JP4880912B2 - 易水洗型睫用化粧料 - Google Patents
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Description
これらの睫用化粧料は、ワックス等の固形状油分、油溶性樹脂及び粉体、皮膜形成剤を主骨格として構成されており、化粧品としての快適な使用性、使用感、及び機能性を演出するために、種々の性状、性質をもつワックス類、油溶性樹脂、粉体、皮膜形成剤の配合検討が行われてきた。これら、ワックスや油溶性樹脂の研究により、耐水性や耐油性が飛躍的に向上してきた。しかし、耐水性や耐油性が向上すると、化粧膜の除去が困難になり、強力な化粧膜の除去を目的とした目元専用のリムーバーが必要となってきた。この目元専用リムーバーは、強力な化粧膜の除去を可能とするメリットもあるが、その反面、目にも大きな負担がかかるというデメリットもあった。そこで、目元専用リムーバーを使用しなくても、温水により除去できる睫用化粧料(例えば、特許文献1、2参照)や水で除去できるマスカラ下地(例えば、特許文献3参照)の開発が行われてきた。
(A)ポリビニルアルコール0.01〜3質量%
(B)(メタ)アクリル酸アルキル重合体、(メタ)アクリル酸・(メタ)アクリル酸アルキル共重合体及び(メタ)アクリル酸アルキル・スチレン共重合体から選ばれた重合体の水性分散物5.0〜30質量%(固形物換算)
(C)N−ビニルピロリドン・スチレン共重合体及び/又はN−ビニルピロリドン・酢酸ビニル共重合体0.1〜10質量%
を含有することを特徴とする水中油型乳化タイプの易水洗型睫用化粧料である。
本発明において、易水洗型とは、水によって容易に洗い流せること、すなわち、水温が25℃以下であっても除去する行為(洗顔や睫を擦る行為)により、容易に落とす事ができることをいう。
本発明に使用される成分(A)のポリビニルアルコールの含有量は、0.01〜3質量%(以下、単に「%」で示す。)であり、好ましくは0.5〜2%である。この範囲であれば、水での落とし易さ、化粧持ち効果、使用性(軽さ、なめらかさ)、化粧膜の均一性(光沢度)の点で満足のいくものが得られる。
本発明に使用される成分(B)の含有量は、固形分換算で5〜30%、好ましくは10〜20%である。この範囲であれば、水での落とし易さ、化粧持ち効果、使用性(軽さ、なめらかさ)、化粧膜の均一性(光沢度)の点で満足のいくものが得られる。
本発明に使用される成分(C)の含有量は、固形分換算で0.1〜10%、好ましくは1〜5%である。この範囲であれば、効果の持続性、使用性、化粧膜の均一性(光沢度)の点で満足のいくものが得られる。
また、本発明の易水洗型睫用化粧料には、通常化粧料に配合される成分として、炭化水素油、エステル油、植物油、抱水性油剤、シリコーン油、シリコーン誘導体等の油性成分、無機顔料、有機顔料及び体質顔料等の粉体およびそれらのシリコーン処理物やフッ素化合物処理物、界面活性剤、繊維、多価アルコール、水溶性高分子、保湿剤等の水性成分、糖類、紫外線吸収剤、酸化防止剤、防腐剤、リパーゼやプロテアーゼ等の酵素類、レゾルシンやイオウ等の各種薬剤、清涼剤、色素、香料等を本発明の効果を妨げない範囲で配合することができる。
非イオン界面活性剤としては、例えば、グリセリン脂肪酸エステル及びそのアルキレングリコール付加物、ポリグリセリン脂肪酸エステル及びそのアルキレングリコール付加物、プロピレングリコール脂肪酸エステル及びそのアルキレングリコール付加物、ソルビタン脂肪酸エステル及びそのアルキレングリコール付加物、ソルビトールの脂肪酸エステル及びそのアルキレングリコール付加物、ポリアルキレングリコール脂肪酸エステル、蔗糖脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、グリセリンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ラノリンのアルキレングリコール付加物、ポリオキシアルキレンアルキル共変性シリコーン、ポリエーテル変性シリコーン等が挙げられる。
アニオン界面活性剤としては、例えば、ステアリン酸、ラウリン酸のような脂肪酸の無機及び有機塩、アルキルベンゼン硫酸塩、アルキルスルホン酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、ジアルキルスルホコハク酸塩、α−スルホン化脂肪酸塩、アシルメチルタウリン塩、N−メチル−N−アルキルタウリン塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸塩、アルキル燐酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル燐酸塩、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル燐酸塩、N−アシルアミノ酸塩、N−アシル−N−アルキルアミノ酸塩、ο−アルキル置換リンゴ酸塩、アルキルスルホコハク酸塩等が挙げられる。
カチオン界面活性剤としては、例えば、アルキルアミン塩、ポリアミン及びアルカノールアミン脂肪酸誘導体、アルキル四級アンモニウム塩、環式四級アンモニウム塩等が挙げられる。
両性界面活性剤としては、アミノ酸タイプやベタインタイプのカルボン酸型、硫酸エステル型、スルホン酸型、リン酸エステル型のものがあり、人体に対して安全とされるものが使用できる。例えば、N,N−ジメチル−N−アルキル−N−カルボキシルメチルアンモニウムベタイン、N,N−ジアルキルアミノアルキレンカルボン酸、N,N,N−トリアルキル−N−スルフォアルキレンアンモニウムベタイン、N,N−ジアルキル−N,N−ビス(ポリオキシエチレン硫酸)アンモニウムベタイン、2−アルキル−1−ヒドロキシエチル−1−カルボキシメチルイミダゾリニウムベタイン、レシチン等が挙げられる。
酸化防止剤としては、例えばα−トコフェロール、アスコルビン酸等、美容成分としては例えばビタミン類、消炎剤、生薬等、防腐剤としては、例えばパラオキシ安息香酸エステル、フェノキシエタノール等が挙げられる。
紫外線吸収剤としては、例えばベンゾフェノン系、PABA系、ケイ皮酸系、サリチル酸系、4−tert−ブチル−4’−メトキシジベンゾイルメタン、オキシベンゾン等が挙げられる。
下記表1に示す処方の易水洗型睫用化粧料を調製し、容易に落とす事ができる効果、化粧持ち効果、使用性(軽さ、なめらかさ)、化粧膜の均一性、光沢度(化粧膜の均一性)について下記の方法により評価した。その結果も併せて表1に示す。
*2:AEROSIL300(日本アエロジール社製)
*3:クラレポバール 224C(クラレ社製)
*4:PLEXTOL B−500(固形分50%)(ポリマーラテックス社製)
*5:ANTARA 430(固形分40%)(ISPヴァンダイク社製)
*6:ユカフォーマー SM(固形分30%エタノール溶液)(ダイヤケムコ社製)
*7:LUVISKOL K90(バディッシュ社製)
*8:プラスサイズ L−6330(固形分30%エタノール水溶液)(互応化学工業社製)
(製造方法)
(製法)
A.成分(1)〜(11)を80℃に加熱し、均一に混合する。
B.成分(12)〜(22)を80℃で均一に加熱混合する。
C.AにBを加え、乳化し、室温まで冷却する。
D.Cを容器に充填して製品とする。
下記評価項目について各々下記方法により評価を行った。
(評価項目)
a.化粧膜の落とし易さ
b.化粧効果の持続性
c.使用性
d.化粧膜の均一性
e.流水試験(化粧膜の落とし易さ及び化粧効果の持続性)
f.耐水性試験(化粧効果の持続性)
g.光沢度(化粧膜の均一性)
a〜dについては、各試料について専門パネル20名による使用テストを行い、パネル各人が下記絶対評価にて6段階に評価し評点を付け、各試料のパネル全員の評点合計から、その平均値を算出し、下記4段階判定基準により判定した。
尚、aの化粧膜の落とし易さについては、水道水を用いて、睫を水にぬらしながら除去することにより、容易に落とす事ができるかどうかを評価した。
また、bの化粧効果の持続性については、各試料を睫に塗布し、パネルに通常の生活をしてもらい、6時間後に涙や汗などでは落ちていないかどうかを評価した。
aの化粧膜の落とし易さとbの化粧効果の持続性については、前記使用テストによる評価に加え、下記の試験(e、f)を行った。
dの化粧膜の均一性はグロスメーターを用いて測定した結果(g)も加えた。
(評点):(評価)
6 :非常に良い
5 :良い
4 :やや良い
3 :普通
2 :やや悪い
1 :悪い
0 :非常に悪い
(判定):(評点の平均点)
◎ :5点を超える :非常に良好
○ :3点を超える5点以下:良好
△ :1点を超える3点以下:やや不良
× :1点以下 :不良
e.各試料をガラス板に膜厚32mil(約0.8mm)のアプリケータで塗布膜を形成させ、この塗布膜を流水に30秒さらした後の指でこすり塗布膜の状態を下記の基準で評価及び判定した。尚、本試験は、涙や汗では落ちない耐水性と、水での落とし易さの両者を評価軸として判定した。また、水を流してから30秒以内で壊れるものが、使用テストでの化粧膜の落とし易いものと一致したため、以下の基準とした。
(判定):(評価基準)
◎ :塗布膜は、水の流し始めは壊れないが、15秒程度から壊れ始め、指でこすることにより塗布膜が簡単に壊れる。
○ :塗布膜は、水の流し始めは壊れないが、25秒程度から壊れ始め、指でこすることにより塗布膜が簡単に壊れる。
△ :塗布膜は、水を流して30秒間は壊れないが、指でこすれば壊れる。
× :塗布膜は、水を流し始めるとすぐに壊れるか、溶ける。あるいは、30秒後指でこすっても壊れない。
f.各試料を塗布した「付け睫毛」を23.5℃の水中に6時間浸漬させ、その状態を観察し、化粧膜の剥がれ具合を下記の基準で評価及び判定した。
(判定):(評価基準)
◎ :全く「剥がれ」や「ふやけ」がない。
○ :「剥がれ」はないが、少々の「ふやけ」はみられる。
△ :「剥がれ」、「ふやけ」ともにある。
× :全て「剥がれる」か、溶けている。
g.各試料をガラス板に膜厚32mil(約0.8mm)のアプリケータで塗布膜を形成させ、グロスメーター(日本電色工業株式会社製)にて、45度入射、45度受光で光沢度を測定し、下記の基準で評価及び判定した。
(判定):(光沢度)
○ :70以上
× :70未満
(成分) (%)
(1)ステアリン酸 2
(2)キャンデリラワックス 3
(3)ミツロウ 4.5
(4)セタノール 0.1
(5)パラフィン 5
(6)モノステアリン酸グリセリン 0.9
(7)ショ糖脂肪酸エステル 1.5
(8)モノオレイン酸ポリオキシエチレンソルビタン(20E.O.) 1.3
(9)セスキオレイン酸ソルビタン 0.5
(10)ロジン酸ペンタエリスリット 3
(11)ベンガラ 1.4
(12)黄酸化鉄 2.6
(13)タルク 2
(14)マイカ 3
(15)トリエタノールアミン 1.1
(16)1,3−ブチレングリコール 7
(17)ポリビニルアルコール*9 2
(18)アクリル酸アルキル共重合体エマルション
(固形分50%)*4 10
(19)(メタ)アクリル酸アルキルスチレン共重合体エマルション
(固形分45%)*10 10
(20)ビニルピロリドン・スチレン共重合体エマルション
(固形分40%)*5 2
(21)ビニルピロリドン・酢酸ビニル共重合体*11 1
(22)ナイロン繊維(3デニール、1mm) 2
(23)無水ケイ酸 2.5
(24)香料 0.1
(25)防腐剤 0.2
(26)精製水 残量
*9:PVA EG05(日本合成化学工業社製)
*10:ヨドゾールGH41(日本NSC社製)
*11:PVP/VA−S630(ISPヴァンダイク社製)
(製法)
A.成分(1)〜(10)を80℃に加熱溶解し、成分(11)〜(14)を加え、均一に混合する。
B.成分(15)〜(26)を80℃で均一に加熱混合する。
C.AにBを加え、乳化し、室温まで冷却する。
D.Cを容器に充填して製品とする。
本発明のマスカラ(水中油型乳化タイプ)は、水を用いて除去する行為(洗顔などの行為)により、容易に落とす事ができる効果、被膜効果による化粧持ち効果、使用性(軽さ、なめらかさ)、化粧膜の均一性(光沢度)に優れたものであった。
Claims (1)
- 次の成分(A)〜(C);
(A)ポリビニルアルコール0.01〜3質量%
(B)(メタ)アクリル酸アルキル重合体、(メタ)アクリル酸・(メタ)アクリル酸アルキル共重合体及び(メタ)アクリル酸アルキル・スチレン共重合体から選ばれた重合体の水性分散物5.0〜30質量%(固形物換算)
(C)N−ビニルピロリドン・スチレン共重合体及び/又はN−ビニルピロリドン・酢酸ビニル共重合体0.1〜10質量%
を含有することを特徴とする水中油型乳化タイプの易水洗型睫用化粧料。
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