JP4881496B2 - Iii族窒化物系化合物半導体の製造方法 - Google Patents

Iii族窒化物系化合物半導体の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、アルカリ金属を有する混合フラックスの中で、ガリウム(Ga)、アルミニウム(Al)又はインジウム(In)のIII族元素と窒素(N)とを反応させることによってIII族窒化物系化合物半導体を結晶成長させる、いわゆるフラックス法によるIII族窒化物系化合物半導体の製造方法に関する。本願においてIII族窒化物系化合物半導体とは、AlxGayIn1-x-yN(x、y、x+yはいずれも0以上1以下)で示される半導体、及び、n型化/p型化等のために任意の元素を添加したものを含む。更には、III族元素及びV族元素の組成の一部を、B、Tl;P、As、Sb、Biで置換したものをも含むものとする。
ガリウム(Ga)とナトリウム(Na)の溶融物(混合フラックス)に、加圧下で窒素又はアンモニアを接触させて、窒化ガリウム(GaN)を析出させる技術が開発されている。この際、混合フラックス中に種結晶又は基板を配置させておくと、当該種結晶表面又は基板面に窒化ガリウム(GaN)が析出する。この技術により、数mm厚の窒化ガリウム(GaN)単結晶が得られる。
混合フラックス中に配置させるものとしては、III族窒化物系化合物半導体とは異なる材料から成る基板(異種基板)を用いてその表面に窒化ガリウム(GaN)単結晶を成長させる技術や、異種基板に窒化ガリウム(GaN)膜をエピタキシャル成長させてテンプレートとし、当該窒化ガリウム(GaN)膜上に窒化ガリウム(GaN)単結晶を成長させる技術が報告されている。しかし、異種基板は、III族窒化物系化合物半導体と格子定数や膨張係数が相違するので、高温高圧でのフラックス内での成長の後室温まで温度を降下させる際に得られた単結晶にクラックが発生し易いという問題点がある。また、異種基板に窒化ガリウム(GaN)膜等を形成したテンプレートにおいては、当該テンプレートの作成の際に高温でのエピタキシャル成長から室温まで温度を降下させ、更に当該テンプレートを高温高圧のフラックス内に配置させて成長の後室温まで温度を降下させるのでクラックが生じる可能性が更に高くなる。この点を考慮すると、得るべきIII族窒化物系化合物半導体と同組成の自立基板を用いることが好ましい。
特開2005−187317号公報 特開2005−194146号公報
種結晶として、c面を主面とするいわゆる自立GaN基板を用いた場合、表裏のガリウム(Ga)面にも窒素(N)面にも結晶が付着する。このうち、Ga面には単結晶が成長するが、N面には三次元成長し易く、平滑に結晶成長させることが難しい。即ち、N面に成長したGaN単結晶は、品質が悪いため、商品とはし難く、いわば、原料を浪費する面とも言える。
そこで本発明者らは、フラックス法によるIII族窒化物系化合物半導体の製造に際して、得られる単結晶にクラックが発生するのを避けるためにIII族窒化物系化合物半導体から成る自立基板を用いる場合に、窒素面への成長抑制と窒素面への成長による原料の浪費を抑制することを目的として本願発明を完成させた。
請求項1に係る発明は、アルカリ金属を有する混合フラックスの中で、ガリウム(Ga)、アルミニウム(Al)又はインジウム(In)のIII族元素と窒素(N)とを反応させることによって、III族窒化物系化合物半導体を結晶成長させる半導体結晶の製造方法において、III族窒化物系化合物半導体から成る+c面を主面とする板状の自立基板を種結晶として用い、混合フラックスの容器壁に、板状の種結晶の窒素面を密着させ、種結晶の+c面の法線方向が水平方向を基準として±30度の範囲に入るように混合フラックス中に配置し、+c面を主面とする板状の種結晶のIII族元素面に混合フラックスを接触させ、且つ、窒素面に混合フラックスを実質的に接触させないようにして、種結晶のIII族元素面側に結晶成長させることを特徴とするIII族窒化物系化合物半導体結晶の製造方法である。ここで+c面を主面とするIII族窒化物系化合物半導体結晶基板が、その表裏がIII族元素面と窒素面であることは周知のとおりである。また、「窒素面に混合フラックスを実質的に接触させない」とは、結晶の析出が連続して生ずるような混合フラックスの対流等が生じないことを言い、必ずしも完全に流入を遮断するものを意味する訳ではない。
また、「密着」とは、結晶の析出が連続して生ずるような混合フラックスの対流等が生じない程度の「密着」を言い、必ずしも完全に流入を遮断するもの、例えば「接着」を意味する訳ではない。これは以下でも同様である。
上記発明とは別に、本明細書には、以下の構成も記載されている。
状の種結晶を2枚1組として、互いの窒素面を密着させて混合フラックスの容器内に配置しても良い。
状の種結晶の窒素面を、他の材料から成る部材で覆ってから混合フラックスの容器内に配置しても良い。ここでの「覆う」も、結晶の析出が連続して生ずるような混合フラックスの対流等が生じない程度を言うものであって、必ずしも完全に流入を遮断する「被覆」を意味するものではない。他の材料からなる部材の大きさは、板状の種結晶の大きさよりも大きくしても良い。また、他の材料から成る部材は、混合フラックスに接触する面に、III族窒化物系化合物半導体が結晶成長しない部材であっても良い。
フラックスによる結晶成長で得られた単結晶にクラックが生じるのを防ぐためには、得るべき単結晶と同じ組成のIII族窒化物系化合物半導体から成る自立基板を用いることが好ましい。しかし、例えば+c面を主面とするIII族窒化物系化合物半導体の自立基板には、III族元素面にはフラックス法により単結晶が成長するが、窒素面には結晶が三次元成長し易く、平滑に結晶成長させることが難しい。そこで窒素面を封鎖するような手段を用いることで、原料の浪費を抑えることができる。これにより、単結晶成長量が増加し、原料を効率的に使用できる。結晶成長面は、法線方向を略水平方向とすることが望ましい。これにより、混合フラックス中に溶解しているIII族窒化物系化合物半導体が過飽和状態となって雑晶が析出しても、単結晶を得るべき種基板上に付着する可能性が小さくなる。また、本発明者らは、板状の種結晶の窒素面を、他の材料から成る部材で覆った場合に、その他の部材の大きさを、板状の種結晶の大きさよりも大きくすることにより、種結晶側面から成長した結晶が、窒素面へ回り込むことが防止できることを見い出した。
板状の種結晶の結晶成長面が縦または斜め方向に配置されるので、坩堝内における種結晶の収容効率が効果的に向上する。また、この配置方法によれば、坩堝内のフラックスの熱対流が各結晶成長面に沿って流れるため、各結晶成長面の各部にフラックスが十分かつ均等に供給される。
このため、本発明によれば、結晶成長速度が向上すると共に、半導体結晶の結晶性及びその均一性を従来よりも効果的に向上させることができる。
したがって、本発明によれば、半導体結晶の品質、収率及び製造効率を従来よりも格段に向上させることができる。
図1は、本発明の具体例である、混合フラックス容器(坩堝)26−1〜4とc面を主面とするIII族窒化物系化合物半導体自立基板(種結晶)10の配置方法を4例示す、概念的断面図である。以下では記載の簡略化のため、自立基板(種結晶)10としてc面を主面とするGaN自立基板を、混合フラックスとしてガリウムとナトリウムとが溶融した混合フラックスを、窒素源として窒素ガスを用いる場合を示すが、本発明は、任意組成のc面を主面とするIII族窒化物系化合物半導体自立基板10を用い、混合フラックスとして所望のIII族元素と所望の金属とが溶融した混合フラックスを用い、窒素源として任意の窒素化合物或いは窒素プラズマを用いる、フラックスによるIII族窒化物系化合物半導体の結晶成長に適用できる。また、混合フラックス容器(坩堝)の形状や治具の形状等は、以下を参考に公知の任意の形状等の坩堝や治具を用いて良い。
第1の例は、図1.Aのように、斜め上を向いた平面状の内壁を有する坩堝26−1を用意し、当該平面状の内壁にc面を主面とするGaN自立基板10の窒素面を密着させ、ガリウム面FGaを露出させる。GaN自立基板10は、図示しない留め具を用いて、坩堝26−1の底と斜め上を向いた平面状の内壁とに支持され、動くことは無い。こうして、坩堝26−1の、図1.Aで長い破線で示した位置までガリウムとナトリウムとが溶融した混合フラックスを満たし、加圧窒素下に置いて、c面を主面とするGaN自立基板10のガリウム面FGaにGaN単結晶を析出させ、単結晶成長させる。
第2の例は、図1.Bのように、水平方向を向いた平面状の内壁を有する坩堝26−2を用意し、当該平面状の内壁にc面を主面とするGaN自立基板10の窒素面を密着させ、ガリウム面FGaを露出させる。この際、治具ST−2を用いて、GaN自立基板10が坩堝26−2の平面状の内壁から離れないように固定する。こうして、坩堝26−2の、図1.Bで長い破線で示した位置までガリウムとナトリウムとが溶融した混合フラックスを満たし、加圧窒素下に置いて、c面を主面とするGaN自立基板10のガリウム面FGaにGaN単結晶を析出させ、単結晶成長させる。
第3の例は、図1.Cのように、坩堝26−3は平らな底部を有するほかは形状が例えば円筒状等の任意であり、当該平らな底部に治具ST−3を配置し、治具ST−3に2枚のc面を主面とするGaN自立基板10−1、10−2を配置させるものである。ここで、当該2枚のc面を主面とするGaN自立基板10−1、10−2は、互いの窒素面を密着させて、c軸が水平方向となるように治具ST−3に固定される。即ち、当該2枚のc面を主面とするGaN自立基板10−1、10−2は、いずれもがガリウム面FGa−1、FGa−2を露出した状態となる。こうして、坩堝26−3の、図1.Cで長い破線で示した位置までガリウムとナトリウムとが溶融した混合フラックスを満たし、加圧窒素下に置いて、c面を主面とするGaN自立基板10−1、10−2のそれぞれのガリウム面FGa−1、FGa−2にGaN単結晶を析出させ、単結晶成長させる。
第4の例は、図1.Dのように、坩堝26−4は平らな底部を有するほかは形状が例えば円筒状等の任意であり、当該平らな底部に治具ST−4を配置し、治具ST−4にc面を主面とするGaN自立基板10を固定するものである。ここで、当該c面を主面とするGaN自立基板10は、窒素面が治具ST−4により覆われて、c軸が水平方向となるように治具ST−4に固定される。即ち、当該c面を主面とするGaN自立基板10は、ガリウム面FGaを露出した状態となる。こうして、坩堝26−4の、図1.Dで長い破線で示した位置までガリウムとナトリウムとが溶融した混合フラックスを満たし、加圧窒素下に置いて、c面を主面とするGaN自立基板10のガリウム面FGaにGaN単結晶を析出させ、単結晶成長させる。ここで、治具ST−4の大きさはGaN自立基板10の大きさよりも一回り大きいことが好ましい。一回り大きいことで、側面に成長した結晶が、GaN自立基板10の窒素面に回り込むおそれが少なくなる。大きすぎると溶液の対流を阻害する可能性が高くなる。
本発明を実施するためのその他の条件等について述べる。
フラックス中におけるIII族元素と窒素との反応温度は、500℃以上1100℃以下がより望ましく、更に望ましくは、850℃〜900℃程度がよい。また、窒素含有ガスの雰囲気圧力は、0.1MPa以上6MPa以下が望ましく、更に望ましくは、3.5MPa〜4.5MPa程度がよい。また、アンモニアガス(NH3)を使用すると、雰囲気圧力を低減できる場合がある。また、用いる窒素ガスは、プラズマ状態のものでも良い。
また、所望のIII族窒化物系化合物半導体結晶の中に添加する不純物として、当該混合フラックス中に、ボロン(B)、タリウム(Tl)、カルシウム(Ca)、カルシウム(Ca)を含む化合物、珪素(Si)、硫黄(S)、セレン(Se)、テルル(Te)、炭素(C)、酸素(O)、アルミニウム(Al)、インジウム(In)、アルミナ(Al23)、窒化インジウム(InN)、窒化珪素(Si34)、酸化珪素(SiO2)、酸化インジウム(In23)、亜鉛(Zn)、マグネシウム(Mg)、ストロンチウム(Sr)、バリウム(Ba)、酸化亜鉛(ZnO)、酸化マグネシウム(MgO)、またはゲルマニウム(Ge)などを含有させてもよい。これらの不純物は、1種類だけを含有させても良いし、同時に複数種類を含有させても良いし、また、必ずしも含有させなくてもよい。即ち、これらの選択や組み合わせは任意で良い。これらの不純物の添加によって、目的の半導体結晶のバンドギャップや電気伝導性や格子定数や優先成長方位などを所望の特性値に調整することができる。
また、フラックス法に基づく目的の結晶成長の開始以前に、下地基板の一部である種結晶(III族窒化物系化合物半導体結晶)が、フラックス中に溶融することを緩和したり防止したりするために、例えばCa32,Li3N,NaN3,BN,Si34,InNなどの窒化物を予めフラックス中に含有させておいてもよい。これらの窒化物をフラックス中に含有させておくことによって、フラックス中の窒素濃度が上昇するため、目的の結晶成長開始以前の種結晶のフラックス中への融解を未然に防止したり緩和したりすることが可能となる。
また、用いる結晶成長装置としては、フラックス法が実施可能なものであれば任意でよく、例えば、上記の特許文献に記載されているもの等を適用又は応用することができる。ただし、フラックス法に従って結晶成長を実施する際の結晶成長装置の反応室の温度は、1000℃程度にまで任意に昇降温制御できることが望ましい。また、反応室の気圧は、約100気圧(約1.0×107Pa)程度にまで任意に昇降圧制御できることが望ましい。また、これらの結晶成長装置の電気炉、ステンレス容器(反応容器)、原料ガスタンク、及び配管などは、例えば、ステンレス系(SUS系)材料やアルミナ系材料等の耐熱性及び耐圧性の高い材料によって形成することが望ましい。
また、同様の理由から、坩堝は、高耐熱性および耐アルカリ性が要求される。例えばタンタル(Ta)、タングステン(W)、モリブデン(Mo)、アルミナ、サファイア、または熱分解(パイロリティック)窒化ホウ素(PBN)などの金属やセラミックス等から形成することが望ましい。
また、用いる結晶成長装置としては、フラックス及び種結晶を揺動させる手段を有するものを用いてもよい。この様な揺動手段によって、フラックスに対する攪拌作用が得られるので、結晶成長面上にフラックスをより均一に供給できる場合もある。また、その揺動回数は、揺動角度にもよるが、例えば10回/分程度で十分である。
なお、種結晶の大きさや厚さは任意で良いが、工業的な実用性を考慮すると、直径約45mm程度の円形のものや、約27mm四方の角形や約13mm四方の角形などがより望ましい。また、種結晶の結晶成長面の曲率半径は大きいほど、即ち平坦であればあるほど望ましい。
また、上記の種基板の法線の方向は、水平に近い程望ましい。また、坩堝を揺動させる場合には、結晶成長面の法線の平均的な方向が、揺動方向に対して、直角または、直角に近い方向に維持されていれば効果が高い。
以下、本発明を具体的な実施例に基づいて説明する。
ただし、本発明の実施形態は、以下に示す個々の実施例に限定されるものではない。
まず、直径は50mm、厚さは0.5mmのGaN自立基板10を用意した。GaN自立基板10は、所望の半導体結晶のフラックス法による成長が開始されるまでの間に、幾らかはフラックスに溶け出す場合がある。その際に消失されない厚さの自立基板が必要である。
なお、この様な消失(種結晶の溶解)を防止または緩和するためのその他の方法としては、例えば後述の結晶成長処理ではその実施前に、混合フラックスの中にCa32,Li3N,NaN3,BN,Si34またはInNなどの窒化物を予め添加しておいてもよい。
図2に、本実施例で用いる結晶成長装置20の構成を示す。この結晶成長装置20は、フラックス法に基づく結晶成長処理を実行するためのものであり、高温、高圧の窒素ガス(N2)を供給するための給気管21と、窒素ガスを排気するための排気管22とを有する電気炉(外部容器)25の中には、ヒーターHと、断熱材23と、ステンレス容器(内部容器)24が具備されている。電気炉(外部容器)25、給気管21、排気管22等は、耐熱性、耐圧性、反応性などを考慮し、ステンレス系(SUS系)またはアルミナ系の材料から形成されている。
そして、ステンレス容器24の中には、坩堝26(反応容器)がセットされている。この坩堝26は、例えば、タングステン(W)、モリブデン(Mo)、窒化ボロン(BN)、熱分解(パイロリティック)窒化ボロン(PBN)、またはアルミナ(Al23)などから形成することができる。
また、電気炉25内の温度は、1000℃以下の範囲内で任意に昇降温制御することができる。また、ステンレス容器24の中の結晶雰囲気圧力は、1.0×107Pa以下の範囲内で任意に昇降圧制御することができる。
尚、図2では記載を省略したが、上述したGaN自立基板10は、図1.Dの治具ST−4を用い、ガリウム面FGaを露出した状態として坩堝26(反応容器)内に配置した。ここで、治具ST−4の大きさは、用いたGaN自立基板10よりも約2. 5mmだけ直径を大きくした。すなわち、治具ST−4の直径を55mmとした。
以下、上記の結晶成長装置を用いた本実施例1の結晶成長工程について説明する。
まず、GaN自立基板10を配置した反応容器(坩堝26)の中に、15gのナトリウム(Na)と20gのガリウム(Ga)を入れ、その反応容器(坩堝26)を結晶成長装置の反応室(ステンレス容器24)の中に配置してから、該反応室の中のガスを排気する。
ただし、これらの作業を空気中で行うとNaがすぐに酸化してしまうため、基板や原材料を反応容器にセットする作業は、Arガスなどの不活性ガスで満たされたグローブボックス内で実施する。また、この坩堝中には必要に応じて、例えばアルカリ土類金属等の前述の任意の添加物を予め投入しておいても良い。
次に、この坩堝の温度を約880℃に調整しつつ、この温度調整工程と並行して、結晶成長装置の反応室には、新たに窒素ガス(N2)を送り込み、これによって、この反応室の窒素ガス(N2)のガス圧を約3.7MPaに維持する。この時、上記のGaN自立基板10は、上記の昇温の結果生成される融液(混合フラックス)中に浸され、坩堝26内で保持された。
この時、結晶成長面であるガリウム面FGaは、混合フラックスに常時浸されていることが望ましく、また、その融液は、ヒータHの加熱作用に基づく熱対流などによって、雰囲気中の窒素成分(N2またはN)が常時十分に取り込まれていることが望ましい。混合フラックスの熱対流により、所望の半導体結晶の成長速度を向上させることができる。
その後、混合フラックスの熱対流を継続的に発生させ、これによって混合フラックスを攪拌混合しつつ、上記(2)の結晶成長条件を約200時間維持して、結晶成長を継続させた。
以上の様な条件設定により、種結晶の結晶成長面付近は、継続的にIII族窒化物系化合物半導体の材料原子(GaとN)の過飽和状態となるので、所望の半導体結晶(GaN単結晶)をGaN自立基板10の結晶成長面であるガリウム面FGa上に順調に成長させることができる。
次に、結晶成長装置の反応室を室温近傍にまで降温してから、成長したGaN単結晶(所望の半導体結晶)を取り出し、その周辺も30℃以下に維持して、そのGaN単結晶の周りに付着したフラックス(Na)をエタノールを用いて除去する。
以上の各工程を順次実行することによって、高品質の半導体単結晶(成長したGaN単結晶)を低コストで製造することができる。この半導体単結晶は、種結晶であるGaN自立基板10と略同等の面積で、c軸方向の厚さは約2mmであり、従来よりも大幅にクラックが少なかった(図3.A)。
実施例1と同様に結晶育成を行ったが、治具ST−4の大きさを、種結晶としてのGaN自立基板10の大きさと同じ大きさとした。材質はサファイアとした。室温まで冷却し、フラックスから成長した結晶を回収したところ、図3.Bに示すように、GaN自立基板10の側面から成長した結晶が、GaN自立基板10と治具ST−4との接合面側である種結晶の窒素面にまで回り込みんでいた。回り込んだ結晶は、治具ST- 4に食い込んでおり、成長した結晶の一部にはクラック30が発生していた。このことから、治具ST−4の大きさは、種結晶であるGaN自立基板10の大きさよりも大きいことが望ましいことが分かる。
〔上記実施形態の変形例〕
本発明の実施形態は、上記の形態に限定されるものではなく、その他にも以下に例示される様な変形を行っても良い。この様な変形や応用によっても、本発明の作用に基づいて本発明の効果を得ることができる。
例えば、所望の半導体結晶を構成するIII族窒化物系化合物半導体の組成式においては、III族元素(Al,Ga,In)の内の少なくとも一部をボロン(B)またはタリウム(Tl)等で置換したり、或いは、窒素(N)の少なくとも一部をリン(P)、砒素(As)、アンチモン(Sb)、ビスマス(Bi)などで置換したりすることもできる。
また、p形の不純物(アクセプター)としては、例えばアルカリ土類金属(例:マグネシウム(Mg)やカルシウム(Ca)等)などを添加することができる。また、n形の不純物(ドナー)としては、例えば、シリコン(Si)や、硫黄(S)、セレン(Se)、テルル(Te)、或いはゲルマニウム(Ge)等のn形不純物を添加することができる。また、これらの不純物(アクセプター又はドナー)は、同時に2元素以上を添加しても良いし、同時に両形(p形とn形)を添加しても良い。即ち、これらの不純物は、例えばフラックス中に予め溶融させておくこと等により、所望の半導体結晶中に添加することができる。
本発明は、III族窒化物系化合物半導体からなる半導体結晶を用いた半導体デバイスの製造になど有用である。また、これらの半導体デバイスとしては、例えばLEDやLDなどの発光素子や受光素子等以外にも、例えばFETなどのその他一般の半導体デバイスを挙げることができる。
本発明の混合フラックス容器(坩堝)26−1〜4の形状とc面を主面とするIII族窒化物系化合物半導体自立基板(種結晶)10の配置方法を示す4例の概念的断面図。 実施例で用いた結晶成長装置20の構成図。 実施例の製造方法によって得られた結晶を示した説明図。
10、10−1、10−2:c面を主面とするIII族窒化物系化合物半導体から成る自立基板
Ga:c面のうち、ガリウム面
23:断熱材
H:ヒーター(加熱装置)
24:ステンレス容器(内部容器)
25:電気炉(外部容器)
26、26−1、26−2、26−3、26−4:混合フラックスの容器(坩堝)
ST−2、ST−3、ST−4:自立基板を支持するための治具

Claims (1)

  1. アルカリ金属を有する混合フラックスの中で、ガリウム(Ga)、アルミニウム(Al)又はインジウム(In)のIII族元素と窒素(N)とを反応させることによって、III族窒化物系化合物半導体を結晶成長させる半導体結晶の製造方法において、
    III族窒化物系化合物半導体から成る+c面を主面とする板状の自立基板を種結晶として用い、前記混合フラックスの容器壁に、前記板状の種結晶の窒素面を密着させ、前記種結晶の+c面の法線方向が水平方向を基準として±30度の範囲に入るように前記混合フラックス中に配置し、
    前記+c面を主面とする板状の種結晶のIII族元素面に前記混合フラックスを接触させ、且つ、窒素面に前記混合フラックスを実質的に接触させないようにして、前記種結晶のIII族元素面側に結晶成長させることを特徴とするIII族窒化物系化合物半導体結晶の製造方法。
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