JPH09286320A - 液圧倍力装置 - Google Patents

液圧倍力装置

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Publication number
JPH09286320A
JPH09286320A JP8096929A JP9692996A JPH09286320A JP H09286320 A JPH09286320 A JP H09286320A JP 8096929 A JP8096929 A JP 8096929A JP 9692996 A JP9692996 A JP 9692996A JP H09286320 A JPH09286320 A JP H09286320A
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JP
Japan
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valve
hydraulic
pressure
valve seat
power chamber
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JP8096929A
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Inventor
Osamu Kanazawa
金沢治
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Jidosha Kiki Co Ltd
Original Assignee
Jidosha Kiki Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】液圧倍力装置の軽量化を確実に図るとともに、
液密の信頼性を向上する。 【構成】ブレーキ倍力装置の制御弁9は、非作動時には
ポペット型の弁体13が第1弁座14aに着座するとと
もに第2弁座17bが弁体13から離座している。した
がって、動力室8は、この非作動時にはアキュムレータ
に連通する供給通路12から遮断されているとともに、
弁体13と第2弁座17bとの間の隙間および排出通路
16を介してリザーバに連通されている。またブレーキ
倍力装置1の作動時には、筒状部材17が左動して、第
2弁座17bが弁体13に着座するとともに、弁体13
が第1弁座14aから離座するようになっている。した
がって、動力室8は、この作動時にはリザーバから遮断
されているとともに、弁体13と第1弁座14aとの間
の隙間および供給通路12を介してアキュムレータに連
通される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、操作部材の操作力
を作動液の作動液圧により倍力して出力する液圧倍力装
置の技術分野に属し、特に操作部材の操作力を、レバー
を介して制御弁に伝えることによりこの制御弁を作動制
御するような液圧倍力装置の技術分野に属するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】例えば自動車等の車両のブレーキやクラ
ッチ等においては、操作部材の操作力を作動液の液圧に
より倍力して出力する種々の液圧倍力装置が用いられて
いるが、これらの液圧倍力装置には、操作部材の操作力
を、動力室をポンプ側とリザーバ側とに選択的に切換制
御する制御弁にレバーを介して伝えることによりこの制
御弁を制御するようになっている液圧倍力装置がある。
【0003】従来のこのようなレバーを用いた液圧倍力
装置として、例えば特開平5ー85347号公報に開示
されているようなクローズドセンタ型の液圧倍力装置が
ある。このクローズドセンタ型の液圧倍力装置は、非作
動時、制御弁が動力室をポンプ側から遮断しかつリザー
バに連通するとともに、ポンプ吐出圧が蓄えられている
アキュムレータの液圧をこの制御弁まで導入した状態に
設定し、また作動時、制御弁が動力室をリザーバから遮
断しかつポンプ側に連通するとともに、この制御弁まで
導入されているポンプからの液圧を動力室に導入した状
態に設定するようになっている液圧倍力装置である。
【0004】このレバーを用いた液圧倍力装置によれ
ば、レバーのレバー比により操作部材の操作力を増大さ
せて制御弁を制御することになるので、操作部材の操作
力を軽減することができる。また、作動液の動力失陥時
には、このレバー比により操作部材の操作力が増大され
て出力されることから、操作部材の操作力のみでも大き
な出力を得ることができる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、この公報に
開示されているようにレバーを用いた液圧倍力装置の制
御弁は、ハウジングの孔に嵌合固定されたスリーブとこ
のスリーブ内に液密にかつ摺動可能に挿入されたスプー
ルバルブとから構成されている。その場合、動力室をア
キュムレータに連通、遮断制御する液圧供給弁と動力室
をリザーバに連通、遮断制御する液圧排出弁とがそれぞ
れ1つのスリーブおよび1つのスプールバルブに軸方向
に配設され、しかも液圧供給弁の開閉制御と液圧排出弁
の開閉制御とがスプールバルブの1つの軸方向の摺動の
みで関連付けられている。このため、スリーブおよびス
プールバルブは軸方向に長くなっている。またスプール
バルブがスリーブ内を液密にかつ摺動することから、こ
れらスプールバルブやスリーブは摩耗や液密性を考慮し
て、鉄等の比較的重い材料から形成されている。同様に
ハウジングもスリーブとの関係から同様の比較的重い材
料から形成されている。したがって、従来のレバーを用
いた液圧倍力装置は重量の重いものとなっている。
【0006】そこで、液圧倍力装置のハウジングをアル
ミ等の軽量材で形成することにより軽量化を図ることが
考えられる。しかしながら、制御弁がスリーブとスプー
ルバルブとから構成されていると、スリーブが軸方向に
長くなっているので、軽量材からなるハウジングと鉄等
の重量材からなるスリーブとの間の液密を確実に保持す
るための構造、すなわちOリング等のシール部材を設け
るための構造が複雑になり、液密性の点で信頼性が低い
ものとなっている。特に、近年自動車においては、アン
チスキッド制御システムあるいはトラクションコントロ
ールシステムが多く採用されているが、その場合アキュ
ムレータに蓄圧されている液圧がアンチスキッド制御あ
るいはトラクションコントロールに使用されるため、作
動液としてブレーキ液と同じ粘性の低い植物油が使用さ
れている。しかし、前述のように液密の信頼性が低い
と、粘性の低い植物油のシールがより一層難しくなって
しまう。このため、ハウジングをアルミ等の軽量材で形
成することはきわめて難しい。
【0007】更に構造を簡素化するために、スリーブを
ハウジングと一体に形成することが考えられるが、この
ようにすると、スリーブの孔に相当するハウジングの孔
内をスプールバルブが摺動することになる。このため、
ハウジングを摩耗しやすい軽量材で形成することは困難
となる。
【0008】本発明は、このような事情に鑑みてなされ
たものであって、その目的は、ハウジングをアルミ等の
軽量材で形成することができるようにして、軽量化を確
実に図ることができるとともに、液密の信頼性を向上さ
せることのできるレバーを用いた液圧倍力装置を提供す
ることである。
【0009】
【課題を解決するための手段】前述の課題を解決するた
めに、請求項1の発明は、作動液を蓄えるリザーバと、
このリザーバの作動液により作動液圧を発生する液圧発
生源と、操作部材と、この操作部材の操作力が伝達され
たとき作動する入力軸と、作動時前記作動液圧が供給さ
れる動力室と、この動力室内の作動液圧によって作動し
て前記操作力を倍力して出力するパワーピストンと、前
記液圧発生源の前記作動液圧の前記動力室への供給また
は前記動力室の前記作動液圧の前記リザーバへの排出を
選択的に制御する制御弁と、一端が前記パワーピストン
に揺動可能に支持されるとともに他端が前記制御弁と揺
動可能に支持され、更に中間部が前記入力軸に係合可能
なレバーとを備え、前記入力軸の作動時この入力軸の作
動が前記レバーを介して前記制御弁に伝えられることに
より前記制御弁が作動するようになっている液圧倍力装
置において、前記制御弁が、ポペット型の弁体と、この
弁体が着座または離座する2つの第1弁座および第2弁
座とを備え、前記弁体と前記第1弁座とにより前記液圧
発生源の前記作動液圧の前記動力室への供給を制御し、
前記弁体と前記第2弁座とにより前記動力室の前記作動
液圧の前記リザーバへの排出を制御するようになってい
ることを特徴としている。
【0010】
【作用】このように構成された本発明においては、制御
弁が、ポペット型の弁体と、この弁体が着座する第1お
よび第2弁座とから構成されているので、動力室に対す
る作動液圧の供給制御および排出制御が弁体の第1およ
び第2弁座に対する着座または離座によって行われるよ
うになる。このように制御弁を構成することにより、第
1および第2弁座とハウジングとの間の液密構造が簡単
になって液密性が向上する。したがって、粘性の低い植
物油を用いる場合であってもシールが簡単になる。ま
た、弁体および各弁座の摺動部が少なくできるので、こ
れらの部材の摺動による摩耗が低減する。
【0011】このように、シール性が向上することおよ
び摩耗が低減することからハウジングをアルミ等の軽量
材で形成することが可能となるとともに、ブレーキ倍力
装置の軽量化が確実に図られるようになる。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、図面を用いて本発明の実施
の形態について説明する。図1は、本発明に係る液圧倍
力装置をブレーキ倍力装置に適用した実施の形態の一例
を示す図である。
【0013】図1に示すように、本例の液圧倍力装置が
適用されたブレーキ倍力装置1は、前方ハウジング部2
aと後方ハウジング部2bとからなるハウジング2を備
えている。後方ハウジング部2bには、図示しないブレ
ーキペダルに連結される入力軸3が液密にかつ摺動可能
に貫通されている。また前方ハウジング部2aには、パ
ワーピストン4が液密にかつ摺動可能に設けられてお
り、このパワーピストン4の後端部の穴4aに入力軸3
の先端部3aが液密にかつ摺動可能に嵌挿されている。
またパワーピストン4の前端には、このパワーピストン
3の出力を図示しないマスタシリンダのピストンに伝達
して作動する出力軸5が当接されリターンスプリング6
およびリテーナ7により保持されている。更に、前方ハ
ウジング部2aと後方ハウジング部2bとの間のハウジ
ング内に、動力室8形成されており、この動力室8にパ
ワーピストン4の後端が面している。
【0014】更に前方ハウジング部2aと後方ハウジン
グ部2bとの間には制御弁9が設けられている。図2に
詳細に示すように、この制御弁9は、動力室8とポンプ
10の吐出圧が蓄えられるアキュムレータ11とを接続
する通路のうち、前方ハウジング2aに形成された供給
通路12に設けられた、球弁を備えたポペット型の弁体
13と、同じく供給通路12に設けられ、この弁体13
が着座可能な第1弁座14aを有する弁座部材14と、
動力室8とリザーバ15とを接続する通路のうち、後方
ハウジング2bに形成された排出通路16に設けられ、
この排出通路16の一部を構成する軸方向貫通孔17a
を有しかつこの軸方向貫通孔17aの開口端周囲に形成
された第2弁座17bを有する筒状部材17と、弁体1
3を第1弁座14aの方向に常時付勢する第1バルブス
プリング18と、筒状部材17を弁体13から離れる方
向に常時付勢する第2バルブスプリング19とから構成
されている。その場合、筒状部材17は後方ハウジング
2bに形成された筒状の突出部20に液密にかつ摺動可
能に嵌合されている。この筒状の突出部20の内孔20
aは排出通路16の一部を構成している。
【0015】この制御弁9は、ブレーキ倍力装置1の非
作動時には、図2に示すように弁体13が第1弁座14
aに着座するとともに第2弁座17bが弁体13から離
座している。したがって、動力室8は、この非作動時に
はアキュムレータ11から遮断されているとともに、弁
体13と第2弁座17bとの間の隙間および排出通路1
6を介してリザーバ15に連通されている。またブレー
キ倍力装置1の作動時には、筒状部材17が左動して、
第2弁座17bが弁体13に着座するとともに、弁体1
3が第1弁座14aから離座するようになっている。し
たがって、動力室8は、この作動時にはリザーバ15か
ら遮断されているとともに、弁体13と第1弁座14a
との間の隙間および供給通路12を介してアキュムレー
タ11に連通されている。なお、この弁体13には、前
方ハウジング部2に形成された通路21を介して動力室
8の液圧が第1バルブスプリング18の付勢力と同方向
に作用するようになっている。
【0016】更にパワーピストン4の後端にはレバー支
持部材22が固定されており、このレバー支持部材22
にレバー23の一端が第1支持ピン24によって揺動可
能に支持されている。このレバー23の他端は筒状部材
17に第2支持ピン25によって揺動可能に支持されて
いる。また、レバー23の一端側寄りには軸方向の長孔
23aが穿設されており、この長孔23aに入力軸3に
左右方向に突設された係合ピン3bが嵌合されている。
この係合ピン3bは長孔23aの両側壁に係合可能とな
っている。その場合、第1支持ピン24と係合ピン3b
との間の距離は、ブレーキ倍力装置1の作動、非作動に
関わらず、係合ピン3bと第2支持ピン25との間の距
離よりも常に小さくなるように設定されている。また、
レバー23のリテーナ部23bと入力軸3の後端部側の
段部との間に、レバー23を図1に置いて左方向に常時
付勢するスプリング26が設けられている。そして、通
常時は図示のようにスプリング26の付勢力によりリテ
ーナ部23bが入力軸3の前端部3a側の段部に当接さ
れている。
【0017】更に、入力軸3の先端部3aにはトラベル
リミッタ27が設けられている。このトラベルリミッタ
27は、先端部3aに穿設され、パワーピストン4の後
端部の穴4aに先端部3aが嵌挿されて形成された室2
8と動力室8とを連通する通路に、ボール弁29とこの
ボール弁29が着座可能な弁座30とこのボール弁29
を弁座30方向に常時付勢するスプリング31とからな
る常開の開閉弁32、および同じ通路に摺動可能に嵌挿
され、ボール弁29を押圧して開閉弁32を開閉制御す
る押圧ピン33とから構成されている。
【0018】そしてこのトラベルリミッタ27は、レバ
ー23のリテーナ部23bが押圧ピン33を図1および
図2において左方に押圧して、押圧ピン33を左方に押
圧しているときは、この押圧ピン33がボール弁29を
押圧して弁座30から離座させて開閉弁32を開き、こ
れにより動力室8と室28とが押圧ピン33の外周面に
形成された軸方向の溝33aおよび開いた開閉弁32を
通して連通している。このように動力室8と室28とが
連通しているときは、入力軸3がパワーピストン4に対
して軸方向に相対移動可能となる。また、リテーナ部2
3bが押圧ピン33を押圧していないときは、この押圧
ピン33はボール弁29を何等押圧しない。したがっ
て、このときはボール弁29はスプリング31の付勢力
により弁座30に着座して開閉弁32を閉じ、動力室8
と室28とが遮断されて室28が密封される。このよう
に室28が密封されているときは、入力軸3はパワーピ
ストン4に対して軸方向に相対移動不能となる。
【0019】更に、アキュムレータ11と供給通路12
との間の通路には、アキュムレータ11の蓄圧が第1所
定圧以下になったときに作動しかつこの第1所定圧より
大きい第2所定圧以上となったとき非作動となるポンプ
駆動用圧力スイッチ34と、アキュムレータ11の蓄圧
が第1所定圧より低い第3所定圧以下になったときに作
動する警報用圧力スイッチ35とが設けられている。こ
れらの圧力スイッチ34,35はともにコントローラ3
6に接続されている。また、このコントローラ36に
は、ポンプ10を駆動するモータ37および警報ランプ
38が接続されている。そして、コントローラ36はポ
ンプ駆動用圧力スイッチ34からの作動信号が入力され
たときにはモータ37を駆動するとともに、警報用圧力
スイッチ35からの作動信号が入力されたときには警報
ランプ38を点灯するようになっている。
【0020】更に、ポンプ10とアキュムレータ11と
の間の通路には、ポンプ10からアキュムレータ11に
向かう作動液の流れのみを許容するチェックバルブ39
が設けられている。
【0021】このように構成された本例のブレーキ倍力
装置1においては、ブレーキ非作動時は、入力軸が図1
および図2に示す後退限位置にあり、このため制御弁9
は前述の非作動状態となっている。したがって、動力室
8はアキュムレータ11から遮断されているとともにリ
ザーバ15に連通されている。このため、アキュムレー
タ11からの液圧は弁体13と第1弁座14aとの着座
位置よりアキュムレータ11側の位置まで導入されてい
るが動力室8内には供給されなく、パワーピストン4は
作動しない。
【0022】ブレーキ作動時は、ブレーキペダルの踏込
によって入力軸3が前進(左動)する。すると、まず係
合ピン3bが長孔23aの側壁に当接して第1支持ピン
24を中心にレバー23を時計方向に回動させるので、
筒状部材17が前進して第2弁座17bを弁体13に着
座させかつ弁体13を第1弁座14aから離座させる。
したがって、動力室8はリザーバ15から遮断されると
ともにアキュムレータ11に連通され、この動力室8内
にはアキュムレータ11からの液圧が供給される。この
動力室8内の液圧がパワーピストン4に作用することに
より、パワーピストン4が前進して出力を発生する。そ
して、この出力が出力軸5を介して図示しないマスタシ
リンダを作動し、マスタシリンダが発生したブレーキ液
圧によりブレーキがかけられる。また、動力室8の液圧
は入力軸3にもその後退方向に作用する。
【0023】パワーピストン4の前進により、レバー2
3が係合ピン3bを中心に反時計方向に回動するように
なり、その結果筒状部材17が後退(右動)して、弁体
13と第1弁座14aとの隙間が小さくなる。そして、
動力室8内の液圧がブレーキペダル踏力に応じた圧力と
なると、入力軸3の前進が停止するともに第1および第
2弁座14a,17bがともに弁体13に着座した中立
位置となり、動力室8内の液圧がこのブレーキペダル踏
力に応じた圧力に保持される。したがって、パワーピス
トン4の出力はこのときの出力の大きさすなわちブレー
キペダルの踏力を倍力した大きさとなる。こうして、ブ
レーキ液圧はブレーキペダルの踏力を倍力した大きさと
なる。
【0024】ブレーキ作動を解除するためにブレーキペ
ダルの踏込を解放すると、入力軸3が後退する。する
と、係合ピン3bが第1支持ピン24を中心にレバー2
3を反時計方向に回動し、筒状部材17が後退する。こ
れにより、弁体13から第2弁座17bが離座して、動
力室8がリザーバ15に連通するので、動力室8内の液
圧がリザーバ15に排出され、動力室8内の圧力が低下
する。このため、パワーピストン4が後退し、このとき
レバー23は第2支持ピン25を中心に時計方向に回動
する。パワーピストン3の後端のレバー支持部材22の
後端が図1に示すように後方ハウジング2bに当接する
と、パワーピストン3は後退限すなわち非作動位置とな
り、これに伴い入力軸3および筒状部材17も非作動位
置となる。こうして、ブレーキ倍力装置1は出力しなく
なり、マスタシリンダが非作動となり、ブレーキが解除
される。
【0025】ブレーキ作動時、ブレーキペダルの踏力が
大きく上昇して制御弁9の筒状部材および弁体13が大
きく移動し、弁体13の前端13aが前方ハウジング2
bの対向壁2a1に当接すると、弁体13はそれ以上前
進しなくなる。このため、弁体13と第1弁座14aと
の間の隙間がそれ以上大きくならなくないとともに、レ
バー23の入力軸3からの力による時計方向の回動は停
止する。これにより、動力室8の液圧はアキュムレータ
11の圧力と同じ圧力となってそれ以上上昇しなくな
り、ブレーキ倍力装置1は全負荷状態となる。このよう
なブレーキ倍力装置1の全負荷状態では、動力室8の液
圧が一定となるので、動力室8の液圧によるパワーピス
トン4の移動は停止する。そしてブレーキ倍力装置1が
全負荷状態となった後、更にブレーキペダルの踏力が上
昇すると、入力軸3のみがパワーピストン4に対して移
動するようになる。このため、押圧ピン33はレバー2
3のリテーナ部23bにより押圧されなくなるのでボー
ル弁29を押圧しなくなり、ボール弁29は弁座30に
着座する。すなわち、開閉弁32が閉じる。開閉弁32
が閉じると、室28は動力室8から遮断され、密封状態
となる。これにより、入力軸3はパワーピストン4に対
して相対移動不能となるので、入力軸3に作用してブレ
ーキペダルの踏力は直接パワーピストン4に作用し、パ
ワーピストン4がこの踏力で更に作動するようになる。
したがって、パワーピストン4の出力はこの踏力の増加
分だけ増加するようになる。
【0026】アキュムレータ11の蓄圧が第1所定圧以
下になると、ポンプ駆動用圧力スイッチ34が作動して
その作動信号をコントローラ36に出力する。コントロ
ーラ36はこの作動信号によりモータ37を作動してポ
ンプ10を駆動する。これにより、アキュムレータ11
の蓄圧が上昇し、この蓄圧が第2所定圧以上となると、
ポンプ駆動用圧力スイッチ34が非作動となる。このた
め、コントローラ36にはポンプ駆動用圧力スイッチ3
4からの作動信号が入力されなくなり、コントローラ3
6はモータ37すなわちポンプ10を停止する。こうし
て、エンジン駆動時はアキュムレータ11にはブレーキ
に必要な所定の液圧が常時蓄えられるようになる。
【0027】またアキュムレータ11の蓄圧がポンプ1
0、アキュムレータ11あるいはモータ37の故障等の
何らかの原因で第3所定圧以下になると、警報用圧力ス
イッチ35が作動してその作動信号をコントローラ36
に出力する。コントローラ36はこの作動信号により警
報ランプ38を点灯して警報を発する。これにより、運
転者はアキュムレータ11にブレーキに必要な所定の液
圧が蓄えられなく、ポンプ10、アキュムレータ11あ
るいはモータ37の故障等の異常を知ることができる。
【0028】なお、このようなアキュムレータ11の蓄
圧が第3所定圧以下になって、ブレーキに必要な液圧が
得られない場合には、ブレーキペダルのストロークを大
きくすると、入力軸3が大きく前進するので、レバー2
3を介して筒状部材17および弁体13が大きく移動
し、弁体13の前端13aが前方ハウジング2bの対向
壁2a1に当接して、弁体13筒状部材17およびはそ
れ以上前進しない。この状態で更に入力軸3を前進させ
ると、レバー23が第2支持ピン25を中心に反時計方
向に回動するので、第1支持ピン24を介してパワーピ
ストン4が前方へ押されるので、パワーピストン4は前
進し出力する。したがって、このパワーピストン4の出
力により、マスタシリンダが作動されてブレーキがかけ
られる。このとき、レバー23のレバー比〔(第1支持
ピン24と第2支持ピン25との間の距離)/(係合ピ
ン3bと第2支持ピン25との間の距離)〕により、ブ
レーキペダルの踏力が倍力されてパワーピストン4に伝
えられるようになるので、パワーピストン4は踏力をレ
バー比で倍力した出力を発生するようになる。このよう
にアキュムレータ11の蓄圧がなくても、ブレーキペダ
ルの踏力をレバー比で倍力した力により確実にブレーキ
がかけられるようになる。
【0029】ところで、本例のレバーを用いたブレーキ
倍力装置1における制御弁9は、ポペット型の弁体1
3、この弁体13が着座する第1および第2弁座14
a,17bとから構成されている。このように制御弁9
を構成することにより、第1および第2弁座14a,1
7bとハウジングとの間の液密構造およびスリーブと弁
体13との間の液密構造がともに簡単になって液密性が
向上する。したがって、粘性の低い植物油を用いてもシ
ールが簡単になる。また、弁体13および第2弁座17
bの筒状部材17の摺動部が少なくできるので、これら
の部材の摺動による摩耗が低減する。
【0030】このように、シール性が向上することおよ
び摩耗が低減することからハウジングをアルミ等の軽量
材で形成することができるようになり、ブレーキ倍力装
置の軽量化を確実に図ることができるようになる。
【0031】なお本発明は、ブレーキ倍力装置以外の、
例えばクラッチ倍力装置等の他の液圧倍力装置にも適用
することができる。
【0032】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
の液圧倍力装置によれば、制御弁を、ポペット型の弁体
と、この弁体が着座する第1および第2弁座とから構成
しているので、第1および第2弁座とハウジングとの間
の液密構造を簡単にすることができ液密性を向上させる
ことができる。したがって、粘性の低い植物油を用いる
場合であってもシールを簡単に形成することができる。
また、弁体および各弁座の摺動部を少なくできるので、
これらの部材の摺動による摩耗を低減することができ
る。
【0033】このようにシール性を向上できることおよ
び摩耗を低減できることから、ハウジングをアルミ等の
軽量材で形成することが可能となるとともに、ブレーキ
倍力装置の軽量化を確実に図ることができるようにな
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る液圧倍力装置をブレーキ倍力装
置に適用した実施の形態の一例を示す断面図である。
【図2】 図1にブレーキ倍力装置の部分拡大断面図で
ある。
【符号の説明】
1…ブレーキ倍力装置、2…ハウジング、3…入力軸、
3b係合ピン、4…パワーピストン、5…出力軸、6…
リターンスプリング、8…動力室、9…制御弁、10…
ポンプ、11…アキュムレータ、12…通路、13…弁
体、14…弁座部材、14a…第1弁座、15…リザー
バ、16…排出通路、17…筒状部材、17b…第2弁
座、18…第1バルブスプリング、19…第2バルブス
プリング、20…突出部、22…レバー支持部材、23
…レバー、23a…長孔、24…第1支持ピン、25…
第2支持ピン、27…トラベルリミッタ、34…ポンプ
駆動用圧力スイッチ、35…警報用圧力スイッチ、36
…コントローラ、37…モータ、38…警報ランプ
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成8年4月24日
【手続補正1】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】全図
【補正方法】変更
【補正内容】
【図1】
【図2】

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 作動液を蓄えるリザーバと、このリザー
    バの作動液により作動液圧を発生する液圧発生源と、操
    作部材と、この操作部材の操作力が伝達されたとき作動
    する入力軸と、作動時前記作動液圧が供給される動力室
    と、この動力室内の作動液圧によって作動して前記操作
    力を倍力して出力するパワーピストンと、前記液圧発生
    源の前記作動液圧の前記動力室への供給または前記動力
    室の前記作動液圧の前記リザーバへの排出を選択的に制
    御する制御弁と、一端が前記パワーピストンに揺動可能
    に支持されるとともに他端が前記制御弁と揺動可能に支
    持され、更に中間部が前記入力軸に係合可能なレバーと
    を備え、前記入力軸の作動時この入力軸の作動が前記レ
    バーを介して前記制御弁に伝えられることにより前記制
    御弁が作動するようになっている液圧倍力装置におい
    て、 前記制御弁は、ポペット型の弁体と、この弁体が着座ま
    たは離座する2つの第1弁座および第2弁座とを備え、
    前記弁体と前記第1弁座とにより前記液圧発生源の前記
    作動液圧の前記動力室への供給を制御し、前記弁体と前
    記第2弁座とにより前記動力室の前記作動液圧の前記リ
    ザーバへの排出を制御するようになっていることを特徴
    とする液圧倍力装置。
JP8096929A 1996-04-18 1996-04-18 液圧倍力装置 Pending JPH09286320A (ja)

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