JP4721165B2 - ブレーキ装置 - Google Patents

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本発明は、車両の制動に用いられるブレーキ装置に関する。
車両の制動に用いられるディスクブレーキは、一般にディスクを挟んでその両側に配置される一対のパッドと、有底のシリンダ内に摺動可能に配設したピストンを、前記シリンダ内への液圧導入により推進し、前記一対のパッドをディスクに押圧させて制動力を発生するキャリパとを備えた構造となっているが、最近は、これにさらに電動駐車ブレーキ機構を付加したものが実用化されている。そして従来、電動駐車ブレーキ機構を付加したディスクブレーキとしては、例えば、特許文献1に記載されるものがあった。このものは、上記シリンダ外に設けた電動モータを駆動源として作動し、前記シリンダ内への液圧供給により推進したピストンを液圧解放後も機械的に制動位置に保持させる構造となっている。
ところで、この種の電動駐車ブレーキ機構付きディスクブレーキは、ビークルダイナミクスコントロールシステム、アンチロックブレーキシステム(ABS)、トラクションコントロールシステム等のブレーキシステムに組込んで用いられることが多く、この場合は、ディスクブレーキのシリンダに液圧を供給するための液圧源として、ブレーキシステム内の液圧ポンプが用いられることになる(特許文献1参照)。
特表平05−506196号公報
しかるに、上記したブレーキシステムで使用されている液圧ポンプは、あまり高い液圧を発生させることができず、一般的に駐車ブレーキ時に大きな液圧を必要する電動駐車ブレーキ機構付きディスクブレーキの液圧源としては能力が不足する。このため、電動駐車ブレーキ機構付きディスクブレーキをブレーキシステムに組込む場合は、ディスクブレーキ側でピストン推力を高める工夫(例えば、ピストンの大径化)を行うか、別途専用の液圧ポンプを装備する対策が必要であった。しかし、前者の対策によればディスクブレーキ自体が大型化し、また後者の対策によればディスクブレーキ周りが煩雑化し、何れにおいても車両への搭載性の悪化が避けられないようになる。
本発明は、上記した従来の問題点に鑑みてなされたもので、その課題とするところは、電動駐車ブレーキ機構付きディスクブレーキの液圧源として電動倍力装置を用いることにより必要な液圧を確保できるようにし、もってディスクブレーキの大型化やディスクブレーキ周りの煩雑化を抑えることができるブレーキ装置を提供することにある。
上記課題を解決するため、本発明に係るブレーキ装置は、
(A)ブレーキ液圧を発生するマスタシリンダ、
(B)ディスクを挟んでその両側に配置される一対のパッドと、有底のシリンダ内に摺動可能に配設したピストンを前記マスタシリンダから前記シリンダ内への液圧導入により推進し、前記一対のパッドをディスクに押圧させて制動力を発生するキャリパと前記シリンダ外に設けられた電動モータを駆動源として作動し、前記シリンダ内への液圧供給により推進したピストンを該シリンダ内の液圧解放後も機械的に制動位置に保持させる電動駐車ブレーキ機構とを備えたディスクブレーキ、
(C)ブレーキペダルの操作により進退移動する軸部材と、該軸部材に相対移動可能に外装された筒状部材と、該筒状部材を進退移動させる電動アクチュエータと、前記軸部材と前記筒状部材との相対変位量を検出する変位検出手段と、ブレーキ非作動時に前記軸部材と前記筒状部材とを相対移動の中立位置に保持するばねとを備え、前記軸部材と前記筒状部材とを前記マスタシリンダのピストンとして、それぞれの前端部を該マスタシリンダの圧力室に臨ませ、前記ブレーキペダルから前記軸部材に付与されるペダル推力と前記電動アクチュエータから前記筒状部材に付与されるブースタ推力とにより、前記圧力室内にブレーキ液圧を発生させる電動倍力装置、および
(D)前記マスタシリンダのブレーキ液圧を検出する液圧検出手段および前記電動倍力装置内の変位検出手段の検出信号に基づいて、前記電動倍力装置の電動アクチュエータおよび前記ディスクブレーキの電動モータを制御する制御回路、からなり、
駐車ブレーキ時に、前記電動倍力装置の作動により前記マスタシリンダから前記ディスクブレーキのシリンダへ所定液圧が供給された後に、前記ディスクブレーキ内の電動駐車ブレーキ機構が前記ピストンを制動位置に保持させることを特徴とする。
上記のように構成されたディスクブレーキにおいては、電動倍力装置内の電動アクチュエータの作動によりマスタシリンダのブレーキ液圧が変化するので、駐車ブレーキに必要な高いブレーキ液圧はもとより、ブレーキシステムに必要な低いブレーキ液圧を任意に得ることができる。
本発明は、駐車ブレーキ時に、前記マスタシリンダから前記所定液圧以上の液圧が前記ディスクブレーキのシリンダに供給されている時には、前記電動倍力装置によりマスタシリンダのブレーキ液圧を前記ディスクブレーキのシリンダが駐車ブレーキ時に必要とする液圧に減圧してから、前記ディスクブレーキの電動モータを起動させるようにすることができ、この場合は、ブレーキペダルが踏まれていても、一旦減圧してから駐車ブレーキを作動させることができる。
また、本発明に係るブレーキ装置は、
(A)ブレーキ液圧を発生するマスタシリンダと該マスタシリンダにブレーキ液圧を発生させるためにブレーキペダルの操作により進退移動する軸部材と相対移動可能に設けられた筒状部材を電動アクチュエータによって作動するとともに前記軸部材と前記筒状部材との間に配置され前記軸部材を互いに逆方向に付勢する一対のばねを有する倍力装置とからなる液圧ユニット、
(B)ディスクを挟んでその両側に配置される一対のパッドと、有底のシリンダ内に摺動可能に配設したピストンを前記マスタシリンダから前記シリンダ内への液圧導入により推進し、前記一対のパッドをディスクに押圧させて制動力を発生するキャリパと前記シリンダ外に設けられた電動モータを駆動源として作動し、前記シリンダ内への液圧供給により推進したピストンを該シリンダ内の液圧解放後も機械的に制動位置に保持させる電動駐車ブレーキ機構とを備えた一対の電動駐車ブレーキ機構付きディスクブレーキ、
(C)ディスクを挟んでその両側に配置される一対のパッドと、有底のシリンダ内に摺動可能に配設したピストンを前記マスタシリンダから前記シリンダ内への液圧導入により推進し、前記一対のパッドをディスクに押圧させて制動力を発生するキャリパを備えた一対の汎用ディスクブレーキ、
(D)前記マスタシリンダと前記一対の電動駐車ブレーキ機構付きディスクブレーキ及び前記一対の汎用ディスクブレーキとをそれぞれ接続する液圧配管、
(E)該液圧配管のうち前記マスタシリンダと前記一対の汎用ディスクブレーキとを接続する液圧配管のそれぞれに介装される常開の電磁弁、および
(F)前記液圧ユニットの電動アクチュエータ、前記ディスクブレーキの電動モータ、及び前記電磁弁を制御する制御回路、からなり、
該制御回路は、駐車ブレーキ作動時に、前記電磁弁を閉弁制御するとともに、電動アクチュエータを作動して前記液圧ユニットから前記ディスクブレーキのシリンダへ所定液圧を供給し、前記ディスクブレーキ内の電動駐車ブレーキ機構により前記ピストンを制動位置に保持することを特徴とする。
本発明に係るブレーキ装置によれば、電動駐車ブレーキ機構付きディスクブレーキにマスタシリンダを介して電動倍力装置を有機的に結合することで、駐車ブレーキに必要な高いブレーキ液圧はもとより、ブレーキシステムに必要な低いブレーキ液圧を任意に得ることができ、ディスクブレーキを大型にしたり、あるいは液圧ポンプを追加する対策が不要になって、車両搭載性が向上する。
以下、本発明を実施するための最良の形態を添付図面に基づいて説明する。
図1は、本発明に係るブレーキ装置の全体のシステム構成を示したものである。同図中、1(1A,1B)は電動駐車ブレーキ機構付きディスクブレーキ(以下、PKB付きディスクブレーキという)、2(2A,2B)は汎用ディスクブレーキであり、ここでは、車両リア側にPKB付きディスクブレーキ1が、車両フロント側に汎用ディスクブレーキ2がそれぞれ配置されている。PKB付きディスクブレーキ1と汎用ディスクブレーキ2とは、X型回路配分、すなわち1Aと2B、1Bと2Aとが組となるようにブレーキ配管3、4により相互に接続されている。5は、タンデム型マスタシリンダ6と電動倍力装置7とを一体的に有する液圧ユニットであり、タンデム型マスタシリンダ6の各圧力室からそれぞれ独立に延ばされた液圧配管8、9が前記X型回路配分のブレーキ配管3、4に各独立に接続されている。各ブレーキ配管3、4の、前記液圧配管8、9との接続箇所よりも汎用ディスクブレーキ2に近い箇所には、常開の電磁弁10、11が介装されており、該電磁弁10、11の閉弁に応じて各PKB付きディスクブレーキ1のみがマスタシリンダ6に接続されるようになっている。
各PKB付きディスクブレーキ11および電動倍力装置7のそれぞれは、後に詳述するように電動モータ12、13を駆動源として作動するようになっており、これら電動モータ12、13および上記ブレーキ配管3、4内の電磁弁10、11は、別途設置した制御回路14によって制御されるようになっている。制御回路14には、マスタシリンダ6から延ばされた液圧配管8、9に介装した圧力センサ(液圧検出手段)15、16、電動倍力装置7に設けた後述のポテンショメータ(変位検出手段)17および、車室内に設置したパーキングスイッチ18の信号が入力されるようになっており、制御回路14は、これらの信号に基づいて各電動モータ12、13を制御する。
各PKB付きディスクブレーキ1(1A,1B)は、図2〜図5に示されるように、ディスクロータ20を挟んでその両側に配置された一対のパッド21,22、この一対のパッド21,22をディスクロータ20の両面に押圧させて制動力を発生するキャリパ23を備えている。本ディスクブレーキ1は、キャリパ浮動型として構成されており、前記一対のパッド21,22およびキャリパ23は、車両の非回転部(例えば、ナックル等)にボルト止めされたキャリア24にディスクロータ20の軸方向へ移動可能に支持されている。より詳しくは、各パッド21,22は、図3によく示されるように、その両側に設けた左右の耳部25をキャリア24の左右の支柱部24aの内側に対向して設けたガイド溝26に嵌合させることにより、該キャリア24に摺動可能に支持されている。また、キャリパ23は、その左右のアーム部23aにボルト27を用いて取付けたガイドピン(図示略)を前記キャリア24のブリッジ部24b内に設けたガイド穴(図示略)に嵌入させることにより、該キャリア24に摺動可能に支持されている。なお、図3中、28はキャリア24を前記車両の非回転部にボルト止めするためのねじ孔であり、キャリア24の左右二箇所に設けられている。
キャリパ23の主体であるキャリパ本体30は、車両内側のパッド(インナパッド)21に対向する基端側にシリンダ部31を、車両外側のパッド(アウタパッド)22に対向する先端側に爪部32をそれぞれ有している。シリンダ部31には、インナパッド21側を開口部となし、他端が底壁33aにより閉じられた有底のシリンダ33が形成されており、このシリンダ33内には、ピストンシール34を介してピストン35が摺動可能に内装されている。ピストン35は、ここではカップ形状をなし、その底部がインナパッド21に対向するようにシリンダ33内に収められている。このピストン35とシリンダ底壁33aとの間は液圧室36として画成されており、この液圧室36には、シリンダ部31に設けたポート(図示略)を通じて、前記液圧ユニット5のマスタシリンダ6(図1)から液圧が供給されるようになっている。なお、ピストン35は、その底面に設けた凹部35aにインナパッド21の背面に設けた凸部21aを係合させることにより回り止めされている。また、ピストン35の底部とキャリパ本体30との間には、シリンダ33内への異物の進入を防ぐダストブーツ37が介装されている。
上記したPKB付きディスクブレーキ1の構成は、汎用ディスクブレーキ2と共通であり、液圧室36への液圧供給に応じてピストン35が(前進)推進し、インナパッド21をディスクロータ20へ押圧させ、この時の反力でキャリパ本体30が車両内側へ移動し、その爪部32がアウタパッド22をディスクディスクロータ20の他面に押圧する。これによってディスクロータ20が一対のパッド21,22により挟まれ、液圧に応じた制動力が発生する。
本実施形態において、上記キャリパ本体30の後端には、ハウジング38が複数のボルト39により固定されており、このハウジング38内とキャリパ本体30のシリンダ部31内には、シリンダ底壁33aを挟んで電動駐車ブレーキ機構40が配設されている。電動駐車ブレーキ機構40は、シリンダ33内からシリンダ底壁33aに設けた貫通孔41を挿通してハウジング38内に一端側が延ばされ、ピストン35のカップ部内に位置する他端側に雄ねじ42を有するシャフト43と、ピストン35のカップ部内に配置され、内面の雌ねじ44を前記シャフト43の雄ねじ42に噛合わせたナット45と、ハウジング38内に配設され、前記電動モータ12(図1)により駆動されて、前記シャフト43を回転させる歯車機構(減速機構)46とから概略構成されている。なお、シリンダ底壁13aの貫通孔41の内面にはシャフト43との間をシールするシール部材47が配設されており、これによりシリンダ33内の液圧室36の液密が維持される。
上記シャフト43は、シリンダ33の軸線上に配置されており、その中間部が、シリンダ底壁33aの両側に配置した2つの軸受(スラスト軸受)48と49とにより回動可能に支持されている。シャフト43の中間部にはシリンダ33内に配置した一方の軸受48に当接可能なフランジ部50が設けられると共に、ハウジング38内まで延ばされたその一端部にはダブルナット51を螺合可能なねじ部52が設けられており、シャフト43は、そのねじ部52にダブルナット51を締込むことにより2つの軸受49と50に対して強固に軸方向へ拘束されている。
一方、シャフト43に噛合うナット45は、ピストン35の内面にシール部材53を介して摺動可能に嵌合されている。ナット45はまた、その後端に設けたフランジ部54に軸方向へ延ばして植立したピン55を、ピストン35に設けた軸方向のピン穴56に摺動可能に嵌入させることにより、その回転が規制されている。ナット45は、シャフト43の回転に応じて直動し、そのフランジ部54をピストン35の後端に当接させて該ピストン35に推進方向の押圧力を加える。なお、ナット45の先端開口部には蓋板57が装着されている。また、ピストン35には、該ピストン35の内底と前記蓋板57を含むナット45の先端との間のエアを抜くためのエア抜孔58が半径方向に貫設されている。
ここで、シャフト43の雄ねじ42とナット45の雌ねじ44とは、図5によく示されるように台形ねじからなっている。また、雄ねじ42と雌ねじ44とは、軸方向に所定の遊びδを有するように噛合わされており、ナット45にかかる液圧と制動力の発生に応じてピストン35からナット45にかかる軸力とのバランスにより、液圧が軸力より勝っている場合は、図5(a)に示されるように雄ねじ42の背面に雌ねじ44の前面が当接し、軸力が液圧より勝っている場合は、同図(b)に示されるように雄ねじ42の前面が雌ねじ44の背面に当接する状態となる。台形ねじは非可逆ねじとなっており、前記ナット45に軸力が伝達された状態では、雄ねじ42と雌ねじ44との噛合部(ねじ機構)に大きな摩擦力が発生し、電動モータ12を停止させてもシャフト43の回転が規制される。なお、前記雄ねじ42と雌ねじ44との遊びδは、一例として0.8mm程度に設定される。
一方、シャフト43を回転させる歯車機構46は、電動モータ12の回転軸60に固定されたウォーム61と、シャフト43の一端部にキー62を介して回転不能に取付けられると共に、前記ウォーム61に噛合わされたウォームホイール63とからなっている。ウォームホイール63は、前後一対の軸受64を介してハウジング38に回動可能に支持されている。本実施形態において、電動モータ12は、図3によく示されるように、ハウジング38の外面の下側にボルト65を用いて固定され、その回転軸60は、ハウジング38内を横断して下側から上方向へ延ばされている。前記回転軸60の先端部は、ハウジング38を貫通してその外部(上部)に延出されており、その延出端部60aは、回転治具の把持に適するように二面幅加工されている。この二面幅加工された回転軸60の延出端部60aは、常時はキャップ66により覆われている。なお、図2は、中心線の上側と下側とを異なる切り口(断面)で示している。
上記のように構成されたPKB付きディスクブレーキ1を、通常ブレーキすなわちサービスブレーキとして作動させる場合は、電動モータ12を停止した状態で前記マスタシリンダ6からキャリパ23内の液圧室36に液圧が供給される。すると、電動モータ12の停止によりナット45が不動となっていることから、ピストン35のみが推進してインナパッド21をディスクロータ20に押圧し、その反力でキャリパ本体30が車両内側へ移動して、液圧に応じた制動力が発生する。この時、ピストン35の受圧面積は、ピストン35の断面積Aからナット45の断面積Bを減じた値(A−B)となり、したがって、ピストン推力はそれほど高くならず、リア側ブレーキ(図1)として適正な制動力が得られるようになる。また、液圧室36の液圧が解放されると、ピストンシール34の弾性復元力によりピストン35が後退し、これに応じて一対のパッド21,22がディスクロータ20から離間し、ブレーキが解放される。
駐車ブレーキとして作動させる場合は、液圧室36に液圧を供給するとほぼ同時に電動モータ12を起動させる。すると、歯車機構46を介してシャフト43が回転し、ナット45が直動(前進)してそのフランジ部54がピストン35の後端に当接し、ピストン35とナット45とが一体となって前進し、これにより通常ブレーキ時と同様に制動力が発生する。この時、ナット45を含むピストン35の受圧面積は、ピストン35の断面積Aとナット45の断面積Bとを加算した値(A+B)となり、この結果、ピストン推力が高くなって、大きな制動力が得られるようになる。その後、液圧室36の液圧を解放するとほぼ同時に、電動モータ12を停止させる。この時、ピストン35から受ける軸力で、雄ねじ42と雌ねじ44との噛合部に大きな摩擦力が発生しているので(図5(b))、シャフト43の回転が阻止され、ナット45はその位置に保持される。すなわち、液圧を解放しかつ電動モータ12を停止させてもピストン35は制動位置に保持され、これによって駐車ブレーキが確立する。本実施形態においては特に、ウォーム61とウォームホイール63とからなる歯車機構46も非可逆となっているので、シャフト43の回転が確実に規制され、駐車ブレーキが安定して維持される。
駐車ブレーキを解除するには、液圧室36に液圧を供給するとほぼ同時に電動モータ12を逆方向に回転させる。すると、歯車機構46を介してシャフト43が回転し、ナット45が後退しようとする。しかし、駐車ブレーキ時を超えるピストン推力が得られるまで液圧が高まるまでは、雄ねじ42と雌ねじ44との非可逆性および歯車機構46の非可逆性によってシャフト43の回転が阻止される。そして、駐車ブレーキ時を超えるピストン推力が得られるまで液圧が高まると、ピストン35からナット45にかかる軸力が急減し、これに合せてシャフト43が回転し、これによってナット45が後退する。その後は、ナット45が元の位置に戻ると同時に電動モータ12の回転が停止され、続いて液圧室36内の液圧が解放され、これにて駐車ブレーキは完全に解除される。
図6は、駐車ブレーキ作動時における液圧と電動モータ12の電流(モータ電流)の経時変化の一例を、図7は、駐車ブレーキ解除時における同様の経時変化の一例をそれぞれ示したものである。両図において、(a)、(b)で表わす区間は、図5の(a)、(b)に示したねじ機構の噛合い状態に対応しており、両区間(a)と(b)との間では、雄ねじ42と雌ねじ44とが遊びδの範囲内で非噛合い状態にある。モータ電流は、前記非噛合い状態では大きく低下し、その後にストール電流に達する。したがって、液圧が所定大きさに到達した後の電動モータ12のストール電流を監視し、ストール電流に到達した後にモータ停止および液圧解放を行うことで、駐車ブレーキの完全確立および完全解放を実現できることになる。
なお、駐車ブレーキ中、万一電動モータ12が故障した場合は、液圧室36に液圧を供給した後、ハウジング38の外部に突出している回転軸60の延出端部60aに適宜の回転治具を係合させて、外部から回転軸60を強制的に回転させる。これにより歯車機構46を介してシャフト43が回転し、ナット45が後退して駐車ブレーキが解除される。すなわち、手動で簡単に駐車ブレーキを解除することができる。
一方、液圧ユニット5を構成するタンデム型マスタシリンダ6は、図8および図9に示されるように、電動倍力装置7の後述のピストン組立体100をプライマリピストンとして共用してなっている。マスタシリンダ6は、有底のシリンダ本体70とリザーバ(図示略)とを備えており、そのシリンダ本体70内の奥側には、前記プライマリピストンとしてのピストン組立体100と対をなすセカンダリピストン71が配設されている。本実施形態において、ピストン組立体100およびセカンダリピストン71は、図9によく示されるように、シリンダ本体70内に嵌合したスリーブ73およびその両端側の2つのリングガイド74、75と、電動倍力装置7の後述のハウジング101およびシリンダ本体70の間に介装された押えリング対76とにより摺動案内されるようになっている。シリンダ本体70内には、前記ピストン組立体100とセカンダリピストン71とにより2つの圧力室77、78が画成されており、前記両ピストン100、71の前進に応じて各圧力室77、78内に封じ込められているブレーキ液が、前記PKB付きディスクブレーキ1(1A,1B)および汎用ディスクブレーキ2(2A,2B)へ圧送される。
また、シリンダ本体70、スリーブ73およびリングガイド74、75には、各圧力室77、78内と前記リザーバとを連通するリリーフポート79、80が形成され、さらに、スリーブ73、押えリング対76、シリンダ本体70には、前記リリーフポート79、80を挟む態様で、ピストン組立体100、セカンダリピストン71との間をシールする各一対のシール部材81、82が配設されている。各圧力室77、78は、前記両ピストン100、71の前進に応じて、前記各一対のシール部材81、82が対応するピストン100、71の外周面に摺接することで、リリーフポート79、80に対して閉じられるようになる。なお、各圧力室77、78内には、前記プライマリピストンとしてのピストン組立体100とセカンダリピストン71とを後退方向へ付勢する戻しばね83、84が配設されている。
液圧ユニット5を構成する電動倍力装置7のハウジング101は、リング形状の取付板102を介して車室90の壁91の前面に固定された第1筒体103と、この第1筒体103に同軸に連結された第2筒体104とからなっており、その第2筒体104の前端に前記タンデム型マスタシリンダ6のシリンダ本体70が連結されている。また、第1筒体103には支持板105が取付けられており、この支持板105に前記電動モータ13(図1)が固定されている。なお、取付板102は、その内径ボス部102aが車室壁91の開口91a内に位置するように車室壁91に固定されている。
電動倍力装置7のピストン組立体100は、筒状をなすブースタピストン(筒状部材)106とこのブースタピストン106内にこれと相対移動可能に配設された入力ピストン(軸部材)107とからなっている。入力ピストン107は、その後端に設けた大径部107aに車室90内のブレーキペダル92から延ばした入力ロッド93を連結させることで、ブレーキペダル92の操作(ペダル操作)により進退移動するようになっている。この場合、入力ロッド93は、前記大径部107aに設けられた球面状凹部107bに先端部を嵌合させた状態で連結されており、これにより入力ロッド93の揺動が許容されている。
ピストン組立体100を構成するブースタピストン106は、その内部の長手方向中間部位に隔壁106aを有しており、前記入力ピストン107がこの隔壁106aを挿通して延ばされている。ブースタピストン106の前端側は、マスタシリンダ6内の圧力室(プライマリ室)77に挿入され、一方、入力ピストン107の前端側は、同じ圧力室77内のブースタピストン106の内側に挿入されている。ブースタピストン106と入力ピストン107との間は、ブースタピストン106の隔壁106aの前側に配置したシール部材108によりシールされており、このシール部材108と前記したピストン組立体100の周りのシール部材81とにより、圧力室77からマスタシリンダ6外へのブレーキ液の漏出が防止されている。なお、ブースタピストン106の前端部およびセカンダリピストン71の前端部には、前記マスタシリンダ6内のリリーフポート79、80に連通可能な貫通孔109、71aがそれぞれ穿設されている。
電動倍力装置7はまた、前記電動モータ13を駆動源として作動し、ブースタピストン106を移動させる電動アクチュエータ110を備えている。この電動アクチュエータ110は、ハウジング101の第1筒体103の内部に入力ピストン107を囲んで配設されたボールねじ機構111と、電動モータ13の回転を減速してボールねじ機構111に伝達する回転伝達機構112とから概略構成されている。
ボールねじ機構111は、軸受(アンギュラコンタクト軸受)113を介して第1筒体103に回動自在に支持されたナット部材114とこのナット部材114にボール115を介して噛合わされた中空のねじ軸116とからなっている。ねじ軸116の後端部は、ハウジング101の取付板102に固定したリングガイド117に回動不能にかつ摺動可能に支持されており、これによりナット部材114の回転に応じてねじ軸116が直動するようになる。回転伝達機構112は、電動モータ13の出力軸13aに取付けられた第1プーリ118と、前記ナット部材114にキー119を介して回動不能に取付けられた第2プーリ120と前記2つのプーリ118、120間に掛け回されたベルト(タイミングベルト)121とからなっている。第2プーリ120は第1プーリ118に比べて大径となっており、これにより電動モータ13の回転は減速してボールねじ機構111のナット部材114に伝達される。なお、アンギュラコンタクト軸受113には、ナット部材114にねじ込んだナット122により第2プーリ120およびカラー123を介して与圧がかけられている。
上記ボールねじ機構111を構成する中空のねじ軸116の前端部にはフランジ部材124が、その後端部には筒状部材126がそれぞれ嵌合固定されている。フランジ部材124および筒状部材126は前記入力ピストン107を摺動案内するガイドとして機能するようにそれぞれの内径が設定されている。前記フランジ部材124は、ねじ軸116の、図中、左方向への前進に応じて前記ブースタピストン106の後端に当接するようになっており、これに応じてブースタピストン106も前進する。また、ハウジング101を構成する第2筒体104の内部には、該第2筒体104の内面に形成した環状突起127に一端が係止され、他端が前記フランジ部材124に衝合する戻しばね128が配設されており、ねじ軸116は、ブレーキ非作動時にこの戻しばね128により図示の原位置に位置決めされる。
ここで、入力ピストン107とブースタピストン106との相互間には、図9によく示されるように、環状空間129が画成されており、この環状空間129には、入力ピストン107に設けたフランジ部130に一端が係止され、かつブースタピストン106の隔壁108とブースタピストン106の後端部に嵌着した止め輪131とにそれぞれ他端が係止された一対のばね(ばね手段)132が配設されている。この一対のばね132は、ブレーキ非作動時に入力ピストン107とブースタピストン106とを相対移動の中立位置に保持する役割をなすものである。
電動倍力装置6の前記ポテンショメータ17(図1)は入力ピストン107の変位を検出するもので、図8に示されるように車室90内に配設されている。このポテンショメータ17は、抵抗体を内蔵した本体部133と、本体部133から伸縮可能に延ばされたセンサロッド134とからなっており、ハウジング101の取付板102のボス部102aに固定したブラケット135に入力ピストン107と平行をなすように取付けられている。センサロッド134は本体部133に内蔵したばねにより、常に伸長方向へ付勢され、前記入力ピストン107の後端部に固定されたブラケット136に先端を当接させている。一方、前記電動モータ13には、ブースタピストン106を駆動するボールねじ機構111のねじ軸116の変位を検出する回転位置(磁極位置)センサ137が内蔵されている。ポテンショメータ17と回転位置センサ137とは、入力ピストン107とブースタピストン106との相対変位を検出する変位検出手段を構成しており、これらの検出信号は、前記制御回路14に送出される。
上記のように構成された液圧ユニット5においては、ブレーキペダル92が操作されると、入力ピストン107が前進し、その動きがポテンショメータ17により検出される。すると、ポテンショメータ17からの信号を受けて制御回路14が電動モータ13に起動指令を出力し、これにより電動モータ13が回転して、その回転が回転伝達機構112を介してボールねじ機構111に伝達され、ねじ軸116が前進してその動きにブースタピストン106が追従する。すなわち、入力ピストン107とブースタピストン106とが一体的に前進し、これによりタンデム型マスタシリンダ6内の圧力室77、78に液圧が発生し、この液圧が前記電動ブレーキ機構付きディスクブレーキ1(1A,1B)および汎用ディスクブレーキ2(2A,2B)へ圧送される。
この時、入力ピストン107とブースタピストン106との間に相対変位が生じないように電動モータ13の回転を制御すると、両ピストン106と107との間に介装した一対のばね132が中立位置を維持する。この時の倍力比nは、図10に示すように、入力ピストン107の断面積をAi、ブースタピストン106の断面積をAbとすると、下記(1)式のようになる。
n=(Ai+Ab)/Ai …(1)
この状態では、通常の真空ブースタと断面積がAi+Abのマスタシリンダとを組合せたシステムと同等のペダルフィーリングを実現できる。
ここで、マスタシリンダ6の圧力室77、78とこれに連通する配管やディスクブレーキなど全ての負荷側要素の剛性(液量対発生液圧)との関係を、図10に示すように、断面積がマスタシリンダ圧力室140の断面積(Ai+Ab)に等しいピストン141の変位Xmとそれに取付けられたばね要素142のばね定数kmに置換えて考察する。この場合、前記入力ピストン107およびブースタピストン106の変位(ストローク)をそれぞれXi,Xb、最終的にマスタシリンダ圧力室140に面している部分での入力ピストン107の発生力(ペダル推力)およびブースタピストン106の発生力(ブースタ推力)をそれぞれFi,Fbとすると、力の釣合いから下記(2)式の関係が得られる。
Fi+Fb=(Ab×Xb+Ai×Xi)/(Ab+Ai)×km …(2)
ここで、Fb=Ab/Ai×Fiだから、この(2)式は、下記(3)式のようになる。
Fi=(Ab×Xb+Ai×Xi)/(Ab+Ai)2×Ai×km …(3)
一方、ブレーキペダル92からの入力(ペダル入力)をFiBとし、入力ピストン107とブースタピストン106との間に介装したばね132のばね定数をksとすると、FiBは以下の(4)式で与えられるので、上記(3)式とこの(4)式との関係から、下記(5)式が得られる。
FiB=Fi−ks×(Xb−Xi) …(4)
FiB=(Ab×Xb+Ai×Xi)/(Ab+Ai)2×Ai×km−ks×(Xb−Xi) …(5)
ここで、Xb=Xi(相対変位なし)とすると、(5)式は次の(6)式となり、倍力比をnとしたペダルフィーリング(ペダル入力とストロークの関係)が得られる。
FiB=Ai/(Ab+Ai)×Xi×km …(6)
一方、倍力比を変えるために、入力ピストン107とブースタピストン106との相対変位(Xb−Xi)を与えるようにブースタピストン106を制御すると、(5)式より負荷側のばね定数kmとばね132のばね定数ksとによりペダルフィーリングが変化することがわかる。
図11は、ペダル入力FiBを一定速度で増加させ、その途中で電動モータ42によるブレーキアシストを作動させた時の推力Fの変化を、図12は、その時の入力ピストン107のストローク(ペダルストローク)Xiの変化をそれぞれみたものである。これより、入力ピストン107とブースタピストン106との間に介装したばね132のばね定数ksが大きいとブレーキペダル92は前に進み(図12(a))、従来のブレーキアシストが作動した時のペダルフィーリングを実現できる。これに対し、ばね定数ksが小さいとブレーキペダル92は逆に戻され(図12(b))、緊急時にブレーキアシストを作動させつつブレーキペダル92のショートストローク化が可能になる。一方、ばね定数ksを適当な大きさに設定すると、入力ピストン107は一定速度で変化し(図12(c))、ブレーキアシストを作動させてもブレーキペダル92への影響はほとんどなくなる。すなわち、ブレーキアシストの作動(ブースタピストン106の移動)によりマスタシリンダ圧力室140から入力ピストン107にかかる液圧反力が増加しても、その増加分の液圧反力がばね132に発生する圧力によって相殺され、ブレーキペダル92への影響を解消することが可能になる。
ここで、ブレーキペダル92への影響をなくするために要求されるばね定数ksは、上記(5)式を下記(7)式とするために必要な大きさであり、(8)式のように決めることができる。
FiB=Ai/(Ab+Ai)×Xi×km …(7)
ks=(Ab×Ai)/(Ab+Ai)2×km …(8)
一方、マスタシリンダ液圧Pm、マスタシリンダ圧力室71の液量Vmは、下記(9)式、(10)式のように表わされる。
Pm=(Ab×Xb+Ai×Xi)/(Ab+Ai)2×km …(9)
Vm=Ab×Xb+Ai×Xi …(10)
よって、PmとVmとは、下記(11)式の関係となり、これを変換すると下記(12)式が得られる。
Pm=Vm/(Ab+Ai)2×km …(11)
km=Pm/Vm×(Ab+Ai)2 …(12)
したがって、このkmを上記(8)式に代入すれば、下記(13)式が得られる。
ks=Ai×Ab×Pm/Vm …(13)
すなわち、入力ピストン107とブースタピストン106との間に介装されるばね(ばね手段)132のばね定数ksを、マスタシリンダの圧力室71に臨む入力ピストン107およびブースタピストン106の受圧面積Ai、Abと、マスタシリンダの液圧Pmおよび液量Vmとに基いて決定することが可能になる。
以下、上記のように構成したブレーキ装置の作用を、図13および図14のフローチャートも参照して説明する。
通常ブレーキ(サービスブレーキ)作動時は、PKB付きディスクブレーキ1の電動モータ12(以下、これをDモータという)の停止状態が維持され、かつ常開の電磁弁10,11の開弁状態が維持される。そして、ブレーキペダル92が踏み込まれると、電動倍力装置7の電動モータ13(以下、これをBモータという)が起動し、入力ピストン107と同期してブースタピストン106が前進する。これによりマスタシリンダ5内の圧力室17、18に液圧が発生し、この液圧が、液圧配管8、9およびブレーキ配管3,4を経てPKB付きディスクブレーキ1および汎用ディスクブレーキ2へ供給される。そして、この液圧供給により、PKB付きディスクブレーキ1内のピストン35および汎用ディスクブレーキ2内のピストンが推進し、リア側およびフロント側でそれぞれ液圧に応じた制動力が発生する。この時、PKB付きディスクブレーキ1内のピストン35の受圧面積が汎用ディスクブレーキ2内のピストンの受圧面積より小さくなっているので、PKB付きディスクブレーキ1によるリア側の制動力が汎用ディスクブレーキ2によるフロント側の制動力よりも小さくなり、前後輪のブレーキ配分が適正となる。
駐車ブレーキ作動時は、図13に示すように、車室90内のパーキングブレーキスイッチ(PSW)18のオンにより(S1)、先ず圧力センサ15,16からの信号に基づいてマスタシリンダ6のブレーキ液圧が所定圧力P1以下か否かが判断され(S2)、所定圧力P1以下であれば、次のステップS3で、常開の電磁弁10,11が閉じられる。そして、次のステップS4でBモータ13が増圧起動され、さらにステップS5でDモータ12が前進起動される。Bモータ13の増圧起動によりマスタシリンダ6内の液圧が高まり、この液圧がPKBディスクブレーキ1に供給されて、PKBディスクブレーキ1内のピストン35が前進する。一方、Dモータ12の前進起動によりナット45が前進し、ピストン35とナット45とが一体的に前進して液圧に応じた制動力が発生する。この時、ピストン35が単独で前進する通常ブレーキ時よりも受圧面積が大きくなっているので、通常ブレーキ時よりも大きな制動力が発生する。
その後は、ステップ6で、圧力センサ15,16により検出したマスタシリンダ6の液圧が所定の圧力P2に達したか否かが判断され、所定圧力P2に達していれば、ステップS7で、Dモータ12のモータ電流がストール電流になったか否かが判断される(図6参照)。そして、Dモータ12のモータ電流がストール電流になっていれば、次のステップS8でDモータ12が停止され、続いてステップS9でBモータ13が減圧起動される。Bモータ13の減圧起動によりブースタピストン106が後退し、マスタシリンダ6の液圧が低下してPKBディスクブレーキ1内の液圧が解放される。この液圧解放は圧力センサ15,16により監視されており、液圧がゼロになったら(S10)、次のステップS11でBモータ13が停止され、最終的に電磁弁10,11が開弁され、これにて駐車ブレーキが確立する。
一方、ステップS2で、マスタシリンダ6の液圧がP1よりも大きくなっていれば、ブレーキペダル92が踏まれている可能性があるので、この場合は処理をステップS13に移し、その圧力PAを記憶し、次のステップS14で、Bモータ13を減圧起動させる。そして、ステップS15で、マスタシリンダ6の液圧がP2になった(減圧された)ことが確認されると、電磁弁10,11が閉弁され、その後は、上記したステップS4〜S8と同じステップS17〜S21を経て処理が進み、ステップS22で、マスタシリンダ6の液圧が所定の圧力PAになったか否かが判断される。ステップS22でマスタシリンダ6の液圧が所定の圧力PAになっていれば、処理を前記ステップS11(Bモータ13の停止)に移し、処理を終える。
駐車ブレーキ解除時は、図14に示すように、車室90内のパーキングブレーキスイッチ(PSW)18のオフにより(S51)、先ず圧力センサ15,16からの信号に基づいてマスタシリンダ6のブレーキ液圧が所定圧力P2より小さいか否かが判断され(S52)、所定圧力P2より小さい場合には、次のステップS53で、常開の電磁弁10,11が閉じられる。そして、次のステップS54でBモータ13が増圧起動され、続いてステップS55でDモータ12が後進起動される。Bモータ13の増圧起動によりマスタシリンダ6内の液圧が高まり、この液圧がPKBディスクブレーキ1に供給されて、PKBディスクブレーキ1内のピストン35に大きな推力が発生する。一方、Dモータ12の後進起動によりナット45が後退する。
その後は、ステップ56で、圧力センサ15,16により検出したマスタシリンダ6の液圧が所定の圧力P2に達したか否かが判断され、所定圧力P2に達していれば、ステップS57で、Dモータ12のモータ電流がストール電流になったか否かが判断される(図7参照)。そして、Dモータ12のモータ電流がストール電流になっていれば、次のステップS58でBモータ12が減圧起動される。このBモータ13の減圧起動によりブースタピストン106が後退し、マスタシリンダ6の液圧が低下してPKBディスクブレーキ1内の液圧が解放される。前記液圧解放は圧力センサ15,16により監視されており、液圧がゼロになったら(S69)、次のステップS60でBモータ13が停止される。その後は、ステップS61で所定時間経過したか否かが判断され、所定時間経過していれば、次のステップS62でDモータ12が停止される。最終的にステップS63で電磁弁10,11が開弁され、これにて駐車ブレーキが解除される。
一方、ステップS52で、マスタシリンダ6の液圧がP2以上になっていれば、ブレーキペダル92が踏まれて、ピストン35とナット45との係合が解除されているので、この場合は処理をステップS64に移し、Dモータ12が後進起動される。その後は、ステップS65でマスタシリンダ6の液圧がゼロになっていれば、処理をステップS66に移し、所定の時間の経過を待ってステップS67deDモータ12を停止し、処理を終える。
上記実施の形態のブレーキ装置によれば、PKB付きディスクブレーキ1にタンデム型マスタシリンダ6を介して電動倍力装置7を有機的に結合することで、駐車ブレーキに必要な高いブレーキ液圧はもとより、ブレーキシステムに必要な低いブレーキ液圧を任意に得ることができ、PKB付きディスクブレーキを大型にしたり、あるいは液圧ポンプを追加する対策が不要になって、車両搭載性が向上する。
また、従来使用されているビークルダイナミクスコントロールシステム等のブレーキシステムに組込んで用いられる液圧ポンプに比べて、騒音の発生が少なく、運転者に車両に対する不安感を与えることがなくなる。
さらに、従来ビークルダイナミクスコントロールシステム等のブレーキシステムに組込んで用いられる液圧ポンプに供給されるブレーキ液が、マスタシリンダを介してリザーバから導入される場合には、液圧ポンプの起動によってブレーキペダルが進むような現象が起こり、運転者に違和感を与える可能性があるが、本実施の形態のブレーキ装置であれば、駐車ブレーキのために電動倍力装置7のモータ13を起動しても、電動倍力装置7のばね132の作用によって、ブレーキペダル92が進んでしまうようなことは起こらず、運転者に違和感を与えることがなくなる。
本発明の一つの実施形態でるブレーキ装置の全体のシステム構成を示す系統図である。 本ブレーキ装置を構成する電動駐車ブレーキ機構付きディスクブレーキの全体構造を示す断面図である。 本電動駐車ブレーキ機構付きディスクブレーキを一部断面として示す正面図である。 本電動駐車ブレーキ機構付きディスクブレーキを構成するピストン内部の構造を示す断面図である。 本電動駐車ブレーキ機構付きディスクブレーキを構成するねじ機構の構造を示す断面図である。 本電動駐車ブレーキ機構付きディスクブレーキにおける駐車ブレーキ作動時の液圧とモータ電流の経時変化を示すグラフである。 本電動駐車ブレーキ機構付きディスクブレーキにおける駐車ブレーキ解除時の液圧とモータ電流の経時変化を示すグラフである。 本ブレーキ装置を構成する液圧ユニットの全体構造を示す断面図である。 図8の一部を拡大して示したもので、本液圧ユニットを構成するマスタシリンダおよび電動倍力装置の構造を示す断面図である。 本液圧ユニットの基本概念を示す模式図である。 本電動倍力装置のブレーキアシスト時における入力、出力特性の経時変化を示すグラフである。 本電動倍力装置のブレーキアシスト時におけるペダルストロークの経時変化を示すグラフである。 本ブレーキ装置の駐車ブレーキ作動時における操作の流れを示すフローチャートである。 本ブレーキ装置の駐車ブレーキ解除時における操作の流れを示すフローチャートである。
符号の説明
1 電動駐車ブレーキ機構付きディスクブレーキ
2 汎用ディスクブレーキ
5 液圧ユニット
6 タンデム型マスタシリンダ
7 電動倍力装置
12 電動駐車ブレーキ機構付きディスクブレーキの電動モータ
13 電動倍力装置の電動モータ
14 制御回路
15,16 圧力センサ(液圧検出手段)
17 ポテンショメータ(変位検出手段)
23 キャリパ
24 キャリア
35 ピストン
40 電動駐車ブレーキ機構
43 シャフト
45 ナット
46 歯車機構
55 回り止め用ピン
77,78 マスタシリンダの圧力室
92 ブレーキペダル
100 ピストン組立体
106 ブースタピストン(筒状部材)
107 入力ピストン(軸部材)
110 電動アクチュエータ
132 ばね(ばね手段)
137 回転位置センサ(変位検出手段)

Claims (3)

  1. (A)ブレーキ液圧を発生するマスタシリンダ、
    (B)ディスクを挟んでその両側に配置される一対のパッドと、有底のシリンダ内に摺動可能に配設したピストンを前記マスタシリンダから前記シリンダ内への液圧導入により推進し、前記一対のパッドをディスクに押圧させて制動力を発生するキャリパと前記シリンダ外に設けられた電動モータを駆動源として作動し、前記シリンダ内への液圧供給により推進したピストンを該シリンダ内の液圧解放後も機械的に制動位置に保持させる電動駐車ブレーキ機構とを備えたディスクブレーキ、
    (C)ブレーキペダルの操作により進退移動する軸部材と、該軸部材に相対移動可能に外装された筒状部材と、該筒状部材を進退移動させる電動アクチュエータと、前記軸部材と前記筒状部材との相対変位量を検出する変位検出手段と、ブレーキ非作動時に前記軸部材と前記筒状部材とを相対移動の中立位置に保持するばねとを備え、前記軸部材と前記筒状部材とを前記マスタシリンダのピストンとして、それぞれの前端部を該マスタシリンダの圧力室に臨ませ、前記ブレーキペダルから前記軸部材に付与されるペダル推力と前記電動アクチュエータから前記筒状部材に付与されるブースタ推力とにより、前記圧力室内にブレーキ液圧を発生させる電動倍力装置、および
    (D)前記マスタシリンダのブレーキ液圧を検出する液圧検出手段および前記電動倍力装置内の変位検出手段の検出信号に基づいて、前記電動倍力装置の電動アクチュエータおよび前記ディスクブレーキの電動モータを制御する制御回路、からなり、
    駐車ブレーキ時に、前記電動倍力装置の作動により前記マスタシリンダから前記ディスクブレーキのシリンダへ所定液圧が供給された後に、前記ディスクブレーキ内の電動駐車ブレーキ機構が前記ピストンを制動位置に保持させることを特徴とするブレーキ装置。
  2. 駐車ブレーキ時に、前記マスタシリンダから前記所定液圧以上の液圧が前記ディスクブレーキのシリンダに供給されている時には、前記電動倍力装置によりマスタシリンダのブレーキ液圧を前記ディスクブレーキのシリンダが駐車ブレーキ時に必要とする液圧に減圧してから、前記ディスクブレーキの電動モータを起動させることを特徴とする請求項1に記載のブレーキ装置。
  3. (A)ブレーキ液圧を発生するマスタシリンダと該マスタシリンダにブレーキ液圧を発生させるためにブレーキペダルの操作により進退移動する軸部材と相対移動可能に設けられた筒状部材を電動アクチュエータによって作動するとともに前記軸部材と前記筒状部材との間に配置され前記軸部材を互いに逆方向に付勢する一対のばねを有する倍力装置とからなる液圧ユニット、
    (B)ディスクを挟んでその両側に配置される一対のパッドと、有底のシリンダ内に摺動可能に配設したピストンを前記マスタシリンダから前記シリンダ内への液圧導入により推進し、前記一対のパッドをディスクに押圧させて制動力を発生するキャリパと前記シリンダ外に設けられた電動モータを駆動源として作動し、前記シリンダ内への液圧供給により推進したピストンを該シリンダ内の液圧解放後も機械的に制動位置に保持させる電動駐車ブレーキ機構とを備えた一対の電動駐車ブレーキ機構付きディスクブレーキ、
    (C)ディスクを挟んでその両側に配置される一対のパッドと、有底のシリンダ内に摺動可能に配設したピストンを前記マスタシリンダから前記シリンダ内への液圧導入により推進し、前記一対のパッドをディスクに押圧させて制動力を発生するキャリパを備えた一対の汎用ディスクブレーキ、
    (D)前記マスタシリンダと前記一対の電動駐車ブレーキ機構付きディスクブレーキ及び前記一対の汎用ディスクブレーキとをそれぞれ接続する液圧配管、
    (E)該液圧配管のうち前記マスタシリンダと前記一対の汎用ディスクブレーキとを接続する液圧配管のそれぞれに介装される常開の電磁弁、および
    (F)前記液圧ユニットの電動アクチュエータ、前記ディスクブレーキの電動モータ、及び前記電磁弁を制御する制御回路、からなり、
    該制御回路は、駐車ブレーキ作動時に、前記電磁弁を閉弁制御するとともに、電動アクチュエータを作動して前記液圧ユニットから前記ディスクブレーキのシリンダへ所定液圧を供給し、前記ディスクブレーキ内の電動駐車ブレーキ機構により前記ピストンを制動位置に保持することを特徴とするブレーキ装置。
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