JP4782186B2 - 重ね摩擦攪拌接合方法及びその方法で製造された構造体 - Google Patents

重ね摩擦攪拌接合方法及びその方法で製造された構造体 Download PDF

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本発明は、摩擦攪拌接合方法(Friction Stir Welding:FSW)及びその方法により製造された構造体に関する。
従来より、一対の板材を重ね合わせ、この重ね合わせ部の一方の板材側表面からツールを押し当てて重ね合わせ部に沿って移動させることにより一対の板材を接合する重ね摩擦攪拌接合方法が提案されている(例えば、特許文献1)。
図13は、従来の重ね摩擦攪拌接合方法の一例を示している。
図13(a)に示すように、重ね摩擦攪拌接合方法では、一対のアルミ板等の板材11,12を接合するためにツール13を使用する。
ツール13は、軸心Cを中心に回転する硬質な丸棒であり、ショルダ部14とネジ部15とを備えている。
図13(a)に示すように、ショルダ部14は、ツール13の先端部13aに設けられ、攪拌された一対の板材11,12を押さえ込むために平坦に形成されている。
ネジ部15は、ショルダ部14から下向きに突出するように設けられている。ネジ部15の外周面にはネジ溝(図示せず)が形成されており、ネジの巻き方向は左方向となっている(左ネジ)。また、ネジ部15の高さhは、一対の板材11,12の重ね合わせ部16に侵入し且つ突き抜けないように、上側の板材11の厚さtよりも大きく且つ両方の板材の合計t+tよりも小さく設定されている。
図13(a)に示すように、一対の板材11,12を接合する場合には、まず、一対の板材11,12を重ね合わせ、この重ね合わせ部16の上側の板材11側表面からツール13を回転方向R(右回り)で回転させつつ押し当てる。この際、ネジ部15と上側の板材11との間の摩擦熱により上側の板材11が軟化する。
そして、図13(a)に示すように、ツール13を1点鎖線の位置まで押し込むと、ネジ部15と下側の板材12との間の摩擦熱により下側の板材12も軟化する。
さらに、図13(b)に示すように、この状態でツール13を重ね合わせ部16に沿って矢印T方向に移動させると、ネジ部15の周囲の軟化した両板材11,12が攪拌及び塑性流動し、その結果、接合部17が形成される。
特開2002−35962号公報
一方、上述の重ね摩擦攪拌接合方法では、板材11,12の表面に存在する酸化層を除去することなく重ね合わせて接合するので、ツール13による攪拌が不足すると、酸化層が残存し、その結果、酸化層が残存した部分については接合力が弱くなるという問題がある。
詳細には、上述の重ね摩擦攪拌接合方法において、ツール13による攪拌効果は、ツール13の回転方向Rとツール13の移動方向Tとが一致した側AS(アドバンシングサイド)と、ツール13の回転方向Rとツール13の移動方向Tとが反対となる側RS(リトリーティングサイド)とで異なる。特に、リトリーティングサイドRSでは、ツール13の回転方向が移動方向Tとは反対になっているので、回転の相対速度が小さくなり、攪拌不足となる。その結果、リトリーティングサイドRSでは、酸化層が残存して接合力が弱くなる。
図14は、図13の重ね摩擦攪拌接合方法により製造された構造体の断面図を示している。
上述の重ね摩擦攪拌接合方法では、ネジ部15の巻き方向と反対の方向にツール13を回転させているので、板材11,12の界面18付近のリトリーティングサイドRSでは軟化した板材11,12が上向きに流動し、ツール13の直下付近では軟化した板材11,12が下向きに流動する。したがって、図14の符号19で示すように、板材11,12間の界面18の酸化層は、横向きのS字を描くように残存することになる。
図14に示すように、一対の板材11,12に対して互いに引張り合うように反対方向の力F,Fが作用すると、酸化層が残存した部分は接合力が弱いので、板材11,12の界面18のリトリーティングサイドRSから残存した酸化層19に沿って亀裂が入って破断し易いという問題があった。
本発明はこのような実状に鑑みてなされたものであって、その目的は、リトリーティングサイドから亀裂が入りにくくすることが可能な重ね摩擦攪拌接合方法及びその方法により製造された構造体を提供することである。
上記従来技術の有する課題を解決するために、請求項1の本発明では、一対の板材を重ね合わせ、この重ね合わせ部の一方の板材側表面からネジが形成されたツールを押し当てて前記重ね合わせ部に沿って移動させることにより前記一対の板材を接合する重ね摩擦攪拌接合方法において、前記ネジの巻き方向と反対の方向に前記ツールを回転させて、前記一方の板材の前記重ね合わせ部の端部と反対側にアドバンシングサイドを形成する。
請求項2の本発明では、一対の板材を重ね合わせ、この重ね合わせ部の一方の板材側表面からネジが形成されたツールを押し当てて前記重ね合わせ部に沿って移動させることにより前記一対の板材を接合する重ね摩擦攪拌接合方法において、前記ネジの巻き方向と同一の方向に前記ツールを回転させて、前記一方の板材の前記重ね合わせ部の端部と反対側にリトリーティングサイドを形成する。
請求項3の本発明では、一対の板材を重ね合わせ、この重ね合わせ部の一方の板材側表面からネジが形成されたツールを押し当てて前記重ね合わせ部に沿って移動させることにより前記一対の板材を接合する重ね摩擦攪拌接合方法において、前記重ね合わせ部の前記一方の板材側において前記ツールを一方の方向に移動させて、アドバンシングサイド及びリトリーティングサイドを形成し、その後に前記ツールを前記方向と反対方向に移動させて、リトリーティングサイドを囲うようにアドバンシングサイドを溶接線の両端に形成する。
請求項4の本発明では、一対の板材を重ね合わせ、この重ね合わせ部の一方の板材側表面からネジが形成されたツールを押し当てて前記重ね合わせ部に沿って移動させることにより前記一対の板材を接合する重ね摩擦攪拌接合方法において、前記ネジの巻き方向と同一の方向に前記ツールを回転させながら前記重ね合わせ部の前記一方の板材側において前記ツールを一方の方向に移動させて、アドバンシングサイド及びリトリーティングサイドを形成し、その後に前記ツールを前記方向と反対方向に移動させて、アドバンシングサイドを囲うようにリトリーティングサイドを溶接線の両端に形成する。
請求項5の本発明では、請求項1ないし請求項4のいずれか一項に記載の重ね摩擦攪拌接合方法により、板材を重ね合わせて接合してなる構造体が提供される。
本発明に係る請求項1の重ね摩擦攪拌接合方法によれば、一対の板材を重ね合わせ、この重ね合わせ部の一方の板材側表面からネジが形成されたツールを押し当てて前記重ね合わせ部に沿って移動させることにより前記一対の板材を接合する重ね摩擦攪拌接合方法において、前記ネジの巻き方向と反対の方向に前記ツールを回転させて、前記一方の板材の前記重ね合わせ部の端部と反対側にアドバンシングサイドを形成するので、板材間の界面に平行で且つ互いに反対方向の力が作用した場合において、接合部のリトリーティングサイド側端部(亀裂の起点)における亀裂が入る方向が、その亀裂の起点の位置に作用する上下方向の分力の方向と重ならなくなり、その結果、リトリーティングサイドから亀裂が入りにくくなる。したがって、リトリーティングサイドにおいて亀裂が入り易いという欠点を低減し、一対の板材間の接合強度を高めることができる。
本発明に係る請求項2の重ね摩擦攪拌接合方法によれば、一対の板材を重ね合わせ、この重ね合わせ部の一方の板材側表面からネジが形成されたツールを押し当てて前記重ね合わせ部に沿って移動させることにより前記一対の板材を接合する重ね摩擦攪拌接合方法において、前記ネジの巻き方向と同一の方向に前記ツールを回転させて、前記一方の板材の前記重ね合わせ部の端部と反対側にリトリーティングサイドを形成するので、板材間の界面に平行で且つ互いに反対方向の力が作用した場合において、接合部のリトリーティングサイド側端部(亀裂の起点)における亀裂が入る方向が、その亀裂の起点の位置に作用する上下方向の分力の方向と重ならなくなり、その結果、リトリーティングサイドから亀裂が入りにくくなる。したがって、リトリーティングサイドにおいて亀裂が入り易いという欠点を低減し、一対の板材間の接合強度を高めることができる。
本発明に係る請求項3の重ね摩擦攪拌接合方法によれば、一対の板材を重ね合わせ、この重ね合わせ部の一方の板材側表面からネジが形成されたツールを押し当てて前記重ね合わせ部に沿って移動させることにより前記一対の板材を接合する重ね摩擦攪拌接合方法において、前記重ね合わせ部の前記一方の板材側において前記ツールを一方の方向に移動させて、アドバンシングサイド及びリトリーティングサイドを形成し、その後に前記ツールを前記方向と反対方向に移動させて、リトリーティングサイドを囲うようにアドバンシングサイドを溶接線の両端に形成するので、亀裂が入り易いリトリーティングサイドを接合強度が強いアドバンシングサイドで囲うことになり、板材間の界面に平行で且つ互いに反対方向の力が作用した場合において、板材間の界面から亀裂が入りにくくなる。これにより、一対の板材間の接合強度を高めることができる。
本発明に係る請求項4の重ね摩擦攪拌接合方法によれば、一対の板材を重ね合わせ、この重ね合わせ部の一方の板材側表面からネジが形成されたツールを押し当てて前記重ね合わせ部に沿って移動させることにより前記一対の板材を接合する重ね摩擦攪拌接合方法において、前記ネジの巻き方向と同一の方向に前記ツールを回転させながら前記重ね合わせ部の前記一方の板材側において前記ツールを一方の方向に移動させて、アドバンシングサイド及びリトリーティングサイドを形成し、その後に前記ツールを前記方向と反対方向に移動させて、アドバンシングサイドを囲うようにリトリーティングサイドを溶接線の両端に形成するので、接合部のリトリーティングサイド側端部(亀裂の起点)における亀裂が入る方向が、その亀裂の起点の位置に作用する上下方向の分力の方向と重ならなくなり、その結果、リトリーティングサイドから亀裂が入りにくくなる。したがって、リトリーティングサイドにおいて亀裂が入り易いという欠点を低減し、一対の板材間の接合強度を高めることができる。
本発明に係る請求項5の摩擦攪拌接合の構造体によれば、請求項1ないし請求項4のいずれか一項に記載の重ね摩擦攪拌接合方法により、板材を重ね合わせて接合しているので、請求項1ないし請求項4のいずれかと同様の作用効果を奏する構造体を得ることができる。
以下、本発明に係る重ね摩擦攪拌接合方法を、図面を参照しながら説明する。
[第1実施形態]
図1は、本発明の第1実施形態に係る重ね摩擦攪拌接合方法を示している。
図1(a)に示すように、本実施形態に係る重ね摩擦攪拌接合方法では、一対の板材1,2を接合するためにツール3を使用する。ツール3は、軸心Cを中心に回転する硬質な丸棒であり、ショルダ部4とネジ部5とを備えている。ここで、ショルダ部4とネジ部5の構成は、上述した図13の従来例と同様の構成となっている。なお、本実施形態のツール3のネジ部5は、ネジの巻き方向が左方向となっている(左ネジ)。
図1(a)に示すように、本実施形態に係る重ね摩擦攪拌接合方法では、まず、一対の板材1,2を重ね合わせ、この重ね合わせ部6の上側の板材1側表面からツール3を回転させつつ押し当てる。この際、本実施形態では、ツール3は、ネジの巻き方向と反対方向R(右回り)に回転させる。
そして、ツール3のショルダ部4が上側の板材1の表面に接する位置(1点鎖線の位置)までツール3を押し込み、この状態でツール3を重ね合わせ部6に沿って移動させる。この際、本実施形態では、図1(b)に示すように、上側の板材1の重ね合わせ部6の端部1aと反対側にアドバンシングサイドASを形成するようにツール3をT方向に移動させる。これにより、ツール3のネジ部5の周囲の軟化した板材1,2が攪拌及び流動され、その結果、接合部7が形成される。
次に、本実施形態に係る重ね摩擦攪拌接合方法により製造された構造体のせん断引張試験の結果について説明する。
せん断引張試験とは、接合された一対の板材1,2に対して界面8と平行で且つ互いに反対方向となる荷重をかけ、せん断強度(MPa)を測定するものである。
このせん断引張試験においては、板材1,2は、材質がA6N01で且つ板厚が2.5mmのものを使用した。また、ツール3のネジ部5の長さを3.5mmのものを使用した。また、ツール3の回転方向は右回りとし、ツール3は前進方向に対して3度傾斜させている(すなわち、前進角が3度)。
図2は、本実施形態に係る重ね摩擦攪拌接合方法により製造された構造体に対してせん断引張試験を行った場合のせん断の過程を示している。
図2に示すように、本実施形態に係る構造体は、図2(a)の状態から矢印方向に荷重F,Fが付加されると、図2(b)のように、板材1,2の重ね合わせ部6に曲げが生じる。そして、接合部7におけるリトリーティングサイドRS側端部から横方向に亀裂が入る。最終的には、残存する酸化層9沿ってS字に亀裂が入って、板材1,2がせん断されることになる。
一方、図3は、本実施形態に対する比較例の方法を示しており、本実施形態とネジ部5の巻き方向及びツール3の回転方向Rは同じ設定とし、ツール3の移動方向Tを本実施形態と反対にした方法である。したがって、比較例の方法は、本実施形態に対してアドバンシングサイドASとリトリーティングサイドRSとが反対になる。
図4は、本実施形態に対する比較例の構造体にせん断引張試験を行った場合のせん断の過程を示している。
図4(a)に示すように、比較例の構造体は、上側の板材1の重ね合わせ部6の端部1aと反対側にリトリーティングサイドRSを形成したものである。
図4(b)のように、比較例の構造体は、矢印方向に荷重F,Fが付加されると、板材1,2の重ね合わせ部6に曲げが生じる。そして、接合部7におけるリトリーティングサイドRS側端部から上方向に亀裂が入る。最終的には、板材1,2の界面8のリトリーティングサイドRSから残存する酸化層9に沿ってS字に亀裂が入って、板材1,2がせん断されることになる。
図5は、本実施形態に係る構造体と図4の比較例の構造体とのせん断引張試験の結果を示している。ここで、接合方向Aは、本実施形態に係る構造体を示し、接合方向Bは、図4の比較例の構造体を示している。また、回転数は、ツールの回転数を示しており、移動速度は、ツールの移動速度を示している。
図5に示すように、接合方向Aの構造体(本実施形態に係る構造体)は、いずれの回転数及び移動速度においても、接合方向Bの構造体と比較してせん断引張強さが強い結果となった。
これは、図4(b)に示すように、接合方向Bの構造体の場合には、接合部7のリトリーティングサイドRS側端部(亀裂の起点)における亀裂の入る方向が、その亀裂の起点の位置に作用する上下方向の分力の方向と重なってしまい、亀裂が入り易くなってしまうことが考えられる。
これに対し、本実施形態の場合には、図2(b)に示すように、接合部7のリトリーティングサイドRS側端部(亀裂の起点)における亀裂の入る方向が、その亀裂の起点の位置に作用する上下方向の分力の方向と重ならない(すなわち、本実施形態では、亀裂の起点の位置での亀裂の入る方向は横方向)ので、リトリーティングサイドRSから亀裂が入りにくくなり、せん断引張強さが強くなると考えられる。
上述のように、第1実施形態に係る重ね摩擦攪拌接合方法によれば、一対の板材1,2を重ね合わせ、この重ね合わせ部6の上側の板材1側表面からネジ部5が形成されたツール3を押し当てて重ね合わせ部6に沿って移動させることにより一対の板材1,2を接合する重ね摩擦攪拌接合方法において、ネジ部5の巻き方向と反対の方向Rにツール3を回転させて、上側の板材1の重ね合わせ部6の端部1aと反対側にアドバンシングサイドASを形成するので、板材1,2間の界面8に平行で且つ互いに反対方向の力F,Fが作用した場合において、接合部7のリトリーティングサイドRS側端部における亀裂が入る方向が、その亀裂の起点の位置に作用する上下方向の分力の方向と重ならなくなり、その結果、リトリーティングサイドRSから亀裂が入りにくくなる。したがって、リトリーティングサイドRSにおいて亀裂が入り易いという欠点を低減し、一対の板材1,2間の接合強度を高めることができる。
[第2実施形態]
次に、図6を用いて、本発明の第2実施形態に係る重ね摩擦攪拌接合方法を説明する。図6は、本発明の第2実施形態に係る重ね摩擦攪拌接合方法を上方から見た図である。
本実施形態に係る重ね摩擦攪拌接合方法では、第1実施形態と同様のツール3を使用する。ここで、本実施形態のツール3のネジ部5は、ネジの巻き方向が左方向となっている(左ネジ)。
図6に示すように、本実施形態に係る重ね摩擦攪拌接合方法では、まず、一対の板材1,2を重ね合わせ、この重ね合わせ部6の上側の板材1側表面からツール3をR方向に回転させつつ押し当てる。この際、本実施形態では、ツール3は、ネジの巻き方向と同一の方向R(左回り)に回転させる。
そして、ツール3のショルダ部(図示せず)が上側の板材1の表面に接する位置までツール3を押し込み、この状態でツール3を重ね合わせ部6に沿って方向Tに移動させる。これにより、ツール3のネジ部5の周囲の軟化した板材1,2が攪拌及び流動され、その結果、接合部7が形成される。
次に、図7を用いて本実施形態に係る重ね摩擦攪拌接合方法により製造された構造体に対してせん断引張試験を行った結果について説明する。図7は、第2実施形態に係る重ね摩擦攪拌接合方法により製造された構造体に対してせん断引張試験を行った場合のせん断の過程を示している。
図7(a)に示すように、本実施形態では、上述の方法により上側の板材1の重ね合わせ部6の端部1aと反対側にリトリーティングサイドRSが形成されている。
図7(b)に示すように、本実施形態に係る構造体は、矢印方向に荷重F,Fが付加されると、重ね合わせ部6に曲げが生じる。そして、接合部7におけるリトリーティングサイドRS側端部から横方向に亀裂が入る。最終的には、残存する酸化層9沿ってS字に亀裂が入って、板材1,2がせん断されることになる。
ここで、本実施形態では、ツール3をネジの巻き方向と同一の方向に回転させているので、板材1,2の界面8付近のリトリーティングサイドRSでは軟化した板材1,2が下向きに流動し、ツール3の直下付近では軟化した板材1,2が上向きに流動する。つまり、図7(a)及び(b)の符号9に示すように、本実施形態では、第1実施形態の場合とは反対向きのS字に酸化層が残存する。
したがって、せん断引張試験を行った場合には、接合部7のリトリーティングサイドRS側端部(亀裂の起点)における亀裂が入る方向が、その亀裂の起点の位置に作用する上下方向の分力の方向と重ならなくなる。これにより、リトリーティングサイドRSから亀裂が入りにくくなり、せん断引張強さが強くなる。
上述のように、第2実施形態に係る重ね摩擦攪拌接合方法によれば、一対の板材1,2を重ね合わせ、この重ね合わせ部6の上側の板材1側表面からネジ部5が形成されたツール3を押し当てて重ね合わせ部6に沿って移動させることにより一対の板材1,2を接合する重ね摩擦攪拌接合方法において、ネジ部5の巻き方向と同一の方向にツール3を回転させて、上側の板材1の重ね合わせ部6の端部1aと反対側にリトリーティングサイドRSを形成するので、板材1,2間の界面8に平行で且つ互いに反対方向の力F,Fが作用した場合において、接合部7のリトリーティングサイドRS側端部における亀裂が入る方向が、その亀裂の起点の位置に作用する上下方向の分力の方向と重ならなくなり、その結果、リトリーティングサイドRSから亀裂が入りにくくなる。したがって、リトリーティングサイドRSにおいて亀裂が入り易いという欠点を低減し、一対の板材1,2間の接合強度を高めることができる。
[第3実施形態]
次に、図8及び図9を用いて、本発明の第3実施形態に係る重ね摩擦攪拌接合方法を説明する。図8は、本発明の第3実施形態に係る重ね摩擦攪拌接合方法を上方から見た図である。図9は、図8のA−A線断面図である。
図8に示すように、本実施形態に係る重ね摩擦攪拌接合方法では、第1実施形態と同様のツール3を使用する。ここで、本実施形態のツール3のネジ部5は、ネジの巻き方向が左方向となっている(左ネジ)。
図8に示すように、本実施形態に係る重ね摩擦攪拌接合方法では、第1のステップとして、一対の板材1,2を重ね合わせ、この重ね合わせ部6の上側の板材1側表面からツール3を回転させつつ押し当てる。この際、本実施形態では、ツール3は、ネジの巻き方向と反対方向R(右回り)に回転させる。
第2のステップとして、ツール3のショルダ部(図示せず)が上側の板材1の表面に接する位置までツール3を押し込み、この状態で、図8に示すように、ツール3を上側の板材1の重ね合わせ部6の端部1bから端部1cへ向かって移動させる。この際、上側の板材1の重ね合わせ部6の端部1aと反対側にアドバンシングサイドASが形成され、上側の板材1の重ね合わせ部6の端部1a側にリトリーティングサイドRSが形成される。
そして、第3のステップとして、ツール3が上側の板材1の重ね合わせ部6の端部1cの近傍まで移動した後、ツール3を上側の板材1の長手方向に沿って重ね合わせ部6の端部1aに向かって移動させる。
最後に、第4のステップとして、ツール3を上側の板材1の重ね合わせ部6の端部1cから端部1bへ向かって移動させる。この際、上側の板材1の重ね合わせ部6の端部1a側にアドバンシングサイドASが形成され、上側の板材1の重ね合わせ部6の端部1aと反対側にリトリーティングサイドRSが形成される。
以上により、図9に示すように、アドバンシングサイドAS,ASがリトリーティングサイドRS,RSを囲うように溶接線の両端に形成された接合部7が形成される。
一方、図10は、本実施形態に対する比較例の方法を示した図である。また、図11は、図10のB−B線断面図である。
図10に示すように、比較例の方法は、ツール3を本実施形態と反対に移動させて、リトリーティングサイドRS,RSでアドバンシングサイドAS,ASを囲うように形成する。
図11に示すように、比較例の構造体は、一対の板材1,2に矢印方向に荷重F,Fが付加されると、リトリーティングサイドRS,RSが重ね合わせ部6の周囲に沿って形成されているので、板材1,2の界面8の周囲から残存する酸化層9に沿って亀裂が入り、せん断し易くなってしまう。
これに対し、本実施形態に係る構造体は、図9に示すように、接合力が強いアドバンシングサイドAS,ASがリトリーティングサイドRS,RSの残存する酸化層9を囲むように重ね合わせ部6の外側に形成されているので、板材1,2の界面8から亀裂に入りにくくなり、せん断引張強さが強くなる。
上述のように、第3実施形態に係る重ね摩擦攪拌接合方法によれば、一対の板材1,2を重ね合わせ、この重ね合わせ部6の上側の板材1側表面からネジ部5が形成されたツール3を押し当てて重ね合わせ部6に沿って移動させることにより一対の板材1,2を接合する重ね摩擦攪拌接合方法において、重ね合わせ部6の上側の板材1側においてツール3を一方の方向に移動させて、アドバンシングサイドAS及びリトリーティングサイドRSを形成し、その後にツール3を前記方向と反対方向に移動させて、リトリーティングサイドRS,RSを囲うようにアドバンシングサイドAS,ASを溶接線の両端に形成するので、亀裂が入り易いリトリーティングサイドRS,RSを接合強度が強いアドバンシングサイドAS,ASで囲うことになり、板材1,2間の界面8に平行で且つ互いに反対方向の力F,Fが作用した場合において、板材1,2間の界面8から亀裂が入りにくくなる。これにより、一対の板材1,2間の接合強度を高めることができる。
[第4実施形態]
次に、図12を用いて、本発明の第4実施形態に係る重ね摩擦攪拌接合方法を説明する。図12は、本発明の第4実施形態に係る重ね摩擦攪拌接合方法により製造された構造体の断面図である。
本実施形態に係る重ね摩擦攪拌接合方法は、図8の第3実施形態と同じようにツール3を移動させる。ただし、本実施形態では、ツール3の回転方向を第3の実施形態とは反対とする。すなわち、本実施形態では、ツール3は、ネジの巻き方向と同一方向(左回り)に回転させる。
したがって、図12に示すように、本実施形態では、リトリーティングサイドRS,RSが、アドバンシングサイドAS,ASを囲うように溶接線の両端に形成された接合部7が形成される。
ここで、本実施形態では、ツール3をネジの巻き方向と同一の方向に回転させているので、板材1,2の界面8付近のリトリーティングサイドRS,RSでは軟化した板材1,2が下向きに流動し、ツール3の直下付近では軟化した板材1,2が上向きに流動する。つまり、図12の符号9に示すように、本実施形態では、溶接線の両端に酸化層9が残存するが、図11の場合とは反対向きのS字に酸化層9が残存する。
したがって、図12に示すように矢印方向に荷重F,Fが付加されると、接合部7のリトリーティングサイドRS,RS側端部(亀裂の起点)における亀裂が入る方向が、その亀裂の起点の位置に作用する上下方向の分力の方向と重ならなくなる。これにより、リトリーティングサイドRS,RSから亀裂が入りにくくなり、せん断引張強さが強くなる。
上述のように、第4実施形態に係る重ね摩擦攪拌接合方法によれば、一対の板材1,2を重ね合わせ、この重ね合わせ部6の一方の板材1側表面からネジが形成されたツール3を押し当てて重ね合わせ部6に沿って移動させることにより一対の板材1,2を接合する重ね摩擦攪拌接合方法において、ネジの巻き方向と同一の方向Rにツール3を回転させながら重ね合わせ部6の一方の板材1側においてツール3を一方の方向に移動させて、アドバンシングサイドAS及びリトリーティングサイドRSを形成し、その後にツール3を前記方向と反対方向に移動させて、アドバンシングサイドAS,ASを囲うようにリトリーティングサイドRS,RSを溶接線の両端に形成するので、接合部7のリトリーティングサイドRS,RS側端部(亀裂の起点)における亀裂が入る方向が、その亀裂の起点の位置に作用する上下方向の分力の方向と重ならなくなり、その結果、リトリーティングサイドRS,RSから亀裂が入りにくくなる。したがって、リトリーティングサイドRS,RSにおいて亀裂が入り易いという欠点を低減し、一対の板材1,2間の接合強度を高めることができる。
以上、本発明の実施の形態につき述べたが、本発明は既述の実施形態に限定されるものでなく、本発明の技術的思想に基づいて各種の変形及び変更が可能である。
上述の第3実施形態では、リトリーティングサイドRS,RSがアドバンシングサイドAS,ASに囲まれればよく、ツールの回転方向はネジの巻き方向と同一としてもよい。
上述の実施形態では、一対の板材を接合しているが、一対に限らず、それ以上の枚数を重ねて上述の重ね摩擦攪拌接合方法を用いてもよい。
(a)は、本発明の第1実施形態に係る重ね摩擦攪拌接合方法を示した断面図であり、(b)は、(a)の方法を上方から見た図である。 本発明の第1実施形態に係る重ね摩擦攪拌接合方法により製造された構造体に対してせん断引張試験を行った場合のせん断の過程を示した図である。 本発明の第1実施形態に対する比較例の方法を上方から見た図である。 本発明の第1実施形態に対する比較例の構造体に対してせん断引張試験を行った場合のせん断の過程を示した図である。 本発明の第1実施形態に係る構造体と図4の比較例の構造体とのせん断引張試験の結果を示した図である。 本発明の第2実施形態に係る重ね摩擦攪拌接合方法を上方から見た図である。 本発明の第2実施形態に係る重ね摩擦攪拌接合方法により製造された構造体の断面図である。 本発明の第3実施形態に係る重ね摩擦攪拌接合方法を上方から見た図である。 図8のA−A線断面図である。 本発明の第3実施形態に対する比較例の方法を上方から見た図である。 図10のB−B線断面図である。 本発明の第4実施形態に係る重ね摩擦攪拌接合方法により製造された構造体の断面図である。 (a)は、従来の重ね摩擦攪拌接合方法を示した断面図であり、(b)は、(a)の方法を上方から見た図である。 従来の重ね摩擦攪拌接合方法により製造された構造体の断面図である。
符号の説明
1,2 板材
1a 上側の板材の端部
3 ツール
4 ショルダ部
5 ネジ部
6 重ね合わせ部
7 接合部
8 界面
9 酸化層
11,12 (従来)板材
13 (従来)ツール
14 (従来)ショルダ部
15 (従来)ネジ部
16 (従来)重ね合わせ部
17 (従来)接合部
18 (従来)界面
19 (従来)酸化層
,t 板材の板厚
h ネジ部の高さ
C ツールの軸心
,F 板材にかかる荷重
R ツールの回転方向
T ツールの移動方向
AS,AS,AS アドバンシングサイド
RS,RS,RS リトリーティングサイド

Claims (2)

  1. 一対の板材を重ね合わせ、この重ね合わせ部の一方の板材側表面からネジが形成されたツールを押し当てて前記重ね合わせ部に沿って移動させることにより前記一対の板材を接合する重ね摩擦攪拌接合方法において、
    前記ネジの巻き方向と同一の方向に前記ツールを回転させながら前記重ね合わせ部の前記一方の板材側において前記ツールを一方の方向に移動させて、アドバンシングサイド及びリトリーティングサイドを形成し、その後に前記ツールを前記方向と反対方向に移動させて、アドバンシングサイドを囲うようにリトリーティングサイドを溶接線の両端に形成することを特徴とする重ね摩擦攪拌接合方法。
  2. 請求項1に記載の重ね摩擦攪拌接合方法により、板材を重ね合わせて接合してなることを特徴とする構造体。
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