JP2018094568A - 接合方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】筒状部材と蓋部材とを確実に接合することができる接合方法を提供する。【解決手段】筒状部材2の外周面と蓋部材3の外周面とが面一になるように筒状部材2と蓋部材3とを突き合わせて突合せ部J1を形成する突合せ工程と、突合せ部J1に対して筒状部材2の外側から摩擦攪拌を行う外側摩擦攪拌工程と、筒状部材2と蓋部材3とで構成される内隅部において、筒状部材2または蓋部材3に面接触するように板状の補助部材10を配置する配置工程と、回転ツールFの攪拌ピンF2のみを筒状部材2、蓋部材3及び補助部材10に接触させた状態で回転ツールFを内隅部に沿って相対移動させて、筒状部材2の内側から摩擦攪拌を行う内側摩擦攪拌工程と、を含むことを特徴とする。【選択図】図5

Description

本発明は、摩擦攪拌を利用した金属部材の接合方法に関する。
金属部材同士を接合する方法として、摩擦攪拌接合(FSW=Friction Stir Welding)が知られている。摩擦攪拌接合は、回転ツールを回転させつつ金属部材同士の突合せ部に沿って移動させ、回転ツールと金属部材との摩擦熱により突合せ部の金属を塑性流動させることで、金属部材同士を固相接合させるものである。なお、回転ツールは、円柱状を呈するショルダ部の下端面に攪拌ピン(プローブ)を突設してなるものが一般的である。
例えば、特許文献1には、金属製の筒状部材と、筒状部材の開口部を覆う蓋部材とを摩擦攪拌で接合する技術が開示されている。当該技術では、筒状部材と蓋部材とで構成される内隅部を溶接で接合している。
国際公開第2009/081731A1号パンフレット
筒状部材と蓋部材とで構成される内隅部の接合作業は、作業スペースが限られるため困難となる。特に、当該内隅部に摩擦攪拌接合を行う場合、従来の回転ツールであるとショルダ部が筒状部材及び蓋部材に接触するため、攪拌ピンを深い位置まで挿入することができないという問題がある。また、塑性流動化した金属をショルダ部で押さえることができなくなるため、金属が外部に溢れ出して金属不足となり接合不良となるおそれがある。
このような観点から、本発明は、筒状部材と蓋部材とを確実に接合することができる接合方法を提供することを課題とする。
このような課題を解決するために第一の本発明は、金属製の筒状部材と当該筒状部材の開口部を覆う金属製の蓋部材とを接合する接合方法であって、前記筒状部材の外周面と前記蓋部材の外周面とが面一になるように前記筒状部材と前記蓋部材とを突き合わせて突合せ部を形成する突合せ工程と、前記突合せ部に対して前記筒状部材の外側から摩擦攪拌を行う外側摩擦攪拌工程と、前記筒状部材と前記蓋部材とで構成される内隅部において、前記筒状部材または前記蓋部材に面接触するように板状の補助部材を配置する配置工程と、回転ツールの攪拌ピンのみを前記筒状部材、前記蓋部材及び前記補助部材に接触させた状態で前記回転ツールを前記内隅部に沿って相対移動させて、前記筒状部材の内側から摩擦攪拌を行う内側摩擦攪拌工程と、を含むことを特徴とする。
かかる接合方法によれば、突合せ部に対して攪拌ピンのみを挿入して筒状部材の内側から摩擦攪拌を行っても、内隅部に補助部材が配置されているので金属不足を解消することができる。これにより、筒状部材と蓋部材との内隅部を確実に接合することができる。
本発明では、前記外側摩擦攪拌工程および前記内側摩擦攪拌工程の前に、前記攪拌ピンのみを前記筒状部材の外側から前記筒状部材および前記蓋部材に接触させた状態で前記突合せ部に対してスポット仮接合を行う仮接合工程を含むことが好ましい。かかる接合方法によれば、外側摩擦攪拌工程および内側摩擦攪拌工程の際の突合せ部の目開きを防ぐことができる。さらに、摩擦攪拌接合による熱歪みを抑えられるとともに、仮接合の加工時間を短縮することができる。
また、前記外側摩擦攪拌工程および前記内側摩擦攪拌工程の前に、TIG,MIGまたはレーザー溶接によって前記突合せ部に対してスポット仮接合を行う仮接合工程を含むことが好ましい。かかる接合方法によっても、外側摩擦攪拌工程の際の突合せ部の目開きを防ぐことができる。さらに、摩擦攪拌接合による熱歪みを抑えられるとともに、仮接合の加工時間を短縮することができる。
さらに、摩擦攪拌接合によってバリが形成された前記補助部材を前記前記筒状部材または前記蓋部材から除去する除去工程を、さらに含むことが好ましい。また、前記内側摩擦攪拌工程では、摩擦攪拌接合によって発生するバリが前記補助部材に形成されるように、接合条件を設定することが好ましい。かかる接合方法によれば、バリを補助部材ごと容易に除去することができる。
前記課題を解決するために第二の本発明は、金属製の筒状部材と当該筒状部材の開口部を覆う金属製の蓋部材とを接合する接合方法であって、前記筒状部材の外周面と前記蓋部材の外周面とが面一になるように前記筒状部材と前記蓋部材とを突き合わせて突合せ部を形成する突合せ工程と、前記突合せ部に対して前記筒状部材の外側から摩擦攪拌を行う外側摩擦攪拌工程と、前記筒状部材と前記蓋部材とで構成される内隅部において、前記筒状部材および前記蓋部材に面接触するように断面L字状の補助部材を配置する配置工程と、回転ツールの攪拌ピンのみを前記筒状部材、前記蓋部材及び前記補助部材に接触させた状態で前記回転ツールを前記内隅部に沿って相対移動させて、前記筒状部材の内側から摩擦攪拌を行う内側摩擦攪拌工程と、を含むことを特徴とする。
かかる接合方法によれば、突合せ部に対して攪拌ピンのみを挿入して筒状部材の内側から摩擦攪拌を行っても、内隅部に補助部材が配置されているので金属不足を解消することができる。これにより、筒状部材と蓋部材との内隅部を確実に接合することができる。
本発明では、前記外側摩擦攪拌工程および前記内側摩擦攪拌工程の前に、前記攪拌ピンのみを前記筒状部材の外側から前記筒状部材および前記蓋部材に接触させた状態で前記突合せ部に対してスポット仮接合を行う仮接合工程を含むことが好ましい。また、前記外側摩擦攪拌工程および前記内側摩擦攪拌工程の前に、TIG,MIGまたはレーザー溶接によって前記突合せ部に対してスポット仮接合を行う仮接合工程を含むようにしてもよい。かかる接合方法によれば、外側摩擦攪拌工程および内側摩擦攪拌工程の際の突合せ部の目開きを防ぐことができる。さらに、摩擦攪拌接合による熱歪みを抑えられるとともに、仮接合の加工時間を短縮することができる。
また、前記内側摩擦攪拌工程での摩擦攪拌接合によって分断されるとともにバリが形成された前記補助部材を前記前記筒状部材および前記蓋部材から除去する除去工程を、さらに含むことが好ましい。かかる接合方法によれば、バリを補助部材ごと容易に除去することができる。
本発明に係る接合方法によれば、筒状部材と蓋部材とを確実に接合することができる。
(a)は本実施形態の接合用回転ツールを示した側面図であり、(b)は接合用回転ツールの接合形態を示した模式断面図である。 (a)は第一実施形態に係る構造体を示す分解斜視図であり、(b)は第一実施形態に係る仮接合工程を示す斜視図である。 (a)は第一実施形態に係る外側摩擦攪拌工程を示す斜視図であり、(b)は第一実施形態に係る外側摩擦攪拌工程を示す断面図である。 第一実施形態に係る配置工程を示す斜視図である。 (a)は第一実施形態に係る内側摩擦攪拌工程を示す斜視図であり、(b)は第一実施形態に係る内側摩擦攪拌工程を示す断面図である。 (a)は第二実施形態に係る構造体を示す分解斜視図であり、(b)は第二実施形態に係る仮接合工程を示す斜視図である。 (a)は第二実施形態に係る外側摩擦攪拌工程を示す斜視図であり、(b)は第二実施形態に係る外側摩擦攪拌工程を示す断面図である。 (a)は第二実施形態に係る配置工程を示す斜視図であり、(b)は第二実施形態に係る配置工程を示す断面図である。 (a)は第二実施形態に係る内側摩擦攪拌工程を示す斜視図であり、(b)は第二実施形態に係る内側摩擦攪拌工程を示す断面図である。 (a)は第三実施形態に係る溶接工程を示す断面図であり、(b)は第三実施形態に係る外側摩擦攪拌工程及び内側摩擦攪拌工程を示す断面図である。 (a)は第四実施形態に係る配置工程を示す断面図であり、(b)は第四実施形態に係る外側摩擦攪拌工程及び内側摩擦攪拌工程を示す断面図である。
[第一実施形態]
本発明の第一実施形態に係る接合方法について、図面を参照して詳細に説明する。まずは、本実施形態で用いる接合用回転ツールについて説明する。
図1の(a)に示すように、接合用回転ツールFは、連結部F1と、攪拌ピンF2とで構成されている。接合用回転ツールFは、例えば工具鋼で形成されている。連結部F1は、図1の(b)に示す摩擦攪拌装置の回転軸Dに連結される部位である。連結部F1は円柱状を呈し、ボルトが締結されるネジ孔B,Bが形成されている。
攪拌ピンF2は、連結部F1から垂下しており、連結部F1と同軸になっている。攪拌ピンF2は連結部F1から離間するにつれて先細りになっている。攪拌ピンF2の長さは、後記する筒状部材2及び蓋部材3の板厚よりも大きくなっている。攪拌ピンF2の外周面には螺旋溝F3が刻設されている。本実施形態では、接合用回転ツールFを右回転させるため、螺旋溝F3は、基端から先端に向かうにつれて左回りに形成されている。言い換えると、螺旋溝F3は、螺旋溝F3を基端から先端に向けてなぞると上から見て左回りに形成されている。
なお、接合用回転ツールFを左回転させる場合は、螺旋溝F3を基端から先端に向かうにつれて右回りに形成することが好ましい。言い換えると、この場合の螺旋溝F3は、螺旋溝F3を基端から先端に向けてなぞると上から見て右回りに形成されている。螺旋溝F3をこのように設定することで、摩擦攪拌の際に塑性流動化した金属が螺旋溝F3によって攪拌ピンF2の先端側に導かれる。これにより、構造体(後記する筒状部材2及び蓋部材3)の外部に溢れ出る金属の量を少なくすることができる。
図1の(b)に示すように、接合用回転ツールFを用いて摩擦攪拌接合をする際には、構造体に回転した攪拌ピンF2のみを挿入し、構造体と連結部F1とは離間させつつ移動させる。言い換えると、攪拌ピンF2の基端部は露出させた状態で摩擦攪拌接合を行う。接合用回転ツールFの移動軌跡には摩擦攪拌された金属が硬化することにより塑性化領域W1(又は塑性化領域W2)が形成される。
次に、本実施形態の接合方法について説明する。本実施形態に係る接合方法では、図2の(a)に示すように、筒状部材2と蓋部材3とを摩擦攪拌により接合して構造体1を形成する場合を例示する。
筒状部材2は、金属部材であって断面矩形枠状を呈する。筒状部材2の材料は、アルミニウム、アルミニウム合金、銅、銅合金、チタン、チタン合金、マグネシウム、マグネシウム合金など摩擦攪拌可能な金属材料から適宜選択すればよい。筒状部材2は一定の板厚で形成されている。
蓋部材3は、金属部材であって矩形板状を呈する。蓋部材3は、筒状部材2の開口部を覆う部材である。蓋部材3の材料は、摩擦攪拌可能な金属材料から適宜選択されればよいが、本実施形態では筒状部材2と同等の材料を用いている。
本実施形態に係る接合方法では、突合せ工程と、仮接合工程と、外側摩擦攪拌工程と、配置工程と、内側摩擦攪拌工程と、除去工程とを行う。
突合せ工程は、筒状部材2の開口部を蓋部材3で覆い、筒状部材2と蓋部材3とを突き合わせる工程である。より詳しくは、突合せ工程では、筒状部材2の端面2aと、蓋部材3の裏面3bとを突き合わせるとともに、筒状部材2の外周面2cと、蓋部材3の外周面3cとが面一になるように突き合わせる。突合せ工程によって、突合せ部J1(図2の(b)参照)が形成される。
仮接合工程は、突合せ部J1を仮接合する工程である。図2の(b)に示すように、仮接合工程では、接合用回転ツールFまたは他の回転ツールを用いて突合せ部J1を仮接合する。回転させた接合用回転ツールFの攪拌ピンF2のみを突合せ部J1に接触させてスポット仮付けを行う。仮接合工程では、所定の間隔をあけて攪拌ピンF2のみを突合せ部J1に浅く押し込んでいく。本実施形態では、螺旋溝F3が基端から先端に向かうにつれて左回りに形成されているので、接合用回転ツールFを右回転させる。なお、螺旋溝F3が右回りに形成されている場合は、接合用回転ツールFを左回転させることが好ましい。攪拌ピンF2の押し込み跡には、塑性化領域W0が形成される。
外側摩擦攪拌工程は、突合せ部J1を筒状部材2の外側から本格的に摩擦攪拌接合する工程である。外側摩擦攪拌工程では、図3の(a)に示すように、突合せ部J1上の任意の開始位置s1に回転させた接合用回転ツールFを挿入する。接合用回転ツールFの挿入深さは適宜設定すればよいが、本実施形態では筒状部材2の板厚の半分程度まで挿入している。接合用回転ツールFの回転中心軸は、接合面(筒状部材2の外周面2c及び蓋部材3の外周面3c)に対して垂直となるように挿入する。そして、外側摩擦攪拌工程では、突合せ部J1をなぞるようにして相対移動させる。接合用回転ツールFの移動軌跡には塑性化領域W1が形成される。外側摩擦攪拌工程では、攪拌ピンF2のみを筒状部材2及び蓋部材3に接触させ、攪拌ピンF2の基端側は露出した状態で摩擦攪拌を行う。
接合用回転ツールFを突合せ部J1に沿って一周させたら、開始位置s1を通過させて塑性化領域W1の始端と終端とをオーバーラップさせた後、接合用回転ツールFを筒状部材2及び蓋部材3から離脱させる。なお、接合用回転ツールFを離脱させた後に、攪拌ピンF2の引抜痕が残存する場合は、当該引抜痕に肉盛溶接を行って補修する補修工程を行ってもよい。これにより、接合面をきれいに仕上げることができる。
また、接合用回転ツールFの挿入深さを徐々に浅くしつつ接合用回転ツールFを離脱させてもよい。これにより、攪拌ピンF2の引抜痕をなくすか、引抜痕を小さくすることができる。
仮接合工程、外側摩擦攪拌工程及び後記する内側摩擦攪拌工程では、例えば、スピンドルユニット等の回転駆動手段を備えたロボットアームの先端に接合用回転ツールFを装着して、摩擦攪拌を行うことができる。これにより、接合用回転ツールFの回転中心軸の角度を容易に変更することができる。
配置工程は、筒状部材2と蓋部材3とで構成される内隅部に補助部材10を配置する工程である。図4に示すように、補助部材10は、長尺の平板形状を呈している。補助部材10は、内隅部に沿って環状に配置される。補助部材10は、蓋部材3の裏面3bに面接触するとともに、幅方向一方の辺が筒状部材2の内周面2bに接するように配置される。補助部材10の材質は、摩擦攪拌可能な金属材料から適宜選択されればよいが、本実施形態では筒状部材2と同等の材料を用いている。補助部材10の大きさ(幅や板厚等)は、後記する内側摩擦攪拌工程を行った際に、接合部が金属不足にならず、かつ、バリが過剰に残存しない程度に設定することが好ましい。なお、本実施形態では、内隅部の各辺毎に直線状の補助部材10をそれぞれ設けているが、各辺の板材を一体化した補助部材としてもよい。
内側摩擦攪拌工程は、筒状部材2の内側から補助部材10及び突合せ部J1に対して本格的に摩擦攪拌接合する工程である。内側摩擦攪拌工程では、図5の(a)に示すように、補助部材10の筒状部材2側端部(内隅部側)の任意の開始位置s2に回転させた接合用回転ツールFを突合せ部J1に達する位置まで挿入する。内側摩擦攪拌工程では、図5の(b)に示すように、接合用回転ツールFの回転中心軸と蓋部材3の裏面3bとのなす角度が約45°となるように挿入する。そして、当該角度を保った状態で、内隅部に沿って補助部材10をなぞるようにして接合用回転ツールFを相対移動させる。内側摩擦攪拌工程では、攪拌ピンF2のみを筒状部材2、蓋部材3及び補助部材10に接触させ、攪拌ピンF2の基端側は露出した状態で摩擦攪拌を行う。接合用回転ツールFの移動軌跡には塑性化領域W2が形成される。塑性化領域W2の補助部材10側には、バリVが形成されている。
接合用回転ツールFの挿入深さは、適宜設定すればよいが、本実施形態のように、塑性化領域W2と、外側摩擦攪拌工程で形成された塑性化領域W1とが重なるようにすることが好ましい。このようにすることで、突合せ部J1の深さ方向の全体を摩擦攪拌接合することができ、接合強度、水密性及び気密性を高めることができる。
接合用回転ツールFを、突合せ部J1に沿って内隅部で一周させたら、開始位置s2を通過させて塑性化領域W2の始端と終端とをオーバーラップさせた後、接合用回転ツールFを筒状部材2及び蓋部材3から離脱させる。接合用回転ツールFを離脱させる際には、外側摩擦攪拌工程と同じように、補修工程を行ってもよいし、接合用回転ツールFの挿入深さを徐々に浅くするようにして離脱させてもよい。
なお、接合用回転ツールFの回転中心軸と蓋部材3の裏面3bとのなす角度が45°よりも小さくなるように接合用回転ツールFの挿入角度を変更してもよい。このようにすることで、突合せ部J1のより深い位置まで塑性流動化することができる。内側摩擦攪拌工程が終了したら、外側摩擦攪拌工程及び内側摩擦攪拌工程で発生したバリ等を切除する。これにより、構造体1の表面をきれいに仕上げることができる。
本実施形態では、摩擦攪拌接合によって発生するバリVが補助部材10側に形成されるように、接合用回転ツールFの回転方向、回転速度および進行方向を設定する。以下に、接合用回転ツールFの回転方向・速度および進行方向と、バリVの発生位置との関係を説明する。
接合用回転ツールFの回転速度が遅い場合では、フロー側(retreating side:回転ツールの外周における接線速度から回転ツールの移動速度が減算される側)に比べてシアー側(advancing side:回転ツールの外周における接線速度に回転ツールの移動速度が加算される側)の方が塑性流動材の温度が上昇しやすくなるため、塑性化領域W外のシアー側にバリVが多く発生する傾向にある。一方、接合用回転ツールFの回転速度が速い場合、シアー側の方が塑性流動材の温度が上昇するものの、回転速度が速い分、塑性化領域W外のフロー側にバリVが多く発生する傾向にある。
つまり、本実施形態では、接合用回転ツールFの回転速度を速く設定するとともに、接合用回転ツールFを、右回転させつつ、図5の(b)において紙面方向裏側に進行させる。これによって、補助部材10側がフロー側となり、補助部材10にバリVを集約させることができる。また、接合用回転ツールFの回転速度を速く設定することにより、接合用回転ツールFの移動速度(送り速度)を高めることができる。これにより、接合サイクルを短くすることができる。
回転ツールの進行方向のどちら側にバリが発生するかは、接合条件によって異なる。この接合条件とは、回転ツールの回転速度、回転方向、進行方向、進行速度(送り速度)、攪拌ピンの傾斜角度(テーパー角度)、筒状部材2、蓋部材3および補助部材10の材質、補助部材10の厚さ等の各要素の組合せで決定される。つまり、回転ツールの速い回転速度と遅い回転速度の閾値は、他の要素によって決定される。
除去工程は、摩擦攪拌接合によって発生したバリを除去する工程である。除去工程では、残存する補助部材10を折り曲げるようにして切除することで、補助部材10ごとバリVを除去する。除去工程は、切削装置等を用いてもよいが、本実施形態では手作業で行っている。
以上説明した本実施形態に係る接合方法によれば、筒状部材2の内側から筒状部材2及び蓋部材3に攪拌ピンF2のみを接触させた状態で摩擦攪拌を行っても、補助部材10も同時に摩擦攪拌されるので金属不足を解消することができる。これにより、筒状部材2と蓋部材3との内隅部を確実に接合することができる。また、外側摩擦攪拌工程を先に行うため、内側摩擦攪拌工程を安定して行うことができる。
また、仮接合工程を行うことで、外側摩擦攪拌工程の際に突合せ部J1の目開きを防ぐことができる。さらに、スポット仮接合を行っているので、仮接合を突合せ部J1全体に行う場合と比較して摩擦攪拌接合による熱歪みを抑えられるとともに、仮接合の加工時間を短縮することができる。
さらに、本実施形態によれば、攪拌ピンF2のみを筒状部材2、蓋部材3及び補助部材10に挿入するため、回転ツールのショルダ部を押し込む場合に比べて摩擦攪拌装置にかかる負荷を軽減することができるとともに、接合用回転ツールFの操作性も良好となる。また、摩擦攪拌装置にかかる負荷を軽減することができるため、摩擦攪拌装置に大きな負荷がかからない状態で、突合せ部J1の深い位置を接合することができる。
また、本実施形態では、補助部材10側にバリVを形成させ、補助部材10を除去することでバリVを一体的に除去しているので、バリVの除去を容易に行うことができる。さらに、本実施形態では、仮接合工程、外側摩擦攪拌工程および内側摩擦攪拌工程で、同一の接合用回転ツールFを使用しているので、工程ごとに回転ツールを交換する必要がない。よって、作業手間を省くことができる。なお、場合によっては、別の回転ツールを利用するようにしてもよいのは勿論である。
なお、第一実施形態は前記した形態に限定されるものではない。例えば、図3に示す外側摩擦攪拌工程を行う際に、タブ材を配置するとともに、筒状部材2及び蓋部材3にタブ材を仮接合して、当該タブ材に接合用回転ツールFの開始位置及び終了位置を設定してもよい。タブ材を用いることで、接合用回転ツールFの開始位置及び終了位置を容易に設定することができる。また、接合用回転ツールFの引抜痕の補修工程を行う必要がない。
また、本実施形態では 補助部材10は、蓋部材3に面接触しているがこれに限定されるものではない。補助部材は、筒状部材の内周面に面接触してもよい。この場合、長尺の平板形状の板材を、立てて筒状部材の内周面に沿って配置する。
さらに、本実施形態では筒状部材2を矩形筒状としたが、円筒状、楕円筒状又は他の多角筒状としてもよい。また、仮接合工程は、省略してもよい。さらに、筒状部材2及び蓋部材3の少なくともいずれかに段差を設けて突き合わせてもよい。
また、本実施形態では、攪拌ピンF2のみを筒状部材2および蓋部材3に接触させた状態で突合せ部J1に対してスポット仮接合を行ったがこれに限定されるものではない。たとえば、TIG,MIGまたはレーザー溶接によってスポット仮接合を行ってもよい。
[第二実施形態]
次に、本発明の第二実施形態に係る接合方法について説明する。第二実施形態に係る接合方法では、主に、筒状部材2A及び蓋部材3Aが円筒状である点、補助部材11の形状が断面L字状である点で第一実施形態と相違する。
本実施形態に係る接合方法では、図6の(a)に示すように、筒状部材2Aと蓋部材3Aとを摩擦攪拌により接合して構造体1Aを形成する。筒状部材2Aは、円筒状を呈する。蓋部材3Aは、円板状を呈する。蓋部材3Aの外径は、筒状部材2Aの外径と同等になっている。
本実施形態に係る接合方法では、突合せ工程と、仮接合工程と、外側摩擦攪拌工程と、補助部材配置工程と、内側摩擦攪拌工程と、除去工程とを行う。
突合せ工程は、筒状部材2Aの開口部を蓋部材3Aで覆い、筒状部材2Aと蓋部材3Aとを突き合わせる工程である。より詳しくは、突合せ工程では、筒状部材2Aの端面2aと、蓋部材3Aの裏面3bとを突き合わせるとともに、筒状部材2Aの外周面2cと、蓋部材3Aの外周面3cとが面一になるように突き合わせる。突合せ工程によって、突合せ部J1(図6の(b)参照)が形成される。
仮接合工程は、突合せ部J1を仮接合する工程である。図6の(b)に示すように、仮接合工程では、接合用回転ツールFまたは他の回転ツールを用いて突合せ部J1を仮接合する。回転させた接合用回転ツールFの攪拌ピンF2のみを突合せ部J1に接触させてスポット仮付けを行う。仮接合工程では、所定の間隔をあけて攪拌ピンF2のみを突合せ部J1に浅く押し込んでいく。本実施形態では、螺旋溝F3が基端から先端に向かうにつれて左回りに形成されているので、接合用回転ツールFを右回転させる。なお、螺旋溝F3が右回りに形成されている場合は、接合用回転ツールFを左回転させることが好ましい。攪拌ピンF2の押し込み跡には、塑性化領域W0が形成される。
外側摩擦攪拌工程は、突合せ部J1を筒状部材2Aの外側から本格的に摩擦攪拌接合する工程である。外側摩擦攪拌工程では、図7の(a)に示すように、突合せ部J1の任意の開始位置s1に回転させた接合用回転ツールFを挿入する。接合用回転ツールFの回転中心軸は、開始位置s1の法線と重なるように挿入する。接合用回転ツールFの挿入深さは適宜設定すればよいが、本実施形態では筒状部材2Aの板厚の半分程度まで挿入している。そして、外側摩擦攪拌工程では、突合せ部J1をなぞるようにして接合用回転ツールFを相対移動させる。本実施形態では、接合用回転ツールFの位置は固定し、筒状部材2A及び蓋部材3Aを中心軸回りに回転させる。接合用回転ツールFの移動軌跡には塑性化領域W1が形成される。外側摩擦攪拌工程では、攪拌ピンF2のみを筒状部材2A及び蓋部材3Aに接触させ、攪拌ピンF2の基端側は露出した状態で摩擦攪拌を行う。
接合用回転ツールFで突合せ部J1を一周させたら、開始位置s1を通過させて塑性化領域W1の始端と終端とをオーバーラップさせた後、接合用回転ツールFを筒状部材2A及び蓋部材3Aから離脱させる。接合用回転ツールFを離脱させる際には、第一実施形態と同じように、補修工程を行ってもよいし、接合用回転ツールFの挿入深さが徐々に浅くするようにして離脱させてもよい。
仮接合工程、外側摩擦攪拌工程及び後記する内側摩擦攪拌工程では、例えば、スピンドルユニット等の回転駆動手段を備えたロボットアームの先端に接合用回転ツールFを装着して、摩擦攪拌を行うことができる。これにより、接合用回転ツールFの回転中心軸の角度を容易に変更することができる。
配置工程は、図8の(a)及び(b)に示すように、筒状部材2Aと蓋部材3Aとの内隅部に補助部材11を配置する工程である。補助部材11は、断面L字形を呈するリング状部材である。補助部材11は、円環状の底板部11aと円筒状の側板部11bとを備えてなる、側板部11bは、底板部11aの外周縁から立ち上がっている。補助部材11の外径(側板部11bの外周径)は、筒状部材2Aの内径と同等になっている。補助部材11の材料は、筒状部材2A及び蓋部材3Aと同じ材料であることが好ましい。
配置工程では、図8の(b)に示すように、筒状部材2Aと蓋部材3Aとの内隅部に突合せ部J1を覆うように補助部材11を配置する。より詳しくは、補助部材11の側板部11bの外周面を筒状部材2Aの内周面2bに面接触させるとともに、補助部材11の底板部11aを蓋部材3Aの裏面3bに面接触させる。補助部材11の大きさ(幅や板厚等)は、後記する内側摩擦攪拌工程を行った際に、接合部が金属不足にならず、かつ、バリが過剰に残存しない程度に設定することが好ましい。
内側摩擦攪拌工程は、筒状部材2Aの内側から補助部材11及び突合せ部J1に対して本格的に摩擦攪拌接合する工程である。内側摩擦攪拌工程では、図9の(a)に示すように、補助部材11の内隅部(底板部11aと側板部11bとの交差部分)の任意の開始位置s2に回転させた接合用回転ツールFを突合せ部J1に達する位置まで挿入する。内側摩擦攪拌工程では、図9の(b)に示すように、接合用回転ツールFの回転中心軸と蓋部材3Aの裏面3bとのなす角度が約45°となるように挿入する。そして、当該角度を保った状態で内隅部に沿って補助部材11をなぞるようにして接合用回転ツールFを相対移動させる。内側摩擦攪拌工程では、攪拌ピンF2のみを筒状部材2A、蓋部材3A及び補助部材11に接触させ、攪拌ピンF2の基端側は露出した状態で摩擦攪拌を行う。接合用回転ツールFの移動軌跡には塑性化領域W2が形成される。塑性化領域W2の幅方向両側には、バリVが形成されている。
接合用回転ツールFの挿入深さは、適宜設定すればよいが、本実施形態のように、塑性化領域W2と、外側摩擦攪拌工程で形成された塑性化領域W1とが重なるようにすることが好ましい。このようにすることで、突合せ部J1の深さ方向の全体を摩擦攪拌接合することができ、接合強度、水密性及び気密性を高めることができる。
接合用回転ツールFで突合せ部J1を一周させたら、開始位置s2を通過させて塑性化領域W2の始端と終端とをオーバーラップさせた後、接合用回転ツールFを筒状部材2A及び蓋部材3Aから離脱させる。接合用回転ツールFを離脱させる際には、第一実施形態と同じように、補修工程を行ってもよいし、接合用回転ツールFの挿入深さを徐々に浅くするようにして離脱させてもよい。
なお、接合用回転ツールFの回転中心軸と蓋部材3Aの裏面3bとのなす角度が45°よりも小さくなるように接合用回転ツールFの挿入角度を変更してもよい。このようにすることで、突合せ部J1のより深い位置まで塑性流動化することができる。内側摩擦攪拌工程が終了したら、外側摩擦攪拌工程及び内側摩擦攪拌工程で発生したバリ等を切除する。これにより、構造体1Aの表面をきれいに仕上げることができる。
本実施形態では、摩擦攪拌接合によって発生するバリVが塑性化領域W2の幅方向両側に形成されるように、接合用回転ツールFの回転方向、回転速度および進行方向等を設定する。図9の(b)では、バリVは、塑性化領域W2の幅方向両側に均等に発生しているが、一方に偏って発生してもよい。なお、本実施形態では、バリVの発生位置は、補助部材11の底板部11a側または側板部11b側のいずれか一方であってもよい。
除去工程は、摩擦攪拌接合によって発生したバリを除去する工程である。除去工程では、残存する補助部材11の底板部11aおよび側板部11bをそれぞれ折り曲げるようにして切除することで、補助部材11ごとバリVを除去する。除去工程は、切削装置等を用いてもよいが、本実施形態では手作業で行っている。
以上説明した本実施形態に係る接合方法によれば、筒状部材2Aの内側から筒状部材2A及び蓋部材3Aに攪拌ピンF2のみを接触させた状態で摩擦攪拌を行っても、補助部材11も同時に摩擦攪拌されるので内隅部の金属不足を解消することができる。これにより、筒状部材2Aと蓋部材3Aとの内隅部を確実に接合することができる。また、外側摩擦攪拌工程を先に行うため、配置工程を安定して行うことができる。
また、仮接合工程を行うことで、外側摩擦攪拌工程の際に突合せ部J1の目開きを防ぐことができる。また、本実施形態によれば、攪拌ピンF2のみを筒状部材2A、蓋部材3A及び補助部材11に挿入するため、回転ツールのショルダ部を押し込む場合に比べて摩擦攪拌装置にかかる負荷を軽減することができるとともに、接合用回転ツールFの操作性も良好となる。また、摩擦攪拌装置にかかる負荷を軽減することができるため、摩擦攪拌装置に大きな負荷がかからない状態で、突合せ部J1の深い位置を接合することができる。
さらに、本実施形態では、補助部材11を除去することでバリVを一体的に除去しているので、バリVの除去を容易に行うことができる。
なお、第二実施形態は前記した形態に限定されるものではない。本実施形態の外側摩擦攪拌工程では、接合用回転ツールFを用いたが、ショルダ部及び攪拌ピンを備えた回転ツールを用いるとともに、当該ショルダ部を筒状部材2A及び蓋部材3Aに数ミリ程度押し込んで摩擦攪拌接合を行ってもよい。
また、本実施例形態では、外側摩擦攪拌工程の後に、筒状部材2Aと蓋部材3Aとで構成される内隅部に補助部材11を配置する補助部材配置工程を行ったが、例えば、外側摩擦攪拌工程の前に、筒状部材2Aと蓋部材3Aとで構成される内隅部に補助部材11を配置する配置工程を行ってもよい。
また、本実施形態では筒状部材2Aを円筒状としたが、楕円筒状又は多角筒状としてもよい。また、仮接合工程は、省略してもよい。また、筒状部材2A及び蓋部材3Aの少なくともいずれかに段差を設けて突き合わせてもよい。
[第三実施形態]
次に、本発明の第三実施形態に係る接合方法について説明する。第三実施形態に係る接合方法では、第一実施形態に近似する形態であって、主に、工程の順番が第一実施形態と相違する。第三実施形態では、第一実施形態と相違する部分を中心に説明する。
第三実施形態に係る接合方法は、突合せ工程と、仮接合工程と、配置工程と、内側摩擦攪拌工程と、除去工程と、外側摩擦攪拌工程をこの順に行う。
突合せ工程及び仮接合工程は、第一実施形態と同等であるため説明を省略する。図10の(a)に示すように、配置工程では、筒状部材2と蓋部材3との内隅部に補助部材10を配置する。補助部材10は、長尺の平板形状を呈している。補助部材10は、内隅部に沿って環状に配置される。補助部材10は、蓋部材3の裏面3bに面接触するとともに、幅方向一方の辺が筒状部材2の内周面2bに接するように配置される。補助部材10の材質は、筒状部材2及び蓋部材3と同じ材料であることが好ましい。補助部材10の大きさは、後記する内側摩擦攪拌工程を行った際に、接合部が金属不足にならず、かつ、バリが過剰に残存しない程度に設定することが好ましい。
内側摩擦攪拌工程では、接合用回転ツールFの回転中心軸と蓋部材3の裏面3bとのなす角度が約45°となるように挿入する。そして、当該角度を保った状態で補助部材10をなぞるようにして接合用回転ツールFを相対移動させる。内側摩擦攪拌工程では、攪拌ピンF2のみを筒状部材2、蓋部材3及び補助部材10に接触させ、攪拌ピンF2の基端側は露出した状態で摩擦攪拌を行う。接合用回転ツールFの移動軌跡には塑性化領域W1が形成される。
除去工程では、摩擦攪拌接合によって発生したバリを除去する。除去工程では、残存する補助部材10を折り曲げるようにして切除することで、補助部材10ごとバリVを除去する。除去工程は、切削装置等を用いてもよいが、本実施形態では手作業で行っている。
外側摩擦攪拌工程では、第一実施形態の外側摩擦攪拌工程と同じ要領で突合せ部J1に対して筒状部材2の外側から摩擦攪拌接合を行う。外側摩擦攪拌工程では、図10の(b)に示すように、外側摩擦攪拌工程で形成された塑性化領域W2と塑性化領域W1とが接触するように、接合用回転ツールFの挿入深さを設定することが好ましい。これにより、突合せ部J1の深さ方向全体を摩擦攪拌接合することができ、接合強度、水密性及び気密性を高めることができる。
以上説明した本実施形態によっても第一実施形態と略同等の効果を奏することができる。
[第四実施形態]
次に、本発明の第四実施形態に係る接合方法について説明する。第四実施形態に係る接合方法では、第二実施形態に近似する形態であって、主に、工程の順番が第二実施形態と相違する。第四実施形態では、第二実施形態と相違する部分を中心に説明する。
第四実施形態に係る接合方法は、突合せ工程と、仮接合工程と、補助部材配置工程と、内側摩擦攪拌工程と、除去工程と、外側摩擦攪拌工程をこの順に行う。
突合せ工程及び仮接合工程は、第二実施形態と同等であるため説明を省略する。図11の(a)に示すように蓋部材配置工程では、第二実施形態と同じ要領で筒状部材2Aと蓋部材3Aとの内隅部に突合せ部J1を覆うように補助部材11を配置する。本実施形態では、仮接合工程を行った後に、配置工程を行うため、配置工程を安定して行うことができる。
内側摩擦攪拌工程では、第二実施形態の内側摩擦攪拌工程と同じ要領で補助部材11及び突合せ部J1に対して筒状部材2Aの内側から摩擦攪拌接合を行う。図11の(b)に示すように、内側摩擦攪拌工程によって突合せ部J1には塑性化領域W1が形成される。
外側摩擦攪拌工程では、第二実施形態の外側摩擦攪拌工程と同じ要領で突合せ部J1に対して筒状部材2Aの外側から摩擦攪拌接合を行う。外側摩擦攪拌工程では、図11の(b)に示すように、外側摩擦攪拌工程で形成された塑性化領域W2と塑性化領域W1とが接触するように、接合用回転ツールFの挿入深さを設定することが好ましい。これにより、突合せ部J1の深さ方向全体を摩擦攪拌接合することができ、接合強度、水密性及び気密性を高めることができる。
以上説明した本実施形態によっても第二実施形態と略同等の効果を奏することができる。
1 構造体
1A 構造体
2 筒状部材
2A 筒状部材
3 蓋部材
3A 蓋部材
10 補助部材
11 補助部材
F 接合用回転ツール(回転ツール)
F2 攪拌ピン
J1 突合せ部
W0 塑性化領域
W1 塑性化領域
W2 塑性化領域

Claims (9)

  1. 金属製の筒状部材と当該筒状部材の開口部を覆う金属製の蓋部材とを接合する接合方法であって、
    前記筒状部材の外周面と前記蓋部材の外周面とが面一になるように前記筒状部材と前記蓋部材とを突き合わせて突合せ部を形成する突合せ工程と、
    前記突合せ部に対して前記筒状部材の外側から摩擦攪拌を行う外側摩擦攪拌工程と、
    前記筒状部材と前記蓋部材とで構成される内隅部において、前記筒状部材または前記蓋部材に面接触するように板状の補助部材を配置する配置工程と、
    回転ツールの攪拌ピンのみを前記筒状部材、前記蓋部材及び前記補助部材に接触させた状態で前記回転ツールを前記内隅部に沿って相対移動させて、前記筒状部材の内側から摩擦攪拌を行う内側摩擦攪拌工程と、を含む
    ことを特徴とする接合方法。
  2. 前記外側摩擦攪拌工程および前記内側摩擦攪拌工程の前に、前記攪拌ピンのみを前記筒状部材の外側から前記筒状部材および前記蓋部材に接触させた状態で前記突合せ部に対してスポット仮接合を行う仮接合工程を含む
    ことを特徴とする請求項1に記載の接合方法。
  3. 前記外側摩擦攪拌工程および前記内側摩擦攪拌工程の前に、TIG,MIGまたはレーザー溶接によって前記突合せ部に対してスポット仮接合を行う仮接合工程を含む
    ことを特徴とする請求項1に記載の接合方法。
  4. 摩擦攪拌接合によってバリが形成された前記補助部材を前記前記筒状部材または前記蓋部材から除去する除去工程を、さらに含む
    ことを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の接合方法。
  5. 前記内側摩擦攪拌工程では、摩擦攪拌接合によって発生するバリが前記補助部材に形成されるように、接合条件を設定する
    ことを特徴とする請求項4に記載の接合方法。
  6. 金属製の筒状部材と当該筒状部材の開口部を覆う金属製の蓋部材とを接合する接合方法であって、
    前記筒状部材の外周面と前記蓋部材の外周面とが面一になるように前記筒状部材と前記蓋部材とを突き合わせて突合せ部を形成する突合せ工程と、
    前記突合せ部に対して前記筒状部材の外側から摩擦攪拌を行う外側摩擦攪拌工程と、
    前記筒状部材と前記蓋部材とで構成される内隅部において、前記筒状部材および前記蓋部材に面接触するように断面L字状の補助部材を配置する配置工程と、
    回転ツールの攪拌ピンのみを前記筒状部材、前記蓋部材及び前記補助部材に接触させた状態で前記回転ツールを前記内隅部に沿って相対移動させて、前記筒状部材の内側から摩擦攪拌を行う内側摩擦攪拌工程と、を含む
    ことを特徴とする接合方法。
  7. 前記外側摩擦攪拌工程および前記内側摩擦攪拌工程の前に、前記攪拌ピンのみを前記筒状部材の外側から前記筒状部材および前記蓋部材に接触させた状態で前記突合せ部に対してスポット仮接合を行う仮接合工程を含む
    ことを特徴とする請求項6に記載の接合方法。
  8. 前記外側摩擦攪拌工程および前記内側摩擦攪拌工程の前に、TIG,MIGまたはレーザー溶接によって前記突合せ部に対してスポット仮接合を行う仮接合工程を含む
    ことを特徴とする請求項6に記載の接合方法。
  9. 前記内側摩擦攪拌工程での摩擦攪拌接合によって分断されるとともにバリが形成された前記補助部材を前記前記筒状部材および前記蓋部材から除去する除去工程を、さらに含む
    ことを特徴とする請求項6乃至請求項8のいずれか1項に記載の接合方法。
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