19が接続される戻り接続部20aから、貯湯槽1の下端部3aに至る戻り管路20が設けられている。更に、給湯栓15での非出湯時に、貯湯槽1の上端部2aから取り出した高温の給湯水を、往き管路10と給湯往き配管11と給湯戻り配管19と戻り管路20とに順に通流させた後に、貯湯槽1の下端部3aに戻す形態で循環させる給湯水循環運転を行うと共に、当該給湯水循環運転時における給湯水の循環流量を、貯湯槽1の下端部3aに戻る給湯水の戻り温度が所定の低温水上限温度以下となる設定循環流量域内に設定する循環流量設定制御手段Bが例えば制御装置が機能する形態で設けられている。
上記戻り管路20には、給湯水を貯湯槽1の下端部3aに向けて送出する循環ポンプ21、及び、当該給湯水の逆流を防止する逆止弁22が設けられている。
そして、上記循環ポンプ21を作動させることで、給湯栓15での非出湯時、即ちフローセンサ26で貯湯槽1への上水の流入を検知していないときに、上記給湯水循環運転を行うことができる。このような給湯水循環運転を行うことで、給湯栓15での非出湯時においても、往き管路10には、比較的適温の給湯水が通流することになる。よって、給湯栓15が開かれた出湯開始直後には、その適温の給湯水が、その給湯栓15の給湯往き配管11との接続部15aに流通しているため、殆ど時間遅れなく直ちに、その適温の給湯水が給湯栓15に供給され出湯されるというように、所謂即時出湯を実現することができる。
更に、上記循環流量設定制御手段Bにより給湯水循環運転時の給湯水の循環流量を、上記設定循環流量域(例えば0.1L/min以下の範囲)内に設定することで、往き接続部10a付近では貯湯槽1の高温層2の温度に近い給湯水が通流し、給湯往き配管11の末端側では放熱によりそれより数十℃低い温度の給湯水が通流し、戻り接続部20a付近では外気温度より少し高い低温水上限温度(例えば、夏場において外気温度を10℃以上上回らない温度、好ましくは夏場において外気温度を5℃以上上回らない温度)以下の給湯水が流通することになる。
従って、戻り管路20を通じて貯湯槽1の下端部3aに戻された給湯水の温度が上記低温水上限温度以下と低く維持されているので、その給湯水を貯湯槽1の低温層3に流入させても、貯湯槽1の低温層3の温度が少なくとも上記低温水上限温度以下、例えば25℃程度というように、低く維持されることになる。
また、貯湯槽1の低温層3の温度が低温に維持されるので、その貯湯槽1の下端部3aから冷却水管路41を通じて自然冷媒ヒートポンプ装置やコージェネレーション装置などの熱源機40に供給される低温水の温度が低く維持されるので、当該自然冷媒ヒートポンプ装置の成績係数及び当該コージェネレーション装置の冷却能の低下が抑制される。
通常、給湯栓15での出湯温度は40℃程度で行われるため、例えば、給湯往き配管11において、最も上流側の給湯栓15で45℃程度、最も下流側の給湯栓15で35℃程度となるように、上記給湯水循環運転時において給湯水の循環流量の指標となる設定循環流量域を選定すれば、熱過ぎずかつ冷たくない湯が出るという点において、即時給湯を実現することができ、例えば、上記設定循環流量域としては、0.1L/min以下の範囲というように非常に微小なものに選定することができる。
尚、往き管路10及び給湯往き配管11での給湯水の温度降下は、当該往き管路10及び給湯往き管路11の表面に施す保温材の厚みでも調整できる。即ち、貯湯槽1から最上流側の給湯栓15までは比較的薄い保温材(例えば発泡ポリエチレン)を用い、最上流側の給湯栓15から最下流側の給湯部15までは厚い保温材を用いて、往き管路10及び給湯往き配管11における各部位の保温を行えば、最上流側の給湯栓15における出湯温度は比較的低く抑えられ、最下流側の給湯栓15における出湯温度は比較的高く保たれる。よって、何れの給湯栓15においても給湯に適する温度に設定することができると共に、給湯栓15間の温度の差異を小さく保つことができる。
ちなみに、往き管路10及び給湯往き配管11からの放熱量は、管路内外の温度差に比例するため、上述したように循環する給湯水に温度差を付ける給湯水循環運転の方が、温度差を付けないものより少なくなる。
尚、往き管路10及び給湯往き配管11を十分に保温するのは、放熱量を抑える意味が本来であるが、ここでは、給湯水循環運転時の給湯栓15毎の温水温度の違いを小さくすることをも狙ったものである。
また、往き管路10及び給湯往き配管11は、耐熱耐圧材料(例えば、銅管、耐熱塩ビ管、耐熱塩ビライニング鋼管等)で配管される。
更には、給湯戻り配管19及び戻り管路20は、細径の樹脂管(例えば、内径6mmの架橋ポリエチレン管)を無保温で使用する。
即ち、給湯循環運転において給湯戻り配管19及び戻り管路20を通じて戻る給湯水の温度が低温水上限温度以下とできるだけ低く抑えられるため、戻り管路20は無保温とし、更に、その給湯水の流量が設定循環流量域内と小さくて良いので細径とすることができ、しかも使用温度が低いので特別な耐熱性を要しない。
更に、上述した三方調整弁12は、貯湯槽1の下端部3aに接続された給水管路25を通じて上水を取り込むように構成されており、上記戻り管路20が、その貯湯槽1の下端部3aに接続された給水管路25に接続されていることになる。
よって、給湯栓15での非出湯時において、三方調整弁12の給水管路25側が開放されている場合には、上記給湯水循環運転を行うと、給湯戻り配管19及び戻り管路20から貯湯槽1の下端部3a側に戻る給湯水の殆どが、貯湯槽1に流入することなく、給水管路25側に流入することが懸念される。
そこで、上記給水管路25において、貯湯槽1の下端部3aとの接続部に設けられた逆止弁27よりも貯湯槽1側に戻り管路20を接続することで、その逆止弁27を、貯湯槽1の下端部3aにおいて戻り管路20から給水管路25への給湯水の流入を防止する給湯水流入規制手段として機能させることができる。
尚、給湯水流入規制手段としては、給湯栓15での非出湯時、即ち給湯水循環運転時に、三方調整弁12の給水管路25側を強制的に閉止したり、当該給水管路25自身を強制的に閉止するための電磁弁等を設けたりなど、種々の手段を用いることが可能である。また、給湯水流入規制手段を給水管路25の三方調整弁12との接続部側に設ける場合には、戻り管路20をその給水管路25の上記給湯水流流入防止手段よりも上流側に接続することができる。
また、上記給湯水流入規制手段を省略し、給湯栓15での非出湯時、即ち給湯水循環運転時に、貯湯槽1の下端部3aにおいて戻り管路20から給水管路25への給湯水の流入をある程度許容すると共に、その流入量を調整することで、三方調整弁12において適当な割合で、高温の給湯水に対して戻り管路20に戻ってきた低温の給湯水が混合されることになるので、給湯水循環運転時の往き管路10を通じて給湯栓15側に供給される給湯水の温度を適切なものとすることができる。
更に、上記往き管路10の混合部10bに設けられた三方調整弁12が、給湯栓15での非出湯時に往き管路10を開放するように構成されたものである場合には、上記循環流量設定制御手段Bは、上記循環ポンプ21を作動させるだけで、給湯栓15での非出湯時に、貯湯槽1から取り出された給湯水を、三方調整弁12を通じて、往き管路10及び戻り管路20に循環させる形態で、給湯水循環運転を行うことができる。
また、上記給湯栓15での出湯時において、循環ポンプ21を停止させることができるが、給湯水の循環量が微小なため、別に、循環ポンプ21を停止させなくても構わない。
〔第2実施形態〕
第2実施形態の本給湯装置200について図2に基づいて説明する。尚、他の実施形態と同様の構成については同じ符号を使用して説明を割愛する場合がある。
図2に示す本給湯装置200は、図1に示す給湯装置100に対して、往き管路10において混合部10bに設けられた三方調整弁12をバイパスする給湯バイパス管路30と、当該給湯バイパス管路30を流通する上水の流量を規制するオリフィス31とを追加したものである。
即ち、この本給湯装置200は、給湯栓15での非出湯時(給湯水循環運転時)に、上記往き管路10の混合部10bに設けられた三方調整弁12が往き管路10を閉止するように構成されたものである場合において、上記給湯バイパス管路30を設けることで、給湯栓15での非出湯時(給湯水循環運転時)に、その給湯バイパス管路30を通じて、貯湯槽1の上端部2aから取り出した給湯水を、往き管路10の三方調整弁12よりも下流側に流入させて、給湯往き配管11及び給湯戻り配管19等に循環させることができる。
このような構成で、給湯栓15での出湯が開始されると、貯湯槽1の上端部2aから取り出された高温の給湯水は、三方調整弁12で上水と混合されて、上述した給湯温度設定制御手段Aによる温度設定が行われるが、給湯バイパス管路30からの高温の給湯水がその下流に混合されて、出湯温度が高温側にずれることになる。
そこで、給湯バイパス管路30には、給湯水の流量を規制するバイパス流量規制手段としてのオリフィス31を設けることで、この温度偏差を抑えることができる。もちろん、オリフィス31に、上記給湯水循環運転における循環流量を設定循環流量域内に設定するための流量絞り機能を兼ねさせることも可能である。
また、上記給湯温度設定制御手段Aで利用する上記温度センサ13の設置位置は、往き管路10の給湯バイパス管路30の流入側接続部よりも上流側に設置しても構わないが、給湯バイパス管路30の流出側接続部よりも下流側に設置する方が給湯温度設定制御手段Aでの温度設定の精度が向上する。当該下流側に設置することで、給湯バイパス管路30を通流する給湯水の温度偏差発生を抑制できるからである。しかしながら、給湯バイパス管路30での給湯水の流量が大きいと、見かけ上、三方調整弁12の特性(直線性)が変化(悪化)したと同じことになるので、給湯バイパス管路30での給湯水の流量は小さいに越したことはない。
また、循環流量設定制御手段Bは、給湯水循環運転時の循環流量を設定循環量域内において制御して、外気温度による給湯水の温度変化を相殺しても構わない。更に、給湯水循環運転時において温度センサ13等で検知される給湯水の温度が適切なものとなるように、循環ポンプ21の出力を制御する形態で、給湯水の循環流量を自動的に調整するように構成しても構わない。
次に、この第2実施形態の本給湯装置200を用いて、実際に給湯水循環運転を行ったときの給湯水及び上水の温度について測定した結果を、図5に基づいて説明する。
ここで、往き管路10及び給湯往き配管11の長さは14mであり、給湯バイパス管路30としては銅の無保温管(約1m)に直径0.5mmの開孔を設けたオリフィス31を取り付けた配管、給湯管路10及び給湯往き配管11としては20mm厚発泡ポリエチレン保温の15A銅管、給湯戻り配管19及び戻り管路20としては無保温の内径6mmの架橋ポリエチレン管と呼び径16の塩化ビニル管を用いた。
給湯往き温度は、給湯往き配管11における本給湯装置200の出口である往き接続部10aから約1m下流の位置での給湯水の温度を示し、給湯管末温度は、給湯往き配管11における同往き接続部10aから14m下流の位置での給湯水の温度を示し、給湯戻り温度は給湯戻り配管19の本給湯装置200の入り口である戻り接続部20aから約1m上流の位置での給湯水の温度を示す。また、給湯水循環運転時における給湯水の循環流量は0.04L/minとした。
図5より、給湯管末温度は100分ほどで定常温度となり、その時、給湯往き温度は44℃、管末温度は32℃であるから、およそこの範囲(給湯装置200の出口より下流1m〜14m)に給湯栓15が繋がっていれば、給湯栓15を開けると、32〜44℃のほぼ適温の給湯水が待ち時間無く出湯されることになり、即時給湯の目的が達成される。
また、給湯往き配管11での各部の給湯水の温度は、循環流量を増やせば上げることができ、減らせば下げることができるので、循環流量を調整することにより、適切な温度分布を作ることができる。
下記の表1は、夏期の外気温度条件下で実験し、各循環流量時の各部の平衡温度をまとめたものである。オリフィス31の開孔径の影響は小さいことが判る。
Figure 0004889472
一方で、定常状態から給湯栓15での出湯を開始すると、本給湯装置200が設定給湯温度の給湯水を送り出すまでの間、給湯往き配管11における給湯栓15の上流に存在する温度の高い給湯水が出湯されるため、火傷等が懸念される。
図6は、各部の給湯水の温度が夏期外気温下に平衡に達した後、給湯往き配管11における往き接続部10aから約10m下流の位置に接続された給湯栓15で出湯させたときの出湯温度の変化(過渡応答特性)を示したものである。給湯往き温度は、平衡温度である45℃から、5秒間程度の温度制御の過渡特性を経て、設定給湯温度である42℃で制御されている。ここで、時間0は給湯栓の開栓とは連動しておらず、約10秒の時点から出湯が始まっている。一方、給湯栓15からは、最初枝管中の外気温度とほぼ等しい温度の水が出た後、順次給湯往き配管11上流の給湯水が送り出されるために温度が上昇し、ついには、オーバーシュートした後、温度調節のされた給湯水(42℃)が安定的に出湯される。このオーバーシュートが大きいと火傷の可能性を生じる。
給湯水循環運転時における循環流量が大きい程、給湯往き配管11の給湯水の温度は高くなるので、オーバーシュートは大きくなる。実験にて、オーバーシュートを含む最高温度を測定した結果を下記の表2に示す。下記の表2から、給湯水循環運転時の循環流量を適切に設定(例えば、0.04L/min以下)すれば、オーバーシュートは抑えられることが判る。
Figure 0004889472
ところで、給湯栓15での出湯時において、給湯バイパス管路30による給湯水のバイパス流量が大きくなると温度調節に偏差の生じることを前述したが、その効果を実験で調べた結果が下記の表3である。ただし、温度センサ13は往き管路10における給湯バイパス管路30の流入部よりも上流側に設置されている。下記の表3からは、給湯バイパス管路30による給湯水のバイパス流量を規制するオリフィス31の開孔径を1.0mm以下に選定すれば、懸念される温度偏差も抑えられることが判る。
Figure 0004889472
〔第3実施形態〕
第3実施形態の本給湯装置300について図3に基づいて説明する。尚、他の実施形態と同様の構成については同じ符号を使用して説明を割愛する場合がある。
図3に示す本給湯装置300は、図2に示す給湯装置200に対して、三方調整弁12を往き管路10と給水管路25との夫々に設けた一対の調整弁12a,12bで構成し、更に、給水管路25から往き管路10の三方調整弁12よりも下流側に至る給水バイパス管路32と、当該給水バイパス管路32を流通する上水の流量を規制するオリフィス33とを追加したものである。更に、本給湯装置300では、給湯水循環運転時において、戻り管路20から給水管路25及び給水バイパス管路30を通じて往き管路10への給湯水の流入を許容するべく、上記給水管路25において貯湯槽1の下端部3aとの接続部に設けられた逆止弁27よりも上流側に戻り管路20が接続されている。
即ち、本給湯装置300は、給湯栓15での非出湯時(給湯水循環運転時)に、往き管路10における混合部10bの上流側に設けられた調整弁12aが当該往き管路10を閉止すると共に、給水管路25に設けられた調整弁12bが当該給水管路25を閉止するよう構成されたものである場合において、給湯バイパス管路30のオリフィス31と給水バイパス管路32のオリフィス33の口径比を適当に決めると、給湯水循環運転時に、往き管路10の給湯栓15側には、貯湯槽1から取り出した高温の給湯水が直接供給されるのではなく、適切な量の上水が混合された適温(例えば50℃)の給湯水が供給されることになる。これにより、給湯栓15での出湯開始直後に高温の給湯水が出湯される危険を抑止することができる。
〔第4実施形態〕
第4実施形態の本給湯装置400について図4に基づいて説明する。尚、他の実施形態と同様の構成については同じ符号を使用して説明を割愛する場合がある。
図4に示す本給湯装置400では、図2に示す給湯装置200に対して、温度成層型の貯湯槽1’を備え、その貯湯槽1’から取り出した高温の蓄熱水との熱交換により高温に加熱した上水を給湯水として往き管路10に取り出すように構成した点で相違するものである。
即ち、本給湯装置400において、上記貯湯槽1’は、上部に高温層2’を形成すると共に当該高温層2’の下部に低温層3’を形成する形態で、熱源機40により加熱された蓄熱水を貯留する所謂温度成層型に構成されている。
また、貯湯槽1’の上端部2a’から下端部3a’に至る循環管路45が設けられており、その循環管路45には、貯湯槽1’の上端部2a’から取り出した蓄熱水を下端部3a’に向けて送り出すように循環させる循環ポンプ46と、当該循環管路45を流通する高温の蓄熱水との熱交換により、給水管路25から供給される上水を加熱し、当該加熱後の上水を給湯水として往き管路10に供給する熱交換器47とが設けられている。
そして、本給湯装置400では、給湯栓15での出湯時には、上記循環ポンプ46を作動させて、貯湯槽1’の上端部2a’から取り出した高温の蓄熱水を熱交換器47に供給することで、高温部としての熱交換器47の給湯水流出部48からは、上記蓄熱水との熱交換により加熱された高温の給湯水が往き管路10に取り出されることになる。よって、上述した給湯温度設定制御手段Aにより、往き管路10に取り出された給湯水に上水を混合して、当該給湯水の温度を所定の設定給湯温度に設定することができる。
一方、戻り管路20は、低温部としての上記熱交換器47の上水流入部49に接続されており、給湯栓15での非出湯時(給湯水循環運転時)には、熱交換器47で蓄熱水の熱をもらった給湯水が、往き管路10と戻り管路20とに順に通流させた後に上記熱交換器47の上水流入部49側に戻す形態で循環する。
この給湯水循環運転時における熱交換器47での熱負荷は小さいので、循環ポンプ46を出湯時と同様に作動させると、貯湯槽1’の下端部3a’に戻る温度が高くなって貯湯槽1’の下層温度を上昇させるので、循環ポンプ46の流量制御を行う必要がある。この制御の開始信号には、フローセンサ26の停止信号を用いることができ、循環ポンプ46の回転数制御、所定時間毎のON−OFF制御もしくはバルブによる流量絞り制御等によって、給湯栓15での非出湯時(給湯水循環運転時)の循環ポンプ46に対する制御を行うことができる。熱交換器47の蓄熱水流出部側の温度を温度センサで検知しながら循環ポンプ46による蓄熱水の循環流量にフィードバック制御を掛けることも可能である。
上記第1乃至第4実施形態において、貯湯槽1及び貯湯槽1’は、密閉型のタンクで構成したが、下部に流入した分の水を上部から払い出すためのポンプ等を備えた大気開放型に構成しても構わない。
本発明は、往き管路の混合部において貯湯槽から取り出された高温の給湯水に低温の上水を混合して給湯部へ供給される給湯水の温度を所定の設定給湯温度に設定する給湯温度設定制御手段を備えた蓄熱式給湯装置であって、特に、熱源機としての自然冷媒ヒートポンプ装置の成績係数の低下やコージェネレーション装置の冷却能の低下を防止するべく、貯湯槽の貯湯状態を適切なものに維持しながら、即時給湯を実現することができるものとして有効に利用可能である。
本発明に係る蓄熱式給湯装置の第1実施形態を示す概略構成図 本発明に係る蓄熱式給湯装置の第2実施形態を示す概略構成図 本発明に係る蓄熱式給湯装置の第3実施形態を示す概略構成図 本発明に係る蓄熱式給湯装置の第4実施形態を示す概略構成図 給湯水循環運転中の各部温度の経時変化を示すグラフ図 出湯時における各部温度の経時変化を示すグラフ図
符号の説明
A:給湯温度設定制御手段
B:循環流量設定制御手段
1,1’:貯湯槽
2a,2a’:上端部(高温部)
3a,3a’:下端部(低温部)
10:往き管路
10a:往き接続部
10b:混合部
11:給湯往き配管
12:三方調整弁
15:給湯栓(給湯部)
19:給湯戻り配管
20:戻り管路
20a:戻り接続部
25:給水管路
30:給湯バイパス管路
31:オリフィス(バイパス流量規制手段)
32:給水バイパス管路
40:熱源機
48:給湯水流出部(高温部)
49:上水流入部(低温部)
100,200,300,400:蓄熱式給湯装置

Claims (7)

  1. 温度成層型の貯湯槽と、
    前記貯湯槽の高温部から、給湯往き配管が接続される往き接続部に至る往き管路と、
    前記給湯往き配管に接続された給湯部での出湯時に、前記往き管路の混合部において前記貯湯槽の高温部から前記往き管路に取り出された給湯水に上水を混合すると共に、前記給湯水に対する前記上水の混合割合を制御して、前記往き接続部から前記給湯往き配管に吐出される給湯水の温度を所定の設定給湯温度に設定する給湯温度設定制御手段とを備えた蓄熱式給湯装置であって、
    前記給湯往き配管を通過した後の給湯水を取り込む給湯戻り配管が接続される戻り接続部から、前記貯湯槽の低温部に至る戻り管路と、
    前記給湯部での非出湯時に、前記貯湯槽の高温部から取り出した給湯水を、前記往き管路と前記給湯往き配管と前記給湯戻り配管と前記戻り管路とに順に通流させた後に、前記貯湯槽の低温部に戻す形態で循環させる給湯水循環運転を行うと共に、当該給湯水循環運転時における給湯水の循環流量を、前記貯湯槽の低温部に戻る給湯水の戻り温度が所定の低温水上限温度以下となる設定循環流量域内に設定する循環流量設定制御手段を備え
    前記貯湯槽が、上部に高温層を形成すると共に当該高温層の下部に低温層を形成する形態で温度成層を形成して給湯水を貯留し、前記低温層から取り出された低温水が熱源機で加熱されて前記高温層に供給される構成で、
    前記低温層の温度を前記低温水上限温度以下に維持する蓄熱式給湯装置。
  2. 前記低温水上限温度が、夏場において外気温度を10℃以上上回らない温度に設定されている請求項1に記載の蓄熱式給湯装置。
  3. 記往き管路が前記貯湯槽の前記高温部としての上端部に接続され、前記戻り管路が前記貯湯槽の前記低温部としての下端部に接続されている請求項1又は2に記載の蓄熱式給湯装置。
  4. 前記混合部が、前記給湯部での非出湯時に前記往き管路を閉止するように構成され、
    前記往き管路において前記混合部をバイパスする給湯バイパス管路を通じて、前記貯湯槽の高温部から取り出した給湯水を前記往き管路の前記混合部よりも下流側に流入させて前記給湯水循環運転を行うように構成されている請求項1〜3の何れか一項に記載の蓄熱式給湯装置。
  5. 前記給湯バイパス管路に給湯水の流量を規制するバイパス流量規制手段が設けられている請求項4に記載の蓄熱式給湯装置。
  6. 前記混合部が、前記貯湯槽の低温部に接続された給水管路を通じて前記上水を取り込むように構成され、
    前記貯湯槽の低温部において前記戻り管路から前記往き管路への給湯水の流入を規制する給湯水流入規制手段を備えた請求項1〜5の何れか一項に記載の蓄熱式給湯装置。
  7. 前記循環流量設定制御手段が、前記給湯水循環運転時の循環流量を制御するように構成されている請求項1〜6の何れか一項に記載の蓄熱式給湯装置。
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