JP4880139B2 - 記録装置及びその異常判定方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、記録紙にトナー像を定着させるためにヒータで加熱される定着部材と、この定着部材の表面温度を検出する温度検出手段とを備えた記録装置及びその異常判定方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
電子写真方式の記録装置では、図8に示すように、記録紙給紙部1から記録紙が記録部2に送り込まれ、ここで感光ドラム3上に形成されたトナー像が記録紙に転写され、ついで定着ユニット4にて記録紙に転写されたトナー像を熱と圧力で定着させた上で、排紙ローラ6により記録紙が排紙トレー7上に排出される。
【0003】
定着ユニット4には、図9に示すように、ヒータ10が内蔵された加熱ローラ11と、この加熱ローラ11との間に記録紙Aを挟み込む加圧ローラ12とが設けられ、記録紙A上のトナー像に熱と圧力が加えられる。加熱ローラ11の近傍にはサーミスタ13が設けられ、このサーミスタ13で加熱ローラ11の表面温度を検出して定着に適した所定の温度領域(例えば180℃〜190℃)に収まるように制御される。また、加熱ローラ11の過昇温時にヒータ10への通電を遮断するサーモスタット14が設けられている。
【0004】
加熱ローラ11には、記録紙Aを送り出す際に記録紙Aが容易に分離するように表面に離型性を有する層を形成するなどの処置が施されると共に、記録紙Aを加熱ローラ11から分離させる剥離爪15が設けられているが、加熱ローラ11から記録紙Aが分離せずに加熱ローラ11が記録紙Aを巻き込んでしまうことがあり、巻き込まれた記録紙は加熱ローラ11の周囲で紙ジャムを起こす。この場合、図8に示した開閉カバー5を開いて定着ユニット4内で紙ジャムを起こした記録紙を取り除く作業が必要になる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、定着ユニット4内の記録紙を取り除く際に誤ってサーミスタ13に大きな外力を加えてしまい、これが原因でサーミスタ13が加熱ローラ11の表面から浮いた状態、すなわち加熱ローラ11の表面に近接した正規の位置からずれて加熱ローラ11の表面から大きく離れた状態になることがある。このようになると、加熱ローラ11の表面温度を正確に検出することができなくなり、特にサーミスタ13の検出温度が実際の温度より低い値を示すことから、加熱ローラ11が過熱されて異常な高温状態になる。この場合、サーモスタット14が働いてヒータ10への給電を停止するが、高温により部品の損傷を招いて取り替えが必要になる場合があり、復旧に手間を要する。
【0006】
本発明は、このような従来技術の問題点を解消するべく案出されたものであり、その主な目的は、温度検出手段の測温部が加熱ローラの表面から離れた異常状態を検知することが可能なように構成された記録装置及びその異常判定方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
このような目的を果たすために、本発明においては、請求項1に示すとおり、記録装置の構成を、記録紙にトナー像を定着させるためにヒータで加熱される定着部材と、この定着部材の表面温度を検出する温度検出手段と、この温度検出手段の測温部が定着部材の表面から離間して適切な温度検出を不能とする異常の有無を判定する場合、ヒータに加熱動作を行わせて、このヒータの加熱動作に伴って温度検出手段で検出される温度の上昇量が所定の基準値を下回ることにより測温部が定着部材の表面から離間していると判定する制御手段とを備えたものとした。
【0008】
これによると、定着部材の表面と測温部との距離が増大すると実際の温度より遅れて検出温度が上昇するという特性に着目し、この検出温度の変化状況に基づいて判定を行うことで的確に異常を検知することができる。しかも、異常状態の検知のために新たに部品を追加する必要がないため、コストの上昇を避けることができる。この場合、ヒータによる加熱に伴う温度上昇量が予め設定された基準値を下回るときに異常と判定すれば良く、その基準値は、定着部材の表面と測温部との離間距離の増大に伴って所要の検出精度を確保することが困難になる状態での温度変化状況に基づいて定めれば良い。なお、定着部材は、ローラの他、ベルトであっても良い。
【0009】
前記記録装置においては、請求項2に示すとおり、温度検出手段で検出される初期温度が予め設定された上限値を超える場合に、ヒータの加熱動作に先だって、定着部材の周囲の空気を入れ換えるファンを駆動させて定着部材の温度を降下させる構成をとることができる。
【0010】
これによると、異常判定のためのヒータの加熱により定着部材が異常な高温になることを避けることができる。この場合、異常判定のためのヒータの加熱による温度上昇を考慮して通常動作時の温度より低めに上限値を設定して、異常判定の過程で上限値を超えないようにすることが望ましい。またファンを駆動させる冷却操作は上限値を下回るまで行うようにすると良い。さらにファンの駆動と同時に定着部材に記録紙搬送動作を行わせると、定着部材の降温を促進することができる。
【0011】
また、本発明においては、請求項3に示すとおり、記録装置の構成を、記録紙にトナー像を定着させるためにヒータで加熱される定着部材と、この定着部材の表面温度を検出する温度検出手段と、この温度検出手段の測温部が定着部材の表面から離間して適切な温度検出を不能とする異常の有無を判定する場合、ヒータに加熱動作を行わせた上で定着部材に記録紙搬送動作を行わせて、温度検出手段で検出される記録紙搬送動作後の温度が記録紙搬送動作前の温度を上回ることにより測温部が定着部材の表面から離間していると判定する制御手段とを備えたものとした。
【0012】
これによると、ヒータの加熱動作の後に定着部材に記録紙搬送動作を行わせた場合、定着部材の表面に測温部が近接した正常状態では定着部材の表面温度に追随して検出温度が降下するのに対し、測温部が定着部材の表面から離れた異常状態では逆に検出温度が上昇を続けるという特性に着目して判定が行われ、このとき温度の上昇及び降下の別で判定を行うことができるため、僅かな温度変化量でも的確な判定が可能になる。特に定着部材の初期温度が低い場合には、温度上昇が緩慢で、単なる昇温操作のみでは正常な場合と異常な場合とで温度上昇量に有意な相違が生じるまでに時間を要し、このような低温状態での判定に要する時間を短縮する上で有効である。
【0013】
前記記録装置においては、請求項4に示すとおり、定着部材の周辺で発生する記録紙のジャム状態を検知するジャム検知手段を備え、このジャム検知手段がジャム状態を検知すると、ジャム状態が解消されたことの確認を行った上で温度検出手段の異常を判定する処理を開始させる構成をとることができる。これによると、温度検出手段の異常を引き起こす記録紙のジャム状態の発生に応じて処理を開始するため、異常を早期に検知してその旨をオペレータに速やかに報知することが可能になる。
【0014】
さらに、本発明においては、請求項5に示すとおり、記録装置の構成を、記録紙にトナー像を定着させるためにヒータで加熱される定着部材と、この定着部材の表面温度を検出する温度検出手段と、この温度検出手段の測温部が定着部材の表面から離間して適切な温度検出を不能とする異常の有無を判定する場合、温度検出手段で検出される初期温度に応じて3通りに場合分けをし、平温時には、ヒータによる加熱動作に伴って温度検出手段で検出される温度の上昇量が所定の基準値を下回ることにより測温部が定着部材の表面から離間していると判定を行い、高温時には、定着部材の周囲の空気を入れ換えるファンを駆動させて定着部材の表面温度を降下させた上で、ヒータによる加熱に伴って温度検出手段で検出される温度の上昇量が所定の基準値を下回ることにより測温部が定着部材の表面から離間していると判定を行い、低温時には、ヒータによる加熱動作に続き定着部材の記録紙搬送動作を行わせて、温度検出手段で検出される記録紙搬送動作後の温度が記録紙搬送動作前の温度を上回ることにより測温部が定着部材の表面から離間していると判定を行う制御手段とを備えたものとした。
【0015】
これによると、温度検出手段の異常を的確に検知することができ、しかも判定のために定着部材が過熱されることを避け、さらに迅速に判定を行うことが可能になる。
【0016】
また、本発明においては、請求項6に示すとおり、記録紙にトナー像を定着させるためにヒータで加熱される定着部材と、この定着部材の表面温度を検出する温度検出手段とを備えた記録装置において、温度検出手段の測温部が定着部材の表面から離間して適切な温度検出を不能とする異常の有無を判定するにあたり、温度検出手段で検出される初期温度に応じて3通りに場合分けをし、平温時には、ヒータによる加熱に伴って温度検出手段で検出される温度の上昇量が所定の基準値を下回ることにより測温部が定着部材の表面から離間していると判定を行い、高温時には、定着部材の周囲の空気を入れ換えるファンを駆動させて定着部材の表面温度を降下させた上で、ヒータによる加熱に伴って温度検出手段で検出される温度の上昇量が所定の基準値を下回ることにより測温部が定着部材の表面から離間していると判定を行い、低温時には、ヒータによる加熱動作に続き定着部材の記録紙搬送動作を行わせて、温度検出手段で検出される記録紙搬送動作後の温度が記録紙搬送動作前の温度を上回ることにより測温部が定着部材の表面から離間していると判定を行うものとした。
【0017】
これによると、温度検出手段の異常を的確に検知することができ、しかも判定のために定着部材が過熱されることを避け、さらに迅速に判定を行うことが可能になる。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下に添付の図面を参照して本発明の構成を詳細に説明する。なお、図8及び図9に示した従来の構成と共通する部分には同一の符号を付してその説明を省略する。
【0019】
図1は、本発明による記録装置の概略構成を示すブロック図である。LPC基板21には、記録部2の動作を制御するCPU22と、このCPU22での制御のためのプログラムが格納されたROM23と、プログラムを実行する際のワークエリアとなるRAM24とが設けられている。このLPC基板21は、装置全体の動作を制御する本体制御部25と接続され、この本体制御部25には、装置の動作を指示するキーなどからなる操作部や装置の状態を表示する表示部が設けられたパネル表示操作部26が接続されている。また、LPC基板21には、開閉カバーセンサ27の検出信号が入力され、開閉カバー5の閉止状態を確認することができる。
【0020】
CPU22では、記録の指示を受けて定着用の加熱ローラ11及び加圧ローラ12を回転駆動させるローラ駆動モータ28の動作を制御すると共に、装置内の温度上昇を抑えるファン8を駆動するファン駆動モータ29の動作を制御する。さらにCPU22では、加熱ローラ11の表面温度を予め設定された温度領域に調整する温度制御が行われ、そのために加熱ローラ11の表面温度を検出する温度検出手段として、第1・第2の2つのサーミスタ(測温部)13a・13bと、その出力信号のAD変換を行う温度検出回路30とが定着ユニット4に設けられており、温度検出回路30からCPU22に送られた温度信号に基づいてヒータ10の動作が制御される。ここで、第1サーミスタ13aは加熱ローラ11の軸方向中心部(通紙部)の温度を、第2サーミスタ13bは加熱ローラ11の軸方向端部(非通紙部)の温度をそれぞれ検出する。
【0021】
LPC基板21には、記録紙の動きを検出する記録紙検出センサ31の検出信号が入力され、この検出信号に応じて定着ユニット4内で発生する記録紙のジャム状態を検知することができ、ここで紙ジャム状態が検知されると、記録動作を中止した上で、紙ジャム状態が解消されたことを条件として定着ユニット4の異常を検知する自己診断テストが行われる。この自己診断テストでは、サーミスタ13a・13bが加熱ローラ11の表面から離間して適切な温度検出を不能とする異常の判定が行われ、具体的にはヒータ10による加熱動作に伴って温度検出回路30で検出される温度の変化状況に基づいて、あるいはヒータ10による加熱に続く加熱ローラ11の回転動作(搬送動作)に伴って温度検出回路30で検出される温度の変化状況に基づいて異常の判定が行われる。
【0022】
図2は、正常状態でのサーミスタ13a・13bによる検出温度の変化状況を示すグラフである。ここでは、ヒータ10が加熱動作を開始すると検出温度が上昇し、ヒータ10の加熱動作を停止して加熱ローラ11に回転動作を行わせると検出温度が降下する。ヒータ10の加熱動作により加熱ローラ11は雰囲気温度より高温になり、その後に加熱を停止して加熱ローラ11に回転動作を行わせると、周囲の空気が攪拌されることで放熱が促進され、これにより加熱ローラ11の表面温度が急速に降下し、このとき加熱ローラ11の表面にサーミスタ13a・13bが近接した正常な状態では、加熱ローラ11の表面温度に追随して検出温度も降下する。なお、加熱ローラ11を停止してヒータ10の加熱動作を再開すると再び温度が上昇し、所定の温度領域に到達するとCPU22での温度制御が働いてヒータ10の加熱動作が停止される。
【0023】
図3は、異常状態でのサーミスタ13a・13bによる検出温度の変化状況を示すグラフである。ここでは、ヒータ10が加熱動作を開始すると検出温度が上昇するが、前記図2に示した正常状態に比較して温度上昇が緩慢である。サーミスタ13a・13bは、加熱ローラ11との間に介在する空気層を介した伝熱と輻射伝熱により昇温するが、サーミスタ13a・13bが加熱ローラ11の表面から大きく離れているとサーミスタ13a・13bの雰囲気温度が上昇するのに時間を要し、検出温度が実際の温度より遅れて上昇する。この相違点に着目し、加熱動作前温度THaと加熱動作後温度THbとを比較し、両者の差である温度上昇量が所定の基準値を下回ることをもって異常状態と判定することができる。
【0024】
さらに、この異常状態では前記の正常状態とは異なり、ヒータ10の加熱動作を停止して加熱ローラ11を回転駆動するモータ28を始動しても温度は降下せず、逆に上昇を続ける。加熱ローラ11の表面からサーミスタ13a・13bが大きく離れた異常な状態では、前記の通り加熱動作に伴って検出温度が実際の温度より遅れて上昇するが、サーミスタ13a・13bの雰囲気温度が加熱ローラ11の雰囲気温度より低い状態で加熱ローラ11に回転動作(搬送動作)を行わせると、周囲の空気が攪拌されてサーミスタ13a・13bの雰囲気温度が上昇し、その結果、サーミスタ13a・13bは温度上昇を続ける。そこでこの相違点に着目し、回転動作後温度TRbが回転動作前温度TRaを上回ることをもって異常と判定することができる。
【0025】
図4は、本発明が適用された記録装置の動作手順を示すフロー図である。まずステップ101にて記録紙給紙部での給紙処理が開始され、つづくステップ102にて記録部での記録処理が開始される。そしてステップ103にて定着ユニットで紙ジャムが発生していないものと判定されると、ステップ104に進んで排紙ローラによる排紙処理が行われ、正常に終了する。
【0026】
他方、前記ステップ103にて定着ユニットで紙ジャムが発生しているものと判定されると、ステップ105に進んで定着ユニットで紙ジャムが発生している旨の表示を行ってオペレータに報知し、オペレータは定着ユニットで紙ジャムを起こしている記録紙を取り除く作業を行う。そして、開閉カバーが閉じられるとステップ106にて紙ジャムが解消されたか否かを判定し、紙ジャムが解消されたものと判定されると、ステップ107にてプリンタ準備中の表示を行ってオペレータに装置が復旧作業を行っていることを報知し、ついでステップ108にて自己診断テストを開始する。
【0027】
この自己診断テストでは、開始時に第1・第2の両サーミスタで検出される初期温度に応じて場合分けして処理が行われ、まずステップ109にて第1・第2の両サーミスタの温度T1・T2を測定し、ステップ110にて温度T1・T2のいずれか一方が所定の上限値(160℃)を越えているものと判定されると、図6に示すステップ301に進んで高温時処理を行う。つづくステップ111にて温度T1・T2のいずれか一方が所定の下限値(60℃)を下回っているものと判定されると、図7に示すステップ401に進んで低温時処理を行う。そしてステップ110及びステップ111にて温度T1・T2の双方が60℃〜160℃の平常な温度領域にあるものと判定されると、図5に示すステップ201に進んで平温時処理を行う。
【0028】
図5は、図4に示した結合子Cにつづく平温時の自己診断テストの手順を示すフロー図である。ここでは、ヒータの加熱動作を所定時間継続する昇温操作を行い、この昇温操作の前後でサーミスタで検出される加熱動作前温度THaと加熱動作後温度THbとの差を求めて、この差が予め設定された基準値Kを下回るときに異常状態と判定する。なお、ここでの自己診断テストは加熱ローラの回転を停止した状態で行われる。
【0029】
まずステップ201にて加熱動作前温度THaを測定した上で、ステップ202にてヒータを動作させ、ステップ203にて所定の加熱時間(5sec)が経過したものと判定されると、ステップ204にて加熱動作後温度THbを測定し、ヒータを停止する。そしてステップ205にて温度差ΔT=THb−THaを求め、これが所定の基準値Kを上回るか否かを判定する。ここで基準値Kは加熱動作前温度THaに応じて設定される。すなわち、加熱動作前温度THaが60≦THa≦75を満たす場合は基準値Kを約10℃とし、ΔT≧10の場合に正常、ΔT<10の場合に異常と判定する。加熱動作前温度THaが75<THa≦100を満たす場合には基準値Kを約11℃とし、100<THa≦160を満たす場合には基準値Kを約12℃として判定を行う。
【0030】
ステップ205にて温度差ΔTが基準値Kを上回るものと判定されると、ステップ206に進んで正常状態である旨の設定を行い、つづくステップ207にて正常終了処理を行って図4に示したステップ101に戻る。他方、温度差ΔTが基準値Kを下回るものと判定されると、ステップ208に進んで異常状態である旨の設定を行い、つづくステップ209にてサービスコールなどの異常表示処理を行う。
【0031】
図6は、図4に示した結合子Aにつづく高温時の自己診断テストの手順を示すフロー図である。ここでは、図5に示した平温時の自己診断テストと同様の手順で昇温操作と判定が行われるが、この診断過程に先だって、ファン8を回転させると共に加熱ローラを回転させて定着ローラの表面温度を降下させる冷却操作を行う冷却過程が設けられている。
【0032】
まずステップ301にてファン駆動モータ及びローラ駆動モータを始動させ、ステップ302にて第1・第2の両サーミスタの検出温度T1・T2を測定し、ステップ303にて検出温度T1・T2の双方が160℃を下回っているものと判定されると、ステップ304にてファン駆動モータ及びローラ駆動モータを停止する。
【0033】
次にステップ305にて加熱動作前温度THaを測定した上で、ステップ306にてヒータを動作させ、ステップ307にて所定の加熱時間(5sec)が経過したものと判定されると、ステップ308にて加熱動作後温度THbを測定し、ヒータを停止する。そしてステップ309にて温度差ΔT=THb−THaが所定の基準値Kを上回るか否かを判定する。ここで温度差ΔTが基準値Kを上回るものと判定されると、ステップ310に進んで正常状態である旨の設定を行い、つづくステップ311にて正常終了処理を行って図4に示したステップ101に戻る。他方、温度差ΔTが基準値Kを下回るものと判定されると、ステップ312に進んで異常状態である旨の設定を行い、つづくステップ313にてサービスコールなどの異常表示処理を行う。なお、基準値Kは前記平温時の自己診断テストと同様に加熱動作前温度THaに応じて設定される。
【0034】
図7は、図4に示した結合子Bにつづく低温時の自己診断テストの手順を示すフロー図である。ここでは、ヒータの加熱動作を所定時間継続する昇温操作と、その後に定着ローラの回転動作(搬送動作)を所定時間継続する降温操作とを行い、この降温操作で検出温度が降下を示さない場合に異常と判定する。具体的には降温操作の前後でサーミスタで検出される回転動作前温度TRaと回転動作後温度TRbとを比較して、この回転動作後温度TRbが回転動作前温度TRaを上回るときに異常と判定する。
【0035】
まずステップ401にてヒータを動作させ、ステップ402にて所定の加熱時間(13sec)が経過したものと判定されると、ステップ403にて回転動作前温度TRaを測定する。ついでステップ404にてヒータの加熱動作を停止した上でローラを回転駆動するモータを始動し、ステップ405にて所定の回転時間(10sec)が経過したものと判定されると、ステップ406にて回転動作後温度TRbを測定し、ローラ駆動モータを停止する。
【0036】
そしてステップ407にて回転動作後温度TRbが回転動作前温度TRaを下回るか否かを判定し、回転動作後温度TRbが回転動作前温度TRaを下回ればステップ408に進んで正常状態である旨の設定を行い、つづくステップ409にて正常終了処理を行って図4に示したステップ101に戻る。他方、回転動作後温度TRbが回転動作前温度TRaを上回るものと判定されると、ステップ410に進んで異常状態である旨の設定を行い、つづくステップ411にてサービスコールの異常表示処理を行う。
【0037】
【発明の効果】
このように本発明によれば、温度検出手段の測温部が加熱ローラの表面から離間して適切な温度検出が不能な異常状態を早期に検知することが可能になるため、定着ユニットが過熱されて損傷を受けることを避け、迅速に復旧させることが可能になり、装置の円滑な運用を図る上で大きな効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による記録装置の概略構成を示すブロック図
【図2】正常状態での検出温度の変化状況を示すグラフ
【図3】異常状態での検出温度の変化状況を示すグラフ
【図4】本発明が適用された記録装置の動作手順を示すフロー図
【図5】図4に示した結合子Cにつづく平温時の自己診断テストの手順を示すフロー図
【図6】図4に示した結合子Aにつづく高温時の自己診断テストの手順を示すフロー図
【図7】図4に示した結合子Bにつづく低温時の自己診断テストの手順を示すフロー図
【図8】従来の記録装置の概略構成を示す模式図
【図9】図8に示した定着ユニットを詳しく示す断面図
【符号の説明】
4 定着ユニット
8 ファン
10 ヒータ
11 加熱ローラ(定着部材)
13・13a・13b サーミスタ(温度検出手段の測温部)
22 CPU(制御手段)
28 ローラ駆動モータ
29 ファン駆動モータ
30 温度検出回路(温度検出手段)
31 記録紙検出センサ(ジャム検出手段)
Claims (6)
- 記録紙にトナー像を定着させるためにヒータで加熱される定着部材と、
該定着部材の表面温度を検出する温度検出手段と、
該温度検出手段の測温部が前記定着部材の表面から離間して適切な温度検出を不能とする異常の有無を判定する場合、前記ヒータに加熱動作を行わせて、該ヒータの加熱動作に伴って前記温度検出手段で検出される温度の上昇量が所定の基準値を下回ることにより前記測温部が前記定着部材の表面から離間していると判定する制御手段とを備えたことを特徴とする記録装置。 - 前記温度検出手段で検出される初期温度が予め設定された上限値を超える場合に、前記ヒータの加熱動作に先だって、前記定着部材の周囲の空気を入れ換えるファンを駆動させて前記定着部材の温度を降下させることを特徴とする請求項1に記載の記録装置。
- 記録紙にトナー像を定着させるためにヒータで加熱される定着部材と、
該定着部材の表面温度を検出する温度検出手段と、
該温度検出手段の測温部が前記定着部材の表面から離間して適切な温度検出を不能とする異常の有無を判定する場合、前記ヒータに加熱動作を行わせた上で前記定着部材に記録紙搬送動作を行わせて、前記温度検出手段で検出される前記記録紙搬送動作後の温度が前記記録紙搬送動作前の温度を上回ることにより前記測温部が前記定着部材の表面から離間していると判定する制御手段とを備えたことを特徴とする記録装置。 - 前記定着部材の周辺で発生する記録紙のジャム状態を検知するジャム検知手段を備え、該ジャム検知手段がジャム状態を検知すると、当該ジャム状態が解消されたことの確認を行った上で前記温度検出手段の異常を判定する処理を開始させることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の記録装置。
- 記録紙にトナー像を定着させるためにヒータで加熱される定着部材と、
該定着部材の表面温度を検出する温度検出手段と、
該温度検出手段の測温部が前記定着部材の表面から離間して適切な温度検出を不能とする異常の有無を判定する場合、
前記温度検出手段で検出される初期温度に応じて3通りに場合分けをし、
平温時には、前記ヒータによる加熱動作に伴って前記温度検出手段で検出される温度の上昇量が所定の基準値を下回ることにより前記測温部が前記定着部材の表面から離間していると判定を行い、
高温時には、前記定着部材の周囲の空気を入れ換えるファンを駆動させて前記定着部材の表面温度を降下させた上で、前記ヒータによる加熱に伴って前記温度検出手段で検出される温度の上昇量が所定の基準値を下回ることにより前記測温部が前記定着部材の表面から離間していると判定を行い、
低温時には、前記ヒータによる加熱動作に続き前記定着部材の記録紙搬送動作を行わせて、前記温度検出手段で検出される前記記録紙搬送動作後の温度が前記記録紙搬送動作前の温度を上回ることにより前記測温部が前記定着部材の表面から離間していると判定を行う制御手段とを備えることを特徴とする記録装置。 - 記録紙にトナー像を定着させるためにヒータで加熱される定着部材と、該定着部材の表面温度を検出する温度検出手段とを備えた記録装置において、前記温度検出手段の測温部が前記定着部材の表面から離間して適切な温度検出を不能とする異常の有無を判定する異常判定方法であって、
前記温度検出手段で検出される初期温度に応じて3通りに場合分けをし、
平温時には、前記ヒータによる加熱動作に伴って前記温度検出手段で検出される温度の上昇量が所定の基準値を下回ることにより前記測温部が前記定着部材の表面から離間していると判定を行い、
高温時には、前記定着部材の周囲の空気を入れ換えるファンを駆動させて前記定着部材の表面温度を降下させた上で、前記ヒータによる加熱に伴って前記温度検出手段で検出される温度の上昇量が所定の基準値を下回ることにより前記測温部が前記定着部材の表面から離間していると判定を行い、
低温時には、前記ヒータによる加熱動作に続き前記定着部材の記録紙搬送動作を行わせて、前記温度検出手段で検出される前記記録紙搬送動作後の温度が前記記録紙搬送動作前の温度を上回ることにより前記測温部が前記定着部材の表面から離間していると判定を行うことを特徴とする異常判定方法。
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