JP5013262B2 - ディスクブレーキ装置 - Google Patents

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Description

本発明は、車両の制動に用いられるディスクブレーキに係り、より詳しくは電動式駐車ブレーキ機構を付加したディスクブレーキ装置に関する。
車両の制動に用いられるディスクブレーキは、一般にディスクを挟んでその両側に配置される一対のパッドと、有底のシリンダ内に摺動可能に配設したピストンをブレーキペダルの操作に伴う液圧供給によって推進し、前記一対のパッドをディスクに押圧させて制動力を発生するキャリパとを備えた構造となっているが、最近は、これにさらに電動式の駐車ブレーキ機構を付加したディスクブレーキが実用化されている。そして従来、この種のディスクブレーキとしては、例えば、特許文献1に記載されるものがあり、このものでは、前記シリンダ外に配置された電動モータを駆動源として作動し、液圧手段から前記キャリパ内への液圧供給により推進したピストンを液圧解放後も機械的に制動位置に保持させる(ロックする)駐車ブレーキ機構を備えている。駐車ブレーキを解除するには、液圧手段からキャリパへ再度液圧を供給してから電動モータを逆回転させることになる。
特開2007−100725号公報
ところで、車両の運転においては、駐車ブレーキをかけたまま発進させてしまうことが往々にしてある。一方、上記した駐車ブレーキ機構を備えたディスクブレーキ装置において、駐車ブレーキを解除するには、制動時に供給した液圧以上の液圧を液圧手段からキャリパ内に供給してから電動モータを逆回転させる必要がある。このため、車両を発進させた後に駐車ブレーキの解除操作を行うと、一時的に制動力が高まってしまって加速度が変化してしまい、乗り心地が悪化する、という問題があった。
本発明は、上記した従来の問題点に鑑みてなされたもので、その課題とするところは、車両発進後に駐車ブレーキの解除操作を行っても加速度の変化を抑えることができ、もって乗り心地の改善に寄与するディスクブレーキ装置を提供することにある。
上記課題を解決するため、第1の発明は、駐車ブレーキ機構および液圧手段を制御する制御手段を、駐車ブレーキ解除信号が入力される前に走行要求信号が入力されたときに、前記液圧手段からキャリパへ液圧を供給させると共に、前記駐車ブレーキ機構を作動させて駐車ブレーキを解除し、その後に駐車ブレーキ解除信号が入力されたときに、前記キャリパから液圧を解放させる構成としたことを特徴とする。
また、第2の発明は、駐車ブレーキ機構および液圧手段を制御する制御手段を、駐車ブレーキ解除信号が入力される前に走行要求信号が入力されたときに、前記液圧手段から前記キャリパへ所定圧の液圧を供給させ、その後に駐車ブレーキ解除信号が入力されたときに、前記駐車ブレーキ機構を作動させて駐車ブレーキを解除すると共に、前記キャリパから液圧を解放させる構成としたことを特徴とする。
また、第3の発明は、駐車ブレーキ機構および液圧手段を制御する制御手段を、直近の駐車ブレーキ作動時に液圧検出手段によって検出されるキャリパへ供給した液圧を記憶し、駐車ブレーキ解除信号が入力されたときに、前記液圧手段から前記キャリパへ前記記憶した液圧を供給させると共に、前記駐車ブレーキ機構を作動させて駐車ブレーキを解除し、該駐車ブレーキ機構の解除後に前記キャリパから液圧を解放させる構成としたことを特徴とする。
本発明に係るディスクブレーキ装置によれば、車両発進後に駐車ブレーキの解除操作を行っても加速度の変化を抑えることができるので、乗り心地が悪化することはない。
以下、本発明を実施するための最良の形態を添付図面に基づいて説明する。
図1は、本発明に係るディスクブレーキ装置を含むブレーキシステムを示したものである。同図中、1、1aは車両の各輪に配置されたディスクブレーキであり、特に1は、車両の後輪(RL,RR)に配置された電動式駐車ブレーキ機構付きディスクブレーキ(以下、PKB付きディスクブレーキという)である。また、2は、PKB付きディスクブレーキ1に供給する液圧を調整する液圧手段、3は、ブレーキペダル4の操作に応じて液圧を発生するマスタシリンダである。マスタシリンダ3は、ここではタンデム型として構成されており、このマスタシリンダ3から延ばされた2系統の主ブレーキ液通路5、5´が、前記液圧手段2を経て各ディスクブレーキ1、1aに接続されている。ディスクブレーキ1、1aは、ここでは右前輪FRと左後輪RL、左前輪FLと右後輪RRとが組になるように、すなわちX型回路配分となるように前記主ブレーキ液通路5、5´から分岐した分岐通路5a、5a´にそれぞれ接続されている。なお、前記液圧手段2としては、ビークルダイナミクスコントロールシステム、アンチロックブレーキシステム、トラクションコントロールシステム等のブレーキシステム内の液圧制御ユニットが共用されている。
10は、後に詳述する駐車ブレーキ機構を制御する主制御装置(制御手段)、11は上記液圧手段2を制御する副制御装置である。主制御装置10には、ブレーキペダル4の操作を検出するブレーキランプスイッチ12、駐車ブレーキ指示信号を出力する駐車ブレーキスイッチ(例えば、押釦等)13および各PKB付きディスクブレーキ1内の液圧を検出する液圧センサ14から信号が入力されるようになっている。主制御装置10にはまた、シフトレバーのポジションを検出するシフトポジション検出手段15と、アクセルペダルのポジションを検出するアクセルポジション検出手段16と、PKB付きディスクブレーキ1に装備され、後に詳述する駐車ブレーキ機構を作動させるための電動モータ20の消費電力を検出するモータ電流検出手段17とから信号が入力されるようになっている。主制御装置10は、前記入力された各信号に基づいてPKB付きディスクブレーキ1内の液圧が所定圧となるように前記副制御装置11を介して液圧手段2を制御し、かつ前記電動モータ20の作動を制御する。
各PKB付きディスクブレーキ1は、図2、3によく示されるように、ディスクロータ21を挟んでその両側に配置された一対のパッド22,23と、この一対のパッド22,23をディスクロータ21の両面に押圧させて制動力を発生するキャリパ24とを備えている。本ディスクブレーキ1は、キャリパ浮動型として構成されており、前記一対のパッド22,23およびキャリパ24は、車両の非回転部(例えば、ナックル等)にボルト止めされたキャリア25(図3)にディスクロータ21の軸方向へ移動可能に支持されている。
より詳しくは、各パッド22,23は、その両側に設けた左右の耳部26をキャリア25の左右の支柱部25aの内側に対向して設けたガイド溝27に嵌合させることにより、該キャリア25に摺動可能に支持されている(図3)。また、キャリパ24は、その左右のアーム部24aにボルト28を用いて取付けたガイドピン(図示略)を前記キャリア25のブリッジ部25b内に設けたガイド穴(図示略)に嵌入させることにより、該キャリア25に摺動可能に支持されている。なお、図3中、29はキャリア25を前記車両の非回転部にボルト止めするためのねじ孔であり、キャリア25の左右二箇所に設けられている。
キャリパ24の主体であるキャリパ本体30は、車両内側のパッド(インナパッド)22に対向する基端側にシリンダ部31を、車両外側のパッド(アウタパッド)23に対向する先端側に爪部32をそれぞれ有している。シリンダ部31には、インナパッド22側を開口部となし、他端が底壁31aにより閉じられた有底のシリンダ33が形成されており、このシリンダ33内には、ピストンシール34を介してピストン35が摺動可能に内装されている。ピストン35は、ここではカップ形状をなし、その底部がインナパッド22に対向するようにシリンダ33内に収められている。このピストン35とシリンダ底壁31aとの間は液圧室36として画成されており、この液圧室36には、前記主ブレーキ液通路5、5´から分岐した分岐通路5a、5a´(図1)を通じてマスタシリンダ3(液圧手段2)から液圧が供給されるようになっている。ピストン35は、その底面に設けた凹部35aにインナパッド22の背面に設けた凸部22aを係合させることにより回り止めされている。また、ピストン35の底部とキャリパ本体30との間には、シリンダ33内への異物の浸入を防ぐダストブーツ37が介装されている。
本実施形態において、上記キャリパ本体30の後端には、ハウジング38が複数のボルト39により固定されており、このハウジング38内とキャリパ本体30のシリンダ部31内には、シリンダ底壁31aを挟んで駐車ブレーキ機構40が配設されている。駐車ブレーキ機構40は、シリンダ33内からシリンダ底壁31aに設けた貫通孔41を挿通してハウジング38内に一端側が延ばされ、ピストン35のカップ部内に位置する他端側に雄ねじ42を有するシャフト43と、ピストン35のカップ部内に配置され、内面の雌ねじ44を前記シャフト43の雄ねじ42に噛合わせたナット45と、ハウジング38内に配設され、前記電動モータ20(図1)により駆動されて、前記シャフト43を回転させる歯車機構(減速機構)46とから概略構成されている。なお、シリンダ底壁31aの貫通孔41の内面にはシャフト43との間をシールするシール部材47が配設されており、これによりシリンダ33内の液圧室36の液密が維持されている。
上記シャフト43は、シリンダ33の軸線上に配置されており、その中間部が、シリンダ底壁31aの両側に配置した2つの軸受(スラスト軸受)48と49とにより回動可能に支持されている。シャフト43の中間部にはシリンダ33内に配置した一方の軸受48に当接可能なフランジ部50が設けられると共に、ハウジング38内まで延ばされたその一端部にはダブルナット51を螺合可能なねじ部52が設けられており、シャフト43は、そのねじ部52にダブルナット51を締込むことにより2つの軸受48と49に対して強固に軸方向へ拘束されている。
シャフト43に噛合うナット45は、ピストン35の内面にシール部材53を介して摺動可能に嵌合されている。ナット45はまた、その後端に設けたフランジ部54に軸方向へ延ばして植立したピン55を、ピストン35に設けた軸方向のピン穴56に摺動可能に嵌入させることにより、その回転が規制されている。ナット45は、シャフト43の回転に応じて直動し、そのフランジ部54をピストン35の後端に当接させて該ピストン35に推進方向の押圧力を加える。また、ナット45の先端開口部には蓋板57が装着され、さらに、ピストン35には、該ピストン35の内底と前記蓋板57を含むナット45の先端との間のエアを抜くためのエア抜孔58が半径方向に貫設されている。
一方、シャフト43を回転させる歯車機構46は、電動モータ20の回転軸60に固定されたウォーム61と、シャフト43の一端部にキー62を介して回転不能に取付けられると共に、前記ウォーム61に噛合わされたウォームホイール63とからなっている。ウォームホイール63は、前後一対の軸受64を介してハウジング38に回動可能に支持されている。本実施形態において、電動モータ20は、図3によく示されるように、ハウジング38の外面の下側にボルト65を用いて固定され、その回転軸60は、ハウジング38内を横断して下側から上方向へ延ばされている。前記回転軸60の先端部は、ハウジング38を貫通してその外部(上部)に延出されており、その延出端部60aは、回転治具の把持に適するように二面幅加工されている。この二面幅加工された回転軸60の延出端部60aは、常時はキャップ66により覆われている。なお、図2は、中心線の上側と下側とを異なる切り口(断面)で示している。
以下、上記のように構成されたPKB付きディスクブレーキ1の作用を説明する。
通常ブレーキすなわちサービスブレーキとして作動する際には、電動モータ20が停止状態にあり、ブレーキペダル4の操作に応じてマスタシリンダ3からキャリパ24の液圧室36に液圧が供給される。すると、電動モータ20の停止によりナット45が不動となっていることから、ピストン35のみが推進してインナパッド22をディスクロータ21に押圧する。そして、この時の反力でキャリパ本体15が車両内側へ移動し、その爪部32がアウタパッド23をディスクロータ21の他面に押圧し、これによってディスクロータ21が一対のパッド22,23により挟まれ、液圧に応じた制動力が発生する。一方、この状態から液圧室36の液圧が解放されると、ピストンシール34の弾性復元力によりピストン35が後退し、これに応じて一対のパッド22,23がディスクロータ21から離間し、ブレーキが解放される。
駐車ブレーキを作動させる場合は、前記駐車ブレーキスイッチ13の操作に応じて主制御装置10から液圧手段2の副制御装置11に制御信号が出力され、キャリパ24の液圧室36に液圧手段2から所定圧の液圧が供給される。そして、この液圧供給によってピストン35が推進し、通常ブレーキ時と同様に所定の制動力が発生する。一方、前記液圧室36への液圧供給の開始とほぼ同時に主制御装置10からの指令で電動モータ20が起動される。すると、歯車機構46を介してシャフト43が回転し、ナット45が直動(前進)してそのフランジ部54がピストン35の後端に当接し、ピストン35を推進方向へ押圧する。その後、電動モータ20が停止されるとほぼ同時に主制御装置10から副制御装置11に指令が送出され、液圧手段2内の回路が切換えられて液圧室36の液圧が解放される。この時、ピストン35から受ける軸力で、雄ねじ42と雌ねじ44との噛合部に大きな摩擦力が発生しており、また歯車機構46が非可逆性となっているので、シャフト43の回転が阻止され、ナット45はその位置に保持される。すなわち、電動モータ20を停止させかつ液圧を解放しても、駐車ブレーキ機構40によってピストン35は制動位置に機械的に保持(ロック)され、これによって駐車ブレーキが確立する。
駐車ブレーキを解除する場合は、駐車ブレーキスイッチ13の操作に応じて主制御装置10から液圧手段2の副制御装置11に制御信号が出力され、液圧手段2から液圧室36に液圧が供給され、これとほぼ同時に主制御装置10からの指令で電動モータ20が逆方向に回転駆動される。すると、歯車機構46を介してシャフト43が逆回転し、ナット45が後退しようとする。しかし、駐車ブレーキ時と同等以上のピストン推力が得られるまで(キャリパ24内の液圧室36の液圧が所定圧以上となるまで)は、雄ねじ42と雌ねじ44との非可逆性および歯車機構46の非可逆性によってシャフト43の回転が阻止される。そして、駐車ブレーキ時を超えるピストン推力が得られるまで液圧が高まると、ピストン35からナット45にかかる軸力が急減し、これに合せてシャフト43が回転(逆回転)し、これによってナット45が後退する。その後は、ナット45が元の位置に戻ると同時に電動モータ20の回転が停止され、続いて液圧手段2によって液圧室36内の液圧が解放され、これにて駐車ブレーキは完全に解除(リリース)される。
なお、駐車ブレーキ中、万一電動モータ20が故障した場合は、液圧室36に液圧を供給した後、ハウジング38の外部に突出している回転軸60の延出端部60aに適宜の回転治具を係合させて、外部から回転軸60を強制的に回転させる。これにより歯車機構46を介してシャフト43が回転し、ナット45が後退して駐車ブレーキが解除される。すなわち、手動で簡単に駐車ブレーキを解除することができる。
ところで、駐車ブレーキをかけたロック状態で、ドライバーが車両を発進させる場合がある。そこで、本実施形態では、主制御装置10に駐車ブレーキ解除忘れ対策の機能を持たせ、図4以下に示すタイムチャートに従って駐車ブレーキの解除(リリース)を行うようにしている。
図4は、駐車ブレーキ解除忘れ対策としての、主制御装置10による第1の制御例を示したものである。本第1の制御例では、駐車ブレーキ(PKB)がかかっているロック状態で、イグニッション電源(IGN電源)がオンされ、シフトレバーがパーキングPからドライブDへ操作(「P→D」)されると、シフトポジション検出手段15(図1)から「P→D」信号、すなわち「走行要求信号」が主制御装置10へ送出される。すると、主制御装置10は、副制御装置11に制御信号を送出して液圧手段2からキャリパ24に所定の液圧を供給させると同時に、電動モータ20を起動(逆回転)させる。これによりシャフト43が逆回転してナット45が後退し、該ナット45は元の位置(非制動位置)に戻り、これと同時に電動モータ20の回転が停止される。
一方、ドライバーは、シフト「P→D」後、アクセルをオンして車両を発進および加速させるが、このとき、上記液圧供給により駐車ブレーキが維持されているので、加速度はあまり上がらず、低いレベルa1を維持する。その後、ドライバーは駐車ブレーキがロック状態にあることに気付いて駐車ブレーキスイッチ13を操作し、駐車ブレーキ解除のリリース要求「R」信号、すなわち「駐車ブレーキ解除信号」を主制御装置10へ送出する。すると、主制御装置10は、前記リリース要求「R」信号を受けて副制御装置11へ液圧解除指令を出力し、これによって液圧手段2内の回路が切替わってキャリパ1内の液圧が解放される。このとき、駐車ブレーキ機構40を構成するナット45が元の位置まで戻っているので、前記液圧解放と同時に駐車ブレーキが解除され、加速度は所望のレベルa2まで高まってそのレベルa2を維持する。すなわち、車両の減速度を伴うことなく駐車ブレーキを解除することができ、この結果、乗り心地が悪化することはなくなる。
因みに、駐車ブレーキ解除忘れ対策を採らない場合は、図4に点線で付記するように、リリース要求「R」信号を受けた時点から駐車ブレーキの解除操作がスタートするので、駐車ブレーキ解除のための液圧供給で、加速度が一時的に低いレベルa3まで低下する。すなわち、駐車ブレーキ解除に際して車両の減速度が伴い、乗り心地の悪化が避けられないようになる。
なお、上記第1の制御例では、ドライバーの「走行要求信号」としてシフトポジション検出手段15の信号(シフト「P→D」信号)を用いたが、これに代えて、ブレーキスイッチを離したときの信号、ヘッドライドをオンしたときの信号、アクセルをオンしたときの信号等を用いることができる。
図5は、駐車ブレーキ解除忘れ対策としての、主制御装置10による第2の制御例を示したものである。本第2の制御例の特徴とするところは、シフトポジション検出手段15(図1)からシフト「P→D」信号(「走行要求信号」)が主制御装置10へ送出された場合に、副制御装置11に制御信号を送出して液圧手段2からキャリパ24に所定の液圧を供給させ、その液圧をリリース要求「R」後まで維持し、リリース要求「R」信号に応じて電動モータ20を起動(逆回転)させて、駐車ブレーキを解除する点にある。なお、図5にも、駐車ブレーキ解除忘れ対策を採らない場合の変化を点線で付記している。このように駐車ブレーキを解除する場合は、駐車ブレーキ解除に必要とする液圧がキャリパ1に供給されている状態で電動モータ20起動されるので、上記第1の制御例と同様、速度を伴うことなく駐車ブレーキの解除を行うことができる。本第2の制御例では特に駐車ブレーキをかけた状態で若干車両を移動させたい場合でも、余計な駐車ブレーキ作動を行う必要がないという効果がある。
図6は、駐車ブレーキ解除忘れ対策としての、主制御装置10による第3の制御例を示したものである。本第3の制御例の特徴とするところは、上記第1の制御例(図4)において、主制御装置10に、直近の駐車ブレーキ作動時にキャリパ24に供給した液圧P0を記憶させ、シフト「P→D」信号(「走行要求信号」)が主制御装置10へ送出された場合に、予め記憶した液圧P0を液圧手段2からキャリパ24に供給させた点にある。このように予め記憶した液圧P0をキャリパ24に供給する場合は、駐車ブレーキ解除に必要とする最低限の液圧を供給すればよいので、キャリパ24内の液圧が短時間で立ち上がり、リリース要求「R」に遅滞なく対応できる。なお、図6にも、駐車ブレーキ解除忘れ対策を採らない場合の変化を点線で付記している。
図7は、駐車ブレーキ解除忘れ対策としての、主制御装置10による第4の制御例を示したものである。本第4の制御例の特徴とするところは、上記第2の制御例(図5)において、主制御装置10に、直近の駐車ブレーキ作動時にキャリパ24に供給した液圧P0を記憶させ、シフト「P→D」信号(「走行要求信号」)が主制御装置10へ送出された場合に、予め記憶した液圧P0を液圧手段2からキャリパ24に供給させた点にある。このように予め記憶した液圧P0をキャリパ24に供給する場合は、駐車ブレーキ解除に必要とする最低限の液圧を供給すればよいので、キャリパ24内の液圧が短時間で立ち上がり、リリース要求「R」に遅滞なく対応できる。なお、図7にも、駐車ブレーキ解除忘れ対策を採らない場合の変化を点線で付記している。
ここで、上記したように予め記憶した直近の液圧P0をキャリパ24に供給して駐車ブレーキを解除する制御方式は、シフト「P→D」信号(「走行要求信号」)に頼ることなく、駐車ブレーキ検出スイッチ13からのリリース要求「R」信号(「駐車ブレーキ解除信号」)のみに基いて駐車ブレーキを解除する場合も有用となる。
図8は、イグニッション電源(IGN電源)をオン、シフト切替え(P→D)、アクセルをオンした後に駐車ブレーキ解除のリリース要求「R」信号(「駐車ブレーキ解除信号」)が送出された場合の制御例を示したものである。この場合、主制御装置10は、前記リリース要求「R」信号を受けて、予め記憶した液圧P0を液圧手段2からキャリパ24に供給させると共に、電動モータ20を起動(逆回転)させて、駐車ブレーキを解除する。このように予め記憶した液圧P0をキャリパ24内に供給する場合は、駐車ブレーキ解除に必要とする最低限の液圧を供給するので、大きな制動力が発生せず、この結果、減速度を伴うことなく駐車ブレーキを解除できるようになる。なお、図8にも、駐車ブレーキ解除忘れ対策を採らない場合の変化を点線で付記している。
図9は、駐車ブレーキの解除を忘れることなく正常に車両を発進させる場合の制御例を示したものである。この場合、主制御装置10は、リリース要求「R」信号を受けて、予め記憶した液圧P0を液圧手段2からキャリパ24に供給させると共に、電動モータ20を起動(逆回転)させて、駐車ブレーキを解除する場合は、駐車ブレーキ解除に必要とする最低限の液圧を供給すればよいので、キャリパ24内の液圧が短時間で立ち上がり、リリース要求「R」に遅滞なく対応できる。なお、駐車ブレーキ解除後は、シフト切替え(P→D)、アクセルオンによる正常な運転操作が行われる。
本発明に係るディスクブレーキ装置を含むブレーキシステムの構造を示す系統図である。 本ディスクブレーキ装置を構成する電動式駐車ブレーキ機構付きディスクブレーキの構造を示す断面図である。 本電動式駐車ブレーキ機構付きディスクブレーキの一部を断面として示す正面図である。 駐車ブレーキ解除忘れ対策としての、主制御装置による第1の制御例を示すタイムチャートである。 駐車ブレーキ解除忘れ対策としての、主制御装置による第2の制御例を示すタイムチャートである。 駐車ブレーキ解除忘れ対策としての、主制御装置による第3の制御例を示すタイムチャートである。 駐車ブレーキ解除忘れ対策としての、主制御装置による第4の制御例を示すタイムチャートである。 走行要求信号に頼らずに駐車ブレーキを解除する場合の制御例を示すタイムチャートである。 走行要求信号に頼らずに駐車ブレーキを解除する場合の他の制御例を示すタイムチャートである。
符号の説明
1 電動式駐車ブレーキ機構付きディスクブレーキ
2 液圧手段
3 マスタシリンダ
4 ブレーキペダル
10 主制御装置(制御手段)
11 副制御装置(液圧手段用)
13 駐車ブレーキスイッチ
20 電動モータ
21 ディスクロータ
22,23 パッド
24 キャリパ
33 シリンダ
35 ピストン
40 駐車ブレーキ機構

Claims (5)

  1. ディスクを挟んでその両側に配置される一対のパッドと、有底のシリンダ内に摺動可能に配設したピストンを液圧手段からの液圧供給によって推進し、前記一対のパッドをディスクに押圧させて制動力を発生するキャリパと、前記シリンダ外に配置された電動モータを駆動源として作動し、前記液圧手段から前記シリンダ内への液圧供給により推進したピストンを液圧解放後も機械的に制動位置に保持させる駐車ブレーキ機構と、駐車ブレーキ指示信号により前記液圧手段から前記キャリパへ液圧を供給させると共に、前記駐車ブレーキ機構を作動させ、その後に前記キャリパから液圧を解放させる制御手段とを備えたディスクブレーキ装置において、
    前記制御手段は、駐車ブレーキ解除信号が入力される前に走行要求信号が入力されたときに、前記液圧手段から前記キャリパへ液圧を供給させると共に、前記駐車ブレーキ機構を作動させて駐車ブレーキを解除し、その後に駐車ブレーキ解除信号が入力されたときに、前記キャリパから液圧を解放させることを特徴とするディスクブレーキ装置。
  2. ディスクを挟んでその両側に配置される一対のパッドと、有底のシリンダ内に摺動可能に配設したピストンを液圧手段からの液圧供給によって推進し、前記一対のパッドをディスクに押圧させて制動力を発生するキャリパと、前記シリンダ外に配置された電動モータを駆動源として作動し、前記液圧手段から前記シリンダ内への液圧供給により推進したピストンを液圧解放後も機械的に制動位置に保持させる駐車ブレーキ機構と、駐車ブレーキ指示信号により前記液圧手段から前記キャリパへ液圧を供給させると共に、前記駐車ブレーキ機構を作動させて駐車ブレーキを解除し、その後に前記キャリパから液圧を解放させる制御手段とを備えたディスクブレーキ装置において、
    前記制御手段は、駐車ブレーキ解除信号が入力される前に走行要求信号が入力されたときに、前記液圧手段から前記キャリパへ液圧を供給させ、その後に駐車ブレーキ解除信号が入力されたときに、前記駐車ブレーキ機構を作動させて駐車ブレーキを解除すると共に、前記キャリパから液圧を解放させることを特徴とするディスクブレーキ装置。
  3. 前記制御手段は走行要求信号が入力されたときに、駐車ブレーキ作動時に前記液圧手段から前記キャリパへ供給した所定の液圧を供給させることを特徴とする請求項1または2に記載のディスクブレーキ装置。
  4. 前記制御手段は、前記キャリパ内の液圧を検出する液圧検出手段に接続され、直近の駐車ブレーキ作動時に前記液圧検出手段によって検出される前記キャリパへ供給した液圧を記憶し、走行要求信号が入力されたときに、前記液圧手段から前記キャリパへ前記記憶した液圧を供給させることを特徴とする請求項1または2に記載のディスクブレーキ装置。
  5. ディスクを挟んでその両側に配置される一対のパッドと、有底のシリンダ内に摺動可能に配設したピストンを液圧手段からの液圧供給によって推進し、前記一対のパッドをディスクに押圧させて制動力を発生するキャリパと、前記シリンダ外に配置された電動モータを駆動源として作動し、前記液圧手段から前記キャリパ内への液圧供給により推進したピストンを液圧解放後も機械的に制動位置に保持させる駐車ブレーキ機構と、駐車ブレーキ指示信号により前記液圧手段から前記キャリパへ液圧を供給させると共に、前記駐車ブレーキ機構を作動させ、その後に前記キャリパから液圧を解放させる制御手段と、前記キャリパ内の液圧を検出する液圧検出手段と、を備え、
    前記制御手段は、直近の駐車ブレーキ作動時に前記液圧検出手段によって検出されるキャリパへ供給した液圧を記憶し、駐車ブレーキ解除信号が入力されたときに、前記液圧手段から前記キャリパへ前記記憶した液圧を供給させると共に、前記駐車ブレーキ機構を作動させて駐車ブレーキを解除し、該駐車ブレーキの解除後に前記キャリパから液圧を解放することを特徴とするディスクブレーキ装置。
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