JP4884084B2 - 摩擦攪拌接合用の接合工具 - Google Patents

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Description

本発明は、軸心まわりに回転駆動されつつ被接合部材に押圧されることにより摩擦熱で被接合部材を軟化させるとともに、その被接合部材に没入させられた小径突部により攪拌して接合する摩擦攪拌接合用の接合工具の改良に関するものである。
円柱形状の軸部の先端中央部にその軸部と同心に小径突部が突設されているとともに、その小径突部の外周面におねじが設けられた接合工具を、軸心まわりに回転駆動しながら小径突部を被接合部材に押圧することにより、摩擦熱でその被接合部材を軟化させるとともに小径突部がその被接合部材内に没入させられ、その被接合部材の接合部分を前記おねじにより攪拌して混ぜ合わせて接合する摩擦攪拌接合方法(FSW:Friction Stir Welding )が、アルミニウム合金やマグネシウム合金などの板材の接合方法として提案されている(特許文献1参照)。具体的には、鉄道車両や自動車などの車体を構成している金属板の接合などに利用されており、金属を融点温度以下で軟化させて混ぜ合わせることにより接合するため、レーザー溶接やスポット溶接のように金属を溶かして接合する場合に比較して加工温度が低く、変形や歪が小さい等の利点がある。特許文献1では、上記軸部の先端面であって小径突部よりも外周側の円環状部分が、外周縁から小径突部に向かうに従って徐々に深くなるテーパ形状の凹所とされているとともに、その凹所の表面にうず巻き状の溝が設けられ、被接合部材の攪拌流動部を凹所内に保持するようになっている。
特開2002−96183号公報
しかしながら、このような従来の摩擦攪拌接合用の接合工具は、軸部の先端に設けられた凹所が単純なテーパ形状であるため、攪拌流動部をその凹所より内側部分に良好に保持できるものの、摩擦による発熱作用が小さくて温度低下により硬化し易く、攪拌が不十分で組織が不均質な状態で硬化して所定の接合強度が得られない場合があるとともに、接合工具を軸心と直角方向へ移動させる際の負荷が大きくて工具寿命が低下したり移動速度が制約されたりする問題があった。
本発明は以上の事情を背景として為されたもので、その目的とするところは、攪拌流動部の温度低下による硬化を抑制するとともに、組織を均質化することにある。
かかる目的を達成するために、第1発明は、円柱形状の軸部の先端中央部にその軸部と同心に小径突部が突設されているとともに、その小径突部の外周面におねじが設けられ、軸心まわりに回転駆動されつつその小径突部が被接合部材に押圧されることにより、摩擦熱でその被接合部材を軟化させるとともに小径突部がその被接合部材内に没入させられ、その被接合部材の接合部分を前記おねじにより攪拌して混ぜ合わせて接合する摩擦攪拌接合用の接合工具において、(a) 前記軸部の先端面であって前記小径突部よりも外周側の円環状部分は、その軸部の外周縁からその小径突部に向かうに従って所定の傾斜角度θで徐々に深くなる凹所とされているとともに、(b) その傾斜角度θが周方向において滑らかに連続的に増減させられることにより、前記凹所の表面に周方向において波形状に滑らかに変化する凹凸が設けられており、且つ、(c) 前記凹凸の変位量は前記小径突部との接続部分で最も大きく、0.2mm〜0.5mmの範囲内であり、前記凹所の外周側へ向かうに従って小さくなってなだらかになり、その凹所の外周縁ではその凹凸が完全に無くなって、全周に亘って軸心に対して直角な一平面内に位置させられていることを特徴とする。
発明は、第1発明の摩擦攪拌接合用の接合工具において、前記おねじは、前記小径突部の先端側へ向かうに従って小径となり、且つ、前記軸部側から見た軸心まわりの回転駆動方向と逆向きにねじれたテーパおねじで、軸心まわりに回転駆動されることにより、軟化した被接合部材を先端側へ流動させて攪拌することを特徴とする。
このような摩擦攪拌接合用の接合工具によれば、軸部先端の円環状部分が外周縁から小径突部に向かうに従って徐々に深くなる凹所とされているため、被接合部材の攪拌流動部がその凹所より内側部分に良好に保持される一方、その凹所の表面には周方向において波形状に滑らかに変化する凹凸が設けられているため、攪拌流動部との接触面積が大きくなって摩擦熱が増大するとともに、凹凸に伴う攪拌流動部の振動変形による発熱などで温度低下が抑制され、攪拌流動部の軟化状態が良好に維持される。これにより、接合工具を軸心と直角方向へ移動させながら接合処理を行う場合でも、その移動の際に接合工具に掛かる負荷が低減され、工具寿命が向上するとともに移動速度を増大させることができる。また、凹凸に伴う攪拌流動部の振動変形により、軟化状態が良好に維持されることと相まって攪拌が促進されるため、被接合部材の接合部分が十分に攪拌されてその組織が均質化され、接合強度が一層高くなる。
特に、上記凹凸の変位量は、最も大きい小径突部との接続部分で0.2mm〜0.5mmの範囲内であるため、接合工具に掛かる負荷の増大を抑制しつつ摩擦や振動変形による発熱、攪拌の作用が適切に得られる。
また、軸部の外周縁から小径突部に向かうに従って徐々に深くなる凹所の傾斜角度θが、周方向において滑らかに連続的に増減させられることによって凹凸が設けられており、外周縁では凹凸が無く、全周に亘って軸心に対して直角な一平面内に位置させられているため、外周縁に凹凸が存在する場合に比較して、被接合部材の攪拌流動部が凹所より内側部分に良好に保持される。
発明では、小径突部の先端側へ向かうに従って小径となり、且つ、軸部側から見た軸心まわりの回転駆動方向と逆向きにねじれたテーパおねじを備えており、軸心まわりに回転駆動されることにより、軟化した被接合部材を先端側へ流動させて攪拌するようになっているため、前記軸部先端の凹所と相まって攪拌流動部が小径突部の近傍で円を描くように対流させられ、良好に攪拌される。また、小径突部の先端側程小径とされているため、その小径突部を被接合部材に押圧して没入させる際の抵抗が小さくなり、円滑に没入させることができるとともに工具寿命が向上する。
本発明の接合工具は、アルミニウム合金やマグネシウム合金などの板材を摩擦攪拌接合する場合に好適に用いられるが、他の金属を接合することも可能である。また、スポット溶接のように断続的に1点ずつ接合する場合でも、所定の接合線に沿って連続的に接合する場合でも使用できる。接合工具の材質としては、合金工具鋼や高速度工具鋼など種々の工具材料を採用できる。
部の外周縁から小径突部に向かうに従って徐々に深くなる凹所の傾斜角度θが、周方向において滑らかに連続的に増減させられることによって凹凸が設けられており、小径突部の近傍部分で凹凸の変位量が最も大きくなり、外周縁では凹凸が無くなるが、上記傾斜角度θの最大値は、例えば5°〜20°程度の範囲内が適当で、最小値は0°より大きく、5°以上が望ましい。
凹凸の変位量は、0.2〜0.5mmの範囲内が適当である。0.2mmより小さいと、摩擦や振動変形による発熱、攪拌の作用が十分に得られない一方、0.5mmを超えると接合工具に掛かる負荷が大きくなる。
発明では、小径突部の先端側へ向かうに従って小径となり、且つ、軸部側から見た軸心まわりの回転駆動方向と逆向きにねじれたテーパおねじを備えているが、径寸法が一定のおねじを採用することもできるし、軸部側から見た軸心まわりの回転駆動方向と同じ向きにねじれたおねじを設け、軟化した被接合部材を軸部側へ流動させて攪拌するようにすることも可能である。
本発明の接合工具を用いて被接合部材を摩擦攪拌接合する場合、前記小径突部を前記被接合部材に没入させた状態で、軸心まわりに回転駆動しつつ、前記軸部の半径寸法より小さな公転半径で公転させることにより、その軸部よりも広い範囲を摩擦攪拌接合することができる。
上記公転は、一定の公転中心点まわりに回転させるだけで、スポット溶接的に接合処理を行う場合だけでなく、所定の接合線に沿って連続的に接合する場合に、公転中心点をその接合線に沿って連続的、或いは断続的に移動させながら、その公転中心点まわりに公転させて接合処理を連続的に行う場合も含む。上記方法は、あくまでも本発明の接合工具を用いて摩擦攪拌接合を好適に行うことができる接合方法の一例で、本発明の接合工具の使用に際しては、必ずしも上記接合方法に限定されるものではない。例えば、公転させることなく一定位置で軸心まわりに回転駆動(自転)するだけでも良いし、その軸心を所定の接合線に沿って直線移動させて連続的に接合する場合であっても良い。また、軸部の半径寸法より大きな公転半径で公転させることもできるし、接合線に沿ってジグザグ(折れ線状)に移動させながら接合処理を行うこともできる。
以下、本発明の実施例を、図面を参照しつつ詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施例である摩擦攪拌接合用の接合工具10を説明する図で、(a) は軸心Sと直角方向から見た正面図、(b) は軸心Sに沿って切断した先端部分の拡大断面図、(c) は先端側から見た拡大端面図、(d) は軸部12の先端面に設けられた円環形状の凹所20の表面形状を説明する断面図である。接合工具10は、円柱形状の軸部12と、その軸部12の先端中央部に軸部12と同心に突設された小径突部14とを備えており、合金工具鋼〔SKD(HRC64)〕にて一体に構成されている。小径突部14は、先端側程小径となるテーパ形状を成しており、その外周面には工具回転方向と逆ねじれのテーパおねじ16が設けられているとともに、先端面(突部先端面)18は部分球面形状を成している。本実施例の接合工具10は、軸部12側(図1(a) の上方)から見て軸心Sの右まわりに回転駆動されて使用されるもので、テーパおねじ16は、その回転駆動方向と逆向きの左ねじとされている。また、軸部12の直径は10mmで、小径突部14の最大径は4mm、テーパおねじ16はM4×0.5、テーパ角度は1/16、突部先端面18の半径R1は4mmである。
上記軸部12の先端面であって小径突部14よりも外周側に位置する円環状部分は、その外周縁から小径突部14に向かうに従って徐々に深くなる凹所20とされているとともに、その凹所20の表面には、周方向において波形状に滑らかに変化する凹凸が設けられている。この凹凸は、軸部12の外周縁から小径突部14に向かうに従って徐々に深くなる凹所20の傾斜角度θが、周方向において滑らかに連続的に増減させられることによって設けられており、図1の(d) は凹所20が最も深い部分、すなわち小径突部14との接続部分における周方向の断面形状である。本実施例では、傾斜角度θの最大値は約15°で、最小値は約10°であり、軸心Sまわりにおいて等角度間隔(実施例では45°周期)で滑らかに増減させられており、最も深い部分における変位量tは0.5mm以下で例えば0.3mm程度である。図1(b) の右半分は凹凸の凹部(θが最大)における断面で、左半分は凹凸の凸部(θが最小)における断面である。
したがって、上記凹凸は、凹所20の外周側へ向かうに従って変位量tが小さくなってなだらかになり、凹所20の外周縁部では凹凸が完全に無くなって、全周に亘って軸心Sに対して直角な一平面内に位置させられている。また、図1(b) に示すように、凹所20の外周縁部は所定の半径R2の円弧で外周面に滑らかに接続されており、凹所20の内周縁部は所定の半径R3の円弧で小径突部14の外周面に滑らかに接続されている。本実施例では、半径R2は約0.4mmで、半径R3は約0.6mmである。
そして、このような接合工具10は、例えば図2に示すように、軸心Sの右まわりに回転駆動されつつ小径突部14が一対の被接合部材30、32に押圧されることにより、摩擦熱でその被接合部材30、32を軟化させるとともに小径突部14がその被接合部材30、32内に没入させられ、軟化部分をテーパおねじ16により攪拌して混ぜ合わせて接合する。図2は、一対の被接合部材30、32の端縁を突き合わせて接合する場合で、(a) は斜視図、(b) は接合部分の拡大断面図、(c) は接合工具10の移動経路Pを示す図であり、接合工具10は支持台36との間で被接合部材30、32を挟圧して摩擦攪拌接合するようになっている。
図2のの符号34は、軟化させられるとともにその後の冷却で硬化した或いは硬化する接合部分で、(b) から明らかなように、接合部分34のうち小径突部14の近傍に位置する攪拌流動部は、テーパおねじ16の作用で小径突部14の先端側へ流動させられる。小径突部14の先端側へ流動した攪拌流動部は、その後外周側から上昇させられるとともに、凹所20の作用で小径突部14側へ流動させられ、矢印で示すように円を描くように対流させられる。その場合に、凹所20の表面には周方向において波形状に滑らかに変化する凹凸が設けられているため、攪拌流動部との接触面積が大きくなって摩擦熱が増大するとともに、凹凸に伴う攪拌流動部の振動変形による発熱などで温度低下が抑制され、攪拌流動部の軟化状態が良好に維持されるとともに、良好に攪拌される。これにより、一対の被接合部材30、32の接合部分34が良好に攪拌されて両者が混ざり合い、組織が均質になるとともに、冷却して硬化することにより強固に一体的に接合される。この摩擦攪拌接合は、軟化して接合される接合部分34が被接合部材30、32の裏面にまで達しないように行われる。
また、一対の被接合部材30、32の突合せ部を連続的に接合するため、接合工具10は、小径突部14が接合部分34内に没入させられた状態で、その突合せ部によって表される接合線Lに沿って移動させられるが、本実施例では図2(c) の移動経路Pから明らかなように、接合工具10を軸心Sまわりに回転駆動しつつ接合線Lを跨いで旋回させるようにして、接合処理を行うようになっている。すなわち、図2の(b) に示すように、接合工具10を軸心Sまわりに回転駆動しつつ公転中心点Oを中心として公転させるとともに、その公転中心点Oを接合線Lに沿って連続的に例えば一定の速度で直線移動させるのである。これにより、接合工具10の直径寸法より大きな幅寸法で摩擦攪拌接合を行うことができる。公転中心点Oを中心とする接合工具10の公転半径は、公転中心点O付近に接合残しが生じないように、接合工具10の軸部12の半径寸法より小さい寸法とされている。
このように、本実施例の接合工具10によれば、軸部12の先端の円環状部分が外周縁から小径突部14に向かうに従って徐々に深くなる凹所20とされているため、被接合部材30、32の攪拌流動部がその凹所20より内側部分に良好に保持される一方、その凹所20の表面には周方向において波形状に滑らかに変化する凹凸が設けられているため、攪拌流動部との接触面積が大きくなって摩擦熱が増大するとともに、凹凸に伴う攪拌流動部の振動変形による発熱などで温度低下が抑制され、攪拌流動部の軟化状態が良好に維持される。これにより、接合工具10を図2に示すように軸心Sと直角方向へ移動させながら摩擦攪拌接合を行う場合でも、その移動の際に接合工具10に掛かる負荷が低減され、工具寿命が向上するとともに移動速度を増大させることができる。
また、凹所20の凹凸により攪拌流動部が振動変形させられることにより、軟化状態が良好に維持されることと相まって攪拌が促進されるため、被接合部材30、32の接合部分34が十分に攪拌されてその組織が均質化され、接合強度が一層高くなる。
また、凹所20の傾斜角度θが周方向において滑らかに連続的に増減させられることによって凹凸が設けられており、その凹所20の外周縁では凹凸が完全に無くなるため、外周縁まで凹凸が存在する場合に比較して、被接合部材30、32の攪拌流動部が凹所20より内側部分に良好に保持される。
また、小径突部14は先端側へ向かうに従って小径とされ、軸部12側から見た軸心Sまわりの回転駆動方向と逆向きにねじれたテーパおねじ16を備えており、軸心Sまわりに回転駆動されることにより、接合部分34の攪拌流動部を先端側へ流動させて攪拌するようになっているため、前記凹所20と相まって攪拌流動部が小径突部14の近傍で円を描くように対流させられ、良好に攪拌されて優れた接合強度が得られる。
また、小径突部14が先端側程小径とされているため、その小径突部14を被接合部材30、32に押圧して没入させる際の抵抗が小さくなり、円滑に没入させることができるとともに工具寿命が向上する。
また、図2に示す例では、接合工具10の小径突部14が被接合部材30、32内に没入させられた状態で、軸心Sまわりに回転駆動されつつ、軸部12の半径寸法より小さな公転半径で公転させられることにより、その軸部12よりも広い範囲を摩擦攪拌接合するため、接合断面積が大きくなって軸部12の直径より大きな幅寸法の接合部分34が得られ、工具自体の径寸法が小さい場合でも、その接合部分34の組織の均質化と相まって高い接合強度が得られるようになる。同じ接合強度(接合断面積)であれば、小径突部14等の工具径が小さい接合工具10を使用することができるため、接合終了時に小径突部14を接合部分34から引き抜いた部分に生じる工具跡(凹み)が小さくなり、接合品質が向上する。特に、本実施例の接合工具10は、攪拌流動部の軟化状態が良好に維持されることから、移動の際に接合工具10に掛かる負荷が低減され、移動速度を増大させることができるため、接合工具10を速やかに公転させながら摩擦攪拌接合を行うことができる。
なお、上記図2の実施例では一対の被接合部材30、32を突き合わせて接合する場合について説明したが、図3に示すように、一対の被接合部材30、32を重ね合わせて接合することもできる。その場合は、攪拌により両者が混ざり合う接合部分40が下側の被接合部材32の板厚の途中まで達するようにして接合処理を行うことになる。
また、図4は、スポット溶接のように断続的に摩擦攪拌接合を行う場合で、複数の接合部分42が断続的に形成される。各接合部分42における接合工具10の移動経路Pは、(b) に示すように公転中心点Oまわりに1回転させるだけでも良いが、(c) に示すように、公転中心点Oまわりに1回転させた後、更に公転中心点Oまで滑らかに移動させて接合処理を終了するようにしても良い。その場合は、接合工具10の軸部12の半径寸法より大きな公転半径で公転させるようにしても良い。
以上、本発明の実施例を図面に基づいて詳細に説明したが、これ等はあくまでも一実施形態であり、本発明は当業者の知識に基づいて種々の変更,改良を加えた態様で実施することができる。
本発明の一実施例である摩擦攪拌接合用の接合工具を説明する図で、(a) は正面図、(b) は先端部分の拡大断面図、(c) は先端側から見た拡大端面図、(d) は凹所に設けられた凹凸を示す断面図である。 図1の接合工具を用いて一対の被接合部材を摩擦攪拌接合する接合方法の一例を説明する図で、(a) は斜視図、(b) は接合部分の拡大断面図、(c) は接合工具の移動経路Pを示す図である。 図1の接合工具を用いて一対の被接合部材を摩擦攪拌接合する場合の別の例を説明する図で、図2の(a) に対応する斜視図である。 図1の接合工具を用いて一対の被接合部材を摩擦攪拌接合する場合の更に別の例を説明する図で、(a) は斜視図、(b) および(c) は接合工具の移動経路Pの2種類の例を示す図である。
符号の説明
10:接合工具 12:軸部 14:小径突部 16:テーパおねじ(おねじ) 20:凹所 30、32:被接合部材 34、40、42:接合部分 S:軸心 O:公転中心点 L:接合線 P:移動経路 θ:凹所の傾斜角度

Claims (2)

  1. 円柱形状の軸部の先端中央部に該軸部と同心に小径突部が突設されているとともに、該小径突部の外周面におねじが設けられ、軸心まわりに回転駆動されつつ該小径突部が被接合部材に押圧されることにより、摩擦熱で該被接合部材を軟化させるとともに該小径突部が該被接合部材内に没入させられ、該被接合部材の接合部分を前記おねじにより攪拌して混ぜ合わせて接合する摩擦攪拌接合用の接合工具において、
    前記軸部の先端面であって前記小径突部よりも外周側の円環状部分は、該軸部の外周縁から該小径突部に向かうに従って所定の傾斜角度θで徐々に深くなる凹所とされているとともに、
    該傾斜角度θが周方向において滑らかに連続的に増減させられることにより前記凹所の表面に周方向において波形状に滑らかに変化する凹凸が設けられており、
    且つ、前記凹凸の変位量は前記小径突部との接続部分で最も大きく、0.2mm〜0.5mmの範囲内であり、前記凹所の外周側へ向かうに従って小さくなってなだらかになり、該凹所の外周縁では該凹凸が完全に無くなって、全周に亘って軸心に対して直角な一平面内に位置させられている
    ことを特徴とする摩擦攪拌接合用の接合工具。
  2. 前記おねじは、前記小径突部の先端側へ向かうに従って小径となり、且つ、前記軸部側から見た軸心まわりの回転駆動方向と逆向きにねじれたテーパおねじで、軸心まわりに回転駆動されることにより、軟化した被接合部材を先端側へ流動させて攪拌する
    ことを特徴とする請求項1に記載の摩擦攪拌接合用の接合工具。
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