JP4883829B2 - 低透湿性hddガスケット - Google Patents

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  • Manufacture Of Porous Articles, And Recovery And Treatment Of Waste Products (AREA)
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はハードデイスクドライブのケース本体とカバーとの間に介装されて、ケース本体内部を密封するのに用いるガスケットに関する。
【0002】
【従来技術】
コンピュターの小型化と記憶容量の拡大に伴い、ハードデイスクドライブ(HDD)に要求される性能が高まり且つ過酷になりつつある。HDDに使用されるガスケットもそれに伴い要求性能が高まってきた。
従来、HDD本体とカバーの間に介装されるガスケットは発泡ゴム、高密度ウレタン発泡体などの架橋ゴム状弾性体シート状品より所定形状に打抜かれて用いられてきた。このものの気密性は高いがガスケットを通して湿分が内部に容易に進入し、HDD機能に重大な障害を及ぼす事が分かってきた。
一方、非発泡ゴム製品やフッ素ゴムなどが薄いステンレス板の両側に接着されガスケット形状に成形された製品も用いられている。これらは製造工程が複雑であり、そのためコストが高い事が欠点である。更に、製品を作るためにゴム用のモールド型、ステンレスを製造するための型が必要であり、これらは製作するのに長期間かかる。HDD関連製品は技術進歩の著しい分野であり、新規開発品の頻度が極めて高く、従って製品立ち上がりのリードタイムも短い事が要求されている。この様な要求に対し、ゴムモールド製品は十分対応出来ない欠点がある。
【0003】
それに対し、架橋ゴム状弾性体として疎水性ポリオールを用いたウレタン発泡体で、且つ特定の物性値を持たせる事により透湿性を改良したガスケットを提供する事でHDDのあるレベルの機種には対応出来ていた。しかしながら近年のHDDの性能向上要求に伴い、ガスケットに対する低透湿性と低発ガス(材料自体の揮発成分に基づいて発生するガス量を低くする事)、クリーン度(汚れの付着等無い事)の要求品質が更に高まってきた。発ガス量を低下するために、材料や配合剤の選定・配合量での検討により改良はされるものの、合せてベーキングという加熱処理を行なうことが必須になってきた。このベーキング処理についても、年々高温かつ長時間の傾向になりつつある。また、クリーン度を高めるためガスケットを水洗浄する要求が高まって来た。
【0004】
低透湿性のガスケットを得るために、素材の疎水性を高める事で改良しようとの考え方は容易に思い付く事ではあるが、この方法では単に吸水率のみが低くなるが、ベーキング工程で材料が変形したり、収縮・膨張したり、透湿性・発ガス性は容易に低下しない。例えば、疎水性を高めるのにシリコーンゴムを選択すると、吸水率は極めて低下するが、透湿性は極めて高い事が分かる。
更に、ゴム素材として天然ゴムやイソプレンゴム、ブタジエンゴムを選定すれば、ある程度の低透湿性は達成出来るが、これらの素材には加硫工程で、硫黄や加硫促進剤等が配合される。これら薬剤はHDDにとって有害であり、少量たりとも許容出来ない。また、これら薬剤を使わず架橋をしたとしても、これらのゴム中には2重結合が多く含まれ、高温でのベーキング処理により材料劣化し、そのため発ガス量が更に多くなるとともに、加熱により収縮するためアッセンブリー時に寸法が合わず、不都合が生じる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、前述のごとく新機種立ち上りのリードタイムを短くできる事、発ガス性、寸法上の問題等の無い、透湿性を更に低めにしたHDDガスケットを提供する事である。更にガスケットが水洗浄可能でかつ乾燥時間も短いものを提供するものである。なお、本発明の低透湿度としては、後述の透湿度測定方法で0.20%以下のものを言う。
【0006】
上記の目的は次に示す特性を有するHDDガスケットを提供することによって達成される。即ち、炭化水素骨格の架橋ゴム状弾性体として、ダイマー酸系ポリオール又はオレフィン系ポリオールを用いた疎水性ポリウレタン系弾性体からなるシート品より所定形状に打抜いた低透湿性HDDガスケットであって、
1)前記ポリオール成分100重量部に対して発泡剤として水を0〜0.01重量部使用して得た発泡倍率が2倍未満
2)アスカーC硬度が10〜85
3)70℃での吸水率が1%以下
4)120℃での加熱重量増減率が+0から−1%
5)ガスケット表面の摩擦係数が1gf/g以上
の特性を有することを特徴とする、低透湿性HDDガスケット。
【0007】
【発明の実施の形態】
本発明にかかる低湿度HDDガスケットの材料としては、疎水性のウレタン系弾性体がある。炭化水素骨格とは、組成中の炭素と水素の含有量が合計80%以上のものを指す。更に、これらの数値は約83%以上が好ましい。これらの架橋ゴム状弾性体は、化学的架橋剤または電子線や紫外線等の物理的架橋方法により架橋している必要がある。化学架橋の中には、動的架橋という架橋剤を混合し、押出機等で連続的に部分架橋する方法も含まれる。このように、架橋されている事と本発明のその他の構成用件を備える事で、復元性が保証され、ベーキング工程でも形状保持し得る。
本発明では上記の架橋ゴム状弾性体シート状品を所定形状に打抜き使用するものである。この様なシート状品は連続的に生産された物でも、非連続的に生産された物でも構わない。シート状品の片面に粘着層を設けたものも含まれる。シート状製品より所定形状に打抜く方法は、例えばトムソン刃で製作した簡易な型を用い、低い圧力で打抜ける。これらは低コストで、リードタイムも数日と極めて短く、立ち上りが早いので好適である。
【0008】
本発明で使用するゴム状弾性体は発泡していてもいなくても構わない。発泡体は気密性を高めるため独立気泡である必要がある。発泡倍率は高いと柔かいメリットはあるが、気密性が悪く、透湿し易くなるのが一般的であるため発泡倍率は2倍未満である。更に透湿性、硬さから見て発泡倍率は1〜1.5倍が最もバランスがとれている。そして、本発明のガスケットは、アスカーC硬度が10〜85でなければならない。HDDは小型化かつ軽量化しておりそのカバー強度は低く、ガスケットの硬さが高いとカバー自体が変形し、気密性を保持する事が出来ない。ガスケットの幅を細くする事である程度の硬さのものでも用いる事は可能ではある。しかし、ガスケットの幅、対、高さがある一定の数値以下になると、ガスケットを圧締した時に材料がうまくつぶれず気密性が保たれなくなる問題がある。最も好ましい硬度は20〜65である。
ガスケットはこのような硬度の時、気密性を満足し、カバーに対し負荷をかけすぎず、アッセンブリー性も良好である。このような低硬度を達成するためには発泡体にしたほうが容易ではあるが、発泡体の発泡倍率を高くし過ぎると吸水率や透湿性が高くなり好ましくない。
本発明の材料は70℃での吸水率が1.0%以下である必要がある。室温での吸水率が低くとも高温での吸水率が低いとは限らないし透湿性が低いとは限らない。例えば、シリコンゴムは吸水率が低いのに透湿性は高いし、シリコーン系やフッ素系の界面活性剤で処理したゴムやウレタン樹脂は、室温での吸水率は比較的低いが、高温吸水率は高く、透湿性も高い。それに対し、炭化水素骨格のゴム状弾性体の場合は、室温ないし70℃での吸水率は低く、透湿性も低い。
【0009】
本発明の材料は120℃での加熱重量増減率が+0から−1%である事が必要である。HDDの高容量化に伴い、ガスケットから発生する発ガス量も低めにする要求が高まり、ガスケット材料はベーキングという加熱処理をするようになってきた。ベーキングという工程は材料を100℃から150℃に一定時間暴露し、材料中に含まれる低揮発分を気化させるものである。そのため材料がその温度で伸びたり、縮んだり、あるいは劣化したりしてはならない。要するに材料自体の耐熱性を高める必要が生じてきた。本発明の材料は120℃での加熱増減率が+0%から−1%であれば、寸法上も問題なく、また発ガス上も問題無い。−1%を超えるような材料の場合シート状材料がカールしたり、HDDカバーに接着剤でセットする時に位置決めが出来ないなどの不都合や、材料劣化による発ガス量の増大等の問題が生じる。+0%以上のものは重量増加するのもので、酸化劣化している場合である。
この様なため、本発明の材料は架橋ゴム状弾性体である必要があり、材料組成としても例えばゴム材料として、分子中に酸化劣化し易い不飽和基やエーテル基の含有量があまり多くない事。揮発し易い低分子量物質例えば、プロセスオイル、可塑剤等は配合しない事が好ましい。
【0010】
本発明のガスケット表面の摩擦係数は1gf/g以上、好ましくは1gf/g〜10gf/gである事が必要である。ガスケットの透湿性は材料の内部を通過する水分と、HDD本体及びカバーとガスケットとの界面より通過する水分の合計されたものである。従い、材料自体がいくら水分を透過しないものであっても、界面からの透過が大きい場合には結果的に大きな透湿度になってしまう。この様な界面透過を少なくするためにガスケットの表面状態を規定する必要がある。ガスケットとHDD本体との密着性はガスケットの硬さと表面状態がお互いに関係しあっている。この表面状態を規定しているのが摩擦係数である。摩擦係数が高すぎると材料同士のブロッキングやべたつきがでてくるため、作業性が悪くなったり、ごみの付着がありHDDの機能上好ましくない。
ガスケットの表面状態をコントロールする方法は、例えば、リケイ紙上やモールドに液状原料をキャスチングし硬化させれば、そのリケイ紙又はモールドの表面状態が製品に転写出来る。固体原料であれば加硫時のプレス表面やモールド表面が製品に転写されうる。
【0014】
本発明で用いるポリウレタン系架橋ゴム弾性体としては、ポリオールが炭化水素骨格のものである。これらのポリオールとしては、ダイマー酸と短鎖ジオール、短鎖トリオールより得られるダイマー酸エステル、ダイマー酸を水素添加して得られたダイマージオールやα−オレフィングリコールのような長鎖グリコールとアジピン酸、セバチン酸等の二塩基性酸より得られる長鎖脂肪エステル、ひまし油及びひまし油と脂肪酸、グリコールのエステル交換物も使用し得る。ポリブタジエンポリオール、ポリイソプレンポリオールの水素添加物、あるいはこれらのポリオールのスチレンやアクリロニトリル共重合物も含まれる。ポリウレタンの製造方法は一般のワンショット法、プレポリマー法等汎用の方法で構わない。これら疎水性ポリオールはTDI,MDI等のイソシアナートと触媒、必要なら整泡剤、架橋剤等と混合しポリウレタン系ゴム弾性体となす。架橋の入れ方は、2以上の官能性架橋剤による方法、イソシアナートを当量以上に配合する方法等いずれでもよい。
本発明では、架橋ゴム状シート品を単層で用いてもよいが、シート品の剛性を上げるため樹脂フィルムとラミネートする事や、シート品の製造時に片面粘着剤付きの樹脂フィルムと一体で製造する事も出来る。又、樹脂フィルムの表裏に本発明のシート品をラミネートすると極めて気密性の良いガスケットになる。
【0015】
【実施例及び比較例】
以下に実施例及び比較例を示し、本発明を更に具体的に説明する。
尚、特にことわらない限り例中の部は重量部を示す。
また、実施例及び比較例において得られた製品の性能測定方法を具体的に説明すると、次の通りである。
a.発泡倍率
100×100mmに打抜いた発泡品試験片の、重量及び厚み(9点の平均値)を測定する。次式により、密度を求める。
密度g/cm3=重量g/体積cm3
未発泡品の密度を、上記と同様にして求める。次式により、発泡倍率を求める。
発泡倍率=未発泡品の密度/発泡品の密度
【0016】
b.アスカーC硬度
日本ゴム協会標準規格SRISO101膨張ゴムの物理試験方法スプリングかたさ試験により測定する。具体的には、以下の通りに行なう。
30×30mmに打抜いた試験片を約10mmに積層する。アスカーC型硬度計を約1kgの荷重で垂直に押し付け、最大値を読み取る。
c.70℃吸水率
日本ゴム協会標準規格SRISO101膨張ゴムの物理試験方法吸水試験に準じた方法にて測定する。具体的には、試験片の大きさ・水温・浸漬時間について、以下の通り変更して行なう。
200×25×2mmの試験片を、水温70℃で、水面下150mmの水中に96時間浸漬した時の重量増加を測定し、この重量増加の割合を初期の重量を基準として表す。
吸水率%=(浸漬後の重量−浸漬前の重量)/浸漬前の重量×100
【0017】
d.120℃重量変化率
200×25×2mmの試験片を、120℃のオーブン中に24時間入れた後の重量変化を測定し、この変化の割合を初期の重量を基準として表す。
重量変化率%=(加熱後の重量−加熱前の重量)/加熱前の重量×100
e.静摩擦係数
63×25mm(厚さ2mm)の試験片を、平滑なステンレス板(200g)に両面テープにて貼付け、重量を測定する。これをシボ加工したPETフィルム(商品名「エンブレット サンドマットSM」、ユニチカ株式会社製、中心線平均粗さRa=0.451μm)上にセットし、テンシロン(CT−500、オリエンテック社製)にて、引張速度150mm/分にて水平に引張り、フィルム上を滑らせる。得られた初期荷重を、前述の重量で割り、静摩擦係数を求める。
静摩擦係数gf/g=初期荷重gf/(試験片+ステンレス板)重量g
ここで、PETフィルムの表面粗さを表す中心線平均粗さRaについては、JISB0601表面粗さの定義と表示により、規定・測定した値である。
【0018】
f.透湿性
本測定法は、JIS Z 0208 防湿包装材料の透湿度試験方法(カップ法)を基にし、ガスケットの形状をした材料の透湿性能を測定する為に、一部変更したものである。
簡単に説明すると、温度70℃において測定材料を境界線とし、一方の側の空気を相対湿度95%、他の側の空気を吸湿剤(乾燥シリカゲル)によって乾燥状態に保った時、一定時間内にこの境界線を通過する水蒸気の質量を、吸湿剤の重量増加で測定する。以下、具体的にその方法を示す。
外径54φ、内径50φ、厚さ1mmのリング状試験片を、上下アクリル板にて挟む。この時、高さ0.8mmのスペーサーを入れ、圧縮率80%とする。この下面アクリル板の中央には穴を開け、パッキンを介してガラス容器の脱着が可能な構造にしておく。約30gの乾燥済みシリカゲルを精秤し、ガラス容器に入れ、アクリル板にセットする。こうして用意した物を、70℃、95%RHの状態に5日間置く。終了したら、シリカゲル重量を測定する。同時に、上下アクリル板をアクリル接着剤にて完全に接着したブランクを用意し、シリカゲル重量の増加を測定する。透湿性は、次の式にて求める。
透湿性%=(後重量−前重量)/前重量×100−ブランク%
この方法にて、従来用いられたウレタンフォーム系ガスケットの透湿性を測定すると約1%程度である。本発明では、これを0.2%以下とするものであり、更に好ましくは0.15%以下とするものである。
【0019】
g.水洗浄性
水によりパーティクルを洗浄する為、素材としては、水に濡れ難く、吸水し難い事が必要になる。
具体的には、下記の洗浄方法により、乾燥が可能である事。
1)超音波洗浄
2)パブリング洗浄
3)熱風乾燥80℃、10分間
4)真空乾燥80℃、7分間
【0020】
h.アッセンブリー性
素材のベーキング工程から、形状加工工程、HDDの蓋にガスケットをセットし本体に圧締するまでのアッセンブリー工程等を、テスト的に行なう事で評価する。
具体的に言うと、下記の内容である。
・素材の表面タックが大き過ぎると、加工工程やアッセンブリー工程の作業性が低下する。
・水・熱に対する寸法安定性が低いと、材料を打抜いた後の水洗浄・乾燥後の寸法変化により、蓋に合わなくなる。
・材料が固いと、圧締出来ない場合や、蓋のハラミが発生する。
i.発ガス性
ベーキング処理した素材の発ガス量を測定する。
具体的には、GC/MSにより、120℃でパージアンドトラップ法を行ない、そのトータル発ガス量を調べる。
【0021】
実施例1
ダイマー酸とジエチレングリコールを反応させたダイマー酸エステルポリオール(以下DDEGと略す、平均分子量1,400、水酸基価80)100部と、ジフェニルメタンジイソシアナート(以下MDIと略す、分子量250.3、NCO%33.6)19.6部(NCO/OH1.10)とを、良く混合撹拌した後、真空ポンプにて脱気、40℃に温調した。この混合物に微量の触媒(トリエチレンジアミン、添加量0.03部)を添加、静かに撹拌し、トレーに流し込んだ。この時、トレーの底部はシリコンコートした平滑なPETフィルムとした。トレーをオーブンにて加熱し(75℃にて2分間、120℃にて3分間)、更に室温にて10日間熟成させ、ウレタンエラストマーを得た。
このエラストマーの物性は、表1に示した通りである。その性能は、HDDガスケットとして好適である。
【0022】
実施例2
実施例1において、DDEGに水0.01部を添加し、MDIと混合後、脱気を行なわなかった(MDI当量比1.10)、触媒(トリエチレンジアミン、0.3部)を添加後、シリコンコートした平滑なPETフィルムにて上下サンドした。以下の加熱条件等は実施例1と同様にして、発泡倍率1.3倍のシート状物を得た。
この発泡品は、HDDガスケットとして好適である。
比較例1
更に、実施例2において、水の添加部数を0.05部(MDI当量比1.10)に代えて、発泡倍率2.0倍のシート状物を得た。
この発泡品は、表1に示した通り、f.70℃透湿性が1%と高い上に、g.水洗浄性において乾燥に時間がかかり過ぎ、HDDガスケットとしては、好ましくない。
【0023】
実施例3
実施例1において、DDEGの代わりに、ダイマー酸とエチレングリコールを反応させたダイマー酸エステルポリオール(以下DEGと略す、平均分子量1,250、水酸基価90)を使用した(MDI当量比1.10)以下実施例1と同様にして、ウレタンエラストマーを得た。
このエラストマーは、HDDガスケットとして好適である。
比較例2
上記の実施例3において、トレーの底部をシリコンコートした凹凸の有るPETフィルムに代え、表面がマット調のウレタンエラストマーを作製した。
本例では、表面の凹凸の為、界面の密着性が劣り、結果として、e.静摩擦係数及びf.70℃透湿性が悪い値となった。
【0024】
実施例4
実施例1におけるポリオールDDEGに代えて、水酸基末端のポリイソプレン水添物(以下HIPと略す、商品名「エポール」、出光石油化学株式会社製、平均分子量2,500、水酸基価50.4)を使用した。HIP100部に対して、MDI 12.4部(NCO/OH=1.10)を混合し、実施例1と同様にして、ウレタンエラストマーを作製した。
本エラストマーは、表2に示す通り、HDDガスケットとして好適である。
比較例3
実施例1におけるポリオールDDEGに代えて、水酸基末端のポリブタジエン(以下BDと略す、出光石油化学株式会社製、商品名「Poly bd」、平均分子量2,800、水酸基価46.5)を使用した。BD100部に対して、MDI 11.4部(NCO/OH=1.10)を使用し、実施例1と同様にして、ウレタンエラストマーを得た。
本エラストマーは、表2に示す通り、d.120℃重量変化率において、プラス0.3%であり、加熱により硬度がアップする為、アッセンブリー性が悪く、HDDガスケットの素材として好ましくない。
【0025】
参考例1参考例2、比較例4
EPTゴム(三井EPT・4050)100部、SRFカーボンブラック35部、亜鉛華10部、ステアリン酸1.0部、バラキノンジオキシム0.7部、及び発泡剤(アゾジカーボンアミド)と発泡助剤の添加部数を変えた配合を、混練ロールにて混合後、165℃で20分間プレス架橋した。この様にして、異なる発泡倍率のシート状物を作製した。
発泡倍率と参考例・比較例の関係は、下記の通りで、1.0倍品及び1.2倍品は性能を満たし、2.0倍品はf.70℃透湿性において劣った。
発泡倍率1.0→参考例1
発泡倍率1.2→参考例2
発泡倍率2.0→比較例4
比較例5
天然ゴムシート(発泡倍率1.0)
その物性は、c.70℃吸水率が高く、d.120℃重量変化率が大きく、その他性能面でも劣る為、HDDガスケットとしては、適当でない。
【0026】
【表1】
Figure 0004883829
【0027】
【表2】
Figure 0004883829
【0028】
【発明の効果】
本発明にかかる低透湿度HDDガスケットは次のような効果を奏する。
1)HDDガスケットの新機種生産にあたり、極めてリードタイム短く立ち上がらせる事ができる。
2)本発明によりガスケットの材料内部と界面を透過する湿分を合せて低められるため、透湿性が極めて低く出来る。
3)高温での水洗浄が可能なため、ガスケットのクリーン度を高める事が可能である。更に材料自体が吸水し難いため乾燥時間も短くなる。
4)ベーキング工程でガスケット材料が変形や伸縮し難いため、ベーキング作業はもちろんHDDのアッセンブリー作業等あらゆる作業がやり易い。当然高い温度でのベーキングも行ない易いため、発ガスもそれに伴い低める事が可能である。

Claims (1)

  1. 炭化水素骨格の架橋ゴム状弾性体として、ダイマー酸系ポリオール又はオレフィン系ポリオールを用いた疎水性ポリウレタン系弾性体からなるシート品より所定形状に打抜いた低透湿性HDDガスケットであって、
    1)前記ポリオール成分100重量部に対して発泡剤として水を0〜0.01重量部使用して得た発泡倍率が2倍未満
    2)アスカーC硬度が10〜85
    3)70℃での吸水率が1%以下
    4)120℃での加熱重量増減率が+0から−1%
    5)ガスケット表面の摩擦係数が1gf/g以上
    の特性を有することを特徴とする、低透湿性HDDガスケット。
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