JP4883885B2 - 生体部材及びその製造方法並びに人工関節 - Google Patents

生体部材及びその製造方法並びに人工関節 Download PDF

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本発明は、セラミック焼結体からなる生体部材及びその製造方法並びに人工関節に関するものである。
アルミナセラミックスやジルコニアセラミックスは生体不活性な材料である上、機械的強度、耐摩耗性に優れることから人工関節や人工歯根といった医療用材料としての適用が進んでいる。例えば、人工股関節では、金属に比べ、アルミナもしくはジルコニアセラミックス/超高分子量ポリエチレンの組合せが摩耗しにくく、且つ欠陥も生じにくいとされていることから、骨頭にセラミックスが、臼蓋ソケットに超高分子ポリエチレンが採用されてきた(特許文献1参照)。
さらに、アルミナセラミックス同士の摺動部を有した人工股関節も開発されている(特許文献2参照)。
また、アルミナとジルコニアを一定の比率で複合化する場合は、結晶粒の微細化効果によりそれぞれの単体よりも高い強度が得られることが注目されている(例えば非特許文献1参照)。
また、上記複合材の製造コスト低減若しくは特性改善の目的で、更に種々の添加物を少量に複合化する研究が行われている。例えば、アルミナが70質量%以上の組成範囲でSiO、MgO、及びCaOを添加することにより低温での緻密化焼結を実現し、低い製造コストで耐摩耗性に優れた材料が開示されている(例えば特許文献3、特許文献4参照)。
更に、周期律表5A族金属酸化物とSiOを同時に添加して、異方性成長促進する効果による高靭性アルミナ、ジルコニア複合材料が開示されている(例えば特許文献5参照)。
特公平06−22572号公報 特開2000−16836号公報 特開平5−206514号公報 特開平9−221354号公報 特開2000−159568号公報 四方良一他、「粉体および粉末冶金」、社団法人粉体粉末冶金協会、1991年4月10日、第38巻、第3号 p.57−61
前記アルミナセラミックスは非常に優れた生体材料であるが、強度・靭性の点でジルコニアセラミックスに遠く及ばない。例えば、前述のアルミナセラミックス同士の摺動部を有した人工股関節では、アルミナセラミックスの強度、靭性では不十分で、残念ながら破壊に至った症例が報告されている。
一方、ジルコニアセラミックスは、アルミナセラミックスに比べて高強度・高靭性であるが、水が多く存在する生体内環境下で相変態が起こり易く、表面粗さが悪化する場合がある。表面粗さが悪化した場合、摺動部での摩耗に伴って摩耗粉が発生し、この摩耗粉が人工股関節近傍の組織内に蓄積されると、骨吸収を引き起こす。この骨吸収は、人工股関節と骨とのルーズニングの原因になる。このような摩耗粉の発生は、特に、ジルコニアセラミックス同士の摺動部で顕著となる。
前述の複合材については、形状異方性粒子の生成によって破壊靭性が向上する一方で、強度と硬度が低下することが知られている。破壊靭性をより高くする為には形状異方性粒子をより細長く成長させる必要があるが、粒子が大きくなるほど強度と硬度が低下する。前記特許文献5では、アルミナの異方性成長により靭性改善効果が見られたものの、曲げ強度が1050MPa以下となり、形状異方性粒子の生成によって強度が低下している。従って、高強度、高靭性材料を得るには、粒成長を抑えながら、靭性を向上する方法を検討する必要がある。
本発明は、そのような従来技術の課題に鑑みてなされたものであり、非常に高い強度・靭性を有する生体部材及びその製造方法並びに人工関節を提供することである。
本発明者らは、アルミナを主体としたAlとZrOからなる原料に一定量のSiO、TiOおよびMgOを添加して、1300℃〜1500℃という比較的低い温度範囲で焼結させることにより、結晶粒成長を効果的に抑制でき、得られた焼結体は従来の材料を超える高強度材料を得られることを見出し、本発明に至った。
すなわち、本発明は、Alを65〜96質量%、ZrOを4〜34.4質量%、SiOを0.20質量%以上、TiOを0.22質量%以上、MgOを0.12質量%以上含有し、かつSiO、TiO及びMgOの合計の含有割合が0.6〜4.5質量%であり、安定化剤としてYを含まないセラミック焼結体からなることを特徴とする生体部材に関する発明である。
本発明においては、更に
(1)前記Alの平均粒径が3μm以下、及びZrOの平均粒径が0.5μm以下であること、
(2)前記セラミックス焼結体におけるZrOの20%以上が正方晶であること、
(3)前記TiOとMgOの原子比Ti/Mgが0.5〜1.2の範囲であること、
(4)前記TiOとMgOの少なくとも一部がAl結晶に溶解して固溶体結晶を形成しており、その溶解量が合わせて該Alの0.1質量%以上に相当する量であること、
(5)前記Alの少なくとも一部の結晶粒内にTiとMgの酸化物若しくはこれらを含む複合酸化物粒子が分散して存在すること
が望ましい。
本発明におけるセラミック焼結体は、上記組成範囲のAlとZrOに添加剤としてSiO、TiOおよびMgOを一定割合含有させることにより、焼結の際にAlとZrOの結晶粒成長を抑制しながら、低い温度条件で焼結体を緻密化でき、微粒、高密度の組織形成により高強度化の実現が可能となる。
本発明におけるセラミックス焼結体は、その焼結体におけるAlの平均粒径が3μm以下で、ZrOの平均粒径が0.5μm以下であることが好ましい。また、ZrO総量の少なくとも20%以上が正方晶である焼結体であることが好ましい。
これらにより相変態強化効果を有効に発現することができる。また、前記添加剤の中でTiOとMgOの原子比(Ti/Mg)が0.5〜1.2の範囲のものが好ましい。これにより、強度低下の原因となる化合物の形成を抑制でき、より高強度化の焼結体を得ることが可能となる。
更に、前記TiOとMgOの少なくとも一部がAl結晶に溶解して固溶体結晶を形成しており、その溶解量が合わせて該Alの0.1質量%以上に相当する量とすることが望ましい。これによりAl結晶が固溶体形成により強化される。
更にまた、前記Alの少なくとも一部の結晶粒内にTiあるいはMgの少なくともいずれかの酸化物若しくはこれらが含まれる複合酸化物粒子が分散して存在することが望ましい。
TiあるいはMgの酸化物若しくは複合酸化物粒子の分散強化効果によりセラミック焼結体の強度と靭性を一層向上させることが可能となる。
また、本発明の生体部材の製造方法は、金属又は金属化合物を金属酸化物に換算した場合の含有割合としてAlが65〜96質量%、ZrOが4〜34.4質量%、SiOが0.20質量%以上、TiOが0.22質量%以上、MgOが0.12質量%以上、かつSiO、TiO及びMgOが合計で0.6〜4.5質量%となるようにAl、Zr、Si、Ti、Mgの金属又は金属化合物を混合する工程と、得られた混合セラミック粉末を所定形状に成形する工程と、得られた成形体を1300〜1500℃で焼成してセラミックス焼結体を得ることを特徴とする。
本発明においては、1300〜1500℃での焼成を酸化雰囲気で行うとともに、得られたセラミック焼結体を焼生成温度よりも60℃以上低い温度で還元雰囲気において熱処理する工程を有することが望ましい。
本発明においては特に、前記酸化雰囲気で得られた上記焼結体を、更に前記焼成温度よりも60℃以上低い温度で還元雰囲気において熱処理する工程を有することが望ましい。このような条件で焼結することにより、TiとMgの酸化物がAlでその溶解度が変化し、Alとは異なる化合物粒子がAlの結晶粒内に析出することが可能となる。
前記セラミック焼結体を用いた本発明の生体部材としては、人工骨頭のような、高強度が要求される無毒で生体になじみやすく、拒否反応を起こさない人工材料として人工骨、人工歯根などがある。特に、前記セラミック焼結体は生体内環境でのセラミック−セラミック摩耗特性に優れており、前記セラミック焼結体を、セラミック−セラミックの摺動面を有する人工関節に用いることができる。
本発明によれば、Al−ZrO系複合材において、組織微細化、高緻密化、相変態強化に加えて、固溶強化、粒子分散強化が可能であり、高硬度、高強度、高摩耗特性の生体部材とすることができる。
通常Al−ZrO系複合系では、Alの含有量が多いほどヤング率、硬度が高くなる反面、焼成温度が高いことによる粒成長が材料の強度を低下させる。しかし、Al−ZrO系原料粉末にSiO、TiO及びMgO原料粉末を添加して焼成すると、共晶点が1300℃以下になり、材料の焼結が大きく促進され、従来行われていた温度よりも低い温度でも組織が微細に保たれながら高い緻密性の焼結体が得られるようになる。
上記高強度を得る特徴は、Al65質量%以上の高ヤング率、高硬度の組成において効果的に発現される。
従って、本発明のセラミックス焼結体において、Alの含有割合は65質量%以上、好ましくは70%質量以上であり、一方、Alの含有割合は96質量%以下、好ましくは90質量%以下、特に好ましくは85質量%以下である。上記65〜96質量%の範囲とすることにより、高強度かつ高硬度という効果が得られる。
また、ZrOの含有割合は4質量%以上、好ましくは10質量%以上、特に好ましくは15質量%以上であり、一方、ZrOの含有割合は34.4質量%以下、好ましくは30質量%以下、特に好ましくは25質量%以下である。上記4〜34.4質量%の範囲とすることにより、粒径微細化という効果が得られる。
また、上記したように、例えばAlとZrO原料にSiO、TiO及びMgO原料を添加して焼成する際の共晶点を1300℃以下とするには、前記SiOの含有割合は、0.20質量%以上、好ましくは04質量%以上、TiOの含有割合は、0.22質量%以上、好ましくは0.3質量%以上、及びMgOの含有割合は、0.12質量%以上、好ましくは0.2質量%以上である。
SiO、TiO及びMgOの含有割合がそれぞれ前記0.20質量%未満、0.22質量%未満、及び0.12質量%未満では、焼結温度で形成された液相の粘度が高くなる為焼結促進効果が小さくなる。
尚、SiO、TiO及びMgOの合計の含有割合が0.6〜4.5質量%、好ましは1.0〜3.0質量%である。該範囲とすることにより、高緻密化と微粒組織形成という効果が得られる。
本発明のセラミック焼結体は、上記組成中のAlの一部をCrによって置換して固溶体を形成するもしくはZrOの一部をHfOによって置換して固溶体を形成することにより硬度を改善することも可能である。また、粒成長抑制する目的、若しくは結晶の形状異方性成長を促進する目的で他の化合物を添加することも可能である。
次に、本発明のセラミックス焼結体の好ましい形態について説明する。
(1)セラミック焼結体の高強度特性を得るには、上記焼結体中のAlの平均粒径は好ましくは3μm以下、特に好ましくは2μm以下、ZrOの平均粒径は好ましく0.5μm以下、特に好ましくは0.3μm以下である。このような平均粒径とすることにより微粒化による強度向上だけでなく、ZrOの微細、均一分散により相変態強化効果を大きくすることが可能となる。
(2)本発明のセラミックス焼結体中で、前記ZrO粒子の20%以上、好ましくは40%以上を正方晶とすることが好ましい。ZrOに、Y、Ce、Mg、Caなど種々の安定化剤を添加して、正方晶を室温においても準安定化の状態で存在させることは可能ではある。特にこれらの安定化剤を少量添加した場合、例えば、ZrOに対して、2mol%以下のYを添加すると、組織微粒化により単斜晶への相変態を抑制し、応力下での相変態発生のポテシャルが高く、相変態強化効果が大きくなる。
(3)本発明のセラミックス焼結体は、前記組成範囲で、TiOとMgOの組成比は原子比(Ti/Mg)で0.5〜1.2の範囲とすることが好ましい。原子比(Ti/Mg)が前記0.5以上のときに焼成温度で液相の粘度が高くなるのをより効果的に抑制でき、良好な焼結促進効果が得られる。また、原子比(Ti/Mg)が前記1.2以下のときにTiOとAlとが反応し熱膨張係数の異方性が大きいAlTiO相が生成するのを抑制し、強度低下を防止できる。材料の焼結性向上およびAlTiO相生成を抑える見地から、原子比(Ti/Mg)が0.7〜1.0の範囲であることが特に好ましい。
TiとMgの原子比が前記範囲であるときに、同時にAl結晶により効果的に固溶するという効果も得られる。
(4)前記TiOとMgOがAl結晶に溶解して固溶体結晶を形成することにより、焼結後の粒界相を減少して硬度を上げるとともに、Al結晶を強化し、強度を向上することは本発明のセラミックス焼結体の好ましい形態の1つである。該Al結晶へのTiOとMgOの溶解量が少なければ上記効果が小さいので、前記組成中TiOとMgOが合わせて該Alの0.1質量%以上に相当する量がAl結晶に溶解していることが好ましい。この場合、該Alの0.5質量%以上に相当する量が該Al結晶に溶解していることが特に好ましい。
(5)本発明の好ましい他の態様は、前記Alの少なくとも一部の結晶粒内にTiとMgの少なくともいずれかの酸化物若しくはこれらを含む複合酸化物粒子を分散させることである。前記TiとMgの酸化物若しくはこれらを含む複合酸化物がAl結晶に溶解して形成した固溶体を、溶解量が少ない条件下では析出し、例えば、TiO、MgAlの微粒子がAlの結晶粒内に分散した組織を形成する。これにより、微粒子分散の強化効果で材料の強度を大幅に向上できる。上記微粒子のサイズについては、長軸0.2μm以下が好ましく、0.1μm以下が特に好ましい。
本発明のセラミックス焼結体は、種々の公知のセラミックス原料を用いて作製することができる。本発明のセラミックス焼結体の製法は、先ず、原料を所定の割合で混合し、所定形状に成形する。ここでいう原料とは、酸化物、金属、炭酸塩、水酸化物などの塩類等を粉末あるは水溶液等して使用することが可能である。
粉末として使用する場合その平均粒径は、1.0μm以下が好ましい。
また、成形には、プレス成形、鋳込み、冷間静水圧成形、或いは冷間静水圧処理などの成形法を使用可能である。次に、本発明によれば、1300〜1500の温度範囲で焼成することが重要である。上記焼結温度が1300℃未満であると緻密な焼結体が得られず、また1500℃を超えると、結晶粒成長が発生するため、いずれの場合も高強度の焼結体は得られにくい。上記の見地から、本発明の焼結体は特に1350〜1450℃で焼成されることが望ましい。また、本発明では、この焼成後に、上記焼成温度(1350〜1450℃)よりも60℃以上低い温度で熱間静水圧焼成を行うことが望ましい。更には、この熱間静水圧焼成後に、更に前記焼成温度(1350〜1450℃)よりも60℃以上低い温度で還元雰囲気において熱処理することが好ましい。
上記の焼成は酸化性雰囲気、例えば大気中、或いは一定の酸素分圧を有する混合ガス雰囲気で行うと、TiOとMgがAl結晶粒内に溶解する。
本発明によれば、このようにして得られた焼結体を、好ましくは前記焼成温度よりも60℃以上低い温度、特に好ましくは1100〜1350℃で還元雰囲気において熱処理することにより、Tiの原子価が4価から3価に変化してTiOの溶解度が増加し、その結果Mgの溶解度が減少するため、Alの結晶粒内にMgが含まれた化合物、MgAlが析出する。これにより本発明の微粒子分散強化のセラミックス焼結体が得られる。
純度が99.9質量%で平均結晶粒径0.5μmのAl粉末と、純度が99.9質量%で平均粒径0.2μmのZrO粉末、Yの含有割合がそれぞれ0、1.5、2、3mol%の準安定化ZrO、および純度99.5質量%以上で、平均粒径0.5〜1.0μmのSiO、TiOおよびMg(OH)を表1に示す割合でイソプロピルアルコールの溶媒混合後、圧力100MPaで成形し、その後300MPaで冷間静水圧処理した。これを表1に示す温度で大気中時間焼成し、一部の試料については更に表1に示す温度(HIP温度)でAr−O(O濃度:20容積%)混合ガス雰囲気中で200MPaの熱間静水圧処理を行った。更に、1部の試料については表1に示す温度(水素処理温度)下に水素雰囲気中で5時間熱処理した。
得られた焼結体の破断面の走査型電子顕微鏡写真よりAlとZrOの結晶粒径を測定した。
また、X線回折強度より全ZrO中の正方晶ZrOの比率を計算した。計算方法を以下に示す。
正方晶比率(%)=It/(Im1+Im2+It)
ここで、It:正方晶(111)面のX線回折強度
Im1:単斜晶(111)面のX線回折強度
Im2:単斜晶(−11−1)面のX線回折強度
なお、一部の試料に対し、Alの格子定数測定によりTiOとMgOの溶解量を推定した。また、水素雰囲気で熱処理した試料を透過型電子顕微鏡でMgAl微粒子が結晶粒内に析出分散していることを確認した。
上記の試料を三点曲げ試験およびビッカース硬度を測定し、上記組織構造解析の結果と合わせて表2に示した。
Figure 0004883885
Figure 0004883885
表1,2から分かるように、本発明に基いたセラミックス焼結体は、抗折強度が1300MPa以上、ビッカース硬度が1700Hv以上の高強度、高硬度を示した。特に、試料No.20〜23は、微粒子分散強化の効果が加わり、抗折強度が1700MPa以上、ビッカース硬度が1800Hv以上の優れた特性を示した。なお、表中のアスタリスク(*)は、比較例を示す。
これに対して試料No.6は、SiO、TiOおよびMgOを添加せず、試料No.7は上記添加量が本発明より少なく、試料No.8はSiOの量が少ないため、何れも焼成温度が高くなり、結晶粒成長により強度と硬度が低下した。また、試料No.13は上記添加量が多すぎたため、粒界相が多く形成することにより低強度、低硬度であった。
表1示すNo.6、16と21の材料を用い、試験片作製後、121℃、152時間加速試験を実施し、JIS−T0303に示すピンオンディスク試験法を用いて耐摩耗性を評価した。得られた結果を表3に示す。
Figure 0004883885
本発明以外の試料No.6に比べ、本発明の試料No.16と21は摩耗量が小さく、摩耗後の表面状態良好であることが分かる。

Claims (9)

  1. Alを65〜96質量%、ZrOを4〜34.4質量%、SiOを0.20質量%以上、TiOを0.22質量%以上、MgOを0.12質量%以上含有し、かつSiO、TiO及びMgOの合計の含有割合が0.6〜4.5質量%であり、安定化剤としてYを含まないセラミック焼結体からなることを特徴とする生体部材。
  2. 前記Alの平均粒径が3μm以下、ZrOの平均粒径が0.5μm以下であることを特徴とする請求項1記載の生体部材。
  3. 前記TiOとMgOの原子比Ti/Mgが0.5〜1.2の範囲であることを特徴とする請求項1又は2記載の生体部材。
  4. 前記TiOと前記MgOの少なくとも一部がAl結晶に溶解して固溶体結晶を形成するとともに、その溶解量が合計で前記Alの0.1質量%以上に相当することを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載の生体部材。
  5. 前記Alの少なくとも一部の結晶粒内にTiとMgの少なくともいずれかの酸化物若しくはこれらが含まれる複合酸化物粒子が分散して存在することを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載の生体部材。
  6. 121℃の飽和水蒸気中で152時間の条件で行う加速劣化試験後の前記セラミック焼結体の比摩耗量が0.3×10−10mm/N以下であることを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載の生体部材。
  7. 請求項1〜のいずれかに記載の一対の生体部材からなるとともに、これら生体部材を構成する前記セラミック焼結体が相互摺動することを特徴とする人工関節。
  8. 金属又は金属化合物を金属酸化物に換算した場合の含有割合としてAlが65〜96質量%、ZrOが4〜34.4質量%、SiOが0.20質量%以上、TiOが0.22質量%以上、MgOが0.12質量%以上、かつSiO、TiO及びMgOが合計で0.6〜4.5質量%となるようにAl、Zr、Si、Ti、Mgの金属又は金属化合物を混合する工程と、得られた混合セラミック粉末を所定形状に成形する工程と、得られた成形体を1300〜1500℃で焼成してセラミック焼結体からなる生体部材を得ることを特徴とする生体部材の製造方法。
  9. 前記1300〜1500℃での成形体の焼成を酸化雰囲気で行うとともに、得られたセラミック焼結体を前記焼成温度よりも60℃以上低い温度での還元雰囲気において熱処理する工程を含むことを特徴とする請求項記載の生体部材の製造方法。
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