JP2005268616A - 透明導電膜およびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 OLEDディスプレー等の表示素子に用いる透明導電膜として好適な低抵抗でかつ表面平坦性に優れた透明導電膜およびその製造方法を提供する。
【解決手段】 In、SnおよびOを含むスパッタリングターゲットを用い、不活性ガスと酸素との混合ガスをスパッタリングガスとしてスパッタリングを行って、基板上にIn、SnおよびOを含む薄膜を形成するに際して、基板上に、第一層を最適酸素分圧よりも高い酸素分圧で形成した後、この第一層の上に、第二層を最適酸素分圧で形成することにより、表面粗さRaが0.5〜2.0nm、最大高さRyが8〜20nm、抵抗率が100〜250μΩcmの透明導電膜を得る。
【選択図】 選択図なし
【解決手段】 In、SnおよびOを含むスパッタリングターゲットを用い、不活性ガスと酸素との混合ガスをスパッタリングガスとしてスパッタリングを行って、基板上にIn、SnおよびOを含む薄膜を形成するに際して、基板上に、第一層を最適酸素分圧よりも高い酸素分圧で形成した後、この第一層の上に、第二層を最適酸素分圧で形成することにより、表面粗さRaが0.5〜2.0nm、最大高さRyが8〜20nm、抵抗率が100〜250μΩcmの透明導電膜を得る。
【選択図】 選択図なし
Description
本発明は、透明導電膜およびその製造方法に関し、特にOLED(Organic Light Emitted Diode)ディスプレーに好適な透明導電膜および該透明導電膜の製造方法に関する。
近年、表示機器の技術レベルが高まるなかで、自発光のため視認性に優れ、薄型、軽量、高速応答、高視野角、高コントラストといった特徴を有しているOLEDディスプレーの実用化が進んでいる。OLED素子構造は、図1に示すようにガラス基板1上に、透明電極2、ホール輸送層3、発光層4、電子輸送層5、金属陰極6が順次積層された構造となっている。パネル構造は、帯状の直交させた透明電極と背面電極からなるX−Yのマトリクス構造のもの(パッシブタイプ)と薄膜トランジスタ(TFT)を用いた構造のもの(アクティブタイプ)に大別されるが、いずれの場合も高精細化や高速応答化に対応するために透明電極2に低抵抗率が要求され、ITO(Indium Tin Oxide)薄膜が使用されている。
ITO薄膜の製造方法としては、大面積化が容易でかつ高性能の膜が得られるスパッタリング法が主流となっている。ITO薄膜形成用スパッタリングターゲットとしては金属インジウムと金属スズの合金からなるターゲット、或いは酸化インジウムと酸化スズの複合酸化物(ITO)ターゲットが用いられている。このうち、得られる膜の抵抗値および透過率の経時変化が少なく、成膜条件のコントロールが容易であるという理由から主としてITOターゲットが使用されている。
従来、OLED等の表示素子に用いるに十分に低抵抗なITO薄膜を得るには、薄膜を結晶化する必要があった。しかし、結晶性のITO薄膜の表面には突起が形成され、その様なITO薄膜をOLEDディスプレーに用いた場合、ダークスポット不良による寿命の低下という問題を引き起こしている。ダークスポット不良とは、OLED素子を長時間発光させた場合に、非発光点(黒点)が現れ、表示品質を劣化させるものである。ダークスポット不良原因の一つとして、前記突起があげられている。この突起部分で電流が集中し素子が破壊され、ダークスポットが形成される。そのため、ITO薄膜をOLEDディスプレーに用いる場合、SnO2量を10重量%(SnO2/(In2O3+SnO2)の重量比)含む一般的なITOターゲットを用いてスパッタリング成膜して結晶性膜を得た後、当該膜を研磨して平坦化して使用している。しかし、ITO薄膜形成後に研磨を行うことは、工程が増加し、コストアップとなるため、研磨工程を行わずとも平坦な膜が得られる方法の開発が望まれていた。
このような問題を解決する手段として、ITOに第3元素を添加したり、酸化インジウムにSn以外の元素を添加して薄膜表面の平坦性を向上させようとする試みがなされてきた。例えば、ITOに第3元素を添加する方法として、Gaを添加するもの(例えば特許文献1参照)、Yを添加するもの(例えば特許文献2参照)、Alを添加するもの(例えば特許文献3参照)、Znを添加するもの(例えば特許文献4参照)、Mgを添加するもの(例えば特許文献5参照)、Geを添加するもの(例えば特許文献6参照)等をあげることができる。また、酸化インジウムのドーパントとしてSn以外の元素であるGeを添加したもの(例えば特許文献7参照)等もあげられる。しかし上記方法はいずれもインジウム、スズ以外の元素を使用しているためデバイス(TFT素子等)中へ異種元素が拡散することによる悪影響が懸念された。また添加した元素によってはITO薄膜をアルカリ性溶液で処理する際に、薄膜が剥がれるという問題があった。更に、上記方法の第3元素添加により薄膜の平坦性を向上させた場合、添加した元素に電気伝導性を妨げる働きがあるため、ITO薄膜自体が十分に低抵抗とならず、更に薄膜の平坦性も十分ではなかった。
他にも透明導電膜の表面平滑性を向上したものとして、酸化インジウムにドーパントとして亜鉛のみを用いる非晶質膜も提案されている(例えば特許文献8参照)。当該膜では、表面粗さが10nm以下で、なおかつ抵抗率が200μΩcm以下が達成されている。しかし達成し得る表面粗さは5nm程度までであったため表示素子に用いるにはまだ不十分であり、更に膜質が非晶質であったために耐アルカリ性が弱く、透明電極の微細加工の条件範囲が狭いという問題があった。
成膜方法からのアプローチとして、イオンプレーティング法によりITO膜を平坦化する方法(例えば特許文献9参照)や真空蒸着法により平坦化する方法(例えば特許文献10参照)が提案されている。しかし、イオンプレーティング法や真空蒸着法では、大面積への均一成膜の点でスパッタ法に劣るという問題点があった。
また、高分子フィルム上に酸素含有率が異なる2層のITO膜を形成することにより、膜の剥離防止や耐久性を向上させることが可能となることが提案されている(例えば特許文献11参照)。しかし、この特許文献11にはITO薄膜の表面平坦化に関しては何ら記載されていない。
以上説明した様に、従来、OLEDディスプレーに用いるために、十分に平坦でかつ低抵抗な透明導電膜を研磨なしに得ることは困難であった。本発明は、OLEDディスプレー等の表示素子に用いる透明導電膜として好適な、低抵抗でかつ表面平坦性に優れた結晶性の透明導電膜およびその製造方法を提供するものである。
本発明者らは、ITO薄膜表面に形成される突起の形成メカニズムの検討を行い、突起はガラス基板上に形成されるInの液滴を核としたVLS(Vapor Liquid Solid)モデルにより形成されるとの結論を得た。また、このInの液滴はガラス基板表面近傍でのみ形成され、ITO膜の膜厚が10nm以上に達すると形成されないとの新規知見を得た。そして、ITO膜の平坦化には、基板上のInを速やかに酸化させると良いとの方向性を得るに至った。この知見を元に成膜初期における基板上でのInの酸化方法について鋭意検討を重ね、特に成膜時の酸素分圧に注目をして実験を行った。その結果、ガラス基板上に最適酸素分圧よりも多量の酸素を導入して形成された第一層と、第一層上に最適酸素分圧により形成された第二層とからなる二層構造にすることで薄膜表面の平坦性を著しく改善できることを見出した。また、このような膜が、In、SnおよびOを含むスパッタリングターゲットを用いて不活性ガスと酸素を導入してスパッタリング法により透明導電膜を作製する方法において、膜の作製途中に酸素分圧比を減らすことで製造できることを見出し本発明を完成させるに至ったものである。
以下本発明を詳細に説明する。
本発明は基板上に形成された結晶性のIn、SnおよびOを含む透明導電膜において、異なる酸素分圧下で形成された第一層と第二層の二種類の薄膜を積層した二層構造を有する透明導電膜であり、第二層より第一層の薄膜形成時の酸素分圧が高い透明導電膜である。なお、本発明の第一層とは、基板側に堆積した層であり、第二層とは、第一層上に堆積した層である。
すなわち、本発明の透明導電膜は、In、SnおよびOを含むスパッタリングターゲットを用い、不活性ガスと酸素との混合ガスをスパッタリングガスとしてスパッタリング法により基板上に形成されたIn、SnおよびOを含む多結晶透明導電膜であって、前記基板上に最適酸素分圧よりも高い酸素分圧により形成された膜厚が10〜20nmの第一層と、該第一層上に最適酸素分圧により形成された第二層とからなり、その表面粗さRaが0.5〜2.0nm、最大高さRyが8〜20nmであり、かつ抵抗率が100〜250μΩcmである透明導電膜である。
また、本発明の透明導電膜の製造方法は、In、SnおよびOを含むスパッタリングターゲットを用い、不活性ガスと酸素との混合ガスをスパッタリングガスとしてスパッタリングを行うことにより、基板上にIn、SnおよびOを含む薄膜を形成する多結晶透明導電膜の製造方法において、前記基板上に厚さ10〜20nmの第一層を、最適酸素分圧よりも1.5〜3.5%高い酸素分圧で形成した後、該第一層の上に、最適酸素分圧で第二層を形成することを特徴とする透明導電膜の製造方法である。
一般にITO薄膜をスパッタリング法で形成する場合には、スパッタリングガスとしてArとO2の混合ガスが用いられている。スパッタリングガス中の酸素分圧を変化させることにより得られる薄膜の抵抗率は変化し、図2に示す様にある酸素分圧で極小値を示す。本発明では、この薄膜の抵抗率が極小値を示す酸素分圧(P%)の前後0.1%(P−0.1%〜P+0.1%)の範囲の酸素分圧(図2(a)の領域)を最適酸素分圧と呼ぶ。例えば、薄膜の抵抗率が極小値となる酸素分圧が0.5%ならば、最適酸素分圧は0.4〜0.6%である。なお、本発明では、酸素分圧をスパッタリングガスの流量に対する酸素ガスの流量の比を100分率表記したものとして定義する。すなわち、例えば、スパッタリングガスがArとO2との混合ガスである場合、酸素分圧は、O2流量/Ar流量×100(%)である。また、酸素分圧を最適酸素分圧より高くするには、例えば、最適酸素分圧の時の酸素量より多量の酸素を導入することにより達成できる。
OLED等の表示素子の透明陽極として用いるITO薄膜は低抵抗であることが好ましいため、一般にITO薄膜の成膜は、得られる薄膜の抵抗率がほぼ極小値を示す酸素分圧、すなわち最適酸素分圧で成膜されていた。しかし、当該最適酸素分圧でITO薄膜を形成した場合、ガラス基板上にInの液滴が形成され、その結果多くの突起がITO薄膜表面に形成されていた。本発明者らは、前記Inの液滴を速やかに酸化させるため酸素分圧を増加させたところ、突起が低減されることを見出した。しかし、成膜時の酸素分圧を高くした場合、図2の(b)の領域のように、得られる薄膜の抵抗率が上昇し、OLED等の表示素子に透明陽極として用いるには不適当であった。そこで本発明者らは、更に検討を重ね、前記Inの液滴はガラス基板表面近傍でのみ形成され、ITO薄膜の膜厚が10nm以上に達すると形成されなくなること、したがって、成膜初期に酸素分圧を高くし、Inを十分酸化させて厚さ10nm以上の第一層を形成した後、その上に第二層として、最適酸素分圧で作製した抵抗率の低い薄膜を堆積させることで、表面平坦性に優れかつ低抵抗な透明導電膜を得られることを見出した。この第一層を形成する際の酸素分圧は、低すぎるとInの液滴を十分に酸化できず、突起が形成され易くなり、逆に、高すぎると得られる薄膜の抵抗率が高くなりすぎるので、最適酸素分圧よりも1.5〜3.5%高い酸素分圧とする。
また、第一層の膜厚は、10nm以上、20nm以下とする。膜厚が薄すぎた場合、Inの液滴を十分に酸化できず、突起が形成され好ましくない。逆に膜厚が厚すぎた場合には、得られる薄膜の抵抗率が高くなり好ましくない。
第二層を成膜する際は、最適酸素分圧とする。最適酸素分圧でない場合は、抵抗率が増加し好ましくない。第二層の膜厚は、特に限定されるものではない。使用するデバイスが要求するシート抵抗に合わせて、適宜設計すれば良い。
最適酸素分圧の決定は以下のようにして行う。基材上に成膜時の酸素分圧を変化させた透明導電膜を作製する。この透明導電膜の膜厚は同一に設定する。この透明導電膜の抵抗率を4探針法で測定し、抵抗率が極小となる酸素分圧±0.1%の範囲を最適酸素分圧とする。
このようにして得られる本発明の透明導電膜の表面粗さは、Raが0.5〜2.0nm、最大高さRyが8〜20nmである。Raが2.0nmより大きい凹凸を有する透明導電膜やRyが20nmより大きい凹凸を有する透明導電膜をOLEDディスプレーの表示素子に電極として用いた場合、それが原因によるダークスポットが発生し易い。また、Raが0.5nm未満の透明導電膜やRyが8nm未満の透明導電膜を作製することは困難な場合が多い。なお本発明における表面粗さRaおよびRyの測定方法は、JIS B0601−1994に記載の通りである。
また、上記により得られる本発明の透明導電膜の抵抗率は100〜250μΩcmである。抵抗率が250μΩcmより高いと、表示素子の電極としては、消費電力が高く、表示駆動速度等に問題があり好ましくない。また、100μΩcm未満の抵抗率の膜を作製することは困難な場合が多い。
本発明の透明導電膜は研磨によって得られる従来のものとは異なるものである。研磨によって表面を平坦にした透明導電膜は、研磨に起因する応力、歪み、欠陥等が発生し易いが、本発明の膜はスパッタリング成膜工程のみで生成したものであり、研磨に起因する欠陥等がなく、研磨縞等も見られない。また、研磨工程を省略できるため、低コスト化が可能となる。
なお、本発明のIn、SnおよびOを含む透明導電膜は、SnO2を5〜20重量%含むITO薄膜であることが好ましく、特に、SnO2を7〜13重量%含むITO薄膜であることが好ましい。
また、本発明で使用するスパッタリングターゲットは、In、SnおよびOを含む焼結体からなるスパッタリングターゲットであることが好ましいが、基体上に溶射等により形成したものであっても良い。
さらに、本発明で使用する基板は、透明性や機械的強度等、用途に応じて要求される特性を満たし、かつITO薄膜の結晶化温度以上の耐熱性を有するものであれば良く、ガラス基板等を用いることができる。
次に本発明の透明導電膜の製造方法を説明する。
本発明の透明導電膜の作製では、In、SnおよびOを含む一般に入手可能なターゲットを用いることができ、Arなどの不活性ガスとO2ガスを導入し、直流(dc)または高周波(rf)、或いはこれら双方の電界を印加して行なうスパッタリング法によって製造するに際して、成膜初期に最適酸素分圧より高い酸素分圧で成膜し、成膜途中で酸素分圧を最適酸素分圧に減少させる。酸素分圧を減少させる方法としては、例えばArおよびO2のマスフローメーターの設定を変更することで行なう。マスフローメーターの設定を変更する際は、瞬時に切り替えても、連続的に切り替えても良い。その際にスパッタ放電は、放電したままでも、一時的に停止しても良い。成膜条件については特に限定されないが、基板温度は薄膜が容易に結晶化する150℃以上が好ましい。スパッタガス圧は、0.3〜1.0Paが好ましい。こうすることにより、平坦性が良好で、低抵抗な透明導電膜を得ることができる。
上述のように基板上に最適酸素分圧より多量の酸素を導入して形成した第一層とこの第一層上に最適酸素分圧により形成した第二層の積層構造にすることで低抵抗かつ平坦性の良好な透明導電膜を得ることができる。
以下に本発明を実施例により更に詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
実施例1
市販のSnO2を10重量%(SnO2/(In2O3+SnO2)の重量比)含むITOターゲットを使用し、DCスパッタリング法にてガラス基板(コーニング#1737)上にITO薄膜を作製した。スパッタリング成膜条件は、
装置:DCマグネトロンスパッタ装置、磁界強度:1000Gauss(ターゲット直上、水平成分)、基板温度:200℃、スパッタリングガス:Ar、O2、
スパッタリングガス圧:0.5Pa、酸素分圧(O2流量/Ar流量×100%):0.1〜4.0%、DCパワー:200Wとした。
市販のSnO2を10重量%(SnO2/(In2O3+SnO2)の重量比)含むITOターゲットを使用し、DCスパッタリング法にてガラス基板(コーニング#1737)上にITO薄膜を作製した。スパッタリング成膜条件は、
装置:DCマグネトロンスパッタ装置、磁界強度:1000Gauss(ターゲット直上、水平成分)、基板温度:200℃、スパッタリングガス:Ar、O2、
スパッタリングガス圧:0.5Pa、酸素分圧(O2流量/Ar流量×100%):0.1〜4.0%、DCパワー:200Wとした。
最初に成膜膜厚を150nmとし、酸素分圧を0.1〜4.0%の間で変化させ、作製したサンプルの抵抗率を4探針法により測定し、最適酸素分圧を求めた。図3に抵抗率の測定結果を示す。酸素分圧0.5%で抵抗率は極小となり、最適酸素分圧は0.4〜0.6%となった。
次に、第一層として酸素分圧=2.0%で10nmの薄膜を堆積後、第二層として酸素分圧を最適酸素分圧の中心値である0.5%に設定し、140nmの薄膜を形成した。抵抗率、表面粗さ(Ra)および最大高さ(Ry)を測定した結果を表1にまとめる。低抵抗で平坦性の良好な膜が得られた。
実施例2
第一層の膜厚を20nmとし、第二層の膜厚を130nmとした以外は実施例1と同様の条件で薄膜を作製した。抵抗率、RaおよびRyを測定した結果を表1にまとめる。低抵抗で平坦性の良好な膜が得られた。
第一層の膜厚を20nmとし、第二層の膜厚を130nmとした以外は実施例1と同様の条件で薄膜を作製した。抵抗率、RaおよびRyを測定した結果を表1にまとめる。低抵抗で平坦性の良好な膜が得られた。
実施例3
第一層を成膜する時の酸素分圧を3.0%とした以外は実施例1と同様の条件で薄膜を作製した。抵抗率、RaおよびRyを測定した結果を表1にまとめる。低抵抗で平坦性の良好な膜が得られた。
第一層を成膜する時の酸素分圧を3.0%とした以外は実施例1と同様の条件で薄膜を作製した。抵抗率、RaおよびRyを測定した結果を表1にまとめる。低抵抗で平坦性の良好な膜が得られた。
実施例4
第一層を成膜する時の酸素分圧を3.0%、第一層の膜厚を20nmとし、第二層の膜厚を130nmとした以外は実施例1と同様の条件で薄膜を作製した。抵抗率、RaおよびRyを測定した結果を表1にまとめる。低抵抗で平坦性の良好な膜が得られた。
第一層を成膜する時の酸素分圧を3.0%、第一層の膜厚を20nmとし、第二層の膜厚を130nmとした以外は実施例1と同様の条件で薄膜を作製した。抵抗率、RaおよびRyを測定した結果を表1にまとめる。低抵抗で平坦性の良好な膜が得られた。
実施例5
第一層を成膜する時の酸素分圧を3.0%、第一層の膜厚を20nmとし、第二層の膜厚を30nmとした以外は実施例1と同様の条件で薄膜を作製した。抵抗率、RaおよびRyを測定した結果を表1にまとめる。低抵抗で平坦性の良好な膜が得られた。
第一層を成膜する時の酸素分圧を3.0%、第一層の膜厚を20nmとし、第二層の膜厚を30nmとした以外は実施例1と同様の条件で薄膜を作製した。抵抗率、RaおよびRyを測定した結果を表1にまとめる。低抵抗で平坦性の良好な膜が得られた。
実施例6
第一層を成膜する時の酸素分圧を3.0%、第一層の膜厚を20nmとし、第二層の膜厚を280nmとした以外は実施例1と同様の条件で薄膜を作製した。抵抗率、RaおよびRyを測定した結果を表1にまとめる。低抵抗で平坦性の良好な膜が得られた。
第一層を成膜する時の酸素分圧を3.0%、第一層の膜厚を20nmとし、第二層の膜厚を280nmとした以外は実施例1と同様の条件で薄膜を作製した。抵抗率、RaおよびRyを測定した結果を表1にまとめる。低抵抗で平坦性の良好な膜が得られた。
実施例7
第一層を成膜する時の酸素分圧を4.0%とした以外は実施例1と同様の条件で薄膜を作製した。抵抗率、RaおよびRyを測定した結果を表1にまとめる。低抵抗で平坦性の良好な膜が得られた。
第一層を成膜する時の酸素分圧を4.0%とした以外は実施例1と同様の条件で薄膜を作製した。抵抗率、RaおよびRyを測定した結果を表1にまとめる。低抵抗で平坦性の良好な膜が得られた。
実施例8
第一層を成膜する時の酸素分圧を4.0%、第一層の膜厚を20nmとし、第二層の膜厚を130nmとした以外は実施例1と同様の条件で薄膜を作製した。抵抗率、RaおよびRyを測定した結果を表1にまとめる。低抵抗で平坦性の良好な膜が得られた。
第一層を成膜する時の酸素分圧を4.0%、第一層の膜厚を20nmとし、第二層の膜厚を130nmとした以外は実施例1と同様の条件で薄膜を作製した。抵抗率、RaおよびRyを測定した結果を表1にまとめる。低抵抗で平坦性の良好な膜が得られた。
比較例1
実施例1に記載された第二層の作製条件と同条件で膜厚が150nmの単層の薄膜を作製した。抵抗率、RaおよびRyを測定した結果を表1にまとめる。低抵抗だが凹凸のある膜となった。
実施例1に記載された第二層の作製条件と同条件で膜厚が150nmの単層の薄膜を作製した。抵抗率、RaおよびRyを測定した結果を表1にまとめる。低抵抗だが凹凸のある膜となった。
比較例2
第一層を成膜する時の酸素分圧を1.0%、第一層の膜厚を20nmとし、第二層の膜厚を130nmとした以外は実施例1と同様の条件で薄膜を作製した。抵抗率、RaおよびRyを測定した結果を表1にまとめる。低抵抗だが凹凸のある膜となった。
第一層を成膜する時の酸素分圧を1.0%、第一層の膜厚を20nmとし、第二層の膜厚を130nmとした以外は実施例1と同様の条件で薄膜を作製した。抵抗率、RaおよびRyを測定した結果を表1にまとめる。低抵抗だが凹凸のある膜となった。
比較例3
第一層の膜厚を5nmとし、第二層の膜厚を145nmとした以外は実施例1と同様の条件で薄膜を作製した。抵抗率、RaおよびRyを測定した結果を表1にまとめる。低抵抗だが凹凸のある膜となった。
第一層の膜厚を5nmとし、第二層の膜厚を145nmとした以外は実施例1と同様の条件で薄膜を作製した。抵抗率、RaおよびRyを測定した結果を表1にまとめる。低抵抗だが凹凸のある膜となった。
比較例4
第一層の膜厚を30nmとし、第二層の膜厚を120nmとした以外は実施例1と同様の条件で薄膜を作製した。抵抗率、RaおよびRyを測定した結果を表1にまとめる。平坦性は良好だが高抵抗の膜となった。
第一層の膜厚を30nmとし、第二層の膜厚を120nmとした以外は実施例1と同様の条件で薄膜を作製した。抵抗率、RaおよびRyを測定した結果を表1にまとめる。平坦性は良好だが高抵抗の膜となった。
比較例5
第一層を成膜する時の酸素分圧を3.0%、第一層の膜厚を5nmとし、第二層の膜厚を145nmとした以外は実施例1と同様の条件で薄膜を作製した。抵抗率、RaおよびRyを測定した結果を表1にまとめる。低抵抗だが凹凸のある膜となった。
第一層を成膜する時の酸素分圧を3.0%、第一層の膜厚を5nmとし、第二層の膜厚を145nmとした以外は実施例1と同様の条件で薄膜を作製した。抵抗率、RaおよびRyを測定した結果を表1にまとめる。低抵抗だが凹凸のある膜となった。
比較例6
第一層を成膜する時の酸素分圧を3.0%、第一層の膜厚を30nmとし、第二層の膜厚を120nmとした以外は実施例1と同様の条件で薄膜を作製した。抵抗率、RaおよびRyを測定した結果を表1にまとめる。平坦性は良好だが高抵抗の膜となった。
第一層を成膜する時の酸素分圧を3.0%、第一層の膜厚を30nmとし、第二層の膜厚を120nmとした以外は実施例1と同様の条件で薄膜を作製した。抵抗率、RaおよびRyを測定した結果を表1にまとめる。平坦性は良好だが高抵抗の膜となった。
比較例7
第一層を成膜する時の酸素分圧を4.0%、第一層の膜厚を5nmとし、第二層の膜厚を145nmとした以外は実施例1と同様の条件で薄膜を作製した。抵抗率、RaおよびRyを測定した結果を表1にまとめる。低抵抗だが凹凸のある膜となった。
第一層を成膜する時の酸素分圧を4.0%、第一層の膜厚を5nmとし、第二層の膜厚を145nmとした以外は実施例1と同様の条件で薄膜を作製した。抵抗率、RaおよびRyを測定した結果を表1にまとめる。低抵抗だが凹凸のある膜となった。
比較例8
第一層を成膜する時の酸素分圧を4.0%、第一層の膜厚を30nmとし、第二層の膜厚を120nmとした以外は実施例1と同様の条件で薄膜を作製した。抵抗率、RaおよびRyを測定した結果を表1にまとめる。平坦性は良好だが高抵抗の膜となった。
第一層を成膜する時の酸素分圧を4.0%、第一層の膜厚を30nmとし、第二層の膜厚を120nmとした以外は実施例1と同様の条件で薄膜を作製した。抵抗率、RaおよびRyを測定した結果を表1にまとめる。平坦性は良好だが高抵抗の膜となった。
実施例1〜8および比較例1〜8を比較すると、ガラス基板上に第一層として最適酸素分圧の中心値より1.5〜3.5%高い酸素分圧条件で膜厚10〜20nmの膜を形成し、第二層として最適酸素分圧で膜を形成すると低抵抗で平坦性が良好な膜が作製できる。
1.基板
2.透明電極
3.ホール輸送層
4.発光層
5.電子輸送層
6.金属電極
2.透明電極
3.ホール輸送層
4.発光層
5.電子輸送層
6.金属電極
Claims (2)
- In、SnおよびOを含むスパッタリングターゲットを用い、不活性ガスと酸素との混合ガスをスパッタリングガスとしてスパッタリング法により基板上に形成されたIn、SnおよびOを含む多結晶透明導電膜であって、前記基板上に最適酸素分圧よりも高い酸素分圧により形成された膜厚が10〜20nmの第一層と、該第一層上に最適酸素分圧により形成された第二層とからなり、表面粗さRaが0.5〜2.0nm、最大高さRyが8〜20nmであり、かつ抵抗率が100〜250μΩcmである透明導電膜。
- In、SnおよびOを含むスパッタリングターゲットを用い、不活性ガスと酸素との混合ガスをスパッタリングガスとしてスパッタリングを行うことにより、基板上にIn、SnおよびOを含む薄膜を形成する多結晶透明導電膜の製造方法において、前記基板上に厚さ10〜20nmの第一層を、最適酸素分圧よりも1.5〜3.5%高い酸素分圧で形成した後、該第一層の上に、第二層を最適酸素分圧で形成することを特徴とする透明導電膜の製造方法。
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JP2004080769A JP2005268616A (ja) | 2004-03-19 | 2004-03-19 | 透明導電膜およびその製造方法 |
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