JP4886424B2 - ウイング車輌におけるキャンバスシートの端部取付構造 - Google Patents

ウイング車輌におけるキャンバスシートの端部取付構造 Download PDF

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Description

本発明は、ウイング扉の枢着部を覆うキャンバスシートの端部をウイング扉へ強固に取り付ける取付構造に関する。
従来、ウイング車輌におけるキャンバスシートの取付構造として、荷台床の前後部に立設された前壁と後壁の頂部間に左右1対のL型屋根を上下回動可能に枢支したウイング車両における前記1対のL型屋根の中央部を被覆するキャンバスシートの取付構造において
、L型屋根の側枠材(14)の上方隅部近傍に長手方向に巾広の凹溝(15)を設け、前記1対のL型屋根の各側枠材(14)間を覆うキャンバスシート(16)の両端縁部を芯材を介して折曲げて膨大部を形成し、該膨大部を前記側枠材(14)の一方の側溝(15a)内に挿入したのち中央部に長手方向のV型カット部(24)を有する押圧部材(22
)を前記凹溝(15)内に庄入して側枠材(14)に対し止着する技術は、特許文献1により知られている。また、荷台床の前後部に立設された前壁と後壁の頂部間に左右1対のL型屋根を上下回動可能に枢支したウイング車両における前記1対のL型屋根の中央部を被覆するキャンバスシートの取付構造において、L型屋根の側枠材(14)は上部に上方が開口した断面円形の凹溝(15)を有し、該凹溝(15)にキャンバスシート(16)の端縁折返し部に柔軟性を有するチューブを挿入して巻き込んだものを挿入したのち、前記チューブ(21)内に化学反応で固化する液状体を注入して止着する技術は、特許文献2により知られている。
実公平7−24276号 実公平7−24277号
しかしながら、膨大部を有するキャンバスシートの端部を押圧部材で凹溝に圧入保持する程度では、キャンバスシートの固定強度が不足して、車輌の走行中の振動、風等の外圧の作用に耐えられないため、キャンバスシートの外れを生じ易く、また、止水の機能に乏しいため、雨天時等に取付部より内部への浸水を起し易い問題点を有する。
本発明は前記問題点を解消し、振動や外圧に耐えて離脱や浸水を起さないキャンバスシートの取り付けが容易にできるウイング車輌におけるキャンバスシートの端部固定構造を提供することをその課題とする。
上記課題を解決するため、請求項1に係る発明は、ウイング扉が長手架材に枢着される部分の外側を覆うキャンバスシートの端部を、受部材と抑え部材による挟持でウイング扉の端部に取り付けるウイング車輌におけるキャンバスシートの端部取付構造であって、上記受部材は、ウイング扉の枢着端部側に固定されて、上側の中央部に支点受けが設けられ、上記抑え部材は、上側の中央部に上記支点受けに対応する支点部が設けられ、この支点部を上記支点受けに支持させて、該支点部よりも外側の抑え部材と受部材と間に楔を圧入すると、抑え部材の内端側に設けた抑え部が下降して、受部材の内端側に設けられる受部とでキャンバスシートの端部の挟持固定を行うようにしたことを特徴とする。
請求項2に係る発明は、上記受部材に設けた支点受けと、抑え部材に設けた支点部とが、対称形の鉤形に形成されていることを特徴とする。
請求項3に係る発明は、上記受部材に設けた支点受けが欠円溝形であり、抑え部材に設けた支点部が円軸形であることを特徴とする。
請求項4に係る発明は、上記抑え部材に設けた抑え部とこの抑え部に対応する受部材の受部のいずれか一方に凹部が形成され、他方に凸部が形成され、この凹部と部とでキャンバスシートを変形挟持を行わせるようにしたことを特徴とする。
請求項5に係る発明は、上記抑え部材に設けられた抑え部に滑り止め部材が取り付けられていることを特徴とする。
請求項6に係る発明は、上記抑え部材と受部材との間、抑え部材とキャンバスシートとの間等に生ずる隙間をコーキングの充填で密閉させたことを特徴とする。
請求項1に係る発明によれば、抑え部材に設けた支点部を、受部材に設けた支点受けに係合させて、抑え部材と受部材との外端側の間に楔を圧入するだけで、抑え部材が梃子の作用をして、内端側の抑え部でシートの端部を受部材の受部に押し付けて挟持することで確実なシート取り付けを完了する。従って、取り付けの作業性がよく、梃子の作用によるシートの挟持は強力であり、更に、挟持に際しシートが屈曲変形されるように工夫すれば、挟持は一層強化されるため、車輌の走行中の振動や風などの外圧が作用しても外れることがない強固なキャンバスシートの取り付けができ、更に、強力な挟持に加えてシートを屈曲変形させる取り付け構造は、止水効果もあって雨天時などでも内部に水が浸入することがない。
請求項2に係る発明によれば、抑え部材に設けた支点部とこれを支持する支点受けを対称形の鉤型に形成してあるから、両者を簡便に係合させて抑え部材に円滑な梃子作用を行なわせることができる。
請求項3に係る発明によれば、抑え部材に設けた支点部が円形であり、これを支持する支点受けが欠円溝であるため、両者を簡便に係合させて抑え部材に円滑な梃子作用を行なわせることができる。
請求項4に係る発明によれば、抑え部材に設けたシート抑え部と、受部材に設けたシート受部とに対応的に凹部と凸部を設け、これら凸部と凹部による挟持でキャンバスシートを屈曲変形させるため、シートの支持力が大幅に増大してシートの外れ防止を一層確実にする。
請求項5に係る発明によれば、抑え部材に設けたシートの抑え部に滑り止め部材を取り付けると、この部材によりキャンバスシートの滑りが止められて、シートの外れ防止に大きく寄与する。
請求項6に係る発明によれば、抑え部材の係合部と受部材の係止部との隙間や、キャンバスシートと抑え部との隙間等をコーキングにより密閉すれば、雨天等に走行しても内部に水の侵入を確実に防止できる。
以下に本発明に係るウイング車輌におけるキャンバスシートの端部固定構造の実施形態を図面に基づいて説明する。なお、以下の説明において、各部材の内側、外側の記載は、ウイング扉の枢着端側を内側、先端側を外側として行なう。
〔実施形態1〕
図2は、本発明に係るウイング車輌(図面省略)におけるキャンバスシートの端部取付構造の実施形態1を示す。この実施形態1に示す取付構造Aは、図1に示す通り、左右のウイング扉1、1が中央部の長手架材2にヒンジ3、ヒンジ3により枢着される部分の外側を覆うキャンバスシート4の端部を、受部材5と抑え部材6による挟持でウイング扉1の端部に取り付けるものであって、上記受部材5は、ウイング扉1の枢着端部側に固定されて、上側の中央部に支点受け7が設けられ、上記抑え部材6は、中央部に設けた支点部8を上記支点受け7に支持させて、この支点部8よりも外側に位置する部分の間に楔9を圧入すると、抑え部材6の支点部8よりも内側に位置する抑え部10が受部材5の受部11との間にキャンバスシート4の端部を挟持固定するように構成されている。
この実施形態1に用いる受部材5は、アルミニウム等の押出成形で形成された長尺材であって、図3(a)に示す通り、内端側にウイング扉1の枢着側端部に取り付ける取付孔12が設けられ、中央部の内端寄りには、ゴム等の滑りにくい薄材13を固定して平らで巾が広い構成のシートの受部11が設けられ、中央部の外端寄りには外向きの鉤形14をなす支点受け7が設けられ、支点受け7の外側には楔9の内端に当る凸部15が設けられ、上記シート4の受部11はその中央部に隆起部16が設けられている。
抑え部材6は、アルミニウム等の押出成形で形成された長尺材であって、図3(b)に示す通り、内端側にゴム等の滑りにくい材料で形成した板材17を固定して平らに構成したシートの抑え部材10が設けられ、中央部の外端寄りには内向きの鉤形18をなす支点部8が設けられ、支点部8の外側には楔9の内端に当る凸部19が設けられるようにする。なお、上記抑え部10を構成する板材17は接着などで抑え部材6に固定してもよいが、図3(b)に示す通り、上部にT形ほぞ20を設けて、このT形ほぞ20を抑え部材6に設けたT形溝21に嵌合するようにし、下面の中央部にはシートの受部11に設けた隆起部16に対応する凹部22を設けるようにすることが好ましい。
楔9は、図3(c)に示す通り、ゴム等の弾性を有して滑りにくい材料で中空の円筒形23をなす長尺材に形成したものであって、受部材5と抑え部材6との外端側の間に図2に示す通り圧入すると、弾性変形して受部材受け5と抑え部材6の間に入り込み、抑え部10と受部11とでキャンバスシート4を挟持した状態を復元力で保持するようにしてある。
この実施形態1に示す取付構造Aは、受部材5の内端側を図2に示す通り、ポップリベット24等でウイング扉1の内端部に固定し、この受部材5に設けた外向きの鉤形14をなす支点受け7に、抑え部材6に設けた内向きの鉤形18をなす支点部8を係合させ、受部材5の内端に薄材13で形成される平らで巾広の受部11と、抑え部材6の内端に板材17により構成される平らな抑え部材10との間にキャンバスシート4の端部を差し入れる。そして、受部材5と抑え部材6の外端側の間に弾性材で中空の円筒形23をなすように形成した楔9を圧入すると、抑え部材6が楔9により外端側を押し上げられるため、支点部8を中心に回動して、梃子の作用で抑え部材6の抑え部10を受部材5の受部11に強力に圧接し、キャンバスシート4の端部を受部11と抑え部10とによる挟持で強力に固定するので、この状態において図2に示す通り、抑え部材6と受部材5の外端側の間隙と、抑え部材6とキャンバスシート4との間隙をコーキング25の充填によって閉塞すれば、キャンバスシート4の強固で止水効果に優れた取り付けが容易にできる。
なお、この取付構造Aは、楔9を硬質ゴム等で中空の円筒形23をなすように形成するから、受部材5と抑え部材6との間に楔9を圧入すると、楔9は弾性変形して受部材5と抑え部材6の間に割り込み、抑え部材6の外端側を押し上げて内端側を押し下げる梃子の作用を行ない、この作用で抑え部10と受部11によるキャンバスシート4の強力な挟持固定が行われるとともに、変形の復元力を受部材5と抑え部材6に加えて挟持固定の状態を保持させるから、楔の緩みや外れを生じない。また、この取付構造Aは、受部材5に設けたシートの受部11と抑え部材6に設けたシートの抑え部10を滑りにくい材料で平らに形成して、摩擦の大きい接触面積をできるだけ大きく採るようにしたから、キャンバスシート4の強力で確実な固定を故障なく安定して行なわせる効果が高い。さらに、受部材5に設けたシートの薄材13にブチルシートを使用すれば、キャンバスシート4を接着することで、より確実に固定することができる。
〔実施形態2〕
図4は、本発明に係るウイング車輌(図面省略)におけるキャンバスシートの端部取付構造の実施形態2を示す。
この実施形態2に用いる受部材5は、アルミニウム等の押出成形で形成された長尺材であって、図5(a)に示す通り、内端側にウイング扉1の枢着側端部に取り付ける取付孔12が設けられ、中央部の内端寄りには2つの角形の凸部26、凸部26が離隔して並ぶ構成のシートの受部11が設けられ、中央部の外端寄りには外向きの鉤形14をなす支点受け7が設けられ、支点受け7の外端側には後記の通り楔9に設ける溝に係合する半円形の凸部27が設けられている。
抑え部材6は、アルミニウム等の押出成形で形成された長尺材であって、図5(b)に示す通り、内端側に板状の突片28で構成されるシートの抑え部10が、受部材5に設け2つ凸部26、凸部26の中間に位置するように設けられ、中央部には外向きの鉤形18をなす支点部8が設けられ、外端側には後記の通り楔9に設ける凹部に係合する半円形の凸部29が設けられて、更に、凸部29の内側には楔9の内端に当接する凸部30が設けられている。
上記楔9は、図5(c)に示す通り、内端側がテーパーなす砲弾型断面31にアルミニウム、プラスチック等の押出成形で形成した長尺材であって、外端側の上部及び下部に受部材5に設けた凸部27及び抑え部材6に設けられた凸部29に係合する凹部32及び凹部33が設けられている。
この実施形態2に示す取付構造Aは、受部材5の内端側を図4に示す通り、ポップリベット24等でウイング扉1の内端部に固定して、この受部材5に設けた外向きの鉤形14をなす支点受け7に、抑え部材6に設けた内向きの鉤形18をなす支点部8を係合させ、受部材5の内端に2つの角形の凸部26、凸部26で構成されるシートの受部11と、抑え部材6の内端に突片28で構成される抑え部材10との間にキャンバスシート4の端部を差し入れる。そして、受部材5と抑え部材6の外端側の間に砲弾形断面31をなす楔9を圧入すると、受部材5と抑え部材6の間にテーパー部が割り込んで抑え部材6の外端側を押し上げるため、抑え部材6は支点部8を中心に回動して、梃子作用によって抑え部材6の抑え部10を受部材5の受部11に強力に圧接し、キャンバスシート4の端部を受部11と抑え部10とによる挟持で強力に固定するから、この状態において図4に示す通り、抑え部材6と受部材5の外端側の間隙と、抑え部材6とキャンバスシート4との間隙をコーキング25の充填によって閉塞すれば、キャンバスシート4の強固で止水効果に優れた取り付けが容易にできる。
なお、この取付構造Aは、楔9の上部及び下部の外側に凹部32、凹部33を形成し、これら凹部32、凹部33に対応させて受部材5に凸部27を、抑え部材6には凸部29を形成して、楔9の圧入に際し楔9の凹部32と受部材5の凸部27及び楔9の凹部33と抑え部材6の凸部29を係合させれば、楔9が振動で緩んだり、外れたりしないようになるとともに、受部材5に設けたシートの受部11を複数の凸部で形成し、抑え部材6に設けたシートの抑え部10を凹部に挟まれる突片で形成する構造を採用することで、抑え部10と受部11でキャンバスシート4を挟むと、シートが蛇行状に変形して滑りを生じないようになるので、キャンバスシート4の強力で確実な固定を故障なく安定して行なわせるのに有効である。
〔実施形態3〕
図6は、本発明に係るウイング車輌(図面省略)におけるキャンバスシートの端部取付構造の実施形態3を示す。
この実施形態3に用いる受部材5は、アルミニウム等の押出成形で形成された長尺材であって、図7(a)に示す通り、内端側にウイング扉1の枢着側端部に取り付ける取付孔12が設けられ、中央部の内端寄りには2つの先丸の凸部34、凸部34が離隔して並ぶ構成のシートの受部11が設けられ、中央部の外端寄りには上向きの欠円断面35をなす構成の支点受け7が設けられ、支点受け7の外端側には楔9を止める角形の凸部36が設けられている。
抑え部材6は、アルミニウム等の押出成形で形成された長尺材であって、図7(b)に示す通り、内端側には複数の先丸の凸部37、凸部37が離隔して並ぶ構成のシートの抑え部10を、受部材5の凸部34、凸部34とは食い違い状となるように設けられ、中央部には円形断面38をなす支点部8を設けられ、外端側には楔9を止める角形の凸部39を設けられている。
上記楔9は、アルミニウム等の押出成形により砲弾形断面31に形成された長尺材であって、外側端の下部と上部に受部材5と抑え部材6の外端側に設けられた角形の凸部36、凸部39に係合する切欠40、切欠41が設けられ、外側の半分程度には水平の切込42を形成して楔9に弾性を持たせるようにしてある。
この実施形態3に示す取付構造Aは、受部材5の内端側を図6に示す通り、ポップリベット24等でウイング扉1の内端部に固定して、この受部材5に設けた欠円形断面35をなす支点受け7に、抑え部材6に設けた円形断面38をなす支点部8を係合させ、受部材5の内端に2つの先丸の凸部34、凸部34で構成されるシートの受部11と、抑え部材6の内端に2つの先丸の凸部37、凸部37で構成される抑え部材10との間にキャンバスシート4の端部を差し入れる。そして、受部材5と抑え部材6の外端側の間に砲弾形断面31をなす楔9を圧入すると、受部材5と抑え部材6の間にテーパー部が割り込んで抑え部材6の外端側を押し上げるため、抑え部材6は支点部8を中心に回動して、梃子作用で抑え部材6の抑え部10を受部材5の受部11に強力に圧接するため、キャンバスシート4の端部は受部11と抑え部10とによる挟持で強力に固定されるから、この状態で図6に示す通り、抑え部材6と受部材5の外端側の間隙と、抑え部材6とキャンバスシート4との間隙をコーキング25の充填によって閉塞すれば、キャンバスシート4の強固で止水効果に優れた取り付けが容易にできる。
なお、この取付構造Aは、楔9の外側端の上部及び下部に切欠40と切欠41を形成し、これら切欠40と切欠41に対応させて受部材5に角形の凸部36を、抑え部材6には角形の凸部39を形成して、楔9の圧入に際し切欠40は凸部36に、切欠41は凸部39に係合するようにすれば、楔9が振動で緩んだり、外れたりしないようになるとともに、受部材5に設けたシートの受部11を2つ先丸の凸部34、凸部34で構成し、抑え部材6に設けたシートの抑え部10を2つの先丸の凸部37、凸部37で構成して、両者が食い違うように位置付けして置けば、抑え部10と受部11でキャンバスシート4を挟むと、シートが蛇行状に変形して滑りを生じないようになるので、キャンバスシート4の強力で確実な固定を故障なく安定して行なわせるのに有効である。
〔実施形態4〕
図8は、本発明に係るウイング車輌(図面省略)におけるキャンバスシートの端部取付構造の実施形態4を示す。
この実施形態4に用いる受部材5は、アルミニウム等の押出成形で形成された長尺材であって、図9(a)に示す通り、内端側と外端側の両方にウイング扉1の枢着側端部に取り付ける取付孔12が設けられ、中央部の内端寄りの表面43をシートの受部11とされ、中央部の外端寄りには円形断面44をなす支点受け7が設けられ、支点受け7の外側には楔9を止める角形の凸部45が設けられている。
抑え部材6は、アルミニウム等の押出成形で形成された長尺材であって、図9(b)に示す通り、内端側が下がり外端側が上がる傾斜を有するものであって、円弧状をなす内側端をシートの抑え部10とされ、中央部の下側には欠円形断面46をなす支点部8が設けられ、外側端には楔9を止める凸部47が設けられている。
上記楔9は、鋼板のプレス加工で内端側の一部を斜面とした上片9aと、水平の下片9bとが連結縦片9cで連結されて変形コ字形の断面をなすように形成した長尺材であり、図9(c)に示す通り、上片9aと下片9bの外側端には、それぞれ受部材5に設けた凸部45に係合する係止縁48と、抑え部材6に設けた凸部47に係合する係止縁49とが設けられている。
この実施形態4に示す取付構造Aは、受部材5の内端側と図8に示す通り、外端側をポップリベット24等でウイング扉1に固定して、この受部材5に設けた円形断面44をなす支点受け7に、抑え部材6に設けた欠円形断面46をなす支点部8を係合させ、受部材5の内端に表面43で形成されるシートの受部11と、抑え部材6の先端を先丸としたシートの抑え部10との間にキャンバスシート4の折り重ねによって図8に示す通りの段部50を形成した端部を差し入れる。そして、受部材5と抑え部材6の外端側の間に上片9aの内端側を斜面とした楔9を圧入すると、受部材5と抑え部材6の間に斜面の部分が割り込んで抑え部材6の外端側を押し上げるため、抑え部材6は支点部8を中心に回動して、梃子の作用で抑え部材6の抑え部10を受部材5の受部11に強力に圧接するため、キャンバスシート4の端部は受部11と抑え部10とによる挟持で強力に固定されるから、この状態で図8に示す通り抑え部材6と受部材5の外端側の間隙と、抑え部材6とキャンバスシート4との間隙をコーキング25の充填によって閉塞すれば、キャンバスシート4の強固で止水効果に優れた取り付けが容易にできる。
なお、この取付構造Aは、楔9を鋼板のプレス加工で上片9aと下片9bと連結縦片9cで変形コ字形の断面をなすように形成することで弾性を付与するとともに、上片9aと下片9bとの外端側に係止縁48、係止縁49を形成し、これら係止縁48、係止縁49を受部材5に設けた凸部45と抑え部材6に設けた凸部47に係合させるため、楔9が振動で緩んだり、外れたりしないようになるとともに、キャンバスシート4の端部にシートの折り重ねで段部50を形成して、この段部50が抑え部材6の抑え部10に引っ掛かるようにしてあるため、キャンバスシート4の強力で確実な固定が故障なく安定して行なわれるのに有効である。
本発明に係る取付構造は、ウイング扉の枢着部を覆うキャンバスシートの端部をウイング扉に外れや浸水を起さないように容易に取り付けることができる。
本発明に係る取付構造でキャンバスシートの端部をウイング扉に取り付けた説明図。 同上取付構造の実施形態1を示す断面図。 (a)(b)(c)は、同上実施形態に用いた受部材と抑え部材と楔の断面図。 同上取付構造の実施形態2を示す断面図。 (a)(b)(c)は、同上実施形態に用いた受部材と抑え部材と楔の断面図。 同上取付構造の実施形態3を示す断面図。 (a)(b)(c)は、同上実施形態に用いた受部材と抑え部材と楔の断面図。 同上取付構造の実施形態4を示す断面図。 (a)(b)(c)は、同上実施形態に用いた受部材と抑え部材と楔の断面図。
符号の説明
A キャンバスシートの端部取付構造
1 ウイング扉
4 キャンバスシート
5 受部材
6 抑え部材
7 支点受け
8 支点部
9 楔
10 抑え部
11 受部

Claims (6)

  1. ウイング扉が長手架材に枢着される部分の外側を覆うキャンバスシートの端部を、受部材と抑え部材による挟持でウイング扉の端部に取り付けるウイング車輌におけるキャンバスシートの端部取付構造であって、
    上記受部材は、ウイング扉の枢着端部側に固定されて、上側の中央部に支点受けが設けられ、
    上記抑え部材は、上側の中央部に上記支点受けに対応する支点部が設けられ、
    この支点部を上記支点受けに支持させて、該支点部よりも外側の抑え部材と受部材と間に楔を圧入すると、抑え部材の内端側に設けた抑え部が下降して、受部材の内端側に設けられる受部とでキャンバスシートの端部の挟持固定を行うようにしたことを特徴とするウイング車輌におけるキャンバスシートの端部取付構造。
  2. 上記受部材に設けた支点受けと、抑え部材に設けた支点部とが、対称形の鉤形に形成されていることを特徴とする請求項1に記載のウイング車輌におけるキャンバスシートの端部取付構造。
  3. 上記受部材に設けた支点受けが欠円溝形であり、抑え部材に設けた支点部が円軸形であることを特徴とする請求項1に記載のウイング車輌におけるキャンバスシートの端部取付構造。
  4. 上記抑え部材に設けた抑え部とこの抑え部に対応する受部材の受部のいずれか一方に凹部が形成され、他方に凸部が形成され、この凹部と部とでキャンバスシートを変形挟持させたことを特徴とする請求項1〜請求項3の何れかに記載のウイング車輌におけるキャンバスシートの端部取付構造。
  5. 上記抑え部材に設けられた抑え部に滑り止め部材が取り付けられていることを特徴とする請求項1〜請求項4の何れかに記載のウイング車輌におけるキャンバスシートの端部取付構造。
  6. 上記抑え部材と受部材との間、抑え部材とキャンバスシートとの間等に生ずる隙間をコーキングの充填で密閉させたことを特徴とする請求項1〜請求項5の何れかに記載のウイング車輌におけるキャンバスシートの端部取付構造。
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