JP4880954B2 - タグホルダー、その製造方法及びタグホルダー用基材シート - Google Patents
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Description
この非接触ICタグは、「物」に付けられたタグの内部に電子的な情報をもち、読み取り装置と電波でやりとりすることで、「物」の情報を識別する機能を有し、従来のバーコードと比べて、(1)タグが保持する情報量が多い、(2)離れていても(直接見えなくても)認識することができる、(3)多数のタグを一度に認識することができる、(4)タグの情報を書き換えることができる、などの特徴を有している。
このような非接触ICタグは、例えば生産現場、流通段階、販売段階、廃棄リサイクル段階での管理や、物流管理などに利用することができる。非接触ICタグは、一般にICチップと、それに接続されるアンテナから構成された非接触型の不可視情報読み取り・書き込み手段を有している。
一方、高価な商品の販売においては、顧客にとって、その商品の価格などが分かるように、通常価格やその他商品情報を表示するための可視情報タグも用いられている。
例えば、宝石類などの販売においては、一般に非接触ICタグホルダー内に非接触ICタグ及び可視情報タグを内蔵させて、商品情報を表示するために、ポリプロピレンやポリ塩化ビニルなどのプラスチックからなるホルダーのポケットに、ICチップとアンテナ基板のみからなるインレット及び可視情報タグを挿入することが行われている。
しかしながら、このような非接触ICタグ内蔵タグホルダーにおいては、インレットを個片に切断する工程、あるいはインレットの通信検査時や、インレットをホルダー内に挿入する際のいずれにおいても、作業性が悪く、生産性に劣る上、インレットが被覆保護されていないことに起因して、異物混入や静電気による不良発生が起こりやすいなどの問題があった。
さらに、非接触ICタグ内蔵タグホルダーに対しては、要求される各機能を満たすと共に、本来可能な限り小型化することが求められるにもかかわらず、インレットを挿入するための寸法に若干の余裕をもたせる必要があった。
また、従来の非接触ICタグ内蔵タグホルダーにおいては、インレット及び製品の検査のいずれにおいても、検査の自動化を行うことは困難であって、出荷製品の通信性能の均質化、管理が十分になされていないのが実状であった。
すなわち、本発明は、
(1)粘着剤層付き無線タグと、二つ折りにすることで無線タグの両面を覆うことができる二つの所定形状部と、二つ折りにした二つの所定形状部の間に無線タグを固定するために、該所定形状部の周縁から突出して形成されている無線タグ固定用突出片を有するタグホルダー用基材シートからなり、タグホルダーの縁に可視情報タグを挿脱着するための開口部を有し、該開口部は、二つ折りした二つの所定形状部の周縁からなるものであって、一方の所定形状部から突出した無線タグ固定用突出片を折り曲げて前記無線タグの粘着剤層に接着固定し、他方の所定形状部を折り曲げて、前記粘着剤層に接着固定されていることを特徴とするタグホルダー、
(2)可視情報タグ及び無線タグの形状が方形状である上記(1)項に記載のタグホルダー、
(3)タグホルダー用基材シートが1枚の基材シートのみを用いて作製されてなる上記(1)又は(2)項に記載のタグホルダー、
(4)基材シートが透明性を有する、プラスチックシート、紙基材又はラミネート紙である上記(1)〜(3)項のいずれかに記載のタグホルダー、
(5)ホルダー本体部の大きさが、内蔵してなる無線タグとほぼ同じ大きさであり、かつ可視情報タグの大きさが、前記無線タグと同じ大きさであるか、又はそれより小さい上記(1)〜(4)項のいずれかに記載のタグホルダー、
(6)無線タグが、ICチップ及びアンテナ回路を有する非接触ICタグである上記(1)〜(5)項のいずれかに記載のタグホルダー、
(7)二つ折りすることで、無線タグの両面それぞれの全面を実質的に覆うことができる大きさの二つの所定形状部及び無線タグ固定用突出片を少なくとも有する基材シートを用い、当該基材シートの前記所定形状部の一つに、粘着剤層付き無線タグを、その粘着剤層が上面になるように載置し、次いで当該基材シートを二つ折りして、もう一方の所定形状部を前記粘着剤層に貼合する工程、を有することを特徴とする上記(2)〜(6)項のいずれかに記載のタグホルダーの製造方法、及び
(8)上記(7)項に記載の製造方法において用いられるタグホルダー用基材シート、
を提供するものである。
このタグホルダーに内蔵される粘着剤層付き無線タグ、及び挿脱着可能な可視情報タグの形状は特に限定されるものではなく、円形や楕円形などでもよいが、当該タグホルダーの作製の面から、いずれも形状が方形状のタグであることが好ましい。また、ホルダー本体部の大きさは、可能な限り小型化にすることが求められる点から、前記の内蔵してなる無線タグとほぼ同じ大きさであることが好ましく、さらに、前記可視情報タグの大きさは、前記無線タグと同じ大きさであるか、又はそれより小さいことが好ましい。
本発明のタグホルダーに内蔵される粘着剤層付き無線タグとしては、ICチップ及びアンテナ回路を有する片面又は両面粘着剤層付き非接触ICタグ、あるいはアンテナ回路を有し、ICチップを有しない片面又は両面粘着剤層付き非接触盗難防止用タグ、硬磁性体層と軟磁性体層とを有する片面又は両面粘着剤層付き磁気検知盗難防止用タグなどを用いることができる。
図1は、本発明のタグホルダーに内蔵される片面粘着剤層付き非接触ICタグの1例の概略断面図である。片面粘着剤層付き非接触ICタグ20は、A支持体1の一方の面に、接着剤層2を介して形成されたアンテナ回路3及びそれに接続されているICチップ4が、B支持体6の両側に粘着剤層5及び粘着剤層7を有する両面粘着剤層によって、粘着剤層5が対面するように被覆されており、そして粘着剤層7には剥離シート10が貼合されている。符号8は絶縁インキ、9は接着剤である。
まず、A支持体1の一方の面に、接着剤層2を介して設けられるアンテナ回路3の形成及びそれに接続されたICチップ4の実装は、以下のようにして行うことができる。
A支持体1の一方の面に、接着剤層2を介して銅箔又はアルミニウム箔などの導電性金属箔を貼着する。前記のA支持体1及びB支持体6としては、従来、一般の非接触ICタグの支持体として用いられている公知のプラスチックフィルム又は紙材の中から適宜選択して用いることができる。このようなプラスチックフィルムとしては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレートなどのポリエステルフィルム、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリ塩化ビニルフィルム、ポリ塩化ビニリデンフィルム、ポリビニルアルコールフィルム、エチレン−酢酸ビニル共重合体フィルム、ポリスチレンフィルム、ポリカーボネートフィルム、ポリメチルペンテンフィルム、ポリアミドフィルム、アクリル樹脂フィルム、ノルボルネン系樹脂フィルム、シクロオレフィン樹脂フィルム等を挙げることができる。紙材としては、上質紙、グラシン紙、クラフト紙、不織布等を挙げることができる。
これらの支持体の厚さは特に制限はなく、適宜選定されるが、通常5〜300μm、好ましくは10〜200μmの範囲である。また、この支持体は、プラスチックフィルムを用いる場合、その表面に設けられる層との密着性を向上させる目的で、所望により片面又は両面に、酸化法や凹凸化法などにより表面処理を施すことができる。上記酸化法としては、例えばコロナ放電処理、プラズマ処理、クロム酸処理(湿式)、火炎処理、熱風処理、オゾン・紫外線照射処理などが挙げられ、また、凹凸化法としては、例えばサンドブラスト法、溶剤処理法などが挙げられる。これらの表面処理法は支持体の種類に応じて適宜選ばれるが、一般にはコロナ放電処理法が効果及び操作性などの面から、好ましく用いられる。また、片面又は両面にプライマー処理を施したものも用いることができる。当該接着剤層2を構成する接着剤としては、ポリエステル系、ポリウレタン系などの公知の接着剤を用いることができる。この場合、図では接着剤層2が設けられているが、A支持体1上に、直接蒸着や金属溶射などにより、銅薄膜又はアルミニウム薄膜などの導電性金属薄膜を設けてもよい。次いで、例えばリソグラフィー技術を用いるエッチング加工により回路パターンを形成する。また、これら以外の方法として、A支持体1上に、導電性ペーストをシルクスクリーン印刷法などにより塗布し、回路パターンを形成してもよい。上記導電性ペーストは、銀粉末などの金属粒子、接着用樹脂、可塑剤、溶剤などを含有するものである。回路パターンの厚さは、通常10〜40μm程度である。
このようにして、A支持体1の一方の面に、接着剤層2を介して形成されたアンテナ回路3及びそれに接続されているICチップ4を、剥離シート10が貼合された、B支持体6の両面に粘着剤層5及び7を有する両面粘着剤層の粘着剤層5側の剥離シート10を剥がし、該粘着剤層5が対面するように両面粘着剤層で被覆する。アンテナ回路3及びICチップ4を有するインレットに積層する粘着剤層として、B支持体6を有する両面粘着剤層を用いたが、これに限られず、B支持体6を有さない粘着剤層単独のものを用いてもよい。
前記粘着剤層5及び7を構成する粘着剤としては、アクリル系、ゴム系、ポリエステル系、ポリウレタン系粘着剤などを用いることができるが、これらの中で耐候性などの面から、アクリル系粘着剤が好適である。該粘着剤層の厚さは、通常5〜60μm、好ましくは15〜40μmの範囲である。
また、粘着剤層5及び粘着剤層7に貼合される剥離シート10としては、ポリエチレンテレフタレート(PET)、発泡PET、ポリプロピレンなどのプラスチックフィルムや、ポリエチレンラミネート紙、グラシン紙、クレーコート紙などに、剥離剤を塗布したものが用いられる。該剥離剤としては、シリコーン系のものが好ましく、その他フッ素系、長鎖アルキル基含有カーバメイト系のものなども使用することができる。剥離剤の塗布厚さは、通常0.1〜2.0μm、好ましくは0.5〜1.5μmの範囲である。また、剥離シートの厚さについては特に制限はないが、通常20〜150μm程度である。
最後に、所定形状に裁断することにより、本発明のタグホルダーに内蔵される片面粘着剤層付き非接触ICタグが得られる。また、後述する袋状部を有する基材シートを用いる場合には、アンテナ回路3及びICチップ4を有するインレットの両側に粘着剤層を設けた両面粘着剤層付き非接触ICタグを用いることができる。
このICタグは、前述のようにラベル型(方形状)のものが好ましく、そのサイズは用途にもよるが、ラベル型の場合、通常10×10mm〜100×100mm程度であり、また厚さは50〜500μm程度である(剥離シートを含まず)。
一方、タグホルダーに内蔵される粘着剤層付き無線タグが、粘着剤層付き非接触盗難防止用タグである場合、この非接触盗難防止用タグとしては、前記粘着剤層付き非接触ICタグにおいて、ICチップを実装しないこと以外は、同様にして作製されたタグを用いることができる。
この可視情報タグにおける支持体としては、例えば、前述の非接触ICタグの説明において、支持体として例示したプラスチックフィルムと同じもの、あるいは合成紙、ラミネート紙、紙基材などを用いることができる。これらの支持体は、その表面に必要に応じインク受理層などを設けることができる。
また、支持体としてプラスチックフィルムを用いる場合には、前記非接触ICタグにおける支持体の場合と同様に、所望により表面処理を施すことができる。
この可視情報タグの形状は、前述したように方形状が好ましく、また、その大きさは、本発明のタグホルダーに内蔵される無線タグの大きさと同じであるか、それよりも小さいものが好ましい。
次に、本発明のタグホルダー及びその製造方法について説明する。
本発明のタグホルダーは、それに内蔵される粘着剤付き無線タグの粘着剤層を利用し、特定の折り曲げ操作を行うことにより、前記無線タグが、その粘着剤層を介してホルダー内壁に固定されていると共に、可視情報タグを挿脱着するための開口部を有するタグホルダーを、外径サイズが小さく、かつ安定した品質でもって生産性よく得ることができる。
当該基材シートとしては、可視情報タグを挿入した際に外部より認識できる程度の透明性を有することが好ましい。透明性を有していない場合には、挿入した可視情報タグを視認できるように、窓枠状に基材シートを切り抜く必要がある(図6参照)。
これらの基材シートの厚さについては特に制限はないが、通常10〜500μm程度、好ましくは20〜250μmである。
本発明のタグホルダーは、本発明の方法に従えば、以下に示す方法に従って製造することができる。
本発明の方法においては、二つ折りすることで、無線タグの両面それぞれの全面を実質的に覆うことができる大きさの二つの所定形状部及び無線タグ固定用突出片を少なくとも有する基材シートを用い、当該基材シートの前記所定形状部の一つに、片面粘着剤層付き無線タグを、その粘着剤層が上面になるように載置し、次いで当該基材シートを二つ折りして、もう一方の所定形状部を前記粘着剤層に貼合する工程を少なくとも施すことにより、前述した性状を有する本発明のタグホルダーを効率よく製造することができる。
また、前記の二つの所定形状部のいずれか一方の裏面側に同じ形状、サイズのシートを、開口部ができるように熱融着させ、予め可視情報タグが挿脱着できるように袋状部を形成した基材シートを用い、当該基材シートの前記所定形状部の一つの表面側に、両面粘着剤層付き無線タグを載置し、次いで当該基材シートを二つ折りして、もう一方の所定形状部を前記粘着剤層に貼合する工程を少なくとも施すことによって、本発明のタグホルダーを製造することもできる。
図2〜図6は、それぞれ異なる形状の基材シートを用いて、本発明のタグホルダーを製造する方法を示す工程図である。
図2において、基材シート27は、折り線26にて二つ折りすることで、無線タグの両面それぞれの全面を実質的に覆うことができる大きさの二つの方形状部21a及び21bを有すると共に、前記無線タグ固定用の突出片22を有している[図(a)]。
まず、方形状部21a上に片面粘着剤層付き無線タグを、その粘着剤層25が上面になるように載置する[図(b)]。次いで折り線24にて、無線タグ固定用の突出片22を折り曲げて、無線タグの粘着剤層25に貼合して該無線タグを固定すると共に[図(c)]、方形状部21bを折り線26にて折り曲げ、粘着剤層25に貼合することにより、本発明のタグホルダー28が得られる[図(d)]。なお、符号23a、23b及び23は、所望により設けられる紐通し用穴を示す。
このようにして得られた本発明のタグホルダーは、無線タグが、その粘着剤層を介してホルダー内壁に固定されていると共に、当該無線タグの粘着剤層とは反対側の空間部に、可視情報タグを挿脱着するための開口部を有している。
図3において、基材シート37は、折り線36にて二つ折りすることで、無線タグの両面それぞれの全面を実質的に覆うことができる大きさの二つの方形状部31a及び31bを有すると共に、前記無線タグ固定用の突出片32を有している[図(a)]。
まず、方形状部31a上に粘着剤層付き無線タグを、その粘着剤層35が上面になるように載置する[図(b)]。次いで折り線34にて、無線タグ固定用の突出片32を折り曲げて、無線タグの粘着剤層35に貼合して該無線タグを固定すると共に[図(c)]、方形状部31bを折り線36にて折り曲げ、粘着剤層35に貼合することにより、本発明のタグホルダー38が得られる[図(d)]。なお、符号33a、33b及び33は、所望により設けられる紐通し用穴を示す。
図4において、基材シート47は、折り線46にて二つ折りすることで、無線タグの両面それぞれの全面を実質的に覆うことができる大きさの二つの方形状部41a及び41bを有すると共に、前記無線タグ固定用の突出片42a及び42bを有している[図(a)]。
まず、方形状部41a上に粘着剤層付き無線タグを、その粘着剤層45が上面になるように載置する[図(b)]。次いで折り線44a及び44bにて、それぞれ無線タグ固定用の突出片42a及び42bを折り曲げて、無線タグの粘着剤層45に貼合して該無線タグを固定すると共に[図(c)]、方形状部41bを折り線46にて折り曲げ、粘着剤層45に貼合することにより、本発明のタグホルダー48が得られる[図(d)]。なお、符号43a、43b及び43は、所望により設けられる紐通し用穴を示す。
まず、方形状部51a上に粘着剤層付き無線タグを、その粘着剤層55が上面になるように載置する[図(b)]。次いで折り線54a及び54bにて、それぞれ無線タグ固定用の突出片52a及び52bを折り曲げて、無線タグの粘着剤層55に貼合して該無線タグを固定すると共に[図(c)]、方形状部51bを折り線56にて折り曲げ、粘着剤層55に貼合することにより、本発明のタグホルダー58が得られる[図(d)]。なお、符号53a、53b及び53は、所望により設けられる紐通し用穴を示す。
図6において、基材シート67は、不透明シートであって、折り線66にて二つ折りすることで、無線タグの両面それぞれの全面を実質的に覆うことができる大きさの二つの方形状部61a及び61bを有すると共に、前記無線タグ固定用の突出片62a及び62bを有している[図(a)]。なお、方形状部61aには、長方形の切り抜き部60が設けられている。
まず、方形状部61a上に粘着剤層付き無線タグを、その粘着剤層65が上面になるように載置する[図(b)]。次いで折り線64a及び64bにて、それぞれ無線タグ固定用の突出片62a及び62bを折り曲げて、無線タグの粘着剤層65に貼合して該無線タグを固定すると共に[図(c)]、方形状部61bを折り線66にて折り曲げ、粘着剤層65に貼合することにより、本発明のタグホルダー68が得られる[図(d)]。なお、符号63a、63b及び63は、所望により設けられる紐通し用穴を示す。
このようなタグホルダーにおいては、可視情報タグは、切り抜き部60から、視認することができる。
図7で示される基材シート70は、図4における基材シート47の変形型であり、図8で示される基材シート80は、図5における基材シート57の変形型である。
図9は、図2で示されるタグホルダー28における可視情報タグを挿脱着するための開口部の1例を示す説明図、図10は、上記タグホルダー28に可視情報タグを挿入する状態の1例を示す説明図、図11は上記タグホルダー28に可視情報タグを挿入し、外部から見た状態の1例を示す説明図である。
図9では、基材シートの方形状部21bに、粘着剤層25付き非接触ICタグ20が、粘着剤層25を介して固定されると共に、方形状部21aと非接触ICタグ20とで開口部29が形成されていることが示されている。
図10において、符号23は紐通し穴、90は可視情報タグであり、タグホルダーを取り付ける商品の価格などを印字した可視情報タグ90を矢印の方向からタグホルダー28の開口部29に挿入する。
図11では、可視情報タグ90が挿入されて、商品などに取り付ける状態の本発明のタグホルダー28が示されている。
図12は、予め可視情報タグが挿脱着できるように袋状部を形成した基材シートを用いて形成されてなる本発明のタグホルダーの構成の1例を示す概略断面図である。
基材シートにおける方形状部91a上に、両面粘着剤層付き非接触ICタグ92が、粘着剤層95を介して固定されていると共に、他方の粘着剤層95'を介して、基材シートの方形状部91bが接合されている。
この方形状部91bは、予め基材シート94と熱融着させ、空間部93が形成されるように、袋状部を有している。
このような本発明のタグホルダーは、無線タグが内蔵されていると共に、可視情報タグの挿脱着が可能であって、品質の安定化、生産性の向上及び外形サイズの小型化を図ることができ、例えば宝石類などの高価格品分野において、好適に用いられる。
本発明はまた、前述した本発明のタグホルダーの製造方法において用いられる基材シートをも提供する。
実施例1
厚さ70μmのポリ塩化ビニルフィルム[三菱MKV(株)製、商品名「アルトロン#380」]を用い、図2(a)に示す形状の基材シートに裁断した。なお、図2(a)において、21a又は21bで形成される長方形の長辺の長さは30mmであり、短辺の長さは20mmであった。
粘着剤層付き無線タグとして、粘着剤層付き非接触ICタグ[リンテック(株)製、商品名「TS−L102JC」、サイズ20×30mm、厚さ200μm]を用い、前記基材シートを、図2(a)〜(d)に従って折り曲げ加工し、図2(d)に示すタグホルダーを作製した。このようにして得られた無線タグ内蔵タグホルダーの本体部のサイズは、約20×30mmであった。
このタグホルダーにおいては、無線タグの粘着剤層とは反対側の空間部に、無線タグと同一サイズの方形状の可視情報タグを挿脱着したが、極めて容易に行えた。
実施例2
実施例1において、厚さ70μmのポリ塩化ビニルフィルムの代わりに、厚さ40μmのポリプロピレンフィルム[王子特殊紙(株)製、商品名「アルファン」]を用いた以外は、実施例1と同様にして、無線タグ内臓タグホルダーを作製した。
このタグホルダーにおいては、無線タグの粘着剤層とは反対側の空間部に、無線タグと同一サイズの方形状の可視情報タグを挿脱着したが、極めて容易に行えた。
実施例3
実施例1において、厚さ70μmのポリ塩化ビニルフィルムの代わりに、厚さ31μmの透明グラシン紙[リンテック(株)製、商品名「クリスタルウインドウ」]を用いた以外は、実施例1と同様にして、無線タグ内臓タグホルダーを作製した。
このタグホルダーにおいては、無線タグの粘着剤層とは反対側の空間部に、無線タグと同一サイズの方形状の可視情報タグを挿脱着したが、極めて容易に行えた。
2 接着剤層
3 アンテナ回路
4 ICチップ
5、7 粘着剤層
6 B支持体
8 絶縁インキ
9 接着剤
10 剥離シート
20 粘着剤層付き非接触ICタグ
21a、21b、31a、31b、41a、41b、51a、51b、61a、61b、91a、91b 方形状部
22、32、42a、42b、52a、52b、62a、62b ICタグ固定用突出片
23a、23b、23、33a、33b、33、43a、43b、43、53a、53b、53、63a、63b、63 紐通し用穴
24、34、44a、44b、54a、54b、64a、64b 折り線
25、35、45、55、65、95、95' 粘着剤層
26、36、46、56、66 折り線
27、37、47、57、67、70、80 基材シート
28、38、48、58、68、98 タグホルダー
29 開口部
60 切り抜き部
90 可視情報タグ
92 両面粘着剤層付き非接触ICタグ
93 空間部
94 基材シート
Claims (8)
- 粘着剤層付き無線タグと、二つ折りにすることで無線タグの両面を覆うことができる二つの所定形状部と、二つ折りにした二つの所定形状部の間に無線タグを固定するために、該所定形状部の周縁から突出して形成されている無線タグ固定用突出片を有するタグホルダー用基材シートからなり、タグホルダーの縁に可視情報タグを挿脱着するための開口部を有し、該開口部は、二つ折りした二つの所定形状部の周縁からなるものであって、一方の所定形状部から突出した無線タグ固定用突出片を折り曲げて前記無線タグの粘着剤層に接着固定し、他方の所定形状部を折り曲げて、前記粘着剤層に接着固定されていることを特徴とするタグホルダー。
- 可視情報タグ及び無線タグの形状が方形状である請求項1に記載のタグホルダー。
- タグホルダー用基材シートが1枚の基材シートのみを用いて作製されてなる請求項1又は2に記載のタグホルダー。
- 基材シートが透明性を有する、プラスチックシート、紙基材又はラミネート紙である請求項1〜3のいずれかに記載のタグホルダー。
- ホルダー本体部の大きさが、内蔵してなる無線タグとほぼ同じ大きさであり、かつ可視情報タグの大きさが、前記無線タグと同じ大きさであるか、又はそれより小さい請求項1〜4のいずれかに記載のタグホルダー。
- 無線タグが、ICチップ及びアンテナ回路を有する非接触ICタグである請求項1〜5のいずれかに記載のタグホルダー。
- 二つ折りすることで、無線タグの両面それぞれの全面を実質的に覆うことができる大きさの二つの所定形状部及び無線タグ固定用突出片を少なくとも有する基材シートを用い、当該基材シートの前記所定形状部の一つに、粘着剤層付き無線タグを、その粘着剤層が上面になるように載置し、次いで当該基材シートを二つ折りして、もう一方の所定形状部を前記粘着剤層に貼合する工程、を有することを特徴とする請求項2〜6のいずれかに記載のタグホルダーの製造方法。
- 請求項7に記載の製造方法において用いられるタグホルダー用基材シート。
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