JP4889195B2 - ガスバリア性透明樹脂基板、ガスバリア性透明樹脂基板を用いたフレキシブル表示素子、およびガスバリア性透明樹脂基板の製造方法 - Google Patents

ガスバリア性透明樹脂基板、ガスバリア性透明樹脂基板を用いたフレキシブル表示素子、およびガスバリア性透明樹脂基板の製造方法 Download PDF

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本発明は、液晶表示素子やエレクトロルミネッセンス表示素子、電気泳動方式表示素子、トナー表示素子などの電子ペーパーやフィルム型太陽電池に用いられるガスバリア性透明樹脂基板に関する。具体的には、非晶質の酸化スズ系透明酸化物膜を成膜することで、表面平滑性に優れてガスバリア性を高めた透明樹脂基板およびその製造方法に関する。
プラスチック基板やフィルム基板の表面に酸化珪素や酸化アルミニウム等の金属酸化物膜を覆ったガスバリア性フィルム(透明樹脂基板)は、水蒸気や酸素などのガスの遮断が必要な食品や薬品などの変質を防止する目的の包装用途に用いられてきた。また、電子機器の分野でも、たとえば、液晶表示素子や太陽電池、エレクトロルミネッセンス(EL)表示素子等のフレキシブル表示素子に利用されている。
液晶表示素子やEL表示素子などに利用されているガスバリア性フィルムには、近年、表示素子の展開に合わせて、軽量化、大型化という要求のほか、形状の自由度、曲面表示への適応などの要求も現れてきている。このため、重くて割れやすく大面積化が難しいガラス基板に代わって透明な樹脂フィルム基材の採用が検討されている。
しかし、樹脂フィルム基材は、ガラス基板と比べてガスバリア性が劣るため、水蒸気や酸素が基材を透過して、液晶表示素子やEL表示素子を劣化させてしまうという問題があった。このような問題を克服するために、樹脂フィルム基材上に金属酸化物膜を形成してガスバリア性を高めたフィルム(透明樹脂基板)の開発が行われている。
特公昭53―12953号公報には、プラスチックフィルム上に酸化珪素膜を蒸着形成したガスバリア性フィルムが紹介されており、特開昭58−217344号公報には、酸化アルミニウム膜を形成したガスバリア性フィルムが提案されている。これらのガスバリア性フィルムのガスバリア性能は、モコン法による水蒸気透過率で1g/m2 /日程度と高く、また、フィルム基板の表面平滑性についての記載がない。
また、特開昭64−59791号公報には、ポリエチレンテレフタレートに、In、Sn、ZnおよびTiからなる群より選ばれた少なくとも1種類の金属の金属酸化物を蒸着した防湿フィルムが提案されている。しかし、ここには防湿フィルムの表面平滑性に関する記載や、水蒸気透過率に関する記載がない。
液晶表示素子や有機EL、電子ペーパーなどに利用可能な基板としては、高度の表面平滑性と水蒸気バリア性が求められる。
より高いガスバリア性能を有するフィルム(透明樹脂基板)を実現するためには、金属酸化物のガスバリア膜を緻密に製造することが必要不可欠である。緻密な金属酸化物膜は、一般に、スパッタリング法により容易に製造することができる。
スパッタリング法は、一般に、約10Pa以下のアルゴンガス圧のもとで、樹脂フィルム基板を陽極とし、ターゲットを陰極として、これらの間にグロー放電を起こしてアルゴンプラズマを発生させ、プラズマ中のアルゴン陽イオンを陰極のターゲットに衝突させ、これによってターゲット成分の粒子をはじき飛ばし、該粒子を樹脂フィルム基板上に堆積させて成膜する方法である。樹脂フィルム基板上に堆積するスパッタ粒子は、運動エネルギーを有しているため、樹脂フィルム基板上でマイグレーションが行われて、緻密な膜が形成される。
スパッタリング法は、アルゴンプラズマの発生方法で分類され、高周波プラズマを用いるものは高周波スパッタリング法といい、直流プラズマを用いるものは直流スパッタリング法という。また、ターゲットの裏側にマグネットを配置してアルゴンプラズマをターゲット直上に集中させ、低ガス圧でもアルゴンイオンの衝突効率を上げて成膜する方法をマグネトロンスパッタ法という。
高周波スパッタリング法は、導電性の材料だけではなく、絶縁性や高抵抗のターゲットから絶縁性や高抵抗の膜材料も安定に成膜することが可能である。高周波スパッタリング法では、電力が放電に効率よく導入されるように、通常、高周波電源とターゲットとの間にコイルとコンデンサーで構成されるインピーダンス整合回路を挿入するため、装置コストが高くなってしまう。また、該インピーダンス整合回路をスパッタ条件に応じて制御する必要があるため、高周波スパッタリング法は操作が複雑であり、成膜速度などの再現性で劣る。
一方、直流スパッタリング法は、一般に、導電性のターゲットから導電性の薄膜を形成することが可能であり、絶縁性や高抵抗の膜の成膜では、アーキングが発生しやすくて不向きである。しかし、直流スパッタリング法の方が、高周波スパッタリング方と比べて操作が容易で、成膜速度などの再現性で優れている。したがって、コストおよび制御性の面において有利であり、工業的には広範に用いられている。
また、直流スパッタリング法の中でも、ターゲットに印加する負電圧を周期的に停止し、その間に低い正電圧を印加して正のチャージングを電子により中和するスパッタリング方法(直流パルシング法)もあり、酸素の反応性ガスを用いた反応性スパッタリングにおける絶縁膜(酸化珪素、窒化酸化珪素、酸化チタンなど)のアーキングを抑制しながら成膜することが可能であり、高周波スパッタリング法のようにインピーダンス整合回路を制御する必要がなく、成膜速度が高周波スパッタリング法よりも速いなどの利点がある。
近年、有機ELディスプレイや高精彩カラー液晶ディスプレイの実用化が急がれている。このうち、有機ELディスプレイの場合では、有機EL表示素子に水蒸気が混入すると、陰極層と有機機能層との界面で水分による劣化が著しく、有機機能層と陰極間に剥離が生じて、発光しない部分、すなわちダークスポットが生じるという問題があることが知られている。これらのディスプレイ(フレキシブル表示素子)に使用することができるフィルム(透明樹脂基板)に要求されるガスバリア性能は、モコン法による水蒸気透過率で0.01g/m2 /日程度であると言われている。もちろん、これらのフィルム(透明樹脂基板)に透明性が要求されることはいうまでもない。
水蒸気バリア性能を有する透明樹脂基板として、特開2002―100469号公報に、窒化酸化珪素膜を樹脂フィルム基材に施したものが記載されている。窒化珪素膜は、酸化珪素膜や酸化アルミニウム膜と比べてガスバリア性能が良いが、一般的には着色膜であるため、透明性を必要とするディスプレイ用透明樹脂基板のガスバリア膜として用いることはできない。しかし、窒化珪素の窒素の一部を酸素で置換した窒化酸化珪素は、窒素/酸素の比率が0.1〜2.9において、透明性を有し、かつ、高いレベルのガスバリア性能も維持されていることが記載されている。
一方、液晶ディスプレイや有機ELディスプレイ用の基材に要求されているもう一つの特性は、表面平滑性である。
これらのディスプレイの電極には、表面が平滑で低抵抗な透明導電膜が必要とされるが、特に、有機ELディスプレイ用の電極の場合、その透明導電膜上に有機化合物の薄い(数百nm)多層超膜を形成するため、優れた表面平滑性が要求される。有機EL表示素子は、二つの電極に電子と正孔を流して超薄膜の有機化合物層内で結合させて発光させているが、透明電極膜の表面に微細な突起が存在すると、突起部で集中的に電流が流れてリークしてしまい、発光しなくなってしまうという問題があるからである。
透明電極膜の表面平滑性は、一般に該透明電極膜の結晶性に大きく左右される。同一組成の透明電極膜でも、粒界の存在しない非晶質膜の方が表面平滑性は良好である。当然ながら、透明電極膜の表面平滑性は、透明電極膜自体の結晶性だけでなく、その下の樹脂フィルム基材の表面平滑性にも大きく依存するため、表面平滑な樹脂フィルム基材あるいは透明樹脂基板の上に、非晶質の透明電極膜を形成する必要がある。
前記の金属酸化物膜や金属窒化酸化物膜を形成したガスバリア性の透明フィルム(透明樹脂基板)においても、表面平滑性は不可欠である。透明電極膜側に形成する金属酸化物膜や金属窒化酸化物膜に表面平滑性が要求されるが、スパッタリング法で表面平滑な金属酸化物膜や金属窒化酸化物膜を形成することは難しく、表面平滑性の高い樹脂フィルム基材上に、水蒸気バリア性能が発揮される膜厚(たとえば200nm)の窒化酸化珪素膜を施すと、フィルム(透明樹脂基板)の表面平滑性を大きく損なってしまうという問題があった。
特公昭53―12953号公報 特開昭58−217344号公報 特開昭64−59791号後方 特開2002―100469号公報
本発明の目的は、従来よりも表面平滑性が良好で、透明性も高く、かつ、高いガスバリア性能を持つ透明樹脂基板と、これを用いた透明導電性基板(フレキシブル表示素子)を提供することにある。
本発明のガスバリア性透明樹脂基板は、酸化スズ系の非晶質膜からなる透明酸化物膜が、ガスバリア層として樹脂フィルム基材の少なくとも一方の表面に形成される。本発明において、酸化スズ系の用語は、酸化スズのみの場合も含む。
あるいは、酸化スズ系の非晶質膜からなる透明酸化物膜の上に、酸化珪素膜または窒化酸化珪素膜が形成された二層膜が、ガスバリア層として樹脂フィルム基材の少なくとも一方の表面に形成される。
前記酸化スズ系の非晶質膜は、酸化スズと、シリコン、ゲルマニウム、アルミニウム、セリウムおよびインジウムからなる群から選ばれる少なくとも1種類の添加元素とからなり、添加元素とスズの総和に対して0〜45原子%の割合で添加元素を含んだものであり、前記添加元素がその機能を発揮するためには、0.2〜45原子%の割合で含まれていることが好ましい。
特に、本発明のガスバリア性透明樹脂基板において、前記酸化スズ系の非晶質膜からなる透明酸化物膜、または、該酸化スズ系の非晶質膜の上に酸化珪素膜または窒化酸化珪素膜が形成された二層膜からなる、ガスバリア層の表面の中心線平均表面粗さRaが、1.5nm以下であることを特徴とする。
また、JIS規格のK7129法に従って測定されたモコン法による水蒸気透過率が、0.01g/m2 /日未満であることが望ましい。
さらに、前記のいずれかに記載のガスバリア性透明樹脂基板のガスバリア層表面に、200Ω/□以下の表面抵抗を有する透明電極膜を形成することもできる。また、前記透明電極膜の表面の中心線平均表面粗さRaは1.8nm以下であることが望ましい。当該透明電極膜は、酸化インジウムを主成分として、スズ、タングステン、亜鉛、シリコンおよびゲルマニウムからなる群から選ばれる少なくとも1種類の元素を含み、非晶質構造である。
また、これらの表面平滑性と防湿性に優れたガスバリア性透明樹脂基板を用いたフレキシブル表示素子は、発光特性に優れたものであり、表示素子としては、液晶表示素子、有機または無機EL表示素子、電気泳動式表示素子、トナー表示素子などの電子ペーパーが含まれる。
本発明のガスバリア性透明樹脂基板の製造方法では、前記酸化スズのみからなる非晶質膜を製造するにあたり、酸化スズ焼結体を原料として、酸素量が4%以上5%以下であるアルゴンガス中で、直流パルシング法を利用したスパッタリング法を用いることにより、その表面の中心線平均表面粗さRaが1.5nm以下である、非晶質で表面平滑性およびガスバリア性に優れた酸化スズ膜が形成できる。
また、本発明の他の態様では、前記酸化スズ系の非晶質膜を製造するにあたり、酸化スズと、シリコン、ゲルマニウム、アルミニウム、セリウムおよびインジウムからなる群から選ばれる少なくとも1種類の添加元素とからなり、添加元素とスズの総和に対して0.2〜45原子%の割合で添加元素を含んでいる酸化スズ系焼結体を原料として、酸素量が3%以上5%以下であるアルゴンガス中で、直流パルシング法を利用したスパッタリング法を用いることにより、同様に、その表面の中心線平均表面粗さRaが1.5nm以下である、非晶質で表面平滑性およびガスバリア性に優れた酸化スズ系膜が形成できる
前記酸化スズ系焼結体が、添加元素とスズの総和に対して0.2〜45原子%の割合で添加元素を含んでいることが望ましい。
本発明により、防湿性と表面平滑性に優れた透明酸化物膜を提供することができた。得られた透明酸化物膜を利用して、ガスバリア性透明樹脂基板を形成することができ、該ガスバリア性透明樹脂基板を利用して、液晶表示素子、エレクトロルミネッセンス表示素子、電気泳動方式表示素子、トナー表示素子などの電子ペーパーを作製することができる。従って、本発明は、工業的に極めて価値が高い。
本発明者は、前記課題を克服することを目的に検討を行い、酸化スズに、シリコン、ゲルマニウム、アルミニウム、セリウムおよびインジウムからなる群から選ばれる少なくとも1種類の添加元素が含まれる非晶質構造の透明酸化物膜では、防湿性と表面平滑性のいずれにも優れていることを見出し、この透明酸化物膜を利用してガスバリア性透明樹脂基板を形成することができ、このガスバリア性透明樹脂基板を用いて液晶表示素子やエレクトロルミネッセンス(EL)表示素子、電気泳動方式表示素子、トナー表示素子などの電子ペーパーを作製できることを確認し、本発明に至った。
本発明の酸化スズ系の非晶質膜は、酸化スズに、シリコン、ゲルマニウム、アルミニウム、セリウムおよびインジウムからなる群から選ばれる少なくとも1種類の添加元素が、添加元素とスズの総和に対して0〜45原子%、好ましくは0.2〜45原子%の割合で含まれていて、非晶質構造を有している。
また、本発明のガスバリア性透明樹脂基板は、樹脂フィルム基板の少なくとも一方の表面に非晶質酸化スズ系膜が形成されたものである。さらにその上に、窒化酸化珪素膜が形成された構造とすることができる。
ここで、非晶質膜としては、不純物を含まない酸化スズ膜でも良いが、前記のシリコン、ゲルマニウム、チタン、アルミニウム、セリウムおよびインジウムからなる群から選ばれる少なくとも1種類の添加元素を含む酸化スズ系膜の方が、非晶質膜構造が得やすいため好ましい。その添加元素の割合は、前記のとおり、添加元素とスズの総和に対して0.2〜45原子%の割合であることが好ましい。0.2原子%よりも少ないと、不純物を含まない酸化スズ膜と同様に、膜が非晶質化しにくくなり、結晶化しやすいことから表面平滑性も劣化しやすくなる。
また、45原子%を超えた割合で前記添加元素を含む酸化スズ膜をスパッタリング法で製造する場合、45原子%を超えた割合で前記添加元素を含む酸化スズ焼結体のスパッタリングターゲットを用いる必要があるが、簡便な直流放電や直流パルシング法を用いた直流放電による膜形成が困難になるため、好ましくない。これは、添加元素が45原子%を超えると酸化スズ焼結体中の抵抗が上がることと、添加元素の酸化物相や添加元素とスズとで形成される化合物相の高抵抗物質の存在割合が増えて、通常の直流放電や直流パルシング法の直流放電が困難になるからである。しかし、前記添加元素が45原子%を超えた場合でも、高周波放電による膜形成で成膜することができ、得られた膜は十分なガスバリア性を示す。
樹脂フィルム基材としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン―2、6―ナフタレート、ポリカーボネイト、ポリサルフォン、ポリエーテルサルフォン、ポリアリレート、フッ素樹脂、ポリプロピレン、ポリイミド樹脂およびエポキシ樹脂が使用できる。樹脂フィルム基材の厚さは、特に制限はないが、0.05mm〜1mmであることが好ましい。
前記樹脂フィルム基材は、無機膜が内部に挿入されていてもかまわなく、前記樹脂フィルム基材の表面には、アクリル系などの別の樹脂がコートされていてもかまわない。なお、発光層からの発光を、樹脂フィルム基材の方から取り出す場合においては、樹脂フィルム基材の可視光領域での光線透過率は、70%以上であることが望ましい。
発明者の詳細な実験によると、非晶質の酸化スズ系膜は、優れたガスバリア性能を有する。しかし、高いガスバリア性を発揮するには、非晶質構造が必要不可欠である。結晶質膜であると結晶粒界が存在し、結晶粒界を介してガスが透過するため、ガスバリア性能は低いからである。
発明者による実験から、酸化スズ系膜として、不純物を含まない酸化スズ膜は、スパッタリング法の作製条件、特にスパッタ中の酸素混合量を最適化することによってガスバリア性に優れた非晶質の膜が得られることがわかった。また、スパッタリング法で作製する場合、酸化スズに、シリコン、ゲルマニウム、チタン、アルミニウム、セリウムおよびインジウムからなる群から選ばれる少なくとも1種類の添加元素を、添加元素とスズの総和に対して0.2〜45原子%の割合で含ませると、幅広い成膜条件において非晶質構造となりやすいことから、好ましい。
なお、前記の非晶質の酸化スズ系膜は、可視光領域の透明性が良好である。
上記のような添加元素の含有割合である酸化スズ系の非晶質膜を得るためには、スパッタリングターゲットの原料となる酸化物焼結体において、酸化スズに、シリコン、ゲルマニウム、アルミニウム、セリウムおよびインジウムからなる群から選ばれる少なくとも1種類の添加元素を、添加元素とスズの総和に対して0〜45原子%、好ましくは0.2〜45原子%の割合で含有させるように規制すればよい。この酸化物焼結体を原料として、スパッタリング法によって成膜する。
酸化スズ膜、あるいは、酸化スズ系膜を形成するには、特に、直流パルシング法を利用したスパッタリング法を用いることが好ましい。直流パルシング法によるスパッタリング成膜を行うための電源として、たとえば、ENI社製のRPGシリーズ、アドバンスエナジー社製のMDX−SparcシリーズとPinnacleシリーズが利用できるが、これらに限定されているわけではない。直流パルシング法を用いたスパッタリング法により、非晶質で表面平滑性およびガスバリア性に優れた酸化スズ膜、あるいは酸化スズ系膜が形成できるため、ガスバリア性透明樹脂基板を製造することができる。
一方、スパッタリング法で作製した窒化酸化珪素膜は、膜厚が増加すると表面凹凸が大きくなる。そのため、有機ELディスプレイなどに使用できるようなガスバリア性を有する十分な膜厚(例えば200nm)の窒化酸化珪素膜をスパッタリングで形成すると、表面の凹凸が激しくなる。したがって、非晶質の酸化スズ系膜を下地に形成することによって、その上に形成する窒化酸化珪素膜の膜厚を小さくすることができるため、表面の平滑なガスバリア性透明樹脂基板を実現することができる。
非晶質の酸化スズ系膜は、耐酸性に優れているため、酸化スズ系膜のみを樹脂フィルム基材の表面に覆ったガスバリア性透明樹脂基板は、さらにその表面に形成された透明電極を酸でエッチング加工しても腐食せず、該透明樹脂基板の透過率やガスバリア性を維持することができる。本発明の非晶質の酸化スズ系膜表面に、窒化酸化珪素膜や酸化珪素膜で覆った構造のガスバリア性透明樹脂基板についても同様であり、さらにその表面に形成した透明電極膜を酸でエッチング加工しても腐食せず、該透明樹脂基板の透過率やガスバリア性を維持することができる。
また、前記ガスバリア層として、酸化スズ系非晶質膜の透明酸化物膜、あるいは、さらにその上に酸化珪素膜または窒化酸化珪素膜が形成された二層膜においては、層の表面の中心線平均表面粗さRaが1.5nm以下であることが好ましい。表面の中心線平均表面粗さRaが1.5nmよりも大きいと、該ガスバリア層を有するガスバリア性透明樹脂基板に透明電極膜を形成したとき、表面に微細な突起が存在しており、突起部で集中的に電流が流れてリークする場合があるため、好ましくない。前記膜表面の中心線平均表面粗さRaは、原子間力顕微鏡(たとえば、デジタルインスツルメンツ社製)によって測定でき、膜表面の1μm×1μm領域の中心線平均粗さRaである。
さらには、本発明のガスバリア性透明樹脂基板は、JIS規格のK7129法に従って測定されたモコン法による水蒸気透過率が、0.01g/m2 /日未満である。水蒸気透過率が0.01g/m2 /日以上であると、有機ELディスプレイや高精彩カラー液晶ディスプレイにおいて、水蒸気が混入され、内部の有機機能層等の界面で水分による劣化が起こり、剥離等が生じてしまい、ディスプレイ用途に使用することが難しい。
本発明において、前記ガスバリア性透明樹脂基板上に、表面抵抗200Ω/□以下の透明電極を形成する場合、透明電極膜は、低抵抗で表面の平滑な非晶質構造が好ましい。有機ELや液晶などに利用するためには透明導電膜の表面の中心線平均表面粗さRaが1.8nm以下であることが好ましい。中心線平均表面粗さRaは、原子間力顕微鏡によって測定でき、膜表面の1μm×1μm領域の中心線平均粗さである。たとえば、透明電極膜には、酸化インジウムを主成分として、スズ、タングステン、亜鉛、シリコンおよびゲルマニウムからなる群から選ばれる少なくとも1種類の元素が含まれていると、低温スパッタ成膜で、非晶質の低抵抗(8×10-4Ωcm以下)の透明電極膜が形成可能であり、好ましい。非晶質の透明電極膜であれば、電極表面の平滑性が良好であるため、有機ELディスプレイ等の薄膜の発光セル用の電極に利用することが可能である。透明電極膜の表面の平滑性は、言うまでもなく、下地の透明樹脂基板の表面凹凸にも影響されるため、本発明で示した構造の表面平滑なガスバリア性透明樹脂基板上に透明電極膜を形成することが好ましい。
本発明のガスバリア性透明樹脂基板を用いて、たとえばフレキシブル表示素子の一つであるフレキシブル有機EL表示素子を形成することができる。
たとえば、真空蒸着法で、正孔輸送層としてα―ナフチルフェニルジアミン(α―NPDという)を、前記条件にて厚さ50nm形成したのち、発光層としてトリス(8−キノリノール)アルミニウム(Alqという)を、厚さ80nmで順次、同条件にて蒸着する。Alqは、電子輸送層の役目も兼ねる。次に、マグネシウム―銀合金を、それぞれ独立のボートより同時に蒸着し、陰極を形成できる。このとき、マグネシウムの蒸着速度と銀の蒸着速度とが、それぞれ毎秒1.0nm、0.2nmとなるように、前記膜厚制御装置によって制御し、膜厚は200nm程度とすればよい。蒸着時にメタルマスクを用い、2mm幅の帯状パターンを透明電極膜の帯状パターンと直交する方向に形成し、陰極とする。最後に、透明電極膜の表面を覆うように、酸化珪素を200nmの厚さにスパッタして保護膜とすれば、有機EL表示素子を得ることができる。このようなフレキシブル有機EL表示素子は、本発明の表面平滑性とガスバリア性に優れたガスバリア性透明樹脂基板を用いているため、防湿性も高く、優れた発光特性を発揮することができる。
電子ペーパーに用いられるフレキシブル表示素子には、液晶表示素子や電気泳動方式表示素子、トナー表示素子などがあるが、何れも表面が平滑で、ガスバリア性に優れたガスバリア性透明樹脂基板が必要であり、本発明のガスバリア性透明樹脂基板を用いて作製したフレキシブル表示素子は、長寿命で耐久性に優れたものが実現できる。
ガスバリア性透明樹脂基板の作製において、6インチφの非磁性体ターゲット用カソードが3種搭載された直流マグネトロンスパッタ装置(トッキ社製SPK503型)を使用した。
第1カソードには、非晶質の透明酸化物膜形成用の酸化スズ系酸化物焼結体スパッタリング用ターゲット(住友金属鉱山製)を取り付け、第2カソードには窒化酸化珪素膜形成用の窒化珪素ターゲット(住友金属鉱山製)を取り付けた。成膜を行う樹脂フィルム基材は、各カソードの対向面に移動して静止させることが可能で、成膜は静止対向で行った。
参考例1、2、実施例3〜9)
非晶質酸化物膜の成膜は、以下の条件で行った。第1カソードに、純粋な酸化スズの酸化物焼結体ターゲット、もしくは酸化スズを主成分としてシリコンを含有する酸化物焼結体ターゲット(シリコンの含有割合が、シリコンとスズの総和に対して0.2〜45原子%)を取り付け、第1カソードの直上に樹脂フィルム基材を配置した。ターゲットと樹脂フィルム基板との距離を60mmとした。
樹脂フィルム基材には、アンダーコート付きのPESフィルム(住友ベークライト製、FST−UCPES、厚さ0.2mm)を用いた。
チャンバ内の真空度が1×10-4Pa以下に達した時点で、純度99.9999質量%のアルゴンガスをチャンバ内に導入してガス圧0.6Paとし、酸素を2〜5%含有させたアルゴンガス中で、直流電源としてENI社製RPG−50を用い、200kHzの直流パルシングを採用した直流電力200Wを、ターゲット−樹脂フィルム基材間に投入して、直流パルシングによるプラズマを発生させ、樹脂フィルム基材上に膜厚100〜200nmの純粋な酸化スズ膜またはシリコンを含有する酸化スズ膜をスパッタリングにより成膜した。膜厚は、成膜時間で制御した。シリコンを含有する酸化スズ膜の場合、酸化スズターゲット中のシリコン含有量を変えることにより、シリコンの含有割合が、シリコンとスズの総和に対して0〜45原子%の割合で変化させた。
膜厚100〜200nmの純粋な酸化スズ膜およびシリコンを含有する酸化スズ膜の結晶性を、X線回折測定し、回折ピークを観察したところ、回折ピークは観察されなかった。また、原子間力顕微鏡(デジタルインスツルメンツ社製、NS−III、D5000システム)によって、膜表面の1μm×1μm領域の中心線平均粗さRaを試料中20ヶ所測定し平均値を求めた。
純粋な酸化スズ膜では、スパッタ成膜中の酸素量が3%以下では、回折ピークは観察されなかったものの、結晶膜と非晶質膜との混合状態となっており、Ra値も5nm以上と高く、表面凹凸の大きい膜であった。しかし、酸素量を4%以上に制御することで、完全な非晶質膜で、Ra値も0.8〜1.5nmと表面平滑性の良い膜が得られた。また、0.2原子%未満のシリコンを含む酸化スズ膜は、純粋な酸化スズ膜と同様の性状を示した。
一方、0.2原子%以上のシリコンを含む酸化スズ膜の場合は、スパッタ中の酸素量が2%以上において、完全に非晶質で表面平滑性に優れていた(Ra値が0.4〜1.5nm)。スパッタ中の酸素量が1.5%以下で作製した酸化スズ膜は結晶膜と非晶質との混合状態となっており、Ra値も4.5nm以上と高く、表面凹凸の大きい膜であった。このことから、酸化スズ膜の表面平滑性は、成膜条件を選択することによって、非晶質で表面平滑性のよい膜が得られるが、0.2原子%以上のシリコンを含有させることによって、広い成膜条件において安定に表面平滑のよい非晶質膜が得られることがわかった。
膜厚100nmの酸化スズの非晶質透明酸化物膜および0.2原子%以上のシリコンを含む酸化スズの非晶質透明酸化物膜を形成したアンダーコート付きPESフィルムの水蒸気透過率を評価した結果を、表1に示す。
表1において、参考例1と参考例2は、純度4Nの酸化スズターゲットを用いて、スパッタ中の酸素量を5%にして作製した完全に非晶質の酸化スズ膜である。また、実施例3〜9は、各々の含有量でシリコンを含む酸化スズターゲットから作製したシリコンを含有する酸化スズ膜であり、スパッタ中の酸素量を3〜5%にして作製した非晶質の膜である。
水蒸気透過率は、モコン法を用い、測定はMOCON社製PERMATRAN―W3/33を用いて、JIS規格のK7129法(温度40℃、湿度90%RH)に基づいて測定した。得られた前記フィルムの水蒸気透過率は、何れもモコン法の測定限界(0.01g/m2/day)未満であり、防湿膜として十分に機能していることがわかった。また、表1には、原子間力顕微鏡によって、膜表面の1μm×1μm領域の中心線平均粗さRaを測定した結果も示した。なお、表1中のRa値は試料中の20ヶ所について測定し、その平均値とした。
Figure 0004889195
表1に示すように、参考例1、2、実施例3〜9の膜はすべて水蒸気透過率が0.01g/m2/日未満であり、モコン法による検出限界未満の水蒸気遮断性を有していた。また、中心線表面粗さRaは1.5nm以下であり、表面平滑性に優れていることがわかった。
参考例1、2、実施例3〜9のガスバリア性透明樹脂基板の波長400〜800nmにおける可視光平均透過率を分光光度計で測定したところ、何れも、85%以上であり、透明性も極めて良好であった。
参考例1、2、実施例3〜9のガスバリア性透明樹脂基板を、アルカリ溶液(5%NaOH、40℃)に5分間浸けたが、透過率に変化はなかった。また、参考例1、2、実施例3〜9のガスバリア性透明樹脂基板を、酸性溶液(15%HCl、40℃)に5分間浸けたが、透過率に変化はなかった。
このように、参考例1、2、実施例3〜9によるガスバリア性透明樹脂基板は、耐アルカリ性および耐酸性に優れており、ガスバリア性透明樹脂基板上に形成した透明電極膜をウエットでパターニング加工する際に、酸とアルカリの溶液中に浸しても、透過率およびガスバリア性などの特性に変化がないことがわかった。
(実施例10)
実施例3〜9と同様の方法で、膜厚100nmのゲルマニウムを含む酸化スズの非晶質膜を、アンダーコート付きのPESフィルム上に形成し、同様の方法で水蒸気透過率と表面平滑性Raを測定した。
ゲルマニウムを含む酸化スズの非晶質膜は、ゲルマニウムを含む酸化スズ焼結体ターゲットから作製した。ターゲット中のゲルマニウム量を変えることによって、非晶質酸化スズ膜層中のゲルマニウム量を変化させた。ターゲット中のゲルマニウムの含有量を、ゲルマニウムとスズの総和に対して0.2〜45原子%の範囲内で変化させることによって、膜中のゲルマニウム含有量が、ゲルマニウムとスズの総和に対して0.2〜45原子%となる透明酸化物膜を作製した。
作製した膜厚100nmの膜に対して、何れの膜も、参考例1、2、実施例3〜9と同じ条件によって測定した中心線平均粗さRaは0.6〜1.3nmであり、モコン法による水蒸気透過率は0.01g/m2/日未満であり、表面平滑性と高い水蒸気バリア性で、高品質のガスバリア性透明樹脂基板が作製できた。
上記のゲルマニウムを含む酸化スズ膜は、スパッタ中の酸素量を3〜5%にして作製しており、幅広い成膜条件において、安定して表面平滑な非晶質膜が得られた。
また、可視光平均透過率を分光光度計で測定したところ、何れも、85%以上であり、透明性も極めて良好であった。実施例10のガスバリア性透明樹脂基板を、アルカリ溶液(5%NaOH、40℃)に5分間浸けたが、透過率に変化はなかった。また、実施例10のガスバリア性透明樹脂基板を、酸性溶液(15%HCl、40℃)に5分間浸けたが、透過率に変化はなかった。
このように、実施例10のガスバリア性透明樹脂基板は、耐アルカリ性および耐酸性に優れており、ガスバリア性透明樹脂基板上に形成した透明電極膜をウエットでパターニング加工する際に、酸とアルカリの溶液中に浸しても、透過率、ガスバリア性などの特性に変化がないことがわかった。
(実施例11)
実施例3〜9と同様の方法で、膜厚100nmのアルミニウムを含む酸化スズの非晶質膜を、アンダーコート付きのPESフィルム上に形成し、同様の方法で水蒸気透過率と表面平滑性Raを測定した。
アルミニウムを含む酸化スズの非晶質膜は、アルミニウムを含む酸化スズ焼結体ターゲットから作製した。ターゲット中のアルミニウム量を変えることによって、非晶質酸化スズ膜層中のアルミニウム量を変化させた。ターゲット中のアルミニウムの含有量を、アルミニウムとスズの総和に対して0.2〜45原子%の範囲内で変化させることによって、膜中のアルミニウム含有量が、アルミニウムとスズの総和に対して0.2〜45原子%となる透明酸化物膜を作製した。
作製した膜厚100nmの膜に対して、何れの膜も、参考例1、2、実施例3〜9と同じ条件によって測定した中心線平均粗さRaは0.6〜1.3nmであり、モコン法による水蒸気透過率は0.01g/m2/日未満であり、表面平滑性と高い水蒸気バリア性で、高品質のガスバリア性透明樹脂基板が作製できた。
上記のアルミニウムを含む酸化スズ膜は、スパッタ中の酸素量を3〜5%にして作製しており、幅広い成膜条件において、安定して表面平滑な非晶質膜が得られた。
また、可視光平均透過率を分光光度計で測定したところ、何れも、85%以上であり、透明性も極めて良好であった。実施例11のガスバリア性透明樹脂基板を、アルカリ溶液(5%NaOH、40℃)に5分間浸けたが、透過率に変化はなかった。また、実施例11のガスバリア性透明樹脂基板を、酸性溶液(15%HCL、40℃)に5分間漬けたが、透過率に変化はなかった。
このように、実施例10のガスバリア性透明樹脂基板は、耐アルカリ性および耐酸性に優れており、ガスバリア性透明樹脂基板上に形成した透明電極膜をウエットでパターニング加工する際に、酸とアルカリの溶液中に浸しても、透過率、ガスバリア性などの特性に変化がないことがわかった。
(実施例12)
実施例3〜9と同様の方法で、膜厚100nmのセリウムを含む酸化スズの非晶質膜を、アンダーコート付きのPESフィルム上に形成し、同様の方法で水蒸気透過率と表面平滑性Raを測定した。
セリウムを含む酸化スズの非晶質膜は、セリウムを含む酸化スズ焼結体ターゲットから作製した。ターゲット中のセリウム量を変えることによって、非晶質酸化スズ膜層中のセリウム量を変化させた。ターゲット中のセリウムの含有量を、セリウムとスズの総和に対して0.2〜45原子%の範囲内で変化させることによって、膜中のセリウム含有量が、セリウムとスズの総和に対して0.2〜45原子%となる透明酸化物膜を作製した。
作製した膜厚100nmの膜に対して、何れの膜も、参考例1、2、実施例3〜9と同じ条件によって測定した中心線平均粗さRaは0.6〜1.3nmであり、モコン法による水蒸気透過率は0.01g/m2/日未満であり、表面平滑性と高い水蒸気バリア性で、高品質のガスバリア性透明樹脂基板が作製できた。
上記のセリウムを含む酸化スズ膜は、スパッタ中の酸素量を3〜5%にして作製しており、幅広い成膜条件において、安定に表面平滑な非晶質膜が得られた。
また、可視光平均透過率を分光光度計で測定したところ、何れも、85%以上であり透明性も極めて良好であった。実施例12のガスバリア性透明樹脂基板を、アルカリ溶液(5%NaOH、40℃)に5分間浸けたが、透過率に変化はなかった。また、実施例12のガスバリア性透明樹脂基板を、酸性溶液(15%HCl、40℃)に5分間漬けたが、透過率に変化はなかった。
このように、実施例12のガスバリア性透明樹脂基板は、耐アルカリ性および耐酸性に優れており、ガスバリア性透明樹脂基板上に形成した透明電極膜をウエットでパターニング加工する際に、酸とアルカリの溶液中に浸しても、透過率、ガスバリア性などの特性に変化がないことがわかった。
(実施例13)
実施例3〜9と同様の方法で、膜厚100nmのインジウムを含む酸化スズの非晶質膜を、アンダーコート付きのPESフィルム上に形成し、同様の方法で水蒸気透過率と表面平滑性Raを測定した。
インジウムを含む非晶質酸化スズ膜は、インジウムを含む酸化スズ焼結体ターゲットから作製した。ターゲット中のインジウム量を変えることによって、非晶質酸化スズ膜層中のインジウム量を変化させた。ターゲット中のインジウムの含有量を、インジウムとスズの総和に対して0.2〜45原子%の範囲内で変化させることによって、膜中のインジウム含有量が、インジウムとスズの総和に対して0.2〜45原子%となる透明酸化物膜を作製した。
作製した膜厚100nmの膜に対して、何れの膜も、参考例1、2、実施例3〜9と同じ条件によって測定した中心線平均粗さRaは0.6〜1.3nmであり、モコン法による水蒸気透過率は、0.01g/m2/日未満であり、表面平滑性と高い水蒸気バリア性で、高品質のガスバリア性透明樹脂基板が作製できた。
上記のインジウムを含む酸化スズ膜は、スパッタ中の酸素量を3〜5%にして作製しており、幅広い成膜条件において、安定して表面平滑な非晶質膜が得られた。
また、可視光平均透過率を分光光度計で測定したところ、何れも85%以上であり、透明性も極めて良好であった。実施例13のガスバリア性透明樹脂基板を、アルカリ溶液(5%NaOH、40℃)に5分間浸けたが、透過率に変化はなかった。また、実施例13のガスバリア性透明樹脂基板を、酸性溶液(15%HCl、40℃)に5分間浸けたが、透過率に変化はなかった。
このように、実施例13のガスバリア性透明樹脂基板は、耐アルカリ性および耐酸性に優れており、ガスバリア性透明樹脂基板上に形成した透明電極をウエットでパターニング加工する際に、酸とアルカリの溶液中に浸しても、透過率、ガスバリア性などの特性に変化がないことがわかった。
(実施例14)
作製された参考例1、2、実施例3〜13の非晶質の透明酸化物膜上に、以下の手順で窒化酸化珪素膜を形成した。すなわち、第2カソードに窒化珪素ターゲットを設置し、第2カソードの直上に、前記参考例1、2、実施例3〜13で得られた透明樹脂基板を配置した。ターゲットと透明樹脂基板との距離は60mmとした。
チャンバ内の真空度が1×10-4Pa以下に達した時点で、純度99.9999質量%のアルゴンガスをチャンバ内に導入して、ガス圧0.6Paとし、酸素を1〜3%含有させたアルゴンガス中で、高周波電力300Wをターゲット−透明樹脂基板間に投入して高周波プラズマを発生させ、非晶質透明酸化物膜上に100nmの窒化酸化珪素膜をスパッタリングにより成膜し、本実施例のガスバリア性透明樹脂基板を得た。膜厚は、成膜時間で制御した。スパッタリングガス中の酸素含有量を変えることにより、膜の組成比O/(O+N)が0.3〜0.95の窒化酸化珪素(SiON)膜が得られことを確認している。膜の組成は、EPMAを用いて測定した。
作製されたガスバリア性透明樹脂基板、すなわち、非晶質の透明酸化物膜と窒化酸化珪素膜を積層させたアンダーコート付きPESフィルムの水蒸気透過率を評価した。水蒸気透過率は、モコン法を用い、測定はMOCON社製PERMATRAN―W3/33を用いて、JIS規格のK7129法(温度40℃、湿度90%RH)に基づいて測定した。得られた前記フィルムの水蒸気透過率は、何れもモコン法の測定限界(0.01g/m2 /日)未満であり、防湿膜として十分に機能していることがわかった。
また、原子間力顕微鏡によって、窒化酸化珪素膜表面の1μm×1μm領域の中心線平均粗さRaを参考例1、2、実施例3〜9と同じ条件によって測定したところ、0.8〜1.5nmであった。また、分光光度計で測定した可視光平均透過率は85%以上であり、透明性も極めて良好であった。
実施例14のガスバリア性透明樹脂基板を、アルカリ溶液(5%NaOH、40℃)に5分間浸けたが、透過率に変化はなかった。また、実施例14のガスバリア性透明樹脂基板を、酸性溶液(15%HCl、40℃)に5分間浸けたが、透過率に変化はなかった。
このように、実施例14のガスバリア性透明樹脂基板は、耐アルカリ性および耐酸性に優れており、ガスバリア性透明樹脂基板上に形成した透明電極膜をウエットでパターニング加工する際に、酸とアルカリの溶液中に浸しても、透過率、ガスバリア性などの特性に変化がないことがわかった。
(実施例15)
作製された参考例1、2、実施例3〜13の非晶質の透明酸化物膜上に、以下の手順で酸化珪素膜を形成した。すなわち、第2カソードにシリコンターゲットを設置し、第2カソードの直上に、前記参考例1、2、実施例3〜13で得られた透明樹脂基板を配置した。ターゲットと透明樹脂基板との距離は60mmとした。
チャンバ内の真空度が1×10-4Pa以下に達した時点で、純度99.9999質量%のアルゴンガスをチャンバ内に導入して、ガス圧0.6Paとし、酸素を10%含有させたアルゴンガス中に、高周波電力300Wをターゲット−透明樹脂基板間に投入して高周波プラズマを発生させ、非晶質の透明酸化物膜上に100nmの酸化珪素膜をスパッタリングにより成膜し、本実施例のガスバリア性透明樹脂基板を得た。膜厚は、成膜時間で制御した。
作製された本実施例のガスバリア性透明樹脂基板、すなわち、非晶質の透明酸化物膜と酸化珪素膜を積層させたアンダーコート付きPESフィルムの水蒸気透過率を評価した。水蒸気透過率は、モコン法を用い、測定はMOCON社製PERMATRAN―W3/33を用いて、JIS規格のK7129法(温度40℃、湿度90%RH)に基づいて測定した。得られた前記フィルムの水蒸気透過率は、何れもモコン法の測定限界(0.01g/m2 /日)未満であり、防湿膜として十分に機能していることがわかった。
また、原子間力顕微鏡によって、窒化酸化珪素膜表面の1μm×1μm領域の中心線平均粗さRaを参考例1、2、実施例3〜9と同じ条件によって測定したところ、0.9〜1.4nmであった。また、分光光度計で測定した波長400〜800nmにおける可視光平均透過率は85%以上であり、透明性も極めて良好であった。
実施例15のガスバリア性透明樹脂基板を、アルカリ溶液(5%NaOH、40℃)に5分間浸けたが、透過率に変化はなかった。また、実施例15のガスバリア性透明樹脂基板を、酸性溶液(15%HCl、40℃)に5分間浸けたが、透過率に変化はなかった。
このように、実施例15のガスバリア性透明樹脂基板は、耐アルカリ性および耐酸性に優れており、ガスバリア性透明樹脂基板上に形成した透明電極をウエットでパターニング加工する際に、酸とアルカリの溶液中に浸しても、本発明のガスバリア性透明樹脂基板は、透過率、ガスバリア性などの特性に変化がないことがわかった。
(比較例1〜5)
樹脂フィルム基材上に、直接、窒化酸化珪素膜を形成した。樹脂フィルム基材は、実施例14と同様にアンダーコート付きPESフィルムを用いた。窒化酸化珪素膜の成膜は、参考例2に記載された条件で行い、膜厚100〜200nmを積層した。
窒化酸化珪素膜を形成したアンダーコート付きPESフィルムの水蒸気透過率を評価したところ、何れもモコン法の測定限界(0.01g/m2 /日)以下の水蒸気透過率であり、防湿膜として十分に機能していることがわかった。
しかし、原子間力顕微鏡による窒化酸化珪素膜表面の1μm×1μm領域の中心線平均粗さRaを参考例1、2、実施例3〜9と同じ条件によって測定したところ、2.5〜3.6nmであり、本発明の参考例1、2、実施例3〜15で作製したガスバリア性透明樹脂基板と比べて、表面凹凸は著しく大きかった。
Figure 0004889195
(比較例6)
樹脂フィルム基材上に、直接、酸化珪素膜を形成した。樹脂フィルム基材は、実施例15と同様にアンダーコート付きPESフィルムを用いた。酸化珪素膜の成膜は、参考例2に記載された条件で行い、膜厚100〜200nmを積層した。
酸化珪素膜を形成したアンダーコート付きPESフィルムの水蒸気透過率を評価したところ、何れもモコン法の測定限界(0.01g/m2 /日)以下の水蒸気透過率であり、防湿膜として十分に機能していることがわかった。
しかし、原子間力顕微鏡による酸化珪素膜表面の1μm×1μm領域の中心線平均粗さRaを参考例1、2、実施例3〜9と同じ条件によって測定したところ、2.8〜4.3nmであり、本発明の参考例1、2、実施例3〜15で作製したガスバリア性透明樹脂基板と比べて表面凹凸は著しく大きかった。
(実施例16)
参考例1、2、実施例3〜15のガスバリア性透明樹脂基板上に、以下の手順で、透明電極膜を形成した。すなわち、第3カソードに、酸化インジウムを主成分としてタングステンを含有する酸化物焼結体ターゲットを取り付け、第3カソードの直上に、参考例1、2、実施例3〜9のガスバリア性透明樹脂基板を配置した。ターゲットとガスバリア性透明樹脂基板との距離は60mmとした。
チャンバ内の真空度が1×10-4Pa以下に達した時点で、純度99.9999質量%のアルゴンガスをチャンバ内に導入して、ガス圧0.6Paとし、酸素を1〜3%含有させたアルゴンガス中に、直流電力200Wをターゲット−基板間に投入して、直流プラズマを発生させた。第3カソードの酸化インジウムターゲット中のタングステン含有量を変えることにより、透明電極膜中のタングステン量が、インジウムとタングステンの総和に対して0.4〜4.5原子%の種々の組成の透明電極膜を作製した。このようにして、透明樹脂基板上に120〜200nmの膜厚で、タングステンを含む酸化インジウム膜をスパッタリングにより成膜し、本実施例の透明導電性基板(フレキシブル表示素子)を得た。
得られた透明電極膜の中心線平均表面粗さRaを原子間力顕微鏡で1μm×1μmの領域で試料中20ヶ所測定してその平均値を求めたところ、0.6〜1.8nmであり、表面平滑性は良好であった。作製した透明電極膜を、エッチングにより2mm幅の帯状になるように形成した。このときのシート抵抗は、10〜200Ω/□であった。
(実施例17)
参考例1、2、実施例3〜15のガスバリア性透明樹脂基板上に、以下の手順で、透明電極膜を形成した。すなわち、第3カソードに、酸化インジウムを主成分としてスズを含有する酸化物焼結体ターゲット(ITO)を取り付け、第3カソードの直上に、参考例1、2、実施例3〜9のガスバリア性透明樹脂基板を配置した。ターゲットとガスバリア性透明樹脂基板との距離は60mmとした。
チャンバ内の真空度が1×10-4Pa以下に達した時点で、純度99.9999質量%のアルゴンガスをチャンバ内に導入して、ガス圧0.6Paとし、酸素を1〜3%含有させたアルゴンガス中に、直流電力200Wをターゲット−透明樹脂基板間に投入して、直流プラズマを発生させた。第3カソードの酸化インジウムターゲット中のスズ含有量を変えることにより、透明電極膜中のスズ量が、インジウムとスズの総和に対して0.4〜4.5原子%の種々の組成の透明電極膜を作製した。このようにして、基板上に50〜200nmの膜厚で、スズを含む酸化インジウム膜をスパッタリング成膜し、本実施例の透明導電性基板(フレキシブル表示素子)を得た。
得られた透明電極膜の中心線平均表面粗さRaを原子間力顕微鏡で1μm×1μmの領域で実施例16と同じ条件で測定したところ、0.9〜1.5nmであり、表面平滑性は良好であった。作製した透明電極膜を、エッチングにより2mm幅の帯状になるように形成した。このときのシート抵抗は、18〜180Ω/□であった。
(実施例18)
参考例1、2、実施例3〜15のガスバリア性透明樹脂基板上に、以下の手順で、透明導電性膜を形成した。すなわち、第3カソードに、酸化インジウムを主成分としてシリコンを含有する酸化物焼結体ターゲットを取り付け、第3カソードの直上に、参考例1、2、実施例3〜9のガスバリア性透明樹脂基板を配置した。ターゲットとガスバリア性透明樹脂基板との距離は60mmとした。
チャンバ内の真空度が1×10-4Pa以下に達した時点で、純度99.9999質量%のアルゴンガスをチャンバ内に導入して、ガス圧0.6Paとし、酸素を1〜3%含有させたアルゴンガス中に、直流電力200Wをターゲット−透明樹脂基板間に投入して直流プラズマを発生させた。第3カソードの酸化インジウムターゲット中のシリコン含有量を変えることにより、透明電極膜中のシリコン量が、インジウムとシリコンの総和に対して0.4〜4.5原子%の種々の組成の透明電極膜を作製した。このようにして、基板上に50〜200nmの膜厚で、シリコンを含む酸化インジウム膜をスパッタリング成膜し、本実施例の透明導電性基板(フレキシブル表示素子)を得た。
得られた透明電極膜の中心線平均表面粗さRaを原子間力顕微鏡で1μm×1μmの領域で実施例16と同じ条件で測定したところ、0.4〜1.2nmであり、表面平滑性は良好であった。作製した透明電極膜を、エッチングにより2mm幅の帯状になるように形成した。このときのシート抵抗は、25〜190Ω/□であった。
(実施例19)
参考例1、2、実施例3〜15のガスバリア性樹脂基板上に、添加物として亜鉛を含む酸化インジウム薄膜、あるいは、添加物としてゲルマニウムを含む酸化インジウム薄膜、あるいは、添加物としてスズとシリコンを含む酸化インジウム薄膜、あるいは、添加物としてスズとゲルマニウムを含む酸化インジウム薄膜を、実施例16〜18と同様の方法、同様の条件で作製し、表面平滑性、シート抵抗を評価したが、同様に、表面平滑性に優れて低抵抗の透明導電性基板(フレキシブル表示素子)が得られた。
(比較例7)
実施例16と同様の方法で、比較例1〜5のガスバリア性透明樹脂基板上に、同様の組成の透明電極を形成した。透明電極のシート抵抗は、実施例16と同等の値のものが得られた。しかし、同様の方法で透明電極膜の中心線平均表面粗さRaを原子間力顕微鏡で1μm×1μmの領域で実施例16と同じ条件で測定したところ、4.4〜6.5nmであり、表面平滑性は悪かった。このような凹凸の激しい透明電極上に、有機ELなどのフレキシブル表示素子を作製すると、発光特性も悪く、発光寿命の長い素子が作製できなかった。
本発明は、防湿性と表面平滑性に優れたガスバリア性透明樹脂基板を提供することができ、このガスバリア性透明樹脂基板を用いた透明導電性基板(フレキシブル表示素子)は、エレクトロルミネッセンス(EL)表示素子の部材として極めて有用である。さらに、将来のディスプレイとして注目されているフレキシブル有機ELディスプレイ用の基板としても、有用である。

Claims (7)

  1. 直流パルシング法を用いたスパッタリング法により得られ、酸化スズと、シリコン、ゲルマニウム、アルミニウム、セリウムおよびインジウムからなる群から選ばれる少なくとも1種類の添加元素とからなり、添加元素とスズの総和に対して0.2〜45原子%の割合で添加元素を含んでいる、酸化スズ系の非晶質膜からなる透明酸化物膜が、ガスバリア層として、樹脂フィルム基材の少なくとも一方の表面に形成されており、該ガスバリア層の表面の中心線平均表面粗さRaが、1.0nm以下であることを特徴とするガスバリア性透明樹脂基板。
  2. 直流パルシング法を用いたスパッタリング法により得られ、酸化スズと、シリコン、ゲルマニウム、アルミニウム、セリウムおよびインジウムからなる群から選ばれる少なくとも1種類の添加元素とからなり、添加元素とスズの総和に対して0.2〜45原子%の割合で添加元素を含んでいる、酸化スズ系の非晶質膜からなる透明酸化物膜の上に、酸化珪素膜または窒化酸化珪素膜が形成された二層膜が、ガスバリア層として、樹脂フィルム基材の少なくとも一方の表面に形成されており、該ガスバリア層の表面の中心線平均表面粗さRaが、1.0nm以下であることを特徴とするガスバリア性透明樹脂基板。
  3. JIS規格のK7129法に従って測定されたモコン法による水蒸気透過率が、0.01g/m2/日未満であることを特徴とする請求項1または2に記載のガスバリア性透明樹脂基板。
  4. 請求項1〜のいずれかに記載のガスバリア性透明樹脂基板のガスバリア層表面に、200Ω/□以下の表面抵抗を有する透明電極膜が形成され、該透明電極膜の表面の中心線平均表面粗さRaが、1.8nm以下であることを特徴とするガスバリア性透明導電性樹脂基板。
  5. 前記透明電極膜が、酸化インジウムを主成分として、スズ、タングステン、亜鉛、シリコンおよびゲルマニウムからなる群から選ばれる少なくとも1種類の元素を含み、非晶質構造であることを特徴とする請求項に記載のガスバリア性透明導電性樹脂基板。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載のガスバリア透明導電性樹脂基板を用いたフレキシブル表示素子。
  7. 請求項1〜のいずれかに記載のガスバリア性透明樹脂基板の製造方法であって、前記酸化スズ系の非晶質膜を製造するにあたり、酸化スズと、シリコン、ゲルマニウム、アルミニウム、セリウムおよびインジウムからなる群から選ばれる少なくとも1種類の添加元素とからなり、添加元素とスズの総和に対して0.2〜45原子%の割合で添加元素を含んでいる酸化スズ系焼結体を原料として、酸素量が3%以上5%以下であるアルゴンガス中で、直流パルシング法を利用したスパッタリング法を用いることを特徴とするガスバリア性透明樹脂基板の製造方法。
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