JP2005097077A - アルミナ・ジルコニア系セラミックス及びその製法 - Google Patents

アルミナ・ジルコニア系セラミックス及びその製法 Download PDF

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Abstract

【課題】 高強度、高靭性、高硬度のアルミナ・ジルコニア系セラミックスを提供する。
【解決手段】 Al粒子及びZrO粒子を含有するアルミナ・ジルコニア系セラミックスにおいて、Al含量が65質量%以上であり、ZrO含量が4〜34質量%の範囲にあり、SrOを0.1〜4質量%の範囲で含み、さらにTiO、MgO及びSiOを含有しているとともに、前記ZrO粒子の一部には、SrO或いはTiOが固溶していることを特徴とする。
【選択図】 なし

Description

本発明は、アルミナ・ジルコニア系セラミックスに関するものであって、特に種々の構造部材、切削工具、医療用器具、生体用材料に好適に使用されるアルミナ・ジルコニア系セラミックスおよびその製法に関する。
近年、アルミナ、ジルコニア系の酸化物セラミックスは、高強度、耐摩耗性及び耐食性が要求される構造部材として広く利用されている。特に、アルミナとジルコニアを一定の比率で含むアルミナ・ジルコニア系セラミックスは、結晶粒の微細化効果により、それぞれの単体セラミックスよりも高い強度が得られることが注目されている(非特許文献1参照)。
しかし、上記のアルミナ・ジルコニア系セラミックスは、切削工具として用いた場合、靭性不足が原因で切刃に欠損やチッピングが生じ易く、実用に供する事ができないという欠点がある。このため、形状異方性粒子を生成させることによる靭性改善等が行なわれている。例えば、BaO、SrO、CaOの少なくとも1種とSiOとを添加してアルミナ及びジルコニアの焼成を行うことにより、高靭性アルミナ−ジルコニア複合材料が得られることが知られている(例えば、特許文献1参照)。即ち、SrO等を、アルミナ及びジルコニアの焼成時に共存させることにより、Al結晶が細長く成長し、Al粒子が細長成長結晶からなる組織を持つようになり、この細長成長Al結晶によって優れた靭性を具備するようになるのである。
特開平5−294718号公報 四方良一他、「粉体および粉末冶金」、(社)粉体粉末冶金協会、1991年4月10日、第38巻、第3号 p.57−61
ところが、形状異方性粒子の生成によって破壊靭性が向上する一方で、強度と硬度が低下することが知られている。破壊靭性をより高くする為には形状異方性粒子をより細長く成長させる必要があるが、粒子が大きくなるほど強度と硬度が低下してしまう。即ち、前記特許文献1に開示されているようなアルミナ・ジルコニア系セラミックスでは、アルミナの異方性成長により靭性改善効果が見られるものの、曲げ強度が例えば1050MPa以下となり、形状異方性粒子の生成によって強度が低下してしまう。
従って、本発明の目的は、粒成長を抑えながら、靭性が向上しており、高強度で且つ高靭性のアルミナ・ジルコニア系セラミックスを提供することにある。
本発明者らは、アルミナ主体のアルミナ・ジルコニア系セラミックスにおいて、所定量のSrO、TiO、MgO及びSiOを配合して焼成を行い、形状異方性粒子の生成を抑えつつ、ZrO粒子の微粒化により、正方晶ZrOの準安定化を実現し、単斜晶への応力誘起相転移によって強度と破壊靭性とを向上できること、更にはZrOへのSrO或いはTiOの固溶が促進され、応力誘起相転移強化の効果が大きくできることを見出し、本発明に至った。
すなわち、本発明によれば、Al粒子及びZrO粒子を含有するアルミナ・ジルコニア系セラミックスにおいて、
Al含量が65質量%以上であり、ZrO含量が4〜34質量%の範囲にあり、SrOを0.1〜4質量%の範囲で含み、さらにTiO、MgO及びSiOを含有しているとともに、前記ZrO粒子の一部には、SrO或いはTiOが固溶していることを特徴とするアルミナ・ジルコニア系セラミックスが提供される。
本発明のアルミナ・ジルコニア系セラミック焼結体においては、
(1)Al粒子は、平均アスペクト比が2.5以下であり、且つ長軸平均粒径が1.5μm以下であり、ZrO粒子の平均粒径が0.5μm以下であること、
(2)TiO含量、MgO含量及びSiO含量が何れも0.1質量%以上であり、且つSrO、TiO、MgO及びSiOの合計含量が1〜5質量%の範囲にあること、
(3)ZrO当り、酸化物換算で0.4mol%以下の量でYを含有していること、
(4)ZrO当り、酸化物換算で4mol%以下の量でCeを含有していること、
(5)曲げ強度が1200MPa以上であり、破壊靭性が4.2MPa・m1/2以上であり、且つビッカース硬度が1700以上であること、
が好適である。
さらに、本発明によれば、
Alを酸化物換算で65質量%以上、Zrを酸化物換算で4〜34質量%及びSrを酸化物換算で0.1〜4質量%の量で含有し、さらにTi、Mg及びSiを酸化物換算で0.1質量%以上の量で含有し、且つSr、Ti、Mg及びSiの酸化物換算での合計含量が1〜5質量%の範囲にある原料粉末を用意し、
前記原料粉末を所定形状に成形し、
得られた成形体を、1300℃〜1500℃の温度範囲で焼成し、
更に前記焼成温度より30℃以上低い温度で熱間静水圧処理すること、
を特徴とするアルミナ・ジルコニア系セラミックスの製法が提供される。
本発明のアルミナ・ジルコニアセラミックスでは、特にZrO粒子の一部にSrO或いはTiOが固溶していることにより、SrO或いはTiOによる正方晶ZrOの準安定化効果が発現し、応力誘起相転移の効果によって高強度化、高靭性化が達成されており、例えば1200MPa以上の曲げ強度、4.2MPa・m1/2以上の破壊靭性、及び1700以上のビッカース硬度を有している。
また、本発明の製法では、焼結助剤として機能するSiO、TiO及びMgOが一定の量割合で存在する条件下で焼成が行われるため、SrOやTiOのZrOへの固溶が促進され、且つ形状異方性粒子の生成が有効に抑制され、且つ高緻密化、組織微細化が達成され、その結果、上述した高強度、高靭性、さらには高硬度のアルミナ・ジルコニア系セラミックスを得ることが可能となる。
(アルミナ・ジルコニアセラミックス)
本発明のセラミックスは、基本成分として、Al粒子及びZrO粒子を含有するものであるが、アルミナリッチの組成を有しており、Alを65質量%以上、好ましくは70〜85質量%、さらに好ましくは75〜79質量%の量で含有し、ZrOを4〜34質量%、好ましくは15〜30質量%、特に好ましくは19〜24質量%の量で含有している。即ち、Alを65質量%以上含有させることにより、高強度でかつ高硬度という効果を達成することが可能となり、ZrOの含有量が4質量%未満ではAl結晶が大きく成長してしまい、特に強度の著しい低下を招き、一方、ZrOの含有量が34質量%を超えるとヤング率低下により硬度が低下してしまう。
また、本発明のセラミックスにおいては、ZrO粒子の一部には、SrO或いはTiOが固溶していることが重要であり、これにより、破壊靭性を向上でき、同時に高強度化、高硬度化を実現できる。
通常ZrOは、YやCeOの安定化剤を適量固溶させることで機械的特性を向上させることができる。しかし、アルミナ・ジルコニア系セラミックスでは、YやCrOの固溶では、立方晶が多くなったり、正方晶の安定化度が高くなり、相変態の破壊靭性への寄与が小さくなる。また、Al含量の多いアルミナ・ジルコニア系セラミックスでは、硬度は高いが、Al含量の増大によって強度と靭性が低下している。これを補う目的で、SrOを添加し、形状異方性粒子を生成させて靭性を向上させるためには高温焼成を必要とし、この結果、粒成長や緻密化阻害等を生じてしまい、強度、硬度が大きく低下してしまい、やはり、破壊靭性、強度及び硬度を同時に向上させることができない。
しかるに、本発明では、SrO或いはTiOのZrOへの固溶により正方晶ZrOの準安定化が起こる。即ち、Srは、Zrとのイオン半径差が大きいため、ZrOへの固溶量が少なく、立方晶は生成し難くなる。また、Tiは、Zrとイオン半径が近く、このため、多く固溶しても、過度の安定化は生じない。従って、何れの場合においても、応力誘起相転移効果が大きく、形状異方性粒子生成によらず破壊靭性を向上でき、従って、形状異方性粒子生成による強度や硬度の低下を回避することができ、破壊靭性、強度及び硬度を同時に向上させることができるわけである。
本発明のセラミックスにおいては、SrO含量は、0.1〜4質量%の範囲とする。SrO含量が上記範囲よりも少量であると、ZrOの単斜晶系が多くなり、強度が低下する。またSrO含量が上記範囲よりも多いものは、焼成温度を高くしなければ得ることができず、このため、形状異方性粒子による緻密化阻害や、ジルコニア粒成長による強度あるいは硬度の低下がおきる。
また、上記のSrOとともに、TiO、MgO及びSiOを含有していることも重要である。これらの酸化物成分は、SrOのZrO粒子への固溶を促進する。即ち、Srは、通常、ZrO結晶に殆ど固溶しないが、TiO、MgO及びSiOの存在下で、その固溶が促進され、準安定化ZrOの相変態強化効果が向上する。さらに、酸化物成分は、焼結助剤としての機能も示し、Al及びZrOの結晶粒成長を抑制しながら、低い温度条件で焼結体を緻密化でき、微粒、高密度の組織形成により高強度化や高硬度化を実現させる。例えば、これらの酸化物成分の何れかを含有していないものは、高温での焼成が必要となり、形状異方性粒子による緻密化阻害や、ジルコニア粒成長による強度あるいは硬度の低下が生じてしまう。
また、SrOと共存する酸化物成分の内、TiOは、既に述べたように、ZrO結晶の準安定化効果を有している。従って、TiOは、SrOと共に、或いはSrOの代わりにZrOに固溶していてもよく、このようなTiOのZrOへの固溶によっても、同様の準安定化効果を得ることができ、特にSrOとTiOとの両方がZrOに固溶しているものは、準安定化ZrOの応力誘起相転移強化効果が高く、好適である。本発明において、TiO含量は、通常、0.1質量%以上、特に0.3乃至1質量%であることが好適である。TiO含量が増すにしたがい、ZrOへのTiOの固溶が生じる。また、SrOに比してTiOを多量に含有するものでは、TiOのみがZrOに固溶することもある。
さらに、セラミックス中のMgO含量及びZrO含量は、それぞれ、0.1質量%以上、特に0.2乃至0.5質量%であることが好ましい。即ち、MgO含量及びZrO含量が、あまり少ないと、焼成時に液相が不足し、Alが緻密化しにくくなり、高温での焼成が必要となってしまい、形状異方性粒子による緻密化阻害や、ジルコニア粒成長による強度あるいは硬度の低下を生じ易くなってしまう。
また、上記のSrO、TiO、MgO及びSiOの含量は、合計で1〜5質量%の範囲とすることが好ましい。即ち、各成分の総量が、このような範囲にあるとき、SrOのZrOへの固溶が促進され、強度、靭性が向上すると共に、共晶点が1300℃以下になり、焼結時に液相が生成して焼結が大きく促進される。この為、より低い温度での焼成により、高い緻密性の焼結体が得られるとともに、異方粒成長を抑制し、微細な組織となり、強度や硬度の低下を回避するのに有利となる。
本発明のアルミナ・ジルコニアセラミックスでは、上述した各成分に加えて、YやCeOに代表されるZrOの安定化剤を含有していてもよい。ただし、このような安定化剤が多量に配合されると、正方晶ZrOの安定化度が高くなりすぎてしまい、ZrOの応力誘起相転移強化効果を低下させてしまい、靭性の低下等をもたらすおそれがあるため、Yにおいては、その含有量を、ZrO当り0.4モル%以下、特に0.2モル%以下とすることが好ましく、CeOにおいては、ZrO当り4モル%以下、特に2.5モル%以下とすることが好ましい。
以上の説明から理解されるように、上記のような組成を有する本発明のアルミナ・ジルコニアセラミックスは、形状異方性粒子による緻密化阻害や、ジルコニア粒成長による強度あるいは硬度の低下が有効に回避されており、例えば、該セラミックス中のAl粒子は、平均アスペクト比が2.5以下であり、且つその長軸平均粒径が1.5μm以下、特に1μm以下であり、ZrO粒子の平均粒径が0.5μm以下、特に0.3μm以下である。即ち、Al粒子の平均アスペクト比が2.5を越えるとき或いはその長軸平均粒径が1.5μmよりも大きいときには、形状異方性粒子による緻密化阻害を生じ、強度低下を生じてしまい。また、ZrO粒子の平均粒径が0.5μmよりも大きいと、正方晶の安定性が低下し、相変態によるミクロクラックが発生し、強度や靭性の低下を生じてしまう。
このように本発明のアルミナ・ジルコニア系セラミックスは、強度、靭性及び高度の何れの特性も優れており、後述する実施例から明らかな通り、1200MPa以上、特に1400MPa以上の曲げ強度、4.2MPa・m1/2以上、特に5.0MPa・m1/2以上の破壊靭性、及び1700以上、特に1750以上のビッカース硬度を有しており、種々の構造部材、切削工具、医療用器具などの用途に適している。
(アルミナ・ジルコニア系セラミックスの製法)
上述した本発明のアルミナ・ジルコニアセラミックスは、所定の組成の原料粉末を調製し、所定形状に成形し、焼成及び熱間静水圧処理することにより製造される。
用いる原料粉末は、前述した組成の焼結体が得られるように、各種の金属分を含んでおり、例えばAl源となるAl分、ZrO源となるZr分、及びSrO源となるSr分を含み、且つ助剤成分としてのTi分、Mg分及びSi分を含有する。これら金属分は、一般的には酸化物の形で使用されるが、焼成により、前述した各種の酸化物を形成するものであれば酸化物に限定されるものではなく、金属単体、水酸化物、あるいは炭酸塩などの塩類の形で使用することもできる。即ち、原料粉末は、これらの金属分の原料を混合することにより調製され、原料粉末中の各種金属分の含有割合は、Al、Zr、Sr、Ti、Mg及びSi量が、酸化物換算で、前述した焼結体の組成に対応するように設定される。また、原料粉末の平均粒径は、一般に、1.0μm以下が好ましい。
原料粉末を用いての成形は、必要により、水や有機溶媒等の溶媒、有機バインダーなどを用いて原料粉末のスラリー乃至ペーストもしくはこれらを乾燥して得られる粉末を調製し、このようなスラリー乃至ペーストもしくは粉末を用いて行うことも可能である。また、成形手段としては、プレス成形、鋳込み、冷間静水圧成形、或いは冷間静水圧処理など、それ自体公知の手段を採用することができる。
上記成形体の焼成は、1300〜1500℃、特に1300乃至1490℃の温度範囲で行われ、これにより、AlやZrOの粒成長を抑制しながら緻密化することができる。例えば、SrOが存在する条件下で1500℃よりも高い温度で焼成を行うと、SrOとAlとが反応して異方粒成長し、焼結体の強度や硬度が低下してしまう。また、ZrOの粒成長によって単斜晶ZrO量が増加することによっても、強度や硬度の低下がもたらされる。また、1300℃よりも低温での焼成では、緻密化が困難となってしまう。
本発明においては、焼結助剤として、所定量のSiO、TiO及びMgOが使用されているため、SrOのZrOへの固溶が促進されると共に、共晶点が1300℃以下になり、焼結時に液相が生成して材料の焼結が大きく促進される。この為、上記のような比較的低温領域での焼成により、緻密性の高い焼結体を得ることができる。また、このような比較的低温領域で焼結することによって、異方粒成長が抑制され、微細な組織となり、強度や硬度を低下させず、靭性を高めることができるのである。
上記のような温度範囲での焼成時間は、例えばアルキメデス法による相対密度が95%以上となる程度でよく、通常、1乃至5時間程度である。
上記の焼成に引き続いて行われる熱間静水圧処理は、前記焼成温度より30℃以上低い温度、好ましくは50℃以上低い温度、更に好ましくは100℃以上低い温度で行われ、これによりアルミナ、ジルコニアが微粒で、アルミナの異方粒成長を抑えた緻密なアルミナ・ジルコニア系セラミックスを作製することができ、この焼結体は、既に述べたように、靭性が高く、しかも高強度、高硬度という特性を有している。
尚、上記の熱間静水圧処理は、短時間でアルミナやジルコニアを微粒化させるため、通常、その下限温度は、1200℃以上、特に1250℃以上とするのがよく、一般に、0.5乃至2時間程度行えばよい。
純度が99.95質量%で平均粒径0.22μmのAl粉末、純度が99.95質量%で平均粒径0.1μmのジルコニア粉末、平均粒径0.4μmのTiO粉末、平均粒径0.6μmのMg(OH)粉末、平均粒径0.5μmのSiO粉末、及び平均粒径0.2μmのSrCO粉末を、酸化物換算で、表1に示すような組成になるように秤量混合して、出発原料となる混合粉末を得た。(但し、試料No.6では、安定化剤として、ジルコニア当り0.3モル%のY粉末を使用し、試料No.7では、安定化剤として、ジルコニア当り3モル%のCeO粉末を、さらに使用した。
この混合粉末を、1t/cmの圧力で金型成形し、さらに3t/cmの圧力で静水圧処理を加えて成形体を作製し、表1に示す温度にて、本焼成及び熱間静水圧処理(表中にHIPと表示)を行なった。尚、何れの場合も、本焼成は2時間、熱間静水圧処理は、1時間行った。
得られた各焼結体に対して、鏡面加工後、熱エッチングを行い、結晶粒径、アスペクト比、長軸平均粒径を電子顕微鏡で測定した。
また、X線回折(XRD)によって単斜晶ZrOの比率を測定し、準安定化度を測定した。さらに、透過型電子顕微鏡におけるエネルギー分散組成分析装置(EDS)によりZrOへのSrO或いはTiOの固溶の確認を行った。
さらに、各焼結体の曲げ強度(JIS R 1601)、破壊靭性(JIS R 1607)、ビッカース硬度(JIS Z 2244)を測定し、表1に記載した。
Figure 2005097077
表1より、アルミナ粒子のアスペクト比や長軸平均粒径やジルコニアの平均粒子径が所定の範囲内にある本発明のセラミックス(試料No.1〜7)は、強度が1425〜1550MPa、破壊靭性4.5〜5.4MPa√m、硬度1730〜1790Hvの特性を示した。特に、試料No.4の材料では焼成温度が低く、微粒の組織が形成されたため、優れた強度、硬度、靭性を示した。 これに対して、本発明のセラミックスの中でも、アルミナ粒子のアスペクト比や長軸平均粒径等が所定の範囲外である試料No.8のセラミックスは、単斜晶ZrO比率が高く、強度、硬度、靭性がともに、上記のセラミックスよりも低かった。 さらに、TiO、MgO及びSiOの何れをも含有していない比較例のセラミックス(試料No.9)は、試料No.8のセラミックスに比して、靭性がさらに劣っていた。

Claims (8)

  1. Al粒子及びZrO粒子を含有するアルミナ・ジルコニア系セラミックスにおいて、
    Al含量が65質量%以上であり、ZrO含量が4〜34質量%の範囲にあり、SrOを0.1〜4質量%の範囲で含み、さらにTiO、MgO及びSiOを含有しているとともに、前記ZrO粒子の一部には、SrOが固溶していることを特徴とするアルミナ・ジルコニア系セラミックス。
  2. Al粒子及びZrO粒子を含有するアルミナ・ジルコニア系セラミックスにおいて、
    Al含量が65質量%以上であり、ZrO含量が4〜34質量%の範囲にあり、SrOを0.1〜4質量%の範囲で含み、さらにTiO、MgO及びSiOを含有しているとともに、前記ZrO粒子の一部には、TiOが固溶していることを特徴とするアルミナ・ジルコニア系セラミックス。
  3. Al粒子は、平均アスペクト比が2.5以下であり、且つ長軸平均粒径が1.5μm以下であり、ZrO粒子の平均粒径が0.5μm以下である請求項1または2に記載のアルミナ・ジルコニア系セラミックス。
  4. TiO含量、MgO含量及びSiO含量が何れも0.1質量%以上であり、且つSrO、TiO、MgO及びSiOの合計含量が1〜5質量%の範囲にある請求項1乃至3の何れかに記載のアルミナ・ジルコニアセラミックス。
  5. ZrO当り、酸化物換算で0.4mol%以下の量でYを含有している請求項1乃至4の何れかに記載のアルミナ・ジルコニア系セラミックス。
  6. ZrO当り、酸化物換算で4mol%以下の量でCeを含有している請求項1乃至5の何れかに記載のアルミナ・ジルコニア系セラミックス。
  7. 曲げ強度が1200MPa以上であり、破壊靭性が4.2MPa・m1/2以上であり、且つビッカース硬度が1700以上である請求項1乃至6の何れかに記載のアルミナ・ジルコニア系セラミックス。
  8. Alを酸化物換算で65質量%以上、Zrを酸化物換算で4〜34質量%及びSrを酸化物換算で0.1〜4質量%の量で含有し、さらにTi、Mg及びSiを酸化物換算で0.1質量%以上の量で含有し、且つSr、Ti、Mg及びSiの酸化物換算での合計含量が1〜5質量%の範囲にある原料粉末を用意し、
    前記原料粉末を所定形状に成形し、
    得られた成形体を、1300℃〜1500℃の温度範囲で焼成し、
    更に前記焼成温度より30℃以上低い温度で熱間静水圧処理すること、
    を特徴とするアルミナ・ジルコニア系セラミックスの製法。
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