JP7317362B2 - 摩擦攪拌接合ツール及び摩擦攪拌接合方法 - Google Patents
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Description
そこで、本発明者らは、以下の新しいツール形状を開発した。
少なくとも一対の異種金属部材の突合せ部に回転させながら接触させて摩擦攪拌接合する摩擦攪拌接合ツールであって、
ツール先端部の中央に突設され、前記金属部材内に挿入させるプローブと、
前記プローブと前記ツール先端部の外周縁との間に形成され、前記金属部材表面を押さえ付けるためのショルダ部とを有し、
前記ショルダ部は、前記金属部材表面に接触させる接触面を摩擦攪拌接合時の前進角に相当する角度で半径方向外周側がツール基端部側に向かって傾斜する傾斜部により構成するものである。
これにより、進行方向に対してショルダ部の後側による金属部材への押し込みが抑制されるため、突合せ部周辺での摩擦熱や接合界面での塑性変形に起因する過度の発熱を抑制することができる。従って、接合中には突合せ部に対して適度な入熱状態を容易に維持することができ、接合界面の金属間化合物の生成を抑制することができる。また、プローブによる突合せ部での材料の攪拌状態も良好に維持することができるから、攪拌不足による接合欠陥の発生を防ぐことができる。
前記摩擦攪拌接合ツールを用いて、硬質の金属部材と軟質の金属部材との一対の異種金属部材の突合せ部に回転させながら接触させて摩擦攪拌接合する摩擦攪拌接合方法であって、
前記摩擦攪拌接合ツールを相対的な進行方向に対して先端側を前方へ傾ける前進角を有して相対移動させるにあたり、進行方向に対して後側に位置する前記ショルダ部の傾斜部を前記異種金属部材表面に略平行状態で当接させるようにして摩擦攪拌接合を行う。
図1および図2に示すように、本実施形態の摩擦攪拌接合ツール(以下、適宜「ツール」という)1は、硬質の金属部材3Aと軟質の金属部材3Bとの端面30相互を突き合せた突合せ部31を摩擦攪拌接合させる略円柱状の回転工具であり、摩擦攪拌接合装置の駆動部5に対して、回転軸線CLを中心として周方向に回転可能に装着される。なお、硬質金属部材3Aとして、例えば、鉄、銅、チタン等の金属又は合金等の板材が例示される。また、軟質金属部材3Bとして、例えば、アルミニウム、マグネシウム等の金属又は合金等の板材が例示される。
摩擦攪拌接合装置は、駆動部5をX軸方向やY軸方向、Z軸方向に移動させたり、X軸やY軸、Z軸を中心として所定方向に回動させたりする駆動機構を有しており、駆動部5を前記のように各方向に移動又は回動させることで、ツール1を被接合部材である二つの金属部材3A,3Bの部材表面32に対して前後左右、或いは上下に移動させたり、所定の角度および方向に傾倒させたりすることができる。
図2に示すように、ツール1は、大径の円柱状の取付け部2と、この取付け部2の下端面中央に突設された小径の円柱状のツール本体20とを有する。図2から図5に示すように、ツール本体20におけるツール先端部10の中央には、小径円柱状のプローブ11が突設され、このプローブ11とツール先端部10の外周縁との間には、円形のショルダ部12が形成されている。このツール1は、金属部材3A,3Bの突合せ部31に回転させながら所定の加圧力で押し当てるようにして使用され(図1参照)、これにより、プローブ11が金属部材内部に挿入され、ショルダ部12が金属部材表面32に押圧状態で摺接される。
プローブ11は、外周面22が硬質金属部材3Aの端面30に当接するよう、突合せ部31における境界線PLより軟質金属部材3B側へオフセットした位置に挿入され、そのプローブ11の外周面22によって硬質金属部材3Aの端面30が僅かに削られるようにしている(図5参照)。
ショルダ部12は、プローブ11の付け根21からショルダ部12の外周縁24に至る範囲の部分、具体的には、プローブ11の付け根21のコーナー面(R面)とショルダ部12の外周縁24のコーナー面(R面)とを除いた中間部分が、ツール基端部側に向かって拡径傾斜する略円錐状の傾斜部25を形成している。この傾斜部25の径方向に対する傾斜角θ2は、ツール1の前進角θ1と一致するよう、0度より大きく5度以下の範囲内、好ましくは1度以上3度以下の範囲内に設定され、本実施形態では、3度に設定されている。即ち、ショルダ部12は、前進角θ1に相当する分だけ傾斜する傾斜部25を有している(図3、図4参照)。
ツール1は、部材表面32に垂直な法線に対して回転軸線CLを進行方向と反対側(後方)に傾倒させた姿勢(ツール1の進行方向に対してツール先端部10側を前方へ傾けた姿勢)で、先端部10が部材表面32に押し当てられるよう、所定の前進角θ1が設定される(図4参照)。前進角θ1は、部材表面32におけるバリの形出抑制や部材の攪拌促進、プローブ11の寿命改善などを考慮して、0度より大きく5度以下の範囲内、好ましくは1度以上3度以下の範囲内に設定される。本実施形態では、前進角θ1は、3度に設定される。従って、ツール1のショルダ部12における傾斜部25の傾斜角θ2と同一の角度(ここでは、3度)に設定されるから、ショルダ部12の傾斜部25が部材表面32に対して略平行に当接される。
以上のように、本実施形態のツール1を用いた摩擦攪拌接合方法によれば、接合時、ツール1の前進角θ1とショルダ部12の傾斜部25の傾斜角θ2とが一致しているので、摩擦攪拌接合時に、ショルダ部12と部材表面32とを略平行状態で当接させることができる。これにより、進行方向に対してショルダ部12の後側による金属部材3A,3Bへの押し込みが抑制されるため、突合せ部31周辺での摩擦熱や接合界面33での塑性変形に起因する過度の発熱を抑制することができる。従って、接合中には突合せ部31に対して適度な入熱状態を容易に維持することができ、接合界面33における金属間化合物の生成を抑制することができる。また、プローブ11による突合せ部13での材料の攪拌状態も良好に維持することができるから、攪拌不足による接合欠陥の発生を防ぐことができる。これにより、高い接合強度を有する異種金属接合材が得られる。
本実施形態のツール1を用いた摩擦攪拌接合方法の用途としては、車両のインナーやアウター等に適用できる。また、アルミニウムや銅を用いたヒートシンク、自動車バッテリ電流検出用シャント抵抗器など異種金属材料の適用可能性を秘めた技術等へも応用展開できる。その他、加工機メーカや素材メーカ等、接合業界の活性化にも寄与できる。
本発明者らは、図3、図4に示した前記ツール(以下、適宜「新ツール」という)1と、従来の一般的な摩擦攪拌接合ツール(以下、適宜「比較ツール」という)6とを用いて、一対の異種金属部材3A,3Bの摩擦攪拌接合を行い、接合品質の評価試験を行った。図6に示すように、比較ツール6には、プローブ61の付け根71からショルダ部62の外周部付近に亘る領域がツール基端部側に向かって縮径傾斜するすり鉢状の傾斜部75を形成したものが用いられる。
2 取付け部
3A,3B 金属部材
5 駆動部
6 比較ツール
10 ツールの先端部
11 プローブ
12 ショルダ部
13 ネジ山
20 ツール本体
21 プローブの付け根
22 プローブの外周面
23 プローブの先端面
24 ショルダ部の外周縁
25 傾斜部
30 端面
31 突合せ部
32 金属部材の表面(部材表面)
60 比較ツールの先端部
61 比較ツールのプローブ
62 比較ツールのショルダ部
71 比較ツールのプローブの付け根
74 比較ツールのショルダ部の外周縁
75 比較ツールの傾斜部
CL 回転軸線
PL 境界線
θ1 前進角
θ2 傾斜角
Claims (4)
- 少なくとも一対の異種金属部材の突合せ部に回転させながら接触させて摩擦攪拌接合する摩擦攪拌接合ツールであって、
ツール先端部の中央に突設され、前記金属部材内に挿入させるプローブと、
前記プローブと前記ツール先端部の外周縁との間に形成され、前記金属部材表面を押さえ付けるためのショルダ部とを有し、
前記ショルダ部は、前記金属部材表面に接触させる接触面を摩擦攪拌接合時の前進角に相当する角度で半径方向外周側がツール基端部側に向かって傾斜する傾斜部により構成され、
前記ショルダ部の傾斜部は、前記プローブの付け根から当該ショルダ部の外周縁に至る範囲の部分に形成されている摩擦攪拌接合ツール。 - 請求項1に記載の摩擦攪拌接合ツールにおいて、
前記ショルダ部の傾斜部は、ツール回転軸線に直交する方向に対して0度より大きく5度以下の範囲内に設定されている摩擦攪拌接合ツール。 - 請求項1又は2に記載の摩擦攪拌接合ツールにおいて、
前記一対の異種金属部材は、一方が硬質の金属部材であり、他方が軟質の金属部材である摩擦攪拌接合ツール。 - 請求項1~3のいずれか1項に記載の摩擦攪拌接合ツールを用いて、硬質の金属部材と軟質の金属部材との一対の異種金属部材の突合せ部に回転させながら接触させて摩擦攪拌接合する摩擦攪拌接合方法であって、
前記摩擦攪拌接合ツールを相対的な進行方向に対して先端側を前方へ傾ける前進角を有して相対移動させるにあたり、進行方向に対して後側に位置する前記ショルダ部の傾斜部を前記異種金属部材表面に略平行状態で当接させるようにして摩擦攪拌接合を行う摩擦攪拌接合方法。
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