JP4887010B2 - 駐車ブレーキの油圧作動用の装置と、そのような装置を操作するための方法 - Google Patents
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Description
本発明は、より具体的には、駐車又は緊急ブレーキ装置に、特に自動車用の、前記ブレーキの阻止手段を作動させて車両を動かないようにするために、ブレーキ操作部材に所定の力を加える制御式の作動装置を備えている型式の駐車又は緊急ブレーキ装置に、及びそのような作動装置を操作するための方法に関する。
特に駐車ブレーキ装置がこの緊急ブレーキ機能を果たすために、ブレーキシステムは、ブレーキ機構の2つのブレーキ装置それぞれに、独立した制御手段を備えている。
書類番号US−A−4.854.423号、又は、WO−A−96.41085号は、そのようなブレーキ機構を記載しており、そのような機構は、中央のブレーキドラムを半径方向外向きに伸張するブレーキディスクが取り囲み、軸方向断面で見て全体的にハット形状を呈しているので、ドラムインハット機構としても知られている。
そのような機械式作動装置は、室内に配置され、操作ケーブルの一方の端部が留められているハンドブレーキレバーから成る手動操作部材を通常は備えており、前記ケーブルの他方の端部は駐車ブレーキ操作部材を作動させる。
このことは、ハンドブレーキ式の機械的装置が、今日、特に身体的強さの低い人にとって、使用するのに不快でうんざりすると考えられている理由の一つである。
この他にも駐車ブレーキ作動装置は開発されており、具体的には、電気的に、又は流体的に、典型的には油圧的に、作動させることのできる作動装置である。
しかしながら、そのような電気的作動装置は、特に、相当な遊星歯車の配列と高出力の電気モーターを必要とし、これは、法外な製造コストに繋がり、更に、前記装置に電力を供給する機上電源が故障するかもしれないという信頼性の問題を引き起こすので、満足のいくものではない。
具体的には、ハンドブレーキ式の機械的装置について前に述べたのと同じく、駐車制動力を加えるのに必要な油圧を、運転者自身の身体的強さによって生成するのは、運転者の責務である。
前方油圧チャンバの軸方向境界を画定し、作動行程に亘って所定の機械的な力を操作部材に掛けることのできるピストンが、中を滑動するシリンダと、
選択的に前方圧力チャンバを加圧された作動油の供給口と連通させて、前方圧力チャンバ内に油圧作動圧力を確立する弁手段と、を備えており、前記弁手段は、ピストンとシリンダの間に挟まれており、ピストンのその作動行程に先立つ制御行程に亘る軸方向運動によって制御されていることを特徴とする駐車又は緊急ブレーキ装置を備えている。
好都合に、最新の技術による作動装置、特にハンドブレーキ式の装置は、空間を殆ど占拠しない本発明による油圧作動装置に置き替えることができ、これは、ブレーキ機構の型式に関係なく当てはまり、ブレーキ機構操作部材を修正する必要も無い。
−弁手段は、軸方向にそれぞれ加圧された流体の供給口の前及び後に配置することができ、ピストンが非作動の前方位置にあるときに前方油圧チャンバを供給口から分離する、プライマリ及びセカンダリのシーリング手段を備えており、
−本装置は、
・非作動の前方位置であって、ピストンがそこに向かって弾性的に戻され、そこでは、弁手段が前方油圧チャンバを供給口からシールされた状態に分離している、前方位置と、
・前方圧力チャンバに加圧された作動油が供給される中間位置との間の、
シリンダ内のピストンの軸方向運動に対応する先行する制御行程に亘るピストンの並進制御のための制御手段を備えており、
−ピストンの軸方向の運動を制御する制御手段は、電気モーターの様な、運動伝達手段を作動させてモーターの回転運動をピストンの並進運動に変えることができる駆動手段を備えており、
−前記運動伝達手段は、雌ねじの切られたナットを備えた「スクリュー−ナット」式の機構であって、前記ナットは、軸方向に動かず、ナットの中のねじ付スクリューの並進軸方向運動を生じさせるように、モーターによって回転方向に駆動され、前記スクリューはピストンの運動を駆動することができるようになっている、機構を備えており、
−ピストンは、軸方向の作動行程に亘ってその中間位置から後方制動位置へ後方に動かすことができ、後方制動位置では、ピストンは、作動手段に作用して、所定の機械的な力をブレーキ操作部材に加え、
−本装置は、ピストンを後方制動位置で軸方向に動かないようにするための機械的ロック手段を備えており、
−ブレーキ操作部材を作動させるための作動手段は、運動に関して、ピストンが非作動のその前方位置からその中間位置へ動くときに、作動手段が影響を受けないように、ピストンの制御行程とほぼ等しい所定の軸方向間隙を取って、ピストンに連結されており、
−前記作動手段は、円筒形の頭部を備えたロッドであって、前記頭部は、ピストンの相補的な内部円筒区画内を軸方向に、
・ロッドの頭部が、ピストンの内部円筒形区画の後方のストッパに押し付けられている、非作動の前方位置と、
・ピストンの内部円筒形区画の前方のストッパに押し付けられているロッドの頭部が、作動行程の間は、所定の機械的な力を操作部材に加えるように作動する、後方操作位置との間で、動くように取り付けられている。
−ピストンを制御する制御手段を作動させて、ピストンを、非作動のその前方位置からその中間位置に向かって、加圧された作動油を前方圧力チャンバへ供給できるように動かす段階である第1ステップと、
−前方圧力チャンバに作動液を第1圧力P1で供給して、ピストンを、戻し手段の作用に抗して、操作部材を作動させる作動手段に、ブレーキの阻止手段が掛ける、車両が駐車しているときに車両を動かないようにするだけの制動力に相当する最大の所定の機械的な力を加えるその後方制動位置まで動かす段階である第2ステップと、
−ロック手段を作動させ、ピストンをその後方制動位置に機械的にロックする段階である第3ステップと、を含んでいる。
便宜上、用語「前」「後」「上」「下」は、それぞれ、図1の左、右、上、下に向いている要素又は位置を示す。
作動装置10は、その軸Xが全体の軸方向を決定するが、前方油圧チャンバ16の境界を軸方向に画定するピストン14が、中を滑動するシリンダ12と、前方圧力チャンバ16を、選択的に加圧された作動油供給口20と連通させて前記圧力チャンバ16内に油圧作動圧を確立する弁手段18と、を備えている。
ピストン14は、軸方向に後方に向かって、シリンダ12の内部ボア22によって半径方向に境界が画定されている後方チャンバ30の境界を画定する。
従って、ピストン14は、前方部分14Aと後方部分14Bの2つの部分で作られており、それぞれ、前方32と後方34の内部円筒形区画内を滑動する可動部品を装着できるようになっている。
従って、ピストン14は、半径方向には、前方24及び後方26の外部円筒形区画によって、軸方向には、前方は前方横断方向壁42によって、後方は後方横断方向壁44によって、境界が画定されている。
代わりに、プライマリ50及びセカンダリ52のシーリング手段をシリンダ12に組み付け、内部ボア22に、同様に前方54及び後方56の環状溝を設けてもよい。
ピストン14の軸方向運動を制御するための制御手段58は、特に、回転運動をピストン14の並進運動に変換することのできる運動伝達手段66を作動させることができる駆動手段64を備えている。
運動伝達手段66は、雌ねじの切られたナット72から成る「スクリュー−ナット」式の機構を備えており、前記ナット72は、軸方向に動かず、ナット72の中に入っているねじ付スクリュー74の軸方向並進運動を生じさせ、ピストン14の運動を駆動するようなやり方で、運動モーター68によって回転方向に駆動される。
スクリュー74は、軸方向に前方から後方に、頭部80と、頭部80が固定されている長手方向本体82とを備えており、長手方向本体82は、第1の前方の円筒形区画84と、ねじ付の第2の後方の円筒形区画86を備えており、ねじ付の第2の後方の円筒形区画86は、運動伝達手段66のナット72と協働するようになっている。
スクリュー74の長手方向本体82の前方円筒形区画84は、ねじが切られておらず、後方穿孔穴48を通ってピストン14の後方横断方向壁44を貫通し、区画84と穿孔穴48の間に半径方向に挟まれている後方シール88と協働して、第2シール52と共に、前方圧力チャンバ16と後方チャンバ30の間を確実にシールしている。
ピストン14は、その中間位置から、ピストン14が作動手段90の円筒形頭部96に作用する、制動位置と呼ばれる後方位置への、軸方向作動行程に亘って、後方へ動かすことができる。
作動装置10は、ピストン14を後方制動位置で軸方向に動かないようにすることのできる機械的ロック手段を備えているのが望ましい。
図2で分かるように、ロック手段102は緊急装置104を備えており、制御手段9058の電気モーター68が機能不全になったときには、手段102を手動でロック解除できるようになっている。
図3は、非作動状態にある作動装置10を示している。
スクリュー74の頭部80は、後方内部円筒形区画34の後方ストッパ面40を押している。
頭部80がピストン14の後方ストッパ面40に押し付けられているので、前記ピストン14は、図4に示しているように、中間位置に達するまで、制御行程に亘って並進運動で後方へ駆動される。
ピストン14の後方軸方向運動は、プライマリシール50を、前方圧力チャンバ16に対して供給口20の背後に移動させる効果があり、前方圧力チャンバ16には、結果的に、制御方法の第2ステップに従って、作動液が第1圧力「P1」で供給される。
次に、ピストン14は、その中間位置からその後方制動位置への軸方向運動に対応する作動行程を動く。
代わりに、スクリュー74の運動を制御する電気モーター68は、圧力「P1」の流体が前方圧力チャンバ16に供給されるのと同時に、スクリュー74が、作動行程に亘って動く際にピストン14を随伴するするように、作動させてもよい。
本発明による操作方法によれば、駐車ブレーキの解除は、前方圧力チャンバ16に、圧力「P1」より高い圧力「P2」の流体を供給し、ピストン14を戻す戻しばね60に、より強い力を加え、電気モーター68がスクリュー74を、図7に示しているその後方ロック位置から、図8に示している前方位置まで駆動できるようにすることによって行われる。
ピストン14がロック解除されると直ちに、圧力「P2」を前方圧力チャンバ16に加えるのが止められる。
図9及び図10で分かるように、ピストン14は、次いで、ばね60によって非作動の前方位置に向かって弾性的に戻され、作動液は、供給口20を介して前方圧力チャンバ16から取り除かれる。
好都合に、作動ロッド92の長手方向本体94は、その前端が接続ケーブルに繋がれており、接続ケーブルには、所定の機械的な力が、機械的な作動装置を、駐車ブレーキ操作部材に修正を加えることなく、本発明による作動装置と置き換えることができるようなやり方で加えられる。
好都合に、本発明による作動装置は、ディスクブレーキ又はドラムブレーキ機構を備えている駐車ブレーキ装置の操作部材に作用させるために使うことができる。
勿論、本発明は、上に説明してきた実施形態に限定されるものではない。
別の例では、ピストン14の運動を制御する制御手段58は、ピストン14に固定された軟鉄製のスリーブの様な部材で構成されており、電磁石の様な電気機械式の手段に応答して、ピストン14を、制御工程に亘って軸方向後方に、ピストン14が前方圧力チャンバ16に加圧された作動油が供給される中間位置にくるように、動かすことができるようになっている。
12、22 シリンダ
14 ピストン
16 前方油圧チャンバ
18 弁手段
20 加圧された作動油の供給口
32 内部円筒形区画
36 内部円筒形区画の前方ストッパ
38 内部円筒形区画の後方ストッパ
50 プライマリシーリング手段
52 セカンダリシーリング手段
54 駆動手段
58 制御手段
60 戻し手段
66 運動伝達手段
68 モーター
72 雌ねじの切られたナット
74 ねじ付スクリュー
90 作動手段
92 ロッド
96 ロッドの円筒形頭部
102 機械的ロック手段
Claims (11)
- 自動車用の駐車又は緊急ブレーキ装置であって、前記ブレーキの阻止手段を作用させて車両を動かないようにするために、所定の機械的な力をブレーキ操作部材に加える制御式の作動装置(10)を備えており、前記作動装置(10)は、油圧式で、加圧された流体が供給される、緊急ブレーキ装置において、
前方油圧チャンバ(16)の軸方向境界を画定し、作動行程に亘って前記所定の機械的な力を前記操作部材に掛けることのできるピストン(14)が、中を滑動するシリンダ(12、22)と、
選択的に前記前方圧力チャンバ(16)を加圧された作動油の供給口(20)と連通させて、前記前方圧力チャンバ(16)内に油圧作動圧力を確立する弁手段(18)と、を備えており、
前記弁手段(18)は、前記ピストン(14)と前記シリンダ(12)の間に挟まれており、前記ピストン(14)のその作動行程に先立つ制御行程に亘る軸方向運動によって制御されていることを特徴とする駐車又は緊急ブレーキ装置。 - 前記弁手段(18)は、軸方向にそれぞれ前記加圧された流体の供給口(20)の前及び後に配置することができ、前記ピストン(14)が非作動の前方位置にあるときには、前記前方油圧チャンバ(16)を前記供給口(20)から分離する、プライマリ(50)及びセカンダリ(52)のシーリング手段を備えていることを特徴とする、請求項1に記載の駐車ブレーキ装置。
- 前記装置は、
非作動の前方位置であって、前記ピストン(14)がそこに向かって戻し手段(60)により弾性的に戻され、そこでは、前記弁手段(18)が、前記前方油圧チャンバ(16)を前記供給口(20)からシールされた状態に分離している、前方位置と、
前記前方圧力チャンバ(16)に加圧された作動油が供給される中間位置との間の、
前記シリンダ(12、22)内の前記ピストン(14)の軸方向運動に対応する先行する制御行程に亘る前記ピストン(14)の並進制御のための制御手段(58)を備えていることを特徴とする、請求項1又は2に記載の駐車ブレーキ装置。 - 前記ピストン(14)の軸方向の運動を制御する前記制御手段(58)は、運動伝達手段(66)を作動させて電気モーター(68)の回転運動を前記ピストン(14)の並進運動に変えることできる駆動手段(54)を備えていることを特徴とする、請求項3に記載の駐車ブレーキ装置。
- 前記運動伝達手段(66)は、雌ねじの切られたナット(72)を備えた「スクリュー−ナット」式の機構であって、前記ナットは、軸方向に動かず、前記ナット(72)の中に入っているねじ付スクリュー(74)の並進軸方向運動を生じさせるように、前記モーター(68)によって回転方向に駆動され、前記スクリュー(74)は前記ピストン(14)の運動を駆動することができるようになっている、機構を備えていることを特徴とする、請求項4に記載の駐車ブレーキ装置。
- 前記ピストン(14)は、軸方向の作動行程に亘ってその中間位置から後方制動位置へ後方に動かすことができ、前記後方制動位置では、前記ピストン(14)は、作動手段(90)に作用して、前記所定の機械的な力を前記ブレーキ操作部材に加えることを特徴とする、請求項3乃至5の何れか一項に記載の駐車ブレーキ装置。
- 前記装置は、前記ピストン(14)を前記後方制動位置で軸方向に動かないようにするための機械的ロック手段(102)を備えていることを特徴とする、請求項6に記載の駐車ブレーキ装置。
- 前記ブレーキ操作部材を作動させるための前記作動手段(90)は、運動に関して、前記ピストン(14)が非作動のその前方位置からその中間位置へ動くときに、前記作動手段(90)が影響を受けないように、前記ピストン(14)の制御行程とほぼ等しい所定の軸方向間隙を取って、前記ピストン(14)に連結されていることを特徴とする、請求項6又は7に記載の駐車ブレーキ装置。
- 前記作動手段(90)は、円筒形の頭部(96)を備えたロッド(92)であって、前記頭部は、前記ピストン(14)の相補的な内部円筒形区画(32)内を軸方向に、
前記ロッド(92)の前記頭部(96)が、前記ピストン(14)の前記内部円筒形区画(32)の後方のストッパ(38)に押し付けられている、非作動の前方位置と、
前記ピストン(14)の前記内部円筒形区画(32)の前方のストッパ(36)に押し付けられている前記ロッド(92)の前記頭部(96)が、作動行程の間は、所定の機械的な力を前記操作部材に加えるように作動する、後方操作位置との間で、動くように取り付けられていることを特徴とする、請求項6乃至8の何れか一項に記載の駐車ブレーキ装置。 - 請求項7に記載の作動装置(90)を備えている型式の駐車又は緊急ブレーキ装置を制御するための操作方法において、前記駐車ブレーキを操作するために、
前記ピストンを制御する前記制御手段(58)を作動させて、前記ピストン(14)を、非作動のその前方位置からその中間位置に向かって、加圧された作動油を前記前方圧力チャンバ(16)へ供給できるように動かす段階である第1ステップと、
前記前方圧力チャンバ(16)に作動液を第1圧力P1で供給して、前記ピストン(14)を、前記戻し手段(60)の作用に抗して、前記操作部材を作動させる前記作動手段(90)に、ブレーキの阻止手段が掛ける、車両が駐車しているときに車両を動かないようにするだけの制動力に相当する最大の所定の機械的な力を加えるその後方制動位置まで動かす段階である第2ステップと、
前記ロック手段(102)を作動させ、前記ピストン(14)をその後方制動位置に機械的にロックする段階である第3ステップと、を含んでいることを特徴とする操作方法。 - 前記操作方法は、前記駐車ブレーキを解除するために、前記前方圧力チャンバ(16)に、前記第1圧力P1より高い第2圧力P2の作動液を供給して前記ピストン(14)をロック解除し、前記ピストン(14)を非作動のその前方位置に向かって弾性的に戻す段階であるステップを含んでいることを特徴とする、請求項10に記載の操作方法。
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