JP2023006931A - 摩擦攪拌接合工具、および摩擦攪拌接合装置 - Google Patents

摩擦攪拌接合工具、および摩擦攪拌接合装置 Download PDF

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Abstract

【課題】接合の高速化と、接合品質の向上とを図ることができる摩擦攪拌接合工具および摩擦攪拌接合装置を提供することである。【解決手段】実施形態に係る摩擦攪拌接合工具は、円柱状を呈し、一方の端部に中心軸方向に突出する凸部を有する。前記中心軸方向から見た場合に、前記凸部の表面には、前記中心軸の周りを渦巻き状に巻き回され、前記摩擦攪拌接合工具の側面から見た場合に前記凸部の中心から旋回するにつれて前記凸部の先端から離れる帯状の面が設けられている。前記凸部の、前記中心軸を含む断面において、1つの前記帯状の面の外側の縁と、内側の縁と、を結ぶ線分は、前記中心軸に略垂直となっている。【選択図】図1

Description

本発明の実施形態は、摩擦攪拌接合工具、および摩擦攪拌接合装置に関する。
摩擦攪拌接合(FSW;Friction Stir Welding)においては、回転する接合工具の押圧力と回転力によって接合する部材(母材)の材料を塑性流動させる。
摩擦攪拌接合に用いられる工具には、円柱状の基部、基部の一方の端部に設けられたショルダ、及び、ショルダと同心に設けられ、ショルダから突出する攪拌ピンが設けられている。一般的に攪拌ピンの側面にはねじ溝が設けられている。摩擦攪拌接合では、回転させた接合工具をショルダが母材表面に十分に接触するように接合する部材へ挿入し、接合する部材の表面と平行な方向へ移動させる。接合深さは攪拌ピンの部材への挿入深さに依存する。接合工具と母材の間の摩擦により発生した熱で軟化した母材は、撹拌ピン側面のねじ溝の働きによって回転すると共に下方へ流動するため、接合深さは挿入深さより深くなる。例えば、板材同士の突合せ接合で全板厚を接合する場合には、接合工具を攪拌ピンの先端が板厚の80%以上の深さまで到達するように挿入し、板材の表面と平行な方向へ移動させる。
ここで、接合する部材が薄い場合、接合工具の中心軸に垂直な方向における攪拌ピンの寸法(断面寸法)が小さくなる。そのため、攪拌ピンの強度が低くなるため、接合する部材に挿入した攪拌ピンを移動させた際に攪拌ピンが破損するおそれがある。接合工具の移動速度を遅くすれば、攪拌ピンの破損を抑制することができるが、接合時間が長くなる。
また、攪拌ピンの断面寸法が小さい場合、ピン側面へのねじ溝加工が難しくなる。ピン側面にねじ溝を設けられない場合、軟化した母材の下方への流動量が減少する。そのため、突合せ接合で全板厚を接合するためには、接合工具を攪拌ピンの先端が板厚の90%以上の深さまで到達するように挿入する必要がある。ここで、接合する部材の厚みのばらつきや、接合する部材を載置するステージの傾き、攪拌ピンの製造誤差、工具を移動させた際の攪拌ピンの先端位置のばらつきなどによって、攪拌ピンの接合する部材への挿入深さ(攪拌ピンの先端位置)にはばらつきがある。攪拌ピンの挿入深さが浅くなりすぎると、接合する部材の裏面側に達する塑性流動が困難となり、未接合部分が生じ易くなる。攪拌ピンの挿入深さが深すぎると、攪拌ピンの先端が接合する部材を載置するステージなどに干渉し、攪拌ピンが破損するおそれがある。したがって、接合する部材の挿入深さのばらつきが許容量以下に収まるようにすることが重要である。ここで、接合する部材が薄くなると、撹拌ピンの挿入深さのばらつきの許容量が小さくなってしまい、特に接合長が長い場合に接合品質が低下することが課題となっていた。
そこで、接合の高速化と、接合品質の向上とを図ることができる技術の開発が望まれていた。
特許第6015638号公報 特許第5514782号公報 特開2019-10674号公報
本発明が解決しようとする課題は、接合の高速化と、接合品質の向上とを図ることができる摩擦攪拌接合工具および摩擦攪拌接合装置を提供することである。
実施形態に係る摩擦攪拌接合工具は、円柱状を呈し、一方の端部に中心軸方向に突出する凸部を有する。前記中心軸方向から見た場合に、前記凸部の表面には、前記中心軸の周りを渦巻き状に巻き回され、前記摩擦攪拌接合工具の側面から見た場合に前記凸部の中心から旋回するにつれて前記凸部の先端から離れる帯状の面が設けられている。前記凸部の、前記中心軸を含む断面において、1つの前記帯状の面の外側の縁と、内側の縁と、を結ぶ線分は、前記中心軸に略垂直となっている。
本実施の形態に係る摩擦攪拌接合工具を例示するための模式斜視図である。 摩擦攪拌接合工具を例示するための模式側面図である。 凸部の中心軸を含む断面図である。 (a)、(b)は、比較例に係る工具を例示するための模式断面図である。 (a)は、比較例に係る工具を用いて接合を行った場合の接合部分を例示するための模式図である。(b)は、本実施の形態に係る工具を用いて接合を行った場合の接合部分を例示するための模式図である。 本実施の形態に係る摩擦攪拌接合装置を例示するための模式図である。
以下、図面を参照しつつ、実施の形態について例示をする。なお、各図面中、同様の構成要素には同一の符号を付して詳細な説明は適宜省略する。
(擦攪拌接合工具)
図1は、本実施の形態に係る摩擦攪拌接合工具1を例示するための模式斜視図である。 図2は、摩擦攪拌接合工具1を例示するための模式側面図である。
図1および図2に示すように、摩擦攪拌接合工具1(以下、単に、工具1と称する)は、基部2、および凸部3を有する。一般的な摩擦攪拌接合工具の場合には、ショルダから突出する攪拌ピンが設けられるが、本実施の形態に係る工具1には攪拌ピンが設けられていない。
基部2、および凸部3は、一体に形成されている。例えば、円柱状の基部2の一方の端部を加工することで凸部3を形成することができる。
基部2、および凸部3の材料には特に限定はないが、接合する部材の材料よりも硬い材料を用いることが好ましい。基部2、および凸部3の材料は、例えば、工具鋼、タングステン合金、セラミックなどとすることができる。
接合する部材の材料は、例えば、アルミニウム、アルミニウム合金、銅、銅合金、チタン、チタン合金、マグネシウム、およびマグネシウム合金などとすることができる。ただし、接合する部材の材料は、これらの材料に限定されるわけではなく、摩擦攪拌接合が可能な材料であればよい。また、2つの部材を接合する場合には、一方の部材の材料は、他方の部材の材料と同じであってもよいし、異なるものであってもよい。
基部2は、例えば、円柱状を呈している。基部2の中心軸2aは、工具1の中心軸1aとなる。円柱状の基部2とすれば、工具1の製造が容易となる。また、摩擦攪拌接合装置100への工具1の取り付けが容易となる。
なお、基部2の、凸部3が設けられる側(端部2b側)とは反対側(端部2c側)に、ねじなどの図示しない締結部を設けることもできる。この場合、締結部を介して基部2を保持する図示しない保持部をさらに備え、図示しない保持部を摩擦攪拌接合装置100に取り付けることができる。この様にすれば、一体に形成された基部2、および凸部3を摩擦攪拌接合装置100から取り外すのが容易となる。そのため、凸部3の洗浄などのメンテナンスが容易となる。
凸部3は、基部2の端部2bに設けられている。凸部3は、基部2と同芯に設けられている。そのため、凸部3の中心軸3aは、工具1の中心軸1aと重なる。
すなわち、工具1は、円柱状を呈し、一方の端部に中心軸1a方向に突出する凸部3を有する。
中心軸1aの方向から見た場合に、凸部3の表面には、中心軸1aの周りを渦巻き状に巻き回され、工具1の側面から見た場合に凸部3の中心から旋回するにつれて凸部3の先端から離れる帯状の面3bが設けられている。中心軸1aの方向から見た場合に、帯状の面3bは、中心軸1aの周りを渦巻き状に巻き回され、中心軸1aの周りを旋回するにつれて中心軸1aから離れる。この場合、渦巻きの方向は、工具1の回転方向と逆となっている。
また、中心軸1aの方向から見た場合に、帯状の面3bと帯状の面3bとの間には溝が設けられていない。すなわち、中心軸1aの方向から見た場合に、帯状の面3bと、隣接する帯状の面3bとは接している。また、帯状の面3bには溝や凸部が設けられておらず、帯状の面3bは平坦な面となっている。
また、帯状の面3bの、中心軸1aの方向における位置は、中心軸1aの周りを旋回するにつれて、基部2の端部2bから離れる。すなわち、帯状の面3bの一方の端部は、基部2の端部2bに接続されている。帯状の面3bの他方の端部は、凸部3の、基部2側とは反対側の頂面3cに接続されている。帯状の面3bは、中心軸1aの周りを旋回するにつれて、中心軸1aの方向において、端部2bから離れるように頂面3c側へ移動する。すなわち、帯状の面3bは、中心軸1aの周りを渦巻き状に旋回する連続したスロープとなっている。
この場合、帯状の面3bの、一方の端部の近傍と、他方の端部の近傍との間において、中心軸1aに垂直な方向の寸法(幅寸法)Wは、略一定となっている。例えば、帯状の面3bは、中心軸1aの周りを旋回するアルキメデスの螺旋とすることができる。
図3は、凸部3の中心軸1aを含む断面図である。
図3に示すように、凸部3の中心軸1aを含む断面において、1つの帯状の面3bの外側の縁と内側の縁とを結ぶ線分は、中心軸1aに略垂直となっている。
また、凸部3の、基部2側とは反対側の頂面3cは、中心軸1aに略垂直な平坦面となっている。
また、凸部3の中心軸1aを含む断面において、複数の帯状の面3bの外側の縁を結ぶ線分と、中心軸1aとの間の角度θは、45°以上、90°未満となっている。
次に、凸部3の作用および効果について説明する。
図4(a)は、比較例に係る工具51を例示するための模式断面図である。
図4(a)に示すように、工具51は、基部2、ショルダ53、および攪拌ピン54を有する。
ショルダ53の端面には、渦巻き状の溝53cが設けられている。溝53cと溝53cの間には、凸部53bが形成されている。凸部53bの表面は、曲面となっている。ショルダ53の中心軸51aを含む断面において、複数の凸部53bの頂部53b1を結ぶ線分は、中心軸51aに対して傾斜している。
攪拌ピン54は、ショルダ53と同芯に設けられている。攪拌ピン54は、ショルダ53から中心軸51a方向に突出している。攪拌ピン54は、柱状を呈している。中心軸51aに垂直な方向における攪拌ピン54の寸法は、基部2の寸法よりも小さい。
図4(b)は、比較例に係る工具61を例示するための模式断面図である。
図4(b)に示すように、工具61は、基部2、ショルダ63、および攪拌ピン54を有する。
ショルダ63の端面には、渦巻き状の溝63cが設けられている。溝63cと溝63cの間には、凸部63bが形成されている。凸部63bの表面63b1は、平坦な面となっている。ショルダ63の中心軸61aを含む断面において、複数の凸部63bの表面63b1を結ぶ線分は、中心軸61aに対して傾斜している。すなわち、複数の凸部63bの表面63b1は、傾斜面となっている。
攪拌ピン54は、ショルダ63と同芯に設けられている。攪拌ピン54は、ショルダ63から中心軸61a方向に突出している。攪拌ピン54は、柱状を呈している。中心軸61aに垂直な方向における攪拌ピン54の寸法は、基部2の寸法よりも小さい。
図4(a)、(b)に示すように、渦巻き状の溝53c、63cを設ければ、塑性流動させた部材の材料を回転する工具51、61の中心軸51a、61a側に引き込むことができる。
ところが、溝53c、63cの内部に入り込んだ材料が溝53c、63cの内部に付着すると、単なる平坦面を有する凸部と変わらなくなる。
また、溝53c、63cと、溝53c、63cとの間に形成された凸部53b、63bの幅寸法が短い場合には、凸部53b、63bが摩耗しやすくなる。そして、凸部53b、63bが摩耗すると、単なる平坦面を有する凸部と変わらなくなる。
そのため、溝53c、63cの内部に材料が付着したり、凸部53b、63bが摩耗したりすると、塑性流動させた材料を引き込む能力が弱まり接合部分の品質が悪くなる。
また、工具51、61には、攪拌ピン54が設けられている。攪拌ピン54が設けられている場合には、回転させたショルダ53、63と攪拌ピン54を接合する部材に挿入し、挿入したショルダ53、63と攪拌ピン54を接合する部材の表面と平行な方向に移動させる。例えば、板材の突き合わせ接合において全板厚の接合を行う場合には、板厚の80%以上の深さまで、攪拌ピン54の先端を挿入し、挿入した攪拌ピン54を板材の表面と平行な方向に移動させる。
これまで摩擦攪拌接合は5~20mm程度の厚さの板の接合に用いられる場合が多かったが、近年、薄板の突き合わせ接合への適用例が増加している。例えば、厚みが1mm以下の板材を突き合わせ接合する場合がある。
厚みの薄い板材の接合に用いる工具51、61には、中心軸51a、61aに垂直な方向における寸法(断面寸法)が小さい攪拌ピン54が設けられる。また、攪拌ピン54の断面寸法を板厚をより大きくすると、接合中に移動する工具51、61の後方での接合部材の充填性が低下し接合不良が発生しやすくなる。すなわち、攪拌ピン54の断面寸法には上限がある。例えば、0.5mm厚のアルミニウム板では攪拌ピン54の断面寸法は0.75mm以下にする必要がある。このような細い攪拌ピン54を備えた工具51、61を高速で移動させると撹拌ピン54が破損してしまう。例えば、工具51、61の移動速度を200mm/min以上にすると攪拌ピン54が折れる場合がある。
また、前述したように、薄板の突き合わせ接合で全板厚を接合する場合には、板厚の90%以上の深さまで、攪拌ピン54の先端を挿入する必要がある。そのため、部材の厚みが薄くなるほど、攪拌ピン54の挿入深さのばらつきの許容量が小さくなる。例えば厚みが0.5mmの板材を接合する場合には、攪拌ピン54の挿入深さのばらつきは0.025mm以下にする必要がある。攪拌ピン54の挿入深さには板厚のばらつきや、接合する部材を載置するステージの傾きなど多くの因子が影響を及ぼす。このため、接合距離が長くなると攪拌ピン54の挿入深さのばらつきを許容量以下に抑えることが困難になる。
すなわち、攪拌ピン54を有する工具51、61を用いて厚みの薄い板材を突き合わせ接合すると、攪拌ピンの挿入深さが許容量より浅くなり接合する部材の裏面側に未接合部分が残ったり、攪拌ピンの挿入深さが許容量より深くなり攪拌ピン54の先端が接合する部材を載置するステージなどに干渉して破損したりする。
以上述べたように、攪拌ピン54を有する工具51、61を用いた薄板の接合では、工具51、61の移動速度の高速化(接合の高速化)と、接合品質の向上とを図ることが難しい。
これに対して、本実施の形態に係る工具1には、攪拌ピンが設けられておらず、帯状の面3bを有する凸部3が設けられている。そのため、部材に挿入する側の工具1の端部の強度が大きくなり、工具1を高速で移動できる。例えば、工具1の移動速度を500mm/minにしても、工具1の破損を抑制できる。
帯状の面3bを有する凸部3により、摩擦熱によって軟化した母材は回転すると共に下方へ塑性流動する。これにより、従来の接合工具よりも全板厚接合に必要な接合工具挿入量を減らせる。例えば厚さ0.5mmの銅合金板同士の突合せ接合では、工具1の回転数を適正化することで、工具1の凸部3の挿入深さを板厚の60%である0.3mmとしても全板厚を接合できた。この場合、挿入深さを0.4mmに設定すれば、工具1の挿入深さのばらつきの許容量は0.1mmとなる。この許容量は従来型の接合工具を使用した場合の許容量0.025mmより大きく、長距離接合における接合品質を安定化できる。また、帯状の面3bは平坦な面であり、且つ、凸部3の中心軸1aを含む断面において、1つの帯状の面3bの外側の縁と内側の縁とを結ぶ線分が、中心軸1aに略垂直となっている。そのため、凸部3の挿入深さがばらついたとしても、帯状の面3bのいずれかの部分において、帯状の面3bと接合する部材とを接触させることができる。その結果、凸部3の挿入深さがばらついたとしても、塑性流動させた材料を引き込む能力を維持することができる。
帯状の面3bには溝や凸部が設けられておらず、帯状の面3bは平坦面である。そのため、塑性流動させた材料が帯状の面3bに付着し難い。また、帯状の面3bの幅寸法Wを長くできるので、帯状の面3bの摩耗が生じ難くなる。そのため、塑性流動させた材料を引き込む能力を長期間維持できる。
さらに、凸部3の中心軸1aを含む断面において、複数の帯状の面3bの外側の縁を結ぶ線分と、中心軸1aとの間の角度θは、45°以上、90°未満となっている。塑性流動させた材料は、当初、部材の裏面側に向かって流動し、塑性流動させた材料が部材の裏面側に到達すると、塑性流動させた材料が部材の表面側に向かって流動する。角度θが、45°以上、90°未満となっていれば、部材の表面側に向かって流動する材料を部材の内部に戻し易くなる。そのため、接合部分の周囲にバリが生じたり、接合部分に欠陥が生じたりすることを抑制できる。
図5(a)は、比較例に係る工具51、61を用いて接合を行った場合の接合部分を例示するための模式図である。
図5(b)は、本実施の形態に係る工具1を用いて接合を行った場合の接合部分を例示するための模式図である。
なお、図5(a)、(b)は、2つの部材71、72を突き合わせ、突き合わせた部分を接合する場合である。部材71、72の厚みは0.5mm、部材71、72の材料は銅合金としている。
前述したように、比較例に係る工具51、61においては、塑性流動させた材料が渦巻く状の溝の内部に付着しやすい。そのため、塑性流動させた材料を引き込む能力が低下しやすくなる。その結果、図5(a)に示すように、塑性流動させた材料が接合部分70の周縁からはみ出すようになる。塑性流動させた材料が接合部分70の周縁からはみ出すと、接合部分70における材料の量がその分少なくなるので、接合部分70に欠陥が発生するおそれがある。また、接合部分70の周縁からはみ出した材料は、バリ70aとなる。
また、部材が薄いので、攪拌ピン54の挿入深さのばらつきに対する許容量が小さくなる。そのため、接合部分70に、部材71、72の裏面側に到達していない部分が生じたり、攪拌ピン54の先端がステージなどに干渉して破損したりする場合がある。また、攪拌ピン54が細く強度が低いため、工具51、61の移動速度を速くするのが困難となる。
これに対して、本実施の形態に係る工具1には、前述した帯状の面3bを有する凸部3が設けられている。そのため、薄板の全板厚接合に必要な接合工具の部材への挿入量を減らすことができ、挿入量のばらつきの許容量が増加する。また、塑性流動させた材料を引き込む能力を長期間維持することができる。また、角度θが、45°以上、90°未満となっているので、部材71、72の表面側に向かって流動する材料を部材71、72の内部に戻し易くなる。材料を部材71、72の内部に戻すことができれば、図5(b)に示すように、材料が接合部分70の周縁からはみ出すのを抑制することができる。材料が接合部分70の周縁からはみ出さなければ、欠陥およびバリの発生を抑制することができる。
さらに、凸部3の挿入深さがばらついたとしても、帯状の面3bのいずれかの部分において、帯状の面3bと接合する部材とを接触させることができる。そのため、凸部3の挿入深さがばらついたとしても、塑性流動させた材料を引き込む能力を維持することができる。
また、工具1には、攪拌ピンが設けられておらず、帯状の面3bを有する凸部3が設けられているので、部材に挿入する側の工具1の端部の強度が高くなる。そのため、工具1の移動速度を速くできる。
すなわち、本実施の形態に係る工具1とすれば、接合の高速化と、接合品質の向上とを図ることができる。
(摩擦攪拌接合装置)
次に、本実施の形態に係る摩擦攪拌接合装置100について例示をする。
図6は、本実施の形態に係る摩擦攪拌接合装置100を例示するための模式図である。 なお、図6中の矢印X、Y、Zは、互いに直交する三方向を表している。例えば、矢印Zは鉛直方向を表し、矢印Xと矢印Yは水平方向を表している。
図6に示す摩擦攪拌接合装置100は、2つの部材71、72を突き合わせ、突き合わせた部分を接合する。
摩擦攪拌接合装置100は、例えば、床面などに設置することができる。
図6に示すように、摩擦攪拌接合装置100には、例えば、ステージ101、保持部102、および加工部103が設けられている。
ステージ101には、2つの部材71、72を突き合わせた状態で載置する。
部材71、72は、例えば、アルミニウム合金、銅合金などから形成された板材である。部材71、72の厚みは、例えば、0.5mmである。
保持部102は、2つの部材71、72を互いに近接する方向(例えば、Y方向)に加圧して保持する。
加工部103は、工具1の基部2を保持する。加工部103は、中心軸103aを中心として工具1を回転させる。この際、加工部103は、帯状の面3bの巻き方向と逆の方向へ工具1を回転させる。
また、加工部103は、回転させた工具1の位置を変化させる。例えば、加工部103は、回転させた工具1のZ方向における位置を変化させて、凸部3を、2つの部材71、72を突き合わせた部分の内部に挿入する。そして、加工部103は、回転させた工具1のX方向における位置を変化させて、2つの部材71、72を突き合わせた部分を接合する。加工部103は、例えば、サーボモータなどの制御モータを備えたものとすることができる。なお、加工部103のX方向の位置を固定し、載置部をX方向へ移動させてもよい。
以上、本発明のいくつかの実施形態を例示したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更などを行うことができる。これら実施形態やその変形例は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。また、前述の各実施形態は、相互に組み合わせて実施することができる。
1 摩擦攪拌接合工具、1a 中心軸、2 基部、2a 中心軸、2b 端部、3 凸部、3a 中心軸、3b 帯状の面、3c 頂面、71 部材、72 部材、100 摩擦攪拌接合装置、101 ステージ、102 保持部、103 加工部

Claims (5)

  1. 円柱状を呈し、一方の端部に中心軸方向に突出する凸部を有する摩擦攪拌接合工具であって、
    前記中心軸方向から見た場合に、前記凸部の表面には、前記中心軸の周りを渦巻き状に巻き回され、前記摩擦攪拌接合工具の側面から見た場合に前記凸部の中心から旋回するにつれて前記凸部の先端から離れる帯状の面が設けられ、
    前記凸部の、前記中心軸を含む断面において、1つの前記帯状の面の外側の縁と、内側の縁と、を結ぶ線分は、前記中心軸に略垂直となっている摩擦攪拌接合工具。
  2. 前記帯状の面の、一方の端部の近傍と、他方の端部の近傍との間において、前記中心軸に垂直な方向の寸法は、略一定である請求項1記載の摩擦攪拌接合工具。
  3. 前記凸部の、前記中心軸を含む断面において、複数の前記帯状の面の外側の縁を結ぶ線分と、前記中心軸との間の角度は、45°以上、90°未満である請求項1記載の摩擦攪拌接合工具。
  4. 前記凸部の頂面は、前記中心軸に略垂直な平坦面である請求項1~3のいずれか1つに記載の摩擦攪拌接合工具。
  5. 請求項1~4のいずれか1つに記載の摩擦攪拌接合工具を保持し、帯状の面の巻き方向と逆の方向に前記摩擦攪拌接合工具を回転させる加工部を備えた摩擦攪拌接合装置。
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