JP4884710B2 - 炭素材/導電性高分子複合材料及びこの製造方法 - Google Patents
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Description
(実施例1)
<炭素材/導電性高分子複合材料の製造>
容量が300mLのフラスコ内に、一次粒子の平均粒径が15nmである炭素材粉末5gを仕込み、これに水200g及びアニオン界面活性剤(ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム)0.01gを添加して、撹拌によって分散させた。この分散溶液に更にピロール1.68g(0.025mol)を仕込み30分攪拌した後、水100gに溶解させた過硫酸アンモニウム5.71g(0.025mol)を1時間かけて滴下しながら、20〜30℃にて重合反応を行わせた。
<電極の作製>
上記の方法で得られた炭素材/導電性高分子複合材料A(0.1g)をめのう製乳鉢ですりつぶし、これを5mlのメタノールに分散させた。そして、直径3mmのグラッシーカーボン製電極[ビー・エー・エス(株)製]に固形分で0.2mg(分散液10μl)の炭素材/導電性高分子複合材料Aをコートし、パーフルオロスルホン酸(Nafion117)膜にて固定して電極を作製した。
<電池セルの作製>
また、上記の方法で得られた炭素材/導電性高分子複合材料A;0.45gとテトラフルオロエチレン粉末[フルオンPTFEモールディングパウダーG192、旭硝子(株)製];0.05gとを、めのう製乳鉢にて粉砕、混練した後に粉末化した。この粉末(30mg)に対して油圧式錠剤成型機[理研精機(株)製]を用いて6MPaの圧力をかけ、直径1cm、厚さ0.6mmのディスク状の電極を作製した。
○:Xが0.45以上
△:Xが0.40以上0.45未満
×:Xが0.40未満
ここで、Xの値が0.5以下の範囲においては、放電時の電圧降下が時間(電荷量)に対して直線状に変化し、Xの値が0.5より小さくなるに従って、電圧が高い領域での電圧降下速度が、電圧が低い領域での電圧降下速度に比べて高くなり、取り出せるエネルギーがその分低下していくことになる。
(実施例2)
実施例1で使用したピロールを3.35g(0.05mol)、過硫酸アンモニウムを11.41g(0.05mol)とし、これ以外は実施例1と同じ条件で炭素材/導電性高分子複合材料B:8.33gを作製した。また、炭素材/導電性高分子複合材料Bを用いて、実施例1と同様に電極及び電池セルを作製した。
(実施例3)
実施例1で使用したピロールを6.70g(0.1mol)、過硫酸アンモニウムを22.82g(0.1mol)とし、これ以外は実施例1と同じ条件で炭素材/導電性高分子複合材料C:11.80gを作製した。また、炭素材/導電性高分子複合材料Cを用いて、実施例1と同様に電極及び電池セルを作製した。
(実施例4)
実施例1で使用した一次粒子の平均粒径が15nmである炭素材粉末の代わりに、一次粒子の平均粒径が30nmである炭素材粉末を使用し、これ以外は実施例1と同じ条件で炭素材/導電性高分子複合材料D:6.34gを作製した。また、炭素材/導電性高分子複合材料Dを用いて、実施例1と同様に電極及び電池セルを作製した。
(実施例5)
実施例1で使用した一次粒子の平均粒径が15nmである炭素材粉末の代わりに、一次粒子の平均粒径が75nmである炭素材粉末を使用し、これ以外は実施例1と同じ条件で炭素材/導電性高分子複合材料E:6.3gを作製した。また、炭素材/導電性高分子複合材料Eを用いて、実施例1と同様に電極及び電池セルを作製した。
(実施例6)
実施例1で使用した一次粒子の平均粒径が15nmである炭素材粉末の代わりに、一次粒子の平均粒径が91nmである炭素材粉末を使用し、これ以外は実施例1と同じ条件で炭素材/導電性高分子複合材料F:6.2gを作製した。また、炭素材/導電性高分子複合材料Fを用いて、実施例1と同様に電極及び電池セルを作製した。
(実施例7)
実施例1で使用した一次粒子の平均粒径が15nmである炭素材粉末の代わりに、一次粒子の平均粒径が120nmである炭素材粉末を使用し、これ以外は実施例1と同じ条件で炭素材/導電性高分子複合材料G:6.3gを作製した。また、炭素材/導電性高分子複合材料Gを用いて、実施例1と同様に電極及び電池セルを作製した。
(実施例8)
実施例1で使用した一次粒子の平均粒径が15nmである炭素材粉末の代わりに、一次粒子の平均粒径が850nmである炭素材粉末を使用し、これ以外は実施例1と同じ条件で炭素材/導電性高分子複合材料H:6.3gを作製した。また、炭素材/導電性高分子複合材料Hを用いて、実施例1と同様に電極及び電池セルを作製した。
(実施例9)
実施例1で使用したピロールの代わりに、アニリン1.68g(0.018mol)と35%塩酸水溶液1.88g(0.018mol)からなるアニリン塩酸塩水溶液を用い、過硫酸アンモニウムを4.11g(0.018mol)とした。これ以外は実施例1と同じ条件で炭素材/導電性高分子複合材料I:6.29gを作製した。また、炭素材/導電性高分子複合材料Iを用いて、実施例1と同様に電極及び電池セルを作製した。
(実施例10)
実施例1で使用したピロールの代わりに、1.42g(0.01mol)のエチレンジオキシチオフェンを用いるとともに、過硫酸アンモニウムを2.28g(0.01mol)とし、これに塩化鉄III:0.16g(0.001mol)を混合した。これ以外は実施例1と同じ条件で炭素材/導電性高分子複合材料J:5.87gを作製した。また、炭素材/導電性高分子複合材料Jを用いて、実施例1と同様に電極及び電池セルを作製した。
(比較例1)
実施例1で使用した一次粒子の平均粒径が15nmである炭素材粉末の代わりに、一次粒子の平均粒径が1500nmである炭素材粉末を使用した。これ以外は実施例1と同じ条件で比較用の炭素材/導電性高分子複合材料K:6.28gを作製した。また、炭素材/導電性高分子複合材料Kを用いて実施例1と同様に比較用電極及び比較用電池セルを作製した。
(比較例2)
実施例1で使用した炭素材粉末とアニオン性界面活性剤を使用せずに、導電性高分子だけを用いた。これ以外は実施例1と同じ条件で比較用の導電性高分子材料L:1.32gを作製した。また、導電性高分子材料Lを用いて実施例1と同様に電極及び電池セルを作製した。
(比較例3)
実施例1の電極及び電池セルの作製で使用した炭素材/導電性高分子複合材料Aの代わりに、一次粒子の平均粒径が15nmである炭素材粉末を使用した。すなわち、炭素材粉末の表面に導電性高分子膜を形成しなかった。これ以外は実施例1と同じ条件で比較用電極及び比較用電池セルを作製した。
(比較例4)
実施例1の電極及び電池セルの作成で使用した炭素材/導電性高分子複合材料Aの代わりに、一次粒子の平均粒径が30nmである炭素材粉末を使用した。すなわち、炭素材粉末の表面に導電性高分子膜を形成しなかった。これ以外は実施例1と同じ条件で比較用電極及び比較用電池セルを作製した。
(比較例5)
実施例1の電極及び電池セルの作製で使用した炭素材/導電性高分子複合材料Aの代わりに、一次粒子の平均粒径が1500nmである炭素材粉末を使用した。すなわち、炭素材粉末の表面に導電性高分子膜を形成しなかった。これ以外は実施例1と同じ条件で比較用電極及び比較用電池セルを作製した。
Claims (8)
- 一次粒子の平均粒径が1000nm以下の炭素材を、界面活性剤により水中に分散させる工程と、
分散した前記炭素材に対して、アニオンのドープ及び脱ドープにより酸化還元反応を起こすことができる導電性高分子膜を、酸化剤を用いた重合反応によって形成する工程とを含み、
前記界面活性剤の添加量が、100質量部の炭素材に対して0.05質量部以上で、かつ10質量部以下であり、
前記界面活性剤がドデジルベンゼンスルホン酸塩であることを特徴とする炭素材/導電性高分子複合材料の製造方法。 - 前記一次粒子の平均粒径が100nm以下の炭素材を水中に分散させることを特徴とする請求項1に記載の炭素材/導電性高分子複合材料の製造方法。
- 前記導電性高分子を形成するモノマーの使用量は、100質量部の炭素材に対して、5質量部以上で、且つ200質量部以下であることを特徴とする請求項1又は2に記載の炭素材/導電性高分子複合材料の製造方法。
- 前記導電性高分子膜を形成するモノマーが、ピロール、アニリン、エチレンジオキシチオフェン及び、これらの誘導体のうち少なくとも1つを含むことを特徴とする請求項1から3のいずれか1つに記載の炭素材/導電性高分子複合材料の製造方法。
- 前記導電性高分子膜を形成するモノマーが、ピロールであることを特徴とする請求項2に記載の炭素材/導電性高分子複合材料の製造方法。
- 請求項1から5のいずれか1つに記載の炭素材/導電性高分子複合材料の製造方法を用いたことを特徴とする分極性電極の製造方法。
- フッ素系樹脂を含む結着剤を、前記炭素材/導電性高分子複合材料と混合することを特徴とする請求項6に記載の分極性電極の製造方法。
- 前記フッ素系樹脂が、ポリテトラフルオロエチレンおよびポリフッ化ビニリデンのうち少なくとも一方であることを特徴とする請求項7に記載の分極性電極の製造方法。
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