JP2006250523A - 温水熱源給湯システム、温水熱源給湯装置及び温水熱源給湯方法 - Google Patents

温水熱源給湯システム、温水熱源給湯装置及び温水熱源給湯方法 Download PDF

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Abstract

【課題】複数の熱需要家に対して熱源温水を所定のラインで循環させ、前記熱源温水が保有する熱を有効に利用して、エネルギーの有効利用を図れ、設備コストが低くでき、施工性の高い温水熱源給湯システムを得る。
【解決手段】熱源温水が循環する熱源温水循環ライン4、低温水を供給する低温水供給ライン5と蓄熱部10aを備えた蓄熱貯湯タンク10とを設け、熱源温水を蓄熱貯湯タンク10に取り込み、戻り部20に貯湯水の一部又は全部を戻す戸別温水循環手段Lを設け、取り込み部19と蓄熱貯湯タンク10との間に低温水を混合可能な混合部22を設けるとともに、蓄熱貯湯タンク10の下手に給湯水払い出し部23を設け、蓄熱部10aが、蓄熱貯湯タンク10内を流れる温水と熱交換可能とし、払い出し部23より払い出し可能とする。
【選択図】図2

Description

本発明は、温水熱源供給システムあるいはそのシステムで使用する方法に関するとともに、各熱需要家に備えられる温水熱源給湯装置に関する。
この種の温水熱源供給システムは、例えば、熱需要家である各家庭に給湯を行うのに、所定の地域内にある複数の家庭に対して、その地域を対象とする共通のコジェネレーション設備を利用し、トータルとしてエネルギー効率の高い給湯を行うことができるシステムを確立しようとするものである。
上記目的から、この種の温水熱源供給システムにあっては、共通施設側で発生される熱源温水(温水温度50〜90℃)が循環する熱源温水循環ラインを備えるとともに、各家庭に引き込まれている上水といった前記熱源温水より低温の低温水を各家庭に供給する低温水供給ラインが利用又は備えられる。この低温水供給ラインを介して供給される低温水としては、例えば前記共通のコジェネレーション設備から廃棄される排ガスが有する排熱により予熱された予熱水も利用可能とされる。この種の低温水の温度は、ほぼ5〜25℃程度となる。
さて、発明者らは、特許文献1において、この種の温水熱源供給システムを、「地域社会へのエネルギ供給システムおよび方法」として提案している。
このシステムの概略構成を示すのが、当該明細書で図5に示される「隣組みコジェネレーション」と呼ぶシステムである。このシステムでは、燃料電池(SOFC)或いはマイクロガスタービン(MGT)がコジェネレーション設備であり、この設備から高温水(90℃)が払い出されるとともに、50℃の温水として設備に戻ることが示されている。即ち、熱源温水循環ラインが地域内にある40の家庭を対象として設けられている。
一方、各家庭内に備えられる温水熱源給湯装置の構成を示したのが、図6であり、高温水循環供給ライン43(本願にいう熱源温水供給ライン)から、そのラインを循環する熱源温水の一部を取り出して、家庭用蓄熱装置45において、熱源温水からの蓄熱、給湯水への放熱等を行っている。
この構成にあっては、前記熱源温水は床暖に直接利用される場合を除いて、給湯水の生成は、水道水を熱交換で温めて給湯の用に供する。さらに、浴槽等の浴槽水の加熱に関しては、同様に熱交換による構造とされている。
従って、高温水循環供給ライン43(本願にいう熱源温水供給ライン)から取り出された熱源温水が直接給湯水として利用されることはない。
特開2003-28449号公報
上記特許文献1に記載の技術方式では、熱源温水に抵抗低減剤を投入し、ポンプ動力の削減が可能となり、また蓄熱貯湯タンクの圧力とは無関係に熱源温水の圧力を高めることができる。
しかし、蓄熱貯湯タンク内に組み込まれた伝熱管内に熱源温水を循環し、これにより水道水24リットル/minを20℃から45℃に温めるには、通常約42KWの交換熱量を得るための伝熱管が必要となる。
また、供給できる熱負荷は、送出と戻りの熱源温度差に循環流量を掛け合わせたものであり、熱源温度差25℃前後(熱源温水の熱源温水循環ラインへの送り出し温度と戻り温水の温度との差が25℃前後とする)、管内流速が2m/s、熱源温水管内径26.1mmの条件では、約110(25×64×60/860=111)KWとなる。ここでは、64リットル/minの流量が流れるものとする。
そのため、蓄熱貯湯タンク内の貯湯水や蓄熱を全て払い出した後は、このシステムでは3戸程度の住戸にしか熱を供給できなくなる。
即ち、供給できる熱量が比較的低いことから、熱源温水循環ラインを構成する熱源温水配管の配管径を大径にする必要が生じる。この場合、このラインにおける放熱量が大きく、その循環用のポンプ動力が高くなる。
一方、この状況では、熱源温水配管が大径であるため、所定の延長を設備を得ようとすると、材料費が高くなり施工性が悪い。
本発明の目的は、複数の熱需要家に対して熱源温水を所定のラインで循環させ、前記熱源温水が保有する熱を有効に利用して、エネルギーの有効利用を図れ、設備コストが低くできるとともに施工性の高い温水熱源給湯システムを得ることにある。
上記目的を達成するための、温水熱源給湯システムの特徴構成は、
複数の熱需要家に対して、熱源温水が循環する熱源温水循環ラインと、前記熱源温水より低温の低温水を供給する低温水供給ラインを設け、
蓄熱部を備えた蓄熱貯湯タンクを前記熱需要家に設けるとともに、
前記熱源温水循環ラインより熱源温水を前記蓄熱貯湯タンクに取り込み、前記熱源温水の取り込み部より循環ライン下流側の戻り部に、前記蓄熱貯湯タンクから貯湯水の一部又は全部を戻す戸別温水循環手段を設け、
前記熱源温水の取り込み部と前記蓄熱貯湯タンクとの間に、前記低温水供給ラインから供給される前記低温水を混合可能な混合部を設けるとともに、前記蓄熱貯湯タンクと前記戻り部との間に給湯水払い出し用の払い出し部を設け、
前記蓄熱部が、前記蓄熱貯湯タンク内を流れる前記熱源温水、若しくは熱源温水と低温水との混合水と熱交換可能に構成され、前記払い出し部より給湯水の供給が可能に構成することになる。
この温水熱源給湯システムにあっても、複数の熱需要家に対する熱源温水の循環構造、各熱需要家における低温水の供給構造及び蓄熱貯湯タンクを装備する構成は、従来と同様である。
さらに、本願に係るシステムにおいても、戸別温水循環手段を設けることで、熱源温水循環ラインから熱源温水を取り込み、蓄熱貯湯タンクで利用するとともに、当該ラインに戻す点も同様である。
しかしながら、本願にあっては、低温水供給ラインを流れる低温水と熱源温水とが互いに独立した流路を流れ、所定の温度とされるのではなく、戸別温水循環手段内を流れる状態において混合部で混合水を形成することが可能な構造とされる。即ち、蓄熱貯湯タンク内へは、熱源温水をそのまま導入したり、熱源温水と低温水とが混合した混合水を導入することが可能となる。
従って、蓄熱貯湯タンクに備えられる蓄熱部の蓄熱に際しては、熱源温水と蓄熱部に備えられる蓄熱材とを熱交換させて蓄熱することができる。一方、放熱に関しては、蓄熱部に蓄熱された熱を混合水若しくは低温水に放熱させて、所定の温度の貯湯水(あるいは給湯水)を得ることができる。
従って、この温水熱源給湯システムでは、給湯水を得る方法として以下のような温水熱源給湯形態を実現できる。
熱源温水が循環する熱源温水循環ラインと、前記熱源温水より低温の低温水を供給する低温水供給ラインとを、複数の熱需要家に対して設け、蓄熱部を備えた蓄熱貯湯タンクとを、前記熱需要家に設け、
前記熱源温水循環ラインより熱源温水を前記蓄熱貯湯タンクに取り込み、前記熱源温水の取り込み部より循環ライン下流側の戻り部に、前記蓄熱貯湯タンクから貯湯水の一部又は全部を戻す温水熱源給湯方法として、
前記熱源温水の取り込み部と前記蓄熱貯湯タンクとの間おいて、前記低温水供給ラインから供給される前記低温水を混合し、生成される混合水と前記蓄熱部との間で熱交換させて前記熱需要家への給湯水を得るのである。
そして、その蓄熱に関しては、熱源温水を直接前記蓄熱貯湯タンクに流して、蓄熱部に蓄熱させることができる。
このようにして、蓄熱貯湯タンクで、所定の温度の貯湯水を得ることができるのであるが、このシステムにあっては、戸別温水循環手段内における蓄熱貯湯タンクより下手側部位(戻り部側)に、給湯水の払い出し部を設けている。従って、この部位から、各熱需要家への給湯を実行できる。
さて、上記構成の温水熱源給湯システムにおいて、前記熱源温水循環ラインを流れる熱源温水の圧力が、前記低温水供給ラインを流れる低温水の圧力より高く設定され、
前記混合部と前記取り込み部との間に流量調整弁を設け、前記流量調整弁の調整により、前記払い出し部における前記給湯水の温度を設定する構成とすることが、好ましい。
このようしておくと、低温水供給ラインから熱源温水循環ラインに低温水が漏れ込むことが防止できる。さらに、混合部での熱源温水に対する低温水の混合状態を、流量調整弁の開閉制御で調整することが可能となり、例えば低温水を上水相当の圧力状態に維持する構成で、熱源温水側の圧力を利用して良好な運転状態を確保できる。
一方、熱源温水循環ラインと低温水供給ラインとの圧力関係を問題としない構成としては、以下の構成を採用できる。
即ち、前記給湯水の給湯圧を検出する給湯圧検出手段を設け、検出される前記給湯圧に従って、前記混合部において混合される前記低温水の量を調整する流量調整弁を設けるのである。
本願に係る温水熱源給湯システムでは、例えば、混合部から低温水の混合を行わない状態においては、給湯消費に従って、給湯圧(払い出し部から給湯出口に到るまでの圧力)が下がることとなる。従って、戸別温水循環手段内に関して、この状態をみると、給湯消費に従って、戸別温水循環手段内の温水量が低下する。この状態は給湯圧を見ることで検出可能であるため、給湯圧検出手段を設けるとともに、この手段の検出結果に基づいて、例えば、給湯圧の減少分に見合う分の低温水の供給を混合部より行うのである。この時、蓄熱材の蓄熱を利用することで、低温水は給湯温度まで十分昇温可能である。
即ち、戸別温水循環手段内へ低温水の供給は、流量調整弁の制御設定で適宜可能であるため、熱源温水循環ラインと低温水循環ラインとの圧力状態に係らず、給湯需要に見合った戸別温水循環手段内への供給水量の制御により、系を良好な運転状態に維持できる。
さらに、戸別温水循環手段に、戸別温水循環手段内の温水を戻り部に送る温水ポンプを備えることが好ましい。
このように温水ポンプを備えることで、戸別温水循環手段における、熱源温水循環ラインからの熱源温水の取り出し、同ラインへの戻しをスムーズに行うことができる。さらに、熱源温水の熱源温水循環ラインにおける循環駆動を、各戸に備えた温水ポンプで補助することとなるため、同ラインにおける熱源温水の循環を良好に維持できる。また、熱源温水循環ラインの延長を充分確保できる。
さらに、これまで説明してきた構成において、
前記蓄熱貯湯タンクが成層型貯湯タンクであるとともに、前記成層型貯湯タンクの成層水上部に位置する高温水を吸引して前記払い出し部へ送る前記温水ポンプを備えることが好ましい。
蓄熱貯湯タンクを成層型とすることで、払い出し部側へ送る温水を充分温度の高いものとでき、鉛直配設の貯湯槽に対して、槽内高部からの高温水の取り出しを良好に行える。
また、前記蓄熱貯湯タンクが、前記熱源温水の温度と前記低温水の温度との間の温度で相変化を伴って蓄熱若しくは放熱可能な蓄熱部を備えることが好ましい。このようにすることで、蓄熱貯湯タンクにおける蓄熱量を高く確保できる。
さて、熱需要家内の熱負荷機器に供給する熱負荷用温水が、前記蓄熱貯湯タンク内に導入された前記熱源温水により加温可能に構成されていると、風呂追い焚き回路、暖房温水回路等を備えた熱負荷用温水の加温を、熱源温水を使用して行うことができ、追い焚き機能を備えることとなる。
以上は、主には、各戸内における構成に関するが、本願にあっては、熱源温水循環ライン内を流れる熱源温水が、払い出し部から払い出されて給湯水として使用され、結果的に熱源温水の循環量が低下する。
さらに、本願システムにあっては、熱源温水の温度を確保するとともに、適切な循環流量が確保される必要がある。
そこで、熱源温水循環ラインを循環する熱源温水を貯湯する熱源温水貯湯タンクを備えるとともに、この熱源温水を循環するための熱源温水循環ポンプを備え、
熱源温水循環ラインを経て熱源温水貯湯タンクに戻ってくる戻り温水の温水温度及び量に応じて、熱源温水貯湯タンクから前記熱源温水循環ラインへ送り出す送出量を前記熱源温水循環ポンプの動作(例えば回転数)で制御することが好ましい。
この場合、戻り温水の温度が低下していたり、量が減少していた場合、熱需要家側への熱供給量不足状態であるため、回転数を増加させる。逆の場合は減少させる。
このようにすることで、熱需要家側での熱需要・温水需要に見合った熱源温水の循環供給を確保できる。
さらに、熱源温水循環ライン内に水を補給可能な補給部を備えることが好ましい。このようにすることで、ライン内で不足する水量を補うことが可能となる。
さらに具体的には、熱源温水循環ラインを循環する熱源温水を貯湯する熱源温水貯湯タンクを備え、この熱源温水貯湯タンクに戻ってくる戻り温水の量に応じて、前記補給部から補給する水量を制御することとすることで、熱需要家側で消費された量に依存する戻り温水の量から、補給量を決定して適切な補給を実行できる。
この場合の制御は、戻り量が少い場合に補給量を多くし、多い場合に少なくすることとなる。
また、前記低温水が、前記複数の熱需要家に対して設けられるコジェネレーション設備により発生する排熱により予熱された予熱水であることが好ましい。この場合、排熱まで有効に利用できる。
さて、以上説明してきた構成において、本願システムにおける熱供給量は以下の通りとなる。
模擬条件は以下の条件に従うものとする。
熱源温水関係
熱源温水貯湯タンクからの払い出し熱源温水温度:85℃
熱源温水貯湯タンクへの戻り熱源温水温度 :60℃
低温水関係
低温水温度 :20℃
両水の消費量関係
両水合わせて64リットル/minで循環されており、その内90%が低温水で賄われ、残り10%が熱源温水によるとする。
このような条件における供給熱量は、((85−20)×64×0.9+(85−60)×64×0.1)×60/860=272KWとなり、従来方式の約2.5(272/111)倍となる。
これまで説明してきた温水熱源給湯システムにあっては、熱源温水循環ラインに設けられる取り込み部と戻り部との形成手法に関しては、何も述べなかったが、両部位を下記構成を有する配管部材で行うことが、好ましい。
即ち、前記熱源温水循環ラインに、それぞれ接続される一対の循環ライン側接続部と、当該接続部間に前記熱源温水循環ラインからの熱源温水の取り込みを行う取り込み配管と、戻しを行う戻り配管とが一体形成され、
温水熱源循環ラインへの連結状態で、熱源温水循環ライン内を流れる熱源温水を取り込み蓄熱貯湯タンクに送る熱源温水取り込み部と、蓄熱貯湯タンクから戻る貯湯水を熱源温水循環ラインに戻す戻り部とを、一体形成可能な配管部材を使用することで、この配管部材を熱源温水循環ラインに接続するだけの操作で、本願に係る温水熱源給湯システムを実現できる熱源温水循環ラインと蓄熱貯湯タンクとの接続を簡易に行うことができる。
以下、図面に基づいて、本願に係る温水熱源給湯システム1に関して説明する。
第一実施の形態
図1は、システム全体の概略構成を示す図面であり、図2は、熱需要家である各戸2に備えられる温水熱源給湯装置3の構成及び熱源温水循環ライン4及び低温水供給ライン5との接続構成を示したものである。
図1に示すように、このシステム1は複数の給湯対象である各戸2を対象とする設備であり、図1は20戸を対象とする例を示している。後に詳細に図2に基づいて説明するように、各戸2においては、例えば40〜60℃といった温度の給湯が可能とされるとともに、各戸2に備えられる風呂追い焚き回路6a、暖房温水回路6b等の循環型の熱循環回路6内を流れる熱負荷用温水を加温可能に構成されている。
このシステム1にあっては、その熱源は、上記複数の各戸(熱需要家)2を対象として設けられる熱源装置としてのコジェネレーション設備7である。この種の設備7としては、分散型エネルギー供給機器としての、マイクロガスエンジン、燃料電池、マイクロガスタービンを挙げることができる。
1 温水熱源給湯システムの全体構成
図1に示す例は、20戸の家庭に対して単一の熱源装置7を設備したものであり、この熱源装置7が発生する熱により発生される熱源温水を貯湯する熱源温水貯湯タンク8を備えている。この熱源温水貯湯タンク8は、10戸毎に2群に分割された戸群に対して夫々設けられる熱源温水循環ライン4と接続されている。
それぞれの熱源温水循環ライン4には、熱源温水循環ポンプ9が、その循環基端部4aに備えられ、各戸2側を一巡した後、戻り部4bを介して熱源温水貯湯タンク8に戻るように構成されている。ここで、熱源温水の送り出し温度は75〜85℃程度であり、戻り温度は60℃程度である。
同図に示すように、熱源温水循環ライン4と各戸2内(具体的には、本願にいう温水熱源給湯装置3)では、熱源温水若しくは、これに低温水が混合された混合水が、温水熱源給湯装置3に備えられる蓄熱貯湯タンク10(図2参照)を介して、逆流することなく流れる往路11a及び復路11bで接続されている。
上記熱源温水循環ポンプ9の運転制御に関して述べると、図1に示すように、熱源温水循環ライン4を経て熱源温水貯湯タンク8に戻ってくる戻り温水の温水温度及び量に応じて、熱源温水貯湯タンク8から熱源温水循環ライン4へ送り出す送出量を、熱源温水循環ポンプ9の回転数で制御するように構成されている。図1に各熱源温水循環ライン4の戻り側から熱源温水循環ポンプ9への温水温度及び量の取り込みラインを一点鎖線で示した。熱源温水循環ライン4を流れる熱源温水の圧力は、200〜800kPaに設定されている。
さて、本願にあっては、後述するように、各戸2に備えられる熱源温水給湯装置3の構成上、熱源温水の一部が給湯用に使用されるため、熱源温水循環ライン4内に水を補給する必要が生じる。そこで、図1に示すように、低温水供給ライン5と熱源温水循環ライン4とを接続する接続路12を設け、低温水を補給可能な補給部13が備えられている。
この補給は、昇圧機構13aを介した後の低温水が流れる接続路12に設けられる流量制御弁13bの開閉調整によるものとされており、補給量を制御するために、熱源温水貯湯タンク8に戻ってくる戻り温水の量に応じて、補給部13から補給する低温水の量を制御する。図1に示す例では、熱源温水貯湯タンク8内における貯湯水の液面高さに応じて、その戻り量を推定し、ポンプ駆動が標準状態とされる状況における液面高さを一定水準に保つべく構成されている。
図1に示すように、前記熱源装置7に対して、補助機14として、その排ガス及び外気から熱回収を行うヒートポンプが備えられている。このヒートポンプ14によって回収される熱により、前記熱源温水に加温することが可能になっているとともに、熱源温水貯湯タンク8に対して備えられる予熱水タンク15内の予熱水を予熱可能に構成されている。
この予熱水タンク15には、5〜25℃の上水が補給されるように構成されており、予熱水タンク15の下手側に設けられる低温水供給ライン5より各戸2に20〜25℃の予熱水を供給可能に構成されている。この予熱水の供給は予熱水供給ポンプ16の作動によるものとされ、同図に示されるように、この予熱水の供給圧は熱源温水の圧力より低い、150〜200kPaの範囲に選択されている。図1に示されるように、この低圧水供給ライン5は下流側で各戸2に分岐されており、給湯等の用に供される構成が採用されている。
2 各戸内の構成 1
図2は、本願に係る温水熱源給湯システム1における各戸2の構成を示したものである。
同図は、左側から低温水供給ライン5、熱源温水循環ライン4を示しており、各戸2内の温水熱源給湯装置3を示している。同図右側には各戸2内のユーティリティである、給湯水の出口17、熱負荷用温水の循環回路(風呂追い焚き回路6a、暖房温水回路6b)を示している。
前記温水熱源給湯装置3は、その主要機器として蓄熱貯湯タンク10を備えて構成されている。この蓄熱貯湯タンク10は、図2に示すように2重筒構成のものであり、外郭に蓄熱材hcが収納された円筒状の蓄熱部10aを備えている。
さらに、外筒内に形成される外筒流路10bは、鉛直方向上から下に向かって筒内水が流れるように構成されており、内筒内に形成される貯湯路10cは、鉛直方向下から上に向かって貯湯水が貯湯されるように構成されている。従って、この蓄熱貯湯タンク10は成層型のものであり、貯湯路10cの上部から温水を得ることができる。
図示するように、前記外筒流路10bはタンク底部10dにおいて貯湯路10cに接続されており、蓄熱部10aの蓄熱をも利用することで外筒流路10bにおいて生成される所定温度の温水を貯湯路10cに溜め込む構成を有している。この貯湯路10cは、外筒流路10bに対する容積関係(前者が後者の数倍〜数十倍ある)からも、貯湯タンク若しくは貯湯槽としての役割を果たす。
上記構成を採用することで、蓄熱部10a内に収納されている蓄熱材hcと外筒流路10bを流れる温水(熱源温水あるいは混合水)が熱交換可能になっている。この蓄熱材hcは、熱源温水の温度と低温水の温度との中間にある温度で固相と液相との間で相変化を起こす潜熱蓄熱材であり、例えば、熱源温水がそのまま外筒流路10bに導入された場合は蓄熱可能であり、蓄熱状態で外筒流路10bに蓄熱材hcの温度より低温の温水が流れた場合は放熱可能である。
図2に示すように、外筒流路10bの上部位置に上段側から順に、暖房温水回路6bを構成する螺旋管であるコイル熱交換器18と、風呂追い焚き回路6aを構成する螺旋管であるコイル熱交換器18が備えられている。この構成から、コイル熱交換器18の外側に熱源温水を流すことで、これら回路6a,6b内を流れる温水を加温可能である。
前記外筒流路10bの上端であるタンク入口10eは、熱源温水循環ライン4に接続されている。この接続路が先に説明した往路11aであり、本願にあっては往路11aの基端部を取り込み部19と呼ぶ。
前記貯湯路10cの上端であるタンク出口10fも、熱源温水循環ライン4に接続されている。この接続路が先に説明して復路11bであり、本願にあっては復路11bの先端部を戻り部20と呼ぶ。
前記取り込み部19と戻り部20との位置関係は、前者19が後者20に対して熱源温水の流れ方向で上流側とされている。上記の各戸2内を介する流通路に対して、図2に示すように、両部間を所定の流路抵抗を有するバイパス路21で接続する構成が採用されている。
取り込み部19から戻り部20までの温水の移流に関しては、先に説明した熱源温水循環ポンプ9と、温水熱源給湯装置3個々に備えられる温水ポンプ10gがこれを受持つ構成が採用されている。
即ち、本願にあっては、熱源温水循環ライン4より熱源温水を蓄熱貯湯タンク10に取り込み、熱源温水の取り込み部19より循環ライン下流側の戻り部20に、蓄熱貯湯タンク10から貯湯水の一部又は全部を戻す戸別温水循環手段Lが備えられているのである。
以下、本願温水熱源給湯システム1における、前記戸別温水循環手段Lに対して設けられている本願独特の構成に関して詳細に説明する。
図2に示すように、往路11aに、低温水供給ライン5から供給される低温水を混合可能な混合部22を設けるとともに、復路11bのタンク出口10fと戻り部20との間に給湯水を払い出すための払い出し部23を設けている。
図2に示すように、前記往路11aには、取り込み部19側から順に、開閉弁24、流量調整弁25を備えるとともに、この流量調整弁25とタンク入口10eとの間に前記混合部22が設けられている。この混合部22には、前記低温水供給ライン5から開閉弁24、逆止弁26を介して低温水が流入する構成が採用されている。
先に述べたように、このシステム1にあっては、熱源温水循環ライン4を流れる熱源温水の圧力が低温水供給ライン5を流れる低温水の圧力より高く設定されていることにより、流量調整弁25の調整で、蓄熱貯湯タンク10側へ送り込む熱源温水と低温水の量比を調整することが可能となり、蓄熱貯湯タンク10からタンク出口10fより貯湯水を取り出すことで、結果的に払い出し部23より取り出される温水の温度を調整可能となっている。
上記構成から外筒流路10bに流入する温水の温度が制御されるが、この温水の温度と蓄熱部10a内に存する蓄熱材hcの温度との関係から、流入温水を加温すること、蓄熱材hcに蓄熱させることも可能となる。
図2に示すように、前記流量調整弁25は、タンク入口10eにおける温水の温度とタンク底部10dの温水の温度に従って、その開度を調整され、貯湯水の温度が所望の温度となるように構成されている。
前記復路11bには、タンク出口10f側から温水ポンプ10g、逆止弁26、開閉弁24が備えられる戻り部20に接続される構成が採用されている。前記払い出し部23は温水ポンプ10gと逆止弁26との間に設けられている。
この払い出し部23の給湯水出口17に至る下流側には、給湯温検知器29、さらに止水栓30が介装されている。
給湯温検知器29は、別途、低温水供給ライン5に接続されており、検知される給湯温度に従って、払い出された温水に低温水を混合することで、所望の温度の給湯水を出口側で得ることができる。
前記温水ポンプ10gは、給湯水出口17、風呂追い焚き回路6a、暖房温水回路6bさらには蓄熱・放熱信号に従って生成される温水ポンプ制御信号Sに従って、起動・停止される。さらに、運転はフィードバック構成が採用されており、復路を流れる温水の温度及び流量を見て、両者を適切なものとすべく運転される。
以上が、所定の地域あるいはマンション等の集合住宅を対象とする本願に係る温水熱源給湯システム1の構成であるが、熱需要家である各戸2に設置される温水熱源給湯装置3は以下の構成を取ることとなる。
即ち、温水熱源給湯装置3は、蓄熱部10aを備えた蓄熱貯湯タンク10を備え、熱源温水循環ライン4からの熱源温水を蓄熱貯湯タンク10に取り込むとともに、熱源温水の取り込み部19より循環ライン下流側の戻り部20に、蓄熱貯湯タンク10から貯湯水の一部又は全部を戻す戸別温水循環手段Lを設け、熱源温水の取り込み部19と蓄熱貯湯タンク10との間に、低温水供給ライン5から供給される低温水の混合部22を設けるとともに、蓄熱貯湯タンク10と戻り部20との間に給湯水の払い出し用の払い出し部23を設け、蓄熱部10aと、蓄熱貯湯タンク10内を流れる熱源温水、若しくは熱源温水と低温水との混合水とが熱交換可能に構成され、混合部22と取り込み部19との間に流量調整弁25を設け、戸別温水循環手段Lに、当該戸別温水循環手段L内の温水を戻り部20に送る温水ポンプ10gを備えた構成となっている。
以下に上記温水熱源給湯装置3の作動状態を、蓄熱運転状態、放熱運転状態、給湯運転状態、熱負荷運転状態の順に説明する。
1 蓄熱運転状態
この状態は、例えば深夜時間帯等の、給湯、熱負荷需要が無い時間帯に、蓄熱部10aに備えられる蓄熱材hcへの蓄熱を目的として行う運転状態である。
この運転状態にあっては、往路11aに設けられる流量調整弁25を全開又は全開に近い状態とし、温水ポンプ10gを可動状態とする。
この動作状態では、蓄熱貯湯タンク10の外筒流路10bを熱源温水が流れ、蓄熱部10aでの蓄熱を完了することができる。
2 放熱運転状態
この状態は、基本的に所望の温度の給湯水を得るために実行される運転状態であり、蓄熱状態にある蓄熱部10aから熱を外筒流路10b内に流れる水に与えて、蓄熱を有効利用する運転状態である。
この運転状態にあっては、往路11aに設けられる流量調整弁25は、得たい給湯水の温度等に従って開度調整された状態とされ、温水ポンプ10gは停止する。但し、この状態で、蓄熱された熱を回収利用する目的から、蓄熱材hcの温度に対して外筒流路10b内を流れる混合水の温度が低くなるように流量調整され、貯湯水となる状態で、所望の温度となるように運転制御される。結果、この動作状態で、所望の温度の貯湯水を得ることができる。
2−1 給湯運転状態
給湯に際しては、給湯温は別途指定により特定されている。そして、止水栓30を開栓することで、給湯水の払い出しが可能となる。
この時、基本的には先に説明した放熱運転状態に装置3を維持し、蓄熱部10aから熱を回収しながら、払い出し部23から所定の温水を払い出す。細かな温度調整は、給湯温度検出器29で検出された温度に基づいて給湯温度調整弁31により低温水の供給量を調整して行う。又、蓄熱部10aの放熱を終えた後には、貯湯路10cの下部に設けられるタンク底部10dに於ける下部温水温度が給湯指定温度以下にならないように熱源温水を取り込み、良好な給湯状態を保つ。
結果、所望の温度の給湯水を出口で得ることができる。
2−2 熱負荷運転状態
熱負荷運転とは、風呂追い焚き、暖房温水の再加熱を行う運転状態であるが、この状態にあっては、再加熱を迅速に行う要請から、流量調整弁25を全開又は前開に近い状態として、温水ポンプ10gを作動する。
この運転動作では、タンク入口10eの近傍に配設されるコイル熱交換器18の外側を
熱源温水が流れる運転状態が実現し、追い焚き、再加熱を良好に行うことができる。
第二実施の形態
以上が、図2に示す構成を採用した場合の運転説明であるが、蓄熱材hcとの熱交換をさらに効率的なものとするとともに、低温水供給ライン5からの低温水の取込構成を工夫した実施形態を以下に示す。
この例の特徴は、図2に示す例にあっては、蓄熱貯湯タンク10が2重筒構成を取り、その外径側に蓄熱部10aが設けられていたのに対して、本実施形態では、図4に示すように、先の実施形態における外筒流路10bも、コイル熱交換器180の内部流路として構成し、先の実施形態で外筒流路として使用されてきた、内筒1001と外筒1002との間に形成されていた空間を有底とするとともに、その空間を蓄熱材hcが充填される蓄熱部100aとしたことにある。
従って、この例では、蓄熱部100a内に3つの螺旋管であるコイル熱交換器181,181,180が配設される。
図3は、システム全体の概略構成を示す図面であり、図4は、熱需要家である各戸2に備えられる温水熱源給湯装置300の構成及び熱源温水循環ライン4及び低温水供給ライン5との接続構成を示したものである。
図3に示すように、このシステム1は複数の給湯対象である各戸2を対象とする設備であり、100戸を対象とする例を示している。後に詳細に図4に基づいて説明するように、各戸2においては、例えば40〜60℃といった温度の給湯が可能とされるとともに、各戸2に備えられる風呂追い焚き回路6a、暖房温水回路6b等の循環型の熱循環回路6内を流れる熱負荷用温水を加温可能に構成されている。
このシステム1にあっても、その熱源は、上記複数の各戸(熱需要家)2を対象として設けられる熱源装置としてのコジェネレーション設備7である。この種の設備7は、分散型エネルギー供給機器としての、燃料電池、マイクロガスエンジン、マイクロガスタービンを挙げることができる。
1 温水熱源給湯システムの全体構成
図3に示す例は、100戸の家庭に対して単一の熱源装置を設備したものであり、この熱源装置7が発生する熱により発生される熱源温水を貯湯する熱源温水貯湯タンク8を備えている。この熱源温水貯湯タンク8は、50戸毎に2群に分割された戸群に対して夫々設けられる熱源温水循環ライン4と接続されている。
それぞれの熱源温水循環ライン4には、熱源温水循環ポンプ9が、その循環基端部4aに備えられ、各戸2側を一巡した後、戻り部4bを介して熱源温水貯湯タンク8に戻るように構成されている。ここで、熱源温水の送り出し温度は75〜85℃程度であり、戻り温度は60℃程度である。
同図に示すように、熱源温水循環ライン4と各戸2内(具体的には、温水熱源給湯装置300)では、熱源温水若しくは、これに低温水が混合された混合水が、温水熱源給湯装置300に備えられる蓄熱貯湯タンク100(図4参照)を介して、逆流することなく流れる往路11a及び復路11bで接続されている。
上記熱源温水循環ポンプ9の運転制御に関して述べると、図3に示すように、熱源温水循環ライン4を経て熱源温水貯湯タンク8に戻ってくる戻り温水の温水温度及び量に応じて、熱源温水貯湯タンク8から熱源温水循環ライン4へ送り出す送出量を、熱源温水循環ポンプ9の回転数で制御するように構成されている。図4に各熱源温水循環ライン4の戻り側から熱源温水循環ポンプ9への温水温度及び量の取り込みラインを一点鎖線で示した。熱源温水循環ライン4を流れる熱源温水の圧力は、200〜800kPaに設定されている。
さて、各戸2に備えられる温水熱源給湯装置300の構成上、熱源温水の一部が給湯用に使用されるため、熱源温水循環ライン4内に水を補給する必要が生じる。そこで、図3に示すように、低温水供給ライン5と熱源温水貯湯タンク8の下部とを接続する接続管120が備えられている。
この接続管120により、温水熱源貯湯タンク8の温水が給湯需要に応じて減少しても自動的に補給することが可能である。
熱源装置7に導入される温水130は、熱源温水循環ライン4の戻り温水(60℃前後)であり、給湯に利用されて流量が減る。そこで、熱源温水貯湯タンク8の底部より20〜25℃の予熱水が補給され、熱源装置7に導入される。
この導入される温水130は、流量制御弁130bで、導入温水温度に応じて水量が制御され、熱源装置7から75〜85℃の温水を回収できる。
図3に示すように、前記熱源装置7に対して、補助機14として、その排ガス及び外気から熱回収を行うヒートポンプが備えられている。このヒートポンプ14によって回収される熱により、前記熱源温水に加温することが可能になっているとともに、熱源温水貯湯タンク8に対して備えられる予熱水タンク15内の予熱水を予熱可能に構成されている。
この予熱水タンク15には、5〜25℃の上水が補給されるように構成されており、予熱水タンク15の下手側に設けられる低温水供給ライン5より各戸2に20〜25℃の予熱水を供給可能に構成されている。この予熱水の供給は予熱水供給ポンプ16の作動によるものとされ、同図に示されるように、この予熱水の供給圧は熱源温水の圧力より低い、150〜200kPaの範囲に選択されている。図3に示されるように、この低圧水供給ライン5は下流側で各戸2に分岐されており、給湯等の用に供される構成が採用されている。
2 各戸内の構成
図4には、左側から低温水供給ライン5、熱源温水循環ライン4を示しており、各戸2内の温水熱源給湯装置300を示している。同図右側には各戸2内のユーティリティである、給湯水の出口17、熱負荷温水の循環回路(風呂追い焚き回路6a、暖房温水回路6b)を示している。
温水熱源給湯装置300は、その主要機器として蓄熱部100aを備えた蓄熱貯湯タンク100を備えて構成されている。
図4に示すように、蓄熱貯湯タンク100は、2重筒構造が採用されており、内筒1001内には貯湯槽として働く貯湯タンク100cが収納されている。そして、内筒1001と外筒1002との間の空間は有底に構成されており、蓄熱材hcが収納される蓄熱部100aとされている。この蓄熱部100a(蓄熱材収納空間)内には、3種の螺旋管であるコイル熱交換器181,181,180が配設されるとともに、蓄熱材hc間及び蓄熱材hcとコイル熱交換器181,181,180内を流れる流体との間に於ける熱循環を良好なものとすべく、コイルに当接して設けられる薄板100pに植設された多数のアルミ製フィン100b(図5参照:ここで、図5(a)は図4と同様な縦断面図を示し、図5(b)は水平方向の横断面図を示す)配設されている。このフィンを伝熱フィンと称する。
このような伝熱フィンとしては、フィン間ピッチを1〜3mm、フィンの高さ(薄板100pからフィン先端までの長さ)を10〜25mm、周方向におけるフィンの厚みを0.1〜0.2mmとすることで、充分な伝熱性能を実現することができる。
図示するように、コイル熱交換器181,181,180は、蓄熱貯湯タンク100の径方向で、蓄熱部100aのほぼ中央部位に上下方向に配設されており、蓄熱材hcはコイル熱交換器181,181,180の径方向両側に位置するように構成されている。この構造を採用することにより、コイル熱交換器181,181,180と前記貯湯タンク100cとの間にも、蓄熱材hcの層が介装される構造が採用されている。コイル熱交換器181、181、180は、内部を流体が流れる可撓性の管材をコイル状に巻き重ねて形成したものであり、本願の場合、銅製の管材を採用している。
さて、これら3つのコイル熱交換器181、181、180に関して、前記貯湯タンク100cに接続される第一コイル熱交換器180(このコイル熱交換器には、熱源温水、低温水或いはこれらの混合水が流れるが、残り2つのコイル熱交換器181と区別するため熱源温水熱交換器と呼ぶ)は、蓄熱貯湯タンク100の上下方向、底部から天部まで全上下方向領域に亘って螺旋を成して配設されている。
一方、残り2つの第二コイル熱交換器181、181(このコイル熱交換器を熱負荷水熱交換器と呼ぶ)は、前記熱源温水熱交換器180のコイル間に上下方向で熱負荷水熱交換器181のコイルが挟まれるように、配設されている。
また、蓄熱貯湯タンク100の外側には断熱保温材層hsが備えられており、外界との断熱が図られている。
熱源温水熱交換器180にあっては、その内部水は蓄熱部100a内を鉛直方向下から上に温水が流れるように配設されており、貯湯タンク100cの天面に設けられた貯湯タンク入口100eから内部へ内部水が流入するように構成されている。貯湯タンク100c内にあっては、その天面側から底面に向けて貯湯水が流れる。
さらに、図4からも判明するように、熱源温水熱交換器180は、先ず、貯湯タンク100cの底面下側部位で中心側から外側に遷移しながら螺旋を成す底部180aと、前記蓄熱部100a内を上方向に螺旋を成しながら上昇する上昇部180bと、貯湯タンク100cの天面外部位置で外側から中心側に遷移しながら螺旋を成す天部180cとを有して構成されている。
図示するように、この熱源温水熱交換器180内を流れてきた流体は、貯湯タンク100cの天面中心部位100eで、貯湯タンク100c内に流入する構成が採用されている。結果、この貯湯タンク100cは、蓄熱部100aの蓄熱をも利用することで熱源温水熱交換器180において生成される所定温度の温水を貯湯タンク100cに溜め込むことが可能となっている。そして、貯湯タンク100cの下部から温水を取り出すことができる。
図5に示すように、蓄熱部100aには、概略、コイルを包むように、ほぼ横方向に多数のアルミ製の熱交換用フィン100bが設けられており、多数のフィン100bを設けることによりこの部内における熱移動は良好に維持される。このフィン100bは、コイルに当接する薄板100pに植設された構成とされており、薄板100pを介して熱的にコイルに接続される。結果、この蓄熱部100a内に鉛直方向に配設されている全てのコイル熱交換器181,181,180内を流れる流体と、内部に収納されている蓄熱材hcとの間において、熱交換が迅速且つ十分に行われるように構成されている。
さらに、先にも示したように、この例における蓄熱部100aは有底の蓄熱材収容空間とされており、その使用状態にあっては、図4に示すように、貯湯タンク100cの上部にも蓄熱材hcを充填した状態で使用する。この部位には、熱源温水熱交換器180の天部180cが配設されていることから、この熱源温水熱交換器180内を流れる流体と蓄熱材hcとの間における熱交換を良好に実行し、例えば、固化状態にある蓄熱材hcを熱源温水の有する熱で迅速に溶解させることができ、蓄熱材hcの固化・溶解に伴う体積変化を良好に吸収できる。
図4に、濃度を変えて示すように、蓄熱部100a内には3つのコイル熱交換器181,181,180が配設されているが、先に説明した熱源温水熱交換器180を成す熱源温水コイル(最濃色の丸で示す)と、熱負荷水熱交換器181を成す熱負荷水コイル(白丸及び淡い灰丸で示す)は、上下方向で交互に配設されている。
この構成から熱源温水の有する熱は、熱源温水熱交換器180と熱負荷水熱交換器181が接触して伝導するとともに、フィンブロックに取り付けられた薄板100pを介して、回路6a,6b内を流れる温水を加温することが可能となる。さらに、この加温過程で、熱源温水の温度が蓄熱材hcの温度より下がる場合は、蓄熱材hcからも熱が回路6a,6b内を流れる温水に供給される。図示する例にあっては、白丸で示す熱負荷水コイル181が風呂追い炊き用であり、淡い灰丸で示す熱負荷水コイル181が暖房用である。
2つの熱負荷水熱交換器181の配置に関して説明すると、蓄熱部100aの下側から順に、暖房温水回路6bを構成する熱負荷水熱交換器181と、風呂追い焚き回路6aを構成する熱負荷水熱交換器181が備えられている。この構成から、熱源温水の有する熱を利用して、蓄熱材hcを介してこれら回路6a,6b内を流れる温水を加温することが可能となる。
熱源温水熱交換器180の流入部は、熱源温水循環ライン4に接続されている。この接続路が先に説明した往路11aであり、往路11aの基端部を取り込み部19と呼んでいる。
前記貯湯タンク100cの下端である貯湯タンク出口100fも、熱源温水循環ライン4に接続されている。この接続路が先に説明して復路11bであり、復路11bの先端部を戻り部20と呼んでいる。
これら取り込み部19と戻り部20との位置関係は、前者19が後者20に対して熱源温水の流れ方向で上流側とされている。
取り込み部19、戻り部20の詳細構造を示したのが図6である。同図は、両部位19、20を単一のT型配管部材200で実現していることを示している。
このT型配管部材200は、熱源温水循環ライン4に、それぞれ接続される一対の循環ライン側接続部201,201(図6の上下方向で対を成している)と、この接続部201,201間に熱源温水循環ライン4からの熱源温水の取り込みを行う取り込み配管202と、戻しを行う戻り配管203とが一体形成されている。
取り込み配管202は直管とされており、戻り配管203は直管部203aに、この直管203aとは直交する方向に延出する分岐管部203bを備えて構成されている。一体化状態の取り込み配管202と戻り配管203とは、図6に示すように、一対の接続部201をつなぐ直線流路内に一部進入した構成とされており、その流路において、絞りとしての役割も果たせるように構成されている。従って、この進入の程度を調整することで、熱源温水循環ライン4内を流れる熱源温水に与える抵抗を調整することができる。
同図からも明らかなように、図6において、前記取り込み配管202の循環ライン側端部202eは、循環ライン4を流れる熱源温水を良好に取り込めるように、流れ下手側程、ライン内に進入する端面構成が採用されている。即ち、図6において右下がりの端面を有している。
一方、前記戻り配管203の循環ライン側端部203eは、この配管203に戻ってくる温水を良好に循環ライン4に合流させるように、流れ上手側ほど、ライン内に進入する構成が採用されている。即ち、図6において右上がりの端面を有している。
従って、この例では、単一のT型配管部材200を熱源温水循環ライン4に装着することで、熱源温水の取り込み及び戻しが可能となる。
取り込み部19から戻り部20までの温水の移流に関しては、熱源温水循環ポンプ9と、温水熱源給湯装置3個々に備えられる温水ポンプ10gがこれを受持つ。この温水ポンプ10gは、貯湯タンク100cの下側に設けられている。
熱源温水循環ライン4より熱源温水を蓄熱貯湯タンク300に取り込み、熱源温水の取り込み部19より循環ライン下流側の戻り部20に、蓄熱貯湯タンク300から貯湯水の一部又は全部を戻す戸別温水循環手段Lが形成される。
図4に示すように、往路11aには、低温水供給ライン5から供給される低温水を混合可能な混合部22が設けられるとともに、復路11bの貯湯タンク出口100fと戻り部20との間に給湯水を払い出すための払い出し部23が設けられている。
図4に示すように、混合部22には、給湯時において前記低温水供給ライン5から逆止弁36、流量調整弁MV2を介して低温水が流入する構造が採用されている。給湯の初期においては貯湯水や蓄熱材hcは十分に低温水より温度が高いため、流量調整弁MV3からの低温水で給湯温度T6となるように、流量調整弁MV2とMV3の開度が調整される。往路11aに設けられる流量調整弁MV1は、給湯時において常に全閉状態となる。流量調整弁MV2からの低温水の貯湯タンク100cへの導入を続けると、時間の経過とともに貯湯タンク100cの温度も下がるので、流量調整弁MV3を閉じるとともに、流量調整弁MV4の開度を調整して、給湯温度T6を制御する。本発明によれば、貯湯水や蓄熱材hcをほぼ熱源温水循環ライン4を流れる温水温度から低温温水供給ライン5を流れる低温温水温度の温度差に応じた蓄熱量を有効に利用することができる。
さらに、熱負荷温水の循環回路(風呂追い炊き回路6a、暖房温水回路6b)には、ポンプP3,P2が設けられているが、これらポンプP3,P2は、それぞれ、各回路6a,6bの戻り温水の温度に従って、その循環量を設定するように構成されており、回路に求められる温度を維持するように構成されている。
以下に上記温水熱源給湯装置300の作動状態を、蓄熱運転状態、放熱運転状態、給湯運転状態、熱負荷運転状態の順に説明する。
1 蓄熱運転状態
この状態は、例えば深夜時間帯等の、給湯、熱負荷需要が無い時間帯に、蓄熱部100aに備えられる蓄熱材hcへの蓄熱を目的として行う運転状態である。
この運転状態にあっては、往路11aに設けられる流量調整弁MV1と流量調整弁MV4を全開又は全開に近い状態とし、温水ポンプ10gを可動状態とする。この時、流量調整弁MV2,MV3は閉状態とする。
この動作状態では、蓄熱貯湯タンク100の熱源温水熱交換器180内を熱源温水が流れ、蓄熱部100aでの蓄熱を完了することができる。
2 放熱運転状態
この状態は、基本的に所望の温度の給水を得るために実行される運転状態であり、蓄熱状態にある蓄熱部100aから熱を熱源温水熱交換器180内に流れる温水に与え、蓄熱を有効利用する運転状態である。
この運転状態にあっては、往路11aに設けられる流量調整弁MV1は、得たい暖房水6aや風呂追い炊き水6aの温度等に従って開度調整又は閉状態とされる。
2−1 給湯運転状態
給湯に際しては、給湯温は別途指定により特定されている。そして、止水栓30を開栓することで、給湯水の払い出しが可能となる。
この時、出湯流量を検知して、基本的に流量調整弁MV1を閉、蓄熱中なら温水ポンプ10gを停止する。そして、流量調整弁MV4、MV2を給湯温度に応じて開とし指定により特定された給湯温度より高い温水を得る。そして、この貯湯水を払い出し部23から給湯出口17側へ払い出す。細かな出湯温度制御を低温水の混合を行える流量調整弁MV3の開度調整で行う。時間の経過とともに、貯湯タンク出口100fの温度が下がるので、流量調整弁MV3を閉じるとともに、流量調整弁MV4の開度を調整して給湯温度T6を制御する。さらに、貯湯タンク出口100fにおける温度が過度に低下した場合(蓄熱を使い果たした状況)には、流量調整弁MV1の開度調整により、熱源温水と低温水との混合比を調整し、所定の給湯を続行する。
結果、所望の温度の給湯水を給湯に供することができる。
2−2 風呂追い炊き運転状態
この運転状態にあっては、風呂追い炊き回路6a内に備えられる循環ポンプP3を運転するとともに、風呂追い炊き回路6aの戻り温水温度の昇温速度が所定値以下であることを条件として、温水ポンプ10gを運転する。このようにすることで、蓄熱部100aに蓄熱された熱を有効に利用できる。蓄熱を消費した後(この状況が発生する確率はかなり低い)は、熱源温水との熱交換により、風呂追い炊きを行える。
2−3 暖房運転状態
この運転状態にあっては、暖房温水回路6b内に備えられる循環ポンプP2を運転するとともに、温水ポンプ10gを運転する。そして、暖房温水回路6bの戻り温水温度が所定値になるように、温水ポンプ10gの運転・運転停止を制御することで、良好な暖房運転状態を実現できる。蓄熱を消費した後(この状況が発生する確率はかなり低い)は、熱源温水との熱交換により、風呂追い炊きを行える。
第三実施の形態
上記の第二実施の形態を踏襲しながら、更なるコンパクト化を図ったのが、第三実施の形態である。図7、図8は、この例の構成を示すものであり、図7は図4に相等する縦断面図を、図8は、この例における蓄熱貯湯タンク330の天部330bに設けられている分配管群301の構成(実線で示す)と、蓄熱貯湯タンク330の底部330aに設けられている分配管群302の構成(破線で示す)を示したものである。
従って、温水熱源供給システム1の全体構造は、図3に示す構造を踏襲する。
この実施の形態においても、基本的には2重筒構造の蓄熱貯湯タンク330を有する構成が採用されており、内筒1001と外筒1002との間に設けられる有底の空間が、蓄熱材hcが配設される蓄熱部100aとされている。そして、この蓄熱部100a内に3種のコイル熱交換器181,181,180が配設されている。
但し、この例にあっては、先の例に示すような、貯湯路(貯湯槽)は設けられておらず、蓄熱部100aと、蓄熱部100a内に収納されているコイル熱交換器181,181,180が、実質的な貯湯機能を果たすとともに、所望の温度の温水を供給する。従って、基本的に蓄熱材hcに蓄熱される熱を最大限、有効に利用して、給湯及び熱負荷需要に対応できる構成としている。
図7に示すように、この例にあっても、蓄熱貯湯タンク330の動作制御に係る流体制御機器(流量制御弁MV1、MV2,MV3,MV4,逆止弁36、ポンプ10g、P2,P3、温度T5、T6の検出器、圧力Pの検出器、給湯量F1の検出器)は、蓄熱貯湯タンク330の下側に纏めて配設されている。
これら流体制御機器に繋がる配管系等は、内筒1001内の空間を利用して、蓄熱貯湯タンク330の底部330aから天部330bに先ず配策される。そして、3種のコイル熱交換器のコイルに対する分配管群302、301が、蓄熱貯湯タンク330の天部330b及び底部330aに設けられている。また、この例では、温水ポンプ10gは、流量調整弁MV1の下手側近傍(実質的な貯湯路である熱源温水熱交換器180の上手側)に設けられている。
また、図7に示すように、内筒1001、外筒1002間に設けられる蓄熱部は、径方向に4層のフィン層500を備えて構成されており、内筒1001側から第1フィン層500a、熱源温水熱交換器180と暖房温水回路6bに接続される熱負荷水熱交換器181が備えられる内側温水路層600a、第2フィン層500b、熱源温水熱交換器180と風呂追い炊き回路6aに接続される熱負荷水熱交換器181が備えられる外側温水路層600b、第3フィン層500c、第4フィン層500dを備えて構成されている。
以下、熱源温水、低温水若しくはそれらの混合水が流れる熱源温水熱交換器180に繋がる流路、暖房温水回路6bに接続される熱負荷水熱交換器181に繋がる流路、風呂追い炊き回路6aに接続される熱負荷水熱交換器181に繋がる流路に関して順に説明する。
熱源温水、低温水若しくはそれらの混合水が流れる流路
図7に示すように、この流路は、内筒1001内に設けられた上昇管LUを介して、タンクの底部330aから天部330bに上昇してきた流れが、図8に示すように、天部330bにおいてT字型とされる分配配管LS1を介して内側温水流路層600a及び外側温水流路層600bに導かれる。これら両流路層600a,600bには、それぞれ、熱源温水熱交換器180が備えられており、そのコイルを、天部330b側から底部330a側に内部水が流下する。この構成を採用することにより、内部水と、蓄熱材hc及び熱負荷水熱交換器18内を流れる内部水との間で、熱交換が可能な構成が採用されている。
さて、蓄熱貯湯タンク330の底部330aにおいて、流路は、径方向外側に導かれる構成が採用されており、第4フィン層500dに対応する底部330a部位に導かれる。この部位には、第4フィン層500dを上下方向鉛直に貫く一対の上昇管LUが設けられており、この上昇管LUを介して、天部330bまで導かれる。そして、天部330bにおいてT時型とされる出口側の合流管LM1を介して、内筒1001内に導かれ、内筒1001内に設けられた下降管LDにより、蓄熱貯湯タンク330の底部330aに導かれる構成とされている。
暖房温水回路に接続される熱負荷水熱交換器に繋がる流路
図8に示すように、内筒1001内を上昇してきた流れは、蓄熱貯湯タンク330の天部330bにおいて、径方向に設けられた案内管LG1を介して内筒1001内部位から第4フィン層500dまで導かれる。この第4フィン層500d部位には、鉛直方向に配設される下降管LDが設けられており、流れは、天部330bから底部330aに一旦導かれる。そして、図7に示すように、底部330aに設けられた案内管LG2により第4フィン層500dから内側温水流路層600aに導かれる。
この内側温水流路層600aには、暖房温水回路6bを成す熱負荷水熱交換器181が備えられ、この熱交換器181を介して、底部330aから天部330bに螺旋状に流れが移流される。先にも示したように、内側温水流路層600aには、熱源温水熱交換器180も設けられているため、対向流状態で、両者間181,180及び蓄熱材hcとの間で熱交換が可能となっている。
図8に示すように、天部330bに到達した流れは、内側温水流路層600aから内筒1001内に到る案内管LG3によりタンク中央側に案内され、以降、下降して蓄熱貯湯タンク330外へ内部水が供給されることとなる。
風呂追い炊き回路に接続される熱負荷水熱交換器に繋がる流路
この流路の構成は、先に示した暖房温水の構成と基本的には同様であるが、暖房温水が内側温水流路600aを介して上昇されたのに対して、この場合は、外側温水流路600bを介して上昇される。
さらに詳細に説明すると、図8に示すように、内筒1001内を上昇してきた流れは、蓄熱貯湯タンク330の天部330bにおいて、径方向に設けられた案内管LG4を介して内筒1001内部位から第4フィン層500dまで導かれる。この第4フィン層500d部位には、鉛直方向に配設される下降管LDが設けられており、流れは、天部330bから底部330aに一旦導かれる。そして、底部330aに設けられた案内管LG5により第4フィン層500dから外側温水流路層600bに導かれる。この外側温水流路層600bには、風呂追い炊き回路6aを成す熱負荷水熱交換器181が備えられ、この熱交換器181を介して、底部330aから天部330bに螺旋状に流れが移流される。先にも示したように、外側温水流路層600bにも、熱源温水熱交換器180も設けられているため、対向流状態で、両者181,180間及び蓄熱材hcとの間で熱交換が可能となっている。そして、天部330bに到達した流れは、外側温水流路層600bから内筒1001内に到る案内管LG6によりタンク中央側に案内され、以降、下降して蓄熱貯湯タンク330外へ内部水が供給される。
この第三実施の形態にあっても、蓄熱貯湯タンク330の底部330aに設けられる流体制御機器及び配管の接続系統は、第二実施の形態と同様である。また、蓄熱、給湯、風呂追い炊き時及び暖房運転時の運転制御も第二実施の形態と同様である。
第二、第三の実施形態における各戸別の課金方法に関して説明すると、熱源温水の取り込み、戻しを各戸毎に検出するのは、困難が伴うため、給湯量を検出する給湯量F1の検出結果と、熱負荷水の循環に使用される熱負荷水循環ポンプP2,P3の運転時間とに基づいて、各戸別の課金量を決定することができる。
〔別実施の形態〕
以下、本願の別実施の形態に関して説明する。
1 上記の実施の形態にあっては、低温水供給ラインを介して各熱需要家に供給される低温水を予熱水としたが、予熱を行うことなく5〜25℃程度の温度域にある上水をそのまま低温水として供給するものとしてもよい。
2 上記の実施の形態にあっては、補助機としてヒートポンプを使用する例を示したが、この補助機は熱源装置から発生する排ガス等が有する排ガスが有する熱を回収できる機器であれば如何なる機器であってもよい。
3 熱源温水ラインに補給する水に関しては、本願のように予熱水とするほか、低温水供給ラインとは別系統で得られる水としてもよい。
複数の熱需要家に対して熱源温水を所定のラインで循環させ、前記熱源温水が保有する熱を有効に利用して、エネルギーの有効利用を図れ、設備コストが低くできるとともに施工性の高い温水熱源給湯システムを得ることができた。
本願に係る温水熱源給湯システムの全体構成を示す図 各戸に備えられる温水熱源給湯装置の構成を示す図 第二実施の形態の温水熱源給湯システムの全体構成を示す図 温水熱源給湯装置の別構成を示す図 蓄熱部の詳細構成を示す図 熱源温水の取り込み及び戻しが可能な配管部材の断面構成を示す図 温水熱源給湯装置の別構成を示す図 第三実施の形態の配管系等を示す図
符号の説明
1 温水熱源給湯システム
2 戸
3 温水熱源給湯装置
4 熱源温水循環ライン
5 低温水供給ライン
6 熱循環回路
6a 風呂追い焚き回路
6b 暖房温水回路
7 コジェネレーション設備(熱源装置)
10 蓄熱貯湯タンク
10a 蓄熱部
10b 外筒流路
10c 貯湯路
10g 温水ポンプ
19 取り込み部
20 戻り部
22 混合部
23 払い出し部
25 流量調整弁
L 戸別温水循環手段

Claims (17)

  1. 複数の熱需要家に対して、熱源温水が循環する熱源温水循環ラインと、前記熱源温水より低温の低温水を供給する低温水供給ラインとを設け、蓄熱部を備えた蓄熱貯湯タンクを前記熱需要家に設けるとともに、
    前記熱源温水循環ラインより熱源温水を前記蓄熱貯湯タンクに取り込み、前記熱源温水の取り込み部より循環ライン下流側の戻り部に、前記蓄熱貯湯タンクから貯湯水の一部又は全部を戻す戸別温水循環手段を設け、
    前記熱源温水の取り込み部と前記蓄熱貯湯タンクとの間に、前記低温水供給ラインから供給される前記低温水を混合可能な混合部を設けるとともに、前記蓄熱貯湯タンクと前記戻り部との間に給湯水払い出し用の払い出し部を設け、
    前記蓄熱部が、前記蓄熱貯湯タンク内を流れる前記熱源温水、若しくは熱源温水と低温水との混合水と熱交換可能に構成され、前記払い出し部より給湯水の供給が可能な温水熱源給湯システム。
  2. 前記熱源温水循環ラインを流れる熱源温水の圧力が、前記低温水供給ラインを流れる低温水の圧力より高く設定され、
    前記混合部と前記取り込み部との間に流量調整弁を設け、前記流量調整弁の調整により、前記払い出し部における前記給湯水の温度を設定する請求項1記載の温水熱源給湯システム。
  3. 前記給湯水の給湯圧を検出する給湯圧検出手段を設け、検出される前記給湯圧に従って前記混合部において混合される前記低温水の量を調整する流量調整弁を設けた請求項1又は2記載の温水熱源給湯システム。
  4. 前記戸別温水循環手段に、前記戸別温水循環手段内の温水を前記戻り部に送る温水ポンプを備えた請求項1〜3のいずれか1項記載の温水熱源給湯システム。
  5. 前記蓄熱貯湯タンクが成層型貯湯タンクであるとともに、前記成層型貯湯タンクの成層水上部に位置する高温水を吸引して前記払い出し部へ送る前記温水ポンプを備える請求項4記載の温水熱源給湯システム。
  6. 前記蓄熱貯湯タンクが、前記熱源温水の温度と前記低温水の温度との間の温度で相変化を伴って蓄熱若しくは放熱可能な蓄熱部を備えた請求項1〜5のいずれか1項記載の温水熱源給湯システム。
  7. 熱需要家内の熱負荷機器に供給する熱負荷用温水が、前記蓄熱貯湯タンク内に導入された前記熱源温水により加温可能に構成されている請求項1〜6のいずれか1項記載の温水熱源給湯システム。
  8. 前記熱源温水循環ラインを循環する前記熱源温水を貯湯する熱源温水貯湯タンクを備えるとともに、前記熱源温水を循環するための熱源温水循環ポンプを備え、
    前記熱源温水循環ラインを経て前記熱源温水貯湯タンクに戻ってくる戻り温水の温水温度及び量に応じて、前記熱源温水貯湯タンクから前記熱源温水循環ラインへ送り出す送出量を前記熱源温水循環ポンプの動作で制御する請求項1〜7のいずれか1項記載の温水熱源給湯システム。
  9. 前記熱源温水循環ライン内に水を補給可能な補給部を備える請求項1〜8のいずれか1項記載の温水熱源給湯システム。
  10. 前記熱源温水循環ラインを循環する前記熱源温水を貯湯する熱源温水貯湯タンクを備え、
    前記熱源温水貯湯タンクに戻ってくる戻り温水の量に応じて、前記補給部から補給する水量を制御する請求項9記載の温水熱源給湯システム。
  11. 前記低温水が、前記複数の熱需要家に対して設けられるコジェネレーション設備により発生する排熱により予熱された予熱水である請求項1〜10のいずれか1項記載の温水熱源給湯システム。
  12. 蓄熱部を備えた蓄熱貯湯タンクを備え、
    熱源温水循環ラインからの熱源温水を前記蓄熱貯湯タンクに取り込むとともに、前記熱源温水の取り込み部より循環ライン下流側の戻り部に、前記蓄熱貯湯タンクから貯湯水の一部又は全部を戻す戸別温水循環手段を設け、
    前記熱源温水の取り込み部と前記蓄熱貯湯タンクとの間に、低温水供給ラインから供給される低温水の混合部を設けるとともに、前記蓄熱貯湯タンクと前記戻り部との間に給湯水の払い出し用の払い出し部を設け、
    前記蓄熱部と、前記蓄熱貯湯タンク内を流れる前記熱源温水、若しくは熱源温水と低温水との混合水とが熱交換可能に構成され、
    前記混合部と前記取り込み部との間に流量調整弁を設けるとともに、
    前記戸別温水循環手段に、当該戸別温水循環手段内の温水を前記戻り部に送る温水ポンプを備えた温水熱源給湯装置。
  13. 前記蓄熱貯湯タンクが成層型貯湯タンクであるとともに、前記蓄熱貯湯タンクの成層水上部に位置する高温水を吸引して前記払い出し部へ送る前記温水ポンプを備える請求項12記載の温水熱源給湯装置。
  14. 前記蓄熱貯湯タンクに、前記熱源温水の温度と前記低温水の温度との間の温度で相変化を伴って蓄熱若しくは放熱可能な蓄熱部を備えた請求項12又は13記載の温水熱源給湯装置。
  15. 熱源温水が循環する熱源温水循環ラインと、前記熱源温水より低温の低温水を供給する低温水供給ラインとを、複数の熱需要家に対して設け、
    蓄熱部を備えた蓄熱貯湯タンクを前記熱需要家に設け、
    前記熱源温水循環ラインより熱源温水を前記蓄熱貯湯タンクに取り込み、前記熱源温水の取り込み部より循環ライン下流側の戻り部に、前記蓄熱貯湯タンクから貯湯水の一部又は全部を戻す温水熱源給湯方法であって、
    前記熱源温水の取り込み部と前記蓄熱貯湯タンクとの間おいて、前記低温水供給ラインから供給される前記低温水を混合し、生成される混合水と前記蓄熱部との間で熱交換させて前記熱需要家への給湯水を得る温水熱源給湯方法。
  16. 前記熱源温水を直接前記蓄熱貯湯タンクに流して、前記蓄熱部に蓄熱させる請求項15記載の温水熱源給湯方法。
  17. 請求項1〜11のいずれか1項に記載の温水熱源給湯システムに使用される配管部材であって、
    前記熱源温水循環ラインに、それぞれ接続される一対の循環ライン側接続部と、当該接続部間に前記熱源温水循環ラインからの熱源温水の取り込みを行う取り込み配管と、戻しを行う戻り配管とが一体形成され、
    前記熱源温水循環ラインへの連結状態で、前記熱源温水循環ライン内を流れる前記熱源温水を取り込み前記蓄熱貯湯タンクに送る取り込み部と、前記蓄熱貯湯タンクから戻る前記貯湯水を前記熱源温水循環ラインに戻す戻り部とを一体形成可能な配管部材。
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