JP4886234B2 - 撮像装置 - Google Patents

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本発明は、位置制御対象物の制御を行う技術に関するものである。
近年、民生用ビデオカメラ等の撮像装置においては、携帯性を向上させるための小型軽量化が製品の商品性を高める上での重要な要素となっている。そして撮像装置を小型化するためには、撮像装置の構成要素の一つであるレンズユニットの小型化が不可欠である。
レンズユニットには、撮像光学系であるレンズに加えて、例えばオートフォーカスを行うために焦点調節レンズ(以下、フォーカスレンズともいう。)を駆動するアクチュエータなど、いくつかのアクチュエータが備えられている。したがって、これらのアクチュエータやその周辺の駆動機構についても更なる小型化が求められている。
レンズ駆動用アクチュエータとしては、ステッピングモータや、ボイスコイルモータと呼ばれるリニアモータが従来から用いられている。ステッピングモータは回転運動を発生するアクチュエータである。そのため、フォーカスレンズを光軸方向に直線駆動するための駆動ネジやラックなどの駆動機構が必要となる。これに対しボイスコイルモータは直線運動を発生するアクチュエータである。そのため駆動機構を簡素にすることができ、小型化により有利である。このためレンズ駆動用アクチュエータとしてボイスコイルモータを用いることは従来より行われている(例えば、特許文献1参照)。
以下で、ボイスコイルモータを用いたレンズ駆動機構について説明する。図4は従来よりレンズ駆動に用いられているボイスコイルモータの構造を概略で示した図である。コの字型のヨーク110bの内側に駆動マグネット109が配置されている。この駆動マグネット109と対向して駆動コイル111がヨーク110bの周囲を取り巻くように配置されている。駆動マグネット109は紙面に向かって上下方向に帯磁されている。したがって、コの字型ヨーク110bの内部では図にむかって上下方向の磁界が生じている。この磁界の向きはヨーク内部でほぼ平行になっている。ヨーク110bが閉じた構造となっているためである。また、駆動コイル111に通電すると、紙面にむかって左右方向の推力がコイルに発生することになる。駆動コイル111に通電により電流は紙面に対して垂直の方向に流れるため、上下方向の磁界との相互作用によるものである。
図5は前記のボイスコイルモータを撮像装置のフォーカスレンズの駆動に用いる場合の、レンズ保持構造を示した図である。ここで光学系の光軸およびレンズ駆動方向は紙面に垂直の方向になるように図示している。ヨーク110b、駆動マグネット109および2本のバー106、107は図示しないレンズ鏡筒に固定されている。一方フォーカスレンズ102はレンズ保持部材103に設けられたスリーブ部104およびU溝105を介して、バー106、107に対して紙面に垂直方向に移動可能となるように保持されている。レンズ保持部材103には駆動コイル111が固定されており、駆動コイル111に通電することでレンズは紙面に垂直方向に駆動される。
以上がボイスコイルモータによるレンズ駆動機構の一例である。近年は、図6に示すような平板のヨークを用いたフラットコイル型のボイスコイルモータもレンズ駆動に用いられるようになってきた。さらなる小型化を狙ったものである。図6はフラットコイル型のボイスコイルモータの構造を概略で示したものである。これは、平板のヨーク110aの上に駆動マグネット109が配置されている。そして駆動コイル111は駆動マグネット109と平行な面に沿ってに巻かれて配置されている。駆動マグネット109は図の左右方向に帯磁されており、駆動マグネット109周辺では図の上下方向の磁界が生じている。ただし、駆動マグネット109の中央付近ではN極からS極に向かってU字型に湾曲した磁界が生じている。また端付近では左右方向に広がってヨークに戻るような磁界が生じている。これらは、ヨーク110aが閉じた構造でないためである。駆動コイル111に通電すると、上下方向の磁界との相互作用で図の左右方向の推力がコイルに発生することになる。駆動コイル111に通電により電流は紙面に向かって垂直の方向に流れるためである。このフラットコイル型のボイスコイルモータでは、レンズの小型化により有効である。ヨークが平板であるためコの字型ヨークのボイスコイルモータに比べてアクチュエータ部を薄くすることができるからである。
次に、オートフォーカス(AF)制御における、フォーカスレンズの駆動について説明する。ビデオカメラ、デジタルカメラ等の撮像装置のオートフォーカス制御においては、いわゆるTV−AF方式を用いることが多い。このTV−AF方式とは、撮像された映像信号の所定の高周波成分を抽出した信号からAF評価値と呼ばれる信号を生成し、このAF評価値が最大となるように合焦レンズを制御するものである。この方式では、フォーカスレンズを光軸方向に微小移動量の駆動と停止を繰り返すようなレンズ駆動が頻繁に行われる(例えば、特許文献2)。これは、AF評価値が大きくなる方向を判別するためである。以下に説明する。
図7は、通常の被写体像を撮影した場合の、AF評価値の例である。図7に示すようにAF評価値はフォーカスレンズが合焦位置に近くなるほど大きくなり、合焦位置で最大となる。ここで、例えばNTSC方式の映像信号では1/60秒(1Vsync)の間隔で生成される1フィールドの画像ごとにAF評価値が得られることになる。AF評価値は映像信号が1画面分生成されるごとに更新されるためである。一方、TV−AF方式では、フォーカスレンズを光軸方向に動かしながらAF評価値の変化を検出し、AF評価値が最大になるフォーカスレンズ位置(合焦位置)を探索する。TV−AF方式ではフォーカスレンズの合焦位置をあらかじめ知ることはできないためである。すなわち、合焦位置の方向がわからないときにはフォーカスレンズを光軸方向に微小距離だけ移動するように駆動(微小駆動動作)し、AF評価値が大きくなる方向を判別する。微小駆動動作により合焦位置の方向が判別されると、その方向にフォーカスレンズを高速駆動しつつAF評価値の変化の検出を継続する。AF評価値が増大から減少に転じたフォーカス位置にフォーカスレンズを戻せば、被写体に焦点を合せて、映像を合焦させることができる。AF評価値が増大から減少に転じたフォーカス位置が合焦位置だからである。特に、動画撮影では、このような合焦制御を繰り返し実行することで映像の合焦を維持している。被写体が時々刻々と変わり、合焦位置もそれに伴って変化するためである。
なお、前記のように合焦位置の方向が判別された後のフォーカスレンズの高速駆動において、レンズの移動速度が速すぎるとAF評価値の減少を検出するまでに合焦位置を大きく通り過ぎてしまうことがある。すなわち、映像が一旦合焦した後にボケて再び合焦するという動作となりきわめて品位が悪くなる。これを防ぐためには、レンズの移動速度が適切な速度となるように移動速度を制御する必要がある。フォーカスレンズのアクチュエータがステッピングモータの場合には、駆動パルスの出力周期を制御することによりレンズの移動速度を直接制御できる。しかし、ボイスコイルモータを用いたレンズ駆動は、速度を直接制御することは困難である。ボイスコイルモータを用いたレンズ駆動は位置フィードバック制御が一般だからである。この点、以下のような技術を用いることにより擬似的に速度制御を行うことは可能である。すなわち、レンズの目標速度を例えば10mm/secとしたい場合、位置制御の制御周期が例えば1msecであれば、1制御周期ごとにレンズが10[mm/sec]×1[msec]=10μmずつ移動すればよいことになる。そこで1制御周期ごとに10μmずつ目標位置を逐次更新し、その都度目標位置にレンズが移動するように位置制御を行えば、レンズの平均的な移動速度は前記目標速度とほぼ一致するので、擬似的に速度制御を行うことができる。
次に以下で、微小駆動動作におけるレンズの動作について図8を用いて詳しく説明する。微小駆動動作では、図8に示すようにフォーカスレンズをある方向に微小移動量だけ駆動し、AF評価値が増加した場合はそのまま駆動方向を変えず、AF評価値が減少した場合は駆動方向を反転させる。そして同一方向への駆動が所定の回数だけ連続した場合に、合焦位置がその方向にあるものとして高速駆動に移行する。ここで、図8にあるように、フォーカスレンズを微小移動量だけ移動した後、少なくとも1Vsync間はレンズを停止させる。CCDやCMOSなどの撮像素子に電荷を蓄積して、次のフィールドで映像信号からAF評価値を生成している。AF評価値は前記のように1フィールド間隔(1Vsync)ごとに得られるためである。そしてこのAF評価値を次のフィールドでマイコン処理し、方向を判別して次の駆動方向を決定している。このため、微小駆動動作においては、AF評価値が得られるごとにフォーカスレンズの移動が発生する。
ここで、レンズの移動は1Vsync内で完了するように駆動と停止を行うことが望ましい。これは以下の理由による。すなわち、前記のようにAF制御では、フォーカスレンズの移動完了後に、少なくとも1Vsyncレンズを停止してAF評価値を生成し、次回の駆動方向を決定する。ここでフォーカスレンズの移動が複数のVsyncにまたがった場合、レンズの移動完了を待つ間はフォーカスレンズの駆動方向を決定することができないために、AF制御の周期が伸びてしまう。前記のように微小駆動動作から高速駆動への移行では同一方向への連続駆動回数を用いているため、AF制御周期が伸びると高速駆動への移行が遅くなり、ボケた状態から合焦に至るまでに要する時間が長くなるなど製品性能が低下するためである。
特開平10−164417号公報 特開平10−051677号公報(図13)
上記にレンズを小型化するためのフラットコイル型ボイスコイルモータに関する従来技術、およびビデオカメラやデジタルカメラ等の撮像装置におけるフォーカスレンズの微小駆動動作について説明した。しかしながら、フラットコイル型ボイスコイルモータをフォーカスレンズのアクチュエータとして使用し、オートフォーカス制御でレンズの微小駆動動作を行うと、レンズからカタカタという騒音が発生してしまうという問題があった。この騒音はフォーカスレンズが可動範囲の端付近にある場合に特に顕著に発生する。このような騒音が発生すると、製品の品位を損なうばかりでなく、撮像装置にて記録された映像信号の音声に騒音が重畳して記録されてしまうなど、製品性能が著しく損なわれることとなる。
本発明の目的は、発生する騒音を抑制するとともに、レンズユニットひいては撮像装置の小型化とを両立させることである。
上記目的を達成するため、本発明の技術思想の撮像装置は、フォーカスレンズを通過し撮像素子に結像した被写体からの入射光に基づいて、1フィールド間隔で画像が生成され当該画像ごとにAF評価値を得て合焦状態を検出する撮像装置において、前記フォーカスレンズを駆動する駆動手段と、1フィールド期間内で且つ前記前記撮像素子に電荷を蓄積する時間を除く期間において前記フォーカスレンズを移動開始し第1の移動目標位置に移動停止する際、当該フォーカスレンズの移動開始から移動停止までの間に前記フォーカスレンズの2の移動目標位置を設定し、さらに前記フォーカスレンズの移動目標位置を逐次更新することによって、前記第1の移動目標位置に前記フォーカスレンズが所定速度制限内で移動するように前記駆動手段を制御する位置制御手段とを有する。
以上説明したように、本発明によれば、位置制御対象物の移動開始の際や移動終了の際に発生する騒音を抑制することができ、レンズユニット、ひいては撮像装置の小型化の実現と、レンズ駆動騒音に係る製品性能・品位の確保を両立することができる。
以下、本発明の位置制御技術を用いた実施例について説明する。
(位置制御装置の構成)
図1は、撮像装置の焦点制御レンズ(フォーカスレンズ)の位置制御の構成を示した図である。
まず、本実施形態における位置制御対象物であるフォーカスレンズ102の位置制御に係る構成要素について説明する。なおレンズユニット101にはフォーカスレンズ102の他、一般には固定レンズ、変倍用の可動レンズ、絞り機構などが設けられるが、ここでは簡単のため図示を省略している。
フォーカスレンズ102はレンズ保持部材103に保持されており、またレンズ保持部材103には中空のスリーブ104およびU溝105が設けられている。スリーブ104およびU溝105はそれぞれスリーブバー106、U溝バー107に沿って光軸方向(図の左右方向)に摺動可能となっている。これらスリーブバー106とU溝バー107はレンズ鏡筒108に固定されている。以上の機構によりフォーカスレンズ102はレンズ鏡筒108に対して光軸方向に移動可能な状態に保持されている。
レンズ鏡筒108には、駆動マグネット109および平板上のヨーク110aが固定されている。一方レンズ保持部材103には駆動コイル111が固定されている。これらの駆動マグネット109、駆動コイル111、ヨーク110aは合わせてフラットコイル型ボイスコイルモータを形成されている。これにより、駆動コイル111に電流を流すとフォーカスレンズ102を光軸方向に直線駆動するように構成されている。
また、レンズ保持部材103にはスケール112が固定されており、レンズ鏡筒108には位置センサ113が固定されている。スケール112上の所定の磁気パターン、光学パターン等を位置センサ113にて検出することにより、フォーカスレンズ102の位置を検出することができるように構成されている。位置センサ113とスケール112とはフォーカスレンズ102が光軸方向に移動するのに伴って相対位置が変化するためである。
位置センサ113から出力される位置検出信号はカメラ/AFマイコン114に入力される。ここでカメラ/AFマイコン114はレンズの位置制御、オートフォーカス制御などを行うマイクロコンピュータである。このカメラ/AFマイコン114は、後述するAF信号処理回路115からの信号に基づいて前記のTV−AF制御演算を実行し、AF評価値が得られるごとにフォーカスレンズを移動する目標位置を算出する。そしてカメラ/AFマイコン114は、この目標位置と、位置センサ113の出力から得られるフォーカスレンズ102の位置を一致させるための位置フィードバック制御演算を行う。さらにカメラ/AFマイコン114は、ボイスコイルモータ駆動回路116に駆動信号を出力する。ボイスコイルモータ駆動回路116はカメラ/AFマイコン114からの駆動信号に応じ、駆動コイル111に電流を流す。これにより、ボイスコイルモータ駆動回路116はフォーカスレンズ102を駆動して目標位置へ移動させる。
(撮像機能およびAF制御の構成要素)
次に、本実施形態における撮像装置の撮像機能およびオートフォーカス制御に係る構成要素について説明する。
被写体からの入射光はフォーカスレンズ102を通って撮像素子117上に結像する。撮像素子117はCCDやCMOSなどの光電変換素子であり、被写体像を電気信号に変換する。電気信号はCDS/AGC回路118により読み出し・増幅され、カメラ信号処理回路119に入力される。カメラ信号処理回路119は所定の映像信号処理を行い、入力された信号を記録装置120、モニタ装置121に対応した信号に変換する。記録装置120は被写体像を記録媒体(磁気テープ、光学ディスク、半導体メモリなど)に記録する。モニタ装置121は電子ビューファインダーや液晶パネルなどに被写体像を表示する。
一方、CDS/AGC回路117の出力はAF信号処理回路115に入力され、合焦検出に用いるAF評価値信号が抽出される。AF評価値信号は前記のようにカメラ/AFマイコン114に入力され、TV−AF制御演算に用いられる。この結果に応じて実行されるレンズ位置制御処理については前記のとおりである。
(騒音発生メカニズム)
ここで、前述した騒音の発生メカニズムについて検討する。図9は、フラットコイル型のボイスコイルモータにおいて、駆動コイル111が位置制御対象物であるレンズの可動範囲の端付近にある状態を示した図である。このとき駆動コイル111の一方の端が駆動マグネット109の中央付近に、コイルのもう一方の端が駆動マグネット109の端付近に位置している。駆動マグネット109の中央および端付近では磁界の方向が上下方向から傾いた方向になっている。前記のようにフラットコイル型のボイスコイルモータではヨーク110aが閉じた構造ではないためである。このときに駆動コイルに電流を流すと、図9に示すように左右方向に対してやや上向きに傾いた推力が発生する。紙面に向かって左向きの推力を生じさせた場合、推力は磁界と垂直方向に生じるためである。すなわち、レンズの可動方向である左右方向への推力成分に加えて、駆動コイルが駆動マグネットから離れる方向の推力成分が生じていることになる。同様に、電流の方向を逆にし、図の右向きの推力を生じさせた場合には、前記とは逆に駆動コイルが駆動マグネットに近づく方向の推力成分が生じる。
図10はフラットコイル型のボイスコイルモータを撮像装置のフォーカスレンズの駆動に用いる場合の、レンズ保持構造を概略的に示した図である。図10は、光学系の光軸およびレンズ駆動方向は紙面に垂直の方向になるように図示している。図4、5を用いて説明したコの字型ヨークを用いたボイスコイルモータの場合と同様に、ヨーク110a、駆動マグネット109および2本のバー106、107は図示しないレンズ鏡筒に固定されている。したがって、レンズはレンズ保持部材103に設けられたスリーブ部104およびU溝105を介して、バーに対して紙面に垂直方向に移動可能となるように保持されている。
またレンズ保持部材103には駆動コイル111が固定されている。ここで、前記のようにレンズが可動範囲の端付近にあって、駆動コイル111が駆動マグネット109から離れる方向の推力成分が生じた場合、レンズ保持部材のコイル固定部分に図の右向きの力が加わる。この右向きの力によりレンズ保持部材103にスリーブ位置を中心とした反時計回りの回転運動が生じる。スリーブ104およびU溝105とバー106、107との間には摺動可能なように数μmのガタを持たせてあるためである。このため、例えばレンズが停止している状態(コイルに推力が発生していない状態)から急にレンズを駆動したり、駆動中に急停止したりすると、前記の回転運動によってU溝105の内壁とバー107がぶつかり、たたき音と呼ばれる騒音が発生する。
前記したように、AF制御の微小駆動動作においては、AF評価値が得られるごとにフォーカスレンズの移動が発生し、レンズの移動は1Vsync内で完了するように駆動と停止が行われている。図11は、微小駆動動作時のレンズ位置の制御目標と、実際のレンズの動きの時間変化を示した図である。図11に示すように、レンズ位置の制御目標はマイコンが移動方向と移動量を決定するとA位置からB位置に切り替わり、これによりB位置にレンズが移動するようにレンズが駆動される。図のCはレンズの駆動開始時であり、レンズが停止している状態から急激に推力が加えられてレンズが動き出している。また図のDは微小移動量分の駆動が完了した時点であり、レンズが動いている状態から急激に逆方向の推力が加えられてレンズが停止している。これらC、Dの時点で前記のたたき音が発生し、カタカタという騒音となる。以上がフラットコイル型のボイスコイルモータにおける騒音発生のメカニズムである。
なお、コの字型ヨークを用いたボイスコイルモータでは、推力の光軸方向以外の成分はほとんど発生せず、たたき音の発生に対して有利な構造となっている。コの字型ヨークを用いたボイスコイルモータでは、前記のようにヨークが閉じた構造であり磁界の向きがヨーク内部でほぼ平行になっているためである。
(微小駆動動作の際のレンズ位置制御)
次に、オートフォーカス制御における微小駆動動作時のレンズ位置制御について説明する。図2は、微小駆動動作時のレンズ位置の制御目標と、実際のレンズの動きの時間変化を示した図である。図2に示すように、本実施例においてはカメラ/AFマイコン114が移動方向と移動量を決定すると、A位置からB位置まで所定の上限値以下の目標速度にて移動するようにレンズ位置が制御される。ボイスコイルモータを用いた位置制御によるレンズ駆動において、擬似的な速度制御を行う手法については前記したとおりである。図のC、Dはそれぞれレンズの移動開始の際および移動終了の際である。擬似的な速度制御により目標位置が徐々に変化するために急激に推力が加わることが抑制される。これにより、従来技術の課題であった、フラットコイル型ボイスコイルモータにおいてレンズの移動開始・移動終了の際に急激な推力が加わることによるたたき音を抑制することができる。目標速度を遅くするほど、推力変化は緩やかとなるため、騒音の抑制効果はより顕著となる。ここでは、目標速度の上限値は10mm/secに設定すれば良い。目標速度を10mm/sec以下に設定すれば微小駆動時の騒音は十分小さくなり、製品性能・品位において問題ないことが確認されているからである。
なお、前記のように目標速度の上限を遅くするほど騒音の抑制効果は高くなる。一方で、遅く設定しすぎてA位置からB位置への移動に1Vsync以上を要してしまうと、レンズの移動を待つ分だけAF制御の周期が伸びて合焦が遅くなってしまう。この点に関しては、本願で開示する技術においては、オートフォーカス動作における微小駆動の際の移動量は最大で約100μm程度であり、このとき前記の10mm/secの移動速度であれば移動に要する時間は10msecとなる。移動終了後のレンズ位置の静定時間(目標位置に対するオーバーシュートが収束するまでの時間)を含めても1Vsync間で十分移動が完了でき、この点においても製品性能に問題ないことが確認できている。NTSC方式の映像信号の1Vsyncは1/60秒=16.7msecだからである。
以上より、フォーカスレンズの移動開始/移動終了の際に目標速度を所定の上限値(前記の実施例においては10mm/sec)以下に制限することにより、オートフォーカス性能に影響を与えることなく騒音を低減でき、製品に必要な性能・品位を実現することができる。
以下、本発明の位置制御装置の第2の実施の形態について説明する。構成については第1の実施の形態と同様であるので、説明は省略する。
前記の実施例1においては、フォーカスレンズの移動開始から移動終了まで目標速度に制限を設けていた。しかしながら微小駆動動作における騒音の発生メカニズムにおいて説明したように、たたき音はフォーカスレンズの移動開始の際および移動終了の際に発生する。したがってフォーカスレンズが移動している間は目標速度に制限を設けなくとも、たたき音はほとんど発生しない。そこで本実施例においては、フォーカスレンズの移動開始時および移動終了時のみ目標速度に制限を設け、移動中は制限を設けないようにすることで、フォーカスレンズの移動に要する時間を短縮するような駆動制御を行う。このような制御を行うことで、移動開始時および移動終了時の移動速度をより遅くして騒音低減効果を高めると共に、移動距離がより長い場合にも1Vsync内で移動を完了するようにすることができる。
前記したように、第1の実施例の制御技術において問題はなかいものであるが、異なる製品においては、騒音の発生のしやすさ、最大の移動距離、製品に要求される騒音レベル等の条件がより厳しい場合も考えられ、このような場合に本実施例のような駆動制御が有効となる。
(微小駆動動作の際のレンズ位置制御)
図3は、本発明の第2の実施の形態における、微小駆動動作時のレンズ位置の制御目標と、実際のレンズの動きの時間変化を示した図である。図3に示すように、本実施例においてはレンズ位置の制御目標はフォーカスレンズの移動開始であるA時点から所定時間(例えば3msec)経過後のB時点まで、および移動終了時より所定時間前のC時点から移動終了時であるD時点までの間でのみ所定の目標速度上限値(例えば5mm/sec)にて駆動させる。これに対して、B時点からC時点まではより速い目標速度にて駆動させている。必要な移動距離はカメラ/AFマイコン114の演算結果により既知であるので、1Vsync以内に移動を完了するためのB時点からC時点までの目標速度は以下のようにして求めることができる。すなわち、A時点からB時点までの3msec間の目標速度は5mm/secに制限するので、その間の移動量は5[mm/sec]×3[msec]=15μmである。C時点からD時点までの移動量も同様に15μmとなる。必要な移動距離が120μmであった場合、レンズの静定時間を考慮して移動開始から移動終了までを10msecで完了しようとすれば、B時点からC時点までの時間は10msec−(3msec×2)=4msec、移動距離は120μm−(15μm×2)=90μmであるので、90[μm]/4[msec]=22.5[mm/sec]の速度で移動すればよい。すなわち目標速度を、移動開始から3msec経過までは5mm/secに制限し、その後7msec経過までは22.5mm/secに設定し、さらにその後目標位置到達までは再び5mm/secに制限すれば図3のようなレンズ動作が実現できる。なお、移動距離が50μm以下であれば、実施例1と同様に移動開始から移動終了まで目標速度を5mm/secに制限する。移動距離が50μm以下であれば5mm/secの移動速度で10msec以内に到達できるためである。
以上に説明したとおり、本実施例によれば、移動開始時および移動終了時の移動速度をより遅くして騒音低減効果を高めると共に、移動距離がより長い場合にも1Vsync内で移動を完了するようにすることができ、本発明の適用範囲をより広くすることができる。
以上のように第1、第2の実施例にて説明したように、本願により開示する技術によれば、位置制御対象物の移動に伴い発生する騒音を抑制することができる。
本発明の位置制御装置を、撮像装置の焦点制御レンズ(フォーカスレンズ)の位置制御に適用した場合の構成を示した図である。 本発明の第1の実施の形態における、微小駆動動作時のレンズ位置の制御目標および実際のレンズの動きの時間変化を示した図である。 本発明の第2の実施の形態における、微小駆動動作時のレンズ位置の制御目標および実際のレンズの動きの時間変化を示した図である。 コの字型ヨークを用いたボイスコイルモータの構造を概略で示した図である。 コの字型ヨークを用いたボイスコイルモータを、撮像装置のフォーカスレンズの駆動に適用した場合の、レンズ保持構造を示した図である。 フラットコイル型ボイスコイルモータの構造を概略で示した図である。 通常の被写体像を撮影した場合のAF評価値の例である。 TV−AF方式の合焦制御における、微小駆動動作時のレンズ動作を示した図である。 フラットコイル型ボイスコイルモータにおいて、駆動コイルが可動範囲の端付近にある状態を示した図である。 フラットコイル型ボイスコイルモータを、撮像装置のフォーカスレンズの駆動に適用した場合の、レンズ保持構造を示した図である。 従来技術における、微小駆動動作時のレンズ位置の制御目標および実際のレンズの動きの時間変化を示した図である。
符号の説明
101 レンズユニット
102 フォーカスレンズ
103 レンズ保持部材
104 スリーブ
105 U溝
106 スリーブバー
107 U溝バー
108 レンズ鏡筒
109 駆動マグネット
110a、110b ヨーク
111 駆動コイル
112 スケール
113 位置センサ
114 カメラ/AFマイコン
115 AF信号処理回路
116 ボイスコイルモータ駆動回路
117 撮像素子
118 CDS/AGC回路
119 カメラ信号処理回路
120 記録装置
121 モニタ装置

Claims (3)

  1. フォーカスレンズを通過し撮像素子に結像した被写体からの入射光に基づいて、1フィールド間隔で画像が生成され当該画像ごとにAF評価値を得て合焦状態を検出する撮像装置において、
    前記フォーカスレンズを駆動する駆動手段と、
    1フィールド期間内で且つ前記前記撮像素子に電荷を蓄積する時間を除く期間において前記フォーカスレンズを移動開始し第1の移動目標位置に移動停止する際、当該フォーカスレンズの移動開始から移動停止までの間に前記フォーカスレンズの2の移動目標位置を設定し、さらに前記フォーカスレンズの移動目標位置を逐次更新することによって、前記第1の移動目標位置に前記フォーカスレンズが所定速度制限内で移動するように前記駆動手段を制御する位置制御手段とを有することを特徴とする撮像装置。
  2. 前記第2の目標位置は、前記フォーカスレンズの移動開始の際および移動終了の際のいずれかまたは両方における前記フォーカスレンズの平均移動速度が所定の値に達しないように算出することを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
  3. 前記駆動手段は、駆動用マグネット、駆動コイル、および平板のヨークからなるフラットコイル型ボイスコイルモータであることを特徴とする、請求項1または2に記載の撮像装置。
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