JP4885591B2 - 配線基板用織布およびプリプレグ - Google Patents

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Description

本発明は、各種AV機器や家電機器,通信機器,コンピュータ装置およびその周辺機器などの電子機器に使用される配線基板に適用される配線基板用織布およびプリプレグに関し、特にシリコンチップがフリップチップ実装されるパッケージ基板に好適に適用される配線基板用織布およびプリプレグに関するものである。
本発明において、「略同数」とは、その他の単繊維の本数の80%以上100%以下と同義である。本発明において、「略同一」は同一を含む。
配線基板の前駆体であるプリプレグおよびその製造方法が種々実用に供されている(たとえば特許文献1、2参照)。従来、配線基板は、IC(Integrated Circuit),LSI(Large Scale Integration)などの半導体素子に代表される能動素子および容量素子や抵抗素子などの受動素子を多数搭載して所定の電子回路を構成する混成集積回路に用いられる。この配線基板は、通常、以下のように製作される。(1)ガラスクロスにエポキシ樹脂を含浸させ、乾燥して得られるプリプレグに基づいて作製される絶縁基板の上下面に銅箔を接着して成る、いわゆる両面銅貼基板をサブトラクティブ法により配線パターン状の配線導体に加工する。(2)その後、ドリルによって配線導体と絶縁基板とを貫通する貫通孔(スルーホール)を形成し、この貫通孔内部にめっき法により導体層を被着して成る貫通導体を形成することによって基体を製作する。(3)その主面にソルダーレジストと呼ばれる絶縁層を積層することによって、配線基板を製作する。
または配線密度をより上げるために、前記(2)で製作された基体の主面に、エポキシ樹脂などから成る絶縁層を積層し、レーザ光を照射することにより絶縁層に貫通孔(ビアホール)を形成した後、めっき法により貫通孔の内部に導体層を形成するとともに、絶縁層の表面に配線導体を形成するという工程を数回繰り返すことにより、ビルドアップ部を形成することによって、配線基板を製作する(たとえば特許文献3参照)。
多層配線板は、通常、内層回路を形成した内層回路板の上に絶縁層を形成し、その上に金属層を形成して、配線板全体を貫通する孔をあけたり、内層回路に達するバイアホールを形成して内層回路と金属箔とを電気的に接続し、金属箔の不要な箇所をエッチング除去して製造しているが、通常の絶縁材では、熱膨張率が約16ppm/℃であり、シリコンチップの3ppm/℃との間に大きな差があった。
特開2002−198658号公報 特開2002−212394号公報 特開2005−86164号公報
近年、LSIの高速化・高機能化に伴い、シリコン表面に低誘電率材料が用いられる傾向がある。最も低誘電率の材料は空気であるが、回路の保持に問題があるため、低誘電率材料の候補は多くの気泡を含んだ材料となる傾向がある。多くの気泡を含んだ低誘電率材料は強度が低いため、このような、気泡を含んだ低誘電率材料を用いたシリコンチップを従来の基板にフリップチップ実装すると、基板とシリコンチップとの熱膨張率差のため、フリップチップ実装後の冷却過程でシリコンチップ表面の低誘電率材料にクラックが入り、回路が断線するという問題が生じている。
そのため、気泡を含む低誘電率材料を用いたシリコンチップを実装するパッケージはシリコンチップとの熱膨張率差をできる限り小さくし、シリコンチップに熱応力を生じさせないものでなければならない。このため、パッケージ基板の熱膨張率はシリコンチップの熱膨張率に限りなく近いものが求められている。
また、LSIは同時に多くのデータを処理するため大形化する傾向がある。LSIが大形化するとデータのインプットとアウトプットを行うI/O(Input/Output) を増やす必要がある。I/Oは現在数千程度であるが、将来は一万に達すると予測されている。そのため、半導体素子と配線基板との接続部分(バンプ)は小形化する傾向があり、現在、直径100μm、ピッチ220μmのバンプが今後は直径50μm以上75μm以下、ピッチ100μm以上125μm以下に小形化することが求められている。バンプが小形化すると機械的強度が低下すること、およびシリコンチップと基板との距離が縮まることから、基板とシリコンチップとの熱膨張率差のため、製品使用時の加熱冷却の繰り返しによりバンプが破断し、回路が断線するためにシステムが停止するという問題が生じている。
そのため、I/Oが多く小さなバンプが必要なシリコンチップを実装するパッケージはシリコンチップとの熱膨張率差をできる限り小さくし、シリコンチップに熱応力を生じさせないものでなければならない。このため、パッケージ基板の熱膨張率はシリコンチップの熱膨張率に限りなく近いものが求められている。
しかしながら、ガラスクロスにエポキシ樹脂を含浸させて成る通常の絶縁基板は、ガラスクロスの熱膨張率が大きくシリコンチップと同等の熱膨張率の達成は困難であった。また、ガラスクロスはドリルやレーザー光により穿設加工することが困難なため、貫通導体の微細化には限界があり、また、ガラスクロスの厚みが不均一なために均一な孔径の貫通導体を形成することが困難であるという問題点を有していた。
本発明はかかる従来技術の問題点に鑑み完成されたものであり、その目的は、高密度な配線を有するとともに、接続信頼性および積層信頼性に優れた配線基板の前駆体である配線基板用織布およびプリプレグを提供することにある。
本発明は、ポリベンズオキサゾールを主成分とする単繊維または複数のポリベンズオキサゾールを主成分とする単繊維から成る繊維束を、少なくとも二方向に配列して相互に編み込んで成る配線基板用織布であって、前記単繊維または繊維束は、前記配線基板用織布を編み込むピッチに対応した波形状を成しているとともに、この波形状の周期に対して、一周期分に相当する単繊維長さが1倍より大きく1.20倍以下であり、
前記単繊維または繊維束のヤング率は10GPa以上で、かつその長手方向の線膨張係数(常温以上200℃以下)は−10ppm/℃以上0ppm/℃以下であり、
前記二方向に交差する繊維束のうちの一方向の繊維束は、他方向の繊維束と近接する一群の単繊維の本数が、その他の単繊維の本数と略同数または同数以上であることを特徴とする配線基板用織布である。
また本発明は、前記繊維束は、その長手方向に垂直な仮想平面で切断して見た横断面形状が横長の扁平状であることを特徴とする。
また本発明は、前記配線基板用織布に、未硬化もしくは不完全硬化の樹脂組成物を含浸させて成るプリプレグである。
また本発明は、前記樹脂組成物は、非金属無機フィラーを20wt%以上80wt%以下含有するエポキシ樹脂から成ることを特徴とする。
また本発明は、前記非金属無機フィラーは球状シリカであることを特徴とする。
本発明によれば、ポリベンズオキサゾールを主成分とする単繊維または繊維束は、プリプレグの厚み方向一方および他方に波形状にうねって配設されている。このうねりが大きければ大きい程、このうねりが「ばね」の効果(ばね効果と称す)を示すため、低熱膨張係数の繊維を用いる効果が低減する。このうねりの程度を示す値は、波形状の周期に対して、一周期分に相当する単繊維長さが1倍より大きく1.20倍以下であることが望ましい。この数値が「1」の場合は、うねりがなく繊維が真直ぐになっていることを示している。
数値が「1」より大きく「1.20」以下では、ばね効果が小さいので、界面での樹脂の剥がれもなく、低熱膨張率化の効果も大きい。この数値範囲は、最適には1.02以上1.10以下が望ましい。その数値範囲では、ばね効果を極力小さくすることが可能となり、界面での樹脂の剥がれを確実に防止することができ、低熱膨張率化の効果を一層大きくすることができる。数値が「1.20」を超えると、ばね効果が大きくなり、どのような低熱膨張の繊維を用いても、基板全体として半導体素子と略同一の低熱膨張率を得ることが難しくなる。
また本発明によれば、繊維束の横断面形状を横長の扁平状にすることで、二方向に交差する単繊維の接触部分を大きくすることができる。これによって、交差付近部での繊維の変形を極力防止し得る。換言すれば、前記交差付近部でのばね効果を緩和することが可能となる。
逆に、繊維束の横断面形状が横長の扁平状でない場合には、前記交差付近部での単繊維の接触部分が小さく、該交差付近部で繊維の変形が観察される。このため、この部分でばね効果が観察され、どのような低熱膨張の繊維を用いても、基板全体として半導体素子と略同一の低熱膨張率を得ることが難しくなる。
た、一方向の繊維束は、他方向の繊維束と近接する一群の単繊維の本数が、その他の単繊維の本数と略同数または同数以上であることで、二方向に交差する単繊維の接触部分を大きくすることができる。これによって、交差付近部での繊維の変形を極力防止し得る。したがって、温度変化が生じた場合でも、基板と半導体素子との接続部に熱膨張差に起因するひずみが発生せず、接続の信頼性が保たれる。
た、ヤング率が10GPa以上の単繊維または繊維束と、その長手方向の線膨張係数が−10ppm/℃以上0ppm/℃以下のものを適用することによって、基板全体の熱膨張率を半導体素子と同等のレベルまで低くすることができる。
また本発明によれば、前記配線基板用織布に、未硬化もしくは不完全硬化の樹脂組成物を含浸させ乾燥などを行なった後、配線基板の前駆体であるプリプレグを形成することができる。
また本発明によれば、非金属無機フィラーを20wt%以上80wt%以下含有するエポキシ樹脂から成る樹脂材料によって、配線基板を実現することができる。
また本発明によれば、球状シリカによって、非金属無機フィラーを実現し得る。
以下、図面を参照しながら本発明を実施するための形態を説明する。図1は、本発明の第1の実施形態に係る配線基板の要部の断面図である。図2は、一方向の繊維束と他方向の繊維束との関係を拡大して示す断面図(図1の拡大断面図)である。第1の実施形態に係る配線基板(第1配線基板と称す)は、たとえば各種AV機器や家電機器,通信機器,コンピュータ装置およびその周辺機器などの電子機器に使用される。ただしこれらの機器、装置に必ずしも限定されるものではない。以下の説明は、配線基板の前駆体である配線基板用織布およびプリプレグの製造方法の説明をも含む。第1配線基板1は、基板に配線導体2,3を備える配線基板であり、主に、配線基板用織布4と、該配線基板用織布4を被覆する樹脂部5とを有する。
先ず配線基板用織布4について説明する。配線基板用織布4は、樹脂製の単繊維4aまたは複数の単繊維4aから成る繊維束を、二方向に配列して相互に編み込んで成る。前記二方向のうちの一方向は、第1配線基板1の厚み方向に垂直な一方向を意味する。二方向のうちの他方向は、前記一方向および前記厚み方向に垂直な方向を意味する。ここで二方向のうち、一方向をx方向、他方向をy方向と定義し、前記厚み方向をz方向と定義する。
配線基板用織布4において、単繊維4aは、z方向一方および他方に波形状にうねって配設されるうえ、この配線基板用織布4を編み込むピッチに対応した波形状を成している。これとともに単繊維4aは、前記波形状の周期Lに対して、一周期分に相当する単繊維長さSが1倍より大きく1.20倍以下に規定されている。
つまり、うねりが大きければ大きい程、このうねりが「ばね」の効果(ばね効果と称す)を示すため、低熱膨張係数の繊維を用いる効果が低減する。このうねりの程度を示す値は、波形状の周期Lに対して、一周期分に相当する単繊維長さSが1倍より大きく1.20倍以下であることが望ましい。この数値が「1」の場合は、うねりがなく繊維が真直ぐになっていることを示している。
数値が「1」より大きく「1.20」以下では、ばね効果が小さいので、界面での樹脂の剥がれもなく、低熱膨張率化の効果も大きい。この数値範囲は、最適には1.02以上1.10以下が望ましい。その数値範囲では、ばね効果を極力小さくすることが可能となり、界面での樹脂の剥がれを確実に防止することができ、低熱膨張率化の効果を一層大きくすることができる。
換言すれば、繊維束をその長手方向に垂直な仮想平面で切断して見た横断面形状が、横長の扁平状(図2参照)となるように、繊維束が形成されている。このように繊維束の横断面形状を横長の扁平状にすることで、二方向に交差する単繊維4aの接触部分を大きくすることができる。これによって、交差付近部での繊維の変形を極力防止し得る。換言すれば、前記交差付近部でのばね効果を緩和することが可能となる。逆に、繊維束の横断面形状が横長の扁平状でない場合には、前記交差付近部での単繊維4aの接触部分が小さく、該交差付近部で繊維の変形が観察される。ここで図3は、従来の配線基板10の要部の断面図である。図4は、従来の配線基板10において、一方向の繊維束11と他方向の繊維束12との関係を拡大して示す断面図である。このため、この部分でばね効果が観察され、どのような低熱膨張の繊維を用いても、基板全体として半導体素子と略同一の低熱膨張率を得ることが難しくなる。
さらに換言すれば、xy方向に交差する繊維束のうちの一方向の繊維束は、他方向の繊維束と近接する一群の単繊維4aの本数αが、その他の単繊維4aの本数βと略同数または同数以上に規定されている。二方向に交差する単繊維4aの接触部分を大きくすることができる。これによって、交差付近部での繊維の変形を極力防止し得る。したがって、温度変化が生じた場合でも、基板と半導体素子との接続部に熱膨張差に起因するひずみが発生せず、接続の信頼性が保たれる。
逆に、前記一群の単繊維の本数が、その他の単繊維の本数よりも少ない場合には、二方向に交差する単繊維の接触部分が小さく、該交差付近部で繊維の変形が観察される。このため、この部分でばね効果が観察され、どのような低熱膨張の繊維を用いても、基板全体として半導体素子と略同一の低熱膨張率を得ることが難しくなる。第1配線基板1において、ヤング率が10GPa以上の単繊維4aが適用される。しかも単繊維4aの長手方向の線膨張係数(常温以上200℃以下)は、−10ppm/℃以上0ppm/℃以下のものが適用される。
単繊維4aまたは複数の単繊維4aから成る繊維束はポリベンズオキサゾールを主成分とする。
次に樹脂部5について説明する。
前記配線基板用織布4を被覆する樹脂部5は、シリコンチップの線膨張係数3ppm/℃よりも線膨張係数の大きい樹脂材料から成る。この樹脂材料は、ヤング率が0.05GPa以上のものが適用されるうえ、線膨張係数(常温以上200℃以下)が10ppm/℃以上60ppm/℃以下のものが適用される。また前記樹脂材料は、非金属無機フィラー(たとえば球状シリカ)を20wt%以上80wt%以下含有するエポキシ樹脂から成る。このような樹脂材料から成る樹脂部5によって第1配線基板1を形成することができる。
表1は、「1」から「17」まで番号が付された配線基板の個別のデータ(ヤング率等)を表す図表である。表1におけるSガラス、Tガラス、Eガラスとは、SiO2を50重量%以上70重量%以下、残部がAl23、不純物としてMgO、CaO、B23、Na2O、K2O、ZrO2を少量含有するガラスと同義である。
Figure 0004885591
表2は、「1」から「17」まで番号が付された配線基板のテスト結果を表す図表である。
Figure 0004885591
以上説明した第1配線基板1によれば、単繊維が配線基板用織布を編み込むピッチに対応した波形状を成しているとともに、この波形状の周期に対して、一周期分に相当する単繊維長さが1倍より大きく1.20倍以下とすることで、ばね効果を小さくすることができ、界面での樹脂の剥がれもなく、低熱膨張率化の効果も大きくすることができる。したがって、高密度な配線を有するとともに、接続信頼性および積層信頼性に優れた配線基板の前駆体である配線基板用織布を得ることができる。
また表1の「1」から「17」まで番号が付された配線基板に示すように、ポリベンズオキサゾールを主成分とする単繊維または繊維束によって、配線基板用織布を実現することができる。ヤング率が10GPa以上の単繊維4aで、かつその長手方向の線膨張係数(常温以上200℃以下)が−10ppm/℃以上0ppm/℃以下のものを適用することで、基板全体の熱膨張率を半導体素子と同等のレベルまで低くすることができる。
第1配線基板1は、単繊維4aのヤング率が10GPa以上であることが重要である。第1配線基板1に不可避的に含まれる銅配線部分の熱膨張率が16ppm/℃であるため、銅配線を含んで全体を低熱膨張率にするためには、繊維のヤング率が200GPa以上である方が好ましい。繊維のヤング率は高ければ高いほど良いが、ヤング率が高い繊維は絶縁樹脂との接着力が低下する傾向があることから、200〜270GPa程度の繊維が望ましい。
また樹脂のヤング率が0.05GPa未満であれば、繊維を保持する力が弱くなり、繊維が様々な方向に動くため、基板の変形が大きくなる問題がある。樹脂のヤング率が高く、かつ樹脂の熱膨張率が高い場合は、低熱膨張率の繊維による基板全体の低熱膨張化の効果が少なくなる問題がある。樹脂のヤング率が高く、かつ樹脂の熱膨張率が10ppm/℃以下の場合は、シミュレーション上、基板全体の熱膨張率を低くすることができるが、このような特性を有する樹脂材料は現在市販されていない。
単繊維および樹脂材料のヤング率は、次のような方法で計測可能である。
樹脂の場合、配線基板を作製するときと同条件で硬化して作成したフィルムを矩形状の試験片に切り出し、この試験片を引張り試験機で測定して得られた単位断面積あたりの引張り応力を樹脂の伸び量で割ることにより計測できる。また、単繊維の場合、繊維の束を引張り試験機により測定して得られた単位断面積あたりの引張り応力を繊維の伸び量で割ることで計測できる。
また、配線基板となった状態から計測することもできる。樹脂の場合、樹脂を薄片状に切り出し、四角柱や三角錐などの圧子を薄片表面に押し込み、その時の圧子にかかる荷重と圧子の下の射影面積から求める。また、単繊維の場合、樹脂を除去して繊維束を取り出し、この繊維束を引っ張り試験機により測定して得られた単位断面積あたりの引っ張り応力を繊維の伸び量で割ることで計測できる。あるいは、上記のように薄片状に切り出した樹脂から予め樹脂のヤング率を測定しておき、樹脂と繊維との複合体の状態でヤング率を測定し、この複合体のヤング率と樹脂のみのヤング率とから、シミュレーションにより単繊維のヤング率を計測することもできる。
前記単繊維4aの軸方向の線膨張係数は低ければ低いほど良い。前記線膨張係数は0ppm/℃以下であれば好適に用いられる。0ppm/℃を超えると基板全体を低熱膨張率にする効果がなくなる。樹脂材料の線膨張係数は低ければ低いほど良いが、10ppm/℃以下の線膨張係数を有するものは市販されていないため試験ができていない。樹脂材料の線膨張係数は10ppm/℃以上50ppm/℃以下のものが好適に用いられる。50ppm/℃を超えると、第1配線基板全体の熱膨張率をシリコンと同等にすることができなくなるためである。
単繊維の長手方向の線膨張係数は、次のような方法で計測可能であり、樹脂材料の線膨張係数は、次のような方法で計測可能である。
樹脂の場合、例えば2×3×15mmの試験片を切り出し、この試験片に寸法測定用のプローブを接触させつつ温度を上げ、温度変化による寸法変化を測定することにより計測できる。また、単繊維の場合、繊維束を寸法測定用のプローブに取り付け、繊維束を引張る方向に荷重を加えながら温度を上げ、温度変化による寸法変化を測定することにより計測できる。
また、配線基板となった状態から計測することもできる。樹脂の場合、樹脂を適当な大きさの薄片状に切り出し、この薄片を試験片として寸法測定用のプローブに取り付け、試験片を引張る方向に荷重を加えながら温度を上げ、温度変化による寸法変化を測定することにより計測できる。また、単繊維の場合、樹脂を除去して繊維束を取り出し、繊維束を寸法測定用のプローブに取り付け、繊維束を引張る方向に荷重を加えながら温度を上げ、温度変化による寸法変化を測定することにより計測できる。あるいは、上記のように薄片状に切り出した樹脂から予め樹脂の熱膨張係数を測定しておき、樹脂と繊維との複合体の状態で熱膨張係数を測定し、この複合体の熱膨張係数と樹脂のみの熱膨張係数とから、シミュレーションにより単繊維の熱膨張係数を計測することもできる。
次に、配線基板の製造方法について説明する。表1,2も参照しつつ説明する。
樹脂繊維3種とガラス繊維3種から成り、糸の太さや織りのピッチを各種変更した織布を用意した。また、全芳香族ポリアミドとポリベンズオキサゾール繊維については、繊維を一方向に揃えて並べたシートも用意した。
樹脂材料として絶縁樹脂を準備した。該樹脂はエポキシ系樹脂、シアネート系樹脂、ビスマレイミドトリアジン系樹脂の3種を使用した。これらの樹脂と硬化剤とをメチルエチルケトンなどの溶剤に溶解し固形物が残らないよう良く混合した。次に所定の樹脂について、あらかじめシランカップリング処理を行った球状シリカ粉末を混合した。シランカップリング処理を行った球状シリカは、予め樹脂を溶解した溶剤と同じ種類の溶剤を加えて混合することで、粒子の凝集をほぐした。ついで、樹脂とシリカ粉末を溶剤に溶かした状態で混合し、さらにナイロン製フィルターでろ過して、未溶解の樹脂やシリカの粗大な凝集粒子を除去した。次に、混合物を混合しながら乾燥し、所定の濃度と粘度を有するワニスを作製した。
次に、作製したワニスを上記の織布および繊維を一方向に並べたシートに含浸させた。含浸後、余分のワニスをスクイズロールで取り除き、繊維に対する樹脂の付着量を調整した。このシートを乾燥機で乾燥させ、プリプレグとした。該プリプレグを所定枚数かさね、表裏に厚さ8μmの銅箔を重ねて、真空プレス装置で200℃60分3.5MPaの圧力で加熱プレスを行い、両面に銅箔のついた基板を作製した。
孔加工およびコア基板回路について説明する。
前記基板作製後、この基板の両面をクリーニングして、表面に付着した樹脂などの異物を取り除いた後、レーザー装置で貫通孔を加工した。加工後の孔は再度クリーニングし、無電解めっきと電解めっきを行ってスルーホールを完成した。さらに、感光性レジストを塗布して、所望の回路の露光現像を行い、エッチングを行って銅の回路を形成し、最後にレジストを剥離して、片面に1層ずつ回路を有するコア基板とした。
ビルドアップ加工について説明する。
さらに、前記コア基板の表裏に1層あるいは2層の回路をビルドアップ法で形成した基板も作製した。ビルドアップは、セミアディティブ法を用いて行った。すなわち、前記コア基板にエポキシ系絶縁材料を塗布し、レーザー加工によりビアの孔を形成し、前面に無電解めっきを行った後、表面に感光性レジストを塗布し、回路の露光と現像を行った後、無電解めっき層に通電して、電気めっきによって回路を形成し、その後、レジストを剥離して、無電解銅めっきの層をエッチングで除去することにより、回路を形成した。これにより、片面当たり回路が2層形成された基板を作製した。さらに、この工程をもう一度繰り返すことにより、片面当たり回路が3層形成された基板を作製した。
ビルドアップ加工した場合の基板厚さは、たとえば400μm以上500μm以下であり、銅配線の厚さは、たとえば10μm以上12μm以下である。銅の線膨張係数はたとえば16ppm/℃のものが適用され、絶縁樹脂の厚さは銅配線の上からたとえば20μmであり、絶縁樹脂の熱膨張係数はたとえば20ppm/℃のものが適用される。
基板の評価方法について説明する。
作製した基板から、基本的特性として熱膨張率を測定した。また、気泡など内部欠陥の有無を確認するため、はんだフロートのテストを行った。はんだフロートは加熱したはんだ浴に試料を浮かせる試験で、内部に気泡などの欠陥が残っている場合、その欠陥を起点に層の剥離や膨れが発生するため、欠陥の判別が可能である。また、シリコンチップをフリップチップ実装して、実装後のチップの破壊の有無を調べた。
熱膨張率について説明する。
作製したコア基板について、銅箔のない基板と回路形成後の基板から熱膨張率測定用の試料を切り出し、熱膨張率を測定した。また、ビルドアップ加工を行い回路の層数が片面当たり2層、3層になっている基板からも同様に試料を切り出して熱膨張率を測定した。
はんだフロートについて説明する。
作製した試料を280℃に加熱したはんだ浴に浮かせ、試料の膨れの有無を観察した。膨れや層の剥離による変色が認められた試料は不良と判定した。
チップ実装について説明する。
試作した基板にバンプを形成し、誘電率の低い材料(Low k材料と称す)、具体的にはたとえばダイヤモンドライクカーボン(略称DLC)などを用いて作製されたシリコンチップをフリップチップ実装した。このLow k材料は強度が低いため、実装後シリコンチップと基板との熱膨張率の不整合によりLow k材料部分が破壊する傾向がある。そのため、実装後のシリコンチップ表面を超音波顕微鏡と微小部X線顕微鏡で調査し、クラックが発生しているものを不良と判定した。
非金属無機フィラーは、球状シリカに必ずしも限定されるものではない。たとえば非球状のシリカであっても本実施形態と略同様の効果を奏する。その他、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を付加した形態で実施することも可能である。
本発明の第1の実施形態に係る配線基板の要部の断面図である。 一方向の繊維束と他方向の繊維束との関係を拡大して示す断面図(図1の拡大断面図)である。 従来の配線基板10の要部の断面図である。 従来の配線基板10において、一方向の繊維束と他方向の繊維束との関係を拡大して示す断面図である。
符号の説明
1 第1配線基板
2,3 配線導体
4 配線基板用織布
4a 単繊維
5 樹脂部

Claims (5)

  1. ポリベンズオキサゾールを主成分とする単繊維または複数のポリベンズオキサゾールを主成分とする単繊維から成る繊維束を、少なくとも二方向に配列して相互に編み込んで成る配線基板用織布であって、前記単繊維または繊維束は、前記配線基板用織布を編み込むピッチに対応した波形状を成しているとともに、この波形状の周期に対して、一周期分に相当する単繊維長さが1倍より大きく1.20倍以下であり、
    前記単繊維または繊維束のヤング率は10GPa以上で、かつその長手方向の線膨張係数(常温以上200℃以下)は−10ppm/℃以上0ppm/℃以下であり、
    前記二方向に交差する繊維束のうちの一方向の繊維束は、他方向の繊維束と近接する一群の単繊維の本数が、その他の単繊維の本数と略同数または同数以上であることを特徴とする配線基板用織布。
  2. 前記繊維束は、その長手方向に垂直な仮想平面で切断して見た横断面形状が横長の扁平状であることを特徴とする請求項1に配線基板用織布。
  3. 請求項1または2に記載の配線基板用織布に、未硬化もしくは不完全硬化の樹脂組成物を含浸させて成るプリプレグ。
  4. 前記樹脂組成物は、非金属無機フィラーを20wt%以上80wt%以下含有するエポキシ樹脂から成ることを特徴とする請求項に記載のプリプレグ。
  5. 前記非金属無機フィラーは球状シリカであることを特徴とする請求項に記載のプリプレグ。
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